JP4219750B2 - Icチップの温度保護回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC(半導体集積回路)チップの温度を判定する温度判定回路、およびICチップを温度上昇から保護するICチップの温度保護回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ICチップは、その駆動条件や環境温度等の変化により、その温度(ICチップ温度)が変化する。このため、ICチップ自身の温度が所定温度以上になった場合、警告を発する、ICチップの動作を停止させる等のような、何らかのICチップを保護する動作を行わないと、ICチップの信頼性が損なわれる恐れがある。そのため、ICチップの温度が所定温度以上になったことを判定するための温度判定回路や、温度判定回路の判定結果に基づいてICチップの動作を停止させる温度保護回路が、ICチップ内に組み込まれている場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、比較回路を有するICの温度判定回路が記載されている。所定の参照電圧を出力する抵抗分圧回路と、絶対温度に比例する測定電圧を出力するバンドギャップ回路と、前記抵抗分圧回路から出力される参照電圧と、前記バンドギャップ回路から出力される測定電圧とを比較し、測定電圧が参照電圧を越えたとき所定の検出電圧を出力する比較回路とを備える温度検出回路が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、温度センサーを2個有した半導体温度検出回路が記載されている。
【0005】
また、特許文献3の第1図には、半導体集積回路のチップ温度を検出する温度センサと、動作温度範囲が異なる複数の半導体集積回路と、チップ温度に応じて半導体集積回路を選択してこれを動作状態にする切換回路とを有する半導体集積回路が記載されている。
【0006】
また、特許文献3の第2図には、半導体集積回路のチップ温度を検出する温度センサと、該チップ温度が基準温度以上であるかどうかを判定する複数の比較回路とを有する半導体集積回路が記載されている。
【0007】
また、特許文献4には、半導体集積回路の内部の第1の温度検出点に設置されて第1の基準温度以上の発熱を検出する第1の温度検出手段と、半導体集積回路の内部の第2の温度検出点に設置されて第2の基準温度以上の発熱を検出する第2の温度検出手段と、第1の温度検出手段が第1の基準温度以上の発熱を検出したとき半導体集積回路の動作を停止状態にする動作停止手段と、第2の温度検出手段が第2の基準温度以上の発熱を検出したとき半導体集積回路を破壊する破壊手段とから構成した熱遮断回路が記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−306958号公報
(公開日:平成5年(1993年)11月19日)
【0009】
【特許文献2】
特開2002−48651号公報
(公開日:平成5年(1993年)11月19日)
【0010】
【特許文献3】
特開平2−28363号公報
(公開日:平成2年(1990年)1月30日)
【0011】
【特許文献4】
特開昭61−127156号公報
(公開日:昭和61年(1986年)6月14日)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の温度判定回路は、比較回路が1つで有り、この比較回路を用いることなく温度を判定する手段がないため、比較回路の入力間が異物で短絡し、比較回路が正しく動作しない場合、正常な温度判定動作が行えない。
【0013】
また、特許文献2の半導体温度検出回路は、特許文献1の比較回路に相当するAD変換器が1つで有り、このAD変換器を用いることなく温度を判定する手段がないので、当該AD変換器の入力部で異常が発生すれば、正常な温度判定動作が行えない。
【0014】
また、特許文献3の第1図の構成は、温度判定を行う切り換え回路が1つであるため、切り換え回路に異常が発生すれば、正常な温度判定動作が行えない。
【0015】
また、特許文献3の第2図の構成は、温度センサが1つであり、この温度センサを用いることなく温度を判定する手段がないので、温度センサに異常が発生すれば、正常な温度判定動作が行えない。
【0016】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、回路の一部が動作不能になってもICチップの異常温度上昇を検出できる信頼性の高い温度判定回路、および回路の一部が動作不能になってもICチップの異常温度上昇を防止できる信頼性の高いICチップの温度保護回路を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の温度判定回路は、上記の課題を解決するために、ICチップの温度を判定する温度判定回路において、上記ICチップの温度を電圧として検出して第1の検出電圧を出力する第1の温度検出手段と、上記ICチップの温度を電圧として検出して第2の検出電圧を出力する第2の温度検出手段と、検出温度の基準となる第1の基準電圧を生成する第1の基準電圧生成手段と、検出温度の基準となる第2の基準電圧を生成する第2の基準電圧生成手段と、上記第1の温度検出手段から出力された第1の検出電圧と、第1の基準電圧とを比較して第1の比較結果を出力する第1の比較手段と、上記第2の温度検出手段から出力された第2の検出電圧と、第2の基準電圧とを比較して第2の比較結果を出力する第2の比較手段とを備え、上記第1の温度検出手段における温度対第1の検出電圧の特性と、上記第2の温度検出手段における温度対第2の検出電圧の特性とが異なり、上記第1の基準電圧と第2の基準電圧とが同一であることを特徴としている。
【0018】
本発明の温度判定回路は、上記の課題を解決するために、ICチップの温度を判定する温度判定回路において、上記ICチップの温度を電圧として検出して第1の検出電圧を出力する第1の温度検出手段と、上記ICチップの温度を電圧として検出して第2の検出電圧を出力する第2の温度検出手段と、検出温度の基準となる第1の基準電圧を生成する第1の基準電圧生成手段と、検出温度の基準となる第2の基準電圧を生成する第2の基準電圧生成手段と、上記第1の温度検出手段から出力された第1の検出電圧と、第1の基準電圧とを比較して第1の比較結果を出力する第1の比較手段と、上記第2の温度検出手段から出力された第2の検出電圧と、第2の基準電圧とを比較して第2の比較結果を出力する第2の比較手段とを備え、上記第1の温度検出手段における温度対第1の検出電圧の特性と、上記第2の温度検出手段における温度対第2の検出電圧の特性とが同一であり、上記第1の基準電圧と第2の基準電圧とが異なることを特徴としている。
【0019】
本発明の温度判定回路は、上記の課題を解決するために、ICチップの温度を判定する温度判定回路において、上記ICチップの温度を電圧として検出して第1の検出電圧を出力する第1の温度検出手段と、上記ICチップの温度を電圧として検出して第2の検出電圧を出力する第2の温度検出手段と、検出温度の基準となる第1の基準電圧を生成する第1の基準電圧生成手段と、検出温度の基準となる第2の基準電圧を生成する第2の基準電圧生成手段と、上記第1の温度検出手段から出力された第1の検出電圧と、第1の基準電圧とを比較して第1の比較結果を出力する第1の比較手段と、上記第2の温度検出手段から出力された第2の検出電圧と、第2の基準電圧とを比較して第2の比較結果を出力する第2の比較手段とを備え、上記第1の温度検出手段における温度対第1の検出電圧の特性と、上記第2の温度検出手段における温度対第2の検出電圧の特性とが異なり、上記第1の基準電圧と第2の基準電圧とが異なることを特徴としている。
【0020】
上記各構成によれば、第1の基準電圧生成手段、第1の温度検出手段、および第1の比較手段のいずれかが異常になった場合にも、第2の基準電圧生成手段、第2の温度検出手段、および第2の比較手段によって正常な温度判定を行うことができる。これにより、温度判定回路外部の駆動手段によってICチップの一部または全体の動作を停止させる等により、ICチップの異常温度上昇を防止することが可能となる。したがって、信頼性の高い温度判定回路を提供することができる。
【0021】
また、上記各構成においては、上記温度検出手段および基準電圧生成手段は、第2の検出電圧と第2の基準電圧とが等しくなる温度が、第1の検出電圧と第1の基準電圧とが等しくなる温度と異なることになる。例えば、第2の検出電圧と第2の基準電圧とが等しくなる温度が、第1の検出電圧と第1の基準電圧とが等しくなる温度より高い場合、第1の比較手段の動作が不能あるいは異常になった場合、第1の検出電圧が第1の基準電圧を超えた時点では出力される比較結果が変化しないが、その後、さらに温度が上昇して第2の検出電圧が第2の基準電圧を超えた時点で比較結果が変化する。
【0022】
本発明の温度判定回路は、上記の課題を解決するために、ICチップの温度を判定する温度判定回路において、上記ICチップの温度を第1の検出電圧および第2の検出電圧として検出すると共に、第1の検出電圧を出力する第1の出力端子と、第2の検出電圧を出力する第2の出力端子とを備える温度検出回路と、検出温度の基準となる第1の基準電圧を生成する第1の基準電圧生成手段と、検出温度の基準となる第2の基準電圧を生成する第2の基準電圧生成手段と、上記第1の出力端子から出力された第1の検出電圧と第1の基準電圧とを比較して第1の比較結果を出力する第1の比較手段と、上記第2の出力端子から出力された第2の検出電圧と第2の基準電圧とを比較して第2の比較結果を出力する第2の比較手段とを備えることを特徴としている。
【0023】
上記構成によれば、第1の基準電圧生成手段、第1の温度検出手段、および第1の比較手段のいずれかが異常になった場合にも、第2の基準電圧生成手段、第2の温度検出手段、および第2の比較手段によって正常な温度判定を行うことができる。これにより、温度判定回路外部の駆動手段によってICチップの一部または全体の動作を停止させる等により、ICチップの異常温度上昇を防止することが可能となる。したがって、信頼性の高い温度判定回路を提供することができる。
【0024】
さらに、上記構成によれば、温度検出手段が、単一の回路であるため、従来の温度検出回路と同等の回路規模で実現できる。したがって、チップ面積が小さくなり、コスト的に有利である。すなわち、より小型でより安価な温度判定回路を提供することができる。
【0025】
本発明の温度判定回路は、上記の課題を解決するために、ICチップの温度を判定する温度判定回路において、上記ICチップの温度を電圧として検出して第1の検出電圧を出力する第1の温度検出手段と、上記ICチップの温度を電圧として検出して第2の検出電圧を出力する第2の温度検出手段と、検出温度の基準となる第1の基準電圧および第2の基準電圧を生成すると共に、第1の基準電圧を出力する第1の基準電圧出力端子と、第2の基準電圧を出力する第2の基準電圧出力端子とを備える基準電圧生成回路と、上記第1の出力端子から出力された第1の検出電圧と第1の基準電圧とを比較して第1の比較結果を出力する第1の比較手段と、上記第2の出力端子から出力された第2の検出電圧と第2の基準電圧とを比較して第2の比較結果を出力する第2の比較手段とを備えることを特徴としている。
【0026】
上記構成によれば、第1の基準電圧生成手段、第1の温度検出手段、および第1の比較手段のいずれかが異常になった場合にも、第2の基準電圧生成手段、第2の温度検出手段、および第2の比較手段によって正常な温度判定を行うことができる。これにより、温度判定回路外部の駆動手段によってICチップの一部または全体の動作を停止させる等により、ICチップの異常温度上昇を防止することが可能となる。したがって、信頼性の高い温度判定回路を提供することができる。
【0027】
さらに、上記構成によれば、基準電圧発生手段が、単一の回路であるため、従来の基準電圧発生回路と同等の回路規模で実現できる。したがって、チップ面積が小さくなり、コスト的に有利である。すなわち、より小型でより安価な温度判定回路を提供することができる。
【0028】
本発明の温度判定回路は、上記の課題を解決するために、ICチップの温度を判定する温度判定回路において、上記ICチップの温度を第1の検出電圧および第2の検出電圧として検出すると共に、第1の検出電圧を出力する第1の出力端子と、第2の検出電圧を出力する第2の出力端子とを備える温度検出回路と、検出温度の基準となる第1の基準電圧および第2の基準電圧を生成すると共に、第1の基準電圧を出力する第1の基準電圧出力端子と、第2の基準電圧を出力する第2の基準電圧出力端子とを備える基準電圧生成回路と、上記第1の出力端子から出力された第1の検出電圧と第1の基準電圧とを比較して第1の比較結果を出力する第1の比較手段と、上記第2の出力端子から出力された第2の検出電圧と第2の基準電圧とを比較して第2の比較結果を出力する第2の比較手段とを備えることを特徴としている。
【0029】
上記構成によれば、第1の基準電圧生成手段、第1の温度検出手段、および第1の比較手段のいずれかが異常になった場合にも、第2の基準電圧生成手段、第2の温度検出手段、および第2の比較手段によって正常な温度判定を行うことができる。これにより、温度判定回路外部の駆動手段によってICチップの一部または全体の動作を停止させる等により、ICチップの異常温度上昇を防止することが可能となる。したがって、信頼性の高い温度判定回路を提供することができる。
【0030】
さらに、上記構成によれば、温度検出手段および基準電圧発生手段が共に単一の回路であるため、これらは従来の温度検出回路や基準電圧発生回路と同等の回路規模で実現できる。したがって、チップ面積が小さくなり、コスト的に有利である。すなわち、より小型でより安価な温度判定回路を提供することができる。
【0031】
上記各構成の温度判定回路においては、上記各手段が、全て1つのICチップに搭載されていることが好ましい。
【0032】
特許文献3には、温度センサーと比較回路は同一のチップに有する旨記載されているが、比較回路CP1〜CPnは複数のICチップで構成されている旨記載されている。
【0033】
これに対し、上記構成によれば、上記各手段が全て1つのICチップに搭載されているので、特許文献3の発明とは目的が異なる。
【0034】
本発明の温度判定回路は、上記の課題を解決するために、前記のいずれかの構成を備える温度判定回路と、第1の比較手段から出力された第1の比較結果が、基準電圧より検出電圧が高い結果となった場合に、ICチップの少なくとも一部の動作を停止させる第1の動作停止手段と、第2の比較手段から出力された第2の比較結果が、基準電圧より検出電圧が高い結果となった場合に、ICチップの少なくとも一部の動作を停止させる第2の動作停止手段とを備えることを特徴としている。
【0035】
上記構成によれば、上記温度判定回路は、前述したように、第1の基準電圧生成手段、第1の温度検出手段、および第1の比較手段のいずれかが異常になった場合にも、正常な温度判定動作が行える。したがって、このような異常が発生した場合にも、検出電圧が基準電圧を超えた時点でICチップの少なくとも一部の動作を停止させて、ICチップの異常温度上昇を防止することができる。したがって、信頼性の高いICチップの温度保護回路を提供することができる。
【0036】
また、上記構成において温度判定回路が第1番目ないし第3番目のいずれかの構成の温度判定回路である場合、上記温度検出手段および基準電圧生成手段は、第2の検出電圧と第2の基準電圧とが等しくなる温度が、第1の検出電圧と第1の基準電圧とが等しくなる温度と異なることになる。例えば、第2の検出電圧と第2の基準電圧とが等しくなる温度が、第1の検出電圧と第1の基準電圧とが等しくなる温度より高い場合、第1の比較手段の動作が不能あるいは異常になった場合、第1の検出電圧が第1の基準電圧を超えた時点では出力される比較結果が変化しないが、その後、さらに温度が上昇して第2の検出電圧が第2の基準電圧を超えた時点で比較結果が変化する。
【0037】
この理由について、以下に説明する。
量産品の温度保護回路では必ず、判定の基準となる温度(第1の検出電圧と第1の基準電圧とが等しくなる温度や、第2の検出電圧と第2の基準電圧とが等しくなる温度)にばらつきが出る。例えば、判定の基準となる温度に10℃ものバラツキがあることもある。本来は第1の動作停止手段(通常の温度制御)が先に動作(ICチップの少なくとも一部の動作を停止させる動作)すべき温度保護回路であるはずが、バラツキにより、第2の動作停止手段が先に動作(ICチップの少なくとも一部の動作を停止させる動作)してしまい、温度保護回路としてまずい時もある。例えば、一般の家電製品で、自動温度調節器と温度フューズがついているケースで、温度設定を同じにすれば、バラツキにより、温度フューズが先に飛べばサービスコールになるのと同じである。本願発明では、上記考え方を基本姿勢としている。
【0038】
この場合、第1の動作停止手段と第2の動作停止手段とは、異なる動作を行うようになっていることが好ましい。
【0039】
また、本発明のICチップの温度保護回路においては、上記第1の動作停止手段および第2の動作停止手段は、一旦動作を停止させたICチップを復帰させることができるようになっていることが好ましい。
【0040】
特許文献4の発明は、ICチップ内部の第2の温度検出点の温度が第2の基準温度以上になればICチップを破壊させるものであるため、第2の温度検出点の温度が一旦第2の基準温度以上になれば、第2の基準温度より低い温度まで第2の温度検出点の温度が下がってもICチップが復帰しない。
【0041】
これに対し、上記構成の温度保護回路は、第1の比較手段および第2の比較手段から出力された2つの比較結果のうちの少なくとも一方が、基準電圧より検出電圧が高い結果となった場合に、ICチップの少なくとも一部の動作を停止させるものであり、かつ、一旦動作を停止させたICチップを復帰(再動作)させることができるようになっている。したがって、温度が上昇したとき(第1の比較結果および第2の比較結果のうちの少なくとも一方が基準電圧より検出電圧が高い結果となったとき)にICチップが破壊されることなくICチップの少なくとも一部の動作が停止された後、温度が下がれば、ICチップを復帰させることができる。すなわち、温度が上昇してICチップの動作が停止された後にもICチップを正常に動作させることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
〔関連技術〕
本発明の実施の形態について説明する前に、本発明に関連する温度判定回路およびICチップの温度保護回路について図14〜図16に基づいて説明する。なお、この温度判定回路は、先行出願(特願2002−344535号)の発明の温度判定回路の一形態に相当するものであり、公知の温度判定回路ではない。
【0043】
図14に示すように、関連技術の温度判定回路15は、ICチップ150内に設けられたものであり、基準電圧発生回路151、温度検出回路152、および比較回路153から構成されている。基準電圧生成回路151の出力は電圧V+、温度検出回路152の出力は電圧V−で有る。比較回路153の入力は前記電圧V−と電圧V+で、比較回路153の出力は電圧Voである。
【0044】
ICチップの温度保護回路は、温度判定回路15に加えて、ICチップ150内の負荷163(任意の素子)の動作を停止させる動作停止回路16(アプリケーション側のシステム)を備えている。動作停止回路16は、比較回路153の出力電圧Voが入力され、電圧Voに応じた出力信号を出力するマイクロコンピュータ161と、マイクロコンピュータ161の出力信号(マイクロコンピュータ出力)に応じて負荷163を駆動する駆動回路162とを備えている。
【0045】
次に、基準電圧生成回路151および温度検出回路152の1例を図15に基づいて説明する。図15は、基準電圧生成回路151および温度検出回路152の1例を示す回路図である。
【0046】
基準電圧生成回路151および温度検出回路152は、図15に示すように、トランジスタQ1〜Q8、抵抗R1・R3・R7、およびダイオードD1を備えている。
【0047】
トランジスタQ3〜Q7はそれぞれPNP型トランジスタであり、各エミッタは全て電源電圧VCCのライン(電源14に接続されたライン)に接続されている。また、トランジスタQ3〜Q7のベースは互いに接続され、トランジスタQ5のベースとコレクタとは短絡されている。このように、トランジスタQ3〜Q7はカレントミラー回路を構成していることから、トランジスタQ3〜Q7には略同一のコレクタ電流が流れる。なお、トランジスタQ3〜Q7はMOSトランジスタでも良い。
【0048】
トランジスタQ1はNPN型トランジスタであり、コレクタはトランジスタQ3のコレクタに接続されており、またトランジスタQ1自身のベースに接続されている。トランジスタQ2はNPN型トランジスタであり、コレクタはトランジスタQ4のコレクタに接続されている。トランジスタQ1のベースとトランジスタQ2のベースとは互いに接続されている。また、トランジスタQ1のエミッタは抵抗R1を介して接地端子GNDに接続されており、トランジスタQ2のエミッタは接地端子GNDに接続されている。
【0049】
トランジスタQ8はNPN型トランジスタであり、コレクタはトランジスタQ5のコレクタに接続されており、エミッタは接地端子GNDに接続されている。トランジスタQ8のベースは、前記トランジスタQ2のコレクタに接続されている。抵抗R2はトランジスタQ6のコレクタとダイオードD1のアノードとの間に直列に挿入されるように接続されている。ダイオードD1のカソードは接地端子GNDに接続されている。抵抗R7はトランジスタQ7のコレクタと接地端子GNDとの間に直列に挿入されるように接続されている。
【0050】
トランジスタQ1、Q2、Q8は、それぞれコレクタがトランジスタQ3、Q4、Q5に接続されているので、前述の略同一のトランジスタQ3〜Q5のコレクタ電流は、トランジスタQ1、Q2、Q8のコレクタ電流とも略同一となる。同様に、ダイオードD1および抵抗R7に流れる電流も、上記コレクタ電流と略同一となる。
【0051】
抵抗R7とトランジスタQ7のコレクタとの接続点から、温度検出回路152の出力電圧V−が出力される。ここで、出力電圧V−は、ダイオードD1と抵抗R2との直列回路にかかる合計電圧であり、ICチップ温度を電圧として検出して出力される検出電圧である。一方、抵抗R2とトランジスタQ6のコレクタとの接続点から基準電圧生成回路151の出力電圧V+が出力される。ここで、出力電圧V+は、検出温度の基準となる基準電圧である。出力電圧V−・V+は共に、同一の電源電圧VCCから生成される。
【0052】
トランジスタQ3〜Q7がカレントミラー回路を構成しているため、トランジスタQ1のコレクタ電流とトランジスタQ2のコレクタ電流とは略同一となる。一方、トランジスタQ1のエミッタ面積をトランジスタQ2よりもここでは10倍大きくしている。このため、抵抗R1の両端に発生する電圧VT1は、25℃で、
(kT/q)×ln(10)=60mV
(ただし、k:ボルツマン定数=1.38×10-23J/K、T:絶対温度(K)=298K、q:電子の電荷量=1.6×10-19クーロン)
となる。よって、抵抗R1の抵抗値を12kΩとすれば、抵抗R1には約5μAの電流が流れることになる。従って、抵抗R1の両端に発生する電圧VT1は、電源電圧VCCには依存しない。
【0053】
そして、抵抗R1に流れる電流5μAと略同じ値が、前述の説明の如くトランジスタQ1〜Q7のコレクタに流れるため、抵抗R7の抵抗値を例えば200kΩに設定すれば、抵抗R7の両端には電圧V−として25℃で約1Vが発生する。ヘッド駆動用ICチップ10の温度(以下、「ICチップ温度」と称する)が何らかの要因で90℃まで上昇すれば、前述の式により電圧VT1が上昇するため、抵抗R1の温度係数を0とすれば、抵抗R1の両端に約72mVの電圧が発生し、抵抗R1には約6μAの電流が流れる。その結果、トランジスタQ7のコレクタ電流も同じく6μAとなるため、出力電圧V−は90℃で約1.2Vとなる。すなわち、出力電圧V−は温度に比例する。
【0054】
また、抵抗R1に流れる電流5μAと略同じ値は、抵抗R2とダイオードD1の直列回路にも抵抗R1にも同様に流れるため、抵抗R2の抵抗値を120kΩとすれば、抵抗R2の両端に発生する電圧VT2は、25℃で約0.6Vとなる。一方、ダイオードD1のアノード、カソード間電圧は、25℃で約0.6Vである。そのため、出力電圧V+として、上記電圧VT2と、上記ダイオードD1のアノード、カソード間電圧とを合計した電圧、すなわち、25℃で約1.2Vの電圧が発生する。
【0055】
次に、ICチップ温度が上記と同じく90℃まで上昇すると、抵抗R2の温度係数を0とすれば、抵抗R2の両端に発生する電圧VT2は約0.72Vとなる。ここで、ダイオードD1は、約−1.7mV/℃の負の温度勾配があるため、ダイオードD1のアノード、カソード間電圧は約0.48Vとなる。その結果、電圧V+は1.2Vとなる。以上のように、電圧V+はICチップ温度が変わってもほぼ一定の値となる。
【0056】
比較回路153は、電圧V−が電圧V+以下であるときには『H』(Highレベルの意味。以下同じ。)の出力電圧Voを出力する一方、電圧V−が電圧V+より高いときには『L』(Lowレベルの意味。以下同じ。)の出力電圧Voを出力するものである。
【0057】
図16に、上記温度判定回路15における各部の代表的な温度特性を示す。V+はICチップ温度の変化に対しほぼ一定の値を取る温度検出用の基準電圧で、V−はICチップ温度の変化により正特性に変化する温度検出用電圧となっている。ICチップ温度が90℃以下であるときには電圧V−が電圧V+以下であるため、比較回路153の出力電圧Voは『H』である。ICチップ温度が上昇し、90℃を超えると、電圧V−の方が電圧V+より高くなるため、出力電圧Voは『L』になる。上記温度判定回路15が適用される側(アプリケーション側)では、『L』を検出して、ICチップ150内の負荷163(任意の素子)を駆動する駆動回路162を制御し、負荷163への電流供給等の動作停止など行う。
【0058】
関連技術の温度判定回路15の場合、ICチップ温度を検出し、異常温度の場合、例えば上述の様に出力電圧Voを『L』にしてICチップ150内の回路動作(負荷163の動作)を停止させる。図示されていない他の回路やICは、この『L』の出力電圧Voを検出して異常で有ることを認識する。
【0059】
しかしながら、関連技術の温度判定回路15は、何らかの不具合が生じた場合、例えば、比較回路153の入力間が異物で短絡した場合、比較回路153が正しく動作しない。そのため、最悪の場合、ICチップ温度が異常に高くなっても、比較回路153の出力電圧Voが『H』のままになってしまい、ICチップ150内の回路動作(負荷163の動作)が停止されない。その結果、ICチップ150が熱破壊するなど、ICチップ150の信頼性が損なわれる恐れがある。
【0060】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図3、図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0061】
図1は、本実施の形態に係るICの温度保護回路の構成を示す。本実施の形態に係るICの温度保護回路は、〔関連技術〕で示した図14の温度判定回路15と同様の回路構成を備える温度判定回路を複数個備えている。すなわち、本実施の形態に係るICの温度保護回路は、図1に示すように、図14の温度判定回路15と同様の回路構成を備える2つの温度判定回路15−1・15−2を備えている。温度判定回路15−1・15−2は、1つのICチップ150に搭載されている。
【0062】
本実施の形態に係るICチップの温度保護回路は、〔関連技術〕の項で示した図15の基準電圧発生回路151と同様の回路構成を備える基準電圧発生回路(151−1・151−2)、および〔関連技術〕の項で示した図15の温度検出回路152と同様の回路構成を備える温度検出回路(152−1・152−2)を各々複数個有している。すなわち、温度判定回路15−1・15−2は、ICチップ150の温度を判定する温度判定回路において、ICチップ150の温度を電圧として検出して第1の検出電圧V−1を出力する温度検出回路(第1の温度検出手段)152−1と、ICチップ150の温度を電圧として検出して第2の検出電圧V−2を出力する温度検出回路(第2の温度検出手段)152−2と、検出温度の基準となる第1の基準電圧V+1を生成する基準電圧発生回路(第1の基準電圧生成手段)151−1と、検出温度の基準となる第2の基準電圧V+2を生成する基準電圧発生回路(第2の基準電圧生成手段)151−2と、温度検出回路152−1から出力された第1の検出電圧V−1と、第1の基準電圧V+1とを比較して第1の比較結果を出力電圧V01として出力する比較回路(第1の比較手段)153−1と、温度検出回路152−2から出力された第2の検出電圧V−2と、第2の基準電圧V+2とを比較して第2の比較結果を出力電圧V02として出力する比較回路(第2の比較手段)153−2とを備えている。
【0063】
また、温度検出回路152−1・152−2は互いに設定条件を異ならせている一方、基準電圧発生回路151−1・151−2は設定条件が同一である。すなわち、温度検出回路152−1における温度対第1の検出電圧V−1の特性(第1の検出電圧V−1の温度特性)と、温度検出回路152−2における温度対第2の検出電圧V−2の特性(第1の検出電圧V−2の温度特性)とが異なる一方、基準電圧発生回路151−1で生成される第1の基準電圧V+1と基準電圧発生回路151−2で生成される第2の基準電圧V+2とが同一である。
【0064】
図3に、本実施の形態に係わる基準電圧発生回路151−1・151−2、および温度検出回路152−1・152−2の構成を示す。"
図3に示すように、基準電圧発生回路151−1及び基準電圧発生回路151−2は各々、トランジスタQ1〜Q6・Q8、抵抗R1・R2、およびダイオードD1を備えている。すなわち、基準電圧発生回路151−1及び基準電圧発生回路151−2は、図15に示す基準電圧発生回路151と全く同様である。
【0065】
温度検出回路152−1及び温度検出回路152−2は、図15に示す温度検出回路152と同様の回路構成を備えている。温度検出回路152−1は、トランジスタQ7、および抵抗R7−1を備えている。温度検出回路152−2は、同様にトランジスタQ7を備えているが、抵抗R7−1に代えて、抵抗R7−1より低い抵抗値を持つ抵抗R7−2を備えている。
【0066】
なお、温度検出回路152−1における温度対第1の検出電圧V−1の特性と、温度検出回路152−2における温度対第2の検出電圧V−2の特性とを異ならせる手法としては、この場合のように抵抗の抵抗値を異ならせる手法が代表的であるが、両者の特性が異なるようになっていれば、この手法に限定されるものではない。
【0067】
トランジスタQ3〜Q7はそれぞれPNP型トランジスタであり、各エミッタは全て電源電圧VCCのライン(電源14に接続されたライン)に接続されている。また、トランジスタQ3〜Q7のベースは互いに接続され、トランジスタQ5のベースとコレクタとは短絡されている。このように、トランジスタQ3〜Q7はカレントミラー回路を構成していることから、トランジスタQ3〜Q7には略同一のコレクタ電流が流れる。なお、トランジスタQ3〜Q7は、ここではバイポーラトランジスタで構成しているが、MOSトランジスタでも良い。
【0068】
トランジスタQ1はNPN型トランジスタであり、コレクタはトランジスタQ3のコレクタに接続されており、またトランジスタQ1自身のベースに接続されている。トランジスタQ2はNPN型トランジスタであり、コレクタはトランジスタQ4のコレクタに接続されている。トランジスタQ1のベースとトランジスタQ2のベースとは互いに接続されている。また、トランジスタQ1のエミッタは抵抗R1を介して接地端子GNDに接続されており、トランジスタQ2のエミッタは接地端子GNDに接続されている。
【0069】
トランジスタQ8はNPN型トランジスタであり、コレクタはトランジスタQ5のコレクタに接続されており、エミッタは接地端子GNDに接続されている。トランジスタQ8のベースは、前記トランジスタQ2のコレクタに接続されている。
【0070】
ダイオードD1は、アノードが抵抗R2の一端に、カソードは接地端子GNDにそれぞれ接続されている。抵抗R2の他端はトランジスタQ6のコレクタに接続されている。抵抗R7−1および抵抗R7−2は各々、トランジスタQ7のコレクタと接地端子GNDとの間に直列に挿入されるように接続されている。
【0071】
基準電圧生成回路151−1の出力電圧V+1、および基準電圧生成回路151−2の出力電圧V+2は各々、抵抗R2とトランジスタQ6のコレクタとの接続点から出力される。出力電圧V+1および出力電圧V+2は検出温度の基準となる基準電圧である。抵抗R7−1とトランジスタQ7のコレクタとの接続点から温度検出回路152−1の出力電圧V−1が出力され、抵抗R7−2とトランジスタQ7のコレクタとの接続点から温度検出回路152−2の出力電圧V−2が出力される。出力電圧V−1およびV−2は、ICチップ150の温度を電圧として検出して出力される検出電圧である。
【0072】
前述の略同一のトランジスタQ3〜Q5のコレクタ電流は、それぞれコレクタ同士を接続されているトランジスタQ1、Q2、Q8のコレクタ電流とも略同一となる。同様に、ダイオードD1及び抵抗R7に流れる電流も、上記コレクタ電流と略同一となる。
【0073】
一方、Q1のエミッタ面積をQ2よりもここでは10倍大きくしている。このため、抵抗R1の両端に発生する電圧VT1は、25℃で、
VT1=kT/q*ln(10)=約60mV
(ただし、k:ボルツマン定数=1.38×10−23J/K、T:絶対温度(K)=298K、q:電子の電荷量=1.6×10−19クーロン)
となる。よって、抵抗R1の抵抗値を12kΩとすれば、抵抗R1には約5μAの電流が流れる。従って、抵抗R1の両端に発生する電圧VT1は、電源電圧VCCには依存しない。
【0074】
出力電圧V−1・V−2について言えば、抵抗R1に流れる電流約5μAと略同じ値が、前述の説明の如くトランジスタQ1〜Q7のコレクタに流れるため、抵抗R7−1の抵抗値を例えば200kΩに設定すれば、抵抗R7−1の両端には電圧V−1として25℃で約0.99Vの電圧が発生する。一方、抵抗R7−2の抵抗値を例えば190kΩに設定すれば、抵抗R7−2の両端には電圧V−2として、25℃で約0.94Vの電圧が発生する。
【0075】
次に、ICチップ温度が何らかの要因で90℃まで上昇すれば、前述の式により電圧VT1が上昇するため、抵抗R1の温度係数を0とすれば、抵抗R1の両端に約72mVの電圧が発生し、抵抗R1には約6μAの電流が流れる。その結果、トランジスタQ7のコレクタ電流も同じく6μAとなるため、抵抗R7−1の両端には電圧V−1として、約1.20Vの電圧が発生する。また、R7−2の両端には電圧V−2として、約1.14Vの電圧が発生する。よって、電圧V−1および電圧V−2はICチップ温度に比例する(数値については表1を参照;以下の実施の形態も同じ)。
【0076】
一方、出力電圧V+1について言えば、抵抗R2とダイオードD1の直列回路にも抵抗R1に流れる電流と同じ電流が流れるため、抵抗R2の抵抗値を120kΩとすれば、抵抗R2の両端に発生する電圧VT2は、25℃で約0.6Vとなる。一方、ダイオードD1のアノード、カソード間電圧は25℃で約0.6Vである。そのため、出力電圧V+1として、上記電圧VT2と、上記ダイオードD1のアノード、カソード間電圧とを合計した電圧、すなわち、25℃で約1.2Vの電圧が発生する。次に、ICチップ温度が上記と同じく90℃まで上昇すれば、抵抗R2の温度係数を0とすれば、抵抗R2の両端に発生する電圧VT2は、約0.72Vとなる。また、ダイオードD1は、約−1.7mV/℃の負の温度勾配があるため、ダイオードD1のアノード、カソード間電圧は約0.49Vとなり、出力電圧V+1は1.21Vとなる。よって、出力電圧V+1は、ICチップ温度が変わってもほぼ一定となる(数値については表1を参照;以下の実施の形態も同じ)。また、出力電圧V+2も、出力電圧V+1に等しく、ICチップ温度が変わってもほぼ一定となる。
【0077】
なお、上記の例では、検出電圧である電圧V−1および電圧V−2の温度勾配は正であるが、電圧V−1および電圧V−2の温度勾配は負であっても構わない。
【0078】
比較回路153−1,153−2は、差動増幅回路等を用いたコンパレータ回路であり、一般的な公知技術の比較回路である。
【0079】
次に、比較回路153−1,153−2の構成例について説明する。図17は、比較回路153−1(153−2)の構成例を示す回路図である。なお、比較回路153−1,153−2は同様の構成を備えているので、ここでは比較回路153−1のみについて説明する。
【0080】
図17に示すように、比較回路153−1は、トランジスタQ11〜Q18、および定電流源43を備えている。トランジスタQ11〜Q13はPNP型トランジスタであり、各エミッタは電源電圧VCCのラインに接続されている。また、トランジスタQ11〜Q13の各ベースは互いに接続されている。トランジスタQ11のベースとコレクタとは互いに接続されている。定電流源43はトランジスタQ11のコレクタと接地端子GNDとの間に直列に挿入されるように接続されている。
【0081】
トランジスタQ14・Q15はPNP型トランジスタであり、各エミッタは共通にトランジスタQ12のコレクタに接続されている。トランジスタQ14のベースは温度検出回路152−1の出力電圧V−1が入力される端子であり、トランジスタQ15のベースは基準電圧発生回路152−2の出力電圧V−2が入力される端子である。トランジスタQ16・Q17はNPN型トランジスタであり、トランジスタQ16のコレクタはトランジスタQ14のコレクタに、また、トランジスタQ17のコレクタはトランジスタQ15のコレクタにそれぞれ接続されている。トランジスタQ16のベースとコレクタとは互いに接続されている。トランジスタQ16・Q17のエミッタは接地端子GNDに接続されている。
【0082】
トランジスタQ18はNPN型トランジスタであり、コレクタはトランジスタQ13のコレクタに接続されている。また、ベースはトランジスタQ15のコレクタとトランジスタQ17のコレクタとの接続点に接続されており、エミッタは接地端子GNDに接続されている。トランジスタQ13のコレクタとトランジスタQ18のコレクタとの接続点は比較回路153−1(153−2)の出力端子となる。
【0083】
基準電圧発生回路151−1の出力電圧V+1を比較回路153−1の+側入力端子に接続し、温度検出回路152−1の出力電圧V−1を比較回路153−1の−側入力端子に入力している。
【0084】
比較回路153−1(153−2)は、以上のような構成により、動作として、基準電圧発生回路151−1(151−2)の出力電圧V+1(V+2)と温度検出回路152−1(152−2)の出力電圧V−1(V−2)との関係がV−1<V+1(V−2<V+2)の時に出力端子V01(V02)から『H』の電圧V01(V02)を出力し、V−1>V+1(V−2>V+2)の時に出力端子V01(V02)から『L』の電圧V01(V02)を出力する。
【0085】
なお、比較回路153−1(153−2)は、上述したような出力電圧V+1(V+2)と出力電圧V−1(V−2)との関係に応じて『H』または『L』の電圧V01(V02)を出力することができるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。
【0086】
図2の比較回路153−1の動作について説明する。ICチップ温度が80℃の時には、V−1(=1.17V)<V+1(=1.21V)となるため出力端子V01から『H』の電圧V01が出力される。ICチップ温度が90℃の時には、V−1(=1.20V)<V+1(=1.21V)であるため出力端子Voから『H』が出力されるが、『L』に変わる寸前で有る。次に、ICチップ温度が100℃まで上昇すれば、V−1(=1.23V)<V+1(=1.21V)で有るため出力端子Voから『L』が出力される。
【0087】
結局、ICチップ温度がほぼ90℃以下では、出力端子V01から『H』の電圧V01が出力され、ICチップ温度がほぼ90℃を超えると出力端子V01から『L』の電圧V01が出力される。
【0088】
図2の比較回路153−2の動作に付いて説明する。ICチップ温度が80℃の時には、V−2(=1.11V)<V+2(=1.21V)となるため出力端子V02から『H』の電圧V02が出力される。ICチップ温度が90℃の時にも、V−2(=1.14V)<V+2(=1.21V)であるため、同様に、出力端子V02から『H』の電圧V02が出力される。ICチップ温度が110℃の時でもV−2(=1.20V)<V+2(=1.22V)であるため、依然、出力端子V02から『H』の電圧V02が出力される。ただし、このときは電圧V02が『L』に変わる寸前で有る。次に、ICチップ温度が120℃まで上昇すれば、V−2(=1.24V)<V+2(=1.22V)であるため、出力端子V02から『L』の電圧V02が出力される。
【0089】
結局、ICチップ温度がほぼ115℃以下では、出力端子V02から『H』の電圧V02が出力され、ICチップ温度がほぼ115℃を超えると出力端子V02から『L』の電圧V02が出力される。
【0090】
上述のICチップ温度と各部の電圧の1例を表にまとめれば表1となる。
【0091】
【表1】
Figure 0004219750
【0092】
本実施形態にかかるICチップの温度保護回路は、上述した温度判定回路15−1・15−2に加えて、動作停止回路16(アプリケーション側のシステム)を備えている。動作停止回路16は、ICチップ温度が90℃より高くなって電圧V01が『L』になった場合(比較回路153−1から出力された比較結果が、基準電圧V+1より検出電圧V−1が高い結果となった場合)に負荷163(ICチップ150の任意の素子)の動作を停止させる機能と、ICチップ温度が115℃より高くなって電圧V02が『L』になった場合(比較回路153−2から出力された比較結果が、基準電圧V+2より検出電圧V−2が高い結果となった場合)に、負荷163(ICチップ150の任意の素子)の動作を停止させる機能とを備えている。したがって、第1の基準電圧生成手段、第1の温度検出手段、および第1の比較手段のいずれかが異常になった場合にも、ICチップ温度が115℃より高くなって電圧V02が『L』になった時点で動作停止回路16が負荷163(ICチップ150の任意の素子)の動作を停止させて、ICチップ150の異常温度上昇を防止することができる。したがって、信頼性の高いICチップの温度保護回路を提供することができる。
【0093】
動作停止回路16は、比較回路153−1の出力電圧V01が入力され、電圧V01に応じた出力信号を出力するマイクロコンピュータ161と、負荷163を駆動する駆動回路162とを備えている。駆動回路162は、マイクロコンピュータ161の出力信号(マイクロコンピュータ出力)および比較回路153−2の出力電圧V02に基づき動作する。そして、駆動回路162は、出力電圧V01および出力電圧V02の両方が『H』である時には通常の駆動動作を行い、負荷163(ICチップ150の任意の素子)を動作させる。一方、駆動回路162は、出力電圧V01および出力電圧V02の少なくとも一方が『L』になると、負荷163の駆動動作を停止し、負荷163の動作を停止させる。
【0094】
また、マイクロコンピュータ(第1の動作停止手段)161および駆動回路162(第1の動作停止手段、第2の動作停止手段)は、一旦動作を停止させた負荷163(ICチップ150の任意の素子)を復帰させることができるようになっている。したがって、ICチップ温度が90℃より上昇したときにICチップ150が破壊されることなく負荷163の動作が停止された後、ICチップ温度が90℃より下がれば、負荷163を復帰させることができる。すなわち、ICチップ温度が90℃より上昇してICチップ150の動作が停止された後にもICチップ150を正常に動作させることができる。
【0095】
図1に基づき、図2の動作を踏まえ説明すると、ICチップ温度が90℃以下では、温度判定回路15−1の出力電圧V01および温度判定回路15−2の出力電圧V02が共『H』であるため、動作停止回路16(アプリケーション側のシステム)は通常の動作を行う。90℃を超えると出力電圧V01のみ『L』に変化する。このため、アプリケーション側のマイクロコンピュータ161は、1例として駆動回路162の動作を停止し、負荷163への電流供給等を停止させる。このため、負荷163の近傍にICチップ150を配置している場合、ICチップ150内の負荷163の発熱によるICチップ150の温度上昇が阻止され、これ以上はICチップ温度が上昇しなくなる。なお、負荷163は、ICチップ150の近傍に配置された任意の素子であってもよい。その場合にも、負荷163への電流供給等を停止させることにより負荷163の発熱によるICチップ150の温度上昇を阻止することができる。
【0096】
しかしながら、上記温度保護回路において温度判定回路15−2を削除した構成(〔関連技術〕の構成に相当する)では、万一、アプリケーション側のマイクロコンピュータ161で不具合が合った場合や、基準電圧発生回路151−1、温度検出回路152−2、比較回路153−1等が異常になった場合には、温度判定回路15−1から正常な出力電圧V01が出力されない。したがって、マイクロコンピュータ161の出力信号が正常に出力されないことになるため、ICチップ温度が90℃より上昇しても駆動回路162をOFFする事が出来なくなり、最悪発煙・発火に至る事も有り、非常に危険である。
【0097】
これに対し、本実施形態にかかる温度保護回路では、上述したような場合、すなわちアプリケーション側のマイクロコンピュータ161で不具合が発生した場合や、基準電圧発生回路151−1、温度検出回路152−2、比較回路153−1等が異常になった場合でも、温度判定回路15−2があることにより、アプリケーション側の駆動回路162を停止することができる。すなわち、図2で説明したように、ICチップ温度が約115℃を超えると、出力電圧V02を『L』にし、この制御信号(出力電圧V02)によりアプリケーション側の駆動回路162を停止する事ができ、これ以上ICチップ温度が上昇する事がない。したがって、上述したような不具合が発生した場合においても、発煙・発火を防止する事ができ、信頼性の高い温度保護回路、しいては信頼性の高いアプリケーションを提供することができる。
【0098】
本実施形態では、以上のようにして、1つの温度判定回路15−1の出力情報(第1の比較結果および第2の比較結果のうちの一方)に基づいて動作停止回路16(アプリケーション側のシステム)のマイクロコンピュータ161でICチップ150内の負荷163の動作を制御する第1の温度保護システムのどこかに異常(例えば、比較回路153−1の+入力ラインと−入力ラインとの短絡)が発生し、第1の温度保護システムが正常に動作不能になった場合においても、もう一方の温度判定回路15−2および駆動回路162からなる第2の温度保護システムでICチップの動作停止等の保護動作を行い、ICチップ150の異常温度上昇を防止することができる。
【0099】
なお、ここでは、出力電圧V01が『L』となったときに停止されるICチップ150の部分と、出力電圧V02が『L』となったときに停止されるICチップ150の部分とが同一の部分(負荷163)であった。しかしながら、出力電圧V01が『L』となったときに停止されるICチップ150の部分と、出力電圧V02が『L』となったときに停止されるICチップ150の部分とは異なっていてもよい。例えば、出力電圧V01が『L』となったときに、ICチップ150の近傍あるいは内部に配置された負荷163の動作を選択的に停止させ、出力電圧V02が『L』となったときにICチップ150の全体あるいは大部分の動作を停止させてもよい。
【0100】
また、本実施形態では、温度判定回路15−1および温度判定回路15−2の判定結果に基づいて負荷への電流供給等を停止させる例について説明したが、温度判定回路15−1および温度判定回路15−2の判定結果に基づいて警告を行う構成であっても構わない。
【0101】
以上のように、本発明のICの温度保護回路は、ICチップ温度を電圧として検出して出力する異なる設定条件の温度検出手段と、検出温度の基準となる基準電圧を生成する基準電圧発生手段と、上記温度検出手段の温度の検出電圧と基準電圧発生手段の上記基準電圧とを比較して比較結果を出力する比較手段とを備えて上記ICチップの温度を判定する温度判定回路を複数個有したものである。
【0102】
上記構成は、1つの温度判定回路が動作不能になっても、他の温度判定回路でICチップの異常温度上昇を防止する事により、信頼性の高い温度保護回路、しいては信頼性の高いアプリケーションを提供するもので有る。
【0103】
上記の発明によれば、1つの温度判定回路のどこかに異常が生じたり、アプリケーション側で1つの温度判定回路の出力情報に基づいて決定されるシステムが正常な動作が不能になっても、他の温度判定回路でICチップの異常温度上昇を防止する事により、信頼性の高い温度保護回路、しいては信頼性の高いアプリケーションを提供するもので有る。
【0104】
また、以上のように、本発明のICの温度保護回路は、ICチップ温度を電圧として検出して出力する温度検出手段と基準電圧発生手段と比較手段を有するICの温度保護回路において、異なる設定条件の温度検出手段を複数個有し、検出温度の基準となる基準電圧を生成する同一設定条件の基準電圧発生手段を複数個有し、上記温度検出手段の(温度の)検出電圧と上記基準電圧とを比較して比較結果を出力する比較手段を複数個有している。
【0105】
上記構成は、温度検出手段、基準電圧発生手段、および比較手段からなる温度判定回路を複数有しているので、1つの温度判定回路のどこかに異常が生じたり、アプリケーション側で1つの温度判定回路の出力情報に基づいて決定されるシステムが正常に動作不能になった場合、さらにICチップ温度が上昇したときに他の温度判定回路でICチップの異常温度上昇を防止する事が出来るため、信頼性の高い温度保護回路、しいては信頼性の高いアプリケーションを提供するもので有る。
【0106】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図4および図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0107】
本実施形態のICの温度保護回路について図4に基づいて説明する。
【0108】
本実施形態のICの温度保護回路は、回路構成としては実施の形態1の温度保護回路と同様であるが、基準電圧発生回路151−1・151−2は互いに設定条件を異ならせている一方、温度検出回路152−1・152−2は設定条件が同一である。すなわち、基準電圧発生回路151−1で生成される第1の基準電圧V+1と基準電圧発生回路151−2で生成される第2の基準電圧V+2とが異なる一方、温度検出回路152−1における温度対第1の検出電圧V−1の特性(第1の検出電圧V−1の温度特性)と、温度検出回路152−2における温度対第2の検出電圧V−2の特性(第1の検出電圧V−2の温度特性)とが同一である。
【0109】
本実施形態のICの温度保護回路は、図4に示すように、温度検出回路152−1と温度検出回路152−2とは、同一の回路であり、かつ、同一の回路定数を有する(抵抗R7の抵抗値は200kΩに設定されている)ため、第1の検出電圧V−1と第2の検出電圧V−2とは同様の温度変化を示す。
【0110】
一方、基準電圧発生回路151内の抵抗R2−1と抵抗R2−2とは抵抗定数が異なるため、第1の基準電圧V+1と第2の基準電圧V+2とは異なった値となっている。本実施形態の場合には、抵抗R1の抵抗値を12kΩ、抵抗R2−1の抵抗値を120kΩ、抵抗R2−2の抵抗値を130kΩに設定している。
【0111】
前述の実施の形態1で説明した内容と同様に、ICチップ温度別の電圧V+1とV+2の値を計算すれば、下表となるが、前記電圧V−1と電圧V−2の値も含め記載する。
【0112】
【表2】
Figure 0004219750
【0113】
上記の表をグラフに表したのが、図5である。
【0114】
図5の比較回路153−1の動作は前述の実施の形態1と同じであるので説明は省略する。図5の比較回路153−2の動作の動作も実施の形態1と同じであるが、25℃におけるダイオードD1のアノード、カソード間電圧より抵抗R2−2の両端電圧の方が若干高いので、一般的には、電圧V+2の温度係数は若干プラスとなる。本実施形態の場合も、出力電圧V01は約90℃で『H』→『L』に変化し、出力電圧V02は約115℃で『H』→『L』に変化する。アプリケーション側のシステム(動作停止回路16)の動作の代表例も、前述の実施の形態1と同じであるので説明は省略する。
【0115】
以上のように、本発明のICの温度保護回路は、ICチップの温度を電圧として検出して出力する同一設定条件の温度検出手段を複数個有し、検出温度の基準となる基準電圧を発生する異なる設定電圧の基準電圧発生手段を複数個有し、上記温度検出手段の(温度の)検出電圧と上記基準電圧とを比較して比較結果を出力する比較手段を複数個有している。
【0116】
上記構成は、温度検出手段、基準電圧発生手段、および比較手段からなる温度判定回路を複数有しているので、1つの温度判定回路のどこかに異常が生じたり、アプリケーション側で1つの温度判定回路の出力情報に基づいて決定されるシステムが正常に動作不能になった場合、さらにICチップ温度が上昇したときに他の温度判定回路でICチップの異常温度上昇を防止する事が出来るため、信頼性の高い温度保護回路、しいては信頼性の高いアプリケーションを提供するもので有る。
【0117】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について図6および図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0118】
本実施形態のICの温度保護回路について図6に基づいて説明する。
【0119】
本実施形態のICの温度保護回路は、回路構成としては実施の形態1の温度保護回路と同様であるが、基準電圧発生回路151−1・151−2の設定条件を互いに異ならせている点が実施の形態1と異なる。すなわち、基準電圧発生回路151−1で生成される第1の基準電圧V+1と基準電圧発生回路151−2で生成される第2の基準電圧V+2とが異なる。
【0120】
温度検出回路152−1と温度検出回路152−2とは同一の回路構成を持ち、電圧V−1と電圧V−2とは双方とも正の温度係数となっている。本実施形態の場合、抵抗R7−1の抵抗値は200kΩ、抵抗R7−2の抵抗値は195kΩに設定してあるため、電圧V−1と電圧V−2とは若干異なった温度変化を示す。
【0121】
一方、基準電圧発生回路151−1と基準電圧発生回路151−2とは同一の回路構成を持つが、本実施形態の場合、抵抗R2−1の抵抗値は120kΩ、抵抗R2−2の抵抗値は125kΩに設定してあるため、電圧V+1と電圧V+2も若干異なった値となっている。
【0122】
前述の実施の形態1で説明した内容と同様にICチップ温度別の電圧V+1と電圧V+2の値を計算すれば下表となるが、前記電圧V−1と電圧V−2の値も含め記載する。
【0123】
【表3】
Figure 0004219750
【0124】
上記の表をグラフに表したのが、図7である。
【0125】
図7の比較回路153−1の動作は前述の実施の形態1と同じであるので説明は省略する。図7の比較回路153−2の動作の動作も実施の形態1と同じであるが、25℃におけるダイオードD1のアノード、カソード間電圧より抵抗R2−2の両端電圧の方が若干高いので、一般的には、電圧V+2の温度係数は若干プラスとなる。本実施形態の場合も、出力電圧V01は約90℃で『H』→『L』に変化し、出力Vo−2は約115℃で『H』→『L』に変化する。アプリケーション側のシステム(動作停止回路16)の動作の代表例も前述の実施の形態1と同じであるので説明は省略する。
【0126】
以上のように、本発明のICの温度保護回路は、ICチップの温度を電圧として検出して出力する温度検出手段の異なる設定条件のものを複数個有し、検出温度の基準となる基準電圧を生成する異なる設定条件の基準電圧発生手段を複数個有し、上記温度検出手段の(温度の)検出電圧と上記基準電圧とを比較して比較結果を出力する比較手段を複数個有している。
【0127】
上記構成は、温度検出手段、基準電圧発生手段、および比較手段からなる温度判定回路を複数有しているので、1つの温度判定回路のどこかに異常が生じたり、アプリケーション側で1つの温度判定回路の出力情報に基づいて決定されるシステムが正常に動作不能になった場合、さらにICチップ温度が上昇したときに他の温度判定回路でICチップの異常温度上昇を防止する事が出来るため、IC自身の自己防衛的なシステムを供給する事が出来る。
【0128】
さらにこの場合、ICチップの温度を電圧として検出して出力する温度複数個の検出手段の出力電圧と検出温度の基準となる基準電圧を生成する基準電圧発生手段の複数個の出力電圧を組み合わせれば、複数個の階乗の動作温度を設定する事が出来る。
【0129】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について図8および図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1〜3にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0130】
本実施形態のICチップの温度保護回路は、前記実施の形態2の温度保護回路における基準電圧発生回路151−1・151−2に代えて、基準電圧発生回路151−1・151−2の機能を兼ね備える1つの基準電圧発生回路151Aを備える以外は、前記実施の形態2の温度保護回路と同一の構成となっている。基準電圧発生回路151Aは、検出温度の基準となる第1の基準電圧V+1および第2の基準電圧V+2を生成すると共に、第1の基準電圧V+1を出力する出力端子(第1の基準電圧出力端子)V+1と、第2の基準電圧V+2を出力する出力端子(第2の基準電圧出力端子)V+2とを備えている。
【0131】
温度検出回路152−1と温度検出回路152−2とは、同一の回路構成を持ち、かつ、同一の回路定数を持つため、電圧V−1と電圧V−2とは、同様の温度変化を示す。
【0132】
一方、本実施形態では、基準電圧発生回路が1回路のみ(基準電圧発生回路151A)である。基準電圧発生回路151Aは、図9に示すように、2つの出力端子V+1・V+2を持つ点と、基準電圧発生回路151−1における抵抗R2に代えて、直列接続された2つの抵抗R2−1・R2−2が設けられている点とを除いて、実施の形態1の基準電圧発生回路151−1と同一の構成を備えている。出力電圧V+1は抵抗R2は抵抗R2−1と抵抗R2−2との接続点に設けられた出力端子V+1より出力し、出力電圧V+2は抵抗R2−2とQ6のコレクタとの接続点に設けられた出力端子V+2より出力しているため、出力電圧V+1と出力電圧V+2とは異なった値となっている。
【0133】
本実施形態の場合には、抵抗R1を12kΩ、抵抗R2−1は120kΩ、抵抗R2−2は10kΩに、抵抗R7は200kΩにそれぞれ設定している。
【0134】
前述の実施の形態1で説明した内容と同様にICチップ温度別の電圧V+1と電圧V+2の値を計算すれば、前述の表2と同じとなる。
【0135】
比較回路153−1・153−2の動作の代表例も実施の形態1と同じであるので省略する。アプリケーション側のシステム(動作停止回路16)の動作の代表例も前述の実施の形態1と同じであるので説明は省略する。
【0136】
本実施形態の温度保護回路は、上述のごとく実施の形態1〜3と比較して回路を簡素化しているため、アプリケーション側のシステム(動作停止回路16)が異常になった場合や比較回路153−1又は比較回路153−2が異常になった場合のみ、前述の実施の形態1と同じく、ICチップ温度が所定以上の温度に上昇する事がないため、発煙・発火を防止することができる。
【0137】
以上のように、本実施形態のICの温度保護回路は、ICチップの温度を電圧として検出して出力する温度検出手段の同一設定条件のものを複数個有し、検出温度の基準となる基準電圧を生成する異なる設定条件の基準電圧発生手段で出力ピンが複数の回路を1回路有し、上記温度検出手段の(温度の)検出電圧と上記基準電圧とを比較して比較結果を出力する比較手段を複数個有している。
【0138】
上記構成によれば、アプリケーション側で温度判定回路15−1・15−2の1つの出力情報に基づいて負荷への電流供給等の停止を決定するシステムが正常に動作不能になった場合において、さらにICチップ温度が上昇したときに他の温度判定回路でICチップの異常温度上昇を防止する事が出来るため、IC自身の自己防衛的なシステム(ICの温度保護回路)を提供することができる。
【0139】
この場合も、基準電圧発生手段が1つの回路であるため、従来とほぼ同じ回路構成で実現できる。
【0140】
〔実施の形態5〕
本発明の他の実施の形態について図10および図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1〜3にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0141】
本実施形態のICチップの温度保護回路は、前記実施の形態1の温度保護回路における温度検出回路152−1・152−2に代えて、温度検出回路152−1・152−2の機能を兼ね備える1つの温度検出回路152Aを備える以外は、前記実施の形態1の温度保護回路と同一の構成となっている。温度検出回路152Aは、ICチップ温度を第1の検出電圧V−1および第2の検出電圧V−2として検出すると共に、第1の検出電圧V−1を出力する出力端子(第1の出力端子)V−1と、第2の検出電圧V−2とを出力する出力端子(第2の出力端子)V−2とを備えている。
【0142】
基準電圧発生回路151−1と基準電圧発生回路151−2とは、同一の回路構成を持ち、かつ、同一の回路定数を持つため、電圧V−1と電圧V−2とは同様の温度変化を示す。
【0143】
一方、本実施形態では、温度検出回路が1回路のみ(温度検出回路152A)である。温度検出回路152Aは、図11に示すように、2つの出力端子V−1・V−2を持つ点と、温度検出回路152−1における抵抗R7−1に代えて、直列接続された2つの抵抗R7−1・R7−2が設けられている点を除いて、実施の形態1の温度検出回路152−1と同一の構成を備えている。出力電圧V−1は抵抗R7−1と抵抗R7−2の接続点に設けられた出力端子V−1より出力し、V−2は抵抗R7−2とQ7のコレクタとの接続点に設けられた出力端子V−2より出力しているため、出力電圧V−1と出力電圧V−2とは異なった値となっている。
【0144】
本実施形態の場合は、抵抗R1の抵抗値を12kΩ、抵抗R2の抵抗値を120kΩ、抵抗R7−1の抵抗値を190kΩ、抵抗R7−2の抵抗値を10kΩにそれぞれ設定している。
【0145】
前述の実施の形態1で説明した内容と同様にICチップ温度別の電圧V+1と電圧V+2の値を計算すれば、前述の表1と同じとなる。
【0146】
比較回路153−1・153−2の動作の代表例も実施の形態1と同じであるので省略する。アプリケーション側のシステム(動作停止回路16)の動作の代表例も前述の実施の形態1と同じであるので説明は省略する。
【0147】
本実施形態の構成は、上述のごとく回路を簡素化しているため、アプリケーション側のシステム(動作停止回路16)が異常になった場合や比較回路153−1又は比較回路153−2が異常になった場合のみ、前述の実施の形態1と同じく、ICチップ温度が所定以上の温度に上昇することがないため、発煙・発火を防止することができる。
【0148】
以上のように、本実施形態のICチップの温度保護回路は、ICチップの温度を電圧として検出して出力する温度検出手段の異なる設定条件で出力ピンが複数の回路を1回路を有し、検出温度の基準となる基準電圧を生成する同一設定条件の基準電圧発生手段を複数個有し、上記温度検出手段の(温度の)検出電圧と上記基準電圧とを比較して比較結果を出力する比較手段を複数個有している。
【0149】
上記構成によれば、アプリケーション側で1つの温度判定回路の出力情報に基づいて決定されるシステムが正常に動作不能になった場合において、さらにICチップ温度が上昇したときにもう一方の温度判定回路でICチップの異常温度上昇を防止する事が出来るため、IC自身の自己防衛的なシステムを供給することができる。
【0150】
この場合、温度検出手段は1つの回路であるため、従来とほぼ同じ回路構成で実現できる。
【0151】
〔実施の形態6〕
本発明の他の実施の形態について図12および図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1〜5にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0152】
本実施形態のICチップの温度保護回路は、前記実施の形態3の温度保護回路における基準電圧発生回路151−1・151−2に代えて、実施の形態5の1つの基準電圧発生回路151Aを備え、前記実施の形態3の温度保護回路における温度検出回路152−1・152−2に代えて、実施の形態5の1つの温度検出回路152Aを備える以外は、前記実施の形態3の温度保護回路と同一の構成となっている。
【0153】
本実施形態では、基準電圧発生回路が1回路のみ(基準電圧発生回路151A)である。基準電圧発生回路151Aは、図13に示すように、2つの出力端子V+1・V+2を持つ点と、基準電圧発生回路151−1における抵抗R2に代えて、直列接続された2つの抵抗R2−1・R2−2が設けられている点とを除いて、実施の形態1の基準電圧発生回路151−1と同一の構成を備えている。出力電圧V+1は抵抗R2は抵抗R2−1と抵抗R2−2との接続点に設けられた出力端子V+1より出力し、出力電圧V+2は抵抗R2−2とQ6のコレクタとの接続点に設けられた出力端子V+2より出力しているため、出力電圧V+1と出力電圧V+2とは異なった値となっている。
【0154】
また、本実施形態では、温度検出回路が1回路のみ(温度検出回路152A)である。温度検出回路152Aは、図13に示すように、2つの出力端子V−1・V−2を持つ点と、温度検出回路152−1における抵抗R7−1に代えて、直列接続された2つの抵抗R7−1・R7−2が設けられている点を除いて、実施の形態1の温度検出回路152−1と同一の構成を備えている。出力電圧V−1は抵抗R7−1と抵抗R7−2の接続点に設けられた出力端子V−1より出力し、V−2は抵抗R7−2とQ7のコレクタとの接続点に設けられた出力端子V−2より出力しているため、出力電圧V−1と出力電圧V−2とは異なった値となっている。
【0155】
本実施形態の場合には、抵抗R1の抵抗値を12kΩ、抵抗R2の抵抗値を120kΩ、抵抗R7−1の抵抗値を190kΩ、抵抗R7−2の抵抗値を10kΩにそれぞれ設定している。
【0156】
前述の実施の形態1で説明した内容と同様にICチップ温度別の電圧V+1とV+2の値を計算すれば、前述の表3と同じとなる。よって、動作は実施の形態3と同じになるため、説明を省略する。
【0157】
以上のように、本実施形態のICの温度保護回路は、ICチップの温度を電圧として検出して出力する温度検出手段の異なる設定条件で出力ピンが複数の回路を1回路有し、検出温度の基準となる基準電圧を生成する異なる設定条件の基準電圧発生手段で出力ピンが複数の回路を1回路有し、上記温度検出手段の(温度の)検出電圧と上記基準電圧とを比較して比較結果を出力する比較手段を複数個有している。
【0158】
そのため、アプリケーション側で1つの温度判定回路の出力情報に基づいて決定されるシステムが正常に動作不能になった場合において、さらにICチップ温度が上昇したときに他の温度判定回路でICチップの異常温度上昇を防止する事が出来るため、IC自身の自己防衛的なシステムを供給する事が出来る。
【0159】
本実施形態では、上述した如く、温度検出手段及び基準電圧発生手段共に1つの回路であり、従来の温度検出回路および基準電圧発生回路と同程度の回路規模で実現できる。そのため、実施の形態4・5よりも回路をさらに簡素化できるため、より小さい回路規模で、より安価なICの温度保護回路を提供することできる。
【0160】
本発明の温度保護回路は、以上のように、ICチップの温度を電圧として検出して出力する温度検出手段と、検出温度の基準となる基準電圧発生手段と上記温度検出手段の電圧と基準電圧発生手段の上記基準電圧とを比較して比較結果を出力する比較手段を備えた上記ICチップの温度を判定する温度判定回路を、それぞれ複数か、もしくは複数に近い手段を有し、温度検出手段又は基準電圧発生手段のいずれか一方又は双方とも設定条件を異ならせた構成となっているため、万一、アプリケーション側の制御システムで不具合が合った場合や、基準電圧発生手段や温度検出手段や比較回路等が異常になった場合でも、アプリケーション側の駆動回路を停止する事ができ、所定温度以上ICチップ温度が上昇する事がないため、発煙・発火を防止する事ができ、信頼性の高い温度保護回路、しいては信頼性の高いアプリケーションを含めたシステムを提供する事ができる。
【0161】
また、実施の形態6のように、アプリケーション側の制御異常だけを防止した、IC自身の自己防衛的のみを目的とした場合、従来とほぼ同じ回路規模で実現出来るためより安価な温度保護回路を提供することができる。
【0162】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0163】
【発明の効果】
以上のように、本発明の温度判定回路によれば、第1の比較手段が異常になった場合にも、第2の比較手段によって正常な温度判定を行うことができる。これにより、温度判定回路外部の駆動手段によってICチップの一部または全体の動作を停止させる等により、ICチップの異常温度上昇を防止することが可能となる。したがって、本発明は、回路の一部が動作不能になってもICチップの異常温度上昇を検出できる信頼性の高い温度判定回路を提供することができるという効果を奏する。
【0164】
また、以上のように、本発明の温度判定回路によれば、したがって、本発明は、回路の一部が動作不能になってもICチップの異常温度上昇を防止できる信頼性の高いICチップの温度保護回路を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る温度保護回路のブロック構成とアプリケーション側の代表的な制御ブロック構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るICチップの温度と比較回路の入出力電圧特性を示すグラフである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る基準電圧発生回路と温度検出回路の代表的な回路構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る基準電圧発生回路と温度検出回路の代表的な回路構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るICチップの温度と比較回路の入出力電圧特性を示すグラフである。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る基準電圧発生回路と温度検出回路の代表的な回路構成を示す回路図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るICチップの温度と比較回路の入出力電圧特性を示すグラフである。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る温度保護回路のブロック構成とアプリケーション側の代表的な制御ブロック構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る基準電圧発生回路と温度検出回路の代表的な回路構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係る温度保護回路のブロック構成とアプリケーション側の代表的な制御ブロック構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る基準電圧発生回路と温度検出回路の代表的な回路構成を示す回路図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係る温度保護回路のブロック構成とアプリケーション側の代表的な制御ブロック構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係る基準電圧発生回路と温度検出回路の代表的な回路構成を示す回路図である。
【図14】関連技術の温度検出回路の代表的な制御ブロック構成を示すブロック図である。
【図15】関連技術の基準電圧発生回路と温度検出回路の代表的な回路構成を示す回路図である。
【図16】関連技術のICチップの温度と比較回路の入出力電圧特性を示すグラフである。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る温度保護回路が備える比較回路の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
15−1、15−2 温度判定回路
151−1 基準電圧発生回路(第1の基準電圧生成手段)
151−2 基準電圧発生回路(第2の基準電圧生成手段)
151A 基準電圧発生回路
152−1 温度検出回路(第1の温度検出手段)
152−2 温度検出回路(第2の温度検出手段)
152A 温度検出回路
153−1 比較回路(第1の比較手段)
153−2 比較回路(第2の比較手段)
R1,R2、R7、R2−1,R2−2,R7−1,R7−2 抵抗
D1 ダイオード
Q1〜Q7 トランジスタ
V+1 基準電圧発生回路の出力電圧(第1の基準電圧)
V+2 基準電圧発生回路の出力電圧(第2の基準電圧)
V−1 温度検出回路の出力電圧(第1の検出電圧)
V−2 温度検出回路の出力電圧(第2の検出電圧)
V01 比較回路の出力電圧(第1の比較結果)
V02 比較回路の出力電圧(第2の比較結果)
VCC 電源電圧
V+1 出力端子(第1の基準電圧出力端子)
V+2 出力端子(第2の基準電圧出力端子)
V−1 出力端子(第1の出力端子)
V−2 出力端子(第2の出力端子)

Claims (5)

  1. ICチップの温度を判定する温度判定回路と、第1の動作停止手段と、第2の動作停止手段とを備えるICチップの温度保護回路において、
    上記温度判定回路は、
    上記ICチップの温度を電圧として検出して第1の検出電圧を出力する第1の温度検出手段と、
    上記ICチップの温度を電圧として検出して第2の検出電圧を出力する第2の温度検出手段と、
    検出温度の基準となる第1の基準電圧を生成する第1の基準電圧生成手段と、
    検出温度の基準となる第2の基準電圧を生成する第2の基準電圧生成手段と、
    上記第1の温度検出手段から出力された第1の検出電圧と、第1の基準電圧とを比較して第1の比較結果を出力する第1の比較手段と、
    上記第2の温度検出手段から出力された第2の検出電圧と、第2の基準電圧とを比較して第2の比較結果を出力する第2の比較手段とを備え、
    上記第1の温度検出手段における温度対第1の検出電圧の特性と、上記第2の温度検出手段における温度対第2の検出電圧の特性とが異なり、
    上記第1の基準電圧と第2の基準電圧とが同一であり、
    上記第2の検出電圧と上記第2の基準電圧とが等しくなる温度が、上記第1の検出電圧と上記第1の基準電圧とが等しくなる温度より高く、
    上記第1の動作停止手段は、第1の比較手段から出力された第1の比較結果が、基準電圧より検出電圧が高い結果となった場合に、ICチップの少なくとも一部の動作を停止させ、
    上記第2の動作停止手段は、第2の比較手段から出力された第2の比較結果が、基準電圧より検出電圧が高い結果となった場合に、ICチップの少なくとも一部の動作を停止させることにより、上記第1の動作停止手段が動作する温度よりさらにICチップが高温になった場合に動作することを特徴とするICチップの温度保護回路。
  2. ICチップの温度を判定する温度判定回路と、第1の動作停止手段と、第2の動作停止手段とを備えるICチップの温度保護回路において、
    上記温度判定回路は、
    上記ICチップの温度を電圧として検出して第1の検出電圧を出力する第1の温度検出手段と、
    上記ICチップの温度を電圧として検出して第2の検出電圧を出力する第2の温度検出手段と、
    検出温度の基準となる第1の基準電圧を生成する第1の基準電圧生成手段と、
    検出温度の基準となる第2の基準電圧を生成する第2の基準電圧生成手段と、
    上記第1の温度検出手段から出力された第1の検出電圧と、第1の基準電圧とを比較して第1の比較結果を出力する第1の比較手段と、
    上記第2の温度検出手段から出力された第2の検出電圧と、第2の基準電圧とを比較して第2の比較結果を出力する第2の比較手段とを備え、
    上記第1の温度検出手段における温度対第1の検出電圧の特性と、上記第2の温度検出手段における温度対第2の検出電圧の特性とが同一であり、
    上記第1の基準電圧と第2の基準電圧とが異なり、
    上記第2の検出電圧と上記第2の基準電圧とが等しくなる温度が、上記第1の検出電圧と上記第1の基準電圧とが等しくなる温度より高く、
    上記第1の動作停止手段は、第1の比較手段から出力された第1の比較結果が、基準電圧より検出電圧が高い結果となった場合に、ICチップの少なくとも一部の動作を停止させ、
    上記第2の動作停止手段は、第2の比較手段から出力された第2の比較結果が、基準電 圧より検出電圧が高い結果となった場合に、ICチップの少なくとも一部の動作を停止させることにより、上記第1の動作停止手段が動作する温度よりさらにICチップが高温になった場合に動作することを特徴とするICチップの温度保護回路。
  3. ICチップの温度を判定する温度判定回路と、第1の動作停止手段と、第2の動作停止手段とを備えるICチップの温度保護回路において、
    上記温度判定回路は、
    上記ICチップの温度を電圧として検出して第1の検出電圧を出力する第1の温度検出手段と、
    上記ICチップの温度を電圧として検出して第2の検出電圧を出力する第2の温度検出手段と、
    検出温度の基準となる第1の基準電圧を生成する第1の基準電圧生成手段と、
    検出温度の基準となる第2の基準電圧を生成する第2の基準電圧生成手段と、
    上記第1の温度検出手段から出力された第1の検出電圧と、第1の基準電圧とを比較して第1の比較結果を出力する第1の比較手段と、
    上記第2の温度検出手段から出力された第2の検出電圧と、第2の基準電圧とを比較して第2の比較結果を出力する第2の比較手段とを備え、
    上記第1の温度検出手段における温度対第1の検出電圧の特性と、上記第2の温度検出手段における温度対第2の検出電圧の特性とが異なり、
    上記第1の基準電圧と第2の基準電圧とが異なり、
    上記第2の検出電圧と上記第2の基準電圧とが等しくなる温度が、上記第1の検出電圧と上記第1の基準電圧とが等しくなる温度より高く、
    上記第1の動作停止手段は、第1の比較手段から出力された第1の比較結果が、基準電圧より検出電圧が高い結果となった場合に、ICチップの少なくとも一部の動作を停止させ、
    上記第2の動作停止手段は、第2の比較手段から出力された第2の比較結果が、基準電圧より検出電圧が高い結果となった場合に、ICチップの少なくとも一部の動作を停止させることにより、上記第1の動作停止手段が動作する温度よりさらにICチップが高温になった場合に動作することを特徴とするICチップの温度保護回路。
  4. 上記第1の温度検出手段、第2の温度検出手段、第1の基準電圧生成手段、第2の基準電圧生成手段、第1の比較手段および第2の比較手段が、全て1つのICチップに搭載されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のICチップの温度保護回路。
  5. 上記第1の動作停止手段および第2の動作停止手段は、一旦動作を停止させたICチップを復帰させることができるようになっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のICチップの温度保護回路。
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