JP4223187B2 - ディスク回転駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスクなどのディスク状記録媒体を回転駆動するディスク回転駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁気ディスク駆動装置を構成するモータハブにおけるシャフトを圧入するための透孔は、均一な径を持たせるように形成されており、また、シャフトの形状も、前記透孔に圧入可能にするために、均一な径を有した円柱状に形成されているものを用いるのが一般的であった。
【0003】
以下に従来の磁気ディスク駆動装置の構成について説明する。
【0004】
図3は従来の磁気ディスク駆動装置の断面図であり、1はモータハブ、1aはモータハブ1に形成された透孔、2はシャフトであって、シャフト2の上部がモータハブ1の透孔1aに圧入固定されている。またモータハブ1の透孔1aの上外周面には、磁気ディスクを固定するためのクランプ3の内径部を案内するためのガイド部1cが形成されている。クランプ3は、シャフト2の上端面に螺入されるネジ4によってモータハブ1に固定されている。
【0005】
モータハブ1の内周面にはマグネット5が固定され、固定枠体6に固定されている電磁コイル7に対向している。固定枠体6の中央筒部6aにはシャフト2を回転可能に支持するベアリング8が固定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の駆動装置の構成では、モータハブ1に対してシャフト2を正確に垂直に圧入固定することができないため、モータを回転させたとき、回転体全体の振れ回りが大きくなる。それを防止するために、圧入後にモータハブ1の表面に後加工が必要となっていた。
【0007】
本発明の目的は、前記従来の課題を解決し、モータ回転体の軸方向の振れ回りを抑制し、振れ回りを軽減させるための従来のようなモータハブの後加工を廃止して、製造を容易にしたディスク回転駆動装置を提供することであり、また、モータハブのクランプのガイド部とシャフトを一体化する構成にし、十分なシャフト取付強度を得るようにして、製造を容易にしたディスク回転駆動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、データを記録するディスクを支持し、かつ回転させるためのモータハブと、モータハブに圧入固定されてモータハブと共に回転するシャフトと、ディスクを固定するための円盤状のクランプと、クランプを介してディスクをモータハブに対して固定するネジとを有するディスク回転駆動装置において、シャフトを圧入固定するためのモータハブの透孔における上端部にネジの径よりも大きい外径を有する小径部を形成し、シャフトを小径部の軸方向端面に当接するように圧入固定し、小径部の内周面をネジのガイド部とすると共に、クランプの厚さとほぼ同程度、モータハブの天面から突出させ、小径部の外周面をクランプのガイド部とし、ネジ頭の外径を小径部の外径よりも大きくして、ネジとシャフトとで小径部を挟み込んだ状態で、小径部の半径方向外側にてクランプをネジによりモータハブに固定したことを特徴とし、この構成によって、シャフトの圧入が規制され、圧入高さの位置精度および垂直度が向上するため、回転体の振れ回りを抑制することができ、また従来のようなシャフト圧入後の後加工を廃止することが可能になる。また、小径部をクランプ固定用のネジのガイド部として利用することができ、確実な固定が行われることになる。
【0010】
請求項記載の発明は、データを記録するディスクを支持し、かつ回転させるためのモータハブと、モータハブに圧入固定されてベアリングによって支持されモータハブと共に回転するシャフトと、ディスクを固定するための円盤状のクランプと、クランプを介してディスクをモータハブに対して固定するネジとを有するディスク回転駆動装置において、シャフトにおけるベアリングに挿入される部分よりも大径であり、かつシャフトの先端にモータハブを圧入固定する大径部を形成し、大径部の先端を、クランプの厚さとほぼ同程度、モータハブの天面から突出させ、クランプの内径は、大径部の先端とほぼ同じ径とし、大径部の先端をクランプのガイド部とし、大径部における外周面の下端部に一体的に形成されてロータハブが当接する鍔部を有し、ネジ頭の外径を大径部の外径よりも大きくして、大径部の先端における半径方向外側にてクランプをネジによりモータハブに固定したことを特徴とし、この構成によって、シャフトの圧入強度が向上するため、従来のような圧入固定を強固にするための接着剤を不要にすることが可能になる。また、シャフトの圧入高さ位置精度、および垂直度の向上を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、図3にて説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0013】
図1は本発明の第1実施形態を説明するための磁気ディスク駆動装置の断面図であり、第1実施形態では、モータハブ1の透孔1aにおける上端部に小径部1bが形成されており、この小径部1bの軸方向端面に当接するまでシャフト2が圧入されて固定されている。シャフト2における透孔1aへの圧入部分は、表面の変形が極力生じないように透孔1aに対して径を余り大きくできないため、接着剤による取付強度の補強を行う。
【0014】
小径部1bは、ネジ4における頭部から下の部分の径よりも大きくしてあり、クランプ3を介してディスクをネジ4にて固定する際、ネジ4のガイド部としての機能を果たす。
【0015】
このように、第1実施形態による磁気ディスク駆動装置によれば、シャフト2を圧入するためのモータハブ1の透孔1aの上端部に小径部1bを設け、この小径部1bの端面に当接するようにシャフト2を圧入固定することにより、シャフト2の圧入が小径部1bの端面部分で規制されて、シャフト2における圧入高さの位置精度および垂直度が向上するため、モータ回転時における回転体の振れ回りを抑制することができる。さらに、従来のようなシャフト圧入後の後加工を廃止することができる。
【0016】
図2は本発明の第2実施形態を説明するための磁気ディスク駆動装置の断面図であり、第2実施形態では、シャフト2におけるモータハブ1への圧入部が大径部2aとなっており、その大径部2aの径D2を、図1に示すクランプ3の内径部に位置するモータハブ1におけるガイド部1cの径D1とほぼ等しい径にしてある。
【0017】
シャフト2の大径部2aの外周面下端部には、外側に突出する鍔部2bが設けられており、この鍔部2bがモータハブ1における透孔1a外周の下壁部に当接するまで圧入される。このとき、大径部2aの先端は、クランプ3の厚さとほぼ同程度、モータハブ1の天面から突出するような寸法にしてある。
【0018】
このように、第2実施形態による磁気ディスク駆動装置によれば、シャフト2におけるモータハブ1への圧入部の径を大きく大径部2aとし、クランプ3の内径のガイド部1cとほぼ同じ径とすることにより、シャフト2の大径部2aの先端をクランプ3のガイド部として利用することができ、シャフト2の圧入強度が向上するため、接着剤による取付強度の補強を不要とすることができる。
【0019】
また、シャフト2の大径部2aの外周面下端部に鍔部2bを設け、モータハブ1における透孔1aの外周の下壁部に鍔部2bが当接するまでシャフト2を圧入することにより、第1実施形態の効果と合わせた効果を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シャフトの垂直方向への圧入固定が確実に行えて、モータ回転体の軸方向の振れ回りを抑制することができるため、振れ回りを軽減させるための従来のようなモータハブの後加工を廃止することができるなど、製造を容易にしたディスク回転駆動装置を提供することができる。
【0021】
また、モータハブにおけるクランプのガイド部をシャフトと一体化することができ、接着剤を用いずに十分なシャフト取付強度を得ることができるため、製造を容易にしたディスク回転駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための磁気ディスク駆動装置の断面図
【図2】本発明の第2実施形態を説明するための磁気ディスク駆動装置の断面図
【図3】従来の磁気ディスク駆動装置の断面図
【符号の説明】
1 モータハブ
1a 透孔
1b 小径部
1c ガイド部
2 シャフト
2a 大径部
2b 鍔部
3 クランプ
4 ネジ
D1 ガイド部の径
D2 大径部の径

Claims (2)

  1. データを記録するディスクを支持し、かつ回転させるためのモータハブと、前記モータハブに圧入固定されて前記モータハブと共に回転するシャフトと、前記ディスクを固定するための円盤状のクランプと、前記クランプを介して前記ディスクを前記モータハブに対して固定するネジとを有するディスク回転駆動装置において、
    前記シャフトを圧入固定するための前記モータハブの透孔における上端部に前記ネジの径よりも大きい内径を有する小径部を形成し、
    前記シャフトを前記小径部の軸方向端面に当接するように圧入固定し
    前記小径部の内周面を前記ネジのガイド部とすると共に、前記クランプの厚さとほぼ同程度、前記モータハブの天面から突出させ、前記小径部の外周面を前記クランプのガイド部とし、
    前記ネジ頭の外径を前記小径部の外径よりも大きくして、前記ネジと前記シャフトとで前記小径部を挟み込んだ状態で、前記小径部の半径方向外側にて前記クランプを前記ネジにより前記モータハブに固定したことを特徴とするディスク回転駆動装置。
  2. データを記録するディスクを支持し、かつ回転させるためのモータハブと、前記モータハブに圧入固定されてベアリングによって支持され前記モータハブと共に回転するシャフトと、前記ディスクを固定するための円盤状のクランプと、前記クランプを介して前記ディスクを前記モータハブに対して固定するネジとを有するディスク回転駆動装置において、
    前記シャフトにおける前記ベアリングに挿入される部分よりも大径であり、かつ前記シャフトの先端に前記モータハブを圧入固定する大径部を形成し、
    前記大径部の先端を、前記クランプの厚さとほぼ同程度、前記モータハブの天面から突出させ、
    前記クランプの内径は、前記大径部の先端とほぼ同じ径とし、前記大径部の先端を前記クランプのガイド部とし、
    前記大径部における外周面の下端部に一体的に形成されて前記ロータハブが当接する鍔部を有し、
    前記ネジ頭の外径を前記大径部の外径よりも大きくして、前記大径部の先端における半径方向外側にて前記クランプを前記ネジにより前記モータハブに固定したことを特徴とするディスク回転駆動装置。
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