JP2000267095A - 反射型液晶表示装置 - Google Patents

反射型液晶表示装置

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JP2000267095A
JP2000267095A JP11075755A JP7575599A JP2000267095A JP 2000267095 A JP2000267095 A JP 2000267095A JP 11075755 A JP11075755 A JP 11075755A JP 7575599 A JP7575599 A JP 7575599A JP 2000267095 A JP2000267095 A JP 2000267095A
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liquid crystal
polarizing plate
film
optically anisotropic
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JP11075755A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Kamisaka
哲也 上坂
Takehiro Toyooka
武裕 豊岡
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射率が高く、コントラストの良好な表示が
得られ、且つ良好な無彩色表示を達成することができる
反射型液晶表示装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、電極を備える1対の基板間に
挿入された液晶物質を有する液晶セル、偏光板、反射
板、光学異方体を備え、液晶物質に電圧が印加される反
射型液晶表示装置であって、液晶セルの両面側にそれぞ
れ偏光板、反射板が、偏光板及び液晶セルの間に光学異
方体が配置され、偏光板から反射板に向けて、液晶セル
内の液晶分子のねじれ角θ1、光学異方体の遅相軸のね
じれ角θ2、光学異方体と液晶物質層の対向面の軸同士
の角θ3及び偏光板の吸収軸から光学異方体の偏光板側
の面上の遅相軸への角θ4がそれぞれ特定範囲であり、
Δn1・d1、Δn2・d2(Δn1、Δn2:液晶物
質、光学異方体の屈折率異方性、d1、d2:層厚)が
それぞれ400〜600nmで、これらの差が−60〜
60nmを満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補償フィルムと偏
光板を備えた液晶表示素子を用い、明るい無彩色表示を
行い、かつコントラストのよい反射型液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイ技術の進展によ
る、表示性能の格段の向上によって、電卓からワードプ
ロセッサやパーソナルコンピュータのディスプレイへと
液晶表示装置の応用用途は拡大を遂げて来た。さらに、
液晶表示装置の有する薄型軽量なる特徴を大きく活かせ
る、携帯型情報端末機器のディスプレイとしての市場拡
大の期待が高まっている。携帯型用途としては通常バッ
テリー駆動であるがために消費電力を抑えることが重要
な課題となっている。そのために携帯型用途の液晶表示
装置等としては、電力の消費が大きいバックライトを使
用しないで済み、低消費電力化、薄型化、軽量化が可能
である反射型液晶表示装置が特に注目されている。
【0003】反射型液晶表示装置に要求される性能の中
で最も重要となるのは、周囲光をいかに有効に活用でき
るかどうかである。現在、電卓、電子手帳等に一般に用
いられている表示モードは、2枚の偏光板と、反射板と
を組み合わせたTN(ツイステッドネマチック)方式で
ある。
【0004】ところが、このような偏光板を2枚用いる
方式では、反射板で反射された楕円偏光(円偏光及び直
線偏光を含む)の互いに直交する2つの直線偏光成分の
内のいずれか一方の直線偏光成分が、反射板と液晶層と
の間に配置された偏光板によって吸収される。従って、
偏光板の吸収による光のロスがあるので、明るい表示が
得られない。
【0005】この問題を解決する従来の技術として、特
開平8−76111号公報には、偏光板、位相差板、液
晶セル及び反射板がこの順に積層し、位相差板として液
晶セルと逆向きのねじれ構造を付与した液晶セルを用い
た反射型液晶表示装置が提案されている。このような構
成とすることによって、一般に用いられているTN型液
晶セルを用いた反射型液晶表示素子等から反射板側の偏
光板を除いた構成とすることができるため、必然的に高
輝度が得られ、高反射率な白表示ができることが期待さ
れる。しかしながら、このような構成を有する反射型液
晶表示装置を形成する場合、反射前後の偏光を1枚の偏
光板で兼ねるという構造上の自由度の低さに起因して、
位相差板等の各層を、良好な高コントラストの表示を与
えるよう構成することが困難である。また、良好な無彩
色表示を達成することが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、反射
率が高く、コントラストの良好な表示が得られ、且つ良
好な無彩色表示を達成することができる反射型液晶表示
装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に係る
発明は、電極を備える1対の基板及びその間に挿入され
た液晶物質を有する駆動用液晶セルと、偏光板と、反射
板と、光学異方体を少なくとも備え、液晶物質の層に駆
動電圧が印加される反射型液晶表示装置であって、前記
偏光板が前記液晶物質の一方の面側のみに配置され、前
記反射板が前記液晶物質の層の他方の面側に配置され、
前記光学異方体が前記偏光板及び前記液晶物質の層の間
に配置され、前記液晶セル内の前記液晶物質の層におけ
る偏光板側から反射板側への液晶分子のねじれ角θ1、
前記光学異方体の遅相軸の偏光板側から反射板側へのね
じれ角θ2、前記光学異方体と前記液晶物質の層との向
き合う面の軸同士の偏光板側から反射板側への角度θ
3、及び前記偏光板の吸収軸から前記光学異方体の偏光
板側の面上における遅相軸への角度θ4が、下記式A1
〜A5: θ1=+40〜+70° …(A1) θ2=−20〜−50° …(A2) [θ1+θ2=+11〜+35°] …(A3) θ3=+70〜+110° …(A4) [θ4=−15〜+25°若しくは+75〜+115°] …(A5) の全てを満足し、前記液晶セル内における前記液晶物質
の屈折率異方性Δn1と前記液晶物質の層の厚みd1と
の積Δn1・d1、及び前記光学異方体の屈折率異方性
Δn2と前記光学異方体の厚みd2との積Δn2・d2
が下記式A6: [Δn1・d1=400nm〜600nm、Δn2・d2=400nm〜600 nm、且つΔn1・d1−Δn2・d2=−60〜+60nm] …(A6) を満足する反射型液晶表示装置に関する。
【0008】また、請求項2に係る発明は、前記光学異
方体が、光学的に正の一軸性を示す液晶が液晶状態にお
いて形成したツイステッドネマチック配向を固定化せし
めた液晶フィルムから少なくとも構成されたものであ
る。
【0009】また、請求項3に係る発明は、前記光学異
方体が、光学的に正の一軸性を示す高分子液晶を液晶状
態においてツイステッドネマチック配向を形成せしめ、
該配向状態から冷却することにより液晶相状態でガラス
固定化せしめた液晶フィルムから少なくとも構成された
ものである。
【0010】さらに請求項4に係る発明は、前記光学異
方体が、光学的に正の一軸性を示す光硬化型低分子液晶
を液晶状態においてツイステッドネマチック配向させ、
配向後光照射により固定化せしめた液晶フィルムから少
なくとも構成されたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。
【0012】本発明の反射型液晶表示装置は、駆動用液
晶セルと、偏光板と、反射板と、光学異方体とを備え
る。
【0013】前記駆動用液晶セルは、電極を備える一対
の基板及びその間に挿入された液晶物質を有する。前記
基板としては、前記液晶物質を特定の配向方向に配向さ
せるものを用いることができる。具体的には、基板自体
が前記液晶物質を配向させる性質を有していても良く、
また、前記液晶物質を配向させる性質を有する配向膜等
をさらに備えるものであっても良い。このような特定の
配向方向を有する基板を、該配向がねじれた関係となる
対にすることにより、前記液晶物質の層に、特定のねじ
れ角を与えることができる。また、前記電極は、通常、
前記基板の前記液晶物質に面する側の面上に設けること
ができ、前記配向膜を有する基板の場合は、基板と配向
膜との間に設けることができる。前記液晶物質として
は、通常ツイステッドネマティック型液晶表示装置に用
いられる各種のもの等を用いることができる。
【0014】ここで駆動用液晶セルを駆動方式で分類す
れば、単純マトリクス方式、能動素子を電極として用い
るTFT(Thin Film Trasistor)電
極、MIM(Metal Insulator Met
al、あるいはTFD;Thin Film Diod
e)電極を用いるアクティブマトリクス方式等のように
細分化することができるが、本発明では駆動方式に限定
されるものではない。
【0015】前記偏光板は、前記液晶物質の層の一方の
面側のみに配置される。具体的には、例えば前記駆動用
液晶セルの一方の面上に直接設けることもでき、前記光
学異方体等の他の構成部材を介して設けることもでき
る。前記偏光板としては偏光機能を有する適宜なものを
用いうるが一般には偏光フィルムからなるものが用いら
れる。その偏光フィルムについては特に制限はなく、吸
収軸を有する一般的な各種のものを用いることができ
る。例えば、例えばポリビニルアルコール系フィルムや
部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムやセ
ルロース系フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ
素および/または二色性色素を吸着させて延伸したフィ
ルム、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビ
ニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フィルム等が挙
げられる。なかでも本発明では、一軸に延伸されたポリ
ビニルアルコールフィルム(PVA)に偏光度の高いヨ
ウ素を一定方向に配列してつくるハロゲン偏光フィルム
や直接染料で染色したポリビニルアルコールフィルム等
を他の支持フィルムに挟んだもの等の透過率の高い偏光
フィルムを用いうるほうが、反射率の高い液晶表示装置
を得るために望ましい。偏光フィルムの膜厚は、通常5
μm〜80μmであるが、これに限定されるものではな
い。なお偏光板は、偏光フィルムそのものであってもよ
いし、偏光フィルムの片側または両側に透明保護層を設
けたものであってもよい。透明保護層は、例えば透明
性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れてい
るものであれば特に制限されず、例えばポリエステル系
樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂、アクリル系樹脂、アセテート系樹脂、
あるいはアクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン
系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型ないし紫外
線硬化型樹脂等の適宜なものを使用することができる。
【0016】前記反射板は、前記液晶物質の層の他方の
面側、即ち前記偏光板の反対側に配置される。具体的に
は、前記液晶セルの、前記偏光板が設けられる面の反対
側に配置することができ、又は前記液晶セルの内部の、
前記偏光板から遠い方の前記基板と、前記液晶物質の層
との間に配置することもできる。前記反射板は、反射板
側の前記電極を兼ねるものであってもよい。前記反射板
の層としては、アルミニウム、銀などが使用でき、真空
蒸着法などにより、ガラス等の基板上に反射層を形成で
きる。
【0017】前記光学異方体とは、光学異方軸を有し、
且つその一方の面から他方の面にかけて前記光学異方軸
がねじれた構造を有するものである。従って、光学的に
異方性を持った層を、その光学異方軸が連続的にツイス
トするように多層重ね合わせたものと同等の特性を有
し、通常の液晶セル等と同様に、ねじれ角を有する。
【0018】前記光学異方体としてはツイスト配向され
た液晶セルそのもの、液晶フィルム、また位相差フィル
ムの積層体を使用できる。この中でも液晶フィルムが好
ましい。
【0019】前記光学異方体用のツイスト配向された液
晶セルとしては、駆動用の前記液晶セルと同様に液晶物
質及び配向を有する基板を含むもの等を用いることがで
き、同様の手法によりねじれ角を与えることができる。
【0020】前記液晶フィルムとは、1枚のフィルム内
で光学異方軸を持った層が連続的にツイストする構造を
有するフィルムである。この液晶フィルムは一般的には
ねじれ特性を有する液晶物質をフィルム化することによ
り得ることができる。前記液晶物質としては、例えば棒
状等といった分子の形状や、低分子、高分子を問わず、
光学的に正の一軸性を示しうる液晶性化合物若しくは液
晶性組成物を意味する。前記ねじれ特性を有する液晶物
質としては、ねじれを誘起する単位を有する高分子液
晶、例えば液晶性を示すポリエステル、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリエステルイミドなどの主鎖型高分
子液晶、又はポリアクリレート、ポリメタクリレート、
ポリマロネート、ポリシロキサンなどの側鎖型高分子液
晶等を使用することができる。なかでも合成の容易さ、
配向性、ガラス転移点などの適切さからポリエステルが
好ましい。ねじれを誘起する単位としては、光学活性な
2−メチル−1,4−ブタンジオール、2,4−ペンタ
ンジオール、1,2−プロパンジオール、2−クロロ−
1,4−ブタンジオール、2−フルオロ−1,4−ブタ
ンジオール、2−ブロモ−1,4−ブタンジオール、2
−エチル−1,4−ブタンジオールあるいは2−プロピ
ル−1,4−ブタンジオール又はこれらの誘導体(例え
ばジアセトキシ化合物などの誘導体)から誘導される単
位を用いることができる。用いられるジオール類はR
体、S体のいずれでも良く、またR体及びS体の混合物
であっても良い。
【0021】なお、前記液晶フィルムとは、当該液晶物
質をフィルム化することにより得られるものを意味する
ものであり、当該フィルム自体が液晶性を呈するか否か
は問わない。当該液晶フィルムは、通常、液晶状態にお
いて上記の如き液晶性物質が形成した配向状態を、例え
ば、光架橋、熱架橋、又は冷却といった方法によって固
定化することにより得ることができる。
【0022】前記液晶フィルムは、通常配向基板上で適
宜配向・固定化処理して得られるが、液晶フィルム形成
の際に用いた配向基板が例えばラビングポリイミドフィ
ルムやラビングポリエチレンテレフタレートフィルム等
の光学的に等方でない、あるいは可視光波長域において
不透明なフィルムを用いた場合には、液晶フィルムのみ
を光学的に実質上透明、等方なフィルムあるいは基板上
に転写し光学異方体として用いてもよい。前記光学的に
透明、等方なフィルムとしては、例えばフィルム単体と
して光学異方体に用いることもできるが、例えば前記フ
ィルムが自己支持性等を有しない場合には、光学的に等
方性でフジタック(富士写真フィルム製)、コニカタッ
ク(コニカ製)などのトリアセチルセルロースフィル
ム、TPXフィルム(三菱化成製)、アートンフィルム
(日本合成ゴム製)、ゼオネックスフィルム(日本ゼオ
ン製)、アクリプレンフィルム(三菱レーヨン製)、ガ
ラス基板等が挙げられる。また後記する位相差フィルム
に液晶フィルムを転写したものを光学異方体として用い
ることもできる。さらに液晶フィルムが十分に自己支持
性を有するものであれば、配向基板を剥離除去し、液晶
層単体を光学異方性フィルム(A)として用いることも
できる。これら転写・剥離方法は、例えば特開平5−3
33313、8−278491号公報に記載されている
方法を採用することができる。
【0023】前記位相差フィルムとしては、一般的に
は、ポリカーボネート、ポリメタクリレートに代表され
る透明プラスチックフィルムを精度よく一軸延伸して形
成されるフィルムの積層体を挙げることができる。この
フィルムの光学異方軸を1枚毎に徐々にずらし、複数枚
積層することによりねじれ角を持つ積層体として使用す
ることができる。
【0024】前記光学異方体としては、温度によって後
述する△n2・d2の値が変化する温度補償効果を有す
るものを用いると使用温度域が広がるのでより好まし
い。このようなものを用いることにより、周囲温度が変
化しても、色の発色が変動せず良好な反射型液晶表示装
置を提供できる。この場合に、△n2・d2の温度によ
る変化は、前記液晶セル中の液晶物質の層の△n1・d
1の温度による変化とほぼ同様であるように前記光学異
方体を設けることが望ましい。
【0025】前記光学異方体として、波長により光学異
方性の分散が異なるものを用いることも好ましい。これ
により無彩色をさらに改良した反射型液晶表示装置を提
供できる。
【0026】前記光学異方体は前記偏光板及び前記反射
板の間に配置される。具体的には、例えば前記偏光板と
前記液晶セルとの間、又は前記液晶セルと前記反射板と
の間に配置することができるが、前記偏光板と前記液晶
セルとの間に設けることが特に好ましい。
【0027】本発明の反射型液晶表示装置では、前記液
晶セル内の前記液晶物質の層における偏光板側から反射
板側への液晶分子のねじれ角θ1、前記光学異方体の遅
相軸の偏光板側から反射板側へのねじれ角θ2、前記光
学異方体と前記液晶物質の層との向き合う面の軸同士の
偏光板側から反射板側へのねじれ角θ3及び前記偏光板
の吸収軸から前記光学異方体の偏光板側の面上における
遅相軸への角度θ4が、下記式A1〜A5: θ1=+40〜+70° …(A1) θ2=−20〜−50° …(A2) [θ1+θ2=+11〜+35°] …(A3) θ3=+70〜+110° …(A4) [θ4=−15〜+25°若しくは+75〜+115°] …(A5) の全てを満足する。
【0028】θ1〜θ4及び(θ1+θ2)が上記範囲
を外れると、コントラストの低下及び着色の増大、又は
そのいずれかが起こるおそれがある。なお、前記光学異
方体と前記液晶物質の層との向き合う面とは、前記光学
異方体の前記液晶物質の層側の面、及び前記液晶物質の
層の前記光学異方体側の面をいう。
【0029】なお、本明細書においては、角度の+方向
及び−方向とは、相対的な角度の回転方向を意味し、前
記偏光板から前記反射板に向かって反時計回り方向を+
とすれば時計回り方向は−となり、逆に時計回り方向を
+とすれば反時計回り方向が−となるが、どちらを+と
した場合も、本発明の範囲に包含され、同等の効果を得
ることができる。
【0030】これらの角度の関係を、図1に示される例
を参照して具体的に説明する。図1において、液晶セル
3中の液晶物質の層の、偏光板1側の面上における配向
方向31と、反射板4側の面上における配向方向32と
は、角度θ1をなしている。光学異方体2の、偏光板1
側の面上における遅相軸の向き21と、反射板4側の面
上における遅相軸の向き22とは、角度θ2をなしてい
る。ここで、遅相軸とは、光の位相が最も遅れる方向の
軸、即ち屈折率が最も大きくなる方向の軸をいう。ま
た、光学異方体2の反射板4側の面上における遅相軸の
向き22と、液晶セル3中の液晶物質の層の、偏光板1
側の面上における配向方向31とは、角度θ3をなして
いる。さらに、偏光板1の吸収軸11と、光学異方体2
の偏光板1側の面上における遅相軸の向き21とは角度
θ4をなしている。これらを前記偏光板側から前記反射
板側に向かって重ね合わせて見た場合の位置関係を、同
一の記号を用いて図3に示す。尚、図1及び図3におい
て、θ1〜θ4は、説明の便宜上全て偏光板から反射板
に向かって反時計回り、つまり相対的に同じ方向に回転
させているが、本発明の液晶表示装置においては、θ2
の回転方向は、常にθ1及びθ3と反対の方向となる。
【0031】また、ここでは、光学異方体を偏光板側、
液晶セルを反射板側に配置したので、θ3は光学異方体
の反射板側の面上における遅相軸の向きから、液晶物質
の層の偏光板側の面上における配向方向への角度となる
が、逆に光学異方体を反射板側、液晶セルを偏光板側に
配置した場合は、θ3は液晶物質の層の反射板側の面上
における配向方向から、光学異方体の偏光板側の面上に
おける遅相軸の向きへの角度を意味することとなる。
【0032】特に、より明るく無彩色な表現を実現する
ためには、好ましくはθ1=+45〜65゜、θ2=−
25〜−45゜であり、且つ{θ1+θ2=+16〜+
33゜、さらに好ましくは+18〜+30゜}であるこ
とが好ましく、またθ3=+80〜+100゜が好まし
く、θ3=+85〜+95゜であることがさらに好まし
い。また角度θ4は、{θ4=−10〜+20゜若しく
はθ4=+80〜+110゜}であることが好ましい。
θ1〜θ4及び(θ1+θ2)のうちいずれかが上記範
囲を外れると、コントラストの低下及び着色の増大、又
はそのいずれかが起こる傾向がある。
【0033】本発明の反射型液晶表示装置では、前記液
晶セル内における前記液晶物質の屈折率異方性△n1と
前記液晶物質の層の厚みd1との積△n1・d1、及び
前記光学異方体の屈折率異方性△n2と前記光学異方体
の厚みd2との積△n2・d2が下記式A6: [Δn1・d1=400nm〜600nm、Δn2・d2=400nm〜600 nm、且つΔn1・d1−Δn2・d2=−60〜+60nm] …(A6) を満足する。Δn1・d1とΔn2・d2がそれぞれ4
00nm未満では、コントラストは保たれるものの中間
調の着色が大きくなるおそれがあり望ましくない。Δn
1・d1とΔn2・d2がそれぞれ600nmを超える
と、コントラストが低下し、着色が大きくなるおそれが
あり望ましくない。さらに、Δn1・d1−Δn2・d
2の絶対値が60nmを超えると、白表示の反射率が低
下し、表示が暗くなるおそれがあり望ましくない。特
に、より明るく高コントラストな無彩色表示を実現する
ためには、△n1・d1=420〜580nmであり、
△n2・d2=420〜580nmであり、且つ△n1
・d1−△n2・d2=−50〜+30nmであること
が好ましく、さらには△n1・d1−△n2・d2=−
30〜+10nmであることがより好ましい。
【0034】本発明の反射型液晶表示装置においては、
偏光板を液晶セルの片面側のみにおいて使用するので、
光は前記偏光板を通過して入射し、前記光学異方体及び
液晶物質の層を通過し、さらに反射層によって反射せし
められ、前記光学異方体及び液晶物質の層を逆方向に通
過し、さらに偏光板を通過して出射せしめられる。
【0035】この際、オフ電圧状態においては、互いに
略光学補償関係にある液晶物質の層及び光学異方体を楕
円偏光状態となりながら通過した光は、入射時の直線偏
光状態に近い状態となり、反射板にて反射される。再
び、液晶物質の層及び光学異方体を通過した後は、再
度、入射時と同様の直線偏光状態に戻る。従って、偏光
板により光吸収の最も少ない状態で出射され、明状態と
なる。また、オン電圧状態にあっては、駆動される液晶
物質の層中の液晶物質の分子の配向変形が起こることか
ら有効な複屈折量が減少する。入射した光は駆動される
液晶層と光学異方体との複屈折量の差に相当する複屈折
の影響を受け、反射して戻ってきた光はオフ電圧状態と
は異なり楕円偏光状態となる。前記液晶層と前記光学異
方体のねじれ角、液晶層の屈折率異方性Δn1と液晶層
の厚みd1との積Δn1・d1、光学異方体の屈折率異
方性Δn2と光学異方体の厚みd2との積Δn2・d
2、及び駆動電圧を調整して、複屈折量の差が約140
nm、つまり可視光における中心光波長の4分の1に相
当する量になるとき、反射して再び、液晶層を通過した
後の光は、入射直線偏光状態に直行する方向の直線偏光
に近い状態となる。従って、このとき暗状態が実現でき
る。
【0036】また本発明の反射型液晶表示装置は、必須
の構成部材として備える駆動用液晶セル、偏光板、反射
板及び光学異方体の他に、他の構成部材を備えても良
い。具体的には、表示特性を向上させるために光拡散、
光回折等の特性を有する各種光学部材を組み合わせるこ
とができる。前記光拡散性を有する光学部材としては、
入射光を等方的または異方的に拡散させる性質を有する
ものであれば特に限定されるものではない。また前記光
回折性を有する光学部材としても入射光を等方的または
異方的に回折させる性質を有するものであれば特に限定
されるものではない。さらにカラーフィルタを備えるこ
とにより、色純度の高いマルチカラー又はフルカラー表
示を行うことができるカラー反射型液晶表示装置とする
ことができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例によりさらに詳細を
説明するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。
【0038】なお、本実施例においては、偏光板側から
反射板側に向かって反時計回り方向を+とし、時計回り
方向を−として装置を作成し、実験を行った。しかしな
がら、偏光板から反射板側に向かって時計回り方向を
+、反時計回り方向を−として同様な実験を行っても全
く同様の結果が得られる。 参考例1 (補償フィルムの製造1) テレフタル酸50mmol、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸50mmol、メチルヒドロキノンジアセテート
40mmol、カテコールジアセテート62mmol、
およびN−メチルイミダゾール60mgを用いて窒素雰
囲気下、270℃で12時間重合を行った。次に得られ
た反応生成物をテトラクロロエタンに溶解したのち、メ
タノールで再沈殿を行って精製し、液晶性ポリエステル
14.7gを得た。この液晶性ポリエステルの対数粘度
は0.17、液晶相としてネマチック相をもち、等方相
−液晶相転移温度は250℃以上、ガラス転移点は11
5℃であった(ポリマー1)。
【0039】ビフェニルジカルボニルクロリド90mm
ol、テレフタロイルクロリド10mmol、2R,3
R−ジメトキシブタンジオール105mmolをジクロ
ロメタン中で室温にて20時間反応させ、反応液をメタ
ノール中に投入し再沈殿させることにより液晶性ポリエ
ステル12.3gを得た(ポリマー2)。ポリマー2の
対数粘度は0.11、室温でキラルスメクチック相を示
し、アイソトロピック転移温度は40〜50℃の間であ
った。またTgは室温付近と思われ、DSCによる測定
では観測できなかった。
【0040】ポリマー1の19.9gとポリマー2の
0.08gを80gのフェノール/テトラクロロエタン
混合溶媒(6/4重量比)に溶解させ溶液を調製した。
この溶液を、レーヨン布にてラビング処理したポリイミ
ドフィルム(デュポン製、商品名カプトン)上に、バー
コート法により塗布し、乾燥し、210℃で30分熱処
理したのち、室温下で冷却・固定化し、実膜厚2.50
μmの均一に配向した液晶性フィルムを得た(サンプル
1)。実膜厚は触針式膜厚計をもちいて測定した。
【0041】まず、サンプル1の液晶の屈折率を測定す
るため以下の実験を行った。屈折率の測定に当たっては
アッベ屈折計(アタゴ(株)製Type−4)を用い
た。屈折計のプリズム面にポリイミド基板が接するよう
に置き、液晶フィルムの基板界面側が空気界面側より下
にくるように配置した場合、フィルム面内の屈折率には
異方性が有りラビング方向に垂直な面内の屈折率は1.
55、平行な面内の屈折率は1.75であり、膜厚方向
の屈折率は試料の方向によらず1.55で一定であっ
た。このことから、ガラス基板側では棒状の液晶分子が
基板に対して、かつラビング方向に平行に平面配向して
おり、液晶のno(常光線屈折率),ne(異常光線屈
折率)はそれぞれ1.55、1.75であることが分か
った。次に屈折率計のプリズム面に光学素子用フィルム
の空気界面側が接するように配置した場合、面内の屈折
率はラビング方向に平行な方向が1.55、垂直な方向
が1.75になり、膜厚方向の屈折率は試料の方向によ
らず1.55で一定であった。このことから、ポリマー
分子は基板界面、空気界面ともおおかたホモジニアス配
向しており、かつ基板界面側と空気界面側では棒状の液
晶分子がフィルム面内でほぼ90度ねじれている様子が
確認された。
【0042】サンプル1は不透明かつ光学的に異方性の
あるポリイミドフィルム上に形成されているため、この
ままでは光学補償用途としては使用できない。このた
め、サンプル1の空気界面側にUV硬化型接着剤(UV
−3400、東亞合成製)を約5μmの厚みに塗布し、
この上にコーニング社製白板ガラス(厚さ1.1mm)
をラミネートし、約600mJのUV照射により該接着
剤を硬化させた。こののち、ガラス/接着剤/液晶層/
ポリイミドフィルムが一体となった積層体からポリイミ
ドフィルムを剥離することにより、液晶層を光学的に実
質上等方な支持体の上に転写した。得られた補償フィル
ム(サンプル1)の偏光解析をおこなってこのフィルム
の△n2・d2とねじれ角θ2を測定したところ、それ
ぞれ510nmとθ2=−30°の値が得られた。 参考例2 (補償フィルムの製造2) 蒸留精製したテトラヒドロフラン溶媒中、4−(6−ア
クリロイロキシヘキシルオキシ)安息香酸151.3g
(518mmol)、2,6−ジターシャリブチル−4
−メチルフェノール1.5g、ジイソプロピルエチルア
ミン70.1g(543mmol)、メタンスルホニル
クロリド62.1g(543mmol)を反応させ、該
カルボン酸のメタンスルホン酸無水物を合成し、ついで
メチルヒドロキノン29.87g(246mmol)と
のエステル化反応を行うことによりメチルヒドロキノン
ビス(4−(6−アクリロイロキシオヘキシルオキ
シ)安息香酸)エステル(化合物1)を粗生成物として
得た。該粗生成物を酢酸エチル/メタノールにより再結
晶することによりメチルヒドロキノン ビス(4−(6
−アクリロイロキシオヘキシルオキシ)安息香酸)エス
テル146.9gを白色結晶として得た。化合物1のG
PCによる純度は98.7%であった。GPCは溶出溶
媒としてテトラヒドロフランを用い、高速GPC用充填
カラム(TSKgel G−1000HXL)を装着し
た東ソー製GPC分析装置CCP&8000(CP−8
000、CO−8000、UV−8000)により行っ
た。
【0043】また、化合物1を偏光顕微鏡下メトラーホ
ットステージで観察すると、室温では結晶相、85℃付
近でネマチック相に転移し、さらに加熱すると115℃
付近で等方相となった。
【0044】同様の手法を用い、2,3−ジメチルヒド
ロキノン ビス(4−(11−アクリロイロキシウンデ
シルオキシ)安息香酸)エステル(化合物2)を得た。
化合物2のGPCによる純度は99.3%であった。
【0045】同様の手法を用い、2−クロロヒドロキノ
ン ビス(−)−(4−(2−エチルヘキシル)安息香
酸)エステル(化合物3)を得た。化合物3の旋光計に
よる測定では右旋性を有していた。
【0046】このようにして得た化合物1を6.5g,
化合物2を2.913g、化合物3を0.587g量り
取り、メトキシプロピルアセテート90gに溶解した。
該溶液にフッ素系界面活性剤S−383(旭硝子製)、
光反応開始剤イルガキュアー907(チバガイギー製)
0.3g、増感剤ジエチルチオキサントン0.1gを添
加した。表面をコロナ処理したトリアセチルセルロース
フィルム(フジタック、UVD−80)上に、ゼラチン
層を介してポリビニルアルコール(クラレポバールMP
−203)を0.2μmの厚みに均一塗布、乾燥した表
面をレーヨン布によりラビング処理した配向基板に該溶
液をバーコーターを用いて塗布した。塗布後、該フィル
ムの裏面を青板ガラス基板貼りつけ、該ガラス−フィル
ム一体品を80℃に設定したホットプレートに載せて2
0分乾燥を行った。乾燥後液晶層はすでにネマチック配
向が完了していた。
【0047】その後、フィルムがガラス基板に密着した
状態で50℃に設定したオーブンに投入し、2〜3分間
雰囲気を酸素濃度が250ppm以下になるまで窒素置
換しながらオーブン設定温度まで放冷してからその温度
にてUV照射を行った。UV光源としては高圧水銀灯を
使用し、照射強度は120W/cm2で、照射時間15
秒の間の積算照射量は1260mJであった。照射後の
液晶層は硬化しており、その表面硬度は鉛筆硬度にして
2H程度であった。(サンプル2)また、サンプル2の
薄膜干渉法による実膜厚は3.93μmであった。
【0048】サンプル2の液晶の屈折率を測定するため
以下の実験を行った。サンプル2を作成するに当たり用
いた液晶性組成物を用いて、同様な条件でラビングポリ
イミド膜を有する高屈折率ガラス基板(屈折率は1.8
4)上に配向・固定化し、液晶フィルムを作製し、これ
を用いて屈折率測定を行った。屈折計のプリズム面にガ
ラス基板が接するように置き、液晶フィルムの基板界面
側が空気界面側より下にくるように配置した場合、フィ
ルム面内の屈折率には異方性が有りラビング方向に垂直
な面内の屈折率は1.53、平行な面内の屈折率は1.
67であり、膜厚方向の屈折率は試料の方向によらず
1.53で一定であった。このことから、ガラス基板側
では棒状の液晶分子が基板に対して、かつラビング軸に
対して平行に平面配向していることが分かった。これよ
り液晶層のno,neはそれぞれ1.53、1.67で
あることがわかった。
【0049】サンプル2に対して偏光解析をおこなって
このフィルムの△n2・d2とねじれ角を測定したとこ
ろ、それぞれ550nmとθ2=−40°の値が得られ
た。 参考例3 (補償フィルムの製造3) 参考例2で用いた化合物1を6.5g,化合物2を2.
796g、化合物3を0.704g量り取り、メトキシ
プロピルアセテート90gに溶解した。該溶液にフッ素
系界面活性剤S−383(旭硝子製)、光反応開始剤イ
ルガキュアー907(チバガイギー製) 0.3g、増
感剤ジエチルチオキサントン0.1gを添加し、参考例
2と同様にトリアセチルセルロースフィルム上に液晶層
を形成、固定化してサンプル3を得た。サンプル3の薄
膜干渉法による実膜厚は3.57μmであった。サンプ
ル3の液晶の屈折率は、参考例2と同様の測定の結果、
no,neはそれぞれ1.53、1.67であることが
わかった。
【0050】サンプル3に対して偏光解析をおこなって
このフィルムの△n2・d2とねじれ角を測定したとこ
ろ、それぞれ500nmとθ2=−50°の値が得られ
た。 参考例4 (液晶セルの製造) 図2に模式的に示されるTN型の反射型液晶表示装置を作
製した。図2に示される通り、液晶セル3中、対向する
一対の基板3Cは、それらの内側の面上に設けられた電
極3Bと、その上に印刷形成され、配向処理が施された
配向膜3Eとを備える。配向膜3Eと、基板周辺に印刷
塗布形成したシール剤3Dにより規定される空間内に液
晶物質が封入され液晶層3Aが形成される。ここで、液
晶材料としてZLI-4792(△n=0.098)を用いた。
配向膜3Eの配向処理方向を調節することにより液晶層
3Aを所定の方向に配向させた。 実施例1 参考例1で作製した補償フィルム(サンプル1)を1枚
用い、使用したTNセルは、液晶材料としてZLI-4792
(△n=0.098)を用い、セルパラメーターはセル
ギャップ5.0μm、液晶セル3中の液晶物質の屈折率
異方性△n1と液晶層3の厚みd1との積Δn1・d1
は500nm、ねじれ角θ1=+50°、プレチルト角
3度であった。
【0051】液晶セル3の表示面側(図2の上側)に偏
光板1を配置し、一方液晶セル3の背面側(図2の下
側)に反射板4を配置した。偏光板1と液晶セル3との
間に光学補償フィルム2を配置した。光学補償フィルム
2の屈折率異方性△n2と厚みd2との積Δn2・d2
は510nm、θ2=−30°であった。また、光学補
償フィルム2の反射板4側の面上における遅相軸から液
晶層3の偏光板1側の面上における配向方向への角度θ
3=+85°、偏光板1の吸収軸から光学補償フィルム
2の偏光板1側の面上における遅相軸への角度θ4=+
95°とした。
【0052】この液晶表示装置に、300Hzの矩形波で
電圧を印加し、反射率との関係を調べた。印加電圧に対
する反射率を図4に示す。また、電圧を0Vから反射率
が最小になるまで印加させ、その間の色度変化を測定し
た。色度変化の測定に際しては、標準光源D65を使用し
た。結果を図5にCIE色度図として示す。なお、図5
中、「×」は標準の光D65の色度座標を示す。また、図
6に黒表示時と白表示時の反射率の波長依存性を示す。
図6中、黒表示は電圧(Von=3.4V)印加時に得ら
れ、白表示は電圧(Voff=0V)印加時に得られたも
のである。図4の結果より、この液晶表示装置では、駆
動電圧2V付近から、駆動電圧の増加に伴い大きな反射
率の変化が得られることがわかる。また、図5,6の結
果よりこの反射型液晶表示装置では、良好な無彩色表示
が達成されることがわかる。また、オフ電圧0V及びオ
ン電圧3.4Vとして駆動した時の正面特性を測定する
と、コントラスト162、明時の反射率(Y値)30.
7%が得られた。 実施例2 参考例2で作製した補償フィルム(サンプル2)を1枚
用い、実施例1と同様に図2に示す軸配置となるように
TNセルの上側に配置した。使用したTNセルは、液晶
材料としてZLI-4792(△n=0.098)を用い、セル
パラメーターはセルギャップ5.0μm、△n1・d1
=500nm ねじれ角θ1=+60°、プレチルト角
4度であった。
【0053】光学補償フィルム2の屈折率異方性△n2
と厚みd2との積Δn2・d2は550nm、θ2=−
40°であった。また、光学補償フィルム2の反射板4
側の面上における遅相軸から液晶層3の偏光板1側の面
上における配向方向への角度θ3=+95°、偏光板1
の吸収軸から光学補償フィルム2の偏光板1側の面上に
おける遅相軸への角度θ4=+95°とした。
【0054】この液晶表示装置に、300Hzの矩形波で
電圧を印加し、反射率との関係を調べた。印加電圧に対
する反射率を図7に示す。また、電圧を0Vから反射率
が最小になるまで印加させ、その間の色度変化を測定し
た。色度変化の測定に際しては、標準光源D65を使用し
た。結果を図8にCIE色度図として示す。なお、図8
中、「×」は標準の光D65の色度座標を示す。また、図
9に黒表示時と白表示時の反射率の波長依存性を示す。
図9中、黒表示は電圧(Von=3V)印加時に得られ、
白表示は電圧(Voff=0V)印加時に得られたもので
ある。図7の結果より、この液晶表示装置では、駆動電
圧2V付近から、駆動電圧の増加に伴い大きな反射率の
変化が得られることがわかる。また、図8,9の結果よ
りこの反射型液晶表示装置では、良好な無彩色表示が達
成されることがわかる。また、オフ電圧0V及びオン電
圧3Vとして駆動した時の正面特性を測定すると、コン
トラスト117、明時の反射率(Y値)30.5%が得
られた。 比較例1 参考例3で作製した補償フィルム(サンプル2)を1枚
用い、実施例1と同様に図2に示す軸配置となるように
TNセルの上側に配置した。使用したTNセルは、液晶
材料としてZLI-4792(△n=0.098)を用い、セル
パラメーターはセルギャップ5.0μm、△n1・d1
=500nm ねじれ角θ1=+50°、プレチルト角
3度であった。
【0055】光学補償フィルム2の屈折率異方性△n2
と厚みd2との積Δn2・d2は500nm、θ2=−
50°であった。また、光学補償フィルム2の反射板4
側の面上における遅相軸から液晶層3の偏光板1側の面
上における配向方向への角度θ3=+90°、偏光板1
の吸収軸から光学補償フィルム2の偏光板1側の面上に
おける遅相軸への角度θ4=+95°とした。この液晶
表示装置に、300Hzの矩形波で電圧を印加し、反射率
との関係を調べた。印加電圧に対する反射率を図10に
示す。また、電圧を0Vから反射率が最小になるまで印
加させ、その間の色度変化を測定した。色度変化の測定
に際しては、標準光源D65を使用した。結果を図11に
CIE色度図として示す。なお、図11中、「×」は標準
の光D65の色度座標を示す。また、図12に黒表示時と
白表示時の反射率の波長依存性を示す。図11中、黒表
示は電圧(Von=3.3V)印加時に得られ、白表示は
電圧(Voff=0V)印加時に得られたものである。図
10の結果より、この液晶表示装置では、駆動電圧2V
付近から、駆動電圧の増加に伴い大きな反射率の変化が
得られることがわかる。また、オフ電圧0V及びオン電
圧3.3Vとして駆動した時の正面特性を測定すると、
コントラスト100、明時の反射率(Y値)30.8%
が得られた。しかしながら、図11,12の結果よりこ
の反射型液晶表示装置では、明時から暗時にかけて色づ
きが大きく、良好な無彩色表示が達成されていないこと
がわかる。
【0056】以上のように、比較例1ではコントラス
ト、明るさは大きいが、明時から暗時にかけて色づきも
大きいのに対し、実施例1,2はコントラスト、明るさ
が大きく、かつ良好な無彩色表示も達成されている。こ
れは、偏光板1枚タイプにおいて、第一、第二実施例の
ようにパラメータを最適化することにより、明るく、高
コントラストで無彩色な無彩色表示が達成できたためで
ある。
【0057】以上の結果から、各実施例とも、比較例に
比べ、大幅な表示品位の向上が確認できた。
【0058】
【発明の効果】本発明の反射型液晶表示装置は、偏光板
を液晶物質の層の一方の面側のみに有し、且つ特定の液
晶セル及び光学異方体を備えるため、反射率が高く、コ
ントラストの良好な表示を実現でき、且つ良好な無彩色
表示を達成することができ、従来の反射型液晶表示に比
べ、大幅に高い表示品位を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す構成図である。
【図2】実施例1、2及び比較例1を模式的に表した断
面図である。
【図3】実施例における偏光板の吸収軸、液晶セルの配
向方向および光学異方体の遅相軸方向との角度関係を示
した平面図である。
【図4】実施例1の電圧変化に対する反射率を示す図で
ある。
【図5】実施例1の電圧変化に対する色度の変化を示す
図である。
【図6】実施例1の液晶表示素子の反射率の波長依存性
を示す図である。
【図7】実施例2の電圧変化に対する反射率を示す図で
ある。
【図8】実施例2の電圧変化に対する色度の変化を示す
図である。
【図9】実施例2の液晶表示素子の反射率の波長依存性
を示す図である。
【図10】比較例1の電圧変化に対する反射率を示す図
である。
【図11】比較例1の電圧変化に対する色度の変化を示
す図である。
【図12】比較例1の液晶表示素子の反射率の波長依存
性を示す図である。
【符号の説明】
1:偏光板 2:光学異方体 3:液晶層 4:反射層 5:外光 6:偏光板 11:偏光板の吸収軸 21:光学異方体(液晶フィルム)の偏光板側遅相軸 22:光学異方体(液晶フィルム)の液晶セル側遅相軸 31:液晶セルの上側の液晶分子配向方向 32:液晶セルの下側の液晶分子配向方向 61:偏光板の吸収軸
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA42 BB03 BB44 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA14Z FB02 FB08 FC08 FD07 GA16 HA07 KA02 LA16 LA17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を備える1対の基板及びその間に挿
    入された液晶物質を有する駆動用液晶セルと、偏光板
    と、反射板と、光学異方体を少なくとも備え、前記液晶
    物質の層に駆動電圧が印加される反射型液晶表示装置で
    あって、 前記偏光板が前記液晶物質の一方の面側のみに配置さ
    れ、 前記反射板が前記液晶物質の層の他方の面側に配置さ
    れ、 前記光学異方体が前記偏光板及び前記液晶物質の層の間
    に配置され、前記液晶セル内の前記液晶物質の層におけ
    る偏光板側から反射板側への液晶分子のねじれ角θ1、
    前記光学異方体の遅相軸の偏光板側から反射板側へのね
    じれ角θ2、前記光学異方体と前記液晶物質の層との向
    き合う面の軸同士の偏光板側から反射板側への角度θ
    3、及び前記偏光板の吸収軸から前記光学異方体の偏光
    板側の面上における遅相軸への角度θ4が、下記式A1
    〜A5: θ1=+40〜+70° …(A1) θ2=−20〜−50° …(A2) [θ1+θ2=+11〜+35°] …(A3) θ3=+70〜+110° …(A4) [θ4=−15〜+25°若しくは+75〜+115°] …(A5) の全てを満足し、 前記液晶セル内における前記液晶物質の屈折率異方性Δ
    n1と前記液晶物質の層の厚みd1との積Δn1・d
    1、及び前記光学異方体の屈折率異方性Δn2と前記光
    学異方体の厚みd2との積Δn2・d2が下記式A6: [Δn1・d1=400nm〜600nm、Δn2・d2=400nm〜600 nm、且つΔn1・d1−Δn2・d2=−60〜+60nm] …(A6) を満足することを特徴とする反射型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記光学異方体が、光学的に正の一軸性
    を示す液晶が液晶状態において形成したツイステッドネ
    マチック配向を固定化せしめた液晶フィルムから少なく
    とも構成されることを特徴とする請求項1に記載の前記
    反射型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記光学異方体が、光学的に正の一軸性
    を示す高分子液晶を液晶状態においてツイステッドネマ
    チック配向を形成せしめ、該配向状態から冷却すること
    により液晶相状態でガラス固定化せしめた液晶フィルム
    から少なくとも構成されることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の反射型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記光学異方体が、光学的に正の一軸性
    を示す光硬化型低分子液晶を液晶状態においてツイステ
    ッドネマチック配向させ、配向後光照射により固定化せ
    しめた液晶フィルムから少なくとも構成されることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の反射型液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004099861A (ja) * 2002-07-15 2004-04-02 Dainippon Printing Co Ltd 液晶層形成用コーティング組成物およびそれを用いた光学素子の製造方法

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JP2004099861A (ja) * 2002-07-15 2004-04-02 Dainippon Printing Co Ltd 液晶層形成用コーティング組成物およびそれを用いた光学素子の製造方法

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