JP4221879B2 - ゴム組成物、架橋性ゴム組成物、架橋物および防振ゴム部材の製造方法 - Google Patents

ゴム組成物、架橋性ゴム組成物、架橋物および防振ゴム部材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた防振ゴム材料となるゴム組成物および架橋性ゴム組成物、並びに優れた防振特性を有する防振ゴム部材として使用できるゴム架橋物および防振ゴム部材の各製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
防振ゴム部材は、二つの部材間における振動、騒音などの緩和を目的として広く用いられている。このような防振ゴム部材に必要な特性は、その使用目的によって異なる。例えば、自動車用の防振ゴム部材においては、エンジンを保持するための強度が必要であり、さらに、エンジンのアイドリング時におけるシェイク、バウンズ振動などの低周波数高振幅の振動(周波数10〜15Hz程度、振幅0.5〜2.0mm程度)に対しては高減衰性を有し、車体振動のエンジンへの影響およびエンジン振動の車体への影響を抑制する防振性を有することが求められる。一方、エンジン高回転時に発生するこもり音などの高周波数微少振幅の振動(周波数80〜150Hz程度、振幅0.025〜0.05mm程度)に対しては動バネ定数(Kd)と静バネ定数(Ks)の比(Kd/Ks)で示される動倍率が小さい、すなわち防音性を有することが求められている。しかし、防振性と防音性は、一般には相反する特性であり、両者のバランスのとれた防振ゴム部材を得ることは困難であった。
【0003】
一般に、共役ジエン系ゴムにカーボンブラックを配合すると、カーボンブラックが凝集しやすいため、一定の品質の組成物を得ることが困難である。カーボンブラックの分散性を改良する手法として、共役ジエン系ゴムとしてアミノ基含有化合物により変性された共役ジエン系ゴムを用いる方法(特開昭61−225230号公報)、共役ジエン系ゴムにアミン誘導体を配合する方法(特開昭63−23942号公報、特開平3−281643号公報)、共役ジエン系ゴムとして高シス型共役ジエン系ゴムを用い、カーボンブラックとして共役ジエン系ゴムのシス結合と親和性の高いカーボンブラックを用いる方法(特開平9−176380号公報)などが提案されている。これらの手法で得られるゴム組成物の架橋物は、防振ゴム部材として十分な強度と防振性を有している一方、防音性は、未だ十分ではなかった。
【0004】
また、1,2結合含有量が50%以上のアミノ基および/または置換アミノ基を有する芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム5〜95重量%とジエン系ゴム95〜5重量%からなるゴム成分にカーボンブラックを配合したゴム組成物を架橋した防振ゴム部材が提案されている(特開平11−310664号公報)。この防振ゴム部材は、十分な強度と防振性を有し、防音性にも優れているが、ますます強くなる防音性に対する要求を必ずしも満足できないことがあり、また、使用するゴムの種類が限定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、十分な強度と防振性を有し、従来のものに比べて防音性が改良されている防振ゴム部材を提供することにある。
【0006】
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意検討の結果、カーボンブラックの分散性が異なる特定のゴムを組み合せて用い、一方のゴムにカーボンブラックを分散させた後、他方のゴムを配合することにより、必要とする防振性に対しての防音性が改良されているゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、(1)芳香族ビニル単量体単位含有量が5〜50重量%、全ブタジエン単位中の1,2結合含有量が50%以上の芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)カーボンブラックとを混練して、該芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)および該カーボンブラックを含有するゴム組成物(A)を調製し、次いで、
(2)該ゴム組成物(A)とイソプレン系ゴム(b)とを混練して、
i)ゴム成分として、該芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)20〜80重量%と該イソプレン系ゴム(b)80〜20重量%とを含有し、かつ、
ii)該ゴム成分100重量部に対して、該カーボンブラック5〜120重量部の割合で含有するゴム組成物(B)を調製する
ことを特徴とするゴム組成物(B)の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、(1)芳香族ビニル単量体単位含有量が5〜50重量%、全ブタジエン単位中の1,2結合含有量が50%以上の芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)カーボンブラックとを混練して、該芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)および該カーボンブラックを含有するゴム組成物(A)を調製し、次いで、
(2)該ゴム組成物(A)とイソプレン系ゴム(b)とを混練して、
i)ゴム成分として、該芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)20〜80重量%と該イソプレン系ゴム(b)80〜20重量%とを含有し、かつ、
ii)該ゴム成分100重量部に対して、該カーボンブラック5〜120重量部の割合で含有するゴム組成物(B)を調製し、さらに、
(3)該ゴム組成物(B)と架橋剤とを混練して、該ゴム成分100重量部に対して、該架橋剤を0.3〜20重量部の割合で含有する架橋性ゴム組成物(C)を調製する
ことを特徴とする架橋性ゴム組成物(C)の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、該架橋性ゴム組成物(C)を成形し架橋する架橋物の製造方法、および該架橋性ゴム組成物(C)を防振ゴム部材に成形し架橋する防振ゴム部材の製造方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
[ゴム組成物(B)]
本発明のゴム組成物(B)は、芳香族ビニル単量体単位含有量が5〜50重量%、全ブタジエン単位中の1,2結合含有量が50%以上の芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)およびカーボンブラックを含有するゴム組成物(A)とイソプレン系ゴム(b)を配合して成り、含有するゴム成分中、ゴム(a)の含有量が20〜80重量%、ゴム(b)の含有量が80〜20重量%であり、ゴム成分100重量部に対するカーボンブラックの含有量が5〜120重量部のものである。
【0009】
(芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a))
本発明に用いる芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)の重合に用いられる芳香族ビニル系単量体は、特に限定されず、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレンなどを挙げることができ、これらの中でも、スチレンが好ましい。
【0010】
また、芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)は、ブタジエンおよび芳香族ビニル系単量体と共重合可能な単量体を共重合させたものでもよい。そのような単量体としては、ブタジエン以外の共役ジエン系単量体、非共役ジエン系単量体、オレフィン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。
【0011】
ブタジエン以外の共役ジエン系単量体としては、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが、非共役ジエン系単量体としては、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが、オレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、シクロペンテン、2−ノルボルネンなどが、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレートなどが挙げられる。
【0012】
芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)中の芳香族ビニル単量体単位の下限は、5重量%、好ましくは7重量%、特に好ましくは10重量%であり、上限は、50重量%、好ましくは45重量%、特に好ましくは40重量%である。芳香族ビニル単量体単位含有量が少なすぎると架橋物の防振特性が劣り、多すぎると架橋物の低温での弾性、防振特性などが劣る。
【0013】
芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)中のブタジエン単位含有量の下限は、50重量%、好ましくは55重量%、特に好ましくは60重量%であり、上限は、95重量%、好ましくは93重量%、特に好ましくは90重量%である。
【0014】
芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)中、全ブタジエン単位中の1,2結合単位含有量の下限は、50%、好ましくは55%、特に好ましくは60%であり、上限は、好ましくは80%、より好ましくは75%、特に好ましくは70%である。全ブタジエン単位中の1,2結合単位含有量が少なすぎるとイソプレン系ゴム(b)との相溶性に劣り、防振特性に優れた架橋物の製造が困難となり、多すぎるとイソプレン系ゴム(b)との共架橋性に劣り、架橋物の強度が不足する場合がある。
【0015】
芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)中、ブタジエンおよび芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体の単位の含有量の上限は、好ましくは10重量%、より好ましくは5重量%、特に好ましくは2重量%である。共重合可能な単量体単位の含有量が多すぎると架橋物の防振特性が劣る場合がある。
【0016】
芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)の下限は、好ましくは30、より好ましくは40、上限は、好ましくは100、より好ましくは80である。ムーニー粘度が小さすぎると、架橋物の強度物性が劣り、大きすぎるとゴム組成物の調製が困難になり、加工性に劣る。ムーニー粘度を調製する目的で、カップリング剤で処理してもよい。なお、油展した芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)を用いる場合は、油展後のムーニー粘度が上記範囲にあればよい。
【0017】
芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)は、カーボンブラックの分散性に優れるが、アミノ基などの変性基を導入する末端変性法、アミン誘導体の配合法などの公知の方法で、さらに分散性を向上させることが好ましい。末端変性する方法は、特に限定されず、アニオン重合によって得られた重合体の活性末端を直接末端変性する方法、カップリング剤などを用いて分岐させた後に末端変性することにより変性基の量を調整する方法などが挙げられる。これらの方法は、例えば、特開昭61−225230号公報、特開昭59−191705号公報、特開昭60−135407号公報、特開昭60−137913号公報などに記載されている。また、アミン誘導体の配合も、特に限定されず、例えば、芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)に、特開昭63−23942号公報などで公知の、N,N’−ビス(2−ニトロプロピル)−1,3−ジアミノベンゼン、N,N’−ビス(2−ニトロ−2−メチルプロピル)−1,2−ジアミノエタンなどの1分子当たり2個以上のニトロ基を有するアミン誘導体を配合すればよい。さらに、特開平9−176380号公報に記載のシス1,4結合含有量が98%以上、1,2ビニル結合含有量が1%以下、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が40以上の芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴムを用いてもよい。この高シス型芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴムは、後述のシス結合との親和性の高いカーボンブラックと組み合せて使用すると、カーボンブラックの分散性に優れている。
【0018】
(カーボンブラック)
本発明で用いられるカーボンブラックは、特に制限はなく、ゴムの配合用に用いられているものであればよい。例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどを用いることができる。これらの中でも、特にファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、MAF、FEF、FEF−LS、GPF、GPF−HS、GPF−LS、SRF、SRF−HS、SRF−LMなどの種々のグレードのものが挙げられる。粒径、比表面積および吸油量も特に限定されない。粒径は、好ましくは15〜200μm、より好ましくは18〜100μm、比表面積は、好ましくは10〜260m2/g、より好ましくは20〜240m2/g、吸油量は、好ましくは50〜200ml/100g、より好ましくは70〜180ml/100gである。
【0019】
また、前述のように、高シス型芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴムを用いる場合は、特開平9−176380号に開示されているように、CTAB吸着比表面積が23〜31m2/g、DBP吸油量が120ml/100g以上、比着色力が35〜45であるカーボンブラックと組み合せて用いることが好ましい。
【0020】
(イソプレン系ゴム(b))
本発明で用いるイソプレン系ゴム(b)は、イソプレン単位を50重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上含有するゴムであり、天然ゴムでも合成ゴムでもよく、天然ゴムが好ましい。
【0021】
イソプレン系ゴム(b)が合成ゴムの場合は、イソプレンと他の単量体との共重合ゴムであってもよく、そのような単量体としては、共役ジエン系単量体、非共役ジエン系単量体、オレフィン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体などが挙げられ、中でも共役ジエン系単量体が好ましい。共役ジエン系単量体としては、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。非共役ジエン系単量体、オレフィン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)で共重合可能な単量体として例示したものと同じものが挙げられる。
【0022】
本発明の効果などを阻害しない範囲で、本発明のゴム組成物(B)は、芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)以外の芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴム、イソプレンゴム(b)以外の共役ジエン系ゴムなどを好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下含有してもよい。
【0023】
(各成分の量比)
本発明のゴム組成物(B)において、ゴム成分中に占める芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)の量の下限は、20重量%、好ましくは30重量%、特に好ましくは40重量%であり、上限は、80重量%、好ましくは70重量%、特に好ましくは60重量%である。
【0024】
また、本発明のゴム組成物(B)において、ゴム成分中に占めるイソプレン系ゴム(b)の量の下限も、20重量%、好ましくは30重量%、特に好ましくは40重量%であり、上限は、80重量%、好ましくは70重量%、特に好ましくは60重量%である。
【0025】
芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)の量が少なすぎ、イソプレン系ゴム(b)の量が多すぎるとカーボンブラックが凝集しやすく、混練が困難になる場合があり、逆に芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)の量が多すぎると架橋物の防振特性が劣る場合がある。
【0026】
ゴム組成物(B)に含有されるゴム成分100重量部に対するカーボンブラックの下限は、5重量部、好ましくは10重量部、特に好ましくは20重量部であり、上限は、120重量部、好ましくは110重量部、特に好ましくは100重量部である。カーボンブラックの量が少なすぎるとゴム架橋物の強度が劣る場合があり、多すぎるとゴム架橋物の伸びが劣る場合がある。
【0027】
(ゴム組成物(B)の調製)
本発明においては、芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)およびカーボンブラックとを含有するゴム組成物(A)を調製し、組成物(A)にイソプレン系ゴム(b)を配合して、ゴム組成物(B)を調製する。
【0028】
芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)とカーボンブラックとの混練方法は特に限定されないが、混練機の発熱が制御しやすいことから、開放型ロール混練機よりも、ニーダーやバンバリーなどの密閉型混練機を用いる方法が好ましい。
【0029】
密閉型混練機での混練にあたっては、練り上がった時点でのゴム組成物(A)の温度の下限は、好ましくは120℃、より好ましくは150℃であり、上限は、好ましくは180℃、より好ましくは170℃である。ゴム組成物(A)を好ましい温度範囲にするためには、例えば、バンバリーの充填率(内容積から攪拌装置などが占める容積を除いた有効空間容積に対するゴム組成物の体積)を、好ましくは50〜95%、より好ましく60〜80にして混練する。充填率が小さすぎると、ゴム組成物の温度が十分に高くならないため、混練の効率が悪く、芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)中でカーボンブラックが凝集する場合がある。充填率が大きすぎると、ゴム組成物の温度が高くなりすぎるため、ゴムの熱老化が進む場合がある。
【0030】
ゴム組成物(A)にイソプレン系ゴム(b)を配合し、混練する方法については、基本的に、芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)とカーボンブラックとの混練と同様であるが、練り上がった時点での組成物(A)の温度の下限を80℃程度まで下げることができる。
【0031】
上記の各成分以外に、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどのカーボンブラック以外の充填剤;鉱物油、植物油などの伸展油;ステアリン酸、パラフィン系合成ワックスなどの加工助剤;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどの老化防止剤などの配合剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で含有させることができる。これらの配合剤は、ゴム組成物(A)の調製時、ゴム組成物(B)の調製時のいずれで配合してもよいが、特に老化防止剤はゴム組成物(B)の調製時の熱老化を防止するために、また加工助剤はゴム組成物(B)の混練を容易にするために、それぞれゴム組成物(A)の調製時に配合するのが好ましい。
【0032】
[架橋性ゴム組成物(C)]
本発明の架橋性ゴム組成物(C)は、芳香族ビニル単量体単位含有量が5〜50重量%、全ブタジエン単位中の1,2結合含有量が50%以上の芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)およびカーボンブラックを含有するゴム組成物(A)、イソプレン系ゴム(b)ならびに架橋剤を配合して成り、含有するゴム成分中、ゴム(a)の含有量が20〜80重量%、ゴム(b)の含有量が80〜20重量%であり、ゴム成分100重量部に対するカーボンブラックの含有量が5〜120重量部、架橋剤の含有量が0.3〜20重量部である、前記ゴム組成物(B)と架橋剤とから成るものである。
【0033】
(架橋剤)
架橋剤は、例えば、硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄供与性化合物、ジクミルパーオキサイドなどのパーオキサイド類が挙げられるが、耐久性の観点から硫黄が好ましい。架橋剤の配合量の下限は、ゴム成分100重量部に対して、0.3重量部、好ましくは0.5重量部、特に好ましくは1重量部であり、上限は、20重量部、好ましくは10重量部、特に好ましくは5重量部である。架橋剤が少なすぎると十分に架橋せず架橋物の強度が不足する場合があり、多すぎると架橋物が硬くなりすぎ伸びが劣るなどの問題を生じ、防振特性が劣る場合がある。
【0034】
本発明においては、架橋剤と組み合せて架橋促進剤を配合することが好ましい。架橋促進剤としては、例えば、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系などの架橋促進剤が挙げられる。架橋促進剤の配合量は、その種類によって異なるが、ゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.3〜10重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。架橋促進剤が少なすぎると、架橋物が十分な強度を有さない場合があり、多すぎると耐久性などに影響する場合がある。
【0035】
また、架橋剤に加えて、架橋助剤を配合してもよい。架橋助剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸などが挙げられる。酸化亜鉛としては、例えば、表面活性の高い粒径5μm以下のものを用いるのが好ましく、そのような具体例としては、例えば、粒径0.05〜0.2μmのいわゆる活性酸化亜鉛や粒径0.3〜1μmの亜鉛華などを挙げることができる。また、酸化亜鉛は、アミン系の分散剤や湿潤剤で表面処理したものなどを用いることができる。
【0036】
(架橋性ゴム組成物(C)の調製)
架橋剤や架橋促進剤は、ゴム組成物(A)またはゴム組成物(B)の調製時に、配合してもよいが、その場合には、混練時に架橋反応を起こす場合がある。熱により架橋反応を生じる成分については、ゴム組成物(B)を調製した後、これらの成分を混練する。混練の方法は、特に限定されないが、開放型ロール混練機を用いて、架橋開始温度より低い温度で混練することが好ましい。
【0037】
カーボンブラック以外の充填剤、伸展油、加工助剤、老化防止剤などの配合剤は、本発明の効果を阻害しない限り、第三工程で配合してもよい。
【0038】
[架橋物]
本発明の架橋物は、架橋性ゴム組成物(C)を架橋したものである。成形方法および架橋方法は特に限定されず、目的に応じて、成形と架橋を同時に行うか、成形後に架橋すればよい。
【0039】
架橋温度の下限は、好ましくは130℃、より好ましくは140℃であり、上限は、好ましくは220℃である。温度が低すぎると架橋時間が長時間必要となったり、架橋物の架橋密度が低くなる場合がある。温度が高すぎると、架橋が短時間で進行し、架橋物が成形不良を起こす場合がある。
【0040】
また、架橋方法、架橋温度、架橋物の形状などにより異なるが、架橋物の架橋密度と生産効率の面から架橋時間の下限は、好ましくは30秒であり、上限は5時間である。加熱方法としては、プレス加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に用いられる方法を適宜選択すればよい。
【0041】
架橋物
本発明の架橋物は、防振ゴム部材として優れた特性を有し、特に防音性に優れ、実用的な強度も有している。このような特性を活かして、本発明の架橋物は、自動車用エンジンマウント、サスペンションブッシュ、モーターブッシュ、ダンパー、鉄道車輌ストッパなどの防振ゴム部材などとして有用である。
【0042】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、各特性は、下記のようにして測定した。
【0043】
ムーニー粘度
JIS K 6300のムーニー粘度試験に準じて、測定温度100℃における架橋性ゴム組成物(C)のムーニー粘度ML1+4を測定した。
【0044】
常態物性
JIS K 6300に準じて、引張強さ、破断伸び、100%引張応力硬さ(JIS A)、反発弾性を測定した。
【0045】
防振特性
JIS K 6394のN1の試験片を用いて油圧サーボ動特性試験機(鷺宮製作所製、EFH−20−50−2.5)による、23℃(RT)15Hz、±2%圧縮ひずみでの損失係数(tanδ)、23℃(RT)100Hz,±0.2%圧縮ひずみでの動的ばね定数Kdを測定し、静的ばね定数KsはJIS K6385に準じて測定した。
【0046】
参考例1
反応器に、シクロヘキサン8000g、スチレン290g、1,3−ブタジエン910g、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン15ミリモルをそれぞれ仕込み、さらにn−ブチルリウム(n−ヘキサン溶液)18ミリモルを添加し、40℃で攪拌しながら重合を開始した。重合開始10分後から50分間をかけて、スチレン130gと1,3−ブタジエン670gとの混合物を一定速度で連続的に重合反応液に添加した。
【0047】
重合転化率が100%に達した後、四塩化スズ1ミリモルを添加して20分間反応させ、次いで、1,3−ブタジエン20gを添加して10分間反応させてから、N−フェニル−2−ピロリドンを10ミリモル添加して、さらに30分間反応させた。反応終了後、メタノール20ミリモルを添加して反応を停止した。その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを20g加え、スチームストリッピング法により重合体の回収を行なった後、ロールにかけて脱水、さらに60℃で24時間真空乾燥して、末端変性されたブタジエン−スチレンゴムAを得た。
【0048】
ブタジエン−スチレンゴムAは、スチレン単位量21重量%、ブタジエン単位中1,2結合単位量63%、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)45であった。
【0049】
参考例2
反応器に、シクロヘキサン8000g、スチレン340g、1,3−ブタジエン860g、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン28ミリモルをそれぞれ仕込み、さらにn−ブチルリウム(n−ヘキサン溶液)13ミリモルを添加し、40℃で重合を開始した。重合開始15分後から60分間をかけて、スチレン160gと1,3−ブタジエン640gとの混合物を一定速度で連続的に重合反応液に添加した。
【0050】
重合転化率が100%に達した後、テトラメトキシシラン1.5ミリモルを添加して20分間反応させた。反応終了後、メタノール8ミリモルを添加して反応を停止した。その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール20gと伸展油(商品名フッコールフレックス#1、富士興産社製)750gを加え、スチームストリッピング法により重合体の回収を行なった後、ロールにかけて脱水、さらに60℃で24時間真空乾燥して、油展ブタジエン−スチレンゴムBを得た。
【0051】
ブタジエン−スチレンゴムBは、スチレン単位量25重量%、ブタジエン単位中1,2結合単位量63%、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)45であった。なお、伸展油を加えない以外は同様にして得たブタジエン−スチレンゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、117であった。
【0052】
実施例1
バンバリーに、ゴム組成物(A)の最終の充填率が70%になるようにスチレン−ブタジエンゴムA40重量部を投入し、1分間素練りを行い、カーボンブラックA(FEFカーボンブラック、平均粒径40〜52μm、比表面積40〜58m2/g、吸油量110〜140ml/100g、商品名シーストSO、東海カーボン社製)40重量部、伸展油(フッコールフレックス#1)5重量部、架橋助剤(商品名亜鉛華1号、正同化学社製)5重量部およびステアリン酸2重量部を配合し、混練後の練り上がり温度が165℃になるように4分間混練してゴム組成物(A)を調製した。混練後直ちにゴム組成物(A)を取り出し、開放型ロール混練機でシートにして、放熱して50℃まで冷却した。
【0053】
バンバリーに、ゴム組成物(B)の最終の充填率が70%になるように天然ゴム(SMR CV#60、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)60)60重量部を投入し、1分間素練りを行い、ゴム組成物(A)92重量部を配合し、混練後の練り上がり温度が165℃になるように3分間混練してゴム組成物(B)を調製した。混練後直ちにゴム組成物(B)を取り出し、開放型ロール混練機でシートにして、放熱して50℃まで冷却した。
【0054】
開放型ロール混練機の設定温度を50℃にして、ゴム組成物(B)152重量部に対し、硫黄(325メッシュ通過品、細井化学社製)1.8重量部および架橋促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、ノクセラーCZ、大内新興化学工業社製)1.2重量部を加えて混練し、架橋性ゴム組成物(C)を得た。
【0055】
得られた架橋性ゴム組成物(C)のムーニー粘度、架橋性ゴム組成物(C)を160℃で15分間プレス架橋して得た試験片を用いて測定した状態物性、防振特性を表1に示す。
【0056】
実施例2
スチレン−ブタジエンゴムAの量を60重量部に、天然ゴムの量を40重量部に、カーボンブラックAの量を45重量部に、それぞれ変える以外は実施例1と同様に処理し、ムーニー粘度、常態物性、防振特性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0057】
実施例3
スチレン−ブタジエンゴムAの代りにスチレン−ブタジエンゴムB82.5重量部を用い、伸展油(フッコールフレックス#1)7.5重量部を用い、カーボンブラックAの代りにカーボンブラックB(SRFカーボンブラック、凝集体径261nm、比表面積25m/g、吸油量127ml/100g、商品名IP200、日本キャボット社製)65重量部を用いる以外は、実施例1と同様に処理し、ムーニー粘度、常態物性、防振特性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0058】
実施例4
スチレン−ブタジエンゴムAの代りにスチレン−ブタジエンゴムB82.5重量部を用い、伸展油(フッコールフレックス#1)7.5重量部を用い、カーボンブラックAの量を65重量部に変え、さらにアミノ誘導体(タイヤ低燃費化用添加剤、商品名スミファイン1162、住友化学工業社製)2重量部を配合する以外は、実施例1と同様に処理し、ムーニー粘度、常態物性、防振特性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0059】
比較例1
バンバリーに、ゴム組成物の最終の充填率が70%になるように天然ゴム(SMR CV#60)100重量部を投入し、1分間素練りを行い、カーボンブラックA40重量部、伸展油(フッコールフレックス#1)5重量部、架橋助剤(亜鉛華1号)5重量部およびステアリン酸2重量部を配合し、混練後の練り上がり温度が165℃になるように4分間混練してゴム組成物を調製した。混練後直ちにゴム組成物を取り出し、開放型ロール混練機でシートにして、放熱して50℃まで冷却した。
【0060】
開放型ロール混練機の設定温度を50℃にして、ゴム組成物152重量部に対し、硫黄(325メッシュ通過品)1.8重量部および架橋促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1.2重量部を加えて混練し、架橋性ゴム組成物を得、実施例1と同様に処理し、ムーニー粘度、常態物性、防振特性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0061】
比較例2
天然ゴム100重量部の代りに、スチレン・ブタジエンゴムC(スチレン単位含有量26.5重量%、1,2結合単位量20%以下、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)52、Nipol 1502、日本ゼオン製)40重量部および天然ゴム(SMR CV#60)60重量部を用いる以外は、比較例1と同様に処理し、ムーニー粘度、常態物性、防振特性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0062】
比較例3
天然ゴム100重量部の代りに、スチレン・ブタジエンゴムA40重量部および天然ゴム(SMR CV#60)60重量部を用いる以外は、比較例1と同様に処理し、ムーニー粘度、常態物性、防振特性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0063】
比較例4
天然ゴム100重量部の代りに、スチレン・ブタジエンゴムA60重量部および天然ゴム(SMR CV#60)40重量部を用い、カーボンブラックAの代りにカーボンブラックB45重量部を用いる以外は、比較例1と同様に処理し、ムーニー粘度、常態物性、防振特性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0064】
比較例5
天然ゴム100重量部の代りに、スチレン・ブタジエンゴムB82.5重量部と天然ゴム(SMR CV#60)40重量部を用い、カーボンブラックAを65重量部にし、伸展油(フッコールフレックス#1)の量を7.5重量部にし、カーボンブラックAを65重量部にする以外は比較例1と同様に処理し、ムーニー粘度、常態物性、防振特性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0065】
比較例6
天然ゴム100重量部の代りに、スチレン・ブタジエンゴムB82.5重量部と天然ゴム(SMR CV#60)40重量部を用い、カーボンブラックAを65重量部にし、伸展油(フッコールフレックス#1)の量を7.5重量部にし、さらにアミノ誘導体(スミファイン1162)2重量部を用いる以外は比較例1と同様に処理し、ムーニー粘度、常態物性、防振特性を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0066】
比較例7
バンバリーに、ゴム組成物(A)の最終の充填率が70%になるように天然ゴム(SMR CV#60)60重量部を投入し、1分間素練りを行い、カーボンブラックA40重量部、伸展油(フッコールフレックス#1)5重量部、架橋助剤(亜鉛華1号)5重量部およびステアリン酸2重量部を配合し、混練後の練り上がり温度が165℃になるように4分間混練してゴム組成物(A)を調製した。混練後直ちにゴム組成物(A)を取り出し、開放型ロール混練機でシートにして、放熱して50℃まで冷却した。
【0067】
バンバリーに、ゴム組成物(B)の最終の充填率が70%になるようにスチレン・ブタジエンゴムA40重量部を投入し、1分間素練りを行い、ゴム組成物(A)92重量部を配合し、混練後の練り上がり温度が165℃になるように3分間混練してゴム組成物(B)を調製した。混練後直ちにゴム組成物(B)を取り出し、開放型ロール混練機でシートにして、放熱して50℃まで冷却した。
【0068】
開放型ロール混練機の設定温度を50℃にして、ゴム組成物(B)152重量部に対し、硫黄(325メッシュ通過品)1.8重量部および架橋促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1.2重量部を加えて混練し、架橋性ゴム組成物(C)を得た。
【0069】
得られた架橋性ゴム組成物(C)のムーニー粘度、架橋性ゴム組成物(C)を160℃で15分間プレス架橋して得た試験片を用いて測定した状態物性、防振特性を表1に示す。
【0070】
比較例8
カーボンブラックAの代りに、カーボンブラックBを用いる以外は比較例7と同様に処理し、ムーニー粘度、状態物性、防振特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 0004221879
【0072】
表1に示した実施例1〜4と比較例1〜6における損失係数と動倍率(Kd/Ks)の関係を図1に示す。なお、図1中のE1〜E4は、それぞれ、実施例1〜4を、R1〜R6は、それぞれ、比較例1〜6を表している。
【0073】
スチレン・ブタジエンゴムを含有しない比較例1の架橋物は、損失係数が小さすぎ、防振性に問題を生じる。
【0074】
1,2結合単位量が少ないスチレン・ブタジエンゴムを含有する比較例2の架橋物は、比較例3〜6に比べても、動倍率が大きすぎ、防音性に劣る。
【0075】
図1からわかるように、従来の防振ゴム部材のように、特定のスチレン−ブタジエンゴム(a)、天然ゴム(b)およびカーボンブラックを一度に混練して架橋した比較例3〜6の架橋物を示す各点は、用いたゴムの構造が類似であるため、ほぼ直線関係を有する。この場合、動倍率を小さくする(防音性を高める)と、損失係数も小さくなる(防振性が低下する)している。
【0076】
天然ゴム(b)およびカーボンブラックを配合したゴム組成物とスチレン−ブタジエンゴム(a)とからなるゴム組成物を比較例7、8は、表1に示したように、動倍率が大きく、損失係数が小さく、防音性、防振性共に劣っている。
【0077】
それに対し、特定のスチレン−ブタジエンゴム(a)およびカーボンブラックを配合したゴム組成物(A)と天然ゴム(b)とからなる組成物(B)を架橋した実施例1〜4の架橋物を示す各点は、比較例3〜6の架橋物が示す各点が描く直線より下方にあり、比較例3〜6に比べて、動倍率が小さく(防音性が高く)ても、損失係数は大きい(防振性が高い)ことがわかる。
【0078】
さらに、表1に示すように、本発明の架橋物は、防振ゴム部材として十分な強度を有している。
【0079】
【発明の効果】
本発明の製造方法により得られた架橋物は、防振ゴム部材として十分な強度と防振性を有し、さらに防音性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 動倍率と損失係数との相関を示すグラフである。

Claims (4)

  1. (1)芳香族ビニル単量体単位含有量が5〜50重量%、全ブタジエン単位中の1,2結合含有量が50%以上の芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)カーボンブラックとを混練して、該芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)および該カーボンブラックを含有するゴム組成物(A)を調製し、次いで、
    (2)該ゴム組成物(A)とイソプレン系ゴム(b)とを混練して、
    i)ゴム成分として、該芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)20〜80重量%と該イソプレン系ゴム(b)80〜20重量%とを含有し、かつ、
    ii)該ゴム成分100重量部に対して、該カーボンブラック5〜120重量部の割合で含有するゴム組成物(B)を調製する
    ことを特徴とするゴム組成物(B)の製造方法
  2. (1)芳香族ビニル単量体単位含有量が5〜50重量%、全ブタジエン単位中の1,2結合含有量が50%以上の芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)カーボンブラックとを混練して、該芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)および該カーボンブラックを含有するゴム組成物(A)を調製し、次いで、
    (2)該ゴム組成物(A)とイソプレン系ゴム(b)とを混練して、
    i)ゴム成分として、該芳香族ビニル−ブタジエン共重合ゴム(a)20〜80重量%と該イソプレン系ゴム(b)80〜20重量%とを含有し、かつ、
    ii)該ゴム成分100重量部に対して、該カーボンブラック5〜120重量部の割合で含有するゴム組成物(B)を調製し、さらに、
    (3)該ゴム組成物(B)と架橋剤とを混練して、該ゴム成分100重量部に対して、該架橋剤を0.3〜20重量部の割合で含有する架橋性ゴム組成物(C)を調製する
    ことを特徴とする架橋性ゴム組成物(C)の製造方法
  3. 請求項2記載の製造方法により得られた架橋性ゴム組成物(C)を成形し架橋する架橋物の製造方法
  4. 請求項2に記載の製造方法により得られた架橋性ゴム組成物(C)を防振ゴム部材に成形し架橋する防振ゴム部材の製造方法
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