JP3781908B2 - ピストンポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変容量ピストンポンプに固定容量ポンプを付加した多連式ピストンポンプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば建設機械用の油圧ポンプとして、可変容量の斜板式ピストンポンプを多連式としたものが知られている。このような多連式の斜板式ピストンポンプにおいては、同心円上に多数配設された複数のピストンに対して、キドニーポートが異なる径の同心円状に配設された複数系統(例えば2系統)設けられ、各系統ごとに異なるポンプとして吸込および吐出を行うようになっている。
【0003】
図6には、このような2連式の斜板式アキシャルピストンポンプ100に、固定容量のギヤポンプ110を付加して、3連式ポンプとしたものを示す。
【0004】
図示されるように、斜板式アキシャルピストンポンプ100のポンプケース101には駆動軸102が軸支される。ポンプケース101内に収容されたシリンダブロック103は、駆動軸102とスプライン結合し、駆動軸102とともに回転自在となっている。駆動軸102は、ポンプケース101からの突出端において、図示されない駆動モータにより回転駆動される。
【0005】
シリンダブロック103の上面には、駆動軸102を中心とするピストンピッチ円上に、複数のシリンダ104が開口し、各シリンダ104にはピストン105が摺動自在に収容される。一方、シリンダブロック103の底面には弁板106が当接し、この弁板106には吸込側および吐出側のキドニーポートが形成される。この場合、吸込側および吐出側のキドニーポートは、それぞれ内側と外側に2重に形成され、各ピストンシリンダは外側のキドニーポートか内側のキドニーポートに選択的に連通するようになっている。
【0006】
傾転角が変更可能な斜板107は、シリンダブロック103の上面に相対して配置され、ピストン105の突出端がピストンシュー108を介して斜板に当接する。これにより、シリンダブロック103が回転すると、シリンダ104の内部がピストン105により拡縮され、吸込側キドニーポートからの作動油の吸い込みと、吐出側キドニーポートへの作動油の吐き出しがなされる。
【0007】
ポンプケース101にはギヤポンプ110が固定される。このギヤポンプ110の駆動軸111は、シリンダブロック103を貫通した駆動軸102と連結されている。これにより、ギヤポンプ110はピストンポンプ100と同期して駆動されるようになっている。
【0008】
ギヤポンプ110からの吐出圧は、ギヤポンプ110とピストンポンプ100の間に設置された導油用のブッシュ112を通ってピストンポンプ100に導かれる。ピストンポンプ100の斜板107の傾転角は、ピストンポンプ100からの吐出圧およびこのギヤポンプ110からの吐出圧に基づいてフィードバック制御され、多連式ポンプ全体(すなわち可変ポンプであるピストンポンプ100と固定ポンプであるギヤポンプ110の全体)の全出力について、定馬力制御がなされるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような図6の多連式ポンプでは、ピストンポンプ100の駆動軸102の延長上にギヤポンプ110が配置されるので、ポンプの全長が長くなってしまう。
【0010】
また、ギヤポンプ110の吐出圧をピストンポンプ100側に導くブッシュ112には高圧シールを行う必要があるので、Oリング113等が必要となり部品点数が多くなる。
【0011】
また、ギヤポンプ110をピストンポンプ100に組み付ける際には、インロー部の組み付けと同時に、ブッシュ112や駆動軸111の組み付けが必要となるので、組み立てが複雑で手間がかかる上、組み立て精度も要求される。
【0012】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、可変容量ピストンポンプに固定容量ポンプを組み合わせた多連式ポンプにおいて、ポンプ全体を小型化できるとともに、部品点数を削減でき、また組み立ても容易であるものを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、ポンプケース内に収容されたシリンダブロックを備えたピストンポンプにおいて、前記シリンダブロックに形成された複数の可変ポンプ側シリンダと、前記シリンダブロックの前記可変ポンプ側シリンダとは異なるピストンピッチ円上に形成された複数の固定ポンプ側シリンダと、前記可変ポンプ側シリンダに収容された可変ポンプ側ピストンの突出端側が当接する傾転角の変更可能な可変斜板と、この可変斜板の傾転角を制御する傾転角制御手段と、 前記固定ポンプ側シリンダに収容された固定ポンプ側ピストンの突出端側が当接する傾転角固定の固定斜板とを備え、前記シリンダブロックの段差部に前記固定ポンプ側シリンダを開口するとともに、前記固定斜板を前記シリンダブロックの回りに配設した
【0015】
の発明は、前記固定ポンプ側ピストンをシュー無しピストンとした。
【0016】
の発明は、前記可変ポンプ側シリンダと前記固定ポンプ側シリンダを共通の吸込ポートに連通可能とした。
【0017】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、ピストンポンプを作動させると可変ポンプ側シリンダおよび固定ポンプ側シリンダから作動油の吐出がなされ、ポンプは多連式ポンプとして作用するが、傾転角制御手段はこの可変ポンプ側シリンダからの吐出圧と固定ポンプ側シリンダからの吐出圧に基づいて可変斜板の傾転角を制御し、例えばピストンポンプの定馬力制御を行う。この場合、固定ポンプ側シリンダから傾転角制御手段に導かれる吐出圧は、ポンプケース内の油路を通じて導くことができ、固定ポンプをポンプケース外部に取り付けた場合のようにシール部材等が必要なくなるので、ポンプの部品点数が削減できる。また、ポンプの可変ポンプとして作用する構成と固定ポンプとして作用する構成はコンパクトにまとめられてポンプケース内に一体に収容されるので、ポンプの駆動軸延長上に固定ポンプを取り付けた場合のようにポンプの全長が長くなってしまうことはなく、ポンプの小型化を図り得るとともに、固定ポンプをポンプケースの外側から組み付ける必要がないので、ポンプ製造が容易となる。また、固定ポンプ側シリンダはシリンダブロックの段差部に形成し、固定斜板はシリンダブロックの回りに配設するようにしたので、シリンダブロックおよび固定斜板は合理的にコンパクトな構成とでき、ポンプの小型化を図り得る。
【0019】
の発明では、固定ポンプ側ピストンをシュー無しとしたので、ピストンシューがシリンダブロックと干渉する恐れがなく、固定ポンプ側ピストンをシリンダブロック外周に寄せて配置することが可能となり、固定ポンプ側ピストンのピストンピッチ円の径を小さくして、シリンダブロックを小型化できる。よって、ポンプの小型化をさらに図り得る。
【0020】
の発明では、可変ポンプ側シリンダと固定ポンプ側シリンダとで吸込ポートが共通化されるので、ポンプの吸込配管を簡略化できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1には、本発明の実施の形態の多連式ポンプを示す。
【0023】
図示されるように、ポンプケース1には、駆動軸2が軸受を介して回転自在に軸支される。この駆動軸2は、突出端2Aにおいて図示されない駆動モータに接続され、回転駆動される。また、ポンプケース1内部には、シリンダブロック3が収容され、このシリンダブロック3は、シリンダブロック3を貫通して形成された駆動軸穴4において駆動軸2とスプライン結合され、駆動軸2と一体に回転駆動されるようになっている。
【0024】
図2、図3にも示すように、シリンダブロック3は、可変ポンプ部5と固定ポンプ部6からなる。可変ポンプ部5は、駆動軸穴4の回りの円環状部分であり、その上面5Aには、所定のピストンピッチ円上に複数の可変ポンプ側シリンダ7が開口する。一方、固定ポンプ部6は、シリンダブロック3の底面3A側をフランジ状にした部分で、この固定ポンプ部6の上面6Aはシリンダブロック3における段差部となる。そして、この上面6Aの所定のピストンピッチ円上に、複数の固定ポンプ側シリンダ8が開口する。可変ポンプ側シリンダ7には可変ポンプ側ピストン10が、固定ポンプ側シリンダ8には固定用ポンプ用ピストン11が、それぞれ摺動自在に挿入される。
【0025】
シリンダブロック3の底面3Aは、ポンプケース1に固定の弁板12に当接する。弁板12には、可変ポンプ側と固定ポンプ側のキドニーポート(吸込ポートと吐出ポート)がそれぞれ形成され、各可変ポンプ側シリンダ7は可変ポンプ側の吸込ポートまたは吐出ポートに、固定ポンプ側シリンダ8は固定ポンプ側の吸込ポートまたは吐出ポートに、それぞれシリンダブロック3の回転に応じて選択的に接続可能となっている。
【0026】
なお、可変ポンプ側キドニーポートとしては、異なる同心円上配置された複数の系統(例えば2系統)の吸込ポートおよび吐出ポートを備えるようにして、各系統が異なる可変ポンプとして作用するようにしてもよい。
【0027】
駆動軸2の回りには、シリンダブロック3に対する傾転角の変更可能な可変斜板13が備えられる。この可変斜板13は、可変ポンプ部上面5Aと正対するように配置され、可変ポンプ側ピストン10の突出端はピストンシュー14を介して可変斜板13に当接する。これにより、シリンダブロック3が回転すると、可変ポンプ側ピストン10が伸縮し、可変ポンプ側シリンダ7内の空間を拡縮することにより、弁板3Aの可変ポンプ側吸込ポートから作動油の吸込がなされ、可変ポンプ側吐出ポートから作動油の吐出がなされる。
【0028】
この場合、可変ポンプ側吐出ポートからの吐出量は、可変斜板13の傾転角に応じて決まって来るが、この可変斜板13の傾転角は、図示されない傾転角制御手段により制御される。この傾転角制御手段には、可変ポンプ側吐出ポートからの吐出圧と固定ポンプ側吐出ポートからの吐出圧が、ポンプケース1内部に形成された図示されない油路を通って導かれるようになっている。
【0029】
シリンダブロック3の可変ポンプ部5の外周には、傾転角固定の固定斜板15が配設され、ポンプケース1に固定される。この固定斜板15は、固定ポンプ部上面6Aと正対し、固定ポンプ側ピストン11の突出端がピストンシュー16を介して当接する。これにより、シリンダブロック3が回転すると、伸縮する固定ポンプ側ピストン11により固定ポンプ側シリンダ8が拡縮し、固定ポンプ側吸込ポートからの作動油の吸込と、固定ポンプ側吐出ポートへの作動油の吐出がなされる。なお、固定斜板15は傾転角一定であるので、固定ポンプ側吐出ポートからの吐出量は一定である。
【0030】
つぎに作用を説明する。
【0031】
多連式ピストンポンプを駆動する場合には、駆動モータによりポンプの駆動軸2を回転駆動させ、シリンダブロック3を回転させる。これにより、可変ポンプ側ピストン10および固定ポンプ側ピストン11が可変ポンプ側シリンダ7および固定ポンプ側シリンダ8内を伸縮して、可変ポンプ側吸込ポートおよび固定ポンプ側吸込ポートからの作動油の吸込と、可変ポンプ側吐出ポートおよび固定ポンプ側吐出ポートからの作動油の吐出がなされる。可変ポンプ側吐出ポートの各系統および固定ポンプよう吐出ポートから吐出された作動油は、それぞれ各種油圧機器に供給される。
【0032】
この場合、ポンプの全出力(吐出圧×吐出量)は、所定の一定馬力(例えば駆動モータの定格駆動力に見合った馬力)に制御される必要がある。このため、可変ポンプ側吐出ポートおよび固定ポンプ側吐出ポートからの吐出圧は、ポンプケース1内部に形成された油路を通じて傾転角制御手段にフィードバックされる。傾転角制御手段は、これらの吐出圧に基づいて、斜板14の傾転角を変更して可変ポンプ側吐出ポートからの吐出量を制御し、ポンプの全出力(可変ポンプおよび固定ポンプ全体の出力)が一定となるようにフィードバック制御を行う。
【0033】
このように本発明の多連式ピストンポンプによれば、固定ポンプ側吐出ポートからの吐出圧は、ポンプケース1内部の油路を通じて傾転角制御手段に送られるので、固定ポンプ側からの導油のためのブッシュ等が不要となり、またシール部材等を備える必要がなく、部品点数の削減が図れる。
【0034】
また、本発明の多連式ピストンポンプでは、一つのシリンダブロック3に可変ポンプ部5と固定ポンプ部6が備えられるので、可変ポンプとして作用する構成と固定ポンプとして作用する構成がコンパクトにまとめられ、ポンプケース1内に一体に収容される。したがって、多連式ピストンポンプの小型化を図ることができる。
【0035】
また、本発明の多連式ピストンポンプでは、ケーシング1の外部から固定ポンプを組み付ける必要がないので、複雑かつ面倒な組み立て作業が必要なく、ポンプの製造も容易に行い得る。
【0036】
図4、図5には、本発明の他の実施の形態を示す。この実施の形態は、基本的構成においては図1に示した実施の形態と同一であるので、図1のピストンポンプとの相違点を中心に説明する。
【0037】
この実施の形態のピストンポンプでは、図1〜図3の実施の形態の固定ポンプ側ピストン11とピストンシュー16の代わりに、シュー無しの固定ポンプ側ピストン21を採用している。このようにピストンシューを無くすことにより、ピストンシューがシリンダブロック3の可変ポンプ部5外周と干渉する問題がなくなるので、固定ポンプ側シリンダ8を可変ポンプ部5側に寄せて形成できる。具体的には、可変ポンプ部5外周に窪み部22を形成し、固定ポンプ側シリンダ8をこの窪み部22にまで寄せて配置できる。これにより、固定ポンプ側シリンダ8のピストンピッチ円半径を小さくして、シリンダブロック3の小型化を図ることができるので、さらにポンプの小型化を図れる。
【0038】
なお、上記の各実施の形態では、可変ポンプ側吸込ポートと固定ポンプ側吸込ポートを別々に設けるようにしたが、本発明はこのような形態に限られるものではなく、可変ポンプ側吸込ポートと固定ポンプ側吸込ポートを共通化して一つの吸込ポートとしてもよい。さらにこの場合、ピストンポンプに設置されるパイロットポンプ(例えばトロコイドポンプ)の吸込ポートを共通化してもよい。このようにポンプの吸込配管を共通化することにより、ポンプ構成を簡略化することができる。
【0039】
また、上記の各実施の形態では、可変ポンプ側シリンダ7のピストンピッチ円と固定ポンプ側シリンダ8のピストンピッチ円はそれぞれ1つづつとなっているが、本発明はこのような形態に限られず、これらのピストンピッチ円をそれぞれ複数個としてもよい。また、可変ポンプ側シリンダ7だけでなく、固定ポンプ側シリンダ8も複数系統に分け、多数のポンプとして作用させることも当然に可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すピストンポンプの断面図である。
【図2】同じくシリンダブロックの平面図である。
【図3】同じくシリンダブロックの側面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示すピストンポンプの断面図である。
【図5】同じくシリンダブロックの平面図である。
【図6】従来の多連式ピストンポンプを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ポンプケース
2 駆動軸
3 シリンダブロック
5 可変ポンプ部
6 固定ポンプ部
7 可変ポンプ側シリンダ
8 固定ポンプ側シリンダ
10 可変ポンプ側ピストン
11 固定ポンプ側ピストン
12 弁板
13 可変斜板
15 固定斜板
21 固定ポンプ側ピストン
22 窪み部

Claims (3)

  1. ポンプケース内に収容されたシリンダブロックを備えたピストンポンプにおいて、
    前記シリンダブロックに形成された複数の可変ポンプ側シリンダと、
    前記シリンダブロックの前記可変ポンプ側シリンダとは異なるピストンピッチ円上に形成された複数の固定ポンプ側シリンダと、
    前記可変ポンプ側シリンダに収容された可変ポンプ側ピストンの突出端側が当接する傾転角の変更可能な可変斜板と、
    この可変斜板の傾転角を制御する傾転角制御手段と、
    前記固定ポンプ側シリンダに収容された固定ポンプ側ピストンの突出端側が当接する傾転角固定の固定斜板と、を備え
    前記シリンダブロックの段差部に前記固定ポンプ側シリンダを開口するとともに、前記固定斜板を前記シリンダブロックの回りに配設したことを特徴とするピストンポンプ。
  2. 前記固定ポンプ側ピストンをシュー無しピストンとしたことを特徴とする請求項に記載のピストンポンプ。
  3. 前記可変ポンプ側シリンダと前記固定ポンプ側シリンダを共通の吸込ポートに連通可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のピストンポンプ。
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