JP4223684B2 - 冷凍食品 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、不凍化ペプチド(AFP類)を含む食品、特に、AFP類を含む、冷凍食品に関する。
【0002】
【発明の背景】
不凍化ペプチド(AFP類)は、食品の冷凍耐性を改良することが示唆されている。とりわけ、AFP類はアイスクリームのような食品の口当たりの滑らかさを増加することのできることが示唆されている。しかし、これまで、AFP類の使用は、市販の食品に応用されていなかった。この一つの理由は、所望の口当たり及び食するときの特性を有する冷凍食品を再生産的に製造することの困難であるとされていたためである。
【0003】
国際公開第90/13571号は、化学的又は植物に由来する組換えDNA技術により製造された不凍化ペプチドを開示している。AFP類は、アイスクリームのような食品に適切に使用することができる。滑らかな口当たりを得る方法についてのガイドラインは与えられていない。
【0004】
国際公開第92/22581号は、植物に由来するAFP類を開示しており、これは、氷結晶の生長を制御するために使用することができる。この刊行物は、植物細胞を破壊することなく、抽出溶媒で葉を浸漬することにより、植物の細胞内空間からポリペプチド組成物を抽出するための方法をも開示している。
【0005】
出願人らは、AFPを含む冷凍食品が所望の口当たりに欠けることについての、考えられる理由の一つは、AFPは再結晶阻害することが可能であるにもかかわらず、好ましくなく硬く、そしてもろさを避けることができないことがしばしばであることと考える。出願人らは、この例の一つは、AFP類が、氷結晶の生長を制御することができると思われることと考える。しかし、AFPの存在により、氷結晶が、凝集物を形成し、硬く、そしてもろい製品を導く傾向にあるという不利な効果をも導く。したがって、製品の口当たりは、製造工程の間好ましくないものとなる。
【0006】
したがって、本発明は、AFPを含む冷凍食品の口当たりを改良する製造条件を定義することを目的とする。
【0007】
驚くべきことに、冷凍食品を製造する条件を注意深く選択すると、これは、改良された口当たりを導くことが見出された。とりわけ、出願人らは、製造方法は、一つ以上の以下の工程、
(i)核形成が優位な冷凍工程である(予)冷凍工程、
(ii)スクリュー押出機又は(ピストン)圧縮機を使用する(後)圧縮工程、
の使用を含む場合、これが、氷結晶の凝集を最小限にし、したがって、冷凍製品のより好ましい口当たりとし、口当たりは、長い貯蔵期間の間維持されることを見出した。
【0008】
一般に、組成物の冷凍において、二つの異なる相を見ることができる。冷凍工程の開始時に、多くの小さい氷結晶が急速に形成される。この相は、冷凍工程の核形成相とよばれる。核形成工程に続いて、組成物の残りの部分が核の表面上に凍結し、同時に氷結晶の生長に貢献する。冷凍工程のこの相は、生長相とよばれる。生長が優位な冷凍工程では、組成物のほとんどは、生長相の間に冷凍し、核形成が優位な冷凍工程では、組成物のほとんどは、核形成相の間に冷凍する。
【0009】
冷凍菓子製品の従来の冷凍法は、たとえば、冷凍工程の間に冷凍すべき混合物を剪断にさらす、キサゲ面熱交換器を使用することを含む。一般に、この冷凍方法は、製品を−5℃以下の温度に到達させるのに5乃至30分間かかる。この方法において、最初にある程度氷結晶の核形成を起こし、続いてある期間、氷結晶生長が優位である。
【0010】
冷凍工程の代わりに、例えば、ウォーターアイスの冷凍に使用する例として、例えば、金型を充填し、そして金型を、例えば冷却体で満たされた冷浴に浸すことによる、混合物の低剪断又は静置冷凍を含む。この方法において、氷結晶の初期の核形成は、金型の表面で生じ、次に生成物の内部は、生長が優位な冷凍工程において徐々に冷凍される傾向にある。
【0011】
驚くべきことに、出願人らは、AFPを含む製品の凝集が、核形成が優位な冷凍方法を選択する場合、かなり減少することができることを見出した。このような冷凍方法は、一般に、小さい氷結晶の形成と組み合わせて短い冷凍時間により特徴付けられる。好ましくは、冷凍方法は、低い剪断又は静置冷凍条件下で実施される。
【0012】
【発明の開示】
したがって、第一の観点において、本発明は、AFP類を含む冷凍食品の製造方法に関し、ここにおいて、方法は、以下の工程、
(i)核形成優位な冷凍工程である(予)冷凍工程、
(ii)スクリュー押出し機又は(ピストン)圧縮機を使用する(後)圧縮工程、
の一つ以上を含む。
【0013】
本発明の目的にかんがみ、AFPという語は、当技術分野に周知の意味を有する。例えば、“Antifreeze proteins and their potential use in frozen food products”(Marilyn Griffith及びK.Vanya Ewart、Biotechnology Advances、Vol 13、375頁乃至402頁、1995年)参照。
【0014】
本発明は、改良された再結晶特性を良好な口当たりと組み合わせて有する製品を得ることを目的とする場合、食品製造業者が、冷凍食品中にAFP物質を使用することにより、よりすぐれた可塑性を提供することを目的とする。特に、AFP類を含む冷凍食品の口当たりが、その製造法を注意深く制御することにより著しく改良され得ることが見出された。
【0015】
本発明は、冷凍食品が、一つ以上の以下の工程
(i)核形成優位の冷凍工程である(予)冷凍工程、
(ii)スクリュー押出し機又は(ピストン)圧縮機を使用する(後)圧縮工程を含む工程により製造される場合、製品の改良された口当たりを導き得ることを見出したことに基づく。
【0016】
出願人らは、核形成が優位な冷凍工程の結果であるこれらの冷凍法を選択することは、十分に、当業者の能力範囲内であると考える。
【0017】
好ましくは、冷凍工程が、核形成が優位な冷凍工程である場合、冷凍工程は、製品が−5℃以下の温度に30秒以内、好ましくは0.01乃至25秒、最も好ましくは1乃至15秒以内に到達するようにする。
【0018】
また、好ましくは、冷凍工程が、核形成が優位な冷凍工程である場合、冷凍工程は、比較的小さい結晶が多くなるようにし、氷の平均径は、0.01乃至20μm、より好ましくは0.01乃至15μm、最も好ましくは0.01乃至10μmである。
【0019】
例えば、急速な冷凍工程は、核形成が優位になる傾向にある。適する方法は、例えば、
(a)表面冷凍、好ましくは冷表面上でのフィルム冷凍、
(b)過冷却系の冷凍、
(c)減圧冷凍、
(d)非常に低い温度での冷凍、
(e)急速な球状冷凍、好ましくは、濃縮冷凍、
を含む。
【0020】
他の急速な冷凍方法は、当業者に明らかであり、本発明の範囲内である。好ましくは、冷凍方法は、剪断なし又は低剪断を含む。
【0021】
表面冷凍は、好ましくは、冷表面上に薄膜を施し又は粒子を離散散布すること、任意に続いて冷凍された物質を除去することを含む。好ましくは、フィルム又は粒子の厚さは、0.01乃至5mmである。冷表面は、好ましくは−15℃未満、より好ましくは−20℃未満、最も好ましくは−25℃未満の温度である。表面は、液体窒素、グリセロール、又はメタノールを使用して冷凍することができる。除去は、いずれの適する手段によっても行うことができ、例えば、掻き取ることにより行われ、その上、例えば、フレーク又はペレットのような、さらに加工することのできる冷凍粒子を形成する。さらなる加工処理の間、生長優位な再冷凍をもたらす、組成物の実質的な融解を避けるように注意しなければならないことは明確である。
【0022】
非常に好ましい態様において、表面冷凍は、例えば、液体窒素又はメタノールで冷却されたドラム冷却機上でのフィルム冷凍、及びこれに続き、ドラム冷却機からフィルムを除去することを含む。
【0023】
表面冷凍のさらに好ましい態様においては、液体窒素で冷却された低温板冷凍機を使用して冷凍ペレットを製造する。
【0024】
表面冷凍の代わりの形態は、冷却された芯の形成、及びこれに続いて冷凍する混合物を、例えば、浸すか又は噴霧することにより芯に付加し、冷却された芯に比較的薄い膜を付着させることを含む。有利なことに、このような冷却された芯は、例えば、非常に冷たい(例えば、液体窒素に浸された)アイスクリームの芯であり得、AFPを含むウォーターアイスの薄い膜をその表面に凍結させる。
【0025】
急速な、核形成の優位な冷凍を達成する他の方法は、低温で過冷却系を製造し、続いて、例えば、過冷却された液体に衝撃を与えることにより突然冷却する。過冷却された液体の急速な冷凍は、核形成が優位な冷凍工程である。
【0026】
好ましくは、過冷却された液体は、融点より少なくとも1℃低い温度、より好ましくは、融点より1乃至20℃低い温度、例えば、融点より2乃至10℃低い温度を有する。
【0027】
急速な核形成が優位な冷凍を達成する第三の方法は、減圧冷凍を使用することである。これは、冷却の間液体系に高圧を使用し、これに続いて超過圧力を除去することを含む。次に、この圧力の除去は、急速な核形成が優位の冷凍を導く。
【0028】
好ましくは、使用する圧力は、100乃至3000bar、例えば、200乃至2000bar、一般に、300乃至1300barである。超過圧力を除去する前の製品の温度は、好ましくは大気圧での融点より少なくとも5℃低い温度、好ましくは、融点よりも6乃至10℃低い温度である。
【0029】
核形成が優位な冷凍を確保するための第四の方法は、非常に低い温度を使用することである。例えば、冷凍する物質の小さい滴を、例えば、液体ヘキサン又は液体窒素のような液体冷凍溶媒へ浸漬することができる。好ましくは、この方法の液体温度は、−50℃未満である。この方法は、冷凍する製品を比較的小さく又は薄くするように最善に作用する。小さい製品は、好ましくは5g未満、より好ましくは0.001乃至3g、最も好ましくは0.01乃至1gであり、例えば、冷凍溶媒中に浸漬された液体の滴である。比較的薄い製品は、例えば、製品のシート又は薄い流れであり、好ましくは、少なくとも一つの辺が、2cm未満、より好ましくは0.1乃至0.5cmを有する。
【0030】
本発明の方法に使用する製品は、例えば、冷凍液体中に直接浸漬されるが、しかし、代わりに、製品を第一に、例えば、金型に充填され、管を通ってくみ出された、保護膜と接触させ、これらを冷却溶媒と接触させる。
【0031】
本発明の食品を冷凍するための第五の好ましい方法は、急速な粒状冷凍、好ましくは濃縮冷凍を含む。この方法は、例えば、非常に冷たい気体環境又は冷却された環境の中へ冷凍される液体混合物を噴霧することにより達成される。液体を粒状に急速冷凍するための特に好ましい方法は、濃縮冷凍である。最も好ましくは、例えば、人工雪の製造に使用する技術を使用する。
【0032】
人工雪の製造は、文献に広く記載されている。人工雪は、しばしば、いわゆる雪大砲(キャノン)で製造され、水と加圧された空気の混合物を噴霧することにより水を冷凍する。好ましくは、雪の製造は、−3℃未満、最も好ましくは−5℃乃至−50℃の温度、及び75%未満、最も好ましくは50%未満の相対湿度を有する環境で行われる。
【0033】
この第五の方法により得られる冷凍粒子は、種々の大きさであり得るが、一般に、粒子の数平均直径は、10mmまで、より好ましくは、5mm未満である。一般に、各粒子は、多数の凝集した氷結晶を含む。
【0034】
スクリュー押出し機による冷凍菓子製品の冷凍は、例えば、欧州特許第713,650号(ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ(Societe des Produits Nestle))、欧州特許第410,512号(HMFクランぺ(Krampe)&Coら)、欧州特許第561,118号(ミルヒホフ−アイスクレム(Milchhof−Eiskrem)GmbHら)、欧州特許第351,476号(ゴアベック エス・エー・ソシエテ・デイト(Goavec S.A.Societe Dite))に開示されている。
【0035】
好ましくは、本発明の製造方法は、スクリュー押出し機の使用を含み、冷凍製品の押出し温度は、−8℃以下、より好ましくは、−10℃乃至−25℃、最も好ましくは−12℃乃至−20℃である。
【0036】
本発明の方法に使用するのに適するスクリュー押出し機は、例えば、欧州特許第561,118号に記載されている二軸スクリュー押出し機であり得る。また、単軸スクリュー押出し機も使用し得る。また、押出し機は、アイスクリーム製造工程の一つ以上の機能と組み合わせて使用することができる(例えば、欧州特許第713,650号を参照)。
【0037】
スクリュー押出し機を操作する条件は、例えば、使用する押出し機の型及び大きさによって変化し得る。出願人らは、好ましい品質の製品を得るようにこれらの操作条件を選択することは、十分に、当業者の能力の範囲内であると考える。適する操作条件の例は、実施例に与えられる。
【0038】
代わりに、圧縮機は、AFP類を含む冷凍食品を製造するのに有利に使用することができる。プレスのような適する圧縮機のすべてを使用することができ、特に好ましいのは、ピストンの動きにより食品に圧力をかける、ピストン圧縮機の使用である。伝統的に、ピストン圧縮機は、例えば、ソーセージの充填に使用されている。再度、出願人らは、(ピストン)圧縮機の適する操作条件を選択することは、十分に、当業者の能力の範囲内であると考える。
【0039】
好ましくは、本発明は、AFP類を含む冷凍食品の製造方法に関し、この方法は、以下の工程、
(i)核形成が優位な冷凍工程である、(予)冷凍工程、及び、
(ii)スクリュー押出し機又は(ピストン)圧縮機を使用する(後)圧縮工程
を含む。
【0040】
スクリュー押出し機又は圧縮機の使用は、粒子状(部分的)冷凍製品を、例えば、フレーク、ペレット、粉末、押出されたロッド、又はシートに形成するような条件下で、予め冷凍された製品に非常に有利に適用することができる。これらの予め冷凍された生成物は、スクリュー押出し機又は(ピストン)圧縮機を使用して、粒子状物質を圧縮してより固形状の構造を導くのに有利である。
【0041】
本発明の冷凍製品の完全な加工方法は、予冷凍及び/又はスクリュー押出し又はピストン圧縮に加え、さらに、任意の工程を含み得る。例えば、成分の混合、エージング、殺菌、均質化、予曝気などである。これらの任意の工程は、いずれの適する順序で行われる。
【0042】
上記のように、核形成が優位な冷凍工程の特徴の一つは、多数の小さい氷結晶を形成することである。出願人らは、成分としてのAFP類の使用と核形成が優位な冷凍工程の組み合わせが、冷凍する製品の粒子状の有利な口当たりを導き、前記口当たりは、長い貯蔵期間の間維持されることを見出した。
【0043】
特に、核形成が優位な冷凍工程は、粒子状冷凍物質の製造に使用するのに非常に有利であり得る。これらの例は、冷凍フレーク、冷凍(小さい)滴、冷凍粉末、ペレット、冷凍ロッド及び冷凍雪である。驚くべきことに、本発明の方法で製造された粒子状の物質は、凝集する傾向が減少され、したがって、貯蔵温度が比較的高くても、粒子状物質の自由流動性が貯蔵後も維持される。
【0044】
さらに、出願人らは、AFPを含む冷凍食品を製造するときに、スクリュー押出し機又は(ピストン)圧縮機を使用すると、長期間の貯蔵の間維持することのできる、非常に小さい氷結晶系を導くのに非常に有利であることを見出した。
【0045】
好ましくは、冷凍条件は、最終冷凍製品の氷結晶の平均径が、0.01乃至20μmとなるように選択され、−10℃で3週間の貯蔵の間、前記結晶径は、前記範囲に維持される。
【0046】
好ましくは、−10℃で3週間の貯蔵の間、平均氷結晶系は、15μm未満、例えば、12未満又はさらに10μm未満のままである。
【0047】
冷凍工程が、いずれの圧縮工程をも含まない、核形成優位な冷凍工程を含む場合、提供される冷凍製品は、粒子状の食品であり得る。一方、スクリュー押出し機又は(ピストン)圧縮機を使用する場合、製品は、均質な固体又は(微細な)粒子を有さないように形成され得る。
【0048】
好ましくは、本発明の粒子状でない生成物は、2cm以上、より好ましくは2.5cm以上、最も好ましくは3cm以上の最小寸法を有する。
【0049】
冷凍の後、製品はさらに硬化される。例えば、製品は、例えば、0.05乃至10リットルの容器に充填され、貯蔵される。代わりに、製品をさらに成型又は形成して最終製品にする。例えば、製品は、アイスクリーム菓子(ガトー)へ形成するために使用され得る。
【0050】
本発明のさらに有利な点は、使用する方法が、スクリュー押出し機又は(ピストン)圧縮機のいずれかを使用する後圧縮を含む場合、本発明の製品は、一般に、例えば、硬化トンネルのような硬化工程にさらす必要はない。この利点は、例えば、一般に米国特許第5,620,732号(ピルスブリー(Pillsbury))のAFP製品に示唆されている。
【0051】
しかし、米国特許5,620,732号に記載されているように、方法は、豪華な棒状製品の製造に適さないという欠点を有する。これらの製品は、伝統的には、アイスクリームのブロックの押出し及び切断、ブロックの硬化、これに続くスティックの挿入、及び、例えば、チョコレート又はフルーツウォーターアイスでのコーティングにより製造される。硬化工程をAFP含有製品について省略すると、これは、例えば、スティックの挿入又はさらなるコーティングの間のさらなる硬化における問題を導く。
【0052】
驚くべきことに、出願人らは、AFP類及びスクリュー押出し機又は(ピストン)圧縮機のいずれかによる後圧縮を組み合わせて使用すると、硬化工程を使用せずに豪華なスティック製品を製造することが可能になることを見出した。
【0053】
本発明の冷凍食品は、冷凍状態において貯蔵及び/又は食することのできるいずれの食品でもあり得る。AFP類を含み得る冷凍食品の例は、例えば、ドウ、バター(batters)、ケーキなどのような冷凍ベーカリー製品、スープ、ソース、ピザのような冷凍調理製品、コンポート、マッシュッド・ポテト、トマト・ペーストなどのような冷凍野菜製品である。
【0054】
出願人らは、本発明の方法は、冷凍する前に流体又は液体である食品系に適用するのに最適であることを見出した。本発明の非常に好ましい食品は、冷凍菓子製品である。
【0055】
本発明の目的にかんがみ、冷凍菓子製品という語は、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、シャーベット、アイスミルク、及びフローズンカスタードのような牛乳を含む冷凍菓子、及びウォーターアイス、ソルベ、グラニタ、及び冷凍果実ピューレのような典型的には牛乳を含まない冷凍菓子を含む。特に好ましい本発明の製品は、アイスクリーム及びウォーターアイスである。
【0056】
本発明の冷凍製品は、曝気され得る。例えば、曝気の程度は、50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上である。一般に、曝気の程度は、400%未満、より一般的には300%未満、最も好ましくは200%未満である。例えば、曝気は、冷凍の前又は冷凍の間に行われ得る。製品が上記の核形成優位な冷凍工程の一つ以上により予冷凍される場合、好ましくは曝気は予冷凍の前に行う。
【0057】
好ましくは本発明の冷凍食品中のAFP類の濃度は、最終製品に基づき0.0001乃至0.05重量%である。
【0058】
本発明の製品に使用されるAFPは、食品に使用するのに適するいずれのAFPであってもよい。適するAFPの起源の例は、例えば、上記のGriffith及びVanya Ewartらの文献、及び、国際公開第98/04699号、第98/04146号、第98/04147号、第98/04148号、及び第98/22591号に示されている。
【0059】
AFP類は、例えば、上記の刊行物に記載される単離方法など、いずれの適する方法によってその起源から得られる。
【0060】
AFP物質の起源として可能なものの一つは、魚である。魚AFP物質の例は、AFGP(例えば、ニシマダラ(Atlantic cod)、グリーンランドのタラ(Greenland cod)、及びマダラ属の小型のタラ(Tomcod)から得られる)、I型AFP(例えば、太平洋北西部産のカレイの一種(Winter flounder)、マコガレイの一種(Yellowtail flounder)、ショートホーン・カジカ(Shorthorn sculpin)、及びグラッビー・カジカ(Grubby sculpin)から得られる)、II型AFP(例えば、北米大西洋沿岸のケムシカジカ(Sea raven)、スメルト及び大西洋のニシン(Smelt and Atlantic herring)から得られる)、及びIII型AFP(例えば、ゲンゲ(Ocean Pout)、大西洋のオオカミウオ(Atlantic Wolffish)、発光ニシイソギンポ(Radiated shanny)、ロック・ガンネルギンポ(Rock gunnel)、及びラヴァル・ゲンゲ科の各種の食用魚(Lavel’s eelpout)から得られる)である。後者の型の好ましい例は、国際公開第97/02343号に記載されている。
【0061】
もう一つのAFP物質起源の可能性のあるものは、無脊椎動物である。AFP類は、微生物からも得ることができる。
【0062】
第三のAFP物質起源の可能性のあるものは、植物である。AFP類を含む植物の例は、アリアリア、ブルー・ウッド・アスター(blue wood aster)、春オート麦(spring oat)、フユガラシ、ウインター・キャノーラ(winter canola)、メキャベツ、ニンジン、コマクサ属の多年草(Dutchman’s breeches)、トウダイグサ、ユリ科ヘメロカリス属の各種草本(キスゲ、ワスレグサ、カンゾウなど)(daylily)、秋まき大麦、ヴァージニア・ハゼリソウ科の多年草(Virginia waterleaf)、狭い葉の(narrow−leafed)オオバコ、オオバコ、ニュージーランド産のセリ科植物(speargrass)、ケンタッキー・ブルーグラス、イースタン・ハコヤナギ(Earstern Cottonwood)、樹皮の白っぽい各種のオーク(white oak)、冬ライ麦(winter rye)、マルバノホロシ、イモ、ナデシコ科のうち小型で匍匐性の強い草(ノミノツヅリ属、ミミナグサ属、ハコベ属の草)(chickweed)、タンポポ、春及び冬小麦、ライコムギ、ツルニチニチソウ、スミレ及び草(grass)である。
【0063】
天然に生じる種及び遺伝的な改良を経て得られる種の両方を使用することができる。例えば、微生物又は植物を遺伝的に改良してAFP類を発現させることができ、そしてそのAFP類を本発明に使用することができる。
【0064】
遺伝子操作技術は、AFP類を生産するために使用できる。遺伝子操作技術は、天然資源から直接得られたAFP類と少なくとも80%、より好ましくは95%以上、最も好ましくは100%の相同性を有するAFP類を製造するために使用される。本発明の目的にかんがみ、高い相同性を有するAFP類もまた、「AFP類」という語に包含される。
【0065】
遺伝子操作技術は以下のものを使用することができる:適する宿主細胞又は微生物を、所望のポリペプチドを含む遺伝子構築により形質転換することができる。ポリペプチドをコードする核酸配列を、転写及び翻訳に必要な要素をコードする、適する発現ベクターに、適する条件下(例えば、適当な開始点及び正しい読み取り枠、及び適する標的及び発現配列)でそれらが発現するような方法で、挿入することができる。これらの発現ベクターを構築するのに要求される方法は、当業者に周知である。
【0066】
発現系の多くは、ポリペプチドをコードする配列を発現するのに使用することができる。これらには、微生物、酵母、昆虫細胞系、植物細胞培養物、及び適する発現ベクターですべてを形質転換された植物などを含むが、これらに限定されるわけではない。
【0067】
植物及び植物細胞系の広範な種類を、所望のポリペプチドの核酸構造で形質転換することができる。好ましい態様は、トウモロコシ、トマト、タバコ、ニンジン、イチゴ、菜種、及びテンサイを含むが、これに限定されない。
【0068】
本発明の目的に、好ましいAFP類は、魚又は植物に由来する。特に好ましいのは、III型の魚タンパク質を使用することであり、最も好ましくは、本出願人らの国際公開第97/02343号に記載されているHPLC12である。植物、とりわけニンジン又は草に由来するAFP類を使用することが好ましい。
【0069】
天然資源のうち、AFP類が、二つ以上の異なるAFP類の混合物からなるものもある。
【0070】
好ましくは、これらのAFP類は、十分な氷再結晶阻害特性を有するものを選択する。これは、実施例Iにおいて測定することができる。
【0071】
好ましくは、本発明のAFP類は、再結晶時に、実施例に従って測定し、20μm未満、より好ましくは5乃至15μmの氷粒子径を提供する。
【0072】
好ましくは、冷凍食品中の固体の濃度(例えば、砂糖、脂肪、フレーバー剤など)は、2重量%以上、より好ましくは4乃至70重量%である。
【0073】
本発明の冷凍食品の製造方法は、いずれか適する冷凍食品の製造方法から選択することができる。AFP類は、一般に、調製の種々の段階で添加することができ、例えば、成分の第一の予混合において添加することができ、又は、後に、調製方法の後の工程の間に添加することもできる。ある適用においては、AFP類を調製方法の比較的後の工程、例えば、製品の(部分的な)予冷凍の後に添加することが好ましい場合もある。
【0074】
本発明の冷凍方法は、一般に例えば、−2℃の温度、例えば、−80℃乃至−5℃の温度へ、組成物を冷凍することを含む。所望であれば、本発明の製品は、氷結晶の生長を阻害するために、低い温度にさらす必要はない。したがって、本発明の製品は、例えば、−25℃未満のような低い温度を使用する必要なく冷凍することができ、冷凍菓子製品を貯蔵する従来の温度よりも高い温度で貯蔵することができる。
【0075】
好ましくは、冷凍工程は、低い剪断又は剪断なしの条件、例えば、充填された金型の冷凍、浸漬、薄膜結晶、液体窒素への滴下などに見受けられる条件を含む。
【0076】
ある使用例においては、二つ以上の異なるAFP類の混合物が食品に含まれることが有利であり得る。この理由の一つは、例えば、使用するAFP類の植物資源が、一つ以上のAFPを含み、使用するAFP起源に両方が存在するため、これを添加することがより便利であるためである。代わりに、異なる起源に由来する一つ以上のAFPを添加することも望ましい場合がある。
【0077】
本発明は以下の実施例によって説明される。
【0078】
【実施例】
実施例I
AFPが氷再結晶阻害特性を有するか否かを決定する方法
再結晶阻害特性は、改良された「スプラット・アッセイ(splat assay)」(Knightら、1988年)を使用して測定することができる。30%(重量/重量)ショ糖中の、観察する2.5μlの溶液を、清潔で、適切にラベルした16mmの円状カバースリップ上に移した。第二のカバースリップを溶液の液滴の上に置き、このサンドイッチを指の間で圧迫した。このサンドイッチをドライアイスの箱の中で−80℃に保たれたヘキサン浴中にいれた。すべてのサンドイッチの調整が完了したとき、サンドイッチを、ドライアイスで予め冷却したピンセットを用いて−80℃のヘキサン浴から−6℃に保たれたヘキサン含有観察室(viewing chamber)に移した。−6℃に移した際、サンドイッチは、透明から濁った外観に変化するのが見られた。画像をビデオカメラで記録し、20倍の対物レンズを使用して画像分析システム(LUCIA、ニコン(Nikon))にかけた。各スプラットの画像を、時間=0及び60分後に再度記録した。双方のアッセイ中の氷結晶の大きさを、スライドを温度制御された低温保持装置キャビネット(ハンティングトン(英国)のブライト・インストロメント社(Bright Instrument Co Ltd)内に移すことによって比較した。サンプルの画像を、ソニー(Sony)モノクロームCCDビデオカメラにより、クアンティメット(Quantimet)520MC画像分析システム(ケンブリッジ(英国)のライカ(Leica))へ移す。氷結晶の大きさの測定は、氷結晶の周りを手で描くことによって行った。少なくとも400の結晶を各々について大きさを測定した。氷結晶の大きさは、各々の結晶の平面投影の最長の寸法とした。平均の氷結晶の大きさは、各々の氷の大きさの数平均として決定した。30乃至60分における大きさが、t=0のときに比べて同じ又は適度にのみ(10%未満)増加した場合、及び/又は結晶の大きさが20μm未満、好ましくは5乃至15μmの場合、これは、良好な氷結晶再結晶特性の示唆である。
【0079】
実施例II
以下の配合:
15重量%の砂糖
10重量%のスキムミルク粉末
10重量%のバター脂
0.2重量%のイナゴマメゴム
0.2重量%のモノグリセリド
0.01重量%のAFP*
水で100重量%に合わせる
*AFPは国際公開第97/02343号に記載されているHPLC12である
【0080】
を従来のアイスクリーム製造装置を使用して製造した。プレミックスを0℃に冷却し、8000rpmで操作されているメガトロン(Megatron)モデルMT1−63/3A混合機を通過させた。混合機は、ローター(回転子)とスターター(固定子)の間に0.5mmの隙間を有していた。等量の空気が、混合装置の直前にプレミックスに注入された。これは、プレミックス中に90%のオーバーランを与えた。
【0081】
この曝気されたプレミックスを、0.2m2の表面積を有し、5rpmの回転速度で操作されている、ゲルスタンバーグ及びアガーパイロット冷却ドラム(Gerstenberg and Agger pilot cooling drum)上で0.5mmの厚さにすることによって冷却された。ドラムを液体窒素で冷却した。一回転後(すなわち、12秒後)、冷凍フレークを、プラスチックの掻き取りナイフを使用して除去した。フレークは−20℃であった。フレークを回収し、送風冷凍機において−35℃で硬化し、続いて−25℃で貯蔵した。
【0082】
アイスクリームフレークはやわらかくクリーム状であった。
【0083】
氷結晶の粒子の大きさを実施例Iのように決定した。氷結晶の大きさは、20μmであり、−10℃で3週間の貯蔵後も20μmを維持した。
【0084】
実施例III
実施例IIの配合のアイスクリームプレミックスを、従来のアイスクリーム製造装置を使用して製造した。プレミックスを0℃に冷却し、8000rpmで操作され、ローテーターとスターターの間に0.5mmの隙間を有する、メガトロン・モデルMT1−63/3A混合機を通過させた。混合工程の直前に、等量の空気をプレミックスに注入した。これは、プレミックス中に90%のオーバーランを付与した。
【0085】
曝気されたプレミックスを、平板熱交換器を通してくみ出し、この平板熱交換器の冷却剤温度は−7℃に制御されており、これはプレミックスの準安定限度である−8℃よりも暖かい温度であった。プレミックスは、−6℃で熱交換器から出、プレミックスの融点は−2℃であった。氷はプレミックス中に存在せず、すなわち、これは過冷却された。
【0086】
プレミックスを従来の金属のアイスキャンデー型に注ぎ、これを−35℃で塩水により冷却した。スティックを金型に挿入した。15分後、冷凍アイスクリーム製品を金型から取り出した。
【0087】
製品を−25℃で貯蔵した。アイスクリーム製品は、やわらかくそしてクリーム状の口当たりを有した。
【0088】
比較例IV
実施例IIの配合のアイスクリーム・プレミックスを従来のアイスクリーム加工装置を使用して製造した。プレミックスを0℃へ冷却し、8000rpmで操作され、ローテーター及びスターターの間の0.5mmの隙間を有するメガトロンモデルMT1−63/3A混合機を通過させた。混合工程の直前に、等量の空気をプレミックスに注入した。これは、プレミックスに90%のオーバーランをもたらした。
【0089】
曝気されたプレミックスを、標準的なアイスクリームキサゲ面熱交換器(APVにより供給されるクレパコ(Crepaco)W104、240rpmの回転速度で、一連の80のダッシャーで操作されている)を、200リットル/時の速度で冷凍した。90秒の滞留時間後の出口温度は−5℃であった。次にアイスクリームを−35℃で送風冷凍機で硬化し、−25℃で貯蔵した。
【0090】
アイスクリームは硬く、そしてもろいことがわかった。
【0091】
実施例V
アイスクリームを調製するための液体プレミックスを、以下の成分を混合することにより製造した:
成分 重量%
スキムミルク粉末 10.00
ショ糖 13.00
マルトデキストリン(MD40) 4.00
イナゴマメゴム 0.14
バター油 8.00
モノグリセリド(パルミチンエステル) 0.30
バニリン 0.01
AFP** 0.01
水 100.00に合わせる
**AFPは、以下のようにして調製したニンジンAFPである(国際公開第98/2259号)。ニンジン(デューカス・キャロタ、栽培変種オータム・キング)を個々のポットで育てた。植物が約12週令のとき、これらを冷蔵室に移し、寒冷順化のために4週間の間4℃で一定の光量に保った。植物に一週間に3回水をやった。新鮮に引き抜かれた(上記のように)寒冷順化されたニンジンを、冷水中でこすることにより、寒冷順化されたニンジンの根からの根抽出物を調製した。表面を除去し、家庭用ジュース抽出機(ルセル・ホブス(Russell Hobbs)、型番号9915)を使用してジュースを抽出した。ジュースを1リットルのブロックに冷凍し、−20℃で貯蔵し、アイスクリームの配合に使用するために回収した。
【0092】
組成物を、−5℃へ予冷凍し、従来のキサゲ面熱交換器で100%のオーバーランへ曝気した。
【0093】
さらに、組成物を、バレル長さ0.75m、直径0.2m、スクリュー間隔0.135m(2スタート)及びスクリューチャネル深さ15mmを有する単軸スクリュー押出し機中で冷凍した。
【0094】
処理量は280kg/時であり、入り口圧は7barg、及びスクリューの一定トルクは1500Nmであった。出口圧は8bargであった。スクリュー押出し機は、押出し温度が−12℃となるように冷却されていた。
【0095】
比較(B)として、同一の製品を、従来のキサゲ面熱交換器を使用して製造した。
【0096】
比較(C)として、同一の製品を、上記のスクリュー押出し法により製造したが、AFPは配合から省略した。
【0097】
得られた製品を−10℃で3週間貯蔵した。
【0098】
組成物Aは、配合B及びCよりも滑らかでクリーム状の口当たりを有した。
【0099】
実施例VI
アイスクリームの調製のための液体プレミックスを、以下の成分を混合することにより調製した:
成分 重量%
スキムミルク粉末 10.00
ショ糖 13.00
マルトデキストリン(MD40) 4.00
イナゴマメゴム 0.14
バター油 8.00
モノグリセリド(パルミチンエステル) 0.30
バニリン 0.01
AFP(実施例Vの) 0.01
水 100.00に合わせる
【0100】
液体混合物を、高速度ローテーター/スターター混合機(メガトロン、キネマティカ(Kinematica)AG)を使用して60リットル/時の処理量で連続的に曝気して、オーバーランを100%にした。混合物の温度は5℃であり、混合機の速度は1600rpmを使用した。混合ヘッド内の圧力を3bargに維持した。
【0101】
次に、曝気された混合物を、メタノール溶液で−28℃に冷却されたドラム冷却機の表面上で0.1mmのフィルムとして連続的に延伸した。ドラム冷却機は、1rpmの速度で回転した。一回の完全な回転の後、−10℃での冷凍フィルムを掻き取り刃で連続的に取り除き、冷凍フレークを形成した。
【0102】
冷凍フレークを、ピストン圧縮装置を使用してバッチごとに圧縮した。圧縮されたアイスクリームを、ノズルを通して押出し、貯蔵のために包装した。冷凍された物質の氷結晶径分布を以下のように測定した。試験する組成物を塗布したカバープレートを、温度制御された低温保持装置キャビネット(ハンティングトン(英国)のブライト・インストロメント)内に配置した。サンプルの画像をソニーモノクロームCCDビデオカメラによりクアンティメット520MC画像分析システム(ケンブリッジ(英国)のライカ)へ移す。氷結晶の大きさの測定は、氷結晶の周りを手で描くことによって行った。少なくとも400の結晶をおのおのについて大きさを測定した。氷結晶の大きさは、各々の結晶の平面投影の最長の寸法とした。平均の氷結晶の大きさは、各々の氷の大きさの数平均として決定した。
【0103】
AFPを含む新鮮なサンプルの平均氷結晶径は、5.8μmであり、AFPを含まない新鮮なサンプルでは7.2μmであった。−10℃で3週間貯蔵した後、AFPを含むサンプルの粒子径は7.7μmであり、AFPを含まないものでは43.2μmであった。
【0104】
実施例VII
実施例VIを繰り返したが、今度は、予冷凍されたフレークを、ホッパーを経てメタノール溶液で−28℃に冷却された二軸スクリュー押出し機(CP1050、APV)へ供給した。共回転する十分にかみ合うスクリューローターを適合させ、10rpmの回転速度を使用した。アイスクリームを圧縮し、−12℃の温度で押出した。
【0105】
実施例VIII
アイスクリームの調製のための液体プレミックスを以下の成分を混合することにより製造した:
成分 重量%
スキムミルク粉末 10.00
ショ糖 13.00
マルトデキストリン(MD40) 4.00
イナゴマメゴム 0.14
バター油 12.00
モノグリセリド(パルミチンエステル) 0.30
バニリン 0.01
AFP* 0.01
水 100.00に合わせる
*AFPは、国際公開第97/02343号に記載されたHPLC−12のAFPである。
【0106】
混合物を実施例IVのように100%のオーバーランへ曝気した。曝気された混合物を、低温冷蔵ユニット(ブリティッシュ・オキシジェン・カンパニー(British Oxygen Company))を使用して、寸法10mmのペレットの形に冷凍した。冷凍表面は、回転する水平な回転台で構成され、これは、液体窒素を使用して−100℃の温度に冷却された。冷凍回転台の上方の空気もまた−120℃の温度へ冷却した。回転台を5rpmへ回転させた。一回転の後、冷凍ペレットを冷凍表面から掻き取りそして回収した。
【0107】
次に、冷凍ペレットを実施例VIIと同一の条件下でスクリュー押出し機に供給した。
Claims (19)
- 不凍ペプチドを含む冷凍食品の製造方法であって、
(i)急速予冷凍工程、および
(ii)スクリュー押出機又は圧縮機を使用する後圧縮工程、
を含み、
前記工程( i )が、製品が30秒以内に−5℃以下の温度に到達するように行われ、かつ
(a)表面冷凍、
(b)過冷却系の冷凍、
(c)減圧冷凍、
(d)−50度未満の温度での冷凍、
(e)急速粒状冷凍、
の一つ以上を含む、核形成が優位な冷凍工程である、方法。 - 工程(i)において、製品を0.01乃至25秒以内に−5℃以下の温度へ冷凍する、請求項1記載の方法。
- 工程(i)において、製品を1乃至15秒以内に−5℃以下の温度へ冷凍する、請求項1記載の方法。
- 工程(i)が、製品のドラム冷凍を含む、請求項1乃至3のいずれか1請求項記載の方法。
- 工程(ii)において、スクリュー押出機を使用する、請求項1記載の方法。
- 工程(ii)において、冷凍食品の押出温度が−8℃未満である、請求項1記載の方法。
- 不凍ペプチドを含み、自由流動する粒子状の食品であって、
前記食品は、貯蔵の間、その自由流動性を維持し、食品を急速に予冷凍する工程によって得られ、
前記急速に予冷凍する工程が、製品が30秒以内に−5℃以下の温度に到達するように行われ、かつ
(a)表面冷凍、
(b)過冷却系の冷凍、
(c)減圧冷凍、
(d)−50度未満の温度での冷凍、
(e)急速粒状冷凍、
の一つ以上を含む、核形成が優位な冷凍工程である、食品。 - 食品が0.01乃至25秒以内に−5℃以下の温度に到達するように食品を急速冷凍する、請求項7記載の自由流動する粒子状の食品。
- 食品が1乃至15秒以内に−5℃以下の温度に到達するように食品を急速冷凍する、請求項7記載の自由流動する粒子状の食品。
- 食品が、ドラム冷凍により急速冷凍される、請求項7記載の自由流動する粒子状の食品。
- 食品が、冷凍菓子製品である、請求項7記載の自由流動する粒子状の食品。
- 不凍ペプチドがAFPIII型のHPLC12である、請求項7記載の自由流動する粒子状の食品。
- 食品を急速に予冷凍する工程を含み、
前記急速に予冷凍する工程が、製品が30秒以内に−5℃以下の温度に到達するように行われ、かつ
(a)表面冷凍、
(b)過冷却系の冷凍、
(c)減圧冷凍、
(d)−50度未満の温度での冷凍、
(e)急速粒状冷凍、
の一つ以上を含む、核形成が優位な冷凍工程である、
不凍ペプチドを含む自由流動する粒子状の食品の製造方法。 - 食品が、ドラム冷凍により急速に冷凍される、請求項13記載の自由流動する粒子状の食品の製造方法。
- 前記食品が、冷凍する物質の小さい滴を液体窒素に浸漬することにより急速冷凍される、請求項7記載の自由流動する粒子状の食品。
- 前記粒子状の食品が、冷凍フレーク、冷凍の滴、冷凍粉末、ペレット、冷凍ロッド、及び冷凍雪から選択される、請求項7記載の自由流動する粒子状の食品。
- 前記不凍ペプチドの濃度が、0.0001乃至0.5重量%である、請求項7記載の自由流動する粒子状の食品。
- 前記冷凍菓子製品が、アイスクリーム又はウォーターアイスである、請求項11記載の自由流動する粒子状の食品。
- 前記食品が、冷凍する物質の小さい滴を液体窒素に浸漬することにより急速冷凍される、請求項13記載の方法。
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