JP4226132B2 - 管継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チューブやパイプを接続するための管継手の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種管継手として、特開昭61−256092号公報や実開昭62−18491号公報に示すものが存する。
該従来の管継手の内、前者のものは、チューブやパイプを接続する雄部材と雌部材とから成り、雄部材に対しては、その円筒状本体の先端部に小径段部を形成して、当該小径段部に別体成形の抜きリングを移動可能に嵌装し、雌部材に対しては、その円筒状本体の先端縁に複数の係止爪を突設する構成となっている。
【0003】
依って、チューブやパイプを接続するために、雄部材と雌部材とを連結する場合には、雌部材の円筒状本体内に雄部材の円筒状本体を挿入すると、上記雌部材側の各係止爪が拡開しながら雄部材の円筒状本体の外周面を滑って、その小径段部に至ると、原形に復帰して、小径段部の端面に係止するので、これにより、雄部材と雌部材とがワンタッチで連結され、逆に、連結を解除する場合には、今度は、雄部材の小径段部に嵌装されている抜きリングを移動させて、そのテーパー側面で各係止爪の先端部を拡開すると、小径段部の端面から係止爪が外れるので、これにより、雄部材と雌部材の連結状態が解除される。
【0004】
又、後者のものは、単体のジョイント部材から成り、該ジョイント部材の後端部側に一方のチューブやパイプの径方向段部に当接する当接部を形成し、その先端部側に他方のチューブやパイプの径方向段部に弾性的に係合する係合腕部を後端部方向に向かって形成する構成となっている。
【0005】
依って、一方と他方のチューブやパイプを接続する場合には、その当接部が一方のチューブやパイプの径方向段部に当接するまで、ジョイント部材を一方のチューブやパイプから他方のチューブやパイプに向かって摺動させると、今度は、その係合腕部が他方のチューブやパイプの径方向段部に弾性的に係合するので、これにより、一方と他方のチューブやパイプが接続され、逆に、接続を解除する場合には、係合腕部と他方のチューブやパイプの外周間にドライバー等の工具先端部を差し込んで、係合腕部の他方のチューブやパイプの径方向段部に対する係合を解けば、これにより、チューブやパイプの接続が解除される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、従来の管継手にあっては、いずれも、チューブやパイプを簡単に接続したり、その接続を必要に応じて解除できる利点を有するものであるが、特に、接続を解除する場合には、前者にあっては、雄部材と雌部材の他に、雌部材側の係止爪の先端部を強制的に拡開する抜きリングを必要とし、又、後者にあっては、係合腕部の径方向段部に対する係合を解くために、ドライバー等の工具の使用が余儀なくされるので、部品点数や作業性の面で改善が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、斯かる従来の管継手が抱える課題を有効に解決するために開発されたもので、請求項1記載の発明は、雄部材と雌部材とから成り、両部材のいずれか一方の本体の先端外周面に環状のロック壁部を形成すると共に、該ロック壁部の奥側外周面に環状の解除壁部を形成し、他方の本体の先端部に解除壁部よりも後方に延びて上記ロック壁部に係止する一対の折り返し弾性腕を形成して、雌部材の本体内に雄部材の本体を挿入すると、上記折り返し弾性腕がロック壁部に係止し、折り返し弾性腕を上記解除壁部側に押圧すると、折り返し弾性腕のロック壁部に対する係止が解除する構成を採用した。
【0008】
請求項2記載の発明は、回転規制手段を介して回転不能に連結される雄部材と雌部材とから成り、両部材のいずれか一方の本体の先端外周部に対向するロック壁部を形成すると共に、該各ロック壁部の奥側外周面に対向する解除壁部を形成し、他方の本体の先端部に解除壁部よりも後方に延びて上記各ロック壁部に係止する一対の折り返し弾性腕を形成して、雌部材の本体内に雄部材の本体を挿入すると、上記折り返し弾性腕がロック壁部に係止し、折り返し弾性腕を上記解除壁部側に押圧すると、折り返し弾性腕のロック壁部に対する係止が解除する構成を採用した。
【0009】
依って、請求項1記載の発明にあっては、雌部材の本体内に雄部材の本体を挿入するだけで、一対の折り返し弾性腕が環状のロック壁部に係止するので、これにより、雄部材と雌部材を簡単に連結でき、逆に、2本の指で把持しながら、各折り返し弾性腕を環状の解除壁部側に押圧するだけで、当該解除壁部を支点として、折り返し弾性腕の先端部が外側に拡開して、ロック壁部から外れるので、これにより、雄部材と雌部材の連結状態を簡単に解除することが可能となる。
【0010】
又、請求項2記載の発明にあっても、雌部材の本体内に雄部材の本体を挿入するだけで、一対の折り返し弾性腕が対向するロック壁部に係止するので、これにより、雄部材と雌部材を簡単に連結でき、逆に、2本の指で把持しながら、各折り返し弾性腕を対向する解除壁部側に押圧するだけで、当該解除壁部を支点として、折り返し弾性腕の先端部が外側に拡開して、ロック壁部から外れるので、やはり、雄部材と雌部材の連結状態を簡単に解除することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する各好適な実施の形態に基づいて詳述する。
まず、第一実施の形態に係る管継手を説明すると、当該第一実施の形態のものは、図1に示す如く、チューブやパイプを接続する雄部材1と雌部材11の2部品からなるものであるが、特に、雌部材11に関しては、自動車エンジンのラジエータ側に直付けされる構造となっている。
【0012】
そこで、雌部材11側から説明すると、図2にも示す如く、その円筒状本体12の先端外周面にテーパーガイド面13aとストッパー面13bを有する環状のロック壁部13を形成すると共に、当該ロック壁部13の奥側外周面に一定の間隔をおいて環状の解除壁部14を形成し、且つ、円筒状本体12の後端部側にラジエータに対する固定用のフランジ部15を形成する構成となっているが、上記したテーパーガイド面13aは、円筒状本体12の先端縁まで連続する状態に存在し、ストッパー面13bは、円筒状本体12の軸線方向に直角に延びる状態に存在している。尚、自動車エンジンのラジエータに直付けすることを前提とする関係で、後端部側にフランジ部15を形成したものであるが、チューブやパイプを接続する場合には、後述する雄部材1と同様に、接続用のスリーブを形成すれば良い。
【0013】
雄部材1は、図3にも示す如く、Oリング3を装着する円筒状本体2の後端部側にチューブやパイプを接続するスリーブ4を形成すると共に、円筒状本体2の対向する外周に上記ロック壁部13のストッパー面13bに係止する一対の逆J字状を呈する折り返し弾性腕5を円筒状本体2の外周面から離して形成する構成となっている。尚、この各折り返し弾性腕5の長さは、雄部材1と雌部材11を連結した状態にあって、上記環状の解除壁部14よりもその後端部方向に延びるものとする。即ち、その折り返し部分5bが折り返し先端部5aと解除壁部14との接点を越えて雌部材11の後端部方向に延びていることが肝要である。又、解除壁部14の高さをロック壁部13の高さよりも高くしておけば、図5で拡開する折り返し先端部5aとロック壁部13との干渉を防止して、外し操作性が向上する。
【0014】
依って、第一実施の形態の下で、自動車エンジンのラジエータ側に直付けされた雌部材11とチューブやパイプをそのスリーブ4に接続した雄部材1とを連結する場合には、雌部材11の円筒状本体12の先端部内に雄部材1の円筒状本体2の先端部を挿入すると、雄部材1側の一対の折り返し弾性腕5が、その逆J字形状を利用して、容易に撓みながら雌部材11のロック壁部13のテーパーガイド面13a上に乗り上げて、ロック壁部13の稜線を越えると、図4に示す如く、各折り返し弾性腕5が原形に復帰して、その折り返し先端部5aをロック壁部13のストッパー面13bに弾性的に係止するので、これにより、雄部材1と雌部材11とがワンタッチで連結される。
【0015】
又、雄部材1と雌部材11の連結状態を解除する場合には、図5に示す如く、2本の指で把持しながら、一対の折り返し弾性腕5の折り返し部分5bを対応する解除壁部14側に押圧すると、当該解除壁部14を支点として、その折り返し先端部5aが外側に拡開して、ロック壁部13のストッパー面13bから自動的に外れるので、これにより、雄部材1と雌部材11の連結状態を解除することが可能となる。従って、第一実施の形態にあっては、従来のように、雄部材1と雌部材11の他に、両者の連結を解除するための独立した部材を必要としたり、或いは、ドライバー等の工具を必要とすることがなくなるので、部品点数の削減と相俟って、その作業が極めて簡素化されることとなる。尚、この場合に、図1の仮想線で示すように、折り返し弾性腕5の折り返し部分5bから巾広な操作片6を一体に延設すれば、外し作業性が一層良好となる。
【0016】
次に、第二実施の形態に係る管継手を説明すると、当該第二実施の形態のものは、図6に示す如く、雄部材1に関しては、上記第一実施の形態のものをそのまま踏襲するが、雌部材11に関しては、図示する如く、円筒状本体12の対向する先端開口縁に折り返し弾性腕5の基部5cを嵌入する一対の凹溝部16を形成して、当該各凹溝部16の奥側に対向する短寸のロック壁部13と対向する短寸の解除壁部14とを順に形成する構成となしたものである。
【0017】
依って、第二実施の形態の下で、自動車エンジンのラジエータ側に直付けされた雌部材11とチューブやパイプをそのスリーブ4に接続した雄部材1とを連結する場合には、雌部材11側の凹溝部16と雄部材1側の折り返し弾性腕5を方向的に一致させながら、雌部材11の円筒状本体12の先端部内に雄部材1の円筒状本体2の先端部を挿入すると、やはり、雄部材1側の各折り返し弾性腕5が容易に撓みながら雌部材11のロック壁部13のテーパーガイド面13a上に乗り上げて、ロック壁部13の稜線を越えると、図4に示した状態と同様に、各折り返し弾性腕5が原形に復帰して、その折り返し先端部5aをロック壁部13のストッパー面13bに弾性的に係止するので、これにより、雄部材1と雌部材11とがワンタッチで連結されることとなる。但し、第二実施の形態にあっては、その連結状態は、雄部材1側の折り返し弾性腕5の基部5cが雌部材11側の凹溝部16内に嵌入する関係で、雄部材1と雌部材11とは回転不能に連結されることとなる。
【0018】
又、雄部材1と雌部材11の連結状態を解除する場合には、図5に示した状態と同様に、2本の指で把持しながら、一対の折り返し弾性腕5の折り返し部分5bを解除壁部14側に押圧すると、当該解除壁部14を支点として、その折り返し先端部5aが外側に拡開して、ロック壁部13のストッパー面13bから自動的に外れるので、これにより、ドライバー等の工具を用いることなく、雄部材1と雌部材11の連結状態を極めて簡単に解除することが可能となる。
【0019】
最後に、第三実施の形態に係る管継手を説明すると、当該第三実施の形態のものも、図7に示す如く、雄部材1に関しては、上記第一実施の形態のものをそのまま踏襲するが、雌部材11に関しては、図示する如く、ロック壁部13のテーパーガイド面13aから連続する大径な周リブ壁17を一体に突設し、当該周リブ壁17の対向する部位に折り返し弾性腕5の折り返し先端部5aを係入する凹部18を形成して、該各凹部18の近傍に短寸の解除壁部14を個々に形成する構成となしたものである。従って、第三実施の形態にあっては、上記各凹部18の端面がロック壁部13のストッパー面13bとなる。
【0020】
依って、第三実施の形態の下で、自動車エンジンのラジエータ側に直付けされた雌部材11とチューブやパイプをそのスリーブ4に接続した雄部材1とを連結する場合には、第二実施の形態とは異なり、方向性を考慮せずに、雌部材11の円筒状本体12の先端部内に雄部材1の円筒状本体2の先端部を挿入すると、雄部材1側の各折り返し弾性腕5が容易に撓みながら雌部材11のロック壁部13のテーパーガイド面13aを案内として上記周リブ壁17上に乗り上げることとなるが、周リブ壁17が存在する関係で、折り返し弾性腕5の折り返し先端部5aはストッパー面13bとは係止することができない。そこで、後は、その状態のまま、雄部材1を所定方向に回転させて、折り返し弾性腕5を周リブ壁17の凹部18まで導くと、図4に示した状態と同様に、各折り返し弾性腕5が原形に復帰して、その折り返し先端部5aを凹部18のストッパー面13bに係止するので、これにより、雄部材1と雌部材11とがワンタッチで連結されることとなる。但し、第二実施の形態にあっても、雄部材1側の折り返し弾性腕5が凹部18で規制される関係で、雄部材1と雌部材11とは回転不能に連結されることとなる。
【0021】
又、雄部材1と雌部材11の連結状態を解除する場合には、図5に示した状態と同様に、2本の指で把持しながら、一対の折り返し弾性腕5の折り返し部分5bを解除壁部14側に押圧すると、当該解除壁部14を支点として、その折り返し先端部5aが外側に拡開して、凹部18のストッパー面13bから自動的に外れるので、これにより、同様に、雄部材1と雌部材11の連結状態を極めて簡単に解除することが可能となる。
【0022】
尚、以上説明した各実施の形態にあっては、雄部材1側に折り返し弾性腕5を形成し、雌部材11側にロック壁部13と解除壁部14を形成したものであるが、本発明は、これに限定されるものではなく、その精神に反しない限り、逆に、雄部材1側にロック壁部13と解除壁部14を形成し、雌部材11側に折り返し弾性腕5を形成することも実施に応じ任意である。
【0023】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、上記構成の採用により、請求項1の下では、雌部材の本体内に雄部材の本体を挿入するだけで、一対の折り返し弾性腕が環状のロック壁部に係止するので、これにより、雄部材と雌部材を簡単に連結でき、逆に、2本の指で把持しながら、各折り返し弾性腕を環状の解除壁部側に押圧するだけで、当該解除壁部を支点として、折り返し弾性腕の先端部が外側に拡開して、ロック壁部から外れるので、これにより、雄部材と雌部材の連結状態を簡単に解除することが可能となる。
【0024】
又、請求項2の下でも、雌部材の本体内に雄部材の本体を挿入するだけで、一対の折り返し弾性腕が対向するロック壁部に係止するので、これにより、雄部材と雌部材を簡単に連結でき、逆に、2本の指で把持しながら、各折り返し弾性腕を対向する解除壁部側に押圧するだけで、当該解除壁部を支点として、折り返し弾性腕の先端部が外側に拡開して、ロック壁部から外れるので、やはり、雄部材と雌部材の連結状態を簡単に解除することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態に係る管継手を分解して示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】雄部材と雌部材を連結した状態を示す断面図である。
【図5】雄部材と雌部材の連結を解除した状態を示す断面図である。
【図6】第二実施の形態に係る管継手を分解して示す斜視図である。
【図7】第三実施の形態に係る管継手を分解して示す斜視図である。
【符号の説明】
1 雄部材
2 円筒状本体
3 Oリング
4 スリーブ
5 折り返し弾性腕
5a 折り返し弾性腕の折り返し先端部
5b 折り返し弾性腕の折り返し部分
5c 折り返し弾性腕の基部(回転規制手段)
6 操作片
11 雌部材
12 円筒状本体
13 ロック壁部
13a ロック壁部のテーパーガイド面
13b ロック壁部のストッパー面
14 解除壁部
15 フランジ部
16 凹溝部(回転規制手段)
17 周リブ壁
18 凹部(回転規制手段)
Claims (2)
- 雄部材と雌部材とから成り、両部材のいずれか一方の本体の先端外周面に環状のロック壁部を形成すると共に、該ロック壁部の奥側外周面に環状の解除壁部を形成し、他方の本体の先端部に解除壁部よりも後方に延びて上記ロック壁部に係止する一対の折り返し弾性腕を形成して、雌部材の本体内に雄部材の本体を挿入すると、上記折り返し弾性腕がロック壁部に係止し、折り返し弾性腕を上記解除壁部側に押圧すると、折り返し弾性腕のロック壁部に対する係止が解除するように構成したことを特徴とする管継手。
- 回転規制手段を介して回転不能に連結される雄部材と雌部材とから成り、両部材のいずれか一方の本体の先端外周部に対向するロック壁部を形成すると共に、該各ロック壁部の奥側外周面に対向する解除壁部を形成し、他方の本体の先端部に解除壁部よりも後方に延びて上記各ロック壁部に係止する一対の折り返し弾性腕を形成して、雌部材の本体内に雄部材の本体を挿入すると、上記折り返し弾性腕がロック壁部に係止し、折り返し弾性腕を上記解除壁部側に押圧すると、折り返し弾性腕のロック壁部に対する係止が解除するように構成したことを特徴とする管継手。
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