JP2005352025A - 光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、発塵および静電気が発生せず、液晶塗工時のムラやスジが発生しない光学素子を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、透明基材と、上記透明基材上に形成され、偏光UVを照射することにより異方性を示す光配向材料を有する配向膜と、上記配向膜上に液晶材料を塗工して硬化することにより形成される液晶層とを有する光学素子であって、上記光配向材料の配向方向と上記液晶材料の塗工方向とが実質的に同一であることを特徴とする光学素子を提供する。
【選択図】 無し


Description

本発明は、液晶を塗工する際にムラやスジが発生しない光学素子に関するものである。
現在、液晶ディスプレイ(以下、LCDと称す。)には、光学補償素子が多く利用されている。液晶は、方向によって屈折率が異なるという屈折異方性の物質のため、LCDを斜め方向から見た場合に、暗くなるほど表示品位が落ちてしまう。そのような視野角依存性を改善するために、光学補償が可能な光学補償素子が必要となる(特許文献1、特許文献2)。光学補償素子としては、高分子を1軸に延伸させたもの、または液晶分子を配向させたものが挙げられる。液晶分子を用いた光学補償素子は、高分子のものに比べて異方性が大きいため、1/10の薄さで同じ機能が出せることが特長である。
液晶を用いた光学補償素子を作製する場合、基材上に液晶を配向させるための配向膜が形成され、この配向膜上に液晶を塗布して液晶層が形成される。
配向膜の形成方法としては、一般的に、ポリイミドなどの高分子を基材上に塗工し、ラビングという擦る作業をすることにより、ラビング方向に沿って液晶を配向させる方法(非特許文献1)、または配向膜に偏光UVを照射し、偏光方向に配向させる方法(非特許文献2、非特許文献3)、さらに一酸化シリコン(SiO)や二酸化チタン(TiO)等を基材に斜め蒸着し、蒸着方向に因った配向をさせる方法(非特許文献3、非特許文献4)がある。
しかしながら、配向方法としてラビング法を用いた場合、発塵や静電気が発生するという問題がある。一方、配向方法として斜め蒸着法を用いた場合、初期投資を含めた製造費がかかり、特に基材を連続的なロールトゥロールプロセスで長時間処理する場合においては、蒸着源と基材との角度や距離を精密に維持し続けることは困難であり生産性に乏しいという問題があった。
さらに、配向膜上に液晶を塗布する際にムラやスジが発生し、液晶の配向が乱れるといった問題があった。
特開平10−154380号公報 特開平11−258605号公報 「液晶ディスプレイ技術」第2版、産業図書(株)、265〜274頁、1997年 「液晶配向処理の基礎、応用、実際、技術動向」講演会資料、東京技術情報サービス、59〜69頁、2001年 「液晶ディスプレイの最先端」第2刷、(株)シグマ出版、108〜119頁、1998年 「液晶とその応用」第7刷、産業図書(株)、71〜74頁、平成元年
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、発塵および静電気が発生せず、液晶塗工時のムラやスジが発生しない光学素子を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、透明基材と、上記透明基材上に形成され、偏光UVを照射することにより異方性を示す光配向材料を有する配向膜と、上記配向膜上に液晶材料を塗工して硬化することにより形成される液晶層とを有する光学素子であって、上記光配向材料の配向方向と上記液晶材料の塗工方向とが実質的に同一であることを特徴とする光学素子を提供する。
本発明においては、偏光UVを照射することにより配向膜を形成するため、発塵や静電気が発生せず、さらに光配向材料の配向方向と液晶材料の塗工方向とを実質的に同一にすることにより液晶材料塗工時にムラやスジが発生しないため、均一に液晶材料が塗工され、液晶材料の配向に乱れのない光学素子を得ることが可能となる。
上記発明においては、上記透明基材が、長尺の透明フィルムであることが好ましい。透明基材が長尺の透明フィルムであれば、長尺の透明フィルムを連続的に移動させることにより、この透明フィルム上に光配向材料を塗工し、この光配向材料に偏光UVを照射して配向膜を形成し、この配向膜上に液晶材料を塗工し、液晶材料を硬化して液晶層を形成する、という一連の操作を連続的に行うことができ、生産性が向上するからである。
また本発明においては、上記液晶材料の塗工方法が、マイヤーバーコート法、マイクロバーコート法またはダイコート法であることが好ましい。このような液晶材料に対して圧力がかかる塗工方法を用いた場合、塗工ムラやスジが発生するという不具合が生じる可能性が高いが、本発明においては光配向材料の配向方向と塗工方向とを実質的に同一とすることにより、上記の塗工方法を用いた場合であってもこれらの不具合を効果的に防止することができるからである。
さらに本発明においては、上記光配向材料が、シンナモイル基、クマリン基、およびカルコン基からなる群から選択される少なくとも1種類の官能基を有することが好ましい。これらの官能基は光二量化反応を起こすものであり、偏光UVを照射することにより分子同士が架橋結合して、配向状態が安定化するからである。また、これらの官能基は感光性に優れるため、少ない偏光UV照射量で配向させることができるからである。
また本発明においては、上記液晶材料が、重合性液晶材料であることが好ましい。液晶層を形成するには液晶材料を硬化させる、すなわち液晶材料の配向状態を固定化する必要があるが重合性液晶材料は、活性照射線の照射等により重合させて配向状態を固定化することが可能であるので、液晶の配向を低温状態で容易に行うことが可能であり、かつ光学素子の使用に際しては配向状態が固定化されているので、温度等の使用条件にかかわらず使用することができるからである。
本発明は、また、上述した光学素子を用いることを特徴とする光学補償素子を提供する。上述した光学素子の利点を有し、液晶の配向不良がない光学補償素子を得ることが可能となる。
さらに、本発明は、透明基材上に偏光UVを照射することにより異方性を示す光配向材料を塗工し、上記光配向材料に偏光UVを所定の方向に照射することにより配向膜を形成する配向膜形成工程と、上記配向膜上に液晶材料を上記光配向材料の配向方向と実質的に同一の方向に塗工し、上記液晶材料を硬化させることにより液晶層を形成する液晶層形成工程とを有することを特徴とする光学素子の製造方法を提供する。
本発明においては、配向膜形成工程にて偏光UVを照射することにより配向膜を形成するため、発塵や静電気が発生せず、さらに液晶層形成工程においては、光配向材料の配向方向と液晶材料の塗工方向とを実質的に同一にすることによりムラやスジが発生しないため、均一に液晶材料が塗工され、液晶材料の配向に乱れのない光学素子を製造することが可能となる。
上記発明においては、上記透明基材が連続的に移動可能な長尺の透明フィルムであり、上記配向膜形成工程と上記液晶層形成工程とが連続的に行われることが好ましい。一連の工程を連続して行うことにより、生産性が向上するからである。
また本発明においては、上記液晶材料の塗工方法が、マイヤーバーコート法、マイクロバーコート法またはダイコート法であることが好ましい。上述したように、液晶材料に対して圧力がかかるような塗工方法を用いた場合、塗工ムラやスジが発生するという不具合が生じる可能性が高いが、本発明においては光配向材料の配向方向と塗工方向とを実質的に同一とすることにより、上記の塗工方法を用いた際にもこれらの不具合を効果的に防止することができるからである。
本発明の光学素子は、透明基材と、上記透明基材上に形成され、偏光UVを照射することにより異方性を示す光配向材料を有する配向膜と、上記配向膜上に液晶材料を塗工して硬化することにより形成される液晶層とを有しており、上記光配向材料の配向方向と上記液晶材料の塗工方向とが実質的に同一であることにより、配向膜形成時に発塵や静電気が発生しなく、液晶材料塗工時にムラやスジが発生せず、液晶材料の配向に乱れがないという効果を奏する。
以下、本発明について、具体的に説明する。本発明は、光学素子、それを用いた光学補償素子、およびその製造方法を含むものである。以下、それぞれについて、項を分けて説明する。
A.光学素子
本発明の光学素子は、透明基材と、上記透明基材上に形成され、偏光UVを照射することにより異方性を示す光配向材料を有する配向膜と、上記配向膜上に液晶材料を塗工して硬化することにより形成される液晶層とを有しており、上記光配向材料の配向方向と上記液晶材料の塗工方向とが実質的に同一であることを特徴とするものである。
偏光UVを照射することにより配向膜を形成するため、発塵や静電気が発生せず、さらに光配向材料の配向方向と液晶材料の塗工方向とを実質的に同一にすることによりムラやスジが発生しないため、均一に液晶材料が塗工され、液晶材料の配向に乱れのない光学素子を得ることが可能となる。
なお、本発明において、光配向材料の配向方向と液晶材料の塗工方向が実質的に同一であるとは、光配向材料の配向方向に対する液晶材料の塗工方向が±15°の範囲である場合を意味するものである。
本発明の光学素子について図を用いて説明する。図1は、本発明の光学素子の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の光学素子は、透明基材1と、上記透明基材1上に形成された配向膜2と、上記配向膜2上に形成された液晶層3とを有するものである。以下、このような光学素子の各構成ついて説明する。
1.透明基材
本発明に用いられる透明基材としては、光学素子に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。中でも、長尺の透明フィルムであることが好ましく、例えばポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ポリプロピレン等の透明樹脂フィルムを挙げることができる。このような長尺の透明フィルムを連続的に移動させることにより、この透明フィルム上に光配向材料を塗工し、この光配向材料に偏光UVを照射して配向膜を形成し、この配向膜上に液晶材料を塗工し、液晶材料を硬化して液晶層を形成する、という一連の操作を連続的に行うことができ、生産性が向上するからである。
また、本発明おいては特に、トリアセチルセルロースフィルムが好ましい。トリアセチルセルロースフィルムは、透明性が高く位相差が生じにくいといった光学特性、および汎用性に優れているからである。さらに、本発明の光学素子を光学補償素子として用いる場合、偏光板との組み合わせが容易であるという利点も有するからである。
また、透明基材と配向膜との密着性を向上させるために、あるいは配向膜形成時に用いられる溶媒によるダメージから透明基材を保護したり、透明基材からの可塑剤等の溶出を防いだりするために、透明基材上にプライマー層やバリア層を形成してもよい。このようなプライマー層およびバリア層の形成材料としては、例えばシラン系、チタン系のカップリング剤、ハードコート層形成材料、PVA等の水系ポリマーなどを挙げることができる。
2.配向膜
次に、本発明に用いられる配向膜について説明する。本発明の配向膜は、偏光UVを照射することにより異方性を示す光配向材料を有することを特徴とするものである。
以下、このような配向膜を形成する各部材について説明する。
a.光配向材料
本発明に用いられる光配向材料は、偏光UVを照射することにより異方性を示すものである。
上記光配向材料としては、光化学反応を起こす波長の偏光UVの照射により、光異性化、光二量化、光環化、光架橋、光分解、および光分解−結合等の光化学反応を起こして異方性を示すものであればよい。具体的には、感光性基を有するポリマー、光分解する分子鎖を有するポリマー等を使用することができる。
上記感光性基としては、光異性化反応を起こす基としてアゾ基等、光二量化反応を起こす基としてシンナモイル基、クマリン基、カルコン基等、光架橋反応を起こす基としてベンゾフェノン基等を挙げることができる。中でも、光二量化反応を起こす感光性基を有することが好ましい。光二量化反応により分子同士が結合するため、配向状態が安定するからである。
また、本発明に用いられる光配向材料は特に、下記に示すようなシンナモイル基、クマリン基、およびカルコン基等を有することが好ましい。
Figure 2005352025
これらの感光性基が有するC=C結合(芳香環のC=C結合は除く)またはC=O結合は感光性に優れるため、少ない偏光UV照射量で配向させることができるからである。さらに、偏光UVの照射によりC=C結合またはC=O結合部分で分子同士が架橋結合して、安定な配向構造が形成されるからである。例えば下記に示すように、シンナモイル基を有するポリマーの一つであるポリビニルシンナメートは、偏光UVの照射によって偏光と平行な二つの側鎖のC=C結合部分が開き、互いに再結合することにより架橋し、配向構造が安定化される。
Figure 2005352025
このようなシンナモイル基、クマリン基またはカルコン基を有するポリマーとしては、具体的に下記の化合物を挙げることができる。
Figure 2005352025
また、アゾ基を有するポリマーとしては、具体的に下記の化合物を挙げることができる。
Figure 2005352025
上記感光性基を有するポリマーとは、感光性基がポリマーの側鎖や主鎖に導入されているものであるが、感光性を有する化合物をポリマー中に分散させて用いてもよいものである。
また、上記光分解する分子鎖を有するポリマーとしては、偏光UVを照射することにより、分子鎖が切断されて分解されるものであり、通常配向膜として用いられるものであれば特に限定されるものではない。例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
b.光配向材料の異方性
本発明においては、偏光UVを照射すると光配向材料が異方性を示して配向することにより、配向膜が形成されるものである。
光配向材料の異方性としては、偏光UVを照射することにより、光配向材料が偏光方向に対して平行に配向するものでもよく、垂直に配向するものでもよい。
上記偏光方向としては、所定の方向であれば特に限定されるものではないが、本発明においては、光配向材料の配向方向と液晶材料の塗工方向とが実質的に同一である必要があるため、光学素子を用いる用途や透明基材の種類によって、偏光方向を適宜選択する必要がある。
例えば、透明基材が長尺の透明フィルムであり、光学素子の製造工程を連続的に行う場合は、図2(a)に示すように、液晶材料の塗工方向は透明基材1の流れ方向になるため、光配向材料の配向方向も透明基材1の流れ方向になる必要があり、光配向材料の異方性(配向方向)によって偏光方向を選択する必要がある。すなわち、図2(b)に示すように光配向材料が偏光方向に対して平行配向する場合は、偏光方向は長尺の透明基材1の流れ方向である必要がある。一方、図2(c)に示すように光配向材料が偏光方向に対して垂直配向する場合は、偏光方向は長尺の透明基材1の幅方向である必要がある。なお、図2において、11は透明基材の供給ロール、13は光配向材料塗工機、14は偏光UV照射装置を示し、図2(a)は図2(b)、(c)の概略断面図である。
光配向材料が偏光UVの照射により異方性を示して配向する理由は以下のように考えられる。
すなわち、例えば光配向材料がシンナモイル基を有するポリマーであり光二量化反応を起こして配向する場合を考える。偏光UVを照射すると、偏光方向に平行なシンナモイル基のC=C結合部分では、分子同士が架橋してシクロブタン環を形成し、偏光方向に対応する特定の方向に配向する。一方、偏光方向に垂直な方向を中心として分布しているC=C結合部分は未反応で残るが、上記の配向に沿って他の分子も配向すると考えられ、配向膜が形成される。なお、用いるポリマーや感光性基等によって配向機構が異なり、他の配向機構が考えられる可能性もある。
ここで、光配向材料の塗工方法、偏光UVに関しては、後述する「B.光学素子の製造方法」の欄に記載するためここでの説明は省略する。
3.液晶層
次に、本発明に用いられる液晶層について説明する。
本発明において、液晶層は、配向膜上に液晶材料を光配向材料の配向方向と実質的に同一の方向に塗工して、液晶材料を硬化することにより形成されるものである。以下、このような液晶層の各構成について説明する。
a.液晶材料
本発明において、液晶材料とは、所定の温度で液晶相となり得る材料を示すものであり、液晶材料が所定の液晶規則性を有して硬化されることにより、液晶層が形成される。したがって、上記所定の温度の上限は、透明基材および配向膜がダメージを受けない温度であれば特に限定されるものはない。具体的には、プロセス温度のコントロールの容易性と寸法精度維持の観点から、100℃以下、好ましくは80℃以下の温度で液晶相となる液晶材料が好適に用いられる。一方、液晶相と成り得る温度の下限は、光学素子として用いる場合の温度条件において、液晶材料が配向状態を保持し得る温度であるといえる。
ここで、本発明の光学素子を光学補償素子として用いる場合の液晶材料の状態として二つの状態が考えられる。すなわち、後述するように本発明においては、重合性の無い高分子液晶材料を用いてもよく、また重合性の液晶材料を用いても良い。このような液晶材料は、通常、それ自体がネマチック規則性やスメクチック規則性を有するものが用いられる。
重合性液晶材料の場合は、光学素子とする際に後述する「B.光学素子の製造方法」の欄で説明するように、所定の活性放射線を照射することにより重合させて用いるものである。したがって、光学素子として用いる場合、液晶材料は既に重合されており、配向状態は固定化される。よって、重合性液晶材料に対しては、液晶相となる温度の下限は特に限定されるものではない。
一方、重合性の無い高分子液晶材料を用いる場合は、光学素子として用いる場合、液晶相がガラス状態となった状態である。したがって、保管もしくは使用に際して温度が上昇し、アイソトロピック状態となってしまっては、配向方向が乱れてしまい、光学素子として使用することができなくなる。したがって、本発明において重合性でない高分子液晶材料を用いた場合は、アイソトロピック相となる温度は所定の温度以上であることが好ましいといえるのである。このような場合のアイソトロピック相となる温度の下限は、用途にもよるが、一般的には80℃以上、好ましくは100℃以上であるといえる。
重合性液晶材料としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマー、および重合性液晶高分子のいずれかを用いることが可能である。一方、重合性を有さない高分子液晶材料としては、上述したように配向状態が光学素子の保管もしくは使用温度において一定である必要性があることから、比較的アイソトロピック相となる温度の高い液晶材料が好適に用いられる。
本発明においては、中でも重合性液晶材料を用いることが好ましい。このような重合性液晶材料は、後述するように活性照射線の照射等により重合させて配向状態を固定化することが可能であるので、液晶の配向を低温状態で容易に行うことが可能であり、かつ使用に際しては配向状態が固定化されているので、温度等の使用条件にかかわらず使用することができるからである。
本発明においては、特に重合性液晶モノマーが好適に用いられる。重合性液晶モノマーは、他の重合性液晶材料、すなわち重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子と比較して、より低温で配向が可能であり、かつ配向に際しての感度も高いことから、容易に配向させることができるからである。
このような重合性液晶材料の一例としては、例えば下記に示すような重合性液晶モノマーの例を挙げることができる。
すなわち、下記の一般式(1)で表わされる化合物(I)と、下記の一般式(2)で表わされる化合物(II)とで構成されるものを挙げることができる。
化合物(I)としては、一般式(1)に包含される化合物の2種を混合して使用することができ、同様に、化合物(II)としては、一般式(2)に包含される化合物の2種以上を混合して使用することができる。
Figure 2005352025
化合物(I)を表わす一般式(1)において、RおよびRはそれぞれ水素またはメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからRおよびRは共に水素であることが好ましい。Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、ニトロ基のいずれであっても差し支えないが、塩素またはメチル基であることが好ましい。また、化合物(I)の分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と、芳香環とのスペーサであるアルキレン基の鎖長を示すaおよびbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数を取り得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である一般式(1)の化合物は、安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物自体の結晶性が高い。また、aおよびbがそれぞれ13以上である一般式(1)の化合物は、アイソトロピック転移温度(TI)が低い。この理由から、これらの化合物はどちらも液晶性を示す温度範囲が狭く好ましくない。
化合物(I)は任意の方法で合成することができる。例えば、Xがメチル基である化合物(I)は、1当量のメチルヒドロキノンと2当量の4−(m−(メタ)アクリロイロキシアルコキシ)安息香酸とのエステル化反応により得ることができる。エステル化反応は、上記安息香酸を酸クロリドやスルホン酸無水物などで活性化し、これとメチルヒドロキノンとを反応させるのが通例である。また、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)等の縮合剤を用いて、カルボン酸単位とメチルヒドロキノンを直接反応させることもできる。これ以外の方法としては、1当量のメチルヒドロキノンと、2当量の4−(m−ベンジルオキシアルコキシ)安息香酸とのエステル化反応をまず行い、次いで得られたエステルを水素添加反応等により脱ベンジル化した後、分子末端をアクリロイル化する方法によっても、化合物(I)を合成することができる。メチルヒドロキノンと4−(m−ベンジルオキシアルコキシ)安息香酸とのエステル化反応を行うに際しては、メチルヒドロキノンをジアセテートに導入した後、上記の安息香酸と溶融状態で反応させ、直接エステル体を得ることも可能である。一般式(1)のXがメチル基でない場合の化合物(I)も、対応する置換基を有するヒドロキノンを、メチルヒドロキノンの代わりに用いて上と同様の反応を行うことにより得ることができる。
Figure 2005352025
化合物(II)を表わす一般式(2)において、Rは水素またはメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからRは水素であることが好ましい。アルキレン基の鎖長を示すcに関して言えば、この値が2〜12である化合物(II)は液晶性を示さない。しかしながら、液晶性を持つ化合物(I)との相溶性を考慮すると、cは4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。化合物(II)も任意の方法で合成可能であり、例えば、1当量の4−シアノフェノールと1当量の4−(n−(メタ)アクリロイロキシアルコキシ)安息香酸とのエステル化反応により化合物(II)を合成することができる。このエステル化反応は化合物(I)を合成する場合と同様に、上記安息香酸を酸クロリドやスルホン酸無水物などで活性化し、これと4−シアノフェノールとを反応させるのが一般的である。また、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)等の縮合剤を用いて上記安息香酸と4−シアノフェノールを反応させてもよい。
その他、本発明においては、重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子等を用いることが可能である。このような重合性液晶オリゴマーや重合性液晶高分子としては、従来提案されているものを適宜選択して用いることが可能である。
さらに、本発明においては、必要に応じて光重合開始剤を用いてもよい。例えば、電子線照射により重合性液晶材料を重合させる際には、光重合開始剤が不要な場合はあるが、一般的に用いられている例えば紫外線(UV)照射による硬化の場合においては、通常光重合開始剤が重合促進のために用いられるからである。
本発明において用いることができる光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。なお、光重合開始剤の他に増感剤を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加することも可能である。
このような光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲で本発明の重合性液晶材料に添加することができる。
一方、本発明においては、上述したように重合性を有さない液晶材料も用いることができる。このような液晶材料としては、上述したように光学素子の使用時もしくは保管時に液晶の配向状態が変化しない材料であれば特に限定されるものではないが、一般に高分子材料で形成されたものが、液相もしくは液晶相となる温度との関係で好適に用いられる。このような液晶材料に関しては、液晶相の状態でネマチック相あるいはスメクチック相を形成し得る材料であれば一般的に用いられている材料を用いることができ、主鎖型の液晶高分子であっても側鎖型の液晶高分子であってもよい。
具体的には、主鎖型の液晶ポリマーの例としては、例えばポリエステル系やポリアミド系、ポリカーボネート系やポリエステルイミド系などのポリマーが挙げられる。
また、側鎖型の液晶ポリマーの例としては、ポリアクリレートやポリメタクリレート、ポリシロキサンやポリマロネート等を主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を必要に応じ介してパラ置換環状化合物等からなる低分子液晶化合物(メソゲン部)を有するもの等を挙げることができる。
本発明に用いられる液晶層の膜厚は、所望のリタデーション値に合わせて設定すればよい。
b.液晶材料の塗工方向
本発明において、液晶層は、配向膜上に液晶材料を光配向材料の配向方向と実質的に同一の方向に塗工して、液晶材料を硬化することにより形成されるものである。
本発明においては、図1に示すように、上記配向膜2上に液晶層3を形成する。本発明における液晶層とは、上述したように液晶材料で形成されたものであり、液晶規則性を有するものである。
液晶材料を塗工する方法としては、液晶材料を光配向材料の配向方向と実質的に同一の方向に塗工する必要があることから、一定方向に塗工できる方法であればよく、例えばダイコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、マイクロバーコート法、ロールコート法、ディップコート法、ブレードコート法、スリットコート法等を挙げることができる。本発明においては上記の中でも、マイヤーバーコート法、マイクロバーコート法またはダイコート法を用いることが好ましい。配向膜上に液晶材料を塗工する際に、液晶材料に対して圧力がかかるような塗工方法を用いた場合、塗工ムラやスジが発生するという不具合が生じる可能性が高い。一方、本発明は、光配向材料の配向方向と塗工方向とを実質的に同一とすることにより、これらの不具合を効果的に防止することができるので、マイヤーバーコート法、マイクロバーコート法またはダイコート法などを用いた場合に特に有効である。
本発明において、液晶材料の塗工方向としては、上述した光配向材料の配向方向と実質的に同一である必要がある。液晶材料の塗工方向と光配向材料の配向方向とが一致しない場合、液晶材料の塗工時にムラやスジが発生して、液晶の配向が乱れる部分が生じ、歩留まりが低下する。一方、液晶材料の塗工方向と光配向材料の配向方向とを一致させると、塗工時にムラやスジが発生せず、均一に液晶材料を塗工することができる。よって、液晶の配向に乱れのない光学素子を得ることが可能となる。
B.光学素子の製造方法
次に、本発明の光学素子の製造方法について説明する。
本発明の光学素子の製造方法は、透明基材上に偏光UVを照射することにより異方性を示す光配向材料を塗工し、上記光配向材料に偏光UVを所定の方向に照射することにより配向膜を形成する配向膜形成工程と、上記配向膜上に液晶材料を上記光配向材料の配向方向と実質的に同一の方向に塗工し、上記液晶材料を硬化させることにより液晶層を形成する液晶層形成工程とを有することを特徴とするものである。
配向膜形成工程においては、偏光UVを照射することにより配向膜を形成するため、発塵や静電気が発生しないという利点を有する。また、液晶層形成工程においては、光配向材料の配向方向と液晶材料の塗工方向とを実質的に同一にすることにより液晶材料塗工時にムラやスジが発生しないため、均一に液晶材料を塗工することができ、液晶材料の配向に乱れのない光学素子を製造することが可能となる。
本発明の光学素子の製造方法について図を用いて説明する。図3は、本発明の光学素子の製造方法の工程図の一例である。まず透明基材1上に光配向材料を含む光配向材料塗工液4を塗工し(図3(a))、光配向材料塗工液4に偏光UV5を所定の方向から照射することにより光配向材料を配向させ(図3(b))、配向膜2を形成する(配向膜形成工程)。次に、配向膜2上に液晶材料を含む液晶材料塗工液6を塗工し(図3(c))、液晶材料塗工液6にエネルギー7を照射して液晶材料を硬化させ(図3(d))、液晶層3を形成する(図3(e))(液晶層形成工程)。
また、本発明においては、透明基材が連続的に移動可能な長尺の透明フィルムであり、上記配向膜形成工程と上記液晶層形成工程とが連続的に行われることが好ましい。一連の工程を連続して行うことにより、生産性が向上するからである。
光学素子の製造工程を連続的に行う場合について、図を用いて説明する。図4は、本発明の光学素子の製造方法の工程図の一例である。図4に示すように、まず長尺の透明フィルム1は供給ロール11から送り出され、光配向材料塗工機13により光配向材料塗工液を塗工し、偏光UV照射装置14により透明フィルム1上の光配向材料に偏光UVを所定の方向から照射し、光配向材料を配向させて配向膜を形成する。次いで、液晶材料塗工機15により配向膜上に液晶材料塗工液を塗工し、UVランプ16により透明フィルム1表面の液晶材料にUVを照射し、液晶材料を硬化させて液晶層を形成する。最後に、巻き取りロール12より配向膜および液晶層が形成された透明フィルム1が巻き取られる。
以下、このような光学素子の製造方法の各工程について説明する。
1.配向膜形成工程
本発明においては、光学素子を製造するにあたり、まず透明基材上に偏光UVを照射することにより異方性を示す光配向材料を含む光配向材料塗工液を塗工し、上記光配向材料に偏光UVを所定の方向に照射することにより配向膜を形成する配向膜形成工程が行われる。
ここで、本発明に用いられる透明基材、光配向材料に関しては、上述した「A.光学素子」に記載したものと同様であるのでここでの説明は省略する。以下、光配向材料の塗工方法、偏光UVの照射方法について説明する。
a.光配向材料の塗工方法
本発明において、光配向材料は適切な溶媒に溶解して用い、光配向材料塗工液として透明基材上に塗工される。使用可能な溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)等を挙げることができる。また、これらの溶媒は1種または2種以上を混合して用いることもできる。溶液の濃度は、光化学材料の溶解性や製造しようとする配向膜の膜厚に依存するため一概には規定できないが、通常は0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲内で調整される。
また上記光配向材料塗工液には、光化学反応を促進するために触媒を添加してもよい。
光配向材料塗工液の塗工方法としては、ロールコート法、プリント法、ディップコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、ブレードコート法、スプレーコート法、スピンコート法等を挙げることができる。
上記光配向材料塗工液を塗工した際の膜厚としては、好ましくは50〜20000nmの範囲内、さらに好ましくは50〜10000nmの範囲内とする。膜厚が薄すぎると塗工性に劣り、逆に厚すぎると溶媒が残りやすくなったり、塗工性が悪化したりする可能性があるからである。
また、本発明においては光配向材料塗工液を塗工した後、光配向材料塗工液に含まれる溶媒を除去するために、乾燥を行うことが好ましい。乾燥方法としては、減圧乾燥、加熱乾燥等を挙げることができる。さらに、これらを組み合わせた方法を用いてもよい。
b.偏光UVの照射方法
本発明においては、偏光UVを照射すると光配向材料が異方性を示して配向することにより、配向膜が形成されるものである。
上記偏光UVの偏光方向としては、上述したように所定の方向からであれば特に限定されるものではないが、本発明においては、光配向材料の配向方向と液晶材料の塗工方向とが実質的に同一である必要があるため、光学素子を用いる用途や透明基材の種類によって、偏光方向を適宜選択する必要がある。
例えば、上述した「A.光学素子」の光配向材料の欄に記載したように図2を用いて説明することができる。透明基材が長尺の透明フィルムであり、光学素子の製造工程を連続的に行う場合は、液晶材料の塗工方向は透明基材の流れ方向になるため、光配向材料の配向方向も透明基材の流れ方向になる必要があり、配向方向によって偏光方向を選択する必要がある。すなわち、図2(b)に示すように光配向材料が偏光方向に対して平行配向する場合は、偏光方向は透明基材の流れ方向である必要があり、図2(c)に示すように光配向材料が偏光方向に対して垂直配向する場合は、偏光方向は透明基材の幅方向である必要がある。
上記偏光UVとしては、光配向材料に光化学反応を起こさせることが可能であれば特に限定されるものではなく、通常は波長が200〜400nmの照射光が用いられるが、250〜370nmの照射光を用いることが好ましい。上述した光配向材料が吸収する光の波長として好適であるからである。
上記照射光の光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)等が例示できる。中でも、メタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ灯等の使用が推奨される。
偏光UVの照射強度は、光配向材料や触媒の多寡によって適宜調整されて照射されるが、中でも0.5〜30mW/cmの範囲内の照射強度で行われることが好ましい。
UVを偏光させる手段としては、偏光フィルムを利用することができ、偏光フィルムの位置を変えることにより偏光方向を変えることができる。このとき、光配向材料が塗工された透明基材に対して直線偏光を照射してもよく、非偏光の光を斜め方向から照射してもよい。
本発明においては、偏光UVを照射する際に、加熱してもよいものである。偏光UV照射時に加熱することにより、光配向材料に含まれる分子の自由度が増したり、偏光UVに対する反応性が増したりして、配向性が向上するからである。
加熱方法としては、例えば温風を当てる方法、加熱ロールまたは赤外ヒーターを用いる方法等を挙げることができる。
加熱温度としては、20〜200℃の範囲内が好ましく、25〜80℃の範囲内がより好ましい。上述した範囲より低いと光配向性材料の配向性を向上させる効果が十分に得られなく、上述した範囲を超えて高くなると光配向材料が分解し良好な配向膜が得られなくなるからである。
c.その他
本発明においては、配向膜の膜厚は、好ましくは10〜1000nmの範囲内、より好ましくは10〜200nmの範囲内とする。膜厚が薄すぎると安定した塗工が困難となり、逆に厚すぎると配向能が十分に発揮されなかったり、コストが高くなったりする可能性があるからである。
2.液晶層形成工程
次に、液晶層形成工程について説明する。本発明において、配向膜上に液晶材料を含む液晶材料塗工液を光配向材料の配向方向と実質的に同一の方向に塗工し、液晶材料を硬化することにより液晶層が形成される液晶層形成工程が行われる。
このような液晶層を形成する方法としては、液晶材料を含む液晶材料塗工液を配向膜上に光配向材料の配向方向と実質的に同一の方向に塗工し、液晶層形成用層を形成する。この液晶材料を配向膜に沿って配向させ、液晶規則性を有した状態で硬化させて、液晶の配向が固定化した液晶層とすることができるのである。以下、液晶層の形成方法の各工程について説明する。
a.液晶層形成用層形成工程
本発明において、液晶層形成用層を形成する方法としては、液晶材料塗工液を融解させて、これを配向膜上に塗工する方法等をとることも可能であるが、本発明においては、液晶材料塗工液を溶媒に溶解し、これを配向膜上に塗工し、溶媒を除去することにより液晶層形成用層を形成することが好ましい。これは、他の方法と比較して工程上簡便であるからである。
液晶材料塗工液の塗工方法としては、上述した「A.光学素子」の液晶層の欄に記載したような方法を挙げることができるが、本発明においては、マイヤーバーコート法、マイクロバーコート法またはダイコート法を用いることが好ましい。このような液晶材料に対して圧力がかかる塗工方法を用いた場合には、塗工ムラやスジが発生するという不具合が生じる可能性が高いが、本発明では光配向材料の配向方向と塗工方向とを実質的に同一とすることにより、これらの不具合を効果的に防止することができるので、マイヤーバーコート法、マイクロバーコート法またはダイコート法などを用いた場合に特に有効となるのである。
本発明において、液晶材料塗工液の塗工方向としては、上述した光配向材料の配向方向と実質的に同一である必要がある。液晶材料の塗工方向と光配向材料の配向方向とが一致しない場合、液晶材料の塗工時にムラやスジが発生して、液晶の配向が乱れる部分が生じ、歩留まりが低下する。一方、液晶材料の塗工方向と光配向材料の配向方向とを一致させると、塗工時にムラやスジが発生せず、均一に液晶材料を塗工することができる。よって、液晶の配向に乱れのない光学素子を得ることが可能となる。
上記液晶材料塗工液を塗工した後、溶媒を除去するのであるが、この溶媒の除去方法としては、例えば、減圧除去もしくは加熱除去、さらにはこれらを組み合わせる方法等により行われる。溶媒が除去されることにより、液晶層形成用層が形成される。
本発明においては、上記のように形成された液晶層形成用層の層内の液晶材料を、配向膜により液晶規則性を有する状態とする。これは、通常はN−I転移点以下で熱処理する方法等の方法により行われる。なお、ここで、N−I転移点とは、液晶相から等方相へ転移する温度を示すものである。
また、本発明においては、液晶材料塗工液を配向膜上に塗工する前または後で、加熱を行ってもよい。加熱することにより、液晶材料の配向性が向上するからである。
加熱方法としては、例えば温風を当てる方法、加熱ロールや赤外ヒーターを用いる方法等を挙げることができる。
加熱温度としては、25〜150℃の範囲内が好ましく、25〜120℃の範囲内がより好ましい。加熱温度が低すぎると液晶材料の配向性を向上させる効果が十分に得られず、また溶媒が残りやすくなる可能性があり、逆に高すぎると液晶材料の配向が乱れる場合があるからである。
この液晶材料塗工液に用いられる重合性液晶材料、光重合開始剤に関しては、上記「A.光学素子」の液晶層における説明と同様であるのでここでの説明は省略する。以下、この液晶材料塗工液に用いられる溶媒、およびその他の添加剤について説明する。
(溶媒)
上記液晶材料塗工液に用いられる溶媒としては、上述した液晶材料等を溶解することが可能な溶媒であり、かつ配向膜の配向能を阻害しない溶媒であれば特に限定されるものではない。
具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類;メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン等のケトン類;酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のアルコール類;フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類等の1種または2種以上が使用可能である。
単一種の溶媒を使用しただけでは、液晶材料等の溶解性が不十分であったり、上述したように配向能を有する配向膜が侵食されたりする場合がある。この場合は2種以上の溶媒を混合使用することにより、この不都合を回避することができる。上記した溶媒のなかにあって、単独溶媒として好ましいものは、炭化水素系溶媒とグリコールモノエーテルアセテート系溶媒であり、混合溶媒として好ましいのは、エーテル類またはケトン類と、グリコール類との混合系である。溶液の濃度は、液晶性材料の溶解性や製造しようとする液晶層の膜厚に依存するため一概には規定できないが、通常は1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲で調整される。
(その他の添加剤)
本発明に用いられる液晶材料塗工液には、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記以外の化合物を添加することができる。添加できる化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸または多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光架橋性化合物;アクリル基やメタクリル基を有する光重合性の液晶性化合物等が挙げられる。本発明の液晶材料塗工液に対するこれら化合物の添加量は、本発明の目的が損なわれない範囲で選択され、一般的には、本発明の液晶材料塗工液の40重量%以下、20重量%以下である。これらの化合物の添加により、本発明における液晶材料の硬化性が向上し、得られる液晶層の機械強度が増大し、またその安定性が改善される。
また、上記液晶材料塗工液には、塗工を容易にするために界面活性剤等を加えることができる。添加可能な界面活性剤を例示すると、イミダゾリン、第四級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体等の陽イオン系界面活性剤;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、第一級あるいは第二級アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコールおよびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族あるいは芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イオン系界面活性剤;ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性系界面活性剤;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系界面活性剤;パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル・親油基含有オリゴマーパーフルオロアルキル基含有ウレタン等のフッ素系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類、液晶材料の種類、溶媒の種類、さらには溶液を塗工する配向膜の種類にもよるが、通常は溶液に含まれる液晶材料塗工液の10重量ppm〜10重量%、好ましくは100重量ppm〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%の範囲にある。
b.配向固定化工程
本発明においては、上述した液晶層形成用層に対して、液晶の配向を固定化するための配向固定化工程が行われる。
本発明において、配向固定化工程は、用いられる液晶材料により異なる方法により行われる。具体的には、液晶材料が重合性の材料である場合と、重合性を有さない高分子材料である場合とに分かれる。以下、液晶材料が重合性材料である場合と、重合性を有さない高分子材料である場合とに分けて説明する。
(重合性液晶材料)
本発明においては、上述したように液晶材料としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマー、および重合性液晶高分子といった重合性液晶材料を用いることが好ましい。
このような重合性液晶材料を用いた場合の配向固定化工程は、配向能を有する基材上に形成された重合性液晶材料からなる液晶層形成用層に対して、重合を活性化する活性放射線を照射する工程となる。
本発明でいう活性放射線とは、重合性の材料に対して重合を起こさせる能力がある放射線をいい、必要であれば重合性材料内に重合開始剤が含まれていてもよい。
活性放射線としては、重合性液晶材料を重合せさることが可能な放射線であれば特に限定されるものではないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光または可視光線が使用され、波長が150〜500nm、好ましくは250〜450、さらに好ましくは300〜400nmの照射光が用いられる。
本発明においては、重合開始剤が紫外線(UV)でラジカルを発生し、重合性液晶材料がラジカル重合するような重合性液晶材料に対して、紫外線(UV)を活性放射線として照射する方法が好ましい方法であるといえる。活性放射線としてUVを用いる方法は、既に確立された技術であることから、用いる重合開始剤を含めて、本発明への応用が容易であるからである。
この照射光の光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などが例示できる。なかでもメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ灯等の使用が推奨される。
照射強度は、液晶層を形成している重合性液晶材料の組成や光重合開始剤の多寡によって適宜調整されて照射される。
このような活性照射線の照射による配向固定化工程は、上述した液晶層形成用層形成工程における処理温度、すなわち重合性液晶材料が液晶相となる温度条件で行ってもよく、また液晶相となる温度より低い温度で行ってもよい。一旦液晶相となった重合性液晶材料は、その後温度を低下させても、配向状態が急に乱れることはないからである。
なお、重合材料としては、上述したように液晶性を有さない通常の重合性材料を用いる場合もあるが、このような場合も同様にして配向固定化工程を行うことができる。
(重合性を有さない高分子材料)
重合性を有さない高分子材料を用いた場合の配向固定化工程は、温度を液晶相となる温度から、固相となる温度に低下させる工程である。上記液晶層形成用層形成工程において、液晶高分子は、配向膜の転写された形状に沿ったネマチック規則性あるいはスメクチック規則性を有する液晶相となる。そして、この状態で温度をガラス状態となる温度とすることにより、液晶層とすることができるのである。
C.用途
次に、本発明の光学素子の用途について説明する。
1.光学補償素子
まず、本発明の光学補償素子について説明する。
本発明の光学素子は、光学補償素子として用いることが好ましい。上述したように、本発明においては、光配向材料の配向方向と液晶材料の塗工方向とを実質的に同一にすることにより、液晶材料塗工時にムラやスジの発生を抑制し、均一に液晶材料を塗工することができるため、液晶の配向に乱れのない光学素子を得ることができる。よって、本発明の光学素子を光学補償素子として用いる場合、光学補償素子に液晶の配向不良がないため、液晶ディスプレイに用いた場合に表示ムラができないという利点を有するからである。
2.その他の用途
本発明の光学素子は、セキュリティ部材、カラーフィルタ、光学フィルタ、あるいは偏光エミッター等にも使用することができる。
例えば、セキュリティ部材として用いる場合は、プリペイドカード、IDカード、コンピューターソフト、音楽ソフト等の偽造や複製を防止するために、本発明の光学素子を用いる。この場合、プリペイドカード、音楽ソフト等の一部に光学素子を付属させて用いることとなる。光学素子は、偏光板を通してまたは偏光を照射して観察することにより、特定の方向の直線偏光のみを認識できる。よって、自然光の下で観察したときには、光学素子が付属している部分は認識できないものであるため、偽造や複製を防ぐためのセキュリティ部材として用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
トリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)モノマーを塗工し、UV照射により厚さ7μmのハードコート層を形成した。次に、このハードコート層上に、シンナモイル基を有するポリマーを含有する光配向材料塗工液を厚さ100nmとなるように塗工し、100℃で5分間加熱乾燥した。このシンナモイル基を有するポリマーは、偏光UVに対して平行方向に配向するものであった。塗工された光配向材料に対して50mJ/cmの偏光UVを照射して配向膜を形成した後、この配向膜上に、UV重合型の液晶材料を偏光UV照射方向と実質的に同一の方向にマイクロバーコーターにて厚さ1μmとなるように塗工した。さらに加熱して配向処理および溶媒の乾燥を行った後、UVを照射して液晶層を形成した。このようして得られた光学素子を目視、および偏光板を通して観察したが、スジなどは確認されなかった。
[実施例2]
ガラス基材上に、カルコン基を有するポリマーを含有する光配向材料塗工液を厚さ200nmとなるように塗工し、100℃で5分間加熱乾燥した。このカルコン基を有するポリマーは、偏光UVに対して直交方向に配向するものであった。塗工された光配向材料に対して100mJ/cmの偏光UVを照射して配向膜を形成した後、この配向膜上に、UV重合型の液晶材料を偏光UV照射方向と直交する方向にマイヤーバーコーターにて厚さ1μmとなるように塗工した。さらに加熱して配向処理および溶媒の乾燥を行った後、UVを照射して液晶層を形成した。このようして得られた光学素子を目視、および偏光板を通して観察したが、スジなどは確認されなかった。
[実施例3]
ガラス基材上に、アゾベンゼン基を有するポリマーを含有する光配向材料塗工液を厚さ50nmとなるように塗工し、120℃で約5分間加熱乾燥した。このアゾベンゼン基を有するポリマーは、偏光UVに対して直交に配向するものであった。塗工された光配向材料に対して100mJ/cmの偏光UVを照射して配向膜を形成した後、この配向膜上に、UV重合型の液晶材料を偏光UV照射方向と直交する方向にマイヤーバーコーターにて厚さ1μmとなるように塗工した。さらに加熱して配向処理および溶媒の乾燥を行った後、UVを照射して液晶層を形成した。このようして得られた光学素子を目視、および偏光板を通して観察したが、スジなどは確認されなかった。
[比較例1]
トリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)モノマーを塗工し、UV照射により厚さ7μmのハードコート層を形成した。次に、このハードコート層上に、シンナモイル基を有するポリマーを含有する光配向材料塗工液を厚さ100nmとなるように塗工し、100℃で5分間加熱乾燥した。このシンナモイル基を有するポリマーは、偏光UVに対して平行方向に配向するものであった。塗工された光配向材料に対して50mJ/cmの偏光UVを照射して配向膜を形成した後、この配向膜上に、UV重合型の液晶材料を偏光UV照射方向と直交する方向にマイクロバーコーターにて厚さ1μmとなるように塗工した。さらに加熱して配向処理および溶媒の乾燥を行った後、UVを照射して液晶層を形成した。このようして得られた光学素子を目視、および偏光板を通して観察したが、液晶材料の塗工方向にスジが認められ、配向不良が起きていることが確認された。
本発明の光学素子の一例を示す概略断面図である。 本発明の光学素子の製造方法の配向膜形成工程の一例を示す工程図である。 本発明の光学素子の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の光学素子の製造方法の他の例を示す工程図である。
符号の説明
1 … 透明基材
2 … 配向膜
3 … 液晶層
5 … 偏光UV

Claims (9)

  1. 透明基材と、前記透明基材上に形成され、偏光UVを照射することにより異方性を示す光配向材料を有する配向膜と、前記配向膜上に液晶材料を塗工して硬化することにより形成される液晶層とを有する光学素子であって、前記光配向材料の配向方向と前記液晶材料の塗工方向とが実質的に同一であることを特徴とする光学素子。
  2. 前記透明基材が、長尺の透明フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記液晶材料の塗工方法が、マイヤーバーコート法、マイクロバーコート法またはダイコート法であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記光配向材料が、シンナモイル基、クマリン基、およびカルコン基からなる群から選択される少なくとも1種類の官能基を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の光学素子。
  5. 前記液晶材料が、重合性液晶材料であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の光学素子。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の光学素子を用いることを特徴とする光学補償素子。
  7. 透明基材上に偏光UVを照射することにより異方性を示す光配向材料を塗工し、前記光配向材料に偏光UVを所定の方向に照射することにより配向膜を形成する配向膜形成工程と、
    前記配向膜上に液晶材料を前記光配向材料の配向方向と実質的に同一の方向に塗工し、前記液晶材料を硬化させることにより液晶層を形成する液晶層形成工程と
    を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
  8. 前記透明基材が連続的に移動可能な長尺の透明フィルムであり、前記配向膜形成工程と前記液晶層形成工程とが連続的に行われることを特徴とする請求項7に記載の光学素子の製造方法。
  9. 前記液晶材料の塗工方法が、マイヤーバーコート法、マイクロバーコート法またはダイコート法であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の光学素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012068322A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Dainippon Printing Co Ltd パターン位相差部材、3d液晶パネル及び3d液晶表示装置
JP2013130855A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Far Eastern New Century Corp 位相差膜の製造方法
JP2015203720A (ja) * 2014-04-11 2015-11-16 Jsr株式会社 液晶表示素子の製造方法
JPWO2014073658A1 (ja) * 2012-11-08 2016-09-08 日産化学工業株式会社 硬化膜を形成したフィルム、配向材および位相差材

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