JP4226879B2 - 可変容量型斜板式液圧回転機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に油圧モータ、油圧ポンプとして好適に用いられる可変容量型斜板式液圧回転機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械に油圧モータ、油圧ポンプとして好適に用いられる可変容量型斜板式液圧回転機は、一端側が開口した筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するようにケーシング内に設けられ複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内に往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューと、ケーシングに傾転可能に設けられシリンダブロックが回転するときに各シューが摺動する斜板と、該斜板とケーシングとの間に設けられ圧油の給排によって斜板を傾転駆動する傾転アクチュエータと、該傾転アクチュエータのシリンダに傾転制御用の圧油を給排するためにケーシングに形成された油圧通路とにより大略構成されている。
【0003】
そして、可変容量型斜板式液圧回転機は、傾転アクチュエータによって斜板を傾転させることにより、油圧ポンプとして用いた場合には吐出容量を可変に制御することができ、油圧モータとして用いた場合には出力トルク、回転数を可変に制御することができる(例えば、下記特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−230021号公報。
【0005】
ここで、従来技術による可変容量型斜板式液圧回転機の傾転アクチュエータは、有底筒状をなすケーシングの底部に穿設された傾転用シリンダと、該傾転用シリンダ内に挿嵌された傾転制御ピストンとにより構成されている。そして、傾転アクチュエータの軸中心線は、通常、各ピストンの上死点と下死点とを通り回転軸の軸中心線に沿って延びる平面上に配置されている。
【0006】
また、傾転用シリンダに傾転制御用の圧油を給排する油圧通路は、ケーシングの筒部に穿設され、その軸中心線が、傾転アクチュエータの軸中心線と同様に、各ピストンの上死点と下死点とを通り回転軸の軸中心線に沿って延びる平面上に配置されている。即ち、従来技術においては、回転軸と、傾転アクチュエータと、油圧通路とがケーシングの径方向に対して直列に配置されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の如く、回転軸と傾転アクチュエータと油圧通路とをケーシングの径方向に対して直列に配置した場合には、油圧通路が形成されるケーシングの肉厚を大きく設定する必要がある。このため、従来技術による可変容量型斜板式液圧回転機においては、油圧通路が設けられるケーシングの肉厚を大きくした分、該ケーシングの大型化、重量の増大を招くという問題がある。
【0008】
特に、可変容量型斜板式液圧回転機を、建設機械の走行装置を構成する油圧モータとして用いる場合には、油圧モータのケーシング外周側に該油圧モータの出力トルクを増大させるための減速機が取付けられる。このため、油圧モータのみならず、該油圧モータに取付けられる減速機も大型化して重量が増大するため、走行装置全体の製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
【0009】
また、従来技術による可変容量型斜板式液圧回転機は、互いに連通する複数の油穴をケーシングに形成することにより油圧通路を構成している。このため、ケーシングに各油穴を形成する作業が煩雑であるだけでなく、各油穴のうち不要な開口部分を封止するプラグを通じて傾転制御用の圧油が外部に漏れ易くなり、油圧モータの信頼性が低下してしまうという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、油圧通路が設けられるケーシングを小型化し、装置全体の小型化、軽量化を図ることができるようにした可変容量型斜板式液圧回転機を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、一端側が開口した筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するようにケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが穿設されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内に往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューと、各ピストンの突出端側に位置してケーシングに傾転可能に設けられシリンダブロックが回転するときに各シューが摺動する斜板と、該斜板とケーシングとの間に設けられ圧油の給排によって斜板を傾転駆動する傾転アクチュエータと、該傾転アクチュエータのシリンダに傾転制御用の圧油を給排するためにケーシングに設けられた油圧通路とを備えてなる可変容量型斜板式液圧回転機に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明の特徴は、各ピストンの上死点と下死点とを通り回転軸の軸方向に延びる面を基準面としたときに、油圧通路は、傾転アクチュエータの軸中心線から前記基準面の法線方向に離間して設けられケーシングの一端側から前記傾転アクチュエータのシリンダに向けて直線的に穿設された単一の油穴により構成し、該油穴からなる前記油圧通路は、基端部が前記ケーシングの一端側に開口し先端部が前記傾転アクチュエータのシリンダに開口する構成としたことにある。
【0013】
このように構成したことにより、油圧通路と傾転アクチュエータとをケーシングの径方向に対して並列に配置することができる。このため、油圧通路と傾転アクチュエータとをケーシングの径方向に対して直列に配置した場合に比較して、油圧通路が設けられるケーシングの肉厚を小さくすることができ、該ケーシングの小型化、軽量化を図ることができる。また、油圧通路は、ケーシングの一端側から傾転アクチュエータのシリンダに向けて直線的に穿設された単一の油穴により構成しているので、例えば互いに連通する複数の油穴によって油圧通路を構成する場合に比較して、油圧通路を形成する作業を簡略化することができ、かつ、傾転制御用の圧油が漏れる原因となるプラグを不要とすることができる。
【0014】
請求項2の発明は、一端側が開口した筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するようにケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが穿設されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内に往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューと、各ピストンの突出端側に位置してケーシングに傾転可能に設けられシリンダブロックが回転するときに各シューが摺動する斜板と、該斜板とケーシングとの間に設けられ圧油の給排によって斜板を傾転駆動する複数の傾転アクチュエータと、該各傾転アクチュエータのシリンダにそれぞれ傾転制御用の圧油を給排するためにケーシングに設けられた複数の油圧通路とを備えてなる可変容量型斜板式液圧回転機において、前記各ピストンの上死点と下死点とを通り前記回転軸の軸方向に延びる面を基準面としたときに、前記各油圧通路は、前記各傾転アクチュエータの軸中心線から前記基準面の法線方向に離間して設けられ前記ケーシングの一端側から前記各傾転アクチュエータのシリンダに向けてそれぞれ直線的に穿設された単一の油穴により構成し、該油穴からなる前記油圧通路は、基端部が前記ケーシングの一端側に開口し先端部が前記各傾転アクチュエータのシリンダに開口する構成としたことにある。
【0015】
このように構成したことにより、油圧通路と各傾転アクチュエータとをケーシングの径方向に対して並列に配置することができるので、油圧通路が設けられるケーシングの肉厚を小さくすることができ、該ケーシングの小型化、軽量化を図ることができる。しかも、傾転アクチュエータを複数設けることにより、各傾転アクチュエータのシリンダを小径にすることができ、ケーシングを一層薄肉に形成することにより該ケーシングの小型化、軽量化を促進することができる。
【0016】
請求項3の発明は、傾転アクチュエータのシリンダの内径をDとし、油圧通路の内径をdとしたときに、油圧通路の軸中心線と傾転アクチュエータの軸中心線との間の距離Lは、(D−d)/2≦L<(D+d)/2なる関係に設定したことにある。
【0017】
このように構成したことにより、油圧通路の先端部を傾転アクチュエータのシリンダに確実に開口させることができ、傾転制御用の圧油を油圧通路を通じて傾転アクチュエータのシリンダに確実に給排することができる。
【0018】
請求項4の発明の特徴は、傾転アクチュエータのシリンダには、その内周面から径方向外向きに延びる連通溝を設け、各ピストンの上死点と下死点とを通り回転軸の軸方向に延びる面を基準面としたときに、油圧通路は、傾転アクチュエータの軸中心線から前記基準面の法線方向に離間して設けられ前記ケーシングの一端側から前記傾転アクチュエータのシリンダに向けてそれぞれ直線的に穿設された単一の油穴により構成し、該油穴からなる前記油圧通路は、基端部がケーシングの一端側に開口し先端部が連通溝に開口する構成としたことにある。
【0019】
このように構成したことにより、ケーシングに油圧通路を形成するときの加工誤差があったとしても、該油圧通路の先端部を、傾転アクチュエータのシリンダに設けた連通溝に開口させることができる。このため、傾転制御用の圧油を、油圧油路、連通溝を通じて傾転アクチュエータのシリンダに確実に給排することができる。
【0020】
請求項5の発明は、油圧通路は、前記基準面に対して平行に延びる構成としたことにある。このため、基準面と平行してケーシングに油圧通路を形成することにより、該油圧通路の先端部を確実に傾転アクチュエータのシリンダに開口させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可変容量型斜板式液圧回転機の実施の形態を、建設機械の走行用油圧モータに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図14を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1ないし図8は本発明の第1の実施の形態を示している。
【0023】
図中、1は可変容量型の斜板式油圧モータで、該油圧モータ1は、後述の減速機21が取付けられ、該減速機21を介してスプロケット26を回転させることにより、油圧ショベル等の履帯(いずれも図示せず)を駆動するものである。そして、油圧モータ1は、後述のケーシング2、回転軸4、シリンダブロック7、各ピストン10、シュー11、斜板12、傾転アクチュエータ14、油圧通路15等により構成されている。
【0024】
2は油圧モータ1の外殻をなすケーシングで、該ケーシング2は、図2ないし図4に示すように、筒部2Aと底部2Bとによって一端側が開口した有底筒状に形成されている。そして、筒部2Aの一端側は環状の開口端面2Cとなり、該開口端面2Cにボルトを用いて蓋体3を取付けることにより、ケーシング2の一端側が閉塞される構造となっている。
【0025】
ここで、筒部2Aの外周側には環状の鍔部2Dが一体形成され、該鍔部2Dは、油圧ショベルのトラックフレーム(いずれも図示せず)にボルト等を用いて固着されるものである。また、鍔部2Dの近傍部位には、後述のメカニカルシール29を装着するためのシール装着溝2Eが形成され、該シール装着溝2Eの近傍部位には、後述の軸受27が嵌合する軸受嵌合部2Fが形成されている。
【0026】
一方、底部2Bの外周側には、後述する遊星歯車減速機構25のキャリア25Aがスプライン結合される軸スプライン2Gと、後述のナット28が螺着される雄ねじ2Hとが形成されている。また、底部2Bの中心部には、後述の回転軸4が挿通される軸挿通穴2Iが穿設されている。
【0027】
4はケーシング2に回転可能に設けられた回転軸で、該回転軸4の一端側は蓋体3に設けられた軸受5によって支持され、他端側はケーシング2の軸挿通穴2Iに設けられた軸受6によって支持されている。そして、回転軸4の他端側には、後述する太陽歯車23Aの軸部23Bがスプライン結合される構成となっている。
【0028】
7はケーシング2内に位置して回転軸4の外周側に設けられたシリンダブロックで、該シリンダブロック7は、回転軸4にスプライン結合され、該回転軸4と一体に回転するものである。そして、シリンダブロック7には、周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダ8が穿設され、該各シリンダ8は、後述する弁板9の給排ポート9Aに間欠的に連通する構成となっている。
【0029】
9は蓋体3とシリンダブロック7との間に位置して蓋体3に固定された弁板で、該弁板9は、シリンダブロック7の各シリンダ8と間欠的に連通する一対の給排ポート9A(一方のみ図示)を有している。そして、各給排ポート9Aは、蓋体3に形成された一対の給排通路(図示せず)に連通している。
【0030】
10はシリンダブロック7の各シリンダ8内に摺動可能に挿嵌された複数のピストンで、該各ピストン10は、シリンダブロック7の回転によってシリンダ8内を往復動するものである。そして、各ピストン10は、シリンダブロック7が1回転する間に、シリンダ8内を上死点から下死点に向けて摺動変位する吸入行程と、下死点から上死点に向けて摺動変位する吐出行程とを繰返すものである。
【0031】
11は各ピストン10の突出端部に揺動可能に設けられた円板状のシューで、該各シュー11は、ピストン10によって後述する斜板12の表面に押圧されることにより、シリンダブロック7の回転に伴って斜板12上を環状の軌跡を描くように摺動するものである。
【0032】
12は各ピストン10の突出端側に位置してケーシング2内に傾転可能に設けられた斜板で、該斜板12は、各ピストン10の上死点側が厚肉となり、下死点側が薄肉となった楔状の断面形状を有する円板状に形成されている。ここで、斜板12の裏面側は、斜板支持部材13によってケーシング2の底部2Bに傾転可能に支持され、斜板12の表面側は、シリンダブロック7が回転するときに各シュー11が環状の軌跡を描くように摺動するものである。そして、斜板12は、後述の傾転アクチュエータ14によって最大傾転位置と最小傾転位置との間で傾転し、その傾転角度に応じて各ピストン10のストローク量を変化させることにより、油圧モータ1の回転数、トルク等を可変に制御するものである。
【0033】
14は斜板12とケーシング2との間に設けられた傾転アクチュエータで、該傾転アクチュエータ14は、回転軸4から径方向に離間してケーシング2の底部2Bに穿設された有底の傾転用シリンダ14Aと、基端側が傾転用シリンダ14A内に摺動可能に挿嵌され先端側が斜板12の裏面に当接した傾転制御ピストン14Bとにより構成されている。そして、傾転アクチュエータ14は、後述の油圧通路15を通じて傾転用シリンダ14A内に傾転制御用の圧油を給排することにより、傾転制御ピストン14Bによって斜板12を傾転させるものである。
【0034】
ここで、図4及び図5に示すように、各ピストン10の上死点と下死点とを通り回転軸4の軸中心線O1−O1に沿って軸方向に延びる面を基準面Sとすると、傾転用シリンダ14Aは、その軸中心線O2−O2が基準面Sと重なる位置に配置されている。即ち、回転軸4と傾転アクチュエータ14とは、ケーシング2の径方向に対して直列に配置されている。
【0035】
15は傾転用シリンダ14Aに傾転制御用の圧油を給排するためにケーシング2に設けられた油圧通路で、該油圧通路15は、図3ないし図6に示すように、傾転アクチュエータ14の軸中心線O2−O2から上述の基準面Sの法線方向に離間し、ケーシング2の開口端面2Cから傾転用シリンダ14Aに向けて直線的に穿設された単一の、即ち1本の油穴として構成されている。
【0036】
また、油圧通路15の基端部15Aは、ケーシング2の開口端面2Cに開口し、油圧通路15の先端部15Bは、傾転用シリンダ14Aの底部側に開口している。そして、油圧通路15の基端部15Aは、蓋体3に設けられた容量制御弁(図示せず)に接続され、該容量制御弁を操作することにより、傾転制御用の圧油が、容量制御弁から油圧通路15を通じて傾転用シリンダ14Aに給排される構成となっている。
【0037】
ここで、油圧通路15は、基準面Sに対して平行に延び、かつ、その軸中心線O3−O3が、傾転アクチュエータ14を構成する傾転用シリンダ14Aの軸中心線O2−O2から距離Lだけ離間した位置に配置されている。即ち、傾転アクチュエータ14と油圧通路15とは、ケーシング2の径方向に対して並列に配置されている。これにより、回転軸4と傾転アクチュエータ14と油圧通路15とを、ケーシング2の径方向に対して直列に配置する必要がなくなるので、ケーシング2の筒部2Aを薄肉に形成することができ、この分、ケーシング2を小型化、軽量化することができる構成となっている。
【0038】
この場合、傾転用シリンダ14Aの内径をDとし、油圧通路15の内径を傾転用シリンダ14Aの内径Dよりも小さい内径dとすると、油圧通路15の軸中心線O3−O3と傾転用シリンダ14Aの軸中心線O2−O2との間の距離Lは、下記数1の範囲に設定されている。
【0039】
【数1】
(D−d)/2≦L<(D+d)/2
【0040】
ここで、油圧通路15の軸中心線O3−O3と傾転用シリンダ14Aの軸中心線O2−O2との間の距離Lを、上述の数1の範囲に設定した理由について述べる。
【0041】
まず、仮に距離LをL=(D+d)/2とした場合には、図7に示すように、油圧通路15の先端部15Bは、傾転用シリンダ14Aに最も接近した状態で該傾転用シリンダ14Aに外接することになる。従って、油圧通路15の先端部15Bを確実に傾転用シリンダ14Aに開口させるため、距離Lの上限値はL<(D+d)/2に設定されている。
【0042】
一方、仮に距離LをL=(D−d)/2とした場合には、図8に示すように、油圧通路15の先端部15Bは、傾転用シリンダ14Aに最も接近した状態で該傾転用シリンダ14Aに内接することになるので、ケーシング2に油圧通路15を穿設するときの加工誤差があったとしても、油圧通路15の先端部15Bを確実に傾転用シリンダ14Aに開口させることができる。従って、距離Lの下限値はL≧(D−d)/2に設定されている。
【0043】
このように、油圧通路15の軸中心線O3−O3と傾転用シリンダ14Aの軸中心線O2−O2との間の距離Lを、上述の数1の範囲に設定することにより、油圧通路15の先端部15Bを確実に傾転用シリンダ14Aに開口させることができる構成となっている。
【0044】
21は油圧モータ1に取付けられた走行用の減速機で、該減速機21は、油圧モータ1(回転軸4)の回転を減速して大きなトルクを出力するものである。ここで、減速機21は、図1に示すように、ケーシング2の筒部2A外周側に回転可能に取付けられた有底円筒状の減速機ハウジング22と、該減速機ハウジング22内に設けられた3段の遊星歯車減速機構23,24,25とにより大略構成されている。
【0045】
そして、1段目の遊星歯車減速機構23を構成する太陽歯車23Aには、軸部23Bが一体に設けられ、該軸部23Bは、回転軸4の他端側にスプライン結合されている。また、3段目の遊星歯車25を構成するキャリア25Aは、ケーシング2の軸スプライン2Gにスプライン結合されている。さらに、減速機ハウジング22の外周側には、履帯(図示せず)に噛合するスプロケット26が取付けられている。
【0046】
27,27は油圧モータ1のケーシング2に設けた軸受嵌合部2Fに嵌合された軸受で、該各軸受27は、減速機ハウジング22をケーシング2に対して回転可能に支持するものである。そして、軸受27は、ケーシング2に設けた雄ねじ2Hにナット28を螺着することにより、ケーシング2の軸受嵌合部2Fに抜止め状態で取付けられている。29はケーシング2のシール装着溝2Eに設けられたメカニカルシールで、該メカニカルシール29は、ケーシング2と減速機21の減速機ハウジング22との間をシールするものである。
【0047】
本実施の形態による油圧モータ1は上述の如き構成を有するもので、以下、その作動について説明する。
【0048】
まず、弁板9の給排ポート9Aを通じてシリンダブロック7の各シリンダ8内に圧油が供給されることにより、シリンダ8内に挿嵌されたピストン10が斜板12側に伸長する。そして、各ピストン10の端部に設けたシュー11が、斜板12を押圧しつつ該斜板12の表面を環状の軌跡を描くように摺動することにより、シリンダブロック7が回転し、このシリンダブロック7にスプライン結合された回転軸4が回転する。
【0049】
このとき、蓋体3に設けられた容量制御弁(図示せず)を操作することにより、傾転制御用の圧油が、容量制御弁から油圧通路15を通じて傾転用シリンダ14Aに給排される。これにより、傾転制御ピストン14Bによって斜板12の傾転角度が制御され、斜板12が最大傾転位置となったときには、各ピストン10のストロークが最大となって回転軸4は高トルクで低速回転し、斜板12が最小傾転位置となったときには、各ピストン10のストロークが最小となって回転軸4は低トルクで高速回転する。
【0050】
そして、回転軸4の回転は、減速機21の各遊星歯車減速機構23,24,25によって3段減速された状態で減速機ハウジング22に伝達される。これにより、減速機ハウジング22に取付けられたスプロケット26は、大きなトルクをもって回転することができる。
【0051】
ここで、本実施の形態による油圧モータ1は、各ピストン10の上死点と下死点とを通り回転軸4の軸中心線O1−O1に沿って軸方向に延びる面を基準面Sとしたときに、油圧通路15を、傾転アクチュエータ14の軸中心線O2−O2から基準面Sの法線方向に離間して設けられ、基端部15Aがケーシング2の開口端面2Cに開口し、先端部15Bが傾転用シリンダ14Aの底部側に開口する油穴として構成している。これにより、傾転アクチュエータ14と油圧通路15とは、ケーシング2の径方向に対して並列に配置されるので、例えば油圧通路と傾転アクチュエータとをケーシングの径方向に対して直列に配置する場合に比較して、ケーシング2の筒部2Aを薄肉に形成することができる。従って、ケーシング2の筒部2Aを薄肉に形成した分、ケーシング2を小型化することができ、油圧モータ1全体の小型化、軽量化を図ることができる。
【0052】
このため、本実施の形態によれば、油圧モータ1に取付けられる減速機21についても、ケーシング2と同様に全体を小型化、軽量化して形成することができ、製造コストを低減することができる。しかも、減速機21を小型化することにより、減速機21の減速機ハウジング22を路面から大きく離間させることができる。従って、油圧ショベルの走行時に減速機ハウジング22に岩石、土砂等が衝突する可能性を減らすことができるので、減速機21の損傷を抑え、その耐久性や寿命を向上させることができる。
【0053】
また、本実施の形態による油圧通路15は、ケーシング2の開口端面2Cから傾転用シリンダ14Aに向けて直線的に穿設された単一の油穴として構成されている。このため、例えば互いに連通する複数の油穴によって油圧通路を構成する場合に比較して、油圧通路15を形成する作業を簡略化することができる。
【0054】
さらに、複数の油穴によって油圧通路を構成する場合には、各油穴のうち不要な開口部分をプラグによって封止する必要が生じるが、本実施の形態による油圧通路15は単一の油穴として構成されているので、上述のプラグを不要とすることができる。これにより、傾転制御用の圧油がプラグから外部に漏れるのを確実に抑えることができ、油圧モータ1の信頼性を高めることができる。
【0055】
次に、図9ないし図11は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、傾転アクチュエータを2個設けると共に、該各傾転アクチュエータのシリンダにそれぞれ傾転制御用の圧油を給排するために2本の油圧通路を設ける構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0056】
図中、31,32はケーシング2に設けられた2個の傾転アクチュエータで、該各傾転アクチュエータ31,32は、第1の実施の形態による傾転アクチュエータ14に代えて本実施の形態に用いたもので、各ピストン10の上死点と下死点とを通り回転軸4の軸中心線O1−O1に沿って軸方向に延びる基準面Sを挟んで左,右対象に配置されている。
【0057】
ここで、傾転アクチュエータ31は、ケーシング2の底部2Bに穿設された傾転用シリンダ31Aと、該傾転用シリンダ31A内に挿嵌された傾転制御ピストン(図示せず)とにより構成されている。そして、傾転アクチュエータ31は、後述の油圧通路33を通じて傾転用シリンダ31A内に傾転制御用の圧油を給排することにより、傾転制御ピストンによって斜板12を傾転させるものである。
【0058】
一方、傾転アクチュエータ32も、ケーシング2の底部2Bに穿設された傾転用シリンダ32Aと、該傾転用シリンダ32A内に挿嵌された傾転制御ピストン(図示せず)とにより構成されている。そして、傾転アクチュエータ32は、後述の油圧通路34を通じて傾転用シリンダ32A内に傾転制御用の圧油を給排することにより、傾転制御ピストンによって斜板12を傾転させるものである。
【0059】
33は傾転用シリンダ31Aに圧油を給排するためにケーシング2に設けられた油圧通路で、該油圧通路33は、傾転アクチュエータ31の軸中心線O2−O2から上述の基準面Sの法線方向に離間し、ケーシング2の開口端面2Cから傾転用シリンダ31Aに向けて直線的に穿設された単一の油穴として構成されている。そして、油圧通路33の基端部33Aはケーシング2の開口端面2Cに開口し、先端部33Bは傾転用シリンダ31Aの底部側に開口している。
【0060】
34は傾転用シリンダ32Aに圧油を給排するためにケーシング2に設けられた油圧通路で、該油圧通路34も、傾転アクチュエータ32の軸中心線O2−O2から上述の基準面Sの法線方向に離間し、ケーシング2の開口端面2Cから傾転用シリンダ32Aに向けて直線的に穿設された単一の油穴として構成されている。そして、油圧通路34の基端部34Aはケーシング2の開口端面2Cに開口し、先端部34Bは傾転用シリンダ32Aの底部側に開口している。
【0061】
ここで、油圧通路33は、その軸中心線O3−O3が上述の基準面Sとほぼ平行し、かつ、軸中心線O3−O3が傾転用シリンダ31Aの軸中心線O2−O2から距離Lだけ離間した位置に配置されている。この場合、傾転用シリンダ31Aの内径をDとし、油圧通路33の内径をdとすると、油圧通路33の軸中心線O3−O3と傾転用シリンダ31Aの軸中心線O2−O2との間の距離Lは、上述した数1の範囲に設定されている。
【0062】
一方、油圧通路34も、その軸中心線O3−O3が上述の基準面Sとほぼ平行し、かつ、軸中心線O3−O3が傾転用シリンダ32Aの軸中心線O2−O2から距離Lだけ離間した位置に配置されている。この場合、傾転用シリンダ32Aの内径をDとし、油圧通路33の内径をdとすると、油圧通路34の軸中心線O3−O3と傾転用シリンダ32Aの軸中心線O2−O2との間の距離Lも、上述した数1の範囲に設定されている。
【0063】
即ち、本実施の形態においては、傾転アクチュエータ31と油圧通路33とは、ケーシング2の径方向に対して並列に配置され、傾転アクチュエータ32と油圧通路34とは、ケーシング2の径方向に対して並列に配置されている。これにより、ケーシング2に2個の傾転アクチュエータ31,32と、2本の油圧通路33,34とを設けた場合でも、ケーシング2の筒部2Aを薄肉に形成することができ、ケーシング2及び油圧モータ全体の小型化、軽量化を図ることができる構成となっている。
【0064】
本実施の形態による油圧モータは上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0065】
然るに、本実施の形態によれば、2個の傾転アクチュエータ31,32を用いて斜板12を傾転させることができるので、各傾転アクチュエータ31,32の傾転用シリンダ31A,32Aの内径Dを小さくすることができる。従って、ケーシング2の筒部2Aを一層薄肉に形成することができ、ケーシング2及び油圧モータ全体の小型化、軽量化を促進することができる。
【0066】
次に、図12ないし図14は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、傾転アクチュエータのシリンダに、その内周面から径方向外向きに延びる連通溝を設け、該連通溝に油圧通路の先端部を開口させる構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0067】
図中、41は傾転アクチュエータ14の傾転用シリンダ14Aに設けられた連通溝で、該連通溝41は、傾転用シリンダ14Aの底部側内周面から径方向外向きに延びる半円形状の凹陥溝として形成され、該傾転用シリンダ14Aに連通するものである。この場合、連通溝41は、例えばケーシング2を鋳造成形するときに傾転用シリンダ14Aと共にケーシング2に一体成形されるものである。
【0068】
42は第1の実施の形態による油圧通路15に代えて本実施の形態に用いた油圧通路で、該油圧通路42は、傾転アクチュエータ14の軸中心線O2−O2から、各ピストン10の上死点と下死点とを通り回転軸4の軸中心線O1−O1に沿って軸方向に延びる基準面Sの法線方向に離間し、ケーシング2の開口端面2Cから傾転用シリンダ14Aに向けて直線的に穿設された単一の油穴として構成されている。そして、油圧通路42の基端部42Aはケーシング2の開口端面2Cに開口し、先端部42Bは連通溝41に開口している。
【0069】
ここで、油圧通路42は、その軸中心線O3−O3が上述の基準面Sとほぼ平行し、かつ、軸中心線O3−O3が傾転用シリンダ14Aの軸中心線O2−O2から距離L1だけ離間した位置に配置されている。この場合、傾転用シリンダ14Aの内径をDとし、油圧通路42の内径をdとすると、油圧通路42の軸中心線O3−O3と傾転用シリンダ14Aの軸中心線O2−O2との間の距離L1は、下記数2の範囲に設定されている。
【0070】
【数2】
(D−d)/2≦L1<1.2×(D+d)/2
【0071】
即ち、例えばケーシング2に油圧通路42を穿設するときの加工誤差により、油圧通路42の先端部42Bが傾転用シリンダ14Aに開口しなかった場合でも、該油圧通路42の先端部42Bを連通溝41に確実に開口させることができる。これにより、傾転制御用の圧油を、油圧通路42、連通溝41を通じて傾転用シリンダ14A内に確実に給排することができる構成となっている。
【0072】
本実施の形態による油圧モータは上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については上述した第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0073】
然るに、本実施の形態によれば、傾転アクチュエータ14を構成する傾転用シリンダ14Aに、その底部側内周面から径方向外向きに延びる連通溝41を設け、この連通溝41に油圧通路42の先端部42Bを開口させる構成としている。これにより、ケーシング2に油圧通路42を穿設するときの加工誤差等に関わらず、油圧通路42、連通溝41を通じて傾転用シリンダ14A内に傾転制御用の圧油を確実に給排することができるので、油圧モータの信頼性を向上させることができる。
【0074】
なお、上述した第1の実施の形態では、油圧通路15が、基準面Sに対して平行に延びる構成を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧通路15が基準面Sに対して傾斜した状態で、基端部15Aがケーシング2の開口端面2Cに開口し、先端部15Bが傾転用シリンダ14Aに開口する構成としてもよい。このことは、第2の実施の形態による各油圧通路33,34、第3の実施の形態による油圧通路42についても同様である。
【0075】
また、上述した第2の実施の形態では、2個の傾転アクチュエータ31,32を設けると共に、これら各傾転アクチュエータ31,32にそれぞれ個別に傾転制御用の圧油を給排する2本の油圧通路33,34を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば1本の油圧通路から各傾転アクチュエータ31,32に傾転制御用の圧油を給排する構成としてもよい。さらに、3個以上の傾転アクチュエータを設けると共に、これら各傾転アクチュエータに個別に圧油を給排する3本以上の油圧通路を設ける構成としてもよく、3個以上の傾転アクチュエータに1本の油圧通路から圧油を給排する構成としてもよい。
【0076】
また、上述した第3の実施の形態では、油圧通路42の先端部42Bが、傾転用シリンダ14Aに設けた連通溝41にのみ開口する構成を例に挙げている。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧通路42の先端部42Bが、傾転用シリンダ14Aと連通溝41との両方に開口する構成としてもよい。
【0077】
また、上述した第3の実施の形態では、連通溝41を、傾転用シリンダ14Aから径方向外向きに延びる半円形状の溝として形成した場合を例に挙げている。しかし、本発明はこれに限らず、例えば傾転用シリンダ14Aの外周側に全周に亘って環状の連通溝を形成してもよい。
【0078】
また、上述した各実施の形態では、油圧ショベル等の走行装置に用いられる走行用の油圧モータを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば旋回用の油圧モータ、またはロープウインチ用の油圧モータ等にも適用することができる。
【0079】
さらに、上述した各実施の形態では、可変容量型斜板式液圧回転機として斜板式の油圧モータを例に挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば斜板式の油圧ポンプに適用してもよいものである。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、各ピストンの上死点と下死点とを通り回転軸の軸方向に延びる面を基準面としたときに、油圧通路を、傾転アクチュエータの軸中心線から前記基準面の法線方向に離間して設けられケーシングの一端側から前記傾転アクチュエータのシリンダに向けてそれぞれ直線的に穿設された単一の油穴により構成し、該油穴からなる前記油圧通路は、基端部が前記ケーシングの一端側に開口し先端部が前記傾転アクチュエータのシリンダに開口する構成としている。これにより、油圧通路と傾転アクチュエータとをケーシングの径方向に対して並列に配置することができるので、例えば油圧通路と傾転アクチュエータとをケーシングの径方向に対して直列に配置した場合に比較して、油圧通路が設けられるケーシングの肉厚を小さくすることができ、該ケーシングの小型化、軽量化を図ることができる。従って、液圧回転機のケーシング外周側に減速機等を取付ける場合に、当該減速機についても小型化、軽量化することができ、その製造コストを低減することができる。しかも、前記油圧通路は、ケーシングの一端側から傾転アクチュエータのシリンダに向けて直線的に穿設された単一の油穴として構成したので、例えば複数の油穴によって油圧通路を構成する場合に比較して、油圧通路を形成する作業を簡略化することができ、かつ、傾転制御用の圧油が漏れる原因となるプラグを不要とすることができる。これにより、液圧回転機の製造コストを一層低減することができる上に、液圧回転機の信頼性を高めることができる。
【0081】
また、請求項2の発明によれば、ケーシングに複数の傾転アクチュエータと油圧通路とを設けた場合でも、油圧通路と各傾転アクチュエータとをケーシングの径方向に対して並列に配置することができる。これにより、油圧通路が設けられるケーシングの肉厚を小さくすることができ、該ケーシングの小型化、軽量化を図ることができる。しかも、傾転アクチュエータを2個設けることにより、各傾転アクチュエータのシリンダを小径にすることができるので、ケーシングを一層薄肉に形成することにより該ケーシングの小型化、軽量化を促進することができる。
【0082】
また、請求項3の発明によれば、傾転アクチュエータのシリンダの内径をDとし、油圧通路の内径をdとしたときに、油圧通路の軸中心線と傾転アクチュエータの軸中心線との間の距離Lを、(D−d)/2≦L<(D+d)/2なる関係に設定している。これにより、油圧通路の先端部を傾転アクチュエータのシリンダに確実に開口させることができ、傾転制御用の圧油を油圧通路を通じて傾転アクチュエータのシリンダに確実に給排することができる。
【0083】
また、請求項4の発明によれば、傾転アクチュエータのシリンダに、その内周面から径方向外向きに延びる連通溝を設け、この連通溝に油圧通路の先端部を開口させる構成としている。これにより、ケーシングに油圧通路を形成するときの加工誤差等に関わらず、油圧通路、連通溝を通じて傾転アクチュエータのシリンダ内に傾転制御用の圧油を確実に給排することができ、油圧モータの信頼性を向上させることができる。
【0084】
また、請求項5の発明によれば、油圧通路は、基準面に対して平行に延びる構成としたので、該油圧通路の先端部を確実に傾転アクチュエータのシリンダに開口させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による油圧モータを減速機と共に示す断面図である。
【図2】図1中の油圧モータを示す断面図である。
【図3】油圧モータのケーシング、傾転用シリンダ、油圧通路等を一部を省略した状態で示す拡大断面図である。
【図4】ケーシング、傾転用シリンダ、油圧通路等を図3中の矢示IV−IV方向からみた左側面図である。
【図5】傾転用シリンダと油圧通路との位置関係を図3中の矢示V−V方向からみた要部拡大断面図である。
【図6】傾転用シリンダと油圧通路との位置関係を図5中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。
【図7】油圧通路が傾転用シリンダに外接したときの両者の位置関係を示す図6と同様の断面図である。
【図8】油圧通路が傾転用シリンダに内接したときの両者の位置関係を示す図6と同様の断面図である。
【図9】第2の実施の形態による油圧モータのケーシング、傾転用シリンダ、油圧通路等を一部を省略した状態で示す図3と同様の拡大断面図である。
【図10】ケーシング、傾転用シリンダ、油圧通路等を図9中の矢示X−X方向からみた左側面図である。
【図11】傾転用シリンダと油圧通路との位置関係を図9中の矢示XI−XI方向からみた要部拡大断面図である。
【図12】第3の実施の形態による油圧モータのケーシング、傾転用シリンダ、連通溝、油圧通路等を一部を省略した状態で示す図3と同様の拡大断面図である。
【図13】ケーシング、傾転用シリンダ、連通溝、油圧通路等を図12中の矢示XIII−XIII方向からみた左側面図である。
【図14】傾転用シリンダ、連通溝、油圧通路の位置関係を図12中の矢示XIV−XIV方向からみた要部拡大断面図である。
【符号の説明】
2 ケーシング
2C 開口端面
4 回転軸
7 シリンダブロック
8 シリンダ
10 ピストン
11 シュー
12 斜板
14,31,32 傾転アクチュエータ
14A,31A,32A 傾転用シリンダ
14B 傾転制御ピストン
15,33,34,42 油圧通路
15A,33A,34A,42A 基端部
15B,33B,34B,42B 先端部
41 連通溝
S 基準面
Claims (5)
- 一端側が開口した筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが穿設されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内に往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューと、前記各ピストンの突出端側に位置して前記ケーシングに傾転可能に設けられ前記シリンダブロックが回転するときに前記各シューが摺動する斜板と、該斜板と前記ケーシングとの間に設けられ圧油の給排によって前記斜板を傾転駆動する傾転アクチュエータと、該傾転アクチュエータのシリンダに傾転制御用の圧油を給排するために前記ケーシングに設けられた油圧通路とを備えてなる可変容量型斜板式液圧回転機において、
前記各ピストンの上死点と下死点とを通り前記回転軸の軸方向に延びる面を基準面としたときに、前記油圧通路は、前記傾転アクチュエータの軸中心線から前記基準面の法線方向に離間して設けられ前記ケーシングの一端側から前記傾転アクチュエータのシリンダに向けて直線的に穿設された単一の油穴により構成し、
該油穴からなる前記油圧通路は、基端部が前記ケーシングの一端側に開口し先端部が前記傾転アクチュエータのシリンダに開口する構成としたことを特徴とする可変容量型斜板式液圧回転機。 - 一端側が開口した筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが穿設されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内に往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューと、前記各ピストンの突出端側に位置して前記ケーシングに傾転可能に設けられ前記シリンダブロックが回転するときに前記各シューが摺動する斜板と、該斜板と前記ケーシングとの間に設けられ圧油の給排によって前記斜板を傾転駆動する複数の傾転アクチュエータと、該各傾転アクチュエータのシリンダにそれぞれ傾転制御用の圧油を給排するために前記ケーシングに設けられた複数の油圧通路とを備えてなる可変容量型斜板式液圧回転機において、
前記各ピストンの上死点と下死点とを通り前記回転軸の軸方向に延びる面を基準面としたときに、前記各油圧通路は、前記各傾転アクチュエータの軸中心線から前記基準面の法線方向に離間して設けられ前記ケーシングの一端側から前記各傾転アクチュエータのシリンダに向けてそれぞれ直線的に穿設された単一の油穴により構成し、
該油穴からなる前記油圧通路は、基端部が前記ケーシングの一端側に開口し先端部が前記各傾転アクチュエータのシリンダに開口する構成としたことを特徴とする可変容量型斜板式液圧回転機。 - 前記傾転アクチュエータのシリンダの内径をDとし、前記油圧通路の内径をdとしたときに、前記油圧通路の軸中心線と前記傾転アクチュエータの軸中心線との間の距離Lは、
(D−d)/2≦L<(D+d)/2
なる関係に設定してなる請求項1または2に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。 - 一端側が開口した筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが穿設されたシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダ内に往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、該各ピストンの端部に装着されたシューと、前記各ピストンの突出端側に位置して前記ケーシングに傾転可能に設けられ前記シリンダブロックが回転するときに前記各シューが摺動する斜板と、該斜板と前記ケーシングとの間に設けられ圧油の給排によって前記斜板を傾転駆動する傾転アクチュエータと、該傾転アクチュエータのシリンダに傾転制御用の圧油を給排するために前記ケーシングに設けられた油圧通路とを備えてなる可変容量型斜板式液圧回転機において、
前記傾転アクチュエータのシリンダには、その内周面から径方向外向きに延びる連通溝を設け、
前記各ピストンの上死点と下死点とを通り前記回転軸の軸方向に延びる面を基準面としたときに、前記油圧通路は、前記傾転アクチュエータの軸中心線から前記基準面の法線方向に離間して設けられ前記ケーシングの一端側から前記傾転アクチュエータのシリンダに向けて直線的に穿設された単一の油穴により構成し、
該油穴からなる前記油圧通路は、基端部が前記ケーシングの一端側に開口し先端部が前記連通溝に開口する構成としたことを特徴とする可変容量型斜板式液圧回転機。 - 前記油圧通路は、前記基準面に対して平行に延びる構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の可変容量型斜板式液圧回転機。
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