JPH11271256A - 接触燃焼式ガスセンサの断線・短絡検出回路 - Google Patents

接触燃焼式ガスセンサの断線・短絡検出回路

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JPH11271256A
JPH11271256A JP10074230A JP7423098A JPH11271256A JP H11271256 A JPH11271256 A JP H11271256A JP 10074230 A JP10074230 A JP 10074230A JP 7423098 A JP7423098 A JP 7423098A JP H11271256 A JPH11271256 A JP H11271256A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定電流方式の接触燃焼式ガスセンサに適用す
ることのできる断線・短絡検出回路を提供する 【解決手段】 基準素子1aと検知素子1bの直列回路
と並列に高抵抗回路R11,R14を接続する。第1及
び第2の電圧検出手段21及び22が基準素子1a及び
検知素子1bの両端電圧をそれぞれ検出して出力する。
第1及び第2ののオア回路が検出回路の出力する電圧の
大きい方及び小さい電圧をそれぞれ出力する。比較手段
23,24が正常動作時に基準素子及び検知素子の両端
間に発生する最大電圧値よりも大きい電圧を上限基準電
圧、最小電圧値よりも小さい電圧を下限基準電圧として
オア回路の出力する電圧と比較し、上限基準電圧以上と
なったとき、又は、下限基準電圧以下となったときに、
素子の断線、短絡を検出したことを示す信号を出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接触燃焼式ガスセン
サの断線・短絡検出回路に係り、特に、雰囲気温度のみ
に応じて抵抗値が変化する基準素子と、雰囲気温度及び
検知ガス濃度の両方に応じて抵抗値が変化する検知素子
とを互いに直列に接続して構成した接触燃焼式ガスセン
サの断線・短絡検出回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、接触燃焼式ガスセンサを構成す
る検知素子と基準素子は、検知素子が例えば素線径φ5
0μmの白金線をコイル状に成形し、このコイル状に成
形した白金線の表面にPd,Rh,Pt等の貴金属を担
持したアルミナ触媒を塗布してから焼結した後、防爆用
の金網をかぶせて形成されているのに対し、素線径φ5
0μmの白金線を検知素子と同様にコイル状に成形して
形成したコイルを使用し、白金線に担体であるアルミナ
のみを塗布し焼結したものに金網をかぶせて基準素子が
形成されている点で相違しているが、外観上はほぼ同一
の構造を有している。
【0003】このような接触燃焼式ガスセンサを使用し
て構成される従来のガス漏れ検出装置としては、図2に
示すような構成のものが一般に使用されている。
【0004】同図において、基準素子1aと検知素子1
bとは定電圧回路2とアース間に直列に接続されてい
る。両素子は周囲温度の変化に応じて各々が有する互い
に同一の固定抵抗値に周囲温度に応じた温度変化分の抵
抗値の加わった抵抗を呈することで周囲温度の変化によ
る出力変化分を殆どなくし、しかも検知素子1bについ
ては周囲の燃焼ガスを吸着して燃焼したことによって生
じる温度上昇分の抵抗値をも加算した抵抗値を呈するこ
とにより、この検知素子1bの抵抗値の増加によって、
両素子の接続点にガス濃度に応じた大きさの分圧電圧が
検知ガス濃度信号として出力されるようになっている。
【0005】ところで、上述したガスセンサはガス漏れ
などのガスを検知しガス濃度が危険レベル以上となった
ときに警報を発生したり、あるいは、ガス供給を遮断し
たりするための信号を発するガス漏れ検出装置などに適
用され、ガス安全機器として重要なものであるので、ガ
スセンサを構成している基準素子や検知素子の不具合に
よってガス漏れなどを正常に検出できなくなることがあ
ってはならない。
【0006】そこで、従来、ガスセンサには、これを構
成する基準素子や検知素子の断線や短絡の不具合の発生
を検出してその旨を警報するなどして、不具合な状態に
放置されることがないようにする断線・短絡検出回路が
組み込まれている。
【0007】図3は図2について上述した定電圧回路か
らの定電圧によって動作するようにしたガスセンサに適
用された従来の断線・短絡検出回路の一例を示す。同図
において、定電圧回路2は電源ラインLから供給される
直流電源を安定して第1及び第2の出力に一定の電圧V
1 及びV2 を出力する。定電圧回路2の第1の出力とア
ース間に直列に接続された基準素子1aと検知素子1b
との接続点には、第1の出力の電圧V1 を基準素子1a
及び1bの抵抗値によって分圧した検知電圧V S が発生
される。この接続点に発生される検知電圧VS は、上限
比較を行うコンパレータを構成するオペアンプ3aの反
転入力に印加されると共に、下限比較を行うコンパレー
タを構成するオペアンプ3bの非反転入力に印加され、
オペアンプ3aの非反転入力及びオペアンプ3bの反転
入力に印加されている基準電圧V REF1及びVREF2とそれ
ぞれ比較される。この基準電圧VREF1及びVREF2は、定
電圧回路2の第2の出力とアース間に直列に接続された
抵抗R1〜R3によって形成された分圧回路によって、
抵抗R1及びR2と抵抗R2及びR3の相互接続点に発
生されている。
【0008】なお、定電圧回路2の第2の出力は、抵抗
R4を介して基準素子1aと検知素子1bとの相互接続
点にも接続されている。また、オペアンプ3a及び3b
の出力は抵抗R5を介して電源ラインLに接続されると
共に、抵抗R6を介してNPNトランジスタTrのベー
スに接続されている。トランジスタTrのベースは抵抗
R7を介して、エミッタは直接アースにそれぞれ接続さ
れると共に、コレクタは抵抗R8及びR9を介して出力
端子OUTに接続されている。抵抗R8及びR9の相互
接続点はコンデンサCを介してアースに接続されてい
る。
【0009】以上説明した断線・短絡検出回路におい
て、基準素子1a及び検知素子1bが正常に機能してい
るときには、両者の相互接続点に発生される検知電圧V
S は基準電圧VREF1及びVREF2に対してVREF2<VS
REF1なる関係にあり、よってオペアンプ3a及び3b
の出力は共にHレベルとなっている。オペアンプ3a及
び3bの出力がHレベルになっているときには、出力回
路を構成するトランジスタTrはオンして出力端子OU
TはLレベルとなっている。しかし、基準素子1aの断
線、基準素子1aの短絡、検知素子1bの短絡、検知素
子1bの断線、基準素子1a及び検知素子1bの断線、
或いは、基準素子1a及び検知素子1bの短絡が生じる
と、オペアンプ3a又は3bの出力がLレベルとなって
トランジスタTrがオフとなるので、出力端子OUTは
Hレベルとなり、この出力端子OUTがLからHレベル
に立ち上がることによって基準素子1a又は検知素子1
bに断線又は短絡が生じたことを検出することができ
る。
【0010】上述した定電圧方式の接触燃焼式ガスセン
サの場合、基準素子1aと検知素子1bによる分圧電圧
を信号出力としているため、ガス濃度の変化に応じて変
化する出力信号の変化が小さく、十分な感度が得られな
いという難点がある。
【0011】そこで、図4に示すような構成の定電流方
式の接触燃焼式ガスセンサを使用することが考えられて
いる。同図において、基準素子1aと検知素子1bとは
定電流回路11とアース間に直列に接続されている。両
素子は図2について上述したものと同一のものでよい。
両素子は周囲温度の変化に応じて各々が有する互いに同
一の固定抵抗値に周囲温度に応じた温度変化分の抵抗値
の加わった抵抗を呈し、しかも検知素子1bについては
周囲の燃焼ガスを吸着して燃焼したことによって生じる
温度上昇分の抵抗値をも加算した抵抗値を呈する。この
ことにより、基準素子1aの両端には、固定抵抗値によ
る電圧降下VK と周囲温度に応じた抵抗値による電圧降
下VT とを加算した電圧が生じるのに対し、検知素子1
bの両端には、固定抵抗値による電圧降下VK と周囲温
度に応じた抵抗値による電圧降下VT とガス濃度に応じ
たガス燃焼で生じる抵抗値増加による電圧降下Vα
を加算した電圧が生じる。
【0012】よって、基準素子1aの上端電圧2(VK
+VT )+Vα を差動増幅回路を構成するオペアンプ
12の非反転入力に印加し、かつ基準素子1a及び検知
素子1bの相互接続点の電圧VK +VT +Vα をオペ
アンプ12の反転入力に印加することによって、オペア
ンプ12の出力にVK +VT なる電圧を得、これを差動
増幅回路を構成するオペアンプ13の反転入力に印加
し、かつ基準素子1a及び検知素子1bの相互接続点の
電圧VK +VT +Vα をオペアンプ13の非反転入力
に印加することによって、オペアンプ13の出力に電圧
Vα を得る。すなわち、オペアンプ13の出力には、
ガス濃度に応じた電圧Vα のみが得られる。この電圧
Vα をコンパレータを構成するオペアンプ14a及び
14bの非反転入力に印加し、オペアンプ14a及び1
4bの反転入力に印加した警報すべき第1及び第2のガ
ス濃度レベルに応じた電圧VU1及びVU2と比較する。
【0013】検知したガス濃度に応じてのみ変化する電
圧Vα が警報すべき第1のガス濃度レベルに応じた電
圧VU1より大きいときにはオペアンプ14aの出力が、
第2のガス濃度レベルに応じた電圧VU2より大きいとき
にはオペアンプ14a及び14bの両出力がそれぞれL
からHレベルとなる。よって、オペアンプ14a及び1
4bの出力によって検知したガス濃度が警報レベルを越
えているかどうかを、高い感度で知ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した定電
流方式の接触燃焼式ガスセンサにおいて、例えば、基準
素子1aの正常動作時の両端電圧は常温25℃、定電流
値170mAで0.6V±0.06Vであり、電圧係数は定電
流値170mAで0.8mV±10%/℃=0.8mV±0.08m
V/℃であって、250℃での最大変化幅は+(250−2
5)℃×0.88mV/℃=+198mV、−40℃では−
(250−(−40))×0.88V/℃=−57.2mVである。よ
って、基準素子1aの両端電圧の最大値は0.66V+0.19
8V=0.858V、最小値は0.54V−0.0572V=0.4828Vであ
る。
【0015】また、検知素子1bの正常動作時の両端電
圧は常温25℃、定電流値170mAで0.6V±0.06V
であり、電圧係数は定電流値180mAで0.8mA±10
%/℃=0.8mA±0.08mA/℃であって、250℃では
+(250−25)℃×0.88mV/℃=+198mV、−40
℃では−(250−(−40))×0.88V/℃=−57.2mVで
ある。これらは、ガス吸着単体を有する以外素子構成が
同じであるので、基準素子1aと全く同じである。検知
素子1bのガス感度係数は、11.5mV±25%/1000ppm
であり、最大値は14.375mV/1000ppmとなる。最大検
知ガス濃度を6400ppmとしたとき、ガスによる検知素子
1bの両端電圧の上昇分は6400ppm×14.375mV/1000p
pm=92mVとなる。検知素子1bの経年変化幅を±3000p
pmとすると、+3000ppmでは+14.375mV×3=+43.125
mV、−3000ppmでは−14.375mV×3=−43.125mVと
なる。上述した全てを包含したときの検知素子1bの両
端電圧の上限値は0.66V+0.198V+0.092V+0.043125
V=0.993125Vとなり、下限値は0.54−0.057−0.043125
=0.439675Vとなる。
【0016】よって基準素子1aの上方端子の電圧、す
なわち、定電流回路11と接続された端子の電圧(以下
上端電圧という)は、その上限値が0.858V+0.993125
V=1.851125Vとなり、下限値が0.4828V+0.439675V=
0.922475Vとなる。
【0017】上述したように、基準素子1a及び検知素
子1bが正常時の基準素子1a上端電圧が0.922475V〜
1.851125Vの範囲にあり、検知素子1bの両端電圧が0.
439675V〜0.993125Vの範囲にあるので、基準素子1a
が短絡したときには基準素子1aの上方端子に検知素子
1bの両端電圧0.439675V〜0.993125Vが出現し、検知
素子1bが短絡したときには基準素子1aの上方端子に
基準素子1aの両端電圧0.4828V〜0.858Vが出現する
ようになる。
【0018】このため、定電流方式の接触燃焼式ガスセ
ンサでは、基準素子1aが短絡したときには、基準素子
1aの上方端子に出現する電圧の上限値0.993125Vが、
基準素子1a及び検知素子1bが正常時の基準素子1a
上端電圧の下限値0.922475Vよりも大きくなって、正常
時の電圧と異常時の電圧とが重なるようになるため、定
電圧方式の接触燃焼式ガスセンサの断線・短絡検出回路
において採用したように、素子の端子電圧を2つの基準
電圧と比較して断線や短絡を判断することができない。
【0019】よって本発明は、定電流方式の接触燃焼式
ガスセンサに適用することのできる断線・短絡検出回路
を提供することを課題としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
なされた請求項1記載の本発明は、電源からの電圧に基
づいて一定電流を供給する定電流源と、一端が前記定電
流源に接続され周囲温度に応じて抵抗値が変化する基準
素子と、該基準素子の他端とアース間に接続され周囲温
度と検知ガス濃度に応じて抵抗値が変化する検知素子と
を有し、前記基準素子の両端電圧を利用し前記検知素子
の両端電圧の周囲温度による電圧分を打ち消した検知ガ
ス濃度に応じた電圧を得るようにした接触燃焼式ガスセ
ンサにおいて前記基準素子及び前記検知素子の断線及び
短絡を検出する断線・短絡検出回路であって、前記定電
流源とアース間に前記基準素子と前記検知素子の直列回
路と並列に接続された高抵抗回路と、前記定電流源及び
前記基準素子の相互接続点の電圧と前記基準素子及び前
記検知素子の相互接続点の電圧との差を検出して出力す
る第1の電圧検出手段と、前記基準素子及び検知素子の
相互接続点の電圧を検出して出力する第2の電圧検出手
段と、前記第1の電圧検出回路の出力する電圧と前記第
2の電圧検出回路の出力する電圧の大きい方の電圧を出
力する第1のオア回路と、前記第1の電圧検出回路の出
力する電圧と前記第2の電圧検出回路の出力する電圧の
小さい方の電圧を出力する第2のオア回路と、正常動作
時に前記基準素子及び検知素子の両端間に発生する最大
電圧値よりも大きい電圧を上限基準電圧、正常動作時に
前記基準素子及び検知素子の両端間に発生する最小電圧
値よりも小さい電圧を下限基準電圧として前記第1のオ
ア回路及び前記第2のオア回路の出力する電圧と比較す
る比較手段とを備え、前記高抵抗回路は、該高抵抗回路
にのみ前記定電流源からの定電流が流れたとき前記定電
流源及び前記基準素子の相互接続点に前記上限基準電圧
より大きな電圧を発生し、前記比較手段は、前記第1の
オア回路の出力する電圧が前記上限基準電圧以上となっ
たとき、又は、前記第2のオア回路の出力する電圧が前
記下限基準電圧以下となったときに、前記基準素子及び
前記検知素子の断線、短絡を検出したことを示す信号を
出力することを特徴とする接触燃焼式ガスセンサの断線
・短絡検出回路に存する。
【0021】請求項1記載の発明によれば、定電流源と
アース間に基準素子と検知素子の直列回路と並列に高抵
抗回路が接続されているので、基準素子又は検知素子の
断線によって直列回路に定電流回路からの定電流が流れ
なくなると、定電流は高抵抗回路にのみ流れ、定電流源
と基準素子との接続点に上限基準電圧より大きな電圧が
発生するようになる。
【0022】定電流源及び基準素子の相互接続点の電圧
と基準素子及び検知素子の相互接続点の電圧との差を検
出して出力する第1の電圧検出手段は基準素子の両端電
圧を検出して出力し、基準素子及び検知素子の両方が正
常であるとき両素子の両端電圧の差に相当する電圧を出
力し、基準素子が断線したとき定電流源と基準素子との
接続点の大きな電圧を出力し、基準素子が短絡したとき
0Vの電圧を出力するようになる。
【0023】一方、基準素子及び検知素子の相互接続点
の電圧を検出して出力する第2の電圧検出手段は検知素
子の両端電圧を出力し、基準素子及び検知素子の両方が
正常であるとき又は基準素子が短絡したとき検知素子の
両端電圧に相当する電圧を出力し、基準素子又は検知素
子が断線したとき0Vの電圧を出力し、検知素子が短絡
したとき0Vの電圧を出力するようになる。
【0024】第1の電圧検出回路の出力する電圧と第2
の電圧検出回路の出力する電圧の大きい方の電圧を出力
する第1のオア回路と、第1の電圧検出回路の出力する
電圧と第2の電圧検出回路の出力する電圧の小さい方の
電圧を出力する第2のオア回路とは、基準素子及び検知
素子の両方が正常であるとき基準素子又は検知素子の両
端電圧の大きい方の電圧と小さい方の電圧をそれぞれ出
力する。
【0025】第1のオア回路及び第2のオア回路の出力
する電圧と比較する比較手段は、正常動作時に基準素子
及び検知素子の両端間に発生する最大電圧値よりも大き
い電圧を上限基準電圧、正常動作時に前記基準素子及び
検知素子の両端間に発生する最小電圧値よりも小さい電
圧を下限基準電圧としているので、基準素子及び検知素
子の両方が正常であるとき、第1のオア回路の出力する
電圧は上限基準電圧より大きくなることがなく、また第
2のオア回路の出力する電圧は下限基準電圧より小さく
なることがなく、その出力には基準素子及び検知素子の
断線、短絡を検出したことを示す信号が出力されること
がない。
【0026】しかし、基準素子又は検知素子が断線した
とき第1の電圧検出手段は定電流源と基準素子との接続
点の大きな電圧を出力し、第2の電圧検出手段は0Vの
電圧を出力するようになり、第1のオア回路の出力には
上限基準電圧より大きな電圧が出力されるようになると
ともに、第2のオア回路の出力には下限基準電圧より小
さい0Vの電圧がそれぞれ出力されるようになる。
【0027】また、基準素子が短絡したとき第1の電圧
検出回路は0Vの電圧を出力し、第2の電圧検出回路が
検知素子の両端電圧を出力するようになり、第1のオア
回路の出力には上限基準電圧以下の電圧が出力されるよ
うになるが、第2のオア回路の出力には下限基準電圧よ
り小さい0Vの電圧がそれぞれ出力されるようになる。
【0028】更に、検知素子が短絡したとき第1の電圧
検出手段は基準素子の両端電圧に相当する電圧を出力
し、第2の電圧検出手段は0Vの電圧を出力するように
なり、第1のオア回路の出力には上限基準電圧以下の電
圧が出力されるようになるが、第2のオア回路の出力に
は下限基準電圧より小さい0Vの電圧がそれぞれ出力さ
れるようになる。
【0029】よって、基準素子又は検知素子が断線した
とき、基準素子が短絡したとき、検知素子が短絡したと
きには、比較手段の出力には基準素子及び検知素子の断
線、短絡を検出したことを示す信号が出力される。
【0030】上記課題を解決するためなされた請求項2
記載の本発明は、請求項1記載の接触燃焼式ガスセンサ
の断線・短絡検出回路において、前記第1のオア回路
は、アノードが前記第1の電圧検出手段及び前記第2の
電圧検出手段の出力にそれぞれ接続され、カソードが相
互接続された第1及び第2のダイオードと、カソードが
前記第1及び第2のダイオードの相互接続されたカソー
ドに接続されると共に抵抗を介してアースに接続され、
アノードが抵抗を介して前記電源に接続された第5のダ
イオードとを有し、前記第5のダイオードのアノードと
前記抵抗との接続を出力とし、前記第1の電圧検出回路
の出力する電圧と前記第2の電圧検出回路の出力する電
圧の大きい方の電圧を出力し、前記第2のオア回路は、
カソードが前記第1の電圧検出手段及び前記第2の電圧
検出手段の出力にそれぞれ接続され、アノードが相互接
続された第3及び第4のダイオードと、アノードが前記
第3及び第4のダイオードの相互接続されたアノードに
接続されると共に抵抗を介して前記電源に接続され、カ
ソードが抵抗を介してアースに接続された第6のダイオ
ードとを有し、前記第6のダイオードのカソードと前記
抵抗との接続を出力とし、前記第1の電圧検出回路の出
力する電圧と前記第2の電圧検出回路の出力する電圧の
小さい方の電圧を出力することを特徴とする接触燃焼式
ガスセンサの断線・短絡検出回路に存する。
【0031】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の作用に加えて、第1のオア回路は、アノード
が第1の電圧検出手段及び第2の電圧検出手段の出力に
それぞれ接続され、カソードが相互接続された第1及び
第2のダイオードと、カソードが第1及び第2のダイオ
ードの相互接続されたカソードに接続されると共に抵抗
を介してアースに接続され、アノードが抵抗を介して電
源に接続された第5のダイオードとを有し、第5のダイ
オードのアノードと抵抗との接続を出力としているの
で、第1の電圧検出回路の出力する電圧と第2の電圧検
出回路の出力する電圧の大きい方の電圧を出力する。
【0032】第2のオア回路は、カソードが第1の電圧
検出手段及び第2の電圧検出手段の出力にそれぞれ接続
され、アノードが相互接続された第3及び第4のダイオ
ードと、アノードが第3及び第4のダイオードの相互接
続されたアノードに接続されると共に抵抗を介して電源
に接続され、カソードが抵抗を介してアースに接続され
た第6のダイオードとを有し、第6のダイオードのカソ
ードと抵抗との接続を出力としているので、第1の電圧
検出回路の出力する電圧と第2の電圧検出回路の出力す
る電圧の小さい方の電圧を出力することができる。
【0033】上記課題を解決するためなされた請求項3
記載の本発明は、請求項1又は2記載の接触燃焼式ガス
センサの断線・短絡検出回路において、前記比較手段
は、反転入力に前記第1のオア回路の出力が、非反転入
力に前記上限基準電圧がそれぞれ印加される演算増幅器
からなる上限比較手段と、非反転入力に前記第2のオア
回路の出力が、反転入力に前記下限基準電圧がそれぞれ
印加される演算増幅器からなる下限比較手段とを有する
ことを特徴とする接触燃焼式ガスセンサの断線・短絡検
出回路に存する。
【0034】請求項3記載の発明によれば、請求項1又
は2記載の発明の作用に加えて、上限比較手段を構成す
る演算増幅器は、反転入力に第1のオア回路の出力が、
非反転入力に上限基準電圧がそれぞれ印加され、下限比
較手段を構成する演算増幅器は、非反転入力に第2のオ
ア回路の出力が、反転入力に下限基準電圧がそれぞれ印
加されるので、基準素子及び検知素子が共に正常である
とき、これらの出力はHレベルに保持されているが、基
準素子又は検知素子が断線したとき第1のオア回路の出
力には上限基準電圧より大きな電圧が出力されるように
なるとともに、第2のオア回路の出力には下限基準電圧
より小さい0Vの電圧がそれぞれ出力されるようになっ
て、これらの出力は共にLレベルになり、基準素子が短
絡したとき第2のオア回路の出力には下限基準電圧より
小さい0Vの電圧が出力されるようになって、下限比較
手段の出力はLレベルとなり、検知素子が短絡したとき
第2のオア回路の出力には下限基準電圧より小さい0V
の電圧が出力されるようになって、下限比較手段の出力
はLレベルとなる。
【0035】よって、上限比較手段又は下限比較手段の
出力がHからLレベルに変化することによって、基準素
子又は検知素子の断線、基準素子の短絡、或いは検知素
子の短絡を検出したことが信号出力される。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明による接触燃焼式ガ
スセンサの断線・短絡検出回路の一実施の形態を示す回
路図であり、同図において、定電流回路11とアース間
に基準素子1aと検知素子1bが直列に接続されてお
り、基準素子1aの上方端子が抵抗R11を介して差動
増幅器を構成するオペアンプ(演算増幅器)21の非反
転入力に接続され、検知素子1bと相互接続される下方
端子が抵抗R12を介してオペアンプ21の反転入力に
接続されている。オペアンプ21によって構成された差
動増幅器は、その両入力に印加される電圧の差、すなわ
ち、基準素子1aの両端電圧に応じた大きさの電圧を出
力する。また、基準素子1aと相互接続されている検知
素子1bの上方端子が抵抗R13を介して反転増幅器を
構成するオペアンプ22の反転入力に接続されており、
反転増幅器を構成するオペアンプ22は検知素子上端電
圧と演算基準電圧との差分を、演算基準電圧を中心に極
性反転させて出力する。なお、オペアンプ22の非反転
入力は演算基準電圧(約0.6 V)に接続されている。
【0037】差動増幅器を構成しているオペアンプ21
の非反転入力は抵抗R14を介してアースに接続されて
いるが、この抵抗R14の抵抗値は基準素子1a及び検
知素子1bの合計抵抗値よりも十分に大きな抵抗値を有
するように設定さている。よって、両素子が正常である
ときには、もっぱら両素子に定電流回路11からの定電
流が流れ、基準素子1aの上方端子の電圧は両素子の両
端に発生した電圧を加算した電圧となっているが、何れ
かの素子が断線して素子に定電流が流れなくなったとき
には、抵抗R14に定電流が流れることによってその両
端に大きな電圧が生じるようになる。この抵抗R14は
上記抵抗R11と共に、定電流回路11とアース間に基
準素子1aと検知素子1bの直列回路と並列に接続され
た高抵抗回路を構成している。また、オペアンプ21
は、定電流回路11及び基準素子1aの相互接続点の電
圧と基準素子1a及び検知素子1bの相互接続点の電圧
との差を検出して出力する第1の電圧検出手段を構成し
ている。
【0038】オペアンプ21の出力は一方向のみの導通
を可能にする一方向性素子である第1のダイオードとし
てのダイオードD1及び第3のダイオードとしてのダイ
オードD3のアノード及びカソードにそれぞれ接続さ
れ、オペアンプ22の出力は同じく一方向性素子である
第2のダイオードとしてのダイオードD2及び第4のダ
イオードとしてのダイオードD4のアノード及びカソー
ドにそれぞれ接続されている。ダイオードD1及びD2
のカソードは相互接続された上で一方向性素子である第
5のダイオードとしてのダイオードD5のカソードに接
続されると共に抵抗R15を介してアースに接続されて
いる。ダイオードD3及びD4のアノードは相互接続さ
れた上で一方向性素子である第6のダイオードとしての
ダイオードD6のアノードに接続されると共に抵抗R1
6を介して電源ライン(直流電源)Lに接続されてい
る。
【0039】上述したようにカソードを相互接続したダ
イオードD1及びD2は相互接続点にオペアンプ21及
び22の出力電圧の大きい方の電圧よりダイオードの順
方向電圧だけ低い電圧を出力する第1のオア回路を構成
している。この第1のオア回路の出力にアノードの接続
されているダイオードD5のアノードには、第1のオア
回路の出力する電圧にダイオードD5の順方向電圧を加
算した電圧、すなわち、オペアンプ21及び22の出力
電圧の大きい方の電圧に相当する電圧が現れ、これが上
限コンパレータ(上限比較手段)を構成するオペアンプ
23の反転入力に印加され上限基準電圧と比較される。
【0040】また、上述したようにアノードを相互接続
したダイオードD3及びD4は相互接続点にオペアンプ
21及び22の出力電圧の小さい方の電圧よりダイオー
ドの順方向電圧だけ高い電圧を出力する第2のオア回路
を構成している。この第2のオア回路の出力にアノード
の接続されているダイオードD6のカソードには、第2
のオア回路の出力する電圧からダイオードD6の順方向
電圧を差し引いた電圧、すなわち、オペアンプ21及び
22の出力電圧の小さい方の電圧に相当する電圧が現
れ、これが下限コンパレータ(下限比較手段)を構成す
るオペアンプ24の非反転入力に印加されて下限基準電
圧と比較される。
【0041】上述した上限コンパレータ及び下限コンパ
レータは、正常動作時に基準素子及び検知素子の両端間
に発生する最大電圧値よりも大きい電圧を上限基準電
圧、正常動作時に基準素子及び検知素子の両端間に発生
する最小電圧値よりも小さい電圧を下限基準電圧として
第1のオア回路及び第2のオア回路の出力する電圧と比
較する比較手段を構成している。
【0042】一方向性素子であるダイオードD5のアノ
ードは抵抗R17を介して電源ラインLに接続されると
共に上限コンパレータを構成するオペアンプ23の反転
入力に直接接続されている。オペアンプ23の非反転入
力には抵抗R18を介して上限基準電圧源23aが接続
されており、上限基準電圧源23aから非反転入力に印
加される上限基準電圧は反転入力に通常印加されている
電圧よりも大きくなっているように設定されいる。よっ
て、ダイオードD7のカソードに接続されているオペア
ンプ23の出力は、常時は、Hレベルとなっている。
【0043】一方、ダイオードD6のカソードは抵抗R
19を介してアースに接続されると共に下限コンパレー
タを構成するオペアンプ24の非反転入力に抵抗R20
を介して接続されている。オペアンプ24の反転入力に
は下限基準電圧源24aが接続されており、下限基準電
圧源24aから反転入力に印加される下限基準電圧は非
反転入力に通常印加されている電圧よりも小さくなって
いるように設定される。よって、ダイオードD8のカソ
ードに接続されているオペアンプ24の出力は、常時
は、Hレベルとなっている。
【0044】ダイオードD7及びD8のアノードは相互
接続された上で電源ラインLに抵抗R21を介して接続
されると共に抵抗R22を介してダイオードD9のアノ
ードに接続されている。ダイオードD9のカソードは、
図3について上述した出力回路と同様に、抵抗R7を介
してアースに接続されたトランジスタTrのベースに接
続されている。上述したようにアノードが相互接続され
たダイオードD7及びD8は相互接続点にオペアンプ2
3及び24の出力の小さい方、すなわち、Lレベルの方
よりもダイオードの順方向電圧だけ高い電圧を出力する
第3のオア回路を構成している。
【0045】上述した構成の断線・短絡回路において、
検知すべきガスの存在しない常温時に、基準素子1a及
び検知素子1bの各々の両端には等しい典型的な電圧、
例えば0.6Vが発生する。よって、基準素子1aの上方
端子の電圧と基準素子1a及び検知素子1bの接続点の
電圧との差をとる差動増幅器を構成するオペアンプ21
の出力電圧は0.6Vとなり、検知素子1bの上端電圧を
反転増幅する反転増幅器を構成するオペアンプ22の出
力電圧も0.6Vとなる。このような状況では、上限コン
パレータ23の反転入力と下限コンパレータ24の非反
転入力には0.6Vの電圧が印加されて上限基準電圧及び
下限基準電圧と比較される。
【0046】上記上限基準電圧は正常動作時に上限コン
パレータを構成するオペアンプ23の反転入力に印加さ
れる電圧よりも必ず大きくなるように、下限基準電圧は
正常動作時に下限コンパレータを構成するオペアンプ2
4の非反転入力に印加される電圧よりも必ず小さくなる
ようにそれぞれ設定されている。従って、通常動作時に
は両オペアンプ23及び24の出力はHレベルとなって
おり、電源ラインLから抵抗R21、R22、ダイオー
ドD9及び抵抗R7を通じてアースに電流が流れ、トラ
ンジスタTrがオンするので出力OUTはLレベルとな
っている。
【0047】因みに、基準素子1aと検知素子1bとは
共に周囲温度と素子バラツキの範囲で両端電圧が変化
し、また検知素子1bについては更に検知ガスの濃度に
応じても両端電圧が変化する。よって、図3について上
述したように、両素子が正常に動作する場合であって
も、基準素子1aの両端電圧は0.4828V〜0.858Vの範
囲で変化し、検知素子1bの両端電圧は0.439675V〜0.
993125Vの範囲で変化する。したがって、正常動作時に
上限コンパレータのオペアンプ23の非反転入力に印加
される最大電圧は0.993125Vであり、下限コンパレータ
のオペアンプ24の反転入力に印加される最小電圧は0.
439675Vであるので、上限基準電圧として1.2V、下限
基準電圧として0.4Vがそれぞれ設定される。
【0048】これに対し、基準素子1aが断線した場合
には、差動増幅器を構成するオペアンプ21の反転入力
はアース電位に低下し、非反転入力は正常動作時の検知
素子1aの上方端子の電圧より大きな電圧が印加される
ようになる。このようになると、オペアンプ21の出力
にはこの電圧差に相当する電圧が出力される。基準素子
1aの断線によって検知素子1bに電流が流れなくな
り、反転増幅器を構成するオペアンプ22の反転入力は
アース電位に低下し、オペアンプ22の出力にはほぼ電
源電圧が出力される。よって、第1のオア回路の出力に
はオペアンプ21の出力の電圧が、第2のオア回路の出
力にはオペアンプ22の出力の電圧がそれぞれ出力され
るようになる。オペアンプ21から出力された1.2Vを
越える大きな電圧は、上限コンパレータを構成するオペ
アンプ23の反転入力に印加されるようになるため、オ
ペアンプ23の出力はLレベルとなる。このようにオペ
アンプ23の出力がHからLレベルになることによっ
て、それまでオンしていたトランジスタTrがオフされ
るので、出力OUTはそれまでのLからHレベルに立ち
上がるようになる。
【0049】次に、基準素子1aが短絡した場合には、
差動増幅器を構成するオペアンプ21の反転入力及び非
反転入力には共に検知素子1bの端子電圧が印加されて
互いに等しくなるので、オペアンプ21の出力電圧はほ
ぼ0Vになるのに対し、検知素子1bには電流が流れ続
け、反転増幅器を構成するオペアンプ22の非反転入力
はそれ以前と変わらない電圧が印加され続けるので、オ
ペアンプ22の出力にはそれ以前と変わらない電圧が出
力される。よって、第1のオア回路の出力にはオペアン
プ22の出力の電圧、第2のオア回路の出力にはオペア
ンプ21の出力の電圧がそれぞれ出力されるようにな
る。オペアンプ22から出力された1.2Vを越えない電
圧は、上限コンパレータを構成するオペアンプ23の反
転入力に印加されるようになるため、オペアンプ23の
出力はHレベルのままである。また、オペアンプ21か
ら出力された0Vに近い電圧は、下限コンパレータを構
成するオペアンプ24の非反転入力に印加されるように
なるため、オペアンプ24の出力はHからLレベルに立
ち下がる。このようにオペアンプ24の出力がHからL
レベルになることによって、それまでオンしていたトラ
ンジスタTrがオフされるので、出力OUTはそれまで
のLからHレベルに立ち上がるようになる。
【0050】更に、検知素子1bが断線した場合には、
両素子を通じて電流が流れなくなり、電流はもっぱら抵
抗R11及びR14を通じて流れるようになるので、オ
ペアンプ21の出力には大きな電圧が出力され、オペア
ンプ22の出力には電源電圧に近い電圧が出力されるよ
うになる。よって、第1のオア回路の出力にはオペアン
プ21、22の出力の電圧が出力されるようになる。オ
ペアンプ21から出力された1.2Vを越える大きな電圧
は、上限コンパレータを構成するオペアンプ23の反転
入力に印加されるようになるため、オペアンプ23の出
力はLレベルとなる。このようにオペアンプ23の出力
がHからLレベルになることによって、それまでオンし
ていたトランジスタTrがオフされるので、出力OUT
はそれまでのLからHレベルに立ち上がるようになる。
【0051】更にまた、検知素子1bが短絡した場合に
は、基準素子1aにのみ両端電圧が発生するので、オペ
アンプ21の出力にはその両端電圧に相当する電圧が出
力され、オペアンプ22の出力には電源電圧に近い電圧
が出力されるようになる。よって、第1のオア回路の出
力にはオペアンプ22の出力の電圧が出力されるように
なる。オペアンプ21から出力される1.2Vを越える電
圧は、上限コンパレータを構成するオペアンプ23の反
転入力に印加されるようになるため、オペアンプ23の
出力はLレベルとなる。このようにオペアンプ23の出
力がHからLレベルになることによって、それまでオン
していたトランジスタTrがオフされるので、出力OU
TはそれまでのLからHレベルに立ち上がるようにな
る。
【0052】また、基準素子1a及び検知素子1bが断
線した場合には、両素子を通じて電流が流れなくなり、
電流はもっぱら抵抗R11及びR14を通じて流れるよ
うになるので、オペアンプ21の出力には大きな電圧が
出力され、オペアンプ22の出力には0Vに近い電圧が
出力されるようになる。よって、第1のオア回路の出力
にはオペアンプ21の出力の電圧が出力されるようにな
る。オペアンプ21から出力された1.2Vを越える大き
な電圧は、上限コンパレータを構成するオペアンプ23
の反転入力に印加されるようになるため、オペアンプ2
3の出力はLレベルとなる。このようにオペアンプ23
の出力がHからLレベルになることによって、それまで
オンしていたトランジスタTrがオフされるので、出力
OUTはそれまでのLからHレベルに立ち上がるように
なる。
【0053】最後に、基準素子1a及び検知素子1bが
短絡した場合には、オペアンプ21の出力には0Vに近
い電圧が、オペアンプ22の出力には電源電圧に近い電
圧がそれぞれ出力されるようになる。よって、第1のオ
ア回路の出力にはオペアンプ22の出力の電圧が、第2
のオア回路の出力にはオペアンプ21の出力の電圧がそ
れぞれ出力されるようになる。オペアンプ22から出力
された1.2Vを越える大きな電圧は上限コンパレータを
構成するオペアンプ23の反転入力に印加されるように
なるため、オペアンプ23の出力はLレベルとなる。オ
ペアンプ21から出力されたアース電位に近い0.4Vよ
り小さな電圧は、下限コンパレータを構成するオペアン
プ24の非反転入力に印加されるようになるため、オペ
アンプ24の出力がLレベルになる。このようにオペア
ンプ24の出力がHからLレベルになることによって、
それまでオンしていたトランジスタTrがオフされるの
で、出力OUTはそれまでのLからHレベルに立ち上が
るようになる。
【0054】上述したように、接触燃焼式ガスセンサの
基準素子1aと検知素子1bが正常に動作しているとき
には、断線・短絡検出回路の出力OUTはLレベルの状
態になっているが、基準素子1a、検知素子1bの一方
又は両方に断線、短絡などの不具合が生じたときには、
出力OUTがLからHレベルに立ち上がるようになるの
で、この出力OUTのレベルを監視することによって、
定電流方式の接触燃焼式ガスセンサにおける素子の断
線、短絡を検出することができる。
【0055】なお、上述した実施の形態においては、基
準素子及び検知素子の断線、短絡を区別することなく検
出しているが、上限比較手段と下限比較手段を別個独立
に構成しているので、必要に応じて、この2つの比較手
段の出力の組合せによって、基準素子又は検知素子の断
線時を、他と区別して検出することも可能になってい
る。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、検知したガス濃度が警報レベルを越えている
かどうかを、高い感度で知ることができる定電流方式の
接触燃焼式ガスセンサにおいて、基準素子又は検知素子
が断線したとき基準素子と定電流源との接続点に予め定
めた上限電圧を発生するようにすると共に、基準素子と
検知素子の両端電圧をそれぞれ独立に検出するように
し、この検出した電圧の大きい方と小さい方をそれぞれ
出力して、予め定めた上限基準電圧及び下限基準電圧と
それぞれ比較し、検出した電圧が上限基準電圧より大き
いとき又は下限基準電圧より小さいとき、基準素子又は
検知素子の断線、基準素子の短絡、検知素子の短絡を検
出したことを示す信号を出力するようになっているの
で、定電流方式の接触燃焼式ガスセンサに適用すること
のできる断線・短絡検出回路が得られる。
【0057】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の作用に加えて、検出した電圧を予め定めた上
限基準電圧及び下限基準電圧とそれぞれ比較するため、
その大きい方と小さい方をそれぞれ出力するのに、ダイ
オードによってオア回路を構成しているので、簡単な回
路構成によって、それぞれ独立に検出した基準素子と検
知素子の両端電圧から上限基準電圧及び下限基準電圧と
それぞれ比較するための電圧を取り出すことができる。
【0058】請求項3記載の発明によれば、請求項1又
は2記載の発明の作用に加えて、それぞれ独立に検出し
た基準素子と検知素子の両端電圧の大きい方と小さい方
とを上限基準電圧と下限基準電圧と比較するために、2
つの比較手段を使用しているので、2つの比較結果を利
用して検出内容の判断できる可能性も得られるようにな
っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による接触燃焼式ガスセンサの断線・短
絡検出回路の構成図である。
【図2】定電圧方式の接触燃焼式ガスセンサの構成図で
ある。
【図3】従来の定電圧方式の接触燃焼式ガスセンサの断
線・短絡検出回路の構成図である。
【図4】定電流方式の接触燃焼式ガスセンサの構成図で
ある。
【符号の説明】
1a 基準素子 1b 検知素子 11 定電流回路(定電流源) 21 オペアンプ(演算増幅器、第1の電
圧検出手段) 22 オペアンプ(演算増幅器、第2の電
圧検出手段) D1,D2,D5 ダイオード(第1のオア回路) D3,D4,D6 ダイオード(第2のオア回路) 23 オペアンプ(上限比較手段、比較手
段) 24 オペアンプ(下限比較手段、比較手
段) R11,R14 抵抗(高抵抗回路)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源からの電圧に基づいて一定電流を供
    給する定電流源と、一端が前記定電流源に接続され周囲
    温度に応じて抵抗値が変化する基準素子と、該基準素子
    の他端とアース間に接続され周囲温度と検知ガス濃度に
    応じて抵抗値が変化する検知素子とを有し、前記基準素
    子の両端電圧を利用し前記検知素子の両端電圧の周囲温
    度による電圧分を打ち消した検知ガス濃度に応じた電圧
    を得るようにした接触燃焼式ガスセンサにおいて前記基
    準素子及び前記検知素子の断線及び短絡を検出する断線
    ・短絡検出回路であって、 前記定電流源とアース間に前記基準素子と前記検知素子
    の直列回路と並列に接続された高抵抗回路と、 前記定電流源及び前記基準素子の相互接続点の電圧と前
    記基準素子及び前記検知素子の相互接続点の電圧との差
    を検出して出力する第1の電圧検出手段と、 前記基準素子及び検知素子の相互接続点の電圧を検出し
    て出力する第2の電圧検出手段と、 前記第1の電圧検出回路の出力する電圧と前記第2の電
    圧検出回路の出力する電圧の大きい方の電圧を出力する
    第1のオア回路と、 前記第1の電圧検出回路の出力する電圧と前記第2の電
    圧検出回路の出力する電圧の小さい方の電圧を出力する
    第2のオア回路と、 正常動作時に前記基準素子及び検知素子の両端間に発生
    する最大電圧値よりも大きい電圧を上限基準電圧、正常
    動作時に前記基準素子及び検知素子の両端間に発生する
    最小電圧値よりも小さい電圧を下限基準電圧として前記
    第1のオア回路及び前記第2のオア回路の出力する電圧
    と比較する比較手段とを備え、 前記高抵抗回路は、該高抵抗回路にのみ前記定電流源か
    らの定電流が流れたとき前記定電流源及び前記基準素子
    の相互接続点に前記上限基準電圧より大きな電圧を発生
    し、 前記比較手段は、前記第1のオア回路の出力する電圧が
    前記上限基準電圧以上となったとき、又は、前記第2の
    オア回路の出力する電圧が前記下限基準電圧以下となっ
    たときに、前記基準素子及び前記検知素子の断線、短絡
    を検出したことを示す信号を出力することを特徴とする
    接触燃焼式ガスセンサの断線・短絡検出回路。
  2. 【請求項2】 前記第1のオア回路は、アノードが前記
    第1の電圧検出手段及び前記第2の電圧検出手段の出力
    にそれぞれ接続され、カソードが相互接続された第1及
    び第2のダイオードと、カソードが前記第1及び第2の
    ダイオードの相互接続されたカソードに接続されると共
    に抵抗を介してアースに接続され、アノードが抵抗を介
    して前記電源に接続された第5のダイオードとを有し、
    前記第5のダイオードのアノードと前記抵抗との接続点
    を出力とし、 前記第2のオア回路は、カソードが前記第1の電圧検出
    手段及び前記第2の電圧検出手段の出力にそれぞれ接続
    され、アノードが相互接続された第3及び第4のダイオ
    ードと、アノードが前記第3及び第4のダイオードの相
    互接続されたアノードに接続されると共に抵抗を介して
    前記電源に接続され、カソードが抵抗を介してアースに
    接続された第6のダイオードとを有し、前記第6のダイ
    オードのカソードと前記抵抗との接続を出力とすること
    を特徴とする請求項1記載の接触燃焼式ガスセンサの断
    線・短絡検出回路。
  3. 【請求項3】 前記比較手段は、反転入力に前記第1の
    オア回路の出力が、非反転入力に前記上限基準電圧がそ
    れぞれ印加される演算増幅器からなる上限比較手段と、
    非反転入力に前記第2のオア回路の出力が、反転入力に
    前記下限基準電圧がそれぞれ印加される演算増幅器から
    なる下限比較手段とを有することを特徴とする請求項1
    又は2記載の接触燃焼式ガスセンサの断線・短絡検出回
    路。
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