JP4216568B2 - 液晶層形成用コーティング組成物およびそれを用いた光学素子の製造方法 - Google Patents

液晶層形成用コーティング組成物およびそれを用いた光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布の対象となる基材に、含有する溶剤による光学特性の変動を与えることが少ない液晶層形成用コーティング組成物と、そのような液晶層形成用コーティング組成物を用いて、基材上に所定の液晶規則性を有する液晶層からなる光学機能層を形成して光学素子とする際に、光学特性の変動を与えることが少ない光学素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
液晶ディスプレイを製作する際には、二枚の透明基材の互いに向き合う側の面の各々に配向膜を設けておき、間に液晶を注入するか、もしくは二枚の延伸プラスチックフィルムの間に液晶を注入している。このときに注入される物質は、実質的に液晶を主体とするものであるので、注入の際の配向膜や延伸プラスチックフィルムの耐溶剤性が問題になることはなかった。
【0003】
近年、液晶材料を含む液晶層形成用コーティング組成物を、基材の表面に印刷、もしくは塗布により適用し、必要に応じて塗膜を硬化させて得られる液晶層からなる光学機能層を形成し、液晶の種々の機能を発揮し得る光学素子とすることが知られている(例えば、特開2001−100045号公報(特許文献1)、および特表平10−508882号公報(特許文献2))。
【0004】
液晶材料を用いる場合、印刷もしくは塗布(以下、単に塗布という。)を容易にするためには、当該液晶材料を溶剤に溶かすことが必要となる。しかしながら、溶剤を用いた場合、塗布の対象である配向膜もしくは延伸フィルム等の配向能を有する基材の耐溶剤性が問題となる。すなわち、これらの塗布の対象に耐溶剤性がない場合、配向膜や延伸フィルムが液晶層形成用コーティング組成物に溶け出すことがあるため、基材の配向能が低下し、得られる光学素子の光学特性が低下するといった問題があった。
【0005】
また、液晶材料を溶解させる溶剤としては、従来、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、もしくはトルエン等の速乾燥性のものを用いることが多いが、このような速乾性の溶剤を含む液晶層形成用コーティング組成物を用いると、塗布の最中に乾燥が進行するために、塗膜にムラが生じ易く平滑な液晶層を得にくいといった問題があった。かかる問題は、上記の特開2001−100045号公報に開示された重合性の液晶材料のみならず、非重合性の液晶材料を用いる場合であっても同様に生じうる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−100045号公報
【特許文献2】
特表平10−508882号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では上記の問題を解決するため、液晶層形成用コーティング組成物を基材上に塗布した時にも、基材上の配向膜や延伸フィルムを溶解させることなく液晶層を形成でき、かつ、塗布時に塗膜ムラが発生せず平滑な液晶層を得ることができる液晶層形成用コーティング組成物およびそれを用いて光学素子を製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の液晶層形成用コーティング組成物は、液晶材料と溶剤とを主成分として含んでなる液晶層形成用コーティング組成物であって、前記溶剤が、前記液晶層形成用コーティング組成物を塗布する基材または前記基材表面上に設けられた配向層を溶解させない成分からなり、かつ60〜90重量%であることを特徴とするものである。このように溶剤が配向能を有する基材等を溶解させない成分からなるため、基材上に液晶層からなる光学機能層を形成する際に基材の配向能が低下することもなく、したがって、基材上に形成された液晶層の液晶規則性が乱されることがない。
【0009】
また、本発明の別の態様としての液晶層形成用コーティング組成物を用いた光学素子の製造方法は、配向能を有する基材上に液晶層形成用コーティング組成物を塗布し、前記塗布膜から溶剤を除去することにより、前記基材上に乾燥塗膜を形成し、次に、前記の乾燥塗膜を、液晶材料の等方相転移温度以下で熱処理することにより、基材上に所定の液晶規則性を有する液晶層からなる光学機能層を形成する工程を含んでなることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶層形成用コーティング組成物、およびそれを用いた光学素子の製造方法について、さらに詳細に説明する。
【0011】
<溶剤>
本発明の液晶層形成用コーティング組成物に含有される溶剤としては、液晶材料や、所望により含有されるカイラル剤、重合性液晶材料を用いる場合に使用する光重合開始剤等を十分に溶解させることが可能な溶剤であることが必要である。特に、液晶材料の溶解度は液晶層の膜厚に影響を与えるため、十分な溶解度を有する必要があり、また、液晶材料、カイラル剤等を溶解させた液晶層形成用コーティング組成物の状態において長時間成分の析出などがなく、溶解状態が変化しないものであることが好ましい。
【0012】
本発明の液晶層形成用コーティング組成物を構成する溶剤は、基材の配向能を阻害する溶剤、すなわち、配向膜または延伸フィルム等の配向能を有する基材を溶解させるものであってはならない。すなわち、液晶材料等を十分に溶解できるものであり、かつ、配向能を有する基材等を溶解させない成分からなるものである。本発明の液晶層形成用コーティング組成物が、配向能を有する基材を溶解させない成分からなる溶剤を用いて構成されていることにより、かかるコーティング組成物を用いて形成される液晶層は、当該液晶層形成用コーティング組成物中に含まれる溶剤による基材配向能の変化がないため、その液晶規則性が乱されることがなく、したがって良好な光学特性を得ることができる。なお、本願明細書中に用いられる、基材を「溶解する」なる用語の意義は、液晶層形成用コーティング組成物中に、配向能を有する基材の成分が溶出する等の作用により、当該基材の配向能を損ねる現象を意味するものである。
【0013】
また、本発明の液晶層形成用コーティング組成物に用いられる溶剤としては、乾燥速度が適度に遅くなければならない。例えば、乾燥速度が高い溶剤を用いて調製した液晶層形成用コーティング組成物を基材上にスピンコート法を用いて塗布する場合、スピンコーターを回転させて余剰の当該液晶層形成用コーティング組成物を除去する間に溶剤が蒸発してしまい、液晶材料成分の溶解性が維持できずに析出する、または局部的に当該液晶層形成用コーティング組成物の粘度が変化する等の問題が発生し、均一で平坦な塗膜(液晶層)が得られないからである。
【0014】
鋭意検討の結果、本発明の液晶層形成用コーティング組成物に使用する溶剤は、乾燥速度としては、室温状態(20℃)で酢酸n−ブチルの乾燥速度を1とした場合に、溶剤の乾燥速度が2以下であることが好ましいことが判明した。乾燥速度が2を超えると、上記のような問題が発生する。より好ましくは0.5以下である。なお、乾燥速度が低い溶剤を用いて溶剤乾燥の目的で減圧乾燥を行う場合には、減圧乾燥の効率を向上させるため、ある程度の蒸気圧を有するものであることが好ましい。
【0015】
また、本発明の液晶層形成用コーティング組成物に使用する溶剤は、蒸気圧が常温(20℃)で25Pa以上であることが好ましい。溶剤が遅乾性であると常圧では溶剤が蒸発しにくいため、乾燥効率を上げるために減圧乾燥を行う必要があるが、かかる場合、溶剤が、減圧乾燥時にある程度の蒸気圧を有するものでないと現実的な速度所要時間で乾燥することが困難になる。すなわち、25Pa未満であると減圧乾燥時において、乾燥速度溶剤の蒸気圧まで減圧するのにかかる所要時間が遅長すぎるため実用に耐えない。より好ましくは、50Pa以上であり、特に、100Pa以上であることが好ましい。なお、本来は減圧時の気圧での蒸気圧を規定することもできるが、現実には減圧乾燥は排気量を大きくしてもそれほど真空度を上げて行うものではないため、大気圧下での蒸気圧で規定することができる。
【0016】
上記の条件を満たす溶剤であれば特に限定されるものではなく、具体的には、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、もしくは、2,4−ペンタンジオン等のケトン系溶剤群から選択される溶媒が好ましい溶剤であり、これらの中でもシクロヘキサノンがより好ましい。
【0017】
また、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸3−メトキシブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、もしくはプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレンエーテルアセテート、またはプロピレングリコールモノエーテルアセテート等のエステル系溶媒群から選択される溶媒が好ましい溶剤であり、これらの中でも酢酸3−メトキシブチルや、プロピレングリコールモノメチルエーテル−2−アセテートがより好ましい。
【0018】
単一の溶剤のみで液晶層形成用コーティング組成物を構成すると、液晶材料の溶解が不十分であったり、一方、配向能を有する基材を溶解してしまう場合もある。2種類以上の溶剤を混同して使用することにより、かかる問題を回避することができる。
【0019】
また、上記の混合溶剤は、ケトン系溶媒とエステル系溶媒とを混合したものであることが好ましい。このように、ケトン系とエステル系との2種類の溶媒を混合して、液晶材料等の溶剤に用いることにより、液晶材料等には十分溶解性を有し、かつ基材等には非溶解性の溶剤を調製することができる。
【0020】
本発明の液晶層形成用コーティング組成物に使用する溶剤の含有量は、60〜90重量%であることが好ましい。液晶材料の溶解性や当該液晶層形成用コーティング組成物により形成される液晶層の膜厚によっても異なるが、一般的に溶剤含有量が60重量%に満たないと液晶材料を完全に溶解させることが困難となり、一方、90重量%を超えると溶剤の含有量が多すぎて、乾燥時間がかかり過ぎるため好ましくない。
【0021】
さらに、本発明の液晶層形成用コーティング組成物は、溶剤としてシクロヘキサノンを用いる場合にあっては、酸化防止剤を含んでなることが好ましい。溶剤がシクロヘキサノンである本発明の液晶層形成用コーティング組成物を放置すると、ゲル化または固化することがあり、かかるゲル化等を防止するためには、酸化防止剤を添加する必要がある。
【0022】
酸化防止剤としては、例えば、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)、またはテトラキス−〔メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート〕−メタン(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名:イルガノックス(irganox)1010として入手可能。)が挙げられる。酸化防止剤の添加量は、用いる酸化防止剤の種類、液晶材料の種類等にもよって異なり、使用に際して適宜選択される。酸化防止剤は、溶剤に溶解するものであれば特に限定されるものではなく、酸性、中性、および弱塩基性のものが好ましい。
【0023】
本発明の目的を損なわない範囲において、上記以外の化合物を添加することができる。本発明の液晶層形成用コーティング組成物においては、重合性液晶材料を用いた場合には、液晶材料自身が重合して硬化することにより液晶層を形成するが、さらに重合度を高めて得られる液晶層の物理的性状または化学的性状を高める目的で重合性液晶材料以外の重合性化合物を添加することができる。
【0024】
そのような重合性化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸または多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を有する化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族もしくは脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物が挙げられる。
【0025】
本発明の液晶層形成用コーティング組成物に対するこれらの化合物の添加量は、本発明の目的が損なわれない範囲であればよく、一般的には、本発明の液晶層形成用コーティング組成物の10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。かかる化合物を添加することにより、本発明の液晶層形成用コーティング組成物から形成される液晶層の硬度が増し、得られる光学素子の機械的強度が向上するとともに、その安定性が改善される。
【0026】
また、本発明の液晶層形成用コーティング組成物には、塗布を容易にする目的のために、界面活性剤を添加することができる。添加可能な界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一級あるいは第二級アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコール、およびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族もしくは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界面活性剤、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪族エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル・親油性基含有オリゴマーパーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤などが挙げられる。
【0027】
界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類、液晶材料等の種類、溶剤の種類、更には当該液晶層形成用コーティング組成物を塗布する配向能を有する基材の種類にもよるが、通常は、当該液晶層形成用コーティング組成物に含まれる液晶材料の10重量ppm〜10重量%、好ましくは100重量ppm〜5重量%、さらに好ましくは、0.05〜1重量%である。
【0028】
なお、上記の添加物が含有された場合であっても、本発明の液晶層形成用コーティング組成物を構成する溶剤の含有量は、60〜90重量%であることが好ましい。
【0029】
本発明の液晶層形成用コーティング組成物に使用する溶剤は、液晶材料として非重合性の液晶材料に対しても効果を発揮する。非重合性液晶材料を用いる場合にあっては、光重合開始剤が不要であることは言うまでもなく、かかる場合には、非重合成液晶材料と、溶剤、および必要に応じて加えるカイラル剤とで本発明の液晶層形成用コーティング組成物を調製することができる。なお、この場合においても、溶剤の含有量は、60〜90重量%であることが好ましい。
【0030】
<液晶材料>
本発明の液晶層形成用コーティング組成物は、液晶材料と溶剤とを主成分とするものであり、当該液晶材料は、重合性液晶材料または非重合性液晶材料の何かれでもよく、また所望によりカイラル剤を含んでいてもよい。液晶材料が電離放射線硬化型の重合性液晶材料の場合には、光重合開始剤を含んでいてもよい。
【0031】
重合性液晶材料としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマー、および重合性液晶高分子を挙げることができる。このような重合性液晶材料は、通常、それ自体がネマチック規則性やスメチック規則性を有するものが用いられるが、特にこれらに限定されるものではなく、重合性液晶材料がコレステリック規則性を有するものであってもよい。また、光学素子によってはコレステリック規則性が必要なこともあり、このような場合は、上記のネマチック規則性またはスメチック規則性を有する重合性液晶材料に、カイラル剤を加えることにより、コレステリック規則性を付与することができる。
【0032】
このような重合性液晶材料の一例としては、例えば下記一般式(1)で表される化合物(I)を挙げることができる。化合物(I)としては、一般式(1)に包含される化合物の2種類を混合して使用することも可能である。またさらに、上記化合物(I)と下記一般式(2)で表される化合物(II)とで構成されるものであってもよい。
【0033】
化合物(I)としては、一般式(1)に包含される化合物の2種を混合して使用することができ、同様に、化合物(II)としては、一般式(2)に包含される化合物の2種以上を混合して使用することができる。
【0034】
【化1】
Figure 0004216568
化合物(I)を表わす一般式(1)において、R1およびR2はそれぞれ水素またはメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR1およびR2は共に水素であることが好ましい。Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、ニトロ基のいずれであっても差し支えないが、塩素またはメチル基であることが好ましい。また、化合物(I)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と、芳香環とのスペーサであるアルキレン基の鎖長を示すaおよびbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数を取り得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物は、安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物自体の結晶性が高い。また、aおよびbがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物は、アイソトロピック転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物はどちらも液晶性を示す温度範囲が狭く好ましくない。
【0035】
【化2】
Figure 0004216568
化合物(II)を表わす一般式(2)において、R3は水素またはメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR3は水素であることが好ましい。アルキレン基の鎖長を示すcに関して言えば、この値が2〜12である化合物(II)は液晶性を示さない。しかしながら、液晶性を持つ化合物(I)との相溶性を考慮すると、cは4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。化合物(II)も任意の方法で合成可能であり、例えば、1当量の4−シアノフェノールと1当量の4−(n−(メタ)アクリロイロキシアルコキシ)安息香酸とのエステル化反応により化合物(II)を合成することができる。このエステル化反応は化合物(I)を合成する場合と同様に、上記安息香酸を酸クロリドやスルホン酸無水物などで活性化し、これと4−シアノフェノールとを反応させるのが一般的である。また、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)等の縮合剤を用いて上記安息香酸と4−シアノフェノールを反応させてもよい。
【0036】
上述した例では、重合性液晶モノマーの例を挙げたが、本発明においては、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子等を用いることも可能である。このような重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子としては、従来提案されているものを適宜選択して用いることが可能である。
【0037】
本発明においては、上記光学素子が円偏光制御光学素子、すなわち光学機能層がコレステリック層であり、かつ重合性液晶材料がネマチック規則性もしくはスメクチック規則性を呈する場合は、上記重合性液晶材料に加えてカイラル剤を加えることが必要となる。
本発明に用いられるカイラル剤とは、光学活性な部位を有する化合物を意味する。カイラル剤は主として化合物(I)や、必要に応じて用いられる化合物(II)が発現する正の一軸ネマチック規則性に螺旋ピッチを誘起させる目的で用いられる。この目的が達成される限り、化合物(I)と、もしくは化合物(I)および化合物(II)の混合物とを、溶液状態あるいは溶融状態において相溶し、上記ネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋ピッチを誘起できるものであれば、下記に示すカイラル剤の種類は特に限定されない。液晶に螺旋ピッチを誘起させるために使用するカイラル剤は、少なくとも分子中に何らかのキラリティーを有していることが必須である。従って、本発明で使用可能なカイラル剤としては、例えば1つあるいは2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルなアミン、キラルなスルフォキシド等のようにヘテロ原子上に不斉点がある化合物、あるいはクムレン、ビナフトール等の軸不斉を持つ化合物が例示できる。さらに具体的には、市販のカイラルネマチック液晶、例えば、Merck社製S−811等が挙げられる。
【0038】
しかし、選択したカイラル剤の性質によっては、化合物(I)と、もしくは化合物(I)および化合物(II)の混合物が形成するネマチック規則性の破壊、配向性の低下、あるいは該化合物が非重合性の場合には、液晶性組成物の硬化性の低下、硬化フィルムの信頼性の低下を招くおそれがある。さらに、光学活性な部位を有するカイラル剤の多量使用は、組成物のコストアップを招く。従って、短ピッチのコレステリック規則性を有する円偏光制御光学素子を製造する場合には、本発明の液晶性組成物に含有させる光学活性な部位を有するカイラル剤には、螺旋ピッチを誘発する効果の大きなカイラル剤を選択することが好ましく、具体的には一般式(3)または(4)で表されるような分子内に軸不斉を有する化合物(III)の使用が好ましい。
【0039】
【化3】
Figure 0004216568
【化4】
Figure 0004216568
【化5】
Figure 0004216568
カイラル剤(III)を表わす一般式(3)または(4)において、R4は水素またはメチル基を示す。Yは上記に示す式(i)〜(xxiv)の任意の一つであるが、なかでも、式(i),(ii),(iii),(v)および(vii)の何れか一つであることが好ましい。また、アルキレン基の鎖長を示すdおよびeは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。dまたはeの値が0または1である一般式(3)または(4)の化合物は、安定性に欠け、加水分解を受けやすく、結晶性も高い。一方、dまたはeの値が13以上である化合物は融点(Tm)が低い。これらの化合物は液晶性を示す化合物(I)と、もしくは化合物(I)および化合物(II)の混合物との相溶性が低下し、濃度によっては相分離等が起きるおそれがある。
【0040】
本発明の重合性液晶材料に配合されるカイラル剤の量は、螺旋ピッチ誘起能力や最終的に得られる円偏光制御光学素子のコレステリック性を考慮して最適値が決められる。具体的には、用いる重合性液晶材料により大きく異なるものではあるが、重合性液晶材料の合計量100重量部当り、0.01〜60重量部、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.5〜30重量部、最も好ましくは1〜20重量部の範囲で選ばれる。この配合量が上記範囲よりも少ない場合は、重合性液晶材料に充分なコレステリック性を付与できない場合があり、上記範囲を越える場合は、分子の配向が阻害され、活性放射線によって硬化させる際に悪影響を及ぼす危惧がある。
【0041】
本発明においては、このようなカイラル剤としては、特に重合性を有することが必須ではない。しかしながら、得られる光学機能層の熱安定性等を考慮すると、上述した重合性液晶材料と重合し、コレステリック規則性を固定化することが可能な重合性のカイラル剤を用いることが好ましい。
【0042】
本発明においては、上述した重合性液晶材料に、光重合開始剤が添加されていることが好ましい。例えば、電子線照射により重合性液晶材料を重合させる際には、光重合開始剤が不要な場合はあるが、一般的に用いられている例えば紫外線(UV)照射による硬化の場合においては、通常光重合開始剤が重合促進のために用いられるからである。
【0043】
本発明において用いることができる光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。なお、光重合開始剤の他に増感剤を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加することも可能である。
【0044】
このような光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。
【0045】
一方、液晶材料として非重合性液晶材料を用いることもできる。このような液晶材料としては、例えば、コレステリック液晶の材料としては、シッフ塩基、アゾ系、エステル系、ビフェニル系等のネマチック液晶化合物の末端基に光学活性の2−メチルブチル基、2−メチルブトキシ基、4−メチルヘキチル基を結合したカイラルネマチック液晶化合物、または、特開平7−258638号公報で開示されているようなキラル反応性液晶化合物、特開昭57−165480で開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物、特表平10−508882号公報で開示されているような重合可能なモノマー、およびキラル化合物、等が望ましい。また、一般に高分子液晶は、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖および側鎖の位置に導入した高分子であるが、高分子コレステリック液晶も、例えばコレステリル基を側鎖に導入することで得られる。高分子液晶を用いる場合のコレステリック液晶の材料としては、例えば、特開平9−133810号公報で開示されているような液晶性高分子、特開平11−293252号公報が開示されているような液晶性高分子、等が望ましい。
【0046】
<光学素子の製造方法>
次に本発明の液晶層形成用コーティング組成物を用いた、光学素子の製造方法について説明する。
【0047】
本発明の光学素子の製造方法は、配向能を有する基材上に液晶層形成用コーティング組成物を塗布し、前記塗布膜から溶剤を除去することにより、前記基材上に乾燥塗膜を形成し、次に、前記の乾燥塗膜を、液晶材料の等方相転移温度以下で熱処理することにより、基材上に所定の液晶規則性を有する液晶層からなる光学機能層を形成する工程を含んでなることを特徴とする方法である。
【0048】
また、本発明の態様として、光学機能層を基材上から別の被転写用基材に転写する工程を含んでもよい。以下、かかる2態様の製造方法について、重合性液晶材料を用いて紫外線(UV)照射による硬化を行う場合を例に説明する。
【0049】
図1は、本発明の製造方法の概略を示したものである。まず、透明基材1上に配向膜2が積層された、配向能を有する基材3を準備する(図1(a))。次に、配向能を有する基材3の配向膜2上に本発明の液晶層形成用コーティング組成物を塗布し、塗膜中の溶剤を乾燥除去する。溶媒除去後、液晶材料からなる乾燥塗膜を等方相転移温度以下の温度で熱処理を行い、液晶層4を形成する(図1(b))。この液晶層4は、配向膜2の作用により液晶規則性を有している。
【0050】
その後、規則性を有する液晶層4に対して室温または必要に応じて加熱しながら、紫外線5を照射し(図1(c))、液晶層4内の重合性液晶材料を重合させ、液晶層4を硬化し光学機能層6を形成する(図1(d))。非重合性液晶材料を用いる場合にあっては、紫外線照射工程は不要である。
【0051】
このようにして基材3上に形成された光学機能層6を、例えばオーブン中に保持して所定の温度に保持することにより、熱7を加え、再硬化処理を行うことが好ましい(図1(e))。再硬化処理により、光学機能層が配向機能を有する基材3上に積層された光学素子を得ることができる(図1(f))。
【0052】
図2は、基材上に形成された光学機能層を別の被転写体に転写する工程を含む場合を表した製造方法の概略図である。配向能を有する基材3上に光学機能層6を形成するまでの工程は、上記の方法と同様である。
【0053】
次に、光学機能層6の表面側に被転写材9を配置し(図2(b))、光学機能層6を被転写材9上に転写する(図2(c))。被転写材9上に光学機能層6が転写されたものを再硬化処理(図2(d))することが好ましく、このようにして光学機能層6が被転写材9上に転写された光学素子を得ることができる(図2(e))。
【0054】
配向能を有する基材3として、透明基材1上に配向膜2が積層されたものを例示したが、配向能を有する基材としては、基材そのものが配向能を有するものであってもよい。このような基材自体が配向能を有するものとしては、延伸プラスチックが挙げられ、延伸プラスチックの延伸方向に沿って液晶材料を配向させることができる。延伸プラスチックフィルムは、プラスチックフィルム製造時に、または一旦製造されたプラスチックフィルムを原料として作製することができるため工程的にも簡単であり、あるいは市販の延伸プラスチックフィルムを用いることができるため入手が容易であるといった利点を有する。
【0055】
延伸プラスチックフィルムを構成する材料としては、ポリカーボネート系高分子、ポリアリレートやポリエチレンテレフタレートの如きポリエステル系高分子、ポリイミド系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリエチレンやポリプロピレンの如きポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子等の熱可塑性ポリマーなどからなるフィルムや、液晶ポリマーからなるフィルムなどを挙げることができる。
【0056】
本発明においては、中でもポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが、延伸倍率のレンジ幅が広い点、さらには入手のしやすさ等の観点から好ましく用いられる。
【0057】
本発明に用いられる延伸フィルムの延伸率としては、配向能が発揮し得る程度の延伸率であれば特に限定されるものはない。したがって、2軸延伸フィルムであっても2軸間で延伸率が異なるものであれば用いることが可能である。
【0058】
この延伸率は、用いる材料により大きく異なるものであり、特に限定されるものではないが、一般的には150%〜300%程度のものを用いることが可能であり、好ましくは200%〜250%のものが用いられる。
【0059】
配向能を有する基材は、図1または図2で説明したように、透明基材上に配向膜が積層された積層型のものであってもよい。積層型の場合には、透明基材上に塗布する配向膜形成用塗工液の種類を選択することにより、種々の配向方向を実現することが可能であり、かつより効果的な配向を行うことができる。通常液晶表示装置等において用いられる配向膜を好適に用いることが可能であり、一般的にはポリイミド系の配向膜をラビング処理したものが好適に用いられる。また、光配向膜を用いることも可能である。
【0060】
透明基材としては、透明材料により形成されたものであれば特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
【0061】
配向能を有する基材上に本発明の液晶層形成用コーティング組成物を塗布する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法(ダイコート法)等が挙げられる。これらの公知の方法によれば、比較的簡単に当該液晶層形成用コーティング組成物を塗布することができる。
【0062】
本発明の液晶層形成用コーティング組成物を基材上に塗布した後、乾燥により溶剤を除去する。溶剤の除去方法としては、例えば、減圧除去もしくは加熱除去、さらにはこれらを組み合わせる方法等により行われる。溶剤除去により、液晶材料からなる乾燥塗膜が形成される。
【0063】
このようにして形成された乾燥塗膜内の液晶材料を基材表面の配向能により、液晶規則性を付与する。液晶規則性付与は、液晶材料の等方相転移温度以下の温度で熱処理を行うことによりできる。なお、等方相転移温度とは、液晶相から等方相へ転移する温度を示すものである。
【0064】
次に、液晶材料として電離放射線硬化型の重合性液晶材料を用いる場合は、液晶層に、室温でまたは必要に応じて加熱しながら、電離放射線を照射することにより、液晶層がその規則性を有した状態のまま硬化されて光学機能層が形成される。電離放射線としては、特に限定されるものではなく、通常は、電子線または紫外線等の光が使用されるが、装置が簡便で、小型化が可能である等の観点から、紫外光、または可視光、特に紫外線が使用され、波長が150〜500nm、好ましくは250〜450、さらに好ましくは300〜400nmの照射光が用いられる。
【0065】
この照射光の光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などが例示できる。なかでもメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ灯等の使用が推奨される。
【0066】
照射強度は、液晶層を形成している重合性液晶材料の組成や光重合開始剤の多寡によって適宜調整されて照射される。
【0067】
図2を用いて説明したように本発明の光学素子の製造方法は、必要に応じて、基材上に形成された光学機能層を別の被転写材上に転写してもよい。光学機能層を他の層と組み合わせて用いる場合や、光学機能層に可撓性のあるフィルム表面に積層して用いる場合に、このように転写することが行われる。
【0068】
転写方法としては、例えば、被転写材表面もしくは光学機能層表面のいずれか一方または両方に接着層を予め形成しておき、この接着力により転写する方法、基材上の配向膜等を易剥離性としておく方法等が挙げられる。
【0069】
さらに有効な方法としては、光学機能層の被転写材が接触する側の表面の表面硬度を基材側の表面硬度よりも低くなるように形成し、この状態で転写を行う方法や、光学機能層の上記被転写材側表面の残存二重結合率が、上記基材側のものよりも高くするように形成し、この状態で転写を行う方法等を挙げることができる。このように、光学機能層における表面側の重合度を基材側の重合度より低く形成する方法としては、酸素の存在下において重合速度が低下する酸素依存性を有する光重合開始剤を上記重合性液晶材料に用い、表面側にのみ酸素が接触するような条件下で重合させる方法等を挙げることができる。
【0070】
この工程において用いられる被転写材としては、得ようとする光学素子の用途に応じて適宜選択されるものではあるが、一般的には光学素子であることから透明な材料、すなわち透明基板が好適に用いられる。透明基材としては、先の「配向能を有する基材」の説明の際に挙げた材料、すなわち、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
【0071】
転写工程の有無にかかわらず、光学機能層は、電離放射線の照射、あるいは加熱による液晶層の硬化の後、さらに、加熱による再硬化処理を行うことが好ましい。かかる再硬化処理は、150〜260℃の温度範囲内で加熱することにより行うことが好ましく、より好ましくは165〜260℃、特に180〜260℃であるのが好ましい。
【0072】
再硬化処理が150℃よりも低い温度で行われると、光学機能層の硬度の増加が不十分であり、また260℃を超えると、光学機能層または基材、もしくは被転写材にダメージを与える。
【0073】
再硬化処理に要する時間は、光学機能層が上記の温度範囲内となってからの経過時間が1〜240分であることが好ましく、30〜210分、特に60〜180分の範囲で行うことがより好ましい。1分よりも短いと、光学機能層の硬度の上昇が不十分であり、また240分を超えると光学機能層、基材、もしくは被転写材が熱劣化する可能性がある。このような再硬化処理は、一般的なオーブン等の熱処理用機器を用いて行うことが可能である。
【0074】
光学機能層は、光学素子の最表面に配置されていてもよいが、さらにその光学機能層の表面上に保護層を設けることもできる。保護層を形成する際には、上記の再硬化処理は保護層の形成後であってもよいし、あるいは光学機能層の再硬化処理を行った後に保護層を形成してもよく、さらに、保護層再硬化処理工程を設けてもよい。
【0075】
このように保護層を形成した後、再硬化処理工程、すなわち熱処理を行うことにより、または光学機能層および保護層にそれぞれ再硬化処理を行うことにより、光学機能層および保護層の両者の硬度を向上させることが可能となり、これにより、光学機能層と保護層との積層体表面の硬度を大幅に向上させることができる。したがって、このような光学機能層と保護層との積層体からなる光学素子を光学機器に用いた場合に、光学機器の精度を向上させることができる。
【0076】
このような保護層は、保護層形成用塗工液を光学機能層表面に塗布することにより形成することができる。保護層形成用塗工液としては、特に限定されるものではないが、有機材料からなるものが好ましい。より好ましくは、耐熱性、耐摩耗性、および耐熱性に優れた紫外線硬化性樹脂、または電子線硬化樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。紫外線硬化樹脂または電子線硬化性樹脂は、多官能モノマーおよび多官能オリゴマーの重合反応によって膜を形成するから、機械的強度の高い強靱な表面保護層とすることができる。
【0077】
本発明の表面保護層に使用される具体的な材料としては、例えば、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリスチレンメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート(特に、それぞれビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型の骨格を有するエポキシアクリレート、およびフェノールノボラック型エポキシアクリレート)、ポリカーボネート、ポリブタジエンアクリレート、メラミンアクリレート等の多官能オリゴマーであって、官能基が1〜10のもの等が挙げられる。また、2−エチルヘキシルアクリレート、1,6−ヘキサジオールアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート等の単官能モノマーおよび多官能モノマーも好適に用いることができる。さらに、これらの材料を様々に組み合わせることにより、複数の保護層が積層された表面保護層を形成することができる。具体的には、AC−8100、AC5100(日産化学)等を挙げることができる。
【0078】
【実施例】
<配向膜の形成>
厚み0.7mmのガラス基板上に、ポリイミドを含有する配向膜溶液をスピンコーティングし溶剤を蒸発させた後、230℃でポストベイクし、ラビング処理を行うことにより配向膜を作製した。配向膜の厚さは0.1μmであった。
【0079】
<液晶層形成用コーティング組成物の調製>
重合性液晶材料として下記式(5)に示す重合性液晶モノマーと、下記式(6)のカイラル剤と、光重合開始剤とを、100:5:5の重量割合で混合した粉体を下記表1に示す溶剤に、30重量%となるよう溶解させて液晶層形成用コーティング組成物を調製した。なお、下記式(5)に示す重合性液晶材料は、末端に重合可能な官能基を有し、50℃〜100℃の温度範囲でネマチック液晶性を示すものであり、また、下記式(6)に示すカイラル剤は、メソゲン両端部にスペーサを介してアクリレートを設けることにより重合可能にした、重合性カイラル剤である。
【0080】
【化6】
Figure 0004216568
【化7】
Figure 0004216568
光重合開始剤としては、市販のチバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製(商品名:「イルガキュア907」)2−メチル−1[4−メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンを用いた。
【0081】
<液晶層の形成>
上記の調製した液晶層形成用コーティング組成物を、上記のガラス基板上に形成した配向膜上にスピンコーティングし、溶剤を蒸発させた後、80℃の温度で3分間加熱して液晶分子を配向させた。配向膜上に形成した乾燥塗膜がコレステリック液晶構造特有の選択反射を示すことを確認した。
【0082】
次に、当該乾燥塗膜表面に波長313nm、100mJ/cmの紫外光を照射して液晶材料を重合させることにより、コレステリック液晶層を形成した。当該液晶層の厚みは3.6μmであった。
【0083】
基材上に形成した液晶層を230℃の温度で1時間加熱処理を行い、その後室温まで冷却し1日放置することにより試料を得た。
【0084】
<評価>
上記の得られた配向膜について、下記に示す「基材溶解性テスト」を行った。基材溶解性テストは、基材上に形成した配向膜を下記表1に示した各溶剤に5分間浸した後乾燥し、その後、トルエンを溶剤とする液晶層形成用コーティング組成物を当該配向膜上に塗布し、この状態で目視により配向状態を調べた。配向状態は、配向膜が白濁したものを不良とした。なお、トルエンは乾燥速度が不適切なため、液晶層形成用コーティング組成物を基材に塗布しても均一な膜厚の塗膜を形成することはできないものの、基材の配向膜を溶解せず、コントラスト評価に影響を及ぼさないことから、本テストの液晶層形成用コーティング組成物の溶剤としてトルエンを用いたものである。
【0085】
次に、上記の得られた試料について、下記に示す「コントラスト測定」を行った。下記表1に示した各溶剤を用いて調整した液晶層形成用コーティング組成物を用いて、得られた各試料を2枚の右円偏光板で挟持し、当該円偏光板に対して垂直に光を入射させて、透過する光の強度を分光器を用いて測定した。この測定は、液晶層を液晶表示装置に組み込んだ場合の明表示に相当するものである。
【0086】
上記の測定とは別に、各試料を右円偏光板と左円偏光板とで挟持し、右円偏光板側から垂直に光を入射させて、透過する光の強度を分光器を用いて測定した。この測定は、液晶層を液晶表示装置に組み込んだ場合の暗表示に相当するものである。なお、入射光は何れも光源波長が545nmのものを用いた。
【0087】
得られた両測定結果から「明表示時の光透過光強度/暗表示時の光透過光強度」を算出し、この値をコントラスト値とした。なお、コントラスト値は、数値が大きいほど性能が良いと言える。
【0088】
次に、コントラスト測定を行った後の各試料について、液晶層を剥離して配向膜を露出させ、再度、トルエン溶剤を用いて調製した液晶層形成用コーティング組成物を配向膜に塗布し、目視で配向状態を調べた。なお、コントラスト測定後に配向不良であったものは、最初の液晶層形成時に配向膜が溶剤に溶解したものと判断される。
【0089】
【表1】
Figure 0004216568
【0090】
【発明の効果】
本発明の液晶層形成用コーティング組成物は、溶剤が配向能を有する基材等を溶解させない成分からなるため、基材上に液晶層を形成する際に基材の配向能が低下することもなく、したがって、基材上に形成された液晶層の液晶規則性が乱されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光学素子の製造方法の一例を示す、工程概略図である。
【図2】本発明にかかる光学素子の製造方法の他の例を示す、工程概略図である。
【符号の説明】
1 透明基材
2 配向膜
3 配向能を有する基材
4 液晶層
5 紫外線
6 光学機能層
7 熱
8 光学素子
9 被転写材

Claims (13)

  1. 液晶材料と溶剤とを主成分として含んでなる液晶層形成用コーティング組成物であって、前記溶剤が、前記液晶層形成用コーティング組成物を塗布する基材または前記基材表面上に設けられた配向層を溶解させない成分からなり、かつ60〜90重量%であり、
    シクロヘキサノンからなるケトン系溶媒と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、または酢酸3−メトキシブチルからなるエステル系溶媒との混合溶剤であることを特徴とする、液晶層形成用コーティング組成物。
  2. 前記液晶材料が、コレステリック液晶材料である、請求項1に記載の液晶層形成用コーティング組成物。
  3. 前記液晶材料が、重合性液晶材料である、請求項1または2に記載の液晶層形成用コーティング組成物。
  4. 光重合開始剤をさらに含んでなる、請求項3に記載の液晶層形成用コーティング組成物。
  5. 前記溶剤が、酢酸n−ブチルの蒸発速度を1とした場合に、蒸発速度2以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶層形成用コーティング組成物。
  6. 前記溶剤の20℃における蒸気圧が、25Pa以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶層形成用コーティング組成物。
  7. 酸化防止剤をさらに含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶層形成用コーティング組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶層形成用コーティング組成物を用いた光学素子の製造方法であって、
    配向能を有する基材上に液晶層形成用コーティング組成物を塗布し、
    前記塗布膜から溶剤を除去することにより、前記基材上に乾燥塗膜を形成し、
    次に、前記の乾燥塗膜を、液晶材料の等方相転移温度以下で熱処理することにより、基材上に所定の液晶規則性を有する液晶層からなる光学機能層を形成する、
    工程を含んでなることを特徴とする、光学素子の製造方法。
  9. 基材上に形成された前記液晶層を硬化処理する工程を含む、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記の硬化処理が、熱硬化処理、または電離放射線硬化処理である、請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記光学機能層を、前記基材上から別の被転写用基材に転写する工程を含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記光学機能層を加熱することにより、再硬化処理する工程を含む、請求項8〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記の再硬化処理の加熱温度が、150〜260℃の範囲である、請求項12に記載の製造方法。
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