JP4227325B2 - Ob蛋白組成物を用いる非脂肪組織重増加方法 - Google Patents

Ob蛋白組成物を用いる非脂肪組織重増加方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非脂肪組織重を増加させるためのOB蛋白組成物の使用方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
肥満の分子的基礎はかなり不明な部分があるが、「OB遺伝子」およびそれによりコードされた蛋白(「OB蛋白」)の特定によって、体が体脂肪蓄積を調節するのに使用している機序についていくらか理解が進んだ(Zhang et al., Nature 372: 425-432(1994); the Correction at Nature 374: 479(1995)も参照)。OB蛋白は、ob/ob突然変異マウス(OB遺伝子産物の産生欠陥故の肥満マウス)ならびに正常な野生型マウスのいずれにおいても、in vivoで活性である。その生理活性自体は特に、体重減少において発現する(Barinaga,“Obese” Protein Slims Mice, Science 269: 475-476(1995)参照)。
【0003】
OB蛋白の他の生理効果については十分な特性決定が行われていない。例えば、ob/ob突然変異マウスにおいて、OB蛋白を投与することで、血清インシュリン濃度および血清グルコース濃度が低下することが知られている。さらに、OB蛋白投与によって、体脂肪の低下が生じることも知られている。これはob/ob突然変異マウスおよび非肥満正常マウスのいずれにおいても認められている(Pelleymounter et al., Science 269: 540-543(1995); Halaas et al., Science 269: 543-546(1995)参照。Campfield et al., Science 269: 546-549(1995)も参照(μg量の用量のOB蛋白を末梢および中枢に投与することで、ob/ob肥満マウスおよび飼料誘発肥満マウスの飼料摂取および体重が低下したが、db/db肥満マウスではそれは認められなかった)。これらの報告のいずれにおいても、最高用量であっても毒性は認められていない。
【0004】
特に、体重減少が有益ではないと考えられるか、あるいは体重減少の必要がないと考えられる動物に対するOB蛋白の他の生理効果を解明することは、OB蛋白に別の用途を提供するものとなろう。
【0005】
本発明によって提供されるようなそのような用途は、非脂肪組織(lean tissue)重増加におけるものである。
【0006】
当然のことながら、食事および運動の調節が、筋肉を大きくする上での一つの方法である。非脂肪重を増加させるのに使用される組成物もある。非脂肪組織重を増加させると考えられている現在の組成物には、テストステロンおよびそれの誘導体などの蛋白同化ステロイドならびにヒト成長ホルモンなどがある。しかしながら、これらは望ましくない副作用を有することが認められている(以下の概要はレミングトンの著作に詳細に説明されている(Remington, Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. (1990, Mack Publishing Co., Easton, PA 18042) Chapter 50, pp.948-1001))。
【0007】
プロトロピンおよびソマトロピンなどのヒト成長ホルモンは、通常2〜3ヶ月で緩解する高カルシウム尿症を高頻度で起こすことが認められている。高血糖症および臨床的に明らかな糖尿病が起こることも認められている。筋肉痛および早朝頭痛が比較的頻繁であることが認められ、甲状腺機能低下および胆汁におけるコレステロール過飽和が生じる場合もある。骨端が閉じている場合、指骨および顎骨の成長が継続的に刺激されるが他の骨は刺激されないために身体の均整が異常になる場合があることから、そのホルモンは使用してはならない。
【0008】
蛋白同化ステロイドは運動能力および攻撃性を高める。それの使用は、米国スポーツ医学協会(American College of Sports Medicine)によって禁止されている。女性の能力が向上するが、その代償として男性化およびアクネが生じる。アンドロゲンは男性型多毛症、深い声もしくは嗄れ声、未成熟男性における思春期早発症および骨端閉鎖、性欲亢進(男性および女性の両方)、陰茎強直症、精液減少症および睾丸萎縮、女性における陰核腫脹、潮紅、射精量および精子数の低下、女性化乳房症、過敏症、アクネ、体重増、浮腫ならびに高カルシウム血症を引き起こす。長期使用によって攻撃性がひどく高まる場合があり、多くの暴行がアンドロゲンの乱用によるものであると言われている。偏執症様行動および他の精神病的行動が報告されている。胆汁うっ滞および黄疸が起こる。長期療法後に肝癌が報告された例が数例ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、現在使用可能な薬剤に見られる副作用のない、非脂肪組織重を増加させる治療用組成物または美容用組成物が得られることが望ましい。
【0010】
【課題を解決する手段】
本発明は、非肥満動物および肥満動物へのOB蛋白投与によって非脂肪組織重増加が生じるという所見に基づくものである。そのようにOB蛋白は、痩身剤として作用するだけでなく、非脂肪組織重に影響を与える薬剤として作用する能力を有する。それだけでは、体重減が必ずしも有益とは考えられない患者においてすら、多くの非脂肪組織重増加療法が想到される。そこで本発明の1態様は、非脂肪組織重増加のためのOB蛋白(または該蛋白の類縁体もしくは誘導体)の使用である。
【0011】
別の態様では本発明は、糖尿病治療方法および糖尿病治療に必要なインシュリンレベル低下方法に関するものである。脂肪組織重低下と同時に非脂肪組織重を増加させることで、インシュリンに対する感度が上昇する。従って本発明の方法は、糖尿病治療に必要なインシュリン量低下のためのOB蛋白(または該蛋白の類縁体もしくは誘導体)の使用に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
上記のように本発明の方法は、個体における非脂肪組織重増加方法である。この非脂肪組織重増加には、脂肪重低下を伴うことが認められている。そこで、OB蛋白(または該蛋白の類縁体もしくは誘導体)投与によって所望の体重減が得られない場合であっても、非脂肪重を増加させながら体脂肪を減少させて体型を変える上で、OB蛋白投与は有用であると考えられる。
【0013】
さらに、非脂肪組織重増加により、個体のインシュリンに対する感受性を高めることができる。従って本発明のOB蛋白(または該蛋白の類縁体もしくは誘導体)の使用方法は、糖尿病患者におけるインシュリン感受性向上に関するものでもある。詳細な作用形態は不明であるが、脂肪組織と比較して非脂肪組織(例:筋肉)はインシュリンの効果に対する感受性が高いと考えられる。従って、非脂肪組織増加によって、インシュリン感受性の細胞をより多く利用できるようになると考えられる。さらに、脂肪(例:脂肪)組織除去は、循環インシュリンが認められる末梢循環への非脂肪組織の曝露が多くなるという別の効果も有し得る。従って本発明の別の態様は、インシュリンに対する感受性向上方法を提供することである。言い換えれば、糖尿病で必要なインシュリンの用量を低下させる方法も提供される。
【0014】
非脂肪組織増加は、筋肉組織増加であると考えられる。そのような増加は、特定の部分に局在するものではなく、全身的増加であることが認められる(例:後述の実施例1および2)。それ自体で、全身活力が向上し得る。全身活力向上により、骨吸収低下などの他の効果が生じる場合があり、骨粗鬆症などの脆弱性を逆転または改善できる可能性がある。運動能力向上を望む患者では、全身活力向上がその能力向上に有効であると考えられる。赤血球の産生または有効性上昇、ならびに酸素化血液の増加があり得る。そうして、精神的・肉体的能力を向上させることができる。
【0015】
OB蛋白は、以下に記載の組換えマウス蛋白(配列番号2)またはツァンクらの報告(Zhang et al., Nature, supra;引用によって本明細書に含まれるものとする)に記載の組換えヒト蛋白もしくは位置28のグルタミン残基を持たないものから選択することができる(Zhang et al., Nature, supra, p.428参照)。(1)位置35のリジンに代えてアルギニンおよび(2)位置74のイソロイシンに代えてロイシンを有する配列番号4に示した組換えヒトOB蛋白類縁体を用いることもできる(この類縁体についての略称を、組換えヒトR→K35、L→I74とする)。それらの組換えヒト蛋白類縁体および組換えマウス蛋白のアミノ酸配列を以下に示してあるが、−1の位置にメチオニン残基がある。しかし、本発明のOB蛋白およびその類縁体については、そのメチオニン残基はなくても良い。
【0016】
上記マウス蛋白は、特に成熟蛋白として、さらには特にN末端でヒト蛋白と実質的に相同である。組換えヒト配列において、マウスの配列と異なるアミノ酸を変えることで(アミノ酸残基の置換など)、組換えヒト蛋白の類縁体を得ることができる。この組換えヒト蛋白はマウスで生理活性を有することから、そのような類縁体はヒトにおいて活性である可能性がある。例えば、第1のアミノ酸がバリンで位置146のアミノ酸がシステインである配列番号4の番号付けによる位置35の残基がリジンで位置74の残基がイソロイシンであるヒト蛋白を用いた場合、位置32、35、50、64、68、71、74、77、89、97、100、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145の1以上のアミノ酸を別のアミノ酸で置換することができる。マウス蛋白(配列番号2)の相当する位置のアミノ酸または別のアミノ酸を選択することができる。
【0017】
さらに、ラットOB蛋白配列に基づいて、「コンセンサス」分子を得ることができる(Murakami et al., Biochem.Biophys. Res.Comm.209:944-952(1995);引用によって本明細書に含まれるものとする)。ラットOB蛋白は、配列番号4の番号割り付けを用いると、4、32、33、3550、68、717477、78、8997100、101、102、105106107108111118136138および145の位置でヒトOB蛋白と異なっている。これらの各種位置のアミノ酸の1以上を別のアミノ酸で置換することができる。下線を付した位置は、マウスOB蛋白とラットOB蛋白がヒトOB蛋白と異なっていることから、変えるのに特に適した位置である。これらの位置の1以上で、相当するラットOB蛋白のアミノ酸または別のアミノ酸を置換することができる。
【0018】
成熟ヒトOB蛋白と異なるラットおよびマウスの両方のOB蛋白の位置は、4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145である。上記のアミノ酸の1以上が欠失しているか相当するラットもしくはマウスの配列で認められるアミノ酸などの別のアミノ酸で置換されている配列番号4によるヒトOB蛋白(位置35がリジン、位置74がイソロイシン)も有効であると考えられる。
【0019】
さらに、成熟ヒトOB蛋白と異なるアカゲザルOB蛋白で認められるアミノ酸(1文字のアミノ酸略号で括弧内に示してあるもの)は、8(S)、35(R)、48(V)、53(Q)、60(I)、66(I)、67(N)、68(L)、89(L)、100(L)、108(E)、112(D)および118(L)である。組換えヒトOB蛋白はカニクイザルで活性であることから(後述の実施例2に記載)、アカゲザルの各種アミノ酸の1以上が括弧に示したアミノ酸などの別のアミノ酸で置換された配列番号4(位置35がリジン、位置74がイソロイシン)によるヒトOB蛋白は有効であると考えられる。ある種のアカゲザルの各種アミノ酸は上記のマウスで認められるもの(位置35、68、89、100および112)でもあることは留意すべき点である。そこで、位置4、8、32、33、35、48、50、53、60、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、112、118、136、138、142および145というアミノ酸の1以上が別のアミノ酸によって置換されたマウス/アカゲザル/ヒトコンセンサス分子を得ることができる(位置35がリジンで位置74がイソロイシンである配列番号4の番号割り付けを使用)。
【0020】
この蛋白のアミノ酸配列の一部を欠失させることで、他の類縁体を得ることができる。例えば、成熟蛋白はリーダー配列を持たない(−22〜−1)。以下の切断型ヒトOB蛋白分子を得ることができる(配列番号4の番号割り付けを使用):
(a)アミノ酸98〜146
(b)アミノ酸1〜32
(c)アミノ酸40〜116
(d)アミノ酸1〜99および(それに結合した)112〜146
(e)アミノ酸99と112の間にアミノ酸100〜111の1以上があるアミノ酸1〜99および(それに結合した)112〜146。
【0021】
さらにこれら切断型は、ヒトOB蛋白と異なる(アカゲザル、ラットまたはマウスのOB蛋白で)アミノ酸の1以上が変わっているものであっても良い。さらに、変更はペプチド類似物またはD−アミノ酸などの変更アミノ酸の形であっても良い。
【0022】
本発明の蛋白(本明細書において「蛋白」という用語は、別段の断りがない限り、以下に引用のような「ペプチド」およびOB類縁体を含むものとして使用される)は、蛋白部分への1以上の化学部分結合によって誘導体化されていても良い。さらに、化学的に修飾された誘導体を、動脈投与、腹腔内投与、筋肉投与、皮下投与、静脈投与、経口投与、経鼻投与、肺投与、局所投与その他の投与経路用に製剤化することもできる。生理活性蛋白の化学修飾は、一定の環境下で、治療効果のある蛋白の安定性向上および循環時間延長ならびに免疫原性の低下などのさらなる利点をもたらすことが認められている(1979年12月18日発行の米国特許4179337号(Davis et al.)参照;総説については、Abuchowski et al., Enzymes as Drugs参照(J.S.Holcerberg and J.Roberts, eds.pp.367-383(1981));蛋白修飾および融合蛋白について記載した総説論文には、Francis, Focus on Growth Factors 3: 4-10(1992年5月)がある(Mediscript, Mountview Court, Friern Barnet Lane, London N20, OLD, UK出版))。
【0023】
誘導体化に好適な化学部分は、各種水溶性ポリマーから選択することができる。選択されるポリマーは水溶性であって、それが結合する蛋白が生理環境などの水系の環境で沈殿しないようにするものでなければならない。好ましくは、最終製造品を治療に使用する場合、ポリマーは医薬的に許容されるものとする。当業者であれば、ポリマー/蛋白接合体が治療に使用可能か否か、そして使用可能であれば望ましい用量、循環時間、蛋白分解に対する耐性および他の検討事項などの検討事項に基づいて望ましいポリマーを選択することができる。本発明の蛋白およびペプチドの場合、誘導体化の有効性は、望ましい剤型で(すなわち、浸透ポンプにより、あるいはより好ましくは注射もしくは注入により、さらには例えば経口投与、肺投与もしくは経鼻投与用に製剤されたものにより)誘導体を投与し、本明細書に記載の方法に従ってその有効性を測定することで確認することができる。
【0024】
水溶性ポリマーは例えば、ポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキソラン、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアミノ酸類(ホモポリマーまたはランダム共重合体もしくは非ランダム共重合体)、ならびにデキストリンもしくはポリ(N−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー類、ポリプロピレンオキサイド/エチレンオキサイド共重合体、ポリオキシエチル化多価アルコール類、ポリスチレンマレエートならびにポリビニルアルコールから成る群から選択することができる。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中で安定であることから、製造において有利であると考えられる。
【0025】
融合蛋白は、OB蛋白(または類縁体)部分にポリアミノ酸を結合させることで得ることができる。例えば、ポリアミノ酸は、蛋白の血中半減期を延長する上で役立つ担体蛋白であることができる。本発明の治療上または美容上の目的に関しては、そのようなポリアミノ酸は、中和抗原反応その他の有害応答を起こさないものでなければならない。そのようなポリアミノ酸は、血清アルブミン(ヒト血清アルブミンなど)、抗体もしくはそれの部分(「Fc」と称される場合もある抗体の定常領域など)その他のポリアミノ酸からなる群から選択することができる。以下に示すように、ポリアミノ酸の結合位置は、OB蛋白部分のN末端その他の箇所であることができ、OB蛋白への化学的「リンカー」部分によって結合していても良い。
【0026】
ポリマーの分子量に制限はなく、分岐であっても直鎖であっても良い。ポリエチレングリコールの場合、好ましい分子量は、取り扱いやすさおよび製造しやすさから、約2kDa〜約100kDaの範囲である(「約」という用語は、ポリエチレングリコールの製造において、一部の分子の分子量が指定の分子量より大きく、一部の分子ではそれより小さかったりすることを示している)。所望の治療プロファイルに応じて(例:所望の徐放期間、生理活性がある場合はその生理活性に対する効果、取り扱いやすさ、抗原性の程度もしくはその欠如、ならびに治療効果のある蛋白もしくは類縁体に対するポリエチレングリコールの他の既知の効果)、それ以外の大きさのものを用いることができる。
【0027】
このようにして結合したポリマー分子の数は多様であることができ、当業者であれば、機能に対する効果を確認することができる。モノ誘導体化を行うことができたり、あるいは同一もしくは異なる化学部分によって、ジ、トリ、テトラまたは数個の組み合わせの誘導体化を行うことが可能である(例:分子量の異なるポリエチレングリコール類などのポリマー)。蛋白(もしくはペプチド)分子に対するポリマー分子の割合は、それらの反応混合物中での濃度同様に多様である。一般に、所望の誘導体化程度(例:モノ、ジ、トリなど)、選択されるポリマーの分子量、そのポリマーが分岐であるか直鎖であるか、反応条件などの因子によって、至適比率(過剰の未反応の蛋白やポリマーがない反応の効率に関して)を決定する。
【0028】
上記化学部分は、蛋白の機能性または抗原性ドメインに対する効果を考慮して蛋白に結合させなければならない。当業者が使用可能な結合方法が多くある。例えば、EP0401384号(引用によって本明細書に含まれるものとする)(PEGのG−CSFへの結合)、マリクらの報告(Malik et al., Exp.Hematol., 20:1028-1035, 1992;塩化トレシルを用いるGM−CSFのPEG化について報告)などがある。例えばポリエチレングリコールは、遊離のアミノ基またはカルボキシル基などの反応性基を介してアミノ酸残基によって共有結合的に結合することができる。反応性基とは、活性化ポリエチレングリコール分子が結合し得る基である。遊離アミノ基を有するアミノ酸残基には、リジン残基およびN末端アミノ酸残基などがあり得る。遊離カルボキシル基を有するものには、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、C末端アミノ酸残基などがあり得る。ポリエチレングリコール分子を付着させるための反応性基として、メルカプト基を使用することもできる。治療のためには、N末端またはリジン基での結合などのアミノ基での結合が好ましい。受容体結合が望ましい場合、受容体結合にとって重要な残基での結合は避けるべきである。
【0029】
特にN末端で化学修飾された蛋白が望ましい場合がある。ポリエチレングリコールを用いて本発明の組成物を説明すると、各種のポリエチレン分子(分子量、分岐などによって)、反応混合物中の蛋白分子に対するポリエチレングリコール分子の割合、実施するPEG化反応の種類、選択されたN末端PEG化蛋白を得る方法を選択することができる。N末端PEG化品を得る方法は(すなわち、必要に応じてこの部分を他のモノPEG化部分と分離する方法)、PEG化蛋白分子群からのN末端PEG化品の精製による。選択的N末端化学修飾は、特定蛋白における誘導体化に使用可能な各種1級アミノ基の反応性差(リジンとN末端)を利用する還元的アルキル化によって行うことができる。適切な反応条件下で、含カルボニル基ポリマーによるN末端での蛋白の実質的に選択的な誘導体化を行う。例えば、リジン残基のε−アミノ基と蛋白のN末端残基のα−アミノ基との間のpKa差を利用できるpHで反応を行うことで、蛋白をN末端で選択的にPEG化することができる。そのような選択的誘導体化によって、蛋白への水溶性ポリマーの付着が抑制され、ポリマーとの接合が蛋白のN末端で支配的に起こり、リジン側鎖アミノ基などの他の反応性基にはほとんど変化が起こらない。還元的アルキル化を用いる場合、水溶性ポリマーは上記の種類のものとすることができ、蛋白への結合のための1個の反応性アルデヒドがなければならない。1個の反応性アルデヒドを有するポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドを使用することができる。
【0030】
治療薬製造を容易にするには、N末端モノPEG化誘導体が好ましい。N末端PEG化により、生成物の特性決定がジ、トリその他の複数PEG化生成物の場合と比較して簡単である均質な生成物が得られる。上記のN末端生成物製造のための還元的アルキル化方法を用いることが、商業的製造を容易にする上で好ましい。
【0031】
本発明のさらに別の態様では、蛋白および誘導体の医薬組成物を用いる方法が提供される。そのような医薬組成物は、注射用、あるいは経口投与、肺投与、経鼻投与、経皮投与その他の投与形態用のものであることができる。有効量の本発明の蛋白もしくは誘導体と医薬的に許容される希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤および/または担体とを含む医薬組成物が本発明に含まれる。そのような組成物は、各種緩衝剤含有量(例:トリス−HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pHおよびイオン強度の希釈剤;洗剤および可溶化剤(例:Tween80、ポリソルベート80)、酸化防止剤(例:アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、保存剤(例:チメルゾル(Thimersol)、ベンジルアルコール)および増量剤(例:乳糖、マンニトール)などの添加物を含み、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などのポリマー化合物の粒子状物あるいはリポソームへの材料の取り込みが行われる。ヒアルロン酸も使用することができ、それは循環系における持続期間を延長する効果を有する場合がある。そのような組成物は、本発明の蛋白および誘導体の物理的状態、安定性、in vivoでの放出速度、in vivoでのクリアランス速度に影響を与え得るものである(例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed.(1990, Mack Publishing Co.,Easton, PA 18042), pp.1435-1712参照;引用によって本明細書に含まれるものとする)。この組成物は、液体製剤で製造することができるか、あるいは凍結乾燥品などの乾燥粉末とすることができる。経皮製剤のような植え込み可能な徐放製剤も想到される。
【0032】
経口固体製剤(Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed.(1990, Mack Publishing Co.,Easton, PA 18042), Chapter 89(引用によって本明細書に含まれるものとする)に記載のもの)が本発明での使用で想到される。固体製剤には、錠剤、カプセル、丸薬、トローチもしくはロゼンジ、カシェ剤またはペレットなどがある。さらに、リポソームカプセル封入またはプロテイノイドカプセル封入を用いて、本発明の組成物を製剤することもできる(例えば、米国特許4925673号に記載のプロテイノイドミクロスフェアなど)。リポソームカプセル封入を用いることができ、リポソームは各種ポリマーで誘導体化できる(例:米国特許5013556号)。治療薬用に使用可能な固体製剤についての記載がマーシャルの著作にある(Marshall,K., Modern Pharmaceutics, ed. by G.S.Banker and C.T.Rhodes, Chapter 10, 1979;引用によって本明細書に含まれるものとする)。製剤には、その蛋白(またはそれの類縁体もしくは誘導体)ならびに胃環境に対する保護および腸での生理活性物質の放出を可能とするための不活性成分を含有させる。
【0033】
具体的には、上記の誘導体化蛋白の経口製剤も想到される。蛋白を化学修飾して、誘導体の経口投与を有効に行えるようにすることができる。一般に、想到される化学修飾は、(a)蛋白分解の阻害および(b)胃または腸からの血流への取り込みを可能とする1以上の部分の蛋白(もしくはペプチド)分子自体への付加である。さらに、蛋白の全体的安定性の向上および体内での循環時間の延長も望ましい。そのような部分の例としては、ポリエチレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびポリプロリンなどがある(Abuchowski and Davis, Soluble Polymer-Enzyme Adducts, in "Enzymes as Drugs", Hocenberg and Roberts, eds., Wiley-Interscience, New York, NY, (1981), pp.367-383; Newmark, et al., J.Appl.Biochem. 4:185-189(1982))。使用可能な他のポリマーには、ポリ−1,3−ジオキソランおよびポリ−1,3,6−トリオキソランがある。
【0034】
蛋白(または誘導体)の場合、放出箇所は胃、小腸(十二指腸、空腸または回腸)または大腸であることができる。当業者であれば、胃では溶けないが十二指腸や腸の他の箇所でその物質を放出する製剤を使用することができる。好ましくはその放出は、蛋白(または誘導体)の保護あるいは腸などの胃環境を過ぎてからの生理活性物質の放出によって、胃環境の悪影響を回避するものである。
【0035】
胃での十分な耐性を確保するには、少なくともpH5.0まで不透過性のコーティングが必須である。腸溶コーティングとして使用されるより一般的な不活性成分の例としては、セルロース酢酸トリメリテート(CAT)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、HPMCP50、HPMCP55、ポリビニル酢酸フタレート(PVAP)、ユードラジット(Eudragit)L30D、アクアテリック(Aquateric)、セルロース酢酸フタレート(CAP)、ユードラジットL、ユードラジットSおよびシェラック(shellac)がある。これらのコーティングは、混合フィルムとして使用することができる。
【0036】
コーティングまたはコーティング混合物は、胃に対する保護を目的としない錠剤にも使用することができる、それには、糖衣または錠剤を嚥下しやすくするためのコーティングなどがあり得る。カプセルは、粉剤などの乾燥治療薬投与用の硬殻(ゼラチンなど)から成ることができ、液剤用には軟ゼラチン殻を使用することができる。カシェ剤の殻材料としては、厚いデンプンその他の食用紙があり得る。丸薬、ロゼンジ、成型錠剤または湿製錠剤の場合、湿式塊化法(moist massing techniques)を用いることができる。
【0037】
治療薬は、粒径約1mmの顆粒またはペレットの形態での微小複合粒子(multiparticulates)としての製剤で含有させることができる。カプセル投与用の材料の製剤は、粉末で軽く加圧したプラグ(plug)または錠剤であることもできる。治療薬は圧縮によって製造することが可能である。
【0038】
着色剤および芳香剤はいずれも含有させることができる。例えば、蛋白(または誘導体)を製剤し(例えばリポソームカプセル封入またはミクロスフェアカプセル封入によって)、さらに着色剤および芳香剤を含む冷蔵飲料などの食用製品中に含有させることもできる。
【0039】
不活性材料によって治療薬を希釈したり、増量させることができる。その希釈剤には、特にマンニトール、α−ラクトース、無水ラクトース、セルロース、ショ糖、修飾デキストリン類およびデンプンのような炭水化物などがあり得る。トリリン酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび塩化ナトリウムなどのある種の無機塩類も充填剤として使用することができる。市販の希釈剤を数例挙げると、ファスト−フロ(Fast-Fro)、エムデックス(Emdex)、STA−Rx 1500、エンコンプレス(Emcompress)およびアビセル(Avicell)などがあり得る。
【0040】
治療薬の製剤では、固体製剤に崩壊剤を含有させることができる。崩壊剤として使用される材料には、デンプンに基づく市販の崩壊剤であるエクスプロタブ(Explotab)のようなデンプンなどがあるが、それに限定されるものではない。グリコール酸デンプンナトリウム、アンバーライト、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ウルトラミロペクチン(ultramylopectin)、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、橙皮、酸カルボキシメチルセルロース、天然スポンジおよびベントナイトはいずれも使用可能である。別の形の崩壊剤には、不溶性カチオン交換樹脂がある。粉末ガムを崩壊剤および結合剤として用いることができ、それには寒天、カラヤガムまたはトラガカントガムなどの粉末ガムなどがあり得る。アルギン酸およびそれのナトリウム塩も崩壊剤として有用である。
【0041】
結合剤を用いて治療薬を保持して硬錠剤を形成することができ、その結合剤には、アカシアガム、トラガカントガム、デンプンおよびゼラチンなどの天然物からの材料などがある。他には、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)などがある。ポリビニルピロリドン(PVP)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)をいずれもアルコール溶液で使用して、治療薬の造粒を行うことができる。
【0042】
減摩剤を治療薬製剤に含有させて、製剤工程中の粘着を防止することができる。治療薬と金型壁との間の層として潤滑剤を用いることができ、それにはステアリン酸(それのマグネシウム塩およびカルシウム塩を含む)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油およびロウなどがあるが、これらに限定されるものではない。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、各種分子量のポリエチレングリコール、カーボワックス(Carbowax)4000および6000などの可溶性潤滑剤を使用することもできる。
【0043】
製剤時の薬剤の流動性を改善したり、圧縮時の再配列を容易にする滑剤を加えることも可能であると考えられる。滑剤には、デンプン、タルク、焼成シリカおよび水和シリコアルミネートなどがあり得る。
【0044】
治療薬の水系環境への溶解を助けるため、湿展剤として界面活性剤を加えることも考えられる。界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウムおよびスルホン酸ジオクチルナトリウムなどのアニオン系洗剤などがあり得る。カチオン系洗剤を使用することが可能であり、それには塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトニウムなどがある。界面活性剤として製剤に含有させることができると考えられるノニオン系洗剤を挙げると、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、50および60、モノステアリン酸グリセリン、ポリソルベート40、60、65および80、ショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロースならびにカルボキシメチルセルロースがある。これらの界面活性剤は、単独であるいは各種比率での混合物として、蛋白もしくは誘導体の製剤に存在させることができると考えられる。
【0045】
蛋白(または誘導体)の取り込みを促進する可能性のある添加剤としては例えば、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸などの脂肪酸がある。
【0046】
徐放製剤が望ましい場合がある。拡散機構または浸出機構による放出を可能とする不活性基剤(すなわちガム)に薬剤を取り込ませることができる。徐々に分解する基剤を製剤に組み入れることもできる。この治療薬の別の形態の徐放は、オロス(Oros)治療薬系(Alza Corp.)に基づく方法によるものである。すなわち、水を浸入させ、浸透圧効果によって1個の小さい開口から薬剤を押し出すことができる半透膜中に、薬剤を封入するものである。一部の腸溶コーティングも遅延性放出効果を有するものである。
【0047】
製剤には他のコーティングを使用することができる。それには、糖衣器で使用することができる各種糖などがある。治療薬はさらに、フィルムコーティング剤で投与することも可能であり、その場合に使用される材料は2つの群に分けられる。第1の群は、非腸溶性材料であり、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、プロビドン(providone)およびポリエチレングリコール類などがある。第2の群は腸溶性材料からなり、一般的にはフタル酸のエステルである。
【0048】
材料を混合することで最適なフィルムコーティングを得ることも考えられる。フィルムコーティングは糖衣器もしくは流動床で、あるいは圧縮コーティングによって行うことができる。
【0049】
本発明においては、本発明の蛋白またはそれの誘導体を肺投与することも想到される。蛋白(誘導体)は、吸入しながら哺乳動物の肺に投与され、肺上皮内層を通過して血流に入る(これについての他の報告には次のものがある;Adjei et al., Pharmaceutical Research 7:565-569(1990); Adjei et al., International Journal of Pharmaceutics 63: 135-144(1990)(酢酸ロイプロリド); Braquet et al., Journal of Cardiovascular Pharmacology 13(suppl.5): s.143-146(1989)(エンドテリン−1); Hubbard et al., Annals of Internal Medicine 3:206-212(1989)(α1−抗トリプシン);Smith et al., J.Clin.Invest.84:1145-1146(1989)(α−1−プロテイナーゼ); Oswein et al., "Aerosolization of Proteins", Proceedings of Symposium on Respiratory Drug Delivery II, Keystone, Colorado, March, 1990(組換えヒト成長ホルモン); Debs et al., The Journal of Immunology 140:3482-3488(1988)(インターフェロン−γおよび腫瘍壊死因子α); Platz et al., 米国特許5284656号(顆粒球コロニー刺激因子))。
【0050】
本発明の実施においては、治療薬の肺投与用の多種の装置を使用することが想到され、それには噴霧吸入器、用量計量吸入器および粉剤吸入器などの当業者には周知のものなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
本発明の実施に好適な市販装置の具体例をいくつか挙げると、ウルトラベント(Ultravent)噴霧吸入器(製造者:Mallinckrodt, Inc., St.Louis, Missouri)、エーコーン(Acorn)II噴霧吸入器(製造者:Marquest Medical Products, Englewood, Colorado)、ベントリン(Ventolin)用量計量吸入器(製造者:Glaxo Inc., Research Triangle Park, North Carolina)およびスピンヘイラー(Spinhaler)粉剤吸入器(製造者:Fisons Corp., Bedford, Massachusetts)がある。
【0052】
そのような装置のいずれにおいても、蛋白(または類縁体もしくは誘導体)の投薬に好適な製剤を使用する必要がある。通常、各製剤は使用される装置の種類に固有のものであり、治療に有用な希釈剤、補助剤および/または担体に加えて、適切な墳射剤を使用する場合がある。
【0053】
蛋白(または誘導体)は最も有利には、遠位肺への最も有効な投与を行うために、平均粒径10μm未満、最も好ましくは0.5〜5μmの粒子状に製剤しなければならない。
【0054】
担体には、トレハロース、マンニトール、キシリトール、ショ糖、乳糖、ソルビトールのような炭水化物などがある。製剤で使用する他の成分には、DPPC、DOPE、DSPCおよびDOPCなどがあり得る。天然または合成の界面活性剤を使用することができる。ポリエチレングリコールを使用することができる(蛋白または類縁体の誘導体化での使用以外であっても)。シクロデキストリンなどのデキストリン類を使用することができる。胆汁酸塩および他の関連する相乗剤を使用することができる。セルロースおよびセルロース誘導体を使用することができる。緩衝剤製剤での使用などで、アミノ酸を使用することができる。
【0055】
さらに、リポソーム、マイクロカプセルもしくはミクロスフェア、包接錯体その他の種類の担体の使用も想到される。
【0056】
噴射式または超音波式のいずれかの噴霧吸入器での使用に好適な製剤は代表的には、液剤1mL当たり生理活性蛋白約0.1〜25mgの濃度となるように水に溶かした蛋白(または誘導体)を含有するものである。その製剤には、緩衝剤および単糖を含有させることもできる(例えば、蛋白の安定化および浸透圧の調節のため)。噴霧吸入器用製剤には界面活性剤を含有させて、エアロゾル形成時の液剤霧化によって生じる蛋白の表面誘発凝集を低減もしくは防止することもできる。
【0057】
用量計量吸入器で使用する製剤は通常、界面活性剤を用いて噴射剤中に懸濁させた蛋白(または誘導体)を含む微細粉末を含有する。噴射剤は、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボンまたは炭化水素などのその目的に使用される従来の材料とすることができ、それには具体的にはトリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノールおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタンあるいはそれらの組み合わせなどがある。好適な界面活性剤には、トリオレイン酸ソルビタンおよび大豆レシチンなどがある。オレイン酸も、界面活性剤として有用であると考えられる。
【0058】
粉剤吸入器からの投薬用の製剤は、蛋白(または誘導体)を含有する微細乾燥粉末を含むものであり、乳糖、ソルビトール、ショ糖、マンニトール、トレハロースまたはキシリトールのような増量剤を、例えば製剤の50〜90重量%のように装置からの粉剤の分散を容易にするような量で含有することもできる。
【0059】
蛋白(または類縁体もしくは誘導体)の経鼻投与も想到される。経鼻投与によって、治療薬を鼻に投与した直後に蛋白の血流への通過を行うことができ、薬剤を肺に堆積させる必要がない。経鼻投与用の製剤には、デキストリンまたはシクロデキストリンを含むものなどがある。他の粘膜を通っての輸送を介した投与も想到される。
【0060】
当業者であれば、投与と所望の治療効果を観察することで、有効用量を確認することができる。好ましくは、その分子の製剤は、約0.10μg/kg/日〜10mg/kg/日で所望の治療効果が得られるようなものとする。有効用量は、経時的診断手段を用いて決定することができる。例えば、血中(または血漿もしくは血清中)のOB蛋白の量を測定する診断を最初に行って、OB蛋白の内因性レベルを求めることができる。そのような診断手段は、抗体サンドイッチアッセイなどの抗体アッセイの形態であることができる。内因性OB蛋白の量を最初に定量し、基底線値を求める。治療中に内因性および外因性のOB蛋白(すなわち、自己産生または投与された体内で認められる蛋白、類縁体または誘導体)の定量を継続することで、治療用量を求める。従って、用量は治療中に変動し得るものであり、治療効果が認められるまで最初は比較的高用量を用い、治療効果の維持には比較的低用量を用いる。
【0061】
理想的には、非脂肪体重増加のみが望まれる場合は、体重減を行うにはその用量は不十分である。そこで、肥満者の治療の初期では、体重減と同時に脂肪組織減/非脂肪体重増が得られるような用量を投与することができる。十分な体重減が得られたら、体重の再増加を防止するが所望の非脂肪重増加(あるいは非脂肪重低下の防止)を維持するだけの用量を投与することができる。OB蛋白の効果は可逆的であることから、これらの用量は経験的に決定することができる(例:Campfield et al., Science 269:546-549(1995),p.547)。そこで、体重減少が望ましくない場合に体重減が認められる場合、それより低い用量を投与することで、非脂肪組織重の所望の増加を得て、しかも所望の体重を維持することになろう。
【0062】
対象者のインシュリンに対する感受性を高めるには、同様の用量検討を考慮することになると考えられる。体重減を伴わない非脂肪重増加が得られれば、対象者に対して糖尿病治療向けに投与されるインシュリン(あるいはアミリンその他の糖尿病治療薬)の量を低下させることができると考えられる。
【0063】
全身活力を高めるため、同様の用量検討を行うことができる。全身活力の同時向上を伴う非脂肪重増加は、体重減を得るには不十分な用量で得ることができる。赤血球数(および血液における酸素化)増加および骨吸収の低下もしくは骨粗鬆症の軽減などの他の効果も、体重減なく得ることができる。
【0064】
本発明の方法を、糖尿病治療に有用な薬剤(例:インシュリンおよび可能性としてアミリン)、コレステロールおよび降圧剤(血液脂質濃度を低下させる薬剤その他の心血管薬)ならびに活動性向上薬(例:アンフェタミン類)などの他の薬剤と併用することができる。食欲抑制薬も使用することができる。そのような投与は同時に、または連続的に行うことができる。
【0065】
さらに本発明の方法を、身体の全体的容貌を変えるための美容手術などの外科手術(例:体重減少のための脂肪吸引またはレーザ手術あるいは身体の見かけを増加させるための移植術)と併用することができる。動脈プラークなどの脂肪沈着物による血管閉塞によって起こる有害な状態を緩和するためのバイパス術その他の手術のような心臓手術の医療上の効果を、本発明の組成物および方法を併用することで高めることができる。超音波法またはレーザ法などの胆石除去方法を、本発明の治療方法の前、途中または後に行うこともできる。さらに、本発明の方法を、骨折、筋肉損傷の手術または治療その他の非脂肪組織重の増加によって改善される可能性のある療法に対する補助手段として行うことができる。
【0066】
従って本発明の方法は、非脂肪組織重増加方法において、
(a)配列番号2(下記)または配列番号4(下記)に示したアミノ酸配列1〜146;
(b)位置35にリジン残基と位置74にイソロイシン残基を有する配列番号4(下記)に示したアミノ酸配列群1〜146;
(c)位置4、8、32、33、35、48、50、53、60、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、112、118、136、138、142および145(配列番号4による番号割り付けを用い、位置28におけるグルタミン残基がなくとも同じ番号割り付けを維持して)のうちの1以上において異なるアミノ酸による置換がある上記下位項目(b)のアミノ酸配列;
(d)位置28のグルタミン残基が欠失していても良い上記下位項目(a)、(b)または(c)のアミノ酸配列;
(e)N末端にメチオニン残基を有する上記下位項目(a)、(b)、(c)または(d)のアミノ酸配列;
(f)(位置35にリジン残基と位置74にイソロイシン残基を有する配列番号4の番号割り付けを用いて)
(i)アミノ酸98〜146
(ii)アミノ酸1〜32
(iii)アミノ酸40〜116
(iv)アミノ酸1〜99および112〜146
(v)アミノ酸99と112の間にアミノ酸100〜111の1以上がその順序で存在するアミノ酸1〜99および112〜146;
(vi)アミノ酸100、102、105、106、107、108、111、112、118、136、138、142および145のうちの1以上が別のアミノ酸によって置換されている上記下位項目(i)の切断OB類縁体;
(vii)アミノ酸4、8および32のうちの1以上が別のアミノ酸によって置換されている上記下位項目(ii)の切断類縁体;
(viii)アミノ酸50、53、60、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111および112のうちの1以上が別のアミノ酸によって置換されている上記下位項目(iii)の切断類縁体;
(vix)アミノ酸4、8、32、33、35、48、50、53、60、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、112、118、136、138、142および145のうちの1以上が別のアミノ酸によって置換されている上記下位項目(iv)の切断類縁体;
(x)アミノ酸4、8、32、33、35、48、50、53、60、64、66、67、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、112、118、136、138、142および145のうちの1以上が別のアミノ酸によって置換されている上記下位項目(v)の切断類縁体;
(xi)N末端メチオニン残基を有する上記下位項目(i)〜(x)のいずれかの切断類縁体から選択される切断OB蛋白類縁体;
(g)蛋白部分に連結した化学部分を有してなる上記下位項目(a)〜(f)のいずれかのOB蛋白もしくは類縁誘導体;
(h)前記化学部分が水溶性ポリマー部分である上記下位項目(g)の誘導体;
(i)前記水溶性ポリマー部分がポリエチレングリコールである上記下位項目(h)の誘導体;
(j)前記水溶性ポリマー部分がポリアミノ酸部分である上記下位項目(h)の誘導体;
(k)前記水溶性ポリマー部分が前記蛋白部分のN末端のみに結合している上記下位項目(h)の誘導体;
(l)上記下位項目(a)〜(k)のいずれかのOB蛋白、類縁体もしくは誘導体から選択される有効量のOB蛋白、該蛋白の類縁体もしくは誘導体が医薬的に許容される担体に入ったものを投与する段階を有してなる方法を提供するものである。
【0067】
【実施例】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。実施例1は、OB蛋白が非肥満動物における非脂肪重増加に有効であることを示すものである。実施例2は、OB蛋白が肥満霊長動物における非脂肪重増加に有効であることを示すものである。実施例3〜5は、ヒトでの使用の予想実施例である。材料および方法がそれに続く。
【0068】
実施例1
以下のデータは、OB蛋白またはそれの類縁体もしくは誘導体が非脂肪重増加に対して有効であることを示している。
組換えメチオニンマウスOB蛋白(以下に説明)を4週間にわたって浸透ポンプ注入によって連続投与した。表1のデータは、表に示した用量での平均体重組成(CD1マウスで)を示している。
【0069】
【表1】
Figure 0004227325
非肥満CD1マウスでは、0.3または1mg/kg/日の用量で組換えメチオニンマウスOB蛋白を連続投与することで、PBSを投与した対照動物と比較して、非脂肪重の増加を生じることが明らかになった。
【0070】
実施例2
本実施例は、組換えメチオニンヒトOB蛋白によって、霊長動物で非脂肪組織重増加が生じることを示すものである。
体脂肪率が20%を超える肥満カニクイザルに、1日用量1mg蛋白/kg/日で組換えメチオニンヒトOB蛋白を皮下投与した(以下の材料および方法の欄参照)。対照動物には、リン酸緩衝生理食塩水を投与した。二重エネルギーX線吸光光度分析(「DEXA」)を用いて身体組成検査を行った。身体組成の測定は7日間間隔で行った。
表2Aおよび2Bには、脂肪組織または非脂肪組織に関する身体組成分析の結果を示してある。データはグラム単位で表してある。2匹の対照動物についての結果を表2Aに示してある。4匹の試験動物についてのデータを表2Bに示してある(骨質量データも示してある)。表からわかる通り、第28日で、試験動物は約264gの脂肪を失い、約138gの非脂肪重を獲得した。第28日で、対照動物は36gの脂肪組織を失い、約25gの非脂肪重を獲得した。これは、OB蛋白が非脂肪組織重の増加を起こすことを示している。
【0071】
【表2】
Figure 0004227325
【0072】
実施例3
非肥満ヒト患者は、非脂肪組織重が減少した病気からの回復などの治療目的で、非脂肪組織重増加を望む。患者に対して有効量のOB蛋白、それの類縁体または誘導体を投与することで、非脂肪組織重に所望の増加が得られる。非組織重増加は、DEXA走査を用いてモニタリングする。OB蛋白(または利用可能な場合は他の抗原性源)に対する抗体アッセイなどの診断キットを用いて、循環OB蛋白または類縁体もしくは誘導体の濃度をモニタリングすることができる。
【0073】
実施例4
ヒト対象者は、非脂肪組織増加による容貌向上などの美容上または運動上の目的で、非脂肪組織重増加を望む。対象者に対して有効量のOB蛋白、それの類縁体または誘導体を投与することで、非脂肪組織重に所望の増加が得られる。非脂肪組織重増加は、DEXA走査を用いてモニタリングする。血中酸素濃度が上昇する。OB蛋白(または利用可能な場合は他の抗原性源)に対する抗体アッセイなどの診断キットを用いて、循環OB蛋白または類縁体もしくは誘導体の濃度をモニタリングすることができる。
【0074】
実施例5
ヒト糖尿病患者は、糖尿病治療のために使用するインシュリン用量の低減を望む。患者に対して有効量のOB蛋白、それの類縁体または誘導体を投与することで、非脂肪組織重に増加が得られる。インシュリンに対する患者の感受性が上昇し、糖尿病の症状を緩和するのに必要なインシュリンの用量が、必要なインシュリンの単位数低下または1日当たり必要なインシュリン注射回数の低下のいずれかで低下する。OB蛋白(または利用可能な場合は他の抗原性源)に対する抗体アッセイなどの診断キットを用いて、循環OB蛋白または類縁体もしくは誘導体の濃度をモニタリングすることができる。
【0075】
実施例6
非肥満高齢ヒト対象者は、全身活力の向上を望む。対象者に対して有効量のOB蛋白、それの類縁体または誘導体を投与することで、非脂肪組織重に増加を得て、全身活力を向上させる。骨吸収も低下し、骨粗鬆症状態が改善される。OB蛋白(または利用可能な場合は他の抗原性源)に対する抗体アッセイなどの診断キットを用いて、循環OB蛋白または類縁体もしくは誘導体の濃度をモニタリングすることができる。
【0076】
材料および方法
動物
齧歯類
実施例1には、野生型CD1マウスを用いた(表1のデータ)。動物は、愛護的条件下に維持した。
霊長動物
計6匹のカニクイザルを用いた。サルはいずれも、試験開始時には脂肪率20%以上であった。動物は体重について無作為化し、動物4匹についてOB蛋白による試験を行い、2匹は対照とした。
【0077】
蛋白または媒体の投与
齧歯類の場合
実施例1の場合(表1のデータ)、組換えマウス蛋白(以下に記載)または媒体(リン酸緩衝生理食塩水、「PBS」、pH7.4)を、浸透ポンプ注入によって投与した。浸透小型ポンプ(Alzet, Alza, Palo Alto, CA、2002型)を、各マウスの肩甲下領域の皮下嚢部に手術によって植え込み、2週間後に交換した。ポンプの較正を行って、表1に示した用量で、1時間当たり0.5μ蛋白の溶液を投与するようにした。
霊長動物の場合
実施例2の場合、1mg/mLPBSで調製した組換えメチオニンヒトOB蛋白(位置35にリジン、位置74にイソロイシンを有する配列番号4のもの)を、用量1mg蛋白/kg/日で皮下投与した。対照動物には、同じやり方でPBSを投与した。
齧歯類屠体分析
レシュナーらの方法に従って屠体分析を行った(A.I.Leshner, V.A.Litwin and R.L.Squibb, Brain Res. 9:281 (1972))。4日間の脱水期間の前後での屠体重量差によって、水分組成を求めた。粉砕・乾燥した屠体の予め秤量した一部から、エチルエーテルおよびエチルアルコールで脂肪の抽出を行って、抽出法後に残ったものの量から脂肪パーセントを計算できた。非脂肪重は、脱水およびエーテル抽出後に残った粉砕屠体の割合と定義した。
【0078】
霊長動物二重エネルギーX線吸光光度分析走査
実施例2では、表2Aおよび2Bに示した時点で、「DEXA」走査を行った。
蛋白
配列番号1および2はマウス組換えOB DNAおよび蛋白を示し、配列番号3および4は類縁の組換えヒトOB DNAおよび蛋白を示している。実施例1では、配列番号2のマウス組換え蛋白を使用した。実施例2では、位置35にリジン残基と位置74にイソロイシン残基を有する配列番号4に示した組換えヒトOB蛋白を用いた。上記のように、以下のマウスおよびヒト類縁の組換え蛋白は、本発明の医薬品の投与方法および製造方法で使用できるOB蛋白を例示するものであって、他のOB蛋白またはそれの類縁体もしくは誘導体を使用することは可能である。
【0079】
本明細書において、組換え蛋白のアミノ酸配列の最初のアミノ酸を+1とし、それはバリンであって、位置−1のアミノ酸はメチオニンである。C末端アミノ酸は番号146である(システイン)。
【0080】
組換えマウスメチオニンOB(二本鎖)DNAおよびアミノ酸配列(配列番号1および2)
【0081】
【化1】
Figure 0004227325
【0082】
組換えヒトメチオニンOB類縁(二本鎖)DNAおよびアミノ酸配列(配列番号3および4)
【0083】
【化2】
Figure 0004227325
【0084】
【製造方法】
以下の製造方法を用いて、生理活性の組換えメチオニンマウスまたはヒト類縁OB蛋白を製造した。同様の方法を用いて、生理活性組換えメチオニンヒトOB蛋白を製造することができる。
【0085】
発現ベクターおよび宿主株
使用したプラスミド発現ベクターはpCFM1656(ATCC寄託番号69576)である。上記のDNAをXbaIおよびBamHIによって直線とした発現ベクターpCFM1656に連結し、大腸菌宿主株FM5に形質転換した。大腸菌FM5細胞は、大腸菌K−12株(Bachmann et al., Bacteriol.Rev.40:116-167(1976))からアムジェン(Amgen Inc., Thousand Oaks, CA)で誘導したものであり、組み込みλファージ抑制遺伝子cI857を有する(Sussman et al., C.R.Acad.Sci. 254:1517-1579(1962))。ベクター製造、細胞形質転換およびコロニー選択は、標準的方法によって行った(例:Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY)。宿主細胞はLB培地で成長させた。
【0086】
発酵工程
フェド−バッチ培養法として知られる3段階発酵プロトコールを用いた。培地組成は以下の通りである。
【0087】
バッチ:窒素・リン酸源を発酵槽(Biolafitte、容量12リットル)で滅菌した(昇温して122℃で35分間、18〜20psi)。冷却時に、炭素源、マグネシウム源、ビタミン源および微量金属源を無菌的に加えた。500mLの上記組換えマウス蛋白産生菌(LB肉汁で成長させたもの)の終夜培養物(16時間以上)を発酵槽に入れた。
【0088】
供給液I:OD600が4.0〜6.0に達した時点で、培地に供給液Iを加えた。グルコースの供給は速度を制限しながら行って、成長速度(μ)を制御した。自動システム(分配制御システムと称する)を設定して、成長速度を1時間当たり0.15世代に制御した。
【0089】
供給液II:OD600が30に達した時点で、培養温度を徐々に上げて42℃とし、供給液を下記の供給液IIに変えた。2時間ごとにサンプリングを行いながら、発酵を10時間継続した。10時間後、発酵槽の内容物を冷却して20℃以下とし、遠心によって回収した。
【0090】
培地組成
バッチ:
10g/L 酵母抽出物
5.25g/L (NHSO
3.5g/L KHPO
4.0g/L KHPO
5.0g/L グルコース
1.0g/L MgSO・7H
2.0mL/L ビタミン溶液
2.0mL/L 微量金属溶液
1.0mL/L P2000消泡剤
供給液I:
50g/L バクトトリプトン
50g/L 酵母抽出物
450g/L グルコース
8.75g/L MgSO・7H
10mL/L ビタミン溶液
10mL/L 微量金属溶液
供給液II:
200g/L バクトトリプトン
100g/L 酵母抽出物
110g/L グルコース。
【0091】
ビタミン溶液(バッチおよび供給液I):ビオチン0.5g、葉酸0.4gおよびリボフラビン4.2gをHO 450mLおよび10N NaOH 3mLに溶かし、HOを加えて500mLとした。ピリドキシン−HCl 14gおよびナイアシン61gをHO 150mLおよび10N NaOH 50mLに溶かし、HOで250mLとした。パントテン酸54gをHO 200mLに溶かし、250mLとした。これら3種類の溶液を混合し、総量10リットルとした。
【0092】
微量金属溶液(バッチおよび供給液I):
塩化第II鉄(FeCl・6HO):27g/L
塩化亜鉛(ZnCl・4HO):2g/L
塩化コバルト(CoCl・6HO):2g/L
モリブデン酸ナトリウム(NaMoO・2HO):2g/L
塩化カルシウム(CaCl・2HO):1g/L
硫酸第II銅(CuSO・5HO):1.9g/L
ホウ酸(HBO):0.5g/L
塩化マンガン(MnCl・4HO):1.6g/L
クエン酸ナトリウム・2水和物:73.5g/L。
【0093】
マウスOB蛋白の精製方法
以下の段階によって精製を行った(別断の断りがない限り、以下の段階は4℃で行った)。
【0094】
1.細胞ペースト
大腸菌細胞ペーストを5倍容量の7mM EDTA(pH7.0)に懸濁した。EDTA中の細胞をミクロ流動装置に2回通してさらに粉砕した。粉砕細胞をベックマン(Beckman)J6−B遠心管中、JS−4.2ローターを用いて4.2Krpmで1時間遠心した。
2.封入体洗浄1
上記からの上清を除去し、ペレットを5倍容量の7mM EDTA(pH7.0)に再懸濁し、均質化した。この混合物を段階1の方法で遠心した。
3.封入体洗浄2
上記からの上清を除去し、ペレットを10倍容量の20mMトリス(pH8.5)、10mM DTTおよび1%デオキシコレートに再懸濁し、均質化した。この混合物を段階1の方法で遠心した。
4.封入体洗浄3
上記からの上清を除去し、ペレットを10倍容量の蒸留水に再懸濁し、均質化した。この混合物を段階1の方法で遠心した。
5.巻き戻し
ペレットについて室温で、15倍容量の10mM HEPES(pH 8.5)、1%サルコシンナトリウム(N−ラウロイルサルコシン)で巻き戻しを行った。60分後、溶液を60μM硫酸銅液とし、終夜攪拌した。
6.サルコシンの除去
巻き戻し混合物を、5倍容量の10mMトリス緩衝液(pH7.5)で希釈し、段階1の方法に従って遠心した。上清を回収し、希釈巻き戻し混合物の総容量の0.066%で、20〜50メッシュで塩素型のダウエックス(Dowex)(登録商標)1−X4樹脂(Dow Chemical Co., Midland MI)と、攪拌下に1時間混合した(ダウエックス(登録商標)の詳細についてはWO 89/10932の26頁参照)。この混合物をカラムに注ぎ入れ、溶出液を回収した。サルコシンの除去を、逆相HPLCによって確認した。
7.酸沈殿
前段階からの溶出液を回収し、pHを調節してpH5.5とし、室温で30分間インキュベーションした。この混合物を段階1の方法に従って遠心した。
8.カチオン交換クロマトグラフィー
前段階からの上清のpHを調節してpH4.2とし、CMセファロース・ファスト・フロー(Sepharose Fast Flow)に負荷した(7%容量)。20mM NaOAc、pH 4.2で、20倍カラム容量にて0Mから1.0MNaClの塩勾配溶離を行った。
9.疎水性相互作用クロマトグラフィー
前段階からのピーク分画のCMセファロース蓄積液(紫外線吸光度から確認)を0.2M硫酸アンモニウム液とした。5mM NaOAc、pH 4.2で、20倍カラム容量にて0.4Mから0M硫酸アンモニウムの逆相勾配溶離を行った。この材料を濃縮し、PBSに透析濾過した。
【0095】
組換えヒトOB蛋白類縁体の発酵
上記の宿主細胞の発酵による組換えヒトOB蛋白類縁体(配列番号4)の製造は、組換えマウス材料について前述した条件および組成物を用いて行うことができる。
【0096】
組換えヒトOB蛋白類縁体の精製
組換えヒト蛋白類縁体の精製は、上記の実施例1に記載の方法に従って、組換えマウス蛋白の精製に用いた方法と同様の方法を用いて行うことができる。組換えヒトOB蛋白類縁体を得るには、段階7からの上清のpHをpH5.0に調節し、それをCMセファロース・ファスト・フローカラムに負荷することで、段階8を行わなければならない。20mM NaOAc、pH 5.5で、20倍カラム容量にて0Mから0.5M NaClの塩勾配溶離を行わなければならない。段階9は、CMセファロース蓄積液を水で4倍に希釈し、pHを7.5に調節することで行わなければならない。この混合物を0.7M硫酸アンモニウム液としなければならない。5mM NaOAc、pH 5.5で、20倍カラム容量にて0.2Mから0M硫酸アンモニウムの逆相勾配溶離を行わなければならない。それ以外は上記の段階と同じである。実施例2の材料については、位置35にリジンおよび位置74にイソロイシンを有する配列番号4の組換えヒトOB蛋白を、10mMヒスチジン、4.3%アルギニンを含む緩衝液でpH6.0にて製剤した。
【0097】
以上、好ましい実施態様によって本発明について説明したが、当業者が変更および修正を行ない得ることは明らかである。従って請求の範囲が、特許請求される発明の範囲に含まれるそのような均等な変更全てを含むものである。

Claims (3)

  1. ヒトOB蛋白のN末端に結合した抗体の定常領域またはその一部分を含み、場合によりN末端メチオニンを含有していてもよい融合蛋白であって、前記融合蛋白が、前記ヒトOB蛋白の循環半減期に比べ長い循環半減期を有し、前記OB蛋白が、
    (a)配列番号4に示したアミノ酸配列1〜146であって、ここで配列番号4の配列の位置2のバリンをアミノ酸の位置1と定義する配列;
    (b)位置35にリジン残基と位置74にイソロイシン残基を有する配列番号4に示したアミノ酸配列1〜146であって、ここで配列番号4の配列の位置2のバリンをアミノ酸の位置1と定義する配列;
    (c)位置28のグルタミン残基が欠失している上記(a)または(b)のアミノ酸配列;ならびに
    (d)位置32、35、50、64、68、71、74、77、89、97、100、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145の21箇所のうちの1〜21箇所のアミノ酸が配列番号2中に存在する対応するアミノ酸で置換されているか、または対応する保存アミノ酸で置換されている上記(a)、(b)または(c)のアミノ酸配列から成る群から選択される前記融合蛋白。
  2. 請求項1に記載の融合蛋白および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
  3. 肥満の治療またはインシュリン感受性の向上に使用する請求項に記載の医薬組成物。
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