JP4217324B2 - 軽油の脱硫方法および軽油の脱硫システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽油の脱硫方法、および軽油の脱硫システムに関し、特に、硫黄分の少ない軽油を製造するのに好適である。
【0002】
【背景技術】
従来より、減圧蒸留装置によって生成された減圧軽油を、流動接触分解装置(以下、FCC装置)により分解し、高オクタン価ガソリンを得る方法が知られている。このような減圧軽油をFCC装置によりガソリンを生産する場合、硫黄化合物が発生するため、事前に脱硫するか、後処理をする必要がある。また、FCC装置でガソリン得率を上げるためには、原料油を水素化処理した方が有利であり、水素化度を上げるには高圧、高温、低液空間速度(LHSV)という反応条件が必要とされる。
【0003】
一方、常圧蒸留装置で生成される直留軽油は、ディーゼル機関等の燃料油として用いられるが、都市部で大気環境汚染が深刻化するなか、このような軽油は、該軽油中の硫黄含有量を極力少なくすることが要望され、具体的には、硫黄含有量が500ppmから100ppm、さらには50ppm以下の燃料油が切望されている。
【0004】
このため、軽油の生産工程においても、水素化処理による脱硫工程が設けられ、軽油中の硫黄分を少なくするためには、上述と同様に、高圧、高温、低液空間速度という反応条件が必要となる。
そして、従来は、FCCによるガソリンの生産工程、および軽油の生産工程は、それぞれ個別の脱硫工程が設けられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のガソリンの生産工程、軽油の生産工程には、次のような問題がある。
すなわち、従来の脱硫装置を用いて軽油の脱硫を行うと、脱硫における反応温度を30〜50℃上げて処理すれば、硫黄分を低減することはできるのだが、製品軽油が着色し、安定性が著しく低下するという問題がある。
【0006】
また、反応温度を上げると、脱硫装置中の触媒の耐久性が低下するので、装置実用上、軽油、ガソリンの製造ができないのが実状であり、LHSVを低くして処理量を落とすと、収率が著しく低下し、生産量を十分に確保できないという問題がある。
さらに、常圧蒸留装置、減圧蒸留装置を含む石油精製システム全体で考えれば、軽油の生産工程、および減圧軽油の生産工程個別に脱硫工程を設けなければならず、システムの複雑化を招く、運転管理が煩雑化する等の問題がある。
【0007】
本発明の目的は、硫黄含有量が十分に軽減された軽油と、流動接触分解装置で分解性のよい脱硫減圧軽油留分とを効率よく生産することができ、システム全体の構造、管理等を簡素化することのできる、軽油の脱硫方法、および軽油の脱硫システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係る軽油の脱硫方法は、
直留軽油の90%留出温度を300℃〜340℃に設定して原油の常圧蒸留を行って直留軽油及び重質油を得る工程と、
得られた重質油を減圧蒸留して減圧軽油を得る工程と、
得られた減圧軽油の脱硫を行う工程と、
脱硫が行われた減圧軽油を蒸留して軽質脱硫減圧軽油を得る工程と、
前記常圧蒸留で得られた直留軽油、及び前記軽質脱硫減圧軽油を混合する工程と、
混合された軽油を再度脱硫する工程とを実施することを特徴とする。
尚、軽質脱硫減圧軽油を留出する蒸留工程において、残渣となる重質脱硫軽油留分はFCC装置の原料となる。
ここで、通常の蒸留時の90%留出温度とは、原油成分、生成油性状(流動点等)に応じて設定され、例えば、夏場において350℃〜380℃、冬場において320℃〜350℃に設定される。
また、蒸留工程における90%留出温度は、上述した通常の直流軽油の90%留出温度に対して5%以上低く設定された温度であるが、好ましくは、通常の直流軽油の90%留出温度に対して8〜20%の値で設定された温度を採用するのがよい。尚、前記8%は、脱硫率の効果を考慮して設定される値であり、前記20%は、2度の脱硫を必要とする軽油が存在し得る90%留出温度の上限値と、経済的効果とを勘案して設定される値である。具体的には、上述した蒸留工程における90%留出温度は、300℃〜340℃に設定するのが好ましい。
【0009】
このような本発明によれば、上述した軽油留分を含む減圧軽油を脱硫して軽質脱硫減圧軽油を生成しているので、減圧軽油中の高沸点の炭化水素油が他の成分を希釈し、軽油留分中のいわゆる難脱硫性硫黄化合物が水素化された中間体を得ることができる。
そして、この難脱硫性硫黄化合物が水素化された軽質脱硫減圧軽油は、非常に反応性が高いため、これを再度脱硫することで極めて硫黄化合物の少ない軽油を得ることができ、硫黄化合物の少ない軽油を、最終製品として、またはFCC装置への供給原料として利用することが可能となる。また、このような軽油の脱硫方法であれば、製品軽油の脱硫工程、および減圧軽油の脱硫工程を共通化させることができるので、石油精製システム全体の構造、管理等の簡素化が図られる。
また、常圧蒸留工程における90%留出温度を上記のごとく設定すれば、難脱硫性硫黄化合物を含む軽油留分は、蒸留工程におけるより重質な留分に含まれることとなる。従って、この重質留分を減圧蒸留して得られる減圧軽油を脱硫することにより、軽油留分中の難脱硫性硫黄化合物を効率よく除去することが可能となるので、硫黄含有率の極めて小さい軽油を最終製品として得ることが可能となる。また、蒸留工程における90%留出温度の設定を変更しているだけなので、従来からの石油精製プラントに別途脱硫工程等を設けることなく、極めて硫黄分の少ない軽油を得ることが可能となる。
【0011】
また、難脱硫性硫黄化合物が水素化された軽質脱硫減圧軽油が生成されるので、再度脱硫することにより極めて硫黄化合物の少ない軽油を得ることができる。また、減圧軽油に上述した軽油留分を添加しているので、減圧軽油中の高沸点の炭化水素油の量を自由に設定でき、製品の性状、要求性能等に応じて、軽油の硫黄化合物の含有率を調整することが可能となる。
また、原油の常圧蒸留工程における90%留出温度を5%乃至20%低く設定して留出する直流軽油と一旦水素化処理を受けた軽質脱硫減圧軽油とを混合して再度脱硫することにより、極めて硫黄化合物の少ない軽油を得ることが可能となる。
【0016】
そして、本発明に係る軽油の脱硫システムは、
原油を重質油及び直留軽油に分留する常圧蒸留装置と、前記重質油を減圧蒸留する減圧蒸留装置と、この減圧蒸留装置から得られる減圧軽油を脱硫する減圧軽油脱硫装置と、前記直留軽油を脱硫する軽油脱硫装置とを備えた軽油の脱硫システムであって、
前記常圧蒸留装置における直留軽油の90%留出温度は、通常の直留軽油の90%留出温度に対し、5%乃至20%低い温度に設定され、
前記軽油脱硫装置の上流側に設けられるとともに、前記減圧軽油脱硫装置により生成される脱硫軽油留分と、前記常圧蒸留装置からの直留軽油とを混合可能とする混合装置および/または配管を備えていることを特徴とする。
【0017】
このような本発明によれば、減圧軽油脱硫装置からの軽質脱硫減圧軽油と、常圧蒸留装置からの直留軽油とを混合可能とする混合装置および/または配管を備えているので、軽質脱硫減圧軽油および直留軽油留分を混合し、一括して軽油脱硫装置で脱硫することが可能となる。従って、上述したように、このような混合物を脱硫することにより硫黄化合物の含有率を極めて低くすることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態に係る軽油の脱硫システムが示されている。この軽油の脱硫システムは、常圧蒸留装置10、減圧蒸留装置20、減圧軽油脱硫装置30、蒸留装置40、軽油脱硫装置50、FCC装置60、および混合装置70を含んで構成される。
【0019】
常圧蒸留装置10は、原油を常圧にて蒸留し、軽質留分および常圧残渣油RCを採取する装置である。蒸留により留出する軽質留分としては、ナフサNAPH、LPガスLPG、および直留軽油留分LGOの他、図1では図示を略したが、直留灯油留分等がある。常圧残渣油RCは、蒸留により留出した軽質留分を除いた原油中の成分が含まれ、常圧蒸留装置10における各軽質留分の留出温度の設定に応じて、常圧残油RCの成分は変動する。
【0020】
減圧蒸留装置20は、常圧蒸留装置10の常圧残渣油RCを減圧下で蒸留し、減圧留分と、減圧残渣油VRとを採取する装置である。減圧留分には、減圧軽油VGOの他、図1では図示を略したが、軽質減圧留出油(MVD)、重質減圧留出油(HVD)が含まれる。また、減圧軽油(VGO)は、軽質減圧軽油(LVGO)および重質減圧軽油(HVGO)から構成されている。
【0021】
減圧軽油脱硫装置30は、減圧蒸留装置20から留出した減圧軽油VGOの水素化処理を行う装置であり、減圧脱硫装置30を構成する反応塔内部には、触媒30Aが配置されている。減圧軽油VGOは、所定の温度に設定された反応塔に供給され、この触媒30Aを通ることにより、該減圧軽油VGO中の硫黄化合物が除去されて脱硫減圧軽油となる。
【0022】
尚、触媒30Aは、アルミナ、ゼオライト等を担体とし、この担体にコバルトモリブデン(CoMo)、ニッケルモリブデン(NiMo)、ニッケルタングステン(NiW)系等を活性種として担持させたものを組み合わせて構成されている。
また、減圧軽油脱硫装置30は、減圧軽油VGOの成分によって多少変動するが、一般に表1に示される条件で運転される。
【0023】
【表1】
【0024】
蒸留装置40は、減圧脱硫装置30で生成された脱硫減圧軽油を蒸留して軽質留分、重質留分に分離する装置であり、脱硫減圧軽油留分は、ナフサNAPH、軽質脱硫軽油留分である軽質脱硫減圧軽油VHLGO、および図1では図示を略したが灯油と、残渣としての重質脱硫減圧軽油VHHGOとに分留される。尚、軽質脱硫減圧軽油VHLGOは、蒸留装置40を構成する蒸留等の沸点範囲約150〜380℃の範囲で留出する。
【0025】
FCC装置60は、蒸留装置40で分留された重質脱硫減圧軽油VHHGOを触媒の存在下で、接触的に分解し、高オクタン価ガソリンを製造する装置である。このFCC装置60は、図1では図示を略したが、反応塔および精留塔を含んで構成され、接触分解反応により生成した油蒸気は、精留塔で沸点差により高オクタン価ガソリン、およびガス留分に分離される。
【0026】
混合装置70は、蒸留装置40で留出した軽質脱硫減圧軽油VHLGOと、常圧蒸留装置10からの直留軽油LGOを混合する装置である。この混合装置70は、直留軽油LGOを搬送するラインと、軽質脱硫減圧軽油VHLGOを搬送するラインとを接続することにより構成され、図1では図示を略したが、それぞれの上流側にバルブが設けられている。そして、このバルブの開閉状態を調整することにより、直留軽油LGOおよび軽質脱硫減圧軽油VHLGOを自由な比率で混合することができる。
【0027】
軽油脱硫装置50は、常圧蒸留装置10から留出する直留軽油LGO等を脱硫する装置であり、軽油脱硫装置50を構成する反応塔内部には、触媒50Aが配置されている。直留軽油LGO等は、所定の温度に設定された反応塔に供給され、この触媒50Aを通ることにより、該直留軽油LGO等に含まれる硫黄化合物が除去されて脱硫軽油となる。尚、触媒50A、および運転条件は、処理する原料油の成分に応じて設定されるが、一般には、上述した減圧脱硫装置30の触媒30A、運転条件(表1参照)と略同様である。
【0028】
次に上述した軽油の脱硫システムの工程を説明する。
(1) 常圧蒸留装置10における直留軽油LGOの90%留出温度を、例えば、通常の直留軽油の90%留出温度である360℃よりも約8.3%低い330℃に設定し、常圧蒸留装置10により原油の蒸留を行う。すると、90%留出温度が330℃以下の軽油留分は、直留軽油LGOとして留出するが、90%留出温度が330℃を超える軽油留分は、常圧残渣油RC中に含まれた状態で採取される。
【0029】
(2) 上述した軽油留分を含む常圧残渣油RCを減圧蒸留装置20により蒸留すると、減圧軽油VGO、その他の留出油、および減圧残渣油VRが得られる。
(3) 減圧蒸留装置20から留出する減圧軽油VGOは、減圧軽油脱硫装置30によって脱硫され、これをさらに、蒸留装置40により蒸留すると、減圧軽油VGOは、ナフサNAPH、軽質脱硫減圧軽油VHLGO、および残渣としての重質脱硫減圧軽油VHHGOに分留される。
【0030】
(4) 軽質脱硫減圧軽油VHLGOは、混合装置70に供給され、常圧蒸留装置10からの直留軽油LGOと混合される。尚、両者の混合比は、体積比でLGO/VHLGO=約10/90〜90/10の範囲で任意に調整する。
一方、減圧蒸留装置20から採取された重質脱硫減圧軽油VHHGOは、FCC装置60に供給され、接触分解反応を経て高オクタン価ガソリンとなる。
(5) 混合装置70により混合された軽質脱硫減圧軽油VHLGOおよび直留軽油LGOの混合油は、軽油脱硫装置50により再度脱硫されて低硫黄軽油が生産される。
【0031】
前述のような実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 蒸留により得られる軽油留分を含む減圧軽油を、減圧軽油脱硫装置30により脱硫して軽質脱硫減圧軽油VHLGOを生成しているので、減圧軽油中の高沸点の炭化水素油が他の成分を希釈し、軽油留分中の難脱流性硫黄化合物が水素化された中間体を得ることができる。そして、難脱硫性硫黄化合物が水素化された軽質脱硫減圧軽油VHLGOは、反応性が非常に高いため、軽油脱硫装置50により脱硫することで極めて硫黄化合物の少ない軽油を、最終製品として、またはFCC装置60の供給原料として利用することができる。また、このような軽油の脱硫方法であれば、直留軽油LGOの脱硫工程、および減圧軽油VGOの脱硫工程を共通化することができるので、石油精製システム全体の構造、管理等の簡素化を図ることができる。
【0032】
(2) 常圧蒸留装置10における直留軽油LGOの90%留出温度を、通常の直留軽油の留出温度である360℃よりも低い、330℃に設定しているので、90%留出温度が330℃を超える軽油留分は、残渣油RCに含まれた状態で採取される。従って、これを減圧蒸留装置20により蒸留した減圧軽油VGOに別途軽油留分を加えることなく、軽油留分を含む減圧軽油を生成することができるので、既存の石油精製設備を利用して硫黄含有率の極めて小さい軽油を得ることができる。
【0033】
(3) 常圧蒸留装置10における90%留出温度以下で留出する軽油留分LGOと、一旦水素化処理を受けた脱硫減圧軽油を蒸留して得られる軽質脱硫減圧軽油VHLGOとを混合し、軽油脱硫装置50で再度脱硫することにより、極めて硫黄化合物の少ない軽油を得ることができる。
【0034】
(4) 軽油の脱硫システムが混合装置70を備えているので、軽質脱硫軽油VHLGOおよび直留軽油LGOを混合し、一括して軽油脱硫装置50で脱硫することができる。従って、上述したように、このような混合物を脱硫することにより、軽油の硫黄分を極めて低くすることができるうえ、製品軽油の生産工程における脱硫工程、高オクタン価ガソリンの生産における脱硫工程の共通化を図ることができ、石油精製システム全体の構造、管理等の簡素化を図ることができる。
【0035】
尚、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、次に示すような変形をも含むものである。
前記実施形態では、常圧蒸留装置10における直留軽油の90%留出温度を変更することにより、軽油留分を含む減圧軽油VGOを採取していたが、これに限られない。すなわち、通常の90%留出温度で常圧蒸留した常圧残渣油を減圧蒸留して得られる減圧軽油に、別途軽油留分を添加して軽油留分を含む減圧軽油を生成してもよい。また、この際減圧軽油に添加するものとしては、直留軽油に限られるものではなく、分解軽油(LCO)、重質軽油(HGO)であってもよい。
【0036】
また、前記実施形態では、軽質脱硫減圧軽油VHLGOは、直留軽油LGOを混合された後、軽油脱硫装置50によって脱硫されていたが、これに限らず、軽質脱硫軽油留分VHLGOのみを軽油脱硫装置50によって脱硫してもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【0037】
【実施例】
(実施例1)
図1において、常圧蒸留装置10を通常に運転して得られる残渣油RCを減圧蒸留装置20により減圧蒸留して留出した減圧軽油VGOに、別の工程で得られる90%留出温度が330℃を超える軽油留分を加え、この混合油を減圧軽油脱硫装置30で脱硫した後蒸留して軽質脱硫減圧軽油VHLGO(沸点170〜360℃)を得た。そして、この軽質脱硫減圧軽油VHLGOに90%留出温度330℃以下の直留軽油留分LGOを加え、軽油脱硫装置50で脱硫し、さらに、ストリッピングによりH2Sを除去して脱硫軽油DGOを得た。
尚、混合比は、減圧軽油45vol%に対して、90%留出温度が330℃を超える軽油留分55vol%であり、軽質脱硫減圧軽油VHLGO50vol%に対して直留軽油留分LGO50vol%である。
原料油を構成する各軽油留分の性状は、表2に示す通りである。
【0038】
【表2】
【0039】
減圧軽油脱硫装置20における運転条件は、表3に示す通りである。
【0040】
【表3】
【0041】
また、軽油脱硫装置50における運転条件は、表4に示す通りである。
【0042】
【表4】
【0043】
(比較例1)
常圧蒸留装置10を通常に運転して得られる直留軽油LGO(Bp.220〜400℃、硫黄分 1.4wt%)を軽油脱硫装置50で脱硫処理して脱硫軽油DGOを得た。
軽油脱硫装置50の運転条件は、表5に示す通りである。
【0044】
【表5】
【0045】
実施例1で得られた軽質脱硫減圧軽油VHLGO、重質脱硫減圧軽油VHHGOと、実施例1および比較例1で得られた脱硫軽油DGOの性状、成分の評価を行ったところ、表6のような結果となった。実施例1で得られる脱硫軽油DGOは、比較例1に比べて硫黄分が極めて少なくなっていることが判った。
【0046】
【表6】
【0047】
【発明の効果】
前述のような本発明の軽油の脱硫方法によれば、上述した軽油留分を含む減圧軽油を脱硫して脱硫軽油留分を生成しているので、減圧軽油中の高沸点の炭化水素油が他の成分を希釈し、軽油留分中のいわゆる難脱硫性硫黄化合物が水素化された中間体を得ることができる。そして、この難脱硫性硫黄化合物が水素化された脱硫軽油留分は、非常に反応性が高いため、これを再度脱硫することで極めて硫黄化合物の少ない軽油を得ることができ、硫黄化合物の少ない軽油を、最終製品として、またはFCC装置への供給原料として利用することができる。
【0048】
また、前述のような本発明の軽油の脱硫システムによれば、混合装置および/または配管を備えているので、硫黄分の極めて少ない軽油を既存の設備を大幅に変更することなく、容易に生産することができる。さらに、混合装置および/または配管を備えているので、軽油の生産工程、高オクタン価ガソリンの生産工程における脱硫工程の共通化を図ることができ、石油精製システム全体の構造、管理等の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る軽油の脱硫システムの構造を表すブロック図である。
【符号の説明】
10 蒸留装置
20 減圧蒸留装置
30 減圧軽油脱硫装置
50 軽油脱硫装置
70 混合装置
LGO 軽油留分
VGO 減圧軽油
VHLGO 軽質脱硫軽油留分(軽質脱硫減圧軽油)
Claims (1)
- 直留軽油の90%留出温度を300℃〜340℃に設定して原油の常圧蒸留を行って直留軽油及び重質油を得る工程と、
得られた重質油を減圧蒸留して減圧軽油を得る工程と、
得られた減圧軽油の脱硫を行う工程と、
脱硫が行われた減圧軽油を蒸留して軽質脱硫減圧軽油を得る工程と、
前記常圧蒸留で得られた直留軽油、及び前記軽質脱硫減圧軽油を混合する工程と、
混合された軽油を再度脱硫する工程とを実施することを特徴とする軽油の脱硫方法。
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