JP3013744U - 複合材 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 建造物に調和し、触手の際に温もり感があ
り、かつ結露の生じることがない複合材を提供。 【構成】 中空アルミニウムの外表面に硬質発泡塩化ビ
ニル樹脂層が被覆形成されてなる複合材。
り、かつ結露の生じることがない複合材を提供。 【構成】 中空アルミニウムの外表面に硬質発泡塩化ビ
ニル樹脂層が被覆形成されてなる複合材。
Description
【0001】
本考案は、一般建築用資材として使用される、特に階段用、歩行補助用手摺り に供して好適な建造物用の複合材に関する。
【0002】
従来、手摺りは、木材が主流で比較的曲げ強度の高い材質が選ばれ、これを加 工し、表面塗装して製品とされている。近年、木材不足、とりわけ硬さ、強度等 の要求されるこの分野では、使用できる木材の種類に限定があること、加工、仕 上げ、塗装と製造に至るまでの工程が多く煩雑であること、また後述する代替品 が手軽に入手できること等を理由に木製手摺りの使用は減少している。手摺りの 使用に際しては手垢による汚れ、雑菌の付着、ささくれ等の不都合もあった。
【0003】 木材に替るものとして鉄、ステンレススチール、アルミニウム等の金属パイプ が盛んに使用されるようになっている。ステンレススチールパイプを除く他の金 属パイプ類は、錆防止対策あるいは触手における冷たさを軟らげるために表面塗 装または熱可塑性樹脂コーティングしたものが上市されている。これら金属パイ プ類は、強度的には問題はないが、日本家屋建造物では周辺との調和性に欠け、 また手で握ったときの冷たさも充分に解決されているとは云えない。また寒冷地 においては温度、湿度の急激な変化にともない結露することが確認されている。
【0004】
本考案者は、上述の従来技術の不都合に鑑み、日本家屋建造物に調和し、手で 握った際にも温もり感があり、手摺りとしての強度にも耐える建造物に適した複 合材について鋭意検討した結果、中空アルミニウム材の表面を木目模様のある硬 質発泡塩化ビニル樹脂で被覆したものが、上述の目的に合致することを見いだし 本考案を完成するに到った。 本考案の目的は、軽く、日本家屋建造物に調和し、触手の際に温もり感があり 、かつ結露の生じることがない複合材を提供するにある。
【0005】
しかして、本考案の要旨とするところは、中空アルミニウムの外表面に硬質発 泡塩化ビニル樹脂層が被覆形成されてなる複合材にある。 次に本考案を図面にもとずいて詳述するが、本考案は、その要旨を逸脱しない 限り、以下の例に限定されるものではない。 図1乃至図4は、それぞれ本考案の代表的な複合材の縦断面図である。図中、 1は中空アルミニウム、2は接着剤、3は硬質発泡塩化ビニル樹脂層、4は非発 泡樹脂層をそれぞれ示している。
【0006】 本考案の複合材は、芯材となる中空アルミニウムパイプ1の外表面に硬質発泡 塩化ビニル樹脂層3が接着剤2を介してまたは介在せずに被覆形成されている。 アルミニウムパイプは、軽量でかつ強度を付与する芯材として必須であり、その 断面形状は図1及び図2に示すような円形、図3に示すような四角形、また図4 に示すような六角形等複合材の形状、用途、加工性、取付け作業性を考慮し、適 宜決定すればよい。アルミニウムパイプを使用することにより複合材を必要以上 に重くせず、施工時における切断性及びブラケットへの木ネジ或はタッピングネ ジによる取付性が容易になる。
【0007】 硬質発泡塩化ビニル樹脂層3は、通常発泡性硬質塩化ビニル樹脂組成物を加熱 発泡して形成される。アルミニウムパイプ1の外表面に硬質発泡塩化ビニル樹脂 層3を形成するには、例えば押出成形設備を用いてアルミニウムパイプ1の外表 面を発泡性硬質塩化ビニル樹脂組成物で被覆しながら加熱発泡する方法が採用さ れる。建築用複合材の外径寸法は、アルミニウムパイプを被覆した加熱発泡状態 にある樹脂組成物が押出成形設備のダイから出た直後にサイジングダイで規制さ れ、所定寸法にされる。発泡層は、通常比重でコントロールされ、0.5〜1. 0の範囲、すなわち、塩化ビニル樹脂を0.3〜3倍程度発泡させたものである のが好ましい。
【0008】 硬質発泡塩化ビニル樹脂層3を木目模様を有するように形成することにより、 日本家屋建造物との調和を好ましいものにする。木目模様は淡色をベースとした 発泡性塩化ビニル樹脂組成物と稍滑性もしくは溶融粘度の異なる濃色非発泡性樹 脂組成物とを適量混合し、浅練して押出発泡成形することによって容易に形成す ることができる。
【0009】 本考案の複合材は、アルミニウムパイプ1に予め接着剤2を塗布した後硬質発 泡塩化ビニル樹脂層3を形成するのが望ましい。図1、図3及び図4は接着剤を 介在させた例である。接着剤2はアルミニウムと発泡層を強固に接合し、熱冷サ イクル時の線膨張係数の違いによる剥離現象を生じさせない。また、本考案の複 合材を手摺りとして用いたとき、接着剤がないとアルミニウムパイプと発泡層の 一体感がなく、強度的にも劣る傾向がある。接着剤としては、アルミニウム及び 硬質発泡塩化ビニル樹脂層と相溶性、親和性のあるウレタン系接着剤またはアク リル系接着剤が望ましい。
【0010】 本考案の複合材は、硬質発泡塩化ビニル樹脂層3の外表面に非発泡樹脂層4が 形成されているのが好ましい。非発泡樹脂層4を形成するには、例えば、上述の 複合材の製造時冷却したサイジングダイを通過させて発泡樹脂層3を急冷するこ とにより、硬質発泡塩化ビニル樹脂層3の形成と同時に、その表面に実質的に非 発泡の樹脂層4を形成する方法または発泡剤を含有しない塩化ビニル樹脂、アク リル系樹脂等各種樹脂を発泡性硬質塩化ビニル樹脂組成物と共押出して非発泡樹 脂層4を形成する方法等が採用される。また、発泡樹脂層3に半硬質塩化ビニル 樹脂等の熱によるラミネートにより非発泡樹脂層4を形成する方法でもよい。勿 論、これら形成方法に限定されるものではない。
【0011】 非発泡樹脂層4は雑菌の付着を少なくすると同時に耐久性を向上させ、木材使 用時に発生していたささくれ等による怪我等の不都合が防止できる。 非発泡樹脂層4への木目模様の付与は、上述のように淡色をベースとした発泡 性樹脂組成物と濃色性発泡樹脂の混合物を浅練、押出発泡成形を行い、冷却され たサイジングダイを通すことによって容易に得られる。
【0012】 本考案の複合材を手摺りとしての用途に使用する場合、非発泡樹脂層4、すな わち表皮層の厚みが薄い程、より木質に近い感じがし、手で握った場合の温もり 感が大きくなる。 本考案の複合材には、その硬質発泡塩化ビニル樹脂層3または非発泡樹脂層4 に蛍光顔料または蓄光顔料を含有せしめるのが好ましい。例えばアクリル系樹脂 中に蛍光顔料または蓄光顔料を含有せしめて非発泡樹脂層4を形成する等の方法 がある。これら顔料を含有せしめることにより夜間において手摺りの位置を明確 に示し、安全性に寄与することができる。
【0013】 本考案の複合材の形状は、特に限定されるものではなく、その断面が円形、多 角形いずれでもよい。 そして、本考案の複合材は、各種建造物の階段の手摺り、家庭の風呂、トイレ 等の手摺り、病院、養老院等の路下の手摺り、リハビリ歩行用平行棒などに有効 に利用しうる。
【0014】
本考案の複合材は、建造物に調和し、触手の際に温もり感があり、かつ結露を 生じず、美観性、安全性、施工性、寸法安定性にすぐれており、実用価値は頗る 高い。
【図1】本考案の複合材の一例の縦断面図
【図2】本考案の複合材の例で縦断面図
【図3】本考案の複合材の例で縦断面図
【図4】本考案の複合材の例で縦断面図
1 中空アルミニウム 2 接着剤 3 硬質発泡塩化ビニル樹脂層 4 非発泡樹脂層
Claims (8)
- 【請求項1】 中空アルミニウムの外表面に硬質発泡塩
化ビニル樹脂層が被覆形成されてなる複合材。 - 【請求項2】 硬質発泡塩化ビニル樹脂層が木目模様を
有する請求項1記載の複合材。 - 【請求項3】 硬質発泡塩化ビニル樹脂層が蛍光顔料ま
たは蓄光顔料を含有してなる請求項1または請求項2記
載の複合材。 - 【請求項4】 硬質発泡塩化ビニル樹脂層の外表面に非
発泡樹脂層が形成されてなる請求項1乃至請求項3いず
れかの項に記載の複合材。 - 【請求項5】 非発泡樹脂層が木目模様を有する請求項
4記載の複合材。 - 【請求項6】 非発泡樹脂層が蛍光顔料または蓄光顔料
を含有する請求項4または請求項5記載の複合材。 - 【請求項7】 中空アルミニウムと硬質発泡塩化ビニル
樹脂層との間に接着剤が介在されてなる請求項1乃至請
求項6いずれかの項に記載の複合材。 - 【請求項8】 請求項1乃至請求項7いずれかの項に記
載の複合材で構成されてなる手摺り。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995000126U JP3013744U (ja) | 1995-01-19 | 1995-01-19 | 複合材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995000126U JP3013744U (ja) | 1995-01-19 | 1995-01-19 | 複合材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3013744U true JP3013744U (ja) | 1995-07-18 |
Family
ID=43149386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1995000126U Expired - Lifetime JP3013744U (ja) | 1995-01-19 | 1995-01-19 | 複合材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3013744U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009090576A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Mino Kogyo Kk | 成形部材 |
-
1995
- 1995-01-19 JP JP1995000126U patent/JP3013744U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009090576A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Mino Kogyo Kk | 成形部材 |
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