JP4217312B2 - 発泡性樹脂組成物及び発泡樹脂成形体 - Google Patents

発泡性樹脂組成物及び発泡樹脂成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネートを含むアロイ化樹脂の発泡性樹脂組成物及びそれから得られる発泡樹脂成形体に関するもので、より詳細には、成形性と発泡性とに優れ、均一なセル構造と優れた物性とを有し、平滑な表面を有する異型品またはシート形状の発泡製品を、押出発泡により形成できる発泡性樹脂組成物に関する。本発明はまた、発泡樹脂成形体にも関する。
【0002】
【従来の技術】
発泡樹脂成形体は、軽量性、断熱性、電気絶縁性、軽量高強度性等には、優れているが、一般に耐熱性や耐久性に欠けるのが難点といわれている。
また、樹脂発泡体の成形法についても、溶融発泡成形、固相発泡成形、鋳型発泡成形等の各種手段が知られているが、熱可塑性樹脂の発泡成形では、溶融発泡成形、特に押出発泡成形が能率、生産性の点で有利である。
【0003】
熱可塑性樹脂の押出発泡成形は、押出可能な樹脂であれば原理上は可能であるが、実際には発泡させやすい樹脂と発泡させにくい樹脂とがあり、塩化ビニル系樹脂(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、オレフィン系樹脂、ABS樹脂を含むスチレン系樹脂などの限られた熱可塑性樹脂について、実用化されているにすぎない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかも、得られた発泡樹脂成形体の物性にも未だ問題があり、PVCやABSの発泡体については耐熱性に弱く、オレフィン系樹脂については、微細で均一なセル構造の発泡体が得にくく、結晶性樹脂のために成形領域が狭く成形が難しいという間題があつた。
【0005】
本発明者らは、成形性および物性に優れたポリカーボネート系アロイ化樹脂を、ある条件の下で押出発泡成形すると、少量の発泡剤にて発泡倍率が上がり、均一なセル構造を持ち、平滑な表面をもつ異型品またはシート形状の発泡製品が得られることを見出した。
【0006】
即ち、本発明の目的は、成形性と発泡性とに優れ、均一なセル構造と優れた物性とを有し、平滑な表面を有する異型品またはシート形状の発泡製品を、押出発泡により形成できる発泡性樹脂組成物及び発泡樹脂成形体を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば(A)ポリカーボネートと(B)エチレンテレフタレート系ポリエステル(PET)とをA:B=9:1乃至1:9、特に8:2乃至2:8の重量比で含むアロイ化樹脂と、(C)重炭酸ソーダと有機酸の組成物からなる、発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物において、(D)メチルメタクリレート系樹脂からなる改質剤をアロイ化樹脂100重量部当たり2〜10重量部、特に2〜5重量部の量で含有することを特徴とする発泡性樹脂組成物が提供される。この場合、メチルメタクリレート系樹脂からなる改質剤(D)が数平均分子量が100万以上のメタクリル酸メチル重合体であることが好ましい。また ( ) エチレンテレフタレート系ポリエステル(PET)はエチレンテレフタレート単位の含有量が60モル%以上であるのが好ましく、さらに ( ) 発泡剤は、アロイ樹脂100重量部当り、0.1〜10重量部、特に1〜5重量部の量で含有されることが好ましい。
本発明によればまた、上記発泡性樹脂組成物を押出成形してなる発泡樹脂成形体が提供される。この樹脂成形体では、発泡倍率が1.1〜5.0倍、特に1.5〜4.0倍の範囲にあることが好ましい。
【0008】
【発明の実施形態】
本発明では、発泡体を構成する樹脂として、(A)ポリカーボネートと(B)エチレンテレフタレート系ポリエステル(PET)とのアロイ化樹脂を先ず選択する。アロイ化樹脂なる用語は、今日では一般的であり、異なる特性を有する複数の樹脂がブレンドされ、あたかも合金のように特性の改善が行われているポリマーブレンドを意味する。
本明細書において、アロイ化樹脂とは、既にアロイ化された樹脂は勿論のこと、ブレンドに際してアロイ化される樹脂の組合せをも包含するものとする。
【0009】
本発明では、アロイ化樹脂の一方の成分として、ポリカーボネート(A)を用いる。その理由は、ポリカーボネートは、そのガラス転移点(Tg)が一般に140〜155℃と、ポリエステル ( PET )に比してかなり高いガラス転移点を有していて耐熱性に優れており、しかも耐衝撃性や耐クリープ性、剛性等の物性にも優れているという特徴を有しており、ポリカーボネートを成分とするアロイ化樹脂を用いることにより、上記特性に優れた発泡樹脂成形体が得られるからである。
【0010】
また、アロイ化樹脂の他方の成分として、ポリエチレンテレフタレートを使用する。ポリエチレンテレフタレートは、溶融成形性に優れていると共に、低温耐衝撃性に優れており、しかもポリカーボネートとの相溶性に優れており、相互貫入網目構造(IPN)を形成し、しかも両樹脂の有する利点も奏されるものと信じられる。
【0011】
ところが、上記のアロイ化樹脂に発泡剤を含有させ、この樹脂組成物を押出発泡させると、発泡倍率が低く、発泡セル構造が不均一で、しかも表面組織乃至外観が不均質でしかも荒い発泡樹脂成形体しか得られないことがわかった(後述する比較例参照)。この理由としては、溶融押出発泡に際して、溶融樹脂セルの発泡による膨張が不十分にしかも不均一にしか生じないこと、発泡により生じたガスが溶融樹脂のセル壁を通して透過して逃げること、溶融樹脂セル壁が固化するに先立ってセル壁の破断が生じることが考えられる。
【0012】
本発明の発泡性樹脂組成物では、上記アロイ化樹脂に、重炭酸ソーダと有機酸の組成物よりなる発泡剤(C)と共に、特定の量のアクリル系樹脂からなる改質剤(D)を配合したことが特徴であり、これにより、後述する例に示すとおり、押出発泡成形に際して、この樹脂組成物に優れた成形性と発泡性とを付与し、均一なセル構造と優れた物性とを有し、更に平滑な表面を有する異型品またはシート形状の発泡製品を製造することができる。
【0013】
上記改質剤を配合した発泡性樹脂組成物が、後述する例に示すとおり、改質剤を配合しない発泡性樹脂組成物に比して発泡倍率が高く、しかも均一なセル構造乃至組織と平滑な優れた表面構造乃至外観特性を与えるという事実は、本発明の発泡性樹脂組成物では、溶融押出発泡に際して、溶融樹脂セルの発泡による膨張が十分にしかも均一に生じること、発泡により生じたガスが溶融樹脂のセル壁を通して逃げにくいこと、溶融樹脂セル壁が固化する迄セル壁が破断することなく完全な状態で維持されることを物語っている。
更に、本発明において、アクリル系樹脂からなる改質剤を使用すると、樹脂温度を比較的低い範囲に抑制して押出発泡成形が可能となり、成形作業性や成形体の物性の点でも顕著な利点が奏される。
【0014】
[アロイ化樹脂]
本発明では、アロイ化樹脂として、ポリカーボネート(A)と、エチレンテレフタレート系ポリエステル(B)との樹脂組成物を用いる。
以下、これらの樹脂成分について説明する。
【0015】
(1)ポリカーボネート
ポリカーボネート(A)は、二環二価フェノール類とホスゲンとから誘導される炭酸エステル樹脂であり、高いガラス転移点と耐熱性とを有することが特徴である。
ポリカーボネートとしては、ビスフェノール類、例えば、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、
1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、
1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、
1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1, 2−ビス(4ーヒドロキシフェニル)エタン
等から誘導されたポリカーボネートが好適である。
これらのポリカーボネートは、一般に140〜155℃のガラス転移点(Tg)を有するものが好適である。
【0016】
(2) エチレンテレフタレート系ポリエステル
本発明においては、ポリカーボネートと共にアロイ化する樹脂として、エチレンテレフタレート系ポリエステルを使用する。
【0022】
(B)エチレンテレフタレート系ポリエステル
ポリカーボネートとの組み合わせで使用されるエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸を必須成分とする二塩基酸とエチレングリコールを必須成分とするジオールとから誘導されたホモポリエステル或いは共重合ポリエステルが挙げられる。
【0023】
テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタール酸、P−β−オキシエトキシ安息香酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等を挙げることができる。
一方、エチレングリコール以外のジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
【0024】
発泡樹脂成形体の物性の点からは、ポリエステル中のエチレンテレフタレート単位の含有量が60モル%以上、特に90モル%以上であることが好ましい。用いるエチレンテレフタレート系ポリエステルは、単独重合体、共重合体、或いはこれらの2種以上のブレンド物であってもよい。
エチレンテレフタレート系ホモポリエステル或いは共重合ポリエステルは、フィルム形成範囲の分子量を有するべきであり、溶媒として、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて測定した固有粘度〔η〕は0.5乃至1.5、特に0.6乃至1.5の範囲にあるのがよい。
【0025】
(3)ブレンド
本発明において、ポリカーボネート(A)とエチレンテレフタレート系ポリエステル(B)との配合比は、A:B=9:1乃至1:9の重量比、特に8:2乃至2:8の重量比の範囲内で行うのがよく、目的とする発泡樹脂成形体の特性に応じて、上記範囲内で量比を選択するのがよい。
例えば、ポリカーボネートとエチレンテレフタレート系ポリエステルとのブレンドに於ては、ポリカーボネートの比率が上がるに連れて、耐熱温度が上がり、ポリエステルの比率が上がるにつれて、低温衝撃性の向上、経済性の向上が見られる。
このアロイ化樹脂は、焼却等による廃棄処理に際しても有害ガスを発生せず、廃棄処理が容易であるという利点をも与える。
【0026】
両樹脂成分のブレンドは、両樹脂成分の粉末やペレットを、ブレンダー、ヘンシェルミキサー等を用いてドライブレンドで行うこともできるし、一軸或いは二軸の押出機やバンバリーミキサー、ニーダー等を用いてメルトブレンドで行うことができる。また、予めメルトブレンドなどにアロイ化された樹脂組成物をそのまま使用することもできる。更に、両樹脂成分と、後述する発泡剤や改質剤との、ドライブレンドを直接押出機に供給することもできる。
【0027】
[発泡剤(C)]
これらの樹脂成分に配合する発泡剤としては、重炭酸ソーダと有機酸の組成物が使用される。
発泡剤における有機酸は発泡助剤であり、この発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの働きをする添加剤である。発泡助剤としての有機酸は、クエン酸、酒石酸、サルチル酸、フタル酸、ステアリン酸などをあげることができる。
【0028】
このような発泡剤(C)は樹脂成分(A)および樹脂成分(B)の総量100重量部に対して0.1重量部以上、好ましくは1〜5重量部の割合で配合する。本発明では、比較的少ない発泡剤の使用量で、発泡倍率の向上した押出成形発泡体が得られることが特徴である。
【0029】
[メチルメタクリレート系樹脂改質剤(D)]
本発明において、メチルメタクリレート系樹脂としては、メタクリル酸のメチルエステルを主体とする単量体から誘導されるものである。
上記(メタ)アクリル酸メチルエステル ( MMA )は単独でも組み合わせても使用でき、また他の単量体との共重合体でもよい。
【0030】
この単量体 ( MMA ) 共に共重合される他の共単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等を挙げることができる。
メチルメタクリレート系樹脂は官能基含有単量体成分の少量を含有していてもよく、官能基含有単量体成分としては、カルボキシル基、その塩の基、アミド基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、メチロール基、及びエーテル化メチロール基を有するものであり、具体的には次のものが挙げられる。
エチレン系不飽和カルボン酸またはその無水物;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等。
アミド基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド等。
水酸基含有モノマー;ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸プロピレングリコールモノエステル等。
アミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、ビニルピリジン、2−ビニル−5−エチルピリジン、(メタ)アクリル酸オキサゾリルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルアミノエチル等。
エポキシ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブタンモノオキシド等。
メチロール基及びエーテル化メチロール基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミドのジメチロール化物や、そのエーテル化物、例えばエチルエーテル化物或いはブチルエーテル化物等。
これらの官能基含有モノマーはアクリル系樹脂中に、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体の形で存在することができる。
【0031】
用いるメチルメタクリレート系樹脂脂改質剤は、発泡体の物性の点からフィルム形成範囲にある分子量を有するのがよく、一般にその数平均分子量(Mn)は、50万以上の範囲にあるのが好ましい。
最適な数平均分子量範囲は、数平均分子量が300万以上のものを用いることが推奨される
【0032】
メチルメタクリレート系樹脂改質剤は、アロイ化樹脂100重量部当たり2〜10重量部、特に2〜5重量部の量で使用するのがよい。メチルメタクリレート系樹脂改質剤の量が上記範囲を下回ると、発泡倍率を高め、セルを微細にしかも均一化するという本発明の目的を達成することが困難となる傾向がある。一方、改質剤の量が余りにも多くなると、形成される発泡樹脂成形体の物性が低下する傾向があるから、上記範囲の量で用いるのがよい。
また、改質剤の最適な配合量は、アロイ樹脂100重量部当たり3重量部以上配合することが推奨される。
【0033】
[押出発泡成形及び発泡樹脂成形体]
本発明の発泡性樹脂組成物には、上記成分に加えて、それ自体公知の配合剤、例えば、着色料、充填剤、界面活性剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、核剤等の1種または2種以上を公知の配合比で配合することができる。
【0034】
発泡押出成形に当たっては、各成分をドライブレンドし、押出機のホッパーにこれを供給する。押出機としては、単軸或いは二軸のスクリューを備えたそれ自体公知の押出機が使用される。各樹脂成分及び発泡剤は押出機中で機械的に混合され、ダイを経て空気中へ押し出されることにより、発泡樹脂成形体を形成する。この押出発泡成形では、各成分の混練、押出及び発泡が一台の押出機で行われ、操作が簡単であると共に生産性も高い。
【0035】
本発明の発泡押出成形では、既に指摘したとおり、樹脂温度を比較的低く設定できるのが特徴であり、樹脂の種類や組合せによっても相違するが、一般に190〜250℃、特に210〜230℃の樹脂温度で成形を行うのがよい。
【0036】
成形用ダイとしては、成形すべき成形品の形状に合わせて任意の成形用ダイを用いることができ、例えば発泡フィルムや発泡シートの場合には、Tダイが使用され、発泡異形断面成形品の場合には、対応する断面形状の異形断面ダイが使用される。勿論、リングダイを用いて、チューブ状の発泡成形品を製造することもできる。
【0037】
本発明による発泡樹脂成形体の発泡倍率(体積基準)は、樹脂の種類や、発泡剤の種類或いは配合量、更には成形条件によっても相違するが、一般に1.1〜5.0倍、特に1.5〜4.0倍の範囲にある。
発泡体の気泡構造は、一般に独立気泡型で、セルは、後述する例に示すとおり、著しく微細でありしかも均質である。また、発泡成形体の表面は、セルの破れがなく平滑で緻密であり、風合い及び外観特性に優れている。
【0038】
本発明による発泡樹脂成形体は、断熱性、電気絶縁性、耐衝撃性、クッション性、耐磨耗性、機械的強度などに優れているため、シートの形の発泡樹脂成形体は、断熱性シート、電気絶縁性シート、クッション材、ICカード基材乃至被覆材、プリペイドカード基材乃至被覆材として、また真空成形したものは容器、コップ等として有用である。
また、異形成形品のタイプのものは、屋外の建材、車両の内装部材、高温部を支えるパッキング等として有用である。
【0039】
【実施例】
本発明を次の例で更に説明するが、本発明はこの例により何らかの制約を受けるものではない。
【0046】
[実施例
次の樹脂を用いて発泡組成物を作成した。
ポリカーボネート樹脂=:出光石油化学株式会社製 タフロン IB2500
100重量部
PET樹脂:EASTMAN社製 PETG 6763
100重量部
アクリル系加工助剤:三菱化学社製 メタブレン P−530
10重量部(MMA)
酸化チタン:CR−95
10重量部
発泡剤:ベーリンガー社製 HYDOROCEROL CT396
5重量部(重曹・クエン酸発泡剤)
この樹脂を常温にてドライブレンド(10分)し、シート形状にて押出成形した。シリンダー温度は190〜220℃で、樹脂温度は225℃であった。
この発泡体は2.0〜3.0倍の高発泡かつ良外観のシートであった。
得られた結果を表1に示す。
【0047】
[実施例
次の樹脂を用いて発泡組成物を作成した。
ポリカーボネート樹脂:出光石油化学株式会社製 タフロン IB2500
100重量部
PET樹脂:EASTMAN社製 PETG 6763
100重量部
アクリル系加工助剤:三菱化学社製 メタブレン P−530
10重量部(MMA)
発泡剤:ベーリンガー社製 HYDOROCEROL CT396
5重量部(重曹・クエン酸発泡剤〉
この樹脂を常温にてドライブレンド(10分)し、シート形状にて押出成形した。シリンダー温度は190〜220℃で、樹脂温度は225℃であった。
この結果、良外観かつ高発泡の発泡体が得られた。
得られた結果を表1に示す。
【0048】
[比較例
比較例として次の樹脂にて発泡組成物を作成した。
ポリカーボネート樹脂:出光石油化学株式会社製 タフロン IB2500
100重量部
PET樹脂:EASTMAN社製 PETG 6763
100重量部
発泡剤:ベーリンガー社製 HYDOROCEROL CT396
3重量部
この樹脂を実施例3と同じようにしてドライブレンドし、シート形状にて押出成形したところ、製品表面に肌荒れが見られ、セルの破泡が発生した。また、発泡も小さいものしか得られなかった。
得られた結果を表1に示す。
【0050】
【表
発泡剤量 押出温度 シート厚み 発泡倍率 外観
実施例 5PHR 225℃ 720μm 2.02 良好
実施例 5PHR 225℃ 965μm 2.20 良好
比較例 3PHR 225℃ 600μm 1.67 肌荒れ

【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、(A)ポリカーボネートと(B)エチレンテレフタレート系ポリエステルとのアロイ化樹脂に、(C)重炭酸ソーダと有機酸の組成物からなる発泡剤と共に、(D)メチルメタクリレート系樹脂からなる改質剤を特定の量で配合することにより、成形性と発泡性とに優れ、微細で均一なセル構造と優れた物性とを有し、平滑な表面を有する異型品またはシート形状の発泡製品を、押出発泡により形成することができる。
この発泡性樹脂組成物は、比較的低温の樹脂温度でしかも一段の押出で発泡樹脂成形体を製造できるため、生産性や成形作業性に優れており、また、得られる発泡体は、耐熱性、電気絶縁性、軽量性、耐久性、耐衝撃性に優れているという利点がある。

Claims (7)

  1. (A)ポリカーボネートと(B)エチレンテレフタレート系ポリエステル(PET)とをA:B=9:1乃至1:9の重量比で含むアロイ化樹脂と、(C)重炭酸ソーダと有機酸の組成物からなる発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物において、(D)メチルメタクリレート系樹脂からなる改質剤をアロイ化樹脂100重量部当たり2〜10重量部の量で含有することを特徴とする発泡性樹脂組成物。
  2. メチルメタクリレート系樹脂からなる改質剤(D)が数平均分子量が100万以上のメタクリル酸メチル重合体である請求項1に記載の発泡性樹脂組成物。
  3. 該アロイ化樹脂が、(A)ポリカーボネートと(B)エチレンテレフタレート系ポリエステル(PET)とをA:B=8:2乃至2:8の重量比で含む請求項1または2に記載の発泡性樹脂組成物。
  4. 該(B)エチレンテレフタレート系ポリエステル(PET)がエチレンテレフタレート単位の含有量が60モル%以上である請求項1乃至3の何れかに記載の発泡性樹脂組成物。
  5. (C)重炭酸ソーダと有機酸の組成物からなる発泡剤が、アロイ化樹脂100重量部当たり0.1〜10重量部の量で含有する請求項1乃至4の何れかに記載の発泡性樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の発泡性樹脂組成物を押出成形してなる発泡樹脂成形体。
  7. 発泡倍率が1.1〜5.0倍の範囲にある請求項6に記載の発泡樹脂成形体。
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