JP2009069839A - 光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、画像表示装置等の光学機器に用いた場合でも、精度を保つことが可能であり、光学機器に組み込んだ際に荷重が加わった場合でも光学特性の変動が生じ難い光学素子を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】
上記目的を達成するために、本発明は、支持材と、上記支持材上に重合性液晶材料が所定の液晶規則性を有して硬化されてなる光学機能層とを有する光学素子であって、上記光学機能層の硬度が、ヴィッカース硬さ値で20以上であることを特徴とする光学素子を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、重合性液晶材料を重合させることにより得られる光学機能層を有する光学素子であって、上記光学機能層の硬度の高い光学素子に関するものである。
従来より、画像表示装置等に用いられる位相差フィルムや円偏光制御光学素子等の光学素子においては、例えば液晶表示装置等の画像表示装置に組み込まれて用いられる場合がある。このような画像表示装置の製造に際しては、上記光学素子上に積層して他の部材を構築する場合がある。例えば、光学素子が位相差フィルムであって、液晶表示装置に用いられる場合等においては、位相差フィルム上に液晶層のギャップを一定とするためのスペーサ(柱)を形成するといった場合である。
この際、光学素子自体の硬度が低い場合は、上記スペーサ等を形成した際に、光学素子が歪んでしまう可能性があり、これでは光学機器としての精度を保つことができない。また、光学素子自体も多少の力が加わっただけで歪んでしまっては、光学素子の光学特性に変動が生じ問題となる可能性がある。
一方、近年においては、重合性液晶材料を重合させることにより得られる光学素子が提案されている(例えば、特開2001−100045公報、特表平10−508882号公報等)。このような光学素子は、液晶が有する特性を重合により固定化してフィルムとして用いることができるといった利点を有するものであるので、種々の用途への展開が期待されている。
しかしながら、このような重合性液晶材料を重合させて得られる光学素子は、それ自体の硬度を高く保つといった提案は従来されておらず、上述した光学機器としての精度や、光学素子自体の光学特性の変動等の問題は未解決のままであった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、画像表示装置等の光学機器に用いた場合でも、精度を保つことが可能であり、光学機器に組み込んだ際に荷重が加わった場合でも光学特性の変動が生じ難い光学素子を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、支持材と、上記支持材上に重合性液晶材料が所定の液晶規則性を有して硬化されてなる光学機能層とを有する光学素子であって、上記光学機能層の硬度が、ヴィッカース硬さ値で17以上であることを特徴とする光学素子、さらには請求項2に記載するように、支持材と、上記支持材上に重合性液晶材料が所定の液晶規則性を有して硬化されてなる光学機能層とを有する光学素子であって、上記光学機能層の硬度が、鉛筆硬度でB以上であることを特徴とする光学素子を提供する。
本発明によれば、光学機能層の硬度が、上述した範囲内であるので、例えば光学機器等に組み込んだ場合でも、その上に他の部材を構築した際に変形して精度が低下する等の不具合が生じることはない。また、本発明の光学素子上に例えば液晶表示装置の液晶層のギャップを一定に保つための柱状のスペーサが形成され、部分的に力が加わった場合でも、上述したような高い硬度を有することから、膜厚の局部的な変化が少なく、本発明の光学素子が有する膜厚が影響するような光学特性に関しての変動が生じる可能性を低下させることができる。
本発明においては、上記支持材が、配向能を有する基材であってもよい。本発明の光学素子は、重合性液晶材料が規則的な液晶相を呈した状態で重合させて得られるものである。したがって、規則的な液晶相を得るためには、配向能を有する基材上で形成される必要があり、よって配向能を有する基材上においてそのまま光学素子として用いることが、コスト的に有利だからである。
一方、本発明においては、上記支持材が、被転写基材であり、上記被転写材が透明基板であってもよい。基材上に特定の機能が必要な場合等においては、転写工程を経ることにより被転写体上に光学機能層を形成することが可能であり、この際の被転写材は、光学素子としての機能上、透明基板が用いられることが好ましいからである。
本発明においては、上記重合性液晶材料が、重合性液晶モノマーであり、上記所定の液晶規則性がネマチック規則性またはスメクチック規則性であり、上記光学機能層が位相差層であることが好ましい。このような位相差層を有する光学素子を用いる場合において、位相差層の硬度は精度面等において重要であるからである。
また、本発明においては、上記重合性液晶材料が、重合性液晶モノマーおよび重合性カイラル剤であり、所定の液晶規則性がコレステリック規則性であり、上記光学機能層がコレステリック層であることが好ましい。このようなコレステリック層、すなわちコレステリック規則性を有した状態で固定化された層は、円偏光制御層として機能するものであるので、この場合もその硬度は精度上重要であるからである。
本発明においては、上記光学機能層上に保護層が形成されていることが好ましい。保護層を設けた場合でも、光学機能層の硬度が上述した範囲内であれば、保護層上の硬度を高いものとすることが可能であることから、これを光学機器に用いた場合に精度面で好ましいからである。
本発明においては、配向能を有する基材を調製する工程と、上記基材上に少なくとも重合性液晶材料を含む液晶層形成用組成物を積層し、所定の液晶規則性を有する液晶層を形成する工程と、上記液晶層をN−I転移点以下で熱処理する工程と、上記液晶層に室温または加熱しながら活性放射線を照射して、光学機能層とする光学機能層形成工程と、上記光学機能層に対して150℃〜260℃の範囲内の温度で加熱して再硬化処理を行う再硬化処理工程とを有することを特徴とする光学素子の製造方法を提供する。
本発明においては、このように重合性液晶材料を重合して得られる光学機能層を所定の温度で再硬化処理を行うことにより、光学機能層の硬度を上げることが可能であり、その後の光学機器等に用いた際の精度を向上させることができる。
本発明においては、上記重合性液晶材料が、重合性モノマーであり、所定の液晶規則性がネマチック規則性またはスメクチック規則性であってもよい。このような光学機能層は位相差層として機能するものであり、位相差機能を必要とする、例えばλ/4位相差板等の種々の用途に用いることができるからである。
また、本発明においては、上記重合性液晶材料が、重合性モノマーおよび重合性カイラル剤であり、所定の液晶規則性がコレステリック規則性であってもよい。このような光学機能層は、円偏光制御層として用いることができ、例えばカラーフィルタ等の種々の用途に用いることができるからである。
本発明においては、上記液晶層形成用組成物に、光重合開始剤が含まれていることが好ましい。このように光重合開始剤が含まれていることにより、再硬化処理工程において硬度の上昇を効果的に行うことができるからである。
本発明においては、上記再硬化処理工程が、無酸素雰囲気下で行われることが好ましい。無酸素雰囲気下において、より効果的な硬度の上昇が得られるからである。ここで、この無酸素雰囲気下は、窒素雰囲気下であることが好ましい。無酸素雰囲気とする方法として最も汎用されている方法であり、コスト的にも有利だからである。
本発明においては、上記液晶層形成用組成物が、溶媒を用いた液晶層形成用塗工液であることが好ましい。このように液晶層形成用塗工液を用いる方法が、例えばドライフィルム化する方法や溶融塗布する方法等の他の方法と比較すると、工程上容易であるからである。
本発明においては、上記再硬化処理の加熱時間が、1分〜240分の範囲内であることが好ましい。上述した範囲内の時間で加熱することが、硬度を上昇させる観点から好ましいからである。
本発明においては、光学機能層形成工程の後、上記配向能を有する基材上に形成された光学機能層を被転写材上に転写する転写工程を有することが好ましい。例えば他の機能を有する被転写材上に光学機能層が必要である場合等においては、光学機能層を被転写材に転写する転写工程を行うことも可能である。この場合、転写後に上述した再硬化処理工程を行うことにより、被転写材上の光学機能層の硬度を上げることができる。
本発明においては、上記光学機能層形成工程の後に、保護層形成工程を行い、その後再硬化処理工程を行うことが好ましい。保護層と共に再硬化処理工程を行うことにより、光学的機能層および保護層の硬度を上昇させることが可能であり、光学機器に用いた際の精度を向上させることができるからである。
本発明によれば、光学機能層の硬度が、所定の範囲の高い硬度であるので、例えば光学機器等に組み込んだ場合でも、その上に他の部材を構築した際に変形して精度が低下する等の不具合が生じることはない。また、本発明の光学素子上に例えば液晶表示装置の液晶層のギャップを一定に保つための柱状のスペーサが形成され、部分的に力が加わった場合でも、上述したように硬度を有することから、膜厚が局部的な変化が少なく、本発明の光学素子が有する光学特性の変動が生じる可能性を低下させることができるという効果を奏する。
以下、本発明の光学素子について説明した後、このような光学素子を得るための光学素子の製造方法について説明する。
A.光学素子
本発明の光学素子は、支持材と、上記支持材上に重合性液晶材料が所定の液晶規則性を有して硬化されてなる光学機能層とを有する光学素子であって、上記光学機能層の硬度が、ヴィッカース硬さ値で17以上、もしくは、鉛筆硬度でB以上であることを特徴とするものである。
本発明では、光学機能層の硬度が、上述した範囲内であるので、以下のような利点を有するものである。
すなわち、本発明の光学素子を光学機器等に組み込んだ場合、上述したような硬度を有するものであるので、本発明の光学素子の光学機能層上に他の部材を設ける場合に、光学機能層の変形が少なく、よって、その上に形成された部材の位置精度を高く保つことが可能となる。また、本発明の光学素子に何等かの荷重が加わった場合でも、上述したような硬度を有するものであるので、膜厚の変動が少ない。これは光学素子の膜厚に起因する種々の光学的特性、例えばリタデーション値等の変動を最小限とするものであり、光学素子の特性の変動を最小限とすることができるといった利点に繋がるものである。
本発明の光学素子における光学機能層の硬度を上述した範囲内とする方法に関しては、例えば後述するように製造工程において再硬化処理工程を設けることを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、重合性液晶材料を選択することにより、上述したような硬さを有する光学素子とすることも可能である。
以下、このような光学素子について、各要素毎に説明する。
1.支持材
本発明でいう支持材とは、配向能を有する基材、もしくは転写工程により光学機能層が転写された場合は被転写材を示すものである。
(配向能を有する基材)
本発明の光学素子は、配向能を有する基材上に重合性液晶材料が所定の液晶規則性を有して硬化されてなる光学機能層が形成されてなるものである。
このような配向能を有する基材としては、基材そのものが配向能を有するものである場合と、透明基板上に配向膜が形成されて配向能を有する基材として機能するものとを挙げることができる。以下、それそれを第1実施態様および第2実施態様として説明する。
a.第1実施態様
本実施態様は、基材そのものが配向能を有する態様であり、具体的には基材が延伸フィルムである場合を挙げることができる。このように延伸フィルムを用いることにより、その延伸方向に沿って液晶材料を配向させることが可能である。したがって、基材の調製は、単に延伸フィルムを準備することにより行うことができるため、工程上極めて簡便であるという利点を有する。このような延伸フィルムとしては、市販の延伸フィルムを用いることも可能であり、また必要に応じて種々の材料の延伸フィルムを形成することも可能である。
具体的には、ポリカーボネート系高分子、ポリアリレートやポリエチレンテレフタレートの如きポリエステル系高分子、ポリイミド系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリエチレンやポリプロピレンの如きポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子等の熱可塑性ポリマーなどからなるフィルムや、液晶ポリマーからなるフィルムなどを挙げることができる。
本発明においては、中でもポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが、延伸倍率のレンジ幅が広い点、さらには入手のしやすさ等の観点から好ましく用いられる。
本発明に用いられる延伸フィルムの延伸率としては、配向能が発揮し得る程度の延伸率であれば特に限定されるものはない。したがって、2軸延伸フィルムであっても2軸間で延伸率が異なるものであれば用いることが可能である。
この延伸率は、用いる材料により大きく異なるものであり、特に限定されるものではないが、一般的には150%〜300%程度のものを用いることが可能であり、好ましくは200%〜250%のものが用いられる。
b.第2実施態様
第2実施態様は、上記配向能を有する基材が、透明基板と透明基板上に形成された配向膜とからなる態様である。
本実施態様においては、配向膜を選択することにより、比較的広範囲の配向方向を選択することが可能であるという利点を有する。透明基板上に塗布する配向膜形成用塗工液の種類を選択することにより、種々の配向方向を実現することが可能であり、かつより効果的な配向を行うことができる。
本実施態様に用いられる配向膜は、通常液晶表示装置等において用いられる配向膜を好適に用いることが可能であり、一般的にはポリイミド系の配向膜をラビング処理したものが好適に用いられる。また、光配向膜を用いることも可能である。
また、本実施態様に用いられる透明基板としては、透明材料により形成されたものであれば特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
(被転写材)
本発明において用いられる被転写材としては、光学素子の用途に応じて適宜選択されるものではあるが、一般的には光学素子であることから透明な材料、すなわち透明基板が好適に用いられる。
この透明基板に関しては、上記「配向能を有する基材」の欄で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.光学機能層
本発明の光学素子は、上記基材上に、重合性液晶材料が所定の液晶規則性を有して硬化されてなる光学機能層が形成されたものである。このような光学機能層は、液晶規則性を有する高分子を構成する重合性液晶材料が原材料として用いられる。以下、これらについて説明する。
(重合性液晶材料)
本発明で用いられる重合性液晶材料としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマーおよび重合性液晶高分子を挙げることができる。このような重合性液晶材料は、通常、それ自体がネマチック規則性やスメマチック規則性を有するものが用いられるが、特にこれに限定されるものではなく、重合性液晶材料がコレステリック規則性を有するものであってもよい。また、光学素子によってコレステリック規則性が必要であり、かつ上記重合性液晶材料自体がネマチック規則性もしくはスメクチック規則性を呈する場合は、コレステリック規則性付与するためにさらに、重合性カイラル剤を用いてもよい。以下、それぞれについて説明する。
(1)重合性液晶材料
本発明に用いられる重合性液晶材料としては、上述したように重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子等を挙げることができる。このような重合性液晶材料としては、これらのみで液晶相を形成した場合に、ネマチック規則性、スメクチック規則性、またはコレステリック規則性を有する液晶相を形成し得る重合性液晶材料であれば特に限定されるものではない。
このような重合性液晶材料の一例としては、例えば下記の一般式(1)で表わされる化合物(I)を挙げることができる。化合物(I)としては、一般式(1)に包含される化合物の2種を混合して使用することも可能である。またさらに、上記化合物(I)と下記の一般式(2)で表わされる化合物(II)とで構成されるものであってもよい。
化合物(I)としては、一般式(1)に包含される化合物の2種を混合して使用することができ、同様に、化合物(II)としては、一般式(2)に包含される化合物の2種以上を混合して使用することができる。
Figure 2009069839
化合物(I)を表わす一般式(1)において、R1及びR2はそれぞれ水素又はメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR1及びR2は共に水素であることが好ましい。Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、ニトロ基のいずれであっても差し支えないが、塩素又はメチル基であることが好ましい。また、化合物(I)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と、芳香環とのスペーサーであるアルキレン基の鎖長を示すa及びbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数を取り得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物は、安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物自体の結晶性が高い。また、a及びbがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物は、アイソトロピック転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物はどちらも液晶性を示す温度範囲が狭く好ましくない。
Figure 2009069839
化合物(II)を表わす一般式(2)において、R3は水素又はメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR3は水素であることが好ましい。アルキレン基の鎖長を示すcに関して言えば、この値が2〜12である化合物(II)は液晶性を示さない。しかしながら、液晶性を持つ化合物(I)との相溶性を考慮すると、cは4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。化合物(II)も任意の方法で合成可能であり、例えば、1当量の4−シアノフェノールと1当量の4−(n−(メタ)アクリロイロキシアルコキシ)安息香酸とのエステル化反応により化合物(II)を合成することができる。このエステル化反応は化合物(I)を合成する場合と同様に、上記安息香酸を酸クロリドやスルホン酸無水物などで活性化し、これと4−シアノフェノールとを反応させるのが一般的である。また、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)等の縮合剤を用いて上記安息香酸と4−シアノフェノールを反応させてもよい。
上述した例では、重合性液晶モノマーの例を挙げたが、本発明においては、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子等を用いることも可能である。このような重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子としては、従来提案されているものを適宜選択して用いることが可能である。
(2)カイラル剤
本発明においては、上記光学素子が円偏光制御光学素子、すなわち光学機能層がコレステリック層であり、かつ重合性液晶材料がネマチック規則性もしくはスメクチック規則性を呈する場合は、上記重合性液晶材料に加えてカイラル剤を加えることが必要となる。
本発明に用いられるカイラル剤とは、光学活性な部位を有する低分子化合物であり、分子量1500以下の化合物を意味する。カイラル剤は主として、例えば化合物(I)や、必要に応じて用いられる化合物(II)に示されるような重合性液晶材料が発現する正の一軸ネマチック規則性に螺旋ピッチを誘起させる目的で用いられる。この目的が達成される限り、重合性液晶材料、例えば化合物(I)と、もしくは化合物(I)および化合物(II)の混合物と、溶液状態あるいは溶融状態において相溶し、上記ネマチック規則性をとりうる重合性液晶材料の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋ピッチを誘起できるものであれば、下記に示すカイラル剤としての低分子化合物の種類は特に限定されない。液晶に螺旋ピッチを誘起させるために使用するカイラル剤は、少なくとも分子中に何らかのキラリティーを有していることが必須である。従って、本発明で使用可能なカイラル剤としては、例えば1つあるいは2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルなアミン、キラルなスルフォキシド等のようにヘテロ原子上に不斉点がある化合物、あるいはクムレン、ビナフトール等の軸不斉を持つ化合物が例示できる。さらに具体的には、市販のカイラルネマチック液晶、例えば、Merck社製S−811等が挙げられる。
しかし、選択したカイラル剤の性質によっては、化合物(I)と、もしくは化合物(I)および化合物(II)の混合物として例示されるような重合性液晶材料が形成するネマチック規則性の破壊、配向性の低下、あるいは該化合物が非重合性の場合には、液晶性組成物の硬化性の低下、硬化フィルムの信頼性の低下を招くおそれがある。さらに、光学活性な部位を有するカイラル剤の多量使用は、組成物のコストアップを招く。従って、短ピッチのコレステリック規則性を有する円偏光制御光学素子を製造する場合には、本発明に用いられる重合性液晶材料に含有させる光学活性な部位を有するカイラル剤には、螺旋ピッチを誘発する効果の大きなカイラル剤を選択することが好ましく、具体的には一般式(3)又は(4)で表されるような分子内に軸不斉を有する低分子化合物(III)の使用が好ましい。
Figure 2009069839
Figure 2009069839
Figure 2009069839
カイラル剤(III)を表わす一般式(3)又は(4)において、R4は水素又はメチル基を示す。Yは上記に示す式(i)〜(xxiv)の任意の一つであるが、なかでも、式(i),(ii),(iii),(v)及び(vii)の何れか一つであることが好ましい。また、アルキレン基の鎖長を示すd及びeは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。d又はeの値が0又は1である一般式(3)又は(4)の化合物は、安定性に欠け、加水分解を受けやすく、結晶性も高い。一方、d又はeの値が13以上である化合物は融点(Tm)が低い。これらの化合物は液晶性を示す化合物(I)と、もしくは化合物(I)および化合物(II)の混合物との相溶性が低下し、濃度によっては相分離等が起きるおそれがある。
本発明の重合性液晶材料に配合されるカイラル剤の量は、螺旋ピッチ誘起能力や最終的に得られる円偏光制御光学素子のコレステリック性を考慮して最適値が決められる。具体的には、用いる重合性液晶材料により大きく異なるものではあるが、重合性液晶材料の合計量100重量部当り、0.01〜60重量部、好ましくは0.1〜40重量部、さらに好ましくは0.5〜30重量部、最も好ましくは1〜20重量部の範囲で選ばれる。この配合量が上記範囲よりも少ない場合は、重合性液晶材料に充分なコレステリック性を付与できない場合があり、上記範囲を越える場合は、分子の配向が阻害され、活性放射線によって硬化させる際に悪影響を及ぼす危惧がある。
本発明においては、このようなカイラル剤としては、特に重合性を有することが必須ではない。しかしながら、得られる光学機能層の熱安定性等を考慮すると、上述した重合性液晶材料と重合し、コレステリック規則性を固定化することが可能な重合性のカイラル剤を用いることが好ましい。
(3)硬度の調整
本発明においては、上述したような重合性液晶材料を硬化させて得られる光学機能層が所定の範囲の硬度を有する点に特徴を有するものである。この硬度を得る方法としては、後述する再硬化処理工程を行う方法の他、重合性液晶材料を選択することにより行うことも可能である。
上述したような硬度を得るための方法、すなわち、高硬度の光学機能層を得るためには、例えば、重合後に得られるポリマーのガラス転移点(Tg)が120℃以上となるようにする方法、用いる重合性液晶材料が官能基を2個以上有するものを用いる方法、さらには用いる重合性液晶材料の分子量が300〜1500の範囲内のものを用いる方法等を挙げることができる。なお、上記重合性材料が有する官能基の数は、5個以下が好ましい。官能基をこれ以上有する重合性液晶材料を用いると、得られるポリマーが不安定でありもろくなる可能性が生じるからである。
(光重合開始剤)
本発明においては、上述した重合性液晶材料に、光重合開始剤が添加されていることが好ましい。例えば、電子線照射により重合性液晶材料を重合させる際には、光重合開始剤が不要な場合はあるが、一般的に用いられている例えば紫外線(UV)照射による硬化の場合においては、通常光重合開始剤が重合促進のために用いられるからである。
本発明において用いることができる光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。なお、光重合開始剤の他に増感剤を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加することも可能である。
このような光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲で本発明の重合性液晶材料に添加することができる。
(液晶規則性)
本発明においては、上記重合性液晶材料が所定の液晶規則性を有して硬化されてなる光学機能層が用いられる。
ここで、この液晶規則性とは、ネマチック規則性、スメクチック規則性およびコレステリック規則性がある。光学素子が位相差層積層体である場合は、上記光学機能層は、ネマチック規則性もしくはスメクチック規則性を有するものである。一方、光学素子が円偏光制御光学素子である場合は、コレステリック規則性を有するものである。
上記規則性は、基本的には用いる重合性液晶材料が自ら呈する液晶規則性およびカイラル剤を用いるか否かにより決定されるものである。
このような液晶規則性は、配向能を有する基材上に、上述した重合性液晶材料および必要に応じて添加される重合性カイラル剤とからなる液晶層を形成し、基材の配向能に沿って配向させて得られるものである。そして液晶規則性を有した状態で活性放射線を照射することにより硬化させて、液晶規則性を有した状態で硬化された光機能性層とすることができるのである。
3.光学機能層の硬度
本発明においては、上述した光学機能層が高硬度である点に特徴を有するものである。本発明においては、この硬度について、二つの測定方法により規定している。以下、それぞれについて説明する。
(ヴィッカース硬さ値)
本発明においては、上述した光学機能層の硬度が、ヴィッカース硬さ値で17以上であるところに特徴を有するものであり、中でも35以上、特に50以上であることが好ましい。なお、硬さの上限値としては、特に限定されるものではないが、1000以下であるとすることができる。
本発明でいうヴィッカース硬さ値とは、以下の測定方法および測定条件により測定された値をいうものである。すなわち、表面皮膜物性試験機(皮膜硬さ計、例えば、H.FISCHER社製、フィッシャースコープ H100VP-HCU X-Y PROG)を用い、1mN/secで5秒間、荷重を増加させ、最大荷重5mNとなったところで、5秒間保持する。次いで、1mN/secで逆に荷重を減少させていく方法により測定される値をいう。
(鉛筆硬度)
本発明においては、また鉛筆硬度での値がB以上であるところに特徴を有するものであり、中でもHB以上、特にH以上であることが好ましい。なお、硬さの上限値としては、特に限定されるものではないが、8H以下であるとすることができる。
本発明でいう鉛筆硬度の値とは、JIS K5400の8.4「鉛筆引っかき値」に示される測定方法および測定条件により測定された値をいうものである。すなわち、鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(例えば、No.431(商品名)東洋精機製作所製)に鉛筆を設置し、試験片である塗膜に擦り傷をつける。これを5回同様の濃度の鉛筆で繰り返し、試験片に2回以上擦り傷を形成する鉛筆濃度よりも1段階下位の濃度記号をその試験片の鉛筆強度として評価する方法である。
4.光学素子の具体例
本発明の光学素子の具体例としては、光学機能層が位相差層である場合の位相差層積層体および光学機能層がコレステリック層である円偏光制御光学素子を挙げることができる。以下、それぞれについて説明する。
(位相差層積層体)
光学素子が位相差層積層体である場合としては、本発明においては、支持材と、上記支持材に重合性液晶材料がネマチック規則性もしくはスメクチック規則性を有して硬化された位相差層とを有する位相差層積層体であって、光学機能層である位相差層が上述したような範囲内の硬度を有するものである。
このように、本発明の光学素子を位相差層積層体として用いた場合でも、位相差層が上述したような高硬度を有するものであるので、これを画像表示装置等の光学機器に用いた場合でも、上述したように位相差層上に他の部材を積層した際の位置精度を高く保つことが可能であり、光学機器の精度を高め、高品質なものとすることができる。
(円偏光制御光学素子)
光学素子が円偏光制御光学素子である場合としては、本発明においては、支持材と、上記支持材上に重合性液晶材料がコレステリック規則性を有して硬化されたコレステリック層とを有する円偏光制御光学素子であって、光学機能層が上述したような範囲内の硬度を有するものである。
この場合も、上記位相差層積層体の場合と同様に、光学機能層であるコレステリック層が上述した硬度を有することから、これを光学機器に用いた場合に、高精度であり、かつ高品質なものとすることができる。
5.その他
本発明の光学素子においては、上記光学機能層上に保護層を形成してもよい。この際、本発明においては、上記光学機能層上に膜厚が5μm以下、好ましくは3μm以下の保護層を積層した状態において、保護層表面で測定したヴィッカース硬さ値が30以上、好ましくは50以上、特に70以上であることが好ましい。
このように光学機能層上に保護層が積層された状態で、上述した範囲の硬さを有するものであれば、このような光学素子を光学機器に用いた場合に、上記光学機能層の硬度で説明したものと同様の理由から、高精度とすることが可能となる。
このような保護層としては、特に限定されるものではないが、有機材料で形成されたものが好ましい。中でも好ましい材料としては、耐圧性、耐磨耗性及び耐熱性に優れた紫外線硬化樹脂及び電子線硬化樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。紫外線硬化樹脂及び電子線硬化樹脂は、多官能モノマーおよび多官能オリゴマーの重合反応によって膜を形成するから、機械的強度の強い強靭な表面保護層となることができる。本発明の表面保護層に使用される具体的な材料としては、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリスチリルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート(特に、それぞれビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型の骨格を有するエポキシアクリレート及びフェノールノボラック型エポキシアクリレート)、ポリカーボネート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアクリレート等の多官能オリゴマーであって官能基数が1〜10のもの等が挙げられる。また、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、1,6ーヘキサンジオールアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート等の単官能モノマー及び多官能モノマーも好ましいものとして挙げられる。さらに、これらの材料を様々に組合わせることにより、複数に積層された表面保護層を形成することもできる。具体的には、AC−8100、AC−5100(日産化学)等を挙げることができる。
本発明において用いられる保護層の単体でのヴィッカース硬さ値としては、17〜1000の範囲内、特に50〜700の範囲内、鉛筆強度HB〜9H、特に、H〜5Hの範囲内とすることが好ましい。上記範囲より硬度が低い場合は、上述したように光学機能層と積層した場合に、上述した好適な硬度とすることが困難であるからであり、上記範囲より硬度が高い保護層は、ハンドリングの面で難しい場合が多いからである。また、光学機能層よりも保護層のほうが硬度を高くする必要がある。
なお、この項でいうヴィッカース硬さ値の測定方法・条件は、上述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
B.光学素子の製造方法
本発明の光学素子の製造方法は、配向能を有する基材を調製する工程と、
上記基材上に少なくとも重合性液晶材料を含む液晶層形成用組成物を積層し、所定の液晶規則性を有する液晶層を形成する工程と、
上記液晶層をN−I転移点以下で熱処理する工程と、
上記液晶層に室温または加熱しながら活性放射線を照射して、光学機能層とする光学機能層形成工程と、
上記光学機能層に対して150℃〜260℃の範囲内の温度で加熱して再硬化処理を行う再硬化処理工程と
を有することを特徴とするものである。
本発明の光学素子の製造方法は、重合性液晶材料を含む液晶層形成用組成物を基材上に積層して液晶層を形成し、これに活性放射線を照射することにより、液晶層内の重合性液晶材料を硬化させて光学機能層を形成した後、上述した範囲の熱処理を行う再硬化処理工程を行う点に特徴を有するものであり、この再硬化処理により光学機能層の硬度を上昇させ、高硬度とするものである。
本発明における再硬化処理工程により、光学機能層の硬度が上がるのは、明確ではないが以下の理由によるものであると推測される。すなわち、上記光学機能層形成工程における活性放射線の照射のみでは、完全に重合されていなかった官能基が、この再硬化処理工程により完全に重合が行われ、これにより硬度が上昇するものと推定される。
また、上記光学機能層形成工程後では、光学機能層内に光重合開始剤の残渣等が含まれている可能性があり、これが再硬化処理工程における熱処理により除去され、これにより硬度が上昇する可能性も指摘することができる。
以下、図面を用いて本発明の一例を説明する。図1は、本発明の光学素子の製造方法の一例を示すものである。
この例では、まず透明基板1上に配向膜2が形成された配向能を有する基材3が形成される(基材調製工程、図1(a)参照)。
次に、この配向能を有する基材3上に、重合性液晶材料と光重合開始剤とを溶剤中に溶解させた液晶層形成用塗工液を塗布し、溶剤を乾燥・除去し、これをN−I転移点以下で熱処理することにより液晶層4を形成する(液晶層形成工程、図1(b)参照)。この液晶層は、配向膜2の作用により液晶規則性を有するものとなる。
そして、上記液晶規則性を有する液晶層4に対して室温または加熱しながら紫外光5を照射することにより、液晶層4内の重合性液晶材料を重合させ、液晶層4を光学機能層6とする(光学機能層形成工程、図1(c)および(d)参照)。
次に、このように基材3上に光学機能層6が形成された光学素子8を、例えばオーブン中に保持して所定の温度に保つことにより、熱7を加え、再硬化処理を行う(再硬化処理工程、図1(e)参照)。
これにより、熱処理が加えられ、光学機能層6の硬度を上昇させることができるのである。
図2は、本発明の光学素子の製造方法の他の例を示すものである。図2(a)は、すでに上記図1(c)に示す紫外光を照射する光学機能層形成工程が終了し、透明基材1上に配向膜2が形成された基材3上に、光学機能層6が形成された状態を示すものである。この例では、この光学機能層6の表面側に被転写材9を配置し(図2(b))、光学機能層6を被転写材9上に転写する転写工程(図2(c)参照)が行われる。
被転写材9に転写された光学機能層6は、同様に例えばオーブン中に保持して所定の温度に保つことにより、熱7を加え、再硬化処理が行なわれる(再硬化処理工程、図2(d)参照)。そして、硬度の高い光学機能層6を有する光学素子8を得ることができるのである(図2(e)参照)。
以下、上述した例に示されるような本発明の光学素子の製造方法について、各工程毎に詳細に説明する。
1.基材調製工程
本発明の光学素子を製造するに際しては、まず配向能を有する基材が準備される。このような配向能を有する基材としては、基材そのものが配向能を有するものである場合と、図1に示すように透明基板1上に配向膜2が形成されて配向能を有する基材3として機能するものとを挙げることができる。これらについては、上記「A.光学素子」の欄で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.液晶層形成工程
本発明においては、次に図1(b)に示すように、上記配向能を有する基材3上に液晶層4を形成する。
本発明におけるこの液晶層とは、重合性液晶材料で形成されたものであり、種々の液晶規則性を有する液晶相を採り得る層であれば特に限定されない。
そして、このような液晶層を形成する方法としては、重合性液晶材料を含む液晶層形成用組成物を基材上に積層し、液晶層形成用層を形成する。この液晶層形成用層を形成する方法としては、例えばドライフィルム等を予め形成してこれを液晶層形成用層としこれを基材上に積層する方法や、液晶層形成用組成物を融解させて、これを基材上に塗布する方法等を採ることも可能であるが、本発明においては、液晶層形成用組成物を溶媒に溶解し、これを基材上に塗布し、溶媒を除去することにより液晶層形成用層を形成することが好ましい。これは、他の方法と比較して工程上簡便であるからである。
この際、塗布する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法(ダイコート法)等が挙げられる。
このように液晶層形成用塗工液を塗布した後、溶媒を除去するのであるが、この溶媒の除去方法としては、例えば、減圧除去もしくは加熱除去、さらにはこれらを組み合わせる方法等により行われる。溶媒が除去されることにより、液晶層形成用層が形成される。
本発明においては、このようにして形成された液晶層形成用層の層内の重合性液晶材料を、基材表面の配向能により、液晶規則性を有する状態として液晶層とする。これは、通常はN−I転移点以下で熱処理する方法等の方法により行われる。なお、ここで、N−I転移点とは、液晶相から等方相へ転移する温度を示すものである。
この液晶層形成用塗工液に用いられる重合性液晶材料、カイラル剤および光重合開始剤に関しては、上記「A.光学素子」における説明と同様であるのでここでの説明は省略する。以下、この液晶層形成用塗工液に用いられる溶媒、およびその他の添加剤について説明する。
(溶媒)
上記液晶層形成用塗工液に用いられる溶媒としては、上述した重合性液晶材料等を溶解することが可能な溶媒であり、かつ配向能を有する基材上の配向能を阻害しない溶媒であれば特に限定されるものではない。
具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類、メトキシベンゼン、1,2-ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2、4−ペンタンジオン等のケトン類、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、2-ピロリドン,N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、t-ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコール類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種又は2種以上が使用可能である。
単一種の溶媒を使用しただけでは、重合性液晶材料等の溶解性が不充分であったり、上述したように配向能を有する基板が侵食される場合がある。しかし2種以上の溶媒を混合使用することにより、この不都合を回避することができる。上記した溶媒のなかにあって、単独溶媒として好ましいものは、炭化水素系溶媒とグリコールモノエーテルアセテート系溶媒であり、混合溶媒として好ましいのは、エーテル類又はケトン類と、グリコール類との混合系である。溶液の濃度は、液晶性組成物の溶解性や製造せんとする光学機能層の膜厚に依存するため一概には規定できないが、通常は1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲で調整される。
(その他の添加剤)
本発明に用いられる液晶層形成用塗工液には、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記以外の化合物を添加することができる。添加できる化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸又は多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物;アクリル基やメタクリル基を有する光重合性の液晶性化合物等が挙げられる。本発明の液晶性組成物に対するこれら化合物の添加量は、本発明の目的が損なわれない範囲で選択され、一般的には、本発明の液晶性組成物の40重量%以下、20重量%以下である。これらの化合物の添加により、本発明における重合性液晶材料の硬化性が向上し、得られる光学機能層の機械強度が増大し、またその安定性が改善される。
また、上記液晶層形成用塗工液には、塗布を容易にするために界面活性剤等を加えることができる。添加可能な界面活性剤を例示すると、イミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一級あるいは第二級アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコール及びそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族あるいは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界面活性剤、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル・親油基含有オリゴマーパーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類、重合性液晶材料の種類、溶媒の種類、さらには溶液を塗布する配向能を有する基板の種類にもよるが、通常は溶液に含まれる液晶性組成物の10重量ppm〜10重量%、好ましくは100重量ppm〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%の範囲にある。
3.光学機能層形成工程
本発明においては、上述した液晶層形成工程において形成された重合性液晶材料を主成分とする液晶層に室温または加熱しながら活性照射線を照射することにより、液晶層がその液晶規則性を有した状態で硬化させることにより、種々の光学的機能を有する光学機能層を形成することができる。
この際照射する活性放射線とは、重合性液晶材料や重合性カイラル剤等を重合せさることが可能な放射線であれば特に限定されるものではないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光又は可視光線が使用され、波長が150〜500nm、好ましくは250〜450、さらに好ましくは300〜400nmの照射光が用いられる。
この照射光の光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などが例示できる。なかでもメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ灯等の使用が推奨される。
照射強度は、液晶層を形成している重合性液晶材料の組成や光重合開始剤の多寡によって適宜調整されて照射される。
4.転写工程
本発明においては、必要に応じて、上記光学機能層形成工程の後、上記配向能を有する基材上に形成された光学機能層を被転写材上に転写する工程を有するものであってもよい。
これは、光学機能層を他の層と組み合わせて用いる場合や、光学機能層は可撓性の無い基材上で形成することが好ましいが、使用に際しては可撓性のあるフィルム表面において用いたい場合等の必要に応じて行われる。
転写は、上述した光学機能層形成工程で形成された光学機能層の表面に被転写材表面を接触させることにより行われる(図2(b)および(c)参照)。
この際の転写方法としては、例えば、被転写材表面もしくは上記光学機能層表面に接着層を予め形成しておき、この接着力により転写する方法、基材上の配向膜等を易剥離性としておく方法等が挙げられる。
さらに有効な方法としては、光学機能層の被転写材が接触する側の表面の表面硬度を基材側の表面硬度よりも低くなるように形成し、この状態で転写を行う方法や、光学機能層の上記被転写材側表面の残存二重結合率が、上記基材側のものよりも高くするように形成し、この状態で転写を行う方法等を挙げることができる。このように、光学機能層における表面側の重合度を基材側の重合度より低く形成する方法としては、酸素の存在下において重合速度が低下する酸素依存性を有する光重合開始剤を上記重合性液晶材料に用い、表面側にのみ酸素が接触するような条件下で重合させる方法等を挙げることができる。
この工程において用いられる被転写材としては、用いられる光学素子の用途に応じて適宜選択されるものではあるが、一般的には光学素子であることから透明な材料、すなわち透明基板が好適に用いられる。
この透明基板に関しては、上記「配向能を有する基材」の欄で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
5.再硬化処理工程
本発明においては、上記光学機能層形成工程の後、もしくは上記転写工程の後、加熱を行う再硬化処理工程を行うところに特徴を有するものである。
すなわち、本発明の光学素子の製造方法は、上述した基材調製工程において調製された基材と、この基材上に上述した光学機能層形成工程により形成された光学機能層とを有する光学素子に対して、もしくは転写工程が行われた場合は、被転写材およびその表面に転写された光学機能層を有する光学素子に対して、150℃〜260℃の範囲内の温度で加熱し再硬化処理が行われる点を特徴とするものであり、より好ましい加熱温度としては、165℃〜260℃の範囲内、特に180℃〜260℃の範囲内とすることができる。
本発明においては、上記温度範囲より低い温度で再硬化処理が行われた場合は、光学機能層の硬度の上昇が十分でないことから好ましくなく、上記温度範囲より高い温度で再硬化処理が行われた場合は光学機能層もしくは基材、さらには被転写材等に際してダメージを与える可能性があることから好ましくない。
本発明においては、上記範囲で再硬化処理を行う時間、具体的には光学的機能層が上記温度範囲内となってからの経過時間が、1分〜240分であることが好ましく、中でも30分〜210分、得に60分〜180分の範囲内の時間であることが好ましい。上述した時間より短い再硬化処理時間の場合は、光学機能層の硬度の上昇が不十分であることから好ましくなく、上記範囲より長い時間再硬化処理を行った場合は、光学機能層および支持材のいずれかに熱劣化を与える可能性があることから好ましくないからである。
このような再硬化処理は、一般的なオーブン等の熱処理用機器を用いて行うことが可能である。
本発明においては、この再硬化処理工程が、無酸素雰囲気下で行われることが好ましい。酸素が存在する場合は、再硬化処理の際に必要なラジカルを酸素がトラップしてしまい、再硬化処理を効果的に行うことができないからである。
ここで、無酸素雰囲気とは、酸素がほとんど存在しない状態であれば、特に限定されるものではないが、具体的には、窒素雰囲気下で行われることが好ましい。無酸素雰囲気を形成する場合は、コスト面等から窒素雰囲気とすることが好ましいからである。
6.その他の工程
本発明においては、上記光学機能層形成工程の後、保護層形成工程を行い、その後、上記再硬化処理工程が行われるようにしてもよい。また、再硬化処理工程の後、保護層形成工程を行い、さらに保護層再硬化処理工程を行なってもよい。
このように保護層を形成した後、再硬化処理工程、すなわち熱処理を行うことにより、もしくは光学機能層および保護層にそれぞれ再硬化処理工程を行うことにより、光学機能層および保護層の両者の硬度を上昇させることが可能となり、これにより、光学機能層と保護層との積層体表面の硬度を大幅に上昇させることが可能となる。これにより、このような光学機能層と保護層との積層体を有する光学素子を、光学機器に用いた場合に、上述した理由と同様の理由により、光学機器の精度を向上させることが可能となる。
このような保護層は、保護層形成用塗工液を塗布することにより形成することが可能であり、上記「A.光学素子」の欄で説明したような樹脂材料が通常用いられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。
A.コレステリック層
(液晶層形成用塗工液の調製)
重合性液晶材料、カイラル剤、および光重合開始剤を100:5:5(重量%)の割合で混合した粉体を、トルエンに30重量%になるように溶解して液晶層形成用塗工液を調製した。重合性液晶材料、カイラル剤、および光重合開始剤としては、下記のものを用いた。
・重合性液晶材料:末端に重合可能な官能基を有し、50℃〜100℃でネマチック液晶性を示す下記化学式(5)に示す重合性液晶モノマー
・カイラル剤:下記化学式(6)に示す化合物のメソゲン両端にスペーサーを介して、アクリレートを設け、重合可能にした重合性カイラル剤
・光重合開始剤:チバスぺシャリティケミカルズ社製のIRG907(商品名)
Figure 2009069839
Figure 2009069839
(配向膜の調製)
次に、厚さ0.7mmのガラス基板に、ポリイミドを主成分とする配向膜溶液をスピンコーティングし、溶媒を蒸発させた後に、200℃でポストベイクし、既知の方法でラビングして配向膜を作製した。配向膜の膜厚は0.1μmであった。
(コレステリック層の形成)
上記液晶層形成用塗工液を、上記配向膜上にスピンコーティングした。次に、溶媒を蒸発させた後、80℃×3分で液晶分子を配向させ、コレステリック構造特有の選択反射を示すことを確認した上で、UVを照射(波長:313nm、100mJ/cm)して重合させることによりコレステリック層を形成し、試料とした。コレステリック層の膜厚は、3.6μmであった。
このようにして得た試料を、下記に示す熱処理条件でそれぞれ熱処理を施した後、室温まで自然冷却して1日放置した。これらを熱処理条件により、それぞれ、比較例1〜4、および実施例1〜7とした。
(保護層の形成)
上記コレステリック層上にAC−5100(エポキシ樹脂系カラーフィルタ用オーバーコート剤、商品名、日産化学工業(株)製)を用い、これをスピンコート法により、膜厚2μmで成膜し、60℃で10分間ホットプレート上で予備乾燥を行った。次いで、クリーンオーブン中で、150℃、30分間保持し、ポストベークを行った。その後、コレステリック層の形成の欄で説明した方法と同様にして熱処理を行った。
(評価)
上記比較例1〜4および実施例1〜7の各試料を、上述した方法によりヴィカース硬度および鉛筆硬度を測定した。測定は、各比較例および実施例において、保護層が形成されていないもの、保護層が形成されているものをそれぞれ測定し、保護層が形成されているものについては、コレステリック層の熱処理条件が150℃の場合、および200℃の場合を測定した。熱処理条件と結果を下記の表にまとめる。
Figure 2009069839
B.位相差層
(液晶相形成用塗工液および配向膜の調製)
カイラル剤を用いず、重合性液晶材料および光重合開始剤を100:5(重量%)とした以外は、上記Aと同様にして液晶層形成用塗工液を調製した。また、配向膜も上記Aと同様にして調整した。
(位相差層および保護層の形成)
上記A.と同様にして位相差層および保護層を形成した。
このようにして得た試料を、下記に示す熱処理条件でそれぞれ熱処理を施した後、室温まで自然冷却して1日放置した。これらを熱処理条件により、それぞれ、比較例1〜4、および実施例1〜7とした。
(評価)
A.と同様にして評価した。熱処理条件と結果を下記の表にまとめる。
Figure 2009069839
本発明の光学素子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の光学素子の製造方法の他の例を示す工程図である。
符号の説明
1 … 透明基材
2 … 配向膜
3 … 基材
4 … 液晶層
6 … 光学機能層
8 … 光学素子
9 … 被転写材

Claims (16)

  1. 支持材と、前記支持材上に重合性液晶材料が所定の液晶規則性を有して硬化されてなる光学機能層と、前記光学機能層上に形成された保護層と、を有する光学素子であって、
    前記光学機能層の硬度が、ヴィッカース硬さ値で17以上であることを特徴とする光学素子。
  2. 支持材と、前記支持材上に重合性液晶材料が所定の液晶規則性を有して硬化されてなる光学機能層と、前記光学機能層上に形成された保護層と、を有する光学素子であって、前記光学機能層の硬度が、鉛筆硬度でB以上であることを特徴とする光学素子。
  3. 前記支持材が、配向能を有する基材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記支持材が、被転写基材であり、前記被転写基材が透明基板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学素子。
  5. 前記重合性液晶材料が、重合性液晶モノマーであり、前記所定の液晶規則性がネマチック規則性またはスメクチック規則性であり、前記光学機能層が位相差層であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の光学素子。
  6. 前記重合性液晶材料が、重合性液晶モノマーおよび重合性カイラル剤であり、前記所定の液晶規則性がコレステリック規則性であり、前記光学機能層がコレステリック層であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の光学素子。
  7. 配向能を有する基材を調製する工程と、
    前記基材上に少なくとも重合性液晶材料を含む液晶層形成用組成物を積層し、所定の液晶規則性を有する液晶層を形成する工程と、
    前記液晶層をN−I転移点以下で熱処理する工程と、
    前記液晶層に室温または加熱しながら活性放射線を照射して、光学機能層とする光学機能層形成工程と、
    前記光学機能層に対して150℃〜260℃の範囲内の温度で加熱して再硬化処理を行う再硬化処理工程と、
    前記光学機能層上に保護層を形成する保護層形成工程と、
    を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  8. 前記重合性液晶材料が、重合性モノマーであり、所定の液晶規則性がネマチック規則性またはスメクチック規則性であることを特徴とする請求項7に記載の光学素子の製造方法。
  9. 前記重合性液晶材料が、重合性モノマーおよび重合性カイラル剤であり、所定の液晶規則性がコレステリック規則性であることを特徴とる請求項7に記載の光学素子の製造方法。
  10. 前記液晶層形成用組成物に、光重合開始剤が含まれていることを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれかの請求項に記載の光学素子の製造方法。
  11. 前記再硬化処理工程が、無酸素雰囲気下で行われることを特徴とする請求項10に記載の光学素子の製造方法。
  12. 前記再硬化処理工程が、窒素雰囲気下で行われることを特徴とする請求項11に記載の光学素子の製造方法。
  13. 前記液晶層形成用組成物が、溶媒を用いた液晶層形成用塗工液であることを特徴とする請求項7から請求項12までのいずれかの請求項に記載の光学素子の製造方法。
  14. 前記再硬化処理の加熱時間が、1分〜240分の範囲内であることを特徴とする請求項7から請求項13までのいずれかの請求項に記載の光学素子の製造方法。
  15. 光学機能層形成工程の後、前記配向能を有する基材上に形成された光学機能層を被転写材上に転写する転写工程を有することを特徴とする請求項7から請求項14までのいずれかの請求項に記載の光学素子の製造方法。
  16. 前記保護層形成工程の後に再硬化処理工程を行うことを特徴とする請求項7から請求項15までのいずれかの請求項に記載の光学素子の製造方法。
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