JPH09152508A - ねじれ配向位相差板の製造方法、ねじれ配向位相差板及び楕円偏光板 - Google Patents

ねじれ配向位相差板の製造方法、ねじれ配向位相差板及び楕円偏光板

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JPH09152508A
JPH09152508A JP7309441A JP30944195A JPH09152508A JP H09152508 A JPH09152508 A JP H09152508A JP 7309441 A JP7309441 A JP 7309441A JP 30944195 A JP30944195 A JP 30944195A JP H09152508 A JPH09152508 A JP H09152508A
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film
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retardation
crystal polymer
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JP7309441A
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Tsunatoshi Ishimaru
維敏 石丸
Takahisa Saito
隆央 斉藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性に優れ、透光性フィルム基板の残留位
相差が小さく、液晶表示セルと組み合わせた場合にコン
トラスト比を高めることができ、さらに配向膜の形成や
液晶ポリマーの配向処理に際しての加熱により光学的特
性の劣化が生じ難い透光性フィルム基板を用いたねじれ
配向位相差板を提供する。 【解決手段】 樹脂フィルムにテンションをかけた状態
で加熱し、かつ該樹脂フィルムを構成している樹脂のガ
ラス転移点から室温まで10℃/分以下の速度で降温し
てアニールすることにより透光性フィルム基板を得、該
透光性フィルム基板上に、配向膜及びねじれネマチック
配向された高分子液晶ポリマー層を形成するねじれ配向
位相差板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子液晶ポリマ
ーを透光性フィルム基板上においてねじれネマチック配
向させてなるねじれ配向位相差板の製造方法、該ねじれ
配向位相差板及びこれを用いた楕円偏光板に関し、より
詳細には、使用される透光性フィルム基板の製造方法及
び構成が改良されたねじれ配向位相差板の製造方法、ね
じれ配向位相差板及び楕円偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】STN(スーパーツイステッドネマチッ
ク)液晶表示セルは、マルチプレックス駆動ドットマト
リクス方式により大画面表示を可能とする液晶表示セル
である。STN液晶表示セルは、TN(ツイステッドネ
マチック)液晶表示セルに比べて、コントラストが高
く、かつ視野角が広いという特徴を有する。
【0003】しかしながら、STN液晶表示セルは、複
屈折モードを利用した表示装置であるため、液晶で生じ
る位相差により、表示画像が着色し、白黒表示が不可能
であるという大きな問題があった。すなわち、完全な白
黒表示が不可能であるため、STN液晶セルを用いてカ
ラー表示を行うことは困難であった。
【0004】上記のような問題を解決するために、延伸
された樹脂フィルムを用い、STN液晶セルによって発
生した着色を補償する方法が提案されている(特開昭6
3−149624号公報など)。
【0005】しかしながら、上記延伸フィルムによる着
色補償、すなわち位相差補償効果は十分でなく、上記延
伸フィルムを用いたとしても、STN液晶セルにおいて
完全な白黒表示を行うことはできなかった。
【0006】そこで、STN液晶表示セルにおいて完全
な白黒表示を実現するために、高分子液晶ポリマーをね
じれ配向してなるフィルムを用いてSTN液晶表示セル
の色補償を行う方法が提案されている(特開平3−87
720号公報、特開平4−333019号公報など)。
すなわち、STN液晶表示セル上に、高分子液晶ポリマ
ーをねじれ配向してなるフィルムを配置し、STN液晶
表示セルにおける位相差を、同じくねじれ配向された高
分子液晶ポリマーフィルムにより相殺するものである。
【0007】上記特開平3−87720号公報や特開平
4−333019号公報に記載の液晶表示素子用位相差
補償板は、より具体的には、透光性基板と、透光性基板
上に形成された配向膜と、該配向膜上に形成されてお
り、かつねじれネマチック配向された液晶高分子層を備
える。
【0008】また、上記透光性基板としては、光学的に
等方な基板を用いることが望ましい旨が記載されてお
り、このような基板として、ガラス基板、ポリアリレー
トなどの合成樹脂からなる基板が挙げられている。もっ
とも、この種の液晶表示素子用位相差補償板では、実際
には、位相差が生じ難いトリアセチルセルロース(TA
C)からなるものが用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示セルに積層さ
れて液晶表示セルにおける位相差を補償する位相差板を
構成するための透光性基板は、光学的に等方である性質
を有するだけでなく、高分子液晶を配向処理する際の比
較的高い温度に耐え得るものでなければならない。従っ
て、ガラス基板が好ましく用いられ得るが、ガラス基板
を用いて上記位相差補償板を構成した場合、位相差補償
板の厚みが厚くなり、かつ重くなるという問題がある。
【0010】また、ガラス基板を用いて上記位相差補償
板を生産する場合には、ガラス基板が柔軟性を有しない
ため、連続的な生産を行い難く、生産性を高めることが
できないという問題もあった。
【0011】他方、上記ポリアリレートのような合成樹
脂フィルムを用いた場合には、長尺状フィルムを用いて
位相差補償板を連続的に生産することができる。しかし
ながら、ポリアリレートは耐熱性に優れているものの、
通常市販されているポリアリレートフィルムでは、残留
位相差が大きいという欠点があった。すなわち、光学グ
レードのポリアリレートフィルムであっても、その残留
位相差は10nm以上とかなり大きかった。従って、ポ
リアリレートフィルムを、位相差補償板の透光性基板と
して用い、STN液晶表示セルと組み合わせた場合、十
分なコントラストは得られなかった。
【0012】また、TACは、光学的に等方であり、元
来位相差が発生し難い材料である。しかしながら、TA
Cは分解温度が135℃付近であり、耐熱性が低い。従
って、例えば、TACからなる基板を透光性基板として
用い、その上に配向膜や液晶ポリマー層を形成するに際
し、150℃程度の温度で処理した場合、基板であるT
AC自体が分解するという欠点がある。従って、配向膜
の焼成、液晶ポリマーの配向処理などの高温処理を行う
ことが困難となる。
【0013】本発明の目的は、連続生産に適しており、
残留位相差が小さく、かつ配向膜や液晶ポリマー層の配
向処理などに際しての処理温度に耐え得る耐熱性を有す
る透光性フィルム基板を用いたねじれ配向位相差板の製
造方法を提供することである。
【0014】また、本発明の他の目的は、生産性に優
れ、従って安価に提供することができ、かつ残留位相差
が小さい透光性フィルム基板を用いたねじれ配向位相差
板を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上述し
た課題を達成すべく鋭意検討した結果、位相差を補償す
るのに適したねじれ配向位相差板において、透光性フィ
ルム基板として、透光性樹脂フィルムを特定の条件でア
ニールしたものを用いれば、残留位相差を低減すること
ができ、従って、このような残留位相差を実現でき、上
記課題を達成し得るねじれ配向位相差板を提供し得るこ
とを見いだし、本発明を成すに至った。
【0016】すなわち、請求項1に記載の発明は、透光
性樹脂フィルムにテンションをかけた状態で、加熱し、
かつ該透光性樹脂フィルムを構成している樹脂のガラス
転移点から室温まで10℃/分以下の速度で降温する工
程を含むアニール処理により透光性フィルム基板を得、
前記透光性フィルム基板上に、ねじれネマチック配向さ
れた高分子液晶ポリマー層を形成することを特徴とする
ねじれ配向位相差板の製造方法である。
【0017】また、請求項2に記載の発明は、透光性フ
ィルム基板上に高分子液晶ポリマーをねじれネマチック
配向させてなる高分子液晶ポリマー層を有するねじれ配
向位相差板であって、前記透光性フィルム基板の耐熱温
度が高分子液晶ポリマーの配向処理温度または配向膜形
成時の処理温度以上であり、かつ前記透光性フィルム基
板の残留位相差が5nm以下であることを特徴とするね
じれ配向位相差板である。
【0018】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の位相差板を用いた楕円偏光板であり、該位相差板と、
偏光板とを備えることを特徴とする。以下、本発明の詳
細を説明する。
【0019】請求項1に記載の発明では、ねじれ配向位
相差板を構成する透光性フィルム基板として、その耐熱
温度が高分子液晶の配向処理温度または配向膜形成時の
処理温度以上であるものが用いられる。これは、透光性
フィルム基板の耐熱性が、配向膜形成時の処理温度や高
分子液晶ポリマーの配向処理に際しての温度よりも低い
場合には、前述したように、透光性フィルム基板自体が
分解したり変形したりし、所望とする位相差補償機能を
有するねじれ配向位相差板を得ることができないからで
ある。
【0020】また、本願発明者らは、上記ねじれ配向位
相差板における透光性基板の残留位相差と、液晶表示セ
ルとのコントラスト比について検討した結果、ねじれ配
向位相差板に使用する透光性フィルム基板の残留位相差
は5nm以下であることが必要であり、5nm以下とす
ることにより表示品質を高め得ることを見い出した。
【0021】また、上記のように透光性フィルム基板の
残留位相差を5nm以下とするには、使用する樹脂フィ
ルムを所定の条件下でアニールすればよいことを見い出
した。すなわち、樹脂フィルムに、テンションをかけた
状態で、加熱し、しかる後、樹脂フィルムを構成してい
る樹脂のガラス転移点(以下、Tgと略す。)付近から
室温まで、10℃/分以下の速度で降温させれば、残留
位相差を5nm以下とし得ることを見い出した。よっ
て、請求項1に記載の発明では、樹脂フィルムのアニー
ルが上記条件で行われる。
【0022】また、上記樹脂フィルムに加えられるテン
ションの大きさは、使用する樹脂フィルムの材質や厚み
によってもことなるが、通常は、1kg/m(フィルム
幅1m当たりの張力が1kg)以下、好ましくは、0.
5kg/m以下とされる。これは、1kg/mを超える
と、処理前よりも残留位相差が大きくなってしまう場合
があるからである。
【0023】上記条件でアニールを行うには、加熱ゾー
ンの入口から出口に至る経路において、降温に際して上
記のような温度勾配を設け得る適宜の装置を用いたり、
あるいは複数の加熱ロールを用いて段階的に温度変化さ
せることにより達成し得る。
【0024】もっとも、複数の加熱ロールを用いる方法
では、図1に示すように、隣り合う加熱ロール1間にお
いて、フィルム2が加熱ロールに接触しない時間をでき
るだけ小さくするように複数のロールを配置することが
好ましい。図1に示す方法では、多数の加熱ロール1を
千鳥状に配置し、最初の加熱ロール1の外周面から分離
されるフィルム2が、直ちに第2番目の加熱ロール1の
外周面に接触するように、複数の加熱ロール1が配置さ
れている。
【0025】あるいは、図2に概略構成図で示すよう
に、加熱ゾーン3内において、複数の加熱ロール1を配
置してもよく、この場合には、加熱ロール1間におい
て、フィルム2が加熱ロール1に接触しない期間が存在
するが、複数の加熱ロール1が所定の温度に加熱された
加熱ゾーン3内に配置されているため、降温に際して、
温度を段階的にかつ上記速度で降温させることができ
る。
【0026】請求項1に記載の発明は、上記のように、
透光性フィルム基板を構成するための樹脂フィルムを上
記所定の条件でアニールすることに特徴を有し、それに
よって、得られた透光性フィルム基板の残留位相差が5
nm以下とされる。また、上記透光性フィルム基板を構
成するための樹脂フィルムを構成する材料としては、上
述した耐熱性を有し、かつ残留位相差を上記アニールに
より5nm以下とし得る限り、光学的に等方な任意の樹
脂材料を用いることができ、例えば、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリサル
ホンなどを例示することができる。
【0027】また、上記アニールに供する樹脂フィルム
は、好ましくはロール等に巻回された長尺状のフィルム
として用意され、それによってねじれ配向位相差板の連
続的生産を容易に行うことができ、生産性を高め得る。
【0028】また、上記透光性基板に用いられる樹脂フ
ィルムの厚みについては、特に限定されるものではな
く、上記残留位相差5nm以下を満たし得る限り、適宜
の厚みのものが用いられる。具体的には、通常50〜1
00μm程度の厚みのものが用いられる。
【0029】また、上記アニールに際しての加熱温度
は、使用する樹脂フィルムのガラス転移点Tgよりも高
く、かつTg+15℃よりも低い適宜の温度で行われ
る。ガラス転移点よりも高い温度で加熱しなければ、樹
脂フィルムを十分にアニールすることができず、かつT
g+15℃よりも高い温度まで加熱した場合には、樹脂
フィルムの変形等が生じる。
【0030】加熱に際しての昇温速度は特に限定され
ず、上記アニールによる効果が十分に得られる限り、適
宜の昇温速度で加熱が行われる。また、請求項1に記載
の発明では、上記のようにして得られた透光性フィルム
基板上に、ねじれネマチック配向された高分子液晶ポリ
マー層が形成されるが、この高分子液晶ポリマー層の形
成方法は特に限定されるものではなく、例えば前述した
先行技術に記載されているような公知の適宜の方法によ
り行い得る。すなわち、上記のようにして得られた透光
性フィルム基板上に、ラビング処理されたポリイミド層
やポリビニルアルコール層、あるいは所定の方向に配向
性を有するように構成された二酸化ケイ素膜などからな
る配向膜をまず形成する。
【0031】さらに、上記配向膜上に、位相差を補償す
るための高分子液晶ポリマー層として、例えばネマチッ
ク高分子液晶ポリマーと光学活性化合物とを含む組成物
を塗布などの適宜の方法で付与し、溶媒を乾燥し、高分
子液晶ポリマーを配向させることにより上記高分子液晶
ポリマー層を形成し得る。
【0032】なお、上記配向膜の形成や高分子液晶ポリ
マーの形成に際して、上記透光性フィルム基板が加熱さ
れることがある。すなわち、例えば配向膜の形成を比較
的高温で行う場合、あるいは高分子液晶ポリマー層の液
晶高分子を加熱処理により配向させる場合などがある。
このような場合、上記透光性フィルム基板が加熱される
が、請求項1に記載の発明では、上記透光性フィルム基
板は、このような処理温度に耐え得る耐熱性を有する材
料で構成されているため、上記処理に際して透光性フィ
ルム基板の残留位相差が増大したりすることがない。
【0033】請求項2に記載の発明のねじれ配向位相差
板は、上記のように、透光性フィルム基板上に高分子液
晶ポリマーをねじれネマチック配向させた構造を有す
る。この場合、通常は、高分子液晶ポリマーをねじれネ
マチック配向をさせるために、高分子液晶ポリマー層の
下地に、配向膜が形成される。配向膜としては、上述し
た請求項1に記載の発明において例示した適宜の材料か
らなる配向膜を用いることができる。
【0034】また、上記高分子液晶ポリマー層について
は、請求項1に記載の発明で例示したものや公知のもの
を用いることができる。請求項2に記載の発明では、上
記透光性フィルム基板として、高分子液晶ポリマーの配
向に際しての処理温度、並びに上記配向膜形成に際して
の処理温度で残留位相差などの光学的性質が劣化しない
ものが用いられる。もっとも、この各処理温度は、用い
る配向膜や高分子液晶ポリマーによっても異なるため、
上記透光性フィルム基板の耐熱温度は一義的には定め得
ない。
【0035】また、請求項2に記載の発明では、上記透
光性フィルム基板の残留位相差は5nm以下とされてい
る。残留位相差が5nmを超えると、ねじれ配向位相差
板を液晶表示装置に用いた場合、十分なコントラスト比
を得ることができなくなる。
【0036】請求項3に記載の発明では、上記ねじれ配
向位相差板と偏光板とを備える楕円偏光板が提供される
が、この場合、ねじれ配向位相差板と偏光板とは、接着
等により貼り合わされていてもよく、あるいは他の部材
を間に介して配置されていてもよい。偏光板としては、
沃素あるいは染料系のものを例示することができる。
【0037】作用 請求項1に記載の発明では、配向膜形成時の処理温度や
高分子液晶ポリマーの配向処理に際しての温度に耐え得
る耐熱性を有する樹脂フィルムを用いているため、これ
らの処理に際し透光性フィルム基板の光学的性質の劣化
が生じ難い。また、上記樹脂フィルムは、上記のように
加熱後に、10℃/分以下の速度で降温する工程を含む
アニール処理によりアニールされているため、残留位相
差が5nm以下とされる。従って、請求項1に記載の発
明にかかる製造方法を用いることにより、残留位相差が
非常に小さい、ねじれ配向位相差板を安定に提供するこ
とができる。
【0038】請求項2に記載の発明では、透光性フィル
ム基板上に高分子液晶ポリマーをねじれネマチック配向
させたねじれ配向位相差板において、透光性フィルム基
板が上記特定の耐熱温度を有し、かつ残留位相差を5n
m以下とされているため、該ねじれ配向位相差板を用い
て液晶表示装置を構成した場合、コントラスト比を効果
的に高め得る。
【0039】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を
挙げることにより、本発明を明らかにする。
【0040】実施例1 残留位相差が14nmであるポリカーボネートフィルム
(Tg=150℃)を230mm×350mmに切り出
し、アルミ製の枠にクリップで固定し、乾燥用ギヤオー
ブンで155℃で5分間処理した後、10℃/分の割合
で温度を室温まで下げて、アニール処理を行った。得ら
れたフィルムの残留位相差は4nmであった。
【0041】上記アニール後のフィルムの中央部分から
100mm×100mmの寸法のフィルムを切り出し、
日産化学工業社製の配向膜材料(商品名:SE−118
0)をスピンコーターを用い、スピンコーターの回転速
度を2500rpmとして塗工した。これを80℃に設
定したギヤオーブンで15分間乾燥させ、その後120
℃に設定したギヤオーブンで60分間焼成し、配向膜を
形成した。
【0042】上記の配向膜を設けたフィルム基板につい
て、ラビングにより配向処理を行い、イオン交換水のシ
ャワーによって洗浄し、100℃に設定したクリーンオ
ーブンで30分間乾燥した。
【0043】メチルイソブチルケトン100gに下記の
化学式(1)で示す側鎖型液晶ポリマー5.15gと、
下記の化学式(2)で示す光学活性基を導入した側鎖型
液晶ポリマー0.62gとを混合し、高分子液晶溶液を
調製した。調製した溶液を静置し、脱泡し、目視により
気泡が存在しないことを確認した。
【0044】次に、上記配向処理されたポリカーボネー
トフィルム基板上に上記高分子液晶ポリマーをスピンコ
ーターを用いて均一に塗工した。スピンコーターの回転
数は2000rpmとした。
【0045】次に高分子液晶溶液が塗工されたポリカー
ボネートフィルム基板をクリーンオーブン中で50℃か
ら130℃まで2℃/分で連続昇温し、さらに130℃
のまま15分間乾燥し、続けてクリーンオーブンを15
0℃に設定し、30分熱処理することによってモノドメ
インの配向を有するねじれネマチック配向位相差板を得
た。液晶ポリマーのねじれ角は241°であった。
【0046】
【化1】
【0047】
【化2】
【0048】実施例2 残留位相差が23nmであるポリエーテルサルホンフィ
ルム(Tg=225℃)を230mm×350mmの寸
法に切り出し、アルミ製の枠にクリップで固定し、乾燥
用のギヤオーブンで230℃で5分間処理した後、10
℃/分の割合で温度を下げて、アニール処理を行った。
得られたフィルムの残留位相差は5nmであった。
【0049】アニールされた上記フィルムを用い、実施
例1と同様にして配向膜を形成した。また、実施例1で
用いた高分子液晶溶液を用い、実施例1と同様にして、
但し、上記ポリエーテルサルホン基板上にモノドメイン
の配向を有するねじれネマチック配向位相差板を得た。
液晶ポリマーのねじれ角は240°であった。
【0050】実施例3 残留位相差が18nmであるポリアリレートフィルム
(Tg=193℃)を230mm×350mmの寸法に
切り出し、アルミ製の枠にクリップで固定し、乾燥用の
ギヤオーブンで205℃で5分間処理した後、10℃/
分の割合で温度を下げて、アニール処理した。得られた
フィルムの残留位相差は3nmであった。
【0051】アニールされた上記フィルムを用い、実施
例1と同様にして配向膜を形成した。また、実施例1で
用いた高分子液晶溶液を用い、実施例1と同様にして、
但し、上記ポリアリレート基板上にモノドメインの配向
を有するねじれネマチック配向位相差板を得た。液晶ポ
リマーのねじれ角は241°であった。
【0052】実施例4 残留位相差が29nmであるポリサルホンフィルム(T
g=190℃)を230mm×350mmの寸法に切り
出し、アルミ製の枠にクリップで固定し、乾燥用のギヤ
オーブンで200℃で5分間処理した後、10℃/分の
割合で温度を下げ、アニール処理した。得られたフィル
ムの残留位相差は3nmであった。
【0053】アニールされた上記フィルムを用い、実施
例1と同様にして配向膜を形成した。また、実施例1で
用いた高分子液晶溶液を用い、実施例1と同様にして、
但し、上記ポリサルホン基板上にモノドメインの配向を
有するねじれネマチック配向位相差板を得た。液晶ポリ
マーのねじれ角は240°であった。
【0054】実施例5 残留位相差が22nmであるポリサルホンフィルム(T
g=190℃)を230mm×350mmの寸法に切り
出し、アルミ製の枠にクリップで固定し、乾燥用のギヤ
オーブンで195℃で5分間処理した後、10℃/分の
割合で温度を下げ、アニール処理した。得られたフィル
ムの残留位相差は4nmであった。
【0055】アニールされた上記フィルムを用い、実施
例1と同様にして配向膜を形成した。また、実施例1で
用いた高分子液晶溶液を用い、実施例1と同様にして、
但し、上記ポリサルホン基板上にモノドメインの配向を
有するねじれネマチック配向位相差板を得た。液晶ポリ
マーのねじれ角は239°であった。
【0056】比較例1 残留位相差が14nmであるポリカーボネートフィルム
(Tg=150℃)を230mm×350mmの寸法に
切り出し、アルミ製の枠にクリップで固定し、乾燥用の
ギヤオーブンで135℃で5分間処理した後、10℃/
分の割合で温度を下げ、アニール処理した。得られたフ
ィルムの残留位相差は10nmであった。
【0057】アニールされた上記フィルムを用い、実施
例1と同様にして配向膜を形成した。また、実施例1で
用いた高分子液晶溶液を用い、実施例1と同様にして、
但し、上記ポリカーボネート基板上にモノドメインの配
向を有するねじれネマチック配向位相差板を得た。液晶
ポリマーのねじれ角は239°であった。
【0058】比較例2 残留位相差が14nmであるポリカーボネートフィルム
(Tg=150℃)を230mm×350mmの寸法に
切り出し、アルミ製の枠にクリップで固定し、乾燥用の
ギヤオーブンで145℃で5分間処理した後、オーブン
から取り出し室温で放置して冷却した。得られたフィル
ムの残留位相差は7nmであった。
【0059】アニールされた上記フィルムを用い、実施
例1と同様にして配向膜を形成した。また、実施例1で
用いた高分子液晶溶液を用い、実施例1と同様にして、
但し、上記ポリカーボネート基板上にモノドメインの配
向を有するねじれネマチック配向位相差板を得た。液晶
ポリマーのねじれ角は239°であった。
【0060】比較例3 残留位相差が23nmであるポリエーテルサルホンフィ
ルム(Tg=225℃)を230mm×350mmの寸
法に切り出し、アルミ製の枠にクリップで固定し、乾燥
用のギヤオーブンで200℃で5分間処理した後、10
℃/分の割合で温度を下げながらアニール処理した。得
られたフィルムの残留位相差は16nmであった。
【0061】アニールされた上記フィルムを用い、実施
例1と同様にして配向膜を形成した。また、実施例1で
用いた高分子液晶溶液を用い、実施例1と同様にして、
但し、上記ポリエーテルスルホン基板上にモノドメイン
の配向を有するねじれネマチック配向位相差板を得た。
液晶ポリマーのねじれ角は240°であった。
【0062】比較例4 残留位相差が23nmであるポリエーテルサルホンフィ
ルム(Tg=225℃)を100mm×100mmの寸
法に切り出し、アニール処理は行わなかった。
【0063】上記フィルムを用い、実施例1と同様にし
て配向膜を形成した。また、実施例1の高分子液晶溶液
を用い、実施例1と同様にして、但し、上記ポリエーテ
ルスルホン基板上にモノドメインの配向を有するねじれ
ネマチック配向位相差板を得た。液晶ポリマーのねじれ
角は240°であった。
【0064】比較例5 残留位相差が18nmであるポリアリレートフィルム
(Tg=193℃)を230mm×350mmの寸法に
切り出し、アルミ製の枠にクリップで固定し、乾燥用の
ギヤオーブンで160℃で5分間処理した後、10℃/
分の割合で温度を下げながらアニールした。得られたフ
ィルムの残留位相差は11nmであった。
【0065】アニールされた上記フィルムを用い、実施
例1と同様にして配向膜を形成した。また、実施例1で
用いた高分子液晶溶液を用い、実施例1と同様にして、
但し、上記ポリアリレート基板上にモノドメインの配向
を有するねじれネマチック配向位相差板を得た。液晶ポ
リマーのねじれ角は241°であった。
【0066】比較例6 残留位相差が29nmであるポリサルホンフィルム(T
g=190℃)を100mm×100mmの寸法に切り
出し、アニールは行わなかった。
【0067】上記フィルムを用い、実施例1と同様にし
て配向膜を形成した。また、実施例1で用いた高分子液
晶溶液を用い、実施例1と同様にして、但し、上記ポリ
サルホン基板上にモノドメインの配向を有するねじれネ
マチック配向位相差板を得た。液晶ポリマーのねじれ角
は240°であった。
【0068】比較例7 残留位相差が22nmであるポリサルホンフィルム(T
g=190℃)を230mm×350mmの寸法に切り
出し、アルミ製の枠にクリップで固定し、乾燥用のギヤ
オーブンで185℃で5分間処理した後、オーブンから
取り出し室温で冷却した。得られたフィルムの残留位相
差は6nmであった。
【0069】アニールされた上記フィルムを用い、実施
例1と同様にして配向膜を形成した。また、実施例1で
用いた高分子液晶溶液を用い、実施例1と同様にして、
但し、上記ポリサルホン基板上にモノドメインの配向を
有するねじれネマチック配向位相差板を得た。液晶ポリ
マーのねじれ角は239°であった。
【0070】実施例と比較例の評価 上記実施例1〜5と比較例1〜7で得たねじれネマチッ
ク配向位相差板を1/200デューティ駆動のSTN液
晶セルに装着し、コントラスト比(CR)を測定した。
結果を表1に示す。なお、表1中、Δndは残留位相差
を示す。
【0071】
【表1】
【0072】表1から明らかなように、比較例1〜7で
は残留位相差が6nm以上であるためか、コントラスト
比が実施例1〜5に比べて低いことがわかる。
【0073】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明の
ねじれ配向位相差板の製造方法では、樹脂フィルムにテ
ンションをかけた状態で加熱し、かつ所定の降温速度で
降温する工程を含むアニール処理によるアニールされて
いるため、残留位相差が5nm以下と非常に低い透光性
フィルム基板を得ることができる。そして、請求項1に
記載の発明では、上記のようにして得られた残留位相差
の小さい透光性フィルム基板上に、上記高分子液晶ポリ
マーをねじれネマチック配向させた層を形成するが、上
記樹脂フィルムとして、配向膜形成に際しての処理温度
や液晶ポリマーの配向処理に際しての処理温度に耐え得
る耐熱性を有するものを用いているため、各処理により
透光性フィルム基板の光学的特性や残留位相差が劣化し
難い。また、上記透光性フィルム基板は、樹脂フィルム
を用いて構成されているため、長尺状の樹脂フィルムを
用いて効率よく生産し得る。
【0074】よって、液晶表示セルと組み合わせた場合
に位相差を効果的に補償することができ、コントラスト
比の向上をはかることができ、さらに耐熱性に優れてい
るため、熱を伴う処理に際し、安定に作業をし得る光学
的熱安定性に優れたねじれ配向位相差板を提供すること
が可能となる。
【0075】また、請求項2に記載の発明にかかるねじ
れ配向位相差板では、上記のように耐熱性に優れた透光
性フィルム基板を用いて構成されているため、配向膜の
形成や液晶ポリマーの配向に際しての熱によっても光学
的特性が劣化し難い。従って、光学的特性が安定であ
り、かつ残留位相差が5nm以下と小さいねじれ配向位
相差板であるため、例えば液晶表示セルに組み合わせて
液晶表示セルの位相差を補償する用途に用いた場合、得
られる画像のコントラスト比を効果的に高めることがで
き、かつ経時による光学的特性の劣化も生じ難い。従っ
て、例えばSTN液晶セルに組み合わせて用いるのに最
適なねじれ配向位相差板を提供することが可能になる。
【0076】さらに、請求項3に記載の発明では、上記
のように光学的熱安定性に優れたねじれ配向位相差板と
偏光板とを備えるため、光学的熱安定性に優れた楕円偏
光板を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において樹脂フィルムをアニールするに
際し、複数の加熱ロールを用いて段階的に樹脂フィルム
の温度を変化させる方法の一例を説明するための概略構
成図。
【図2】本発明において、複数の加熱ロールを加熱ゾー
ン内に配置して樹脂フィルムの温度を変化させる方法の
他の例を説明するための概略構成図。
【符号の説明】
1…加熱ロール 2…樹脂フィルム 3…加熱ゾーン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性樹脂フィルムにテンションをかけ
    た状態で、加熱し、かつ該透光性樹脂フィルムを構成し
    ている樹脂のガラス転移点から室温まで10℃/分以下
    の速度で降温する工程を含むアニール処理により透光性
    フィルム基板を得、前記透光性フィルム基板上に、ねじ
    れネマチック配向された高分子液晶ポリマー層を形成す
    ることを特徴とするねじれ配向位相差板の製造方法。
  2. 【請求項2】 透光性フィルム基板上に高分子液晶ポリ
    マーをねじれネマチック配向させてなる高分子液晶ポリ
    マー層を有するねじれ配向位相差板であって、 前記透光性フィルム基板の耐熱温度が高分子液晶ポリマ
    ーの配向処理温度または配向膜形成時の処理温度以上で
    あり、かつ前記透光性フィルム基板の残留位相差が5n
    m以下であることを特徴とするねじれ配向位相差板。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のねじれ配向位相差板
    と、偏光板とを備えることを特徴とする楕円偏光板。
JP7309441A 1995-11-28 1995-11-28 ねじれ配向位相差板の製造方法、ねじれ配向位相差板及び楕円偏光板 Pending JPH09152508A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004099861A (ja) * 2002-07-15 2004-04-02 Dainippon Printing Co Ltd 液晶層形成用コーティング組成物およびそれを用いた光学素子の製造方法
JP2010250146A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Nitto Denko Corp 光学異方膜の製造方法、ラビング処理方法、及び画像表示装置

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