JP2006323213A - 液晶表示素子および液晶表示素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、基板が均一なセルギャップで強固に固定され、かつ表示品質に優れた液晶表示素子を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】 本発明は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を、上記第1配向膜と、上記第2配向膜とが向かい合うように配置し、上記スペーサー側基板および上記対向基板間に液晶物質からなる液晶層を挟持してなる液晶表示素子であって、上記第1配向膜上または上記第2配向膜上の少なくとも一方に、硬化性樹脂の硬化物からなる反応性配向層を有し、かつ、上記スペーサー側基板と上記対向基板とが、上記反応性配向層を介して接着されていることを特徴とする液晶表示素子を提供することにより上記課題を達成するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を、上記第1配向膜と、上記第2配向膜とが向かい合うように配置し、上記スペーサー側基板および上記対向基板間に液晶物質からなる液晶層を挟持してなる液晶表示素子であって、上記第1配向膜上または上記第2配向膜上の少なくとも一方に、硬化性樹脂の硬化物からなる反応性配向層を有し、かつ、上記スペーサー側基板と上記対向基板とが、上記反応性配向層を介して接着されていることを特徴とする液晶表示素子を提供することにより上記課題を達成するものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶表示装置等に用いられる液晶表示素子に関するものであり、より詳しくはセルギャップの変動が少なく、表示品質に優れた液晶表示素子に関するものである。
液晶表示装置は、その省電力、軽量、薄型等といった特徴を有することから、従来のCRTディスプレイに替わり、近年急速に普及している。一般的な液晶表示装置を構成する液晶表示素子は、配向膜を有する2枚の基板間に規則的に配列した液晶物質からなる液晶層を挟持した構成を有し、上記基板間に電圧を印加することにより液晶物質の配列状態を変化させて映像を表示する機能を有する。
液晶表示素子による画像の表示品質は上記液晶物質の配列状態に依存し、上記液晶分子の配列状態を均一にすることにより良好な表示品質を得ることができる。このような液晶物質の配列状態に影響する因子は数多く知られているが、その一つに液晶層を挟持する2枚の基板の間隔(セルギャップ)がある。セルギャップは液晶層の厚みに相当し、セルギャップが高精度で均一になるように基板を固定することが優れた表示品質を得るために不可欠とされている。特に、最近では液晶表示装置の大画面化が進んでおり、重力等の影響により画面上部と画面下部とでセルギャップの変動することによる表示品質の悪化が問題となっている。
液晶表示素子のセルギャップは、通常スペーサーと称される部材を基板の間に配置する方法により一定に保たれている。このようなスペーサーを用いる方法は、ビーズ状スペーサーを用いる方法と、柱または壁状のスペーサーを用いる方法とに大別される。
ビーズ状スペーサーを用いる方法は、粒径が均一であるビーズ状スペーサーを液晶層中に存在させることによって、セルギャップを制御する方法であり、簡易的にセルギャップを均一化できる点において利点を有している。しかし、ビーズ状スペーサーを用いる方法においては、液晶層中のビーズ状スペーサーの配置場所を制御することができないため、画像表示に不可欠な画素部にもビーズ状スペーサーが配置されてしまう結果、液晶表示素子の表示品質の低下を引き起こす問題点がある。また、ビーズ状スペーサーを用いる方法は、2枚の基板を積極的に固定する方法ではないため、セルギャップが狭まる方向の外力に対しては良好な効果を示すが、セルギャップが拡がる方向の外力に対しては効果がないという問題もある。
一方、柱または壁状のスペーサーを用いる方法では、フォトリソグラフィー法等により画像表示に不可欠な画素部以外の部位にスペーサーを配置することができるため、表示品質の低下を防止することができる利点を有している。しかし、この方法も2枚の基板を積極的に固定する方法ではないため、セルギャップが拡がる方向の外力に対しては効果がない。
このような状況下、特許文献1には光熱変換機能を有するスペーサーを用い、熱可塑性の配向膜を有する2枚の基板間に当該スペーサーを配置した後、光照射を実施することにより、スペーサーを発熱させ、両基板の配向膜とスペーサーとを融着することにより両基板を一定のセルギャップで固定する方法が開示されている。このような方法は基板を一定のセルギャップで強固に固定できる点においては有用であるが、配向膜の構成材料が熱可塑性の材料に限られてしまうため、適用できる範囲が狭い問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、基板が均一なセルギャップで強固に固定されており、表示品質に優れた液晶表示素子を提供することを主目的とするものである。
上記課題を達成するために、本発明は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を、上記第1配向膜と、上記第2配向膜とが向かい合うように配置し、上記スペーサー側基板および上記対向基板間に液晶物質からなる液晶層を挟持してなる液晶表示素子であって、上記第1配向膜上または上記第2配向膜上の少なくとも一方に硬化性樹脂からなる反応性配向層が形成されており、かつ、上記スペーサー側基板と上記対向基板とが、上記反応性配向層を介して接着されていることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
本発明の液晶表示素子は、上記スペーサー側基板または上記対向基板の少なくとも一方が硬化性樹脂の硬化物からなる反応性配向層を有し、当該反応性配向層を介して上記スペーサー側基板と上記対向基板とが接着されていることにより、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを均一なセルギャップで強固に固定することができる。したがって、本発明によれば、外力によってセルギャップの変動が生じることのない、表示品質に優れた液晶表示素子を得ることができる。
上記発明においては、上記硬化性樹脂が、反応性液晶を固定化してなるものであることが好ましい。上記硬化性樹脂として反応性液晶を固定化してなるものを用いることにより、上記反応性配向層の液晶物質に対する配向規制力を向上させることができるため、上記液晶層中の液晶物質の配向性を向上することができるからである。
また、上記発明においては、上記反応性液晶が、ネマチック相を発現するものであることが好ましい。ネマチック相は、液晶相の中でも配向制御が比較的容易であるからである。
また。上記発明においては、上記反応性液晶が、重合性液晶モノマーを有することが好ましい。重合性液晶モノマーは、他の重合性液晶材料、すなわち重合性液晶オリゴマーや重合性液晶ポリマーと比較して、より低温で配向が可能であり、かつ配向に際しての感度も高く、容易に配向させることができるからである。
さらに上記発明においては、上記重合性液晶モノマーは、モノアクリレートモノマーまたはジアクリレートモノマーであることが好ましい。モノアクリレートモノマーまたはジアクリレートモノマーは、配向状態を良好に維持したまま容易に重合させることができるからである。
さらにまた上記発明においては、上記ジアクリレートモノマーは、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
ここで、式中のXは、水素、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルキルオキシ、炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル、ホルミル、炭素数1〜20のアルキルカルボニル、炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ、ハロゲン、シアノまたはニトロを表し、mは2〜20の範囲内の整数を表す。
また上記発明においては、上記ジアクリレートモノマーは、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
ここで、式中のZ21およびZ22は、各々独立して直接結合している−COO−、−OCO−、−O−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−OCH2−、−CH2O−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−を表し、lおよびmは0または1を表し、nは2〜8の範囲内の整数を表す。また、式中Rは、水素、または炭素数1〜5のアルキルを表す。
また本発明においては、上記第1配向膜および上記第2配向膜が、光配向膜であることが好ましい。光配向膜を形成する際の光配向処理は、非接触配向処理であることから静電気や塵の発生がなく、定量的な配向処理の制御ができる点で有用であるからである。
さらに上記発明においては、上記光配向膜の構成材料は、光反応を生じることにより上記光配向膜に異方性を付与する光反応型の材料、または光異性化反応を生じることにより上記光配向膜に異方性を付与する光異性化反応性化合物を含む光異性化型の材料であることが好ましい。このような材料を用いることにより、光配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
また、本発明においては、上記スペーサー側基板と上記対向基板との間に、紫外線硬化性樹脂からなるシール剤を有することが好ましい。上記シール剤を有することにより、上記液晶層から液晶物質が漏洩することを防止できるからである。また、上記シール剤が紫外線硬化性樹脂からなることにより、例えば、上記反応性配向層を構成する硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いた場合に、シール剤と反応性配向層とを同時に硬化処理することが可能になるため、本発明の液晶表示素子の製造方法を簡略化することができるからである。
また、本発明の液晶表示素子は、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス方式により駆動させることが好ましい。TFT素子を用いたアクティブマトリックス方式を採用することにより、目的の画素を確実に点灯、消灯できるため高品質なディスプレイが可能となるからである。さらに、一方の基板上にTFT素子をマトリックス状に配置してなるTFT基板と、他方の基板上の表示部全域に共通電極を形成してなる共通電極基板とを組み合わせ、上記共通電極基板の共通電極と基板との間にTFT素子のマトリックス配置させたマイクロカラーフィルタを形成し、カラーの液晶表示素子として用いることもできる。
また、本発明は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を用いる液晶表示素子の製造方法であって、
上記第1配向膜上または上記第2配向膜上の少なくとも一方に未硬化の硬化性樹脂を含む未硬化反応性配向層を形成する未硬化反応性配向層形成工程と、
上記未硬化反応性配向層を介して上記第1配向膜と上記第2配向膜とが向かい合うように上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接触させた後、上記硬化性樹脂を硬化することにより、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着させて液晶表示素子用基板対を形成する液晶表示素子用基板対形成工程と、
上記液晶表示素子用基板対形成工程により形成された液晶表示素子用基板対のスペーサー側基板と対向基板との間に、液晶層を形成する液晶層形成工程と、からなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法を提供する。
上記第1配向膜上または上記第2配向膜上の少なくとも一方に未硬化の硬化性樹脂を含む未硬化反応性配向層を形成する未硬化反応性配向層形成工程と、
上記未硬化反応性配向層を介して上記第1配向膜と上記第2配向膜とが向かい合うように上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接触させた後、上記硬化性樹脂を硬化することにより、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着させて液晶表示素子用基板対を形成する液晶表示素子用基板対形成工程と、
上記液晶表示素子用基板対形成工程により形成された液晶表示素子用基板対のスペーサー側基板と対向基板との間に、液晶層を形成する液晶層形成工程と、からなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを反応性配向層を介して強固に固定することができるため、セルギャップの変動のない表示品質に優れた液晶表示素子を製造することができる。
本発明は、基板が均一なセルギャップで強固に固定された、表示品質に優れる液晶表示素子を得ることできるという効果を奏する。
以下、本発明の液晶表示素子および液晶表示素子の製造方法について詳細に説明する。
A.液晶表示素子
まず、本発明の液晶表示素子について説明する。本発明の液晶表示素子は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を、上記第1配向膜と、上記第2配向膜とが向かい合うように配置し、上記スペーサー側基板および上記対向基板間に液晶物質からなる液晶層を挟持してなる液晶表示素子であって、上記第1配向膜上または上記第2配向膜上の少なくとも一方に、硬化性樹脂からなる反応性配向層が形成されており、かつ、上記スペーサー側基板と上記対向基板とが、上記反応性配向層を介して接着されていることを特徴とするものである。
まず、本発明の液晶表示素子について説明する。本発明の液晶表示素子は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を、上記第1配向膜と、上記第2配向膜とが向かい合うように配置し、上記スペーサー側基板および上記対向基板間に液晶物質からなる液晶層を挟持してなる液晶表示素子であって、上記第1配向膜上または上記第2配向膜上の少なくとも一方に、硬化性樹脂からなる反応性配向層が形成されており、かつ、上記スペーサー側基板と上記対向基板とが、上記反応性配向層を介して接着されていることを特徴とするものである。
次に、本発明の液晶表示素子について図を参照しながら説明する。図1(a)は本発明の液晶表示素子の一例を示す概略断面図である。図1(a)に示すように本発明の液晶表示素子10は、第1基板1aと、上記第1基板上に形成された第1電極2aと、上記第1電極上に形成されたスペーサー4と、上記第1電極2aおよび上記スペーサー4上に形成された第1配向膜3aと、上記第1配向膜3a上に形成され、硬化性樹脂からなる反応性配向層5とを有するスペーサー側基板11、および、第2基板1bと、上記第2基板1b上に形成された第2電極2bと、上記第2電極2b上に形成された第2配向膜3bとを有する対向基板12が、上記反応性配向層5と、上記第2配向膜3bとが接着するように配置されており、上記スペーサー側基板11および上記対向基板12間に液晶物質からなる液晶層6を挟持してなるものである。図1に例示するように、本発明の液晶表示素子は、液晶物質の漏洩を防止するシール剤7、および偏光板8a、8bを有していてもよい。
本発明の液晶表示素子は、上記スペーサー側基板と上記対向基板とが、上記反応性配向層を介して接着されていることにより、両基板を均一なセルギャップで強固に固定することができる。したがって本発明によればセルギャップの変動が生じることのない、表示品質の安定性に優れた液晶表示素子を得ることができる。また本発明によれば、上記反応性配向層の構成材料として、例えば反応性液晶等の異方性の高い材料を用いることにより、上記反応性液晶層の液晶材料に対する配向能を向上することが可能になる。
以下、本発明の液晶表示素子の各構成について詳細に説明する。
1.反応性配向層
まず、本発明の液晶表示素子が有する反応性配向層について説明する。本発明の液晶表示素子が有する反応性配向層は、上記スペーサー側基板と上記対向基板との少なくとも一方の配向膜上に形成され、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着する機能を有するものである。また、本発明における反応性配向層は、硬化性樹脂からなるものである。以下、本発明に用いられる反応性配向層について説明する。
まず、本発明の液晶表示素子が有する反応性配向層について説明する。本発明の液晶表示素子が有する反応性配向層は、上記スペーサー側基板と上記対向基板との少なくとも一方の配向膜上に形成され、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着する機能を有するものである。また、本発明における反応性配向層は、硬化性樹脂からなるものである。以下、本発明に用いられる反応性配向層について説明する。
(1)硬化性樹脂
本発明における反応性配向層を構成する硬化性樹脂は、上記スペーサー側基板と上記対向基板とに対して密着性を示し、かつ、上記液晶層を構成する液晶物質の配向能を有するものであれば特に限定されない。このような硬化性樹脂としては、加熱処理により重合される熱硬化性樹脂、および活性放射線の照射により重合される活性放射線硬化性樹脂を挙げることができるが、本発明においては活性放射線硬化性樹脂を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂を用いる場合は加温処理をすることが必要であるため、このような加温処理により本発明の液晶表示素子を構成する他の部材が熱的ダメージを受けてしまう可能性があるが、活性放射線硬化性樹脂ではこのような恐れが無いという利点を有するからである。
本発明における反応性配向層を構成する硬化性樹脂は、上記スペーサー側基板と上記対向基板とに対して密着性を示し、かつ、上記液晶層を構成する液晶物質の配向能を有するものであれば特に限定されない。このような硬化性樹脂としては、加熱処理により重合される熱硬化性樹脂、および活性放射線の照射により重合される活性放射線硬化性樹脂を挙げることができるが、本発明においては活性放射線硬化性樹脂を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂を用いる場合は加温処理をすることが必要であるため、このような加温処理により本発明の液晶表示素子を構成する他の部材が熱的ダメージを受けてしまう可能性があるが、活性放射線硬化性樹脂ではこのような恐れが無いという利点を有するからである。
上記活性放射線硬化性樹脂としては、電子線の照射により硬化される電子線硬化性樹脂、および光照射により硬化される光硬化性樹脂を挙げることができるが、本発明においては光硬化性樹脂を用いることが好ましい。光硬化性樹脂を用いることにより、本発明の液晶表示素子の製造工程を簡略化することができるからである。
本発明においては、上記光硬化性樹脂が反応性液晶を固定化したものであることが好ましい。反応性液晶は液晶性を示すことから、上記配向膜の配向規制力により規則的に配列することができるため、上記反応性配向層の液晶物質に対する配向能を向上することができるからである。ここで上記「固定化」とは、例えば上記反応性液晶に重合性液晶モノマーが含まれている場合に、上記重合性液晶モノマーが重合して硬化している状態を意味する。
上記反応性液晶としては、ネマチック相を発現するものであることが好ましい。ネマチック相は、液晶相の中でも配向制御が比較的容易であるからである。
また、上記反応性液晶としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマー、および重合性液晶ポリマーのいずれかを用いることができるが、本発明においては、重合性液晶モノマーが好適に用いられる。重合性液晶モノマーは、他の重合性液晶材料、すなわち重合性液晶オリゴマーや重合性液晶ポリマーと比較して、より低温で配向が可能であり、かつ配向に際しての感度も高く、容易に配向させることができるからである。
上記重合性液晶モノマーとしては、重合性官能基を有する液晶モノマーであれば特に限定はされなく、例えばモノアクリレートモノマー、ジアクリレートモノマー等が挙げられる。また、これらの重合性液晶モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
モノアクリレートモノマーとしては、例えば下記式で表される化合物を例示することができる。
上記式において、A、B、D、EおよびFはベンゼン、シクロヘキサンまたはピリミジンを表し、これらはハロゲン等の置換基を有していてもよい。また、AおよびB、あるいはDおよびEは、アセチレン基、メチレン基、エステル基等の結合基を介して結合していてもよい。M1およびM2は、水素原子、炭素数3〜9のアルキル基、炭素数3〜9のアルコキシカルボニル基、またはシアノ基のいずれであってもよい。さらに、分子鎖末端のアクリロイルオキシ基とAまたはDとは、炭素数3〜6のアルキレン基等のスペーサーを介して結合していてもよい。
また、ジアクリレートモノマーとしては、例えば下記式に示すような化合物を挙げることができる。
上記式において、XおよびYは、水素、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルキルオキシ、炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル、ホルミル、炭素数1〜20のアルキルカルボニル、炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ、ハロゲン、シアノまたはニトロを表す。また、mは2〜20の範囲内の整数を表す。
さらに、ジアクリレートモノマーとしては下記式に示すような化合物を挙げることもできる。
上記式において、Z21およびZ22は、各々独立して直接結合している−COO−、−OCO−、−O−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−OCH2−、−CH2O−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−を表す。また、mは0または1を表し、nは2〜8の範囲内の整数を表す。また、式中Rは、水素、または炭素数1〜5のアルキルを表す。
上記式(2)の化合物の例としては、下記式(3)で表される化合物を挙げることができる。
上記式(3)において、Z21およびZ22は、各々独立して直接結合している−COO−、−OCO−、−O−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、−OCH2−、−CH2O−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−を表し、mは0または1を表し、nは2〜8の範囲内の整数を表す。
本発明においては、中でも上記式(1)および上記式(2)で表される化合物が好適に用いられる。また、上記式(1)に示す化合物の場合、Xとしては、炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル、メチルまたは塩素であることが好ましく、中でも炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル、特にCH3(CH2)4OCOであることが好ましい。また、上記式(2)で表される化合物の具体例としては、アデカキラコールPLC−7209(旭電化工業社製)、アデカキラコールPCL−7183(旭電化工業社製)等を挙げることができる。
本発明に用いられる重合性液晶モノマーは、上記の中でもジアクリレートモノマーであることが好ましい。ジアクリレートモノマーは、重合させることにより、配向状態を良好に維持することができるからである。
上述した重合性液晶モノマーはそれ自体がネマチック相を発現するものでなくてもよい。本発明において、これらの重合性液晶モノマーは上述したように2種以上を混合して用いてもよいものであり、これらを混合した組成物すなわち反応性液晶が、ネマチック相を発現するものであればよいからである。
さらに本発明においては、必要に応じて上記反応性液晶に光重合開始剤や重合禁止剤を添加してもよい。本発明に用いることができる光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。なお、光重合開始剤の他に増感剤を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加することも可能である。
このような光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲で上記反応性液晶に添加することができる。
さらに、上記光重合開始剤を用いる場合には、光重合開始助剤を併用することができる。このような光重合開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の3級アミン類や、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミド安息香酸エチル等の安息香酸誘導体を例示することができるが、これらに限られるものではない。
(2)反応性配向層
本発明の液晶表示素子が有する反応性配向層は、上記スペーサー側基板の第1配向膜上または上記対向基板の第2配向膜上の少なくとも一方に形成されていれば良い。このように反応性配向層が、上記スペーサー側基板の第1配向膜上または上記対向基板の第2配向膜上の少なくとも一方に形成されている場合の各態様について図を参照しながら具体的に説明する。図1(a)は上述したように、反応性配向層5が上記スペーサー側基板11の第1配向膜3a上に形成されている態様である。本発明における反応性配向層の態様としては上記態様の他に、図1(b)に示すように、反応性配向層5が上記対向基板12の第2配向膜3b上に形成されている態様と、図1(c)に示すように、反応性配向層5が、上記スペーサー側基板11の第1配向膜3a上および上記対向基板12の第2配向膜3b上に形成されている態様を挙げることができる。
本発明における反応性配向層は、スペーサー側基板の第1配向膜上に形成された態様、対向基板の第2配向膜上に形成された態様、または、スペーサー側基板の第1配向膜上および対向基板の第2配向膜上に形成された態様のいずれの態様であっても良い。なかでも本発明における反応性配向層は対向基板の第2配向膜上に形成された態様が好ましい。反応性配向層をスペーサー側基板上に形成する場合、スペーサーの存在により反応性配向層の膜厚が不均一になったり、また、硬化性樹脂の効果ムラが発生する恐れがあるが、対向基板上であればこのような問題がないからである。
本発明の液晶表示素子が有する反応性配向層は、上記スペーサー側基板の第1配向膜上または上記対向基板の第2配向膜上の少なくとも一方に形成されていれば良い。このように反応性配向層が、上記スペーサー側基板の第1配向膜上または上記対向基板の第2配向膜上の少なくとも一方に形成されている場合の各態様について図を参照しながら具体的に説明する。図1(a)は上述したように、反応性配向層5が上記スペーサー側基板11の第1配向膜3a上に形成されている態様である。本発明における反応性配向層の態様としては上記態様の他に、図1(b)に示すように、反応性配向層5が上記対向基板12の第2配向膜3b上に形成されている態様と、図1(c)に示すように、反応性配向層5が、上記スペーサー側基板11の第1配向膜3a上および上記対向基板12の第2配向膜3b上に形成されている態様を挙げることができる。
本発明における反応性配向層は、スペーサー側基板の第1配向膜上に形成された態様、対向基板の第2配向膜上に形成された態様、または、スペーサー側基板の第1配向膜上および対向基板の第2配向膜上に形成された態様のいずれの態様であっても良い。なかでも本発明における反応性配向層は対向基板の第2配向膜上に形成された態様が好ましい。反応性配向層をスペーサー側基板上に形成する場合、スペーサーの存在により反応性配向層の膜厚が不均一になったり、また、硬化性樹脂の効果ムラが発生する恐れがあるが、対向基板上であればこのような問題がないからである。
上記反応性配向層の厚みは、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3nm〜100nmの範囲内である。反応性配向層が上記範囲を超えて厚くなると必要以上の異方性が生じてしまう場合があるからである。また上記範囲より薄いと上記スペーサー側基板と上記対向基板との接着力が不十分になってしまう場合があるからである。
また本発明においては、上記反応性配向層の厚みは均一であっても良く、また均一でなくても良い。例えば、図2に示すように反応性配向層がスペーサー側基板の第1配向膜上に形成されている場合、スペーサー4上に形成されている部位Aと、2つのスペーサー4の間に形成されている部位Bと、スペーサー4の壁部に形成されている部位Cとにおける反応性配向層の厚みは、上記範囲内であればすべて同一であっても互いに異なっていても良い。
(3)その他
本発明における反応性配向層は、スペーサー側基板と対向基板とを接着する機能を有するが、ここでいう接着とはスペーサー側基板と対向基板とが接触して離れないことをいい、より具体的には互いに自重では離れない程度の接着力を有して接触していることを意味する。
本発明における反応性配向層は、スペーサー側基板と対向基板とを接着する機能を有するが、ここでいう接着とはスペーサー側基板と対向基板とが接触して離れないことをいい、より具体的には互いに自重では離れない程度の接着力を有して接触していることを意味する。
2.スペーサー側基板
次に、本発明に用いられるスペーサー側基板について説明する。本発明に用いられるスペーサー側基板は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するものである。以下、このようなスペーサー側基板の各構成について説明する。
次に、本発明に用いられるスペーサー側基板について説明する。本発明に用いられるスペーサー側基板は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するものである。以下、このようなスペーサー側基板の各構成について説明する。
(1)スペーサー
スペーサー側基板に用いられるスペーサーは、第1基板上に形成され、スペーサー側基板と対向基板とのセルギャップを均一に保つ機能を有するものである。また、本発明の液晶表示素子においては、スペーサーが形成されている部位で上記スペーサー側基板と上記対向基板とが接着することになる。
スペーサー側基板に用いられるスペーサーは、第1基板上に形成され、スペーサー側基板と対向基板とのセルギャップを均一に保つ機能を有するものである。また、本発明の液晶表示素子においては、スペーサーが形成されている部位で上記スペーサー側基板と上記対向基板とが接着することになる。
スペーサー側基板に用いられるスペーサーの形状は、スペーサー部位においてスペーサー側基板と上記対向基板とを接着できる形状であれば特に限定されず、第1基板上に形成するスペーサーの数等に応じて、必要な接着力を発現できる形状を任意に決定することができる。本発明に用いられるスペーサーの形状としては、例えば、第1基板に垂直な面の断面形状が正方形、長方形、または台形であって、第1基板に平行な面の断面形状が、円形、多角形、正方形、長方形、または台形であるものを挙げることができる。具体的な形状としては、図3(a)に示す壁状のものや、図3(b)に示す柱状のものを例示することができる。なお、図3(a)、(b)においては第1配向膜および反応性配向層の記載は省略する。
上記スペーサーは、通常、第1基板上の複数箇所に形成されるが、複数のスペーサーは所定の位置に規則的に形成されていることが好ましい。複数のスペーサーの形成位置が無秩序であると、外力に対するセルギャップの保持力が不均一となってしまい、位置によってはセルギャップの変動による表示品質の低下が発生する恐れがあるからである。
上記スペーサーを規則的に形成する場合において、スペーサー間のピッチは本発明の液晶表示素子の駆動方法等に応じて適宜決定すればよい。例えば、本発明の液晶表示素子を、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス方式により駆動する場合、上記スペーサー間のピッチは、画素電極のピッチの整数倍であることが好ましく、なかでも、画素電極のピッチの2〜50倍、より好ましくは5〜20倍であって、かつ、50μm〜3mmの範囲内であることが好ましい。
なお、スペーサーのピッチとは、隣接するスペーサーの中心部から中心部までの距離をいう。例えば、スペーサーを図3(a)に示すような壁状とする場合は、隣り合うスペーサーの中心間距離(図3(a)中、Dで示す距離)が上記範囲内であればよい。一方、スペーサーを柱状とする場合は、隣り合う複数のスペーサーのうち、少なくとも一つのスペーサーとの中心間距離が、上記範囲内であればよく、例えば、図3(b)に示すように柱状スペーサーを規則的に配置する場合は、図3(b)中、EまたはFで示す距離のいずれか一方が上記範囲内であればよい。
なお、スペーサーのピッチとは、隣接するスペーサーの中心部から中心部までの距離をいう。例えば、スペーサーを図3(a)に示すような壁状とする場合は、隣り合うスペーサーの中心間距離(図3(a)中、Dで示す距離)が上記範囲内であればよい。一方、スペーサーを柱状とする場合は、隣り合う複数のスペーサーのうち、少なくとも一つのスペーサーとの中心間距離が、上記範囲内であればよく、例えば、図3(b)に示すように柱状スペーサーを規則的に配置する場合は、図3(b)中、EまたはFで示す距離のいずれか一方が上記範囲内であればよい。
また、スペーサーの幅は、スペーサー側基板と対向基板とを接着することができ、かつ、表示品質の低下が生じない範囲であれば特に限定されない。なかでも本発明においては、スペーサーの幅が1μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、特に2μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。スペーサーの幅が上記範囲よりも狭いと、精度良くスペーサーを形成することが困難となる場合があるからである。また、スペーサーの幅が上記範囲よりも広いと、例えば、本発明の液晶表示素子を、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス方式により駆動する場合に、有効画素面積が小さくなり、液晶表示素子全体の開口率が小さくなってしまう結果、表示品質が低下する恐れがあるからである。
さらに、スペーサーの高さは、後述する液晶層の厚み以下であり、かつ液晶層を構成する液晶物質の配向性を害さない範囲であれば特に限定されるものではないが、スペーサーの高さが液晶層の厚みとほぼ同一であることが好ましい。これにより、耐衝撃性を効果的に向上させることができるからである。具体的には1μm〜20μmの範囲内が好ましく、特に1μm〜10μmの範囲内が好ましく、中でも1.2μm〜5μmの範囲内が好ましい。
なお、上記スペーサーのピッチ、幅および高さは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することによって測定した値とする。
また、スペーサーの形成位置としては、画素領域を避けて形成されていることが好ましい。スペーサー付近では液晶物質の配向不良が生じやすいので、画像表示に影響のない領域にスペーサーが形成されていることが好ましいからである。
また、第1基板上におけるスペーサーの形成面としては、スペーサーを固着できる面であれば特に限定されるものではない。したがって、第1基板表面に形成されていても良く、また第1電極表面上に形成されていても良いが、本発明においては第1電極表面上に形成されていることが好ましい。第1電極表面上にスペーサーを形成することにより、第2電極との間でショートするおそれがなくなり、かつ、製造工程が簡略化できるからである。
さらに、第1基板上に形成されるスペーサーの数としては、複数であれば特に限定されるものではなく、液晶表示素子の大きさ、スペーサーの形状、スペーサー側基板と対向基板との間に求める接着力等に応じて任意に決定すればよい。
上記スペーサーを形成する材料としては、一般に液晶表示素子のスペーサーとして用いられている材料であれば特に限定されるものではない。具体的には樹脂を挙げることができ、中でも感光性樹脂が好ましく用いられる。感光性樹脂はパターニングが容易であるからである。本発明に用いられる感光性樹脂としては、一般に液晶表示素子のスペーサーに用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えば後述する「B.液晶表示素子の製造方法」の項に記載する材料を用いることができる。
(2)第1基板
次に、本発明に用いられる第1基板について説明する。本発明に用いる第1基板は、一般に液晶表示素子の基板として用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えばガラス板、プラスチック板などが好ましく挙げられる。上記第1基板の表面粗さ(RSM値)は、10nm以下であることが好ましく、より好ましくは3nm以下、さらに好ましくは1nm以下の範囲内である。なお、本発明において上記表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM:ATOMIC FORCE MICROSCOPE)により測定することができる。
次に、本発明に用いられる第1基板について説明する。本発明に用いる第1基板は、一般に液晶表示素子の基板として用いられるものであれば特に限定されるものではなく、例えばガラス板、プラスチック板などが好ましく挙げられる。上記第1基板の表面粗さ(RSM値)は、10nm以下であることが好ましく、より好ましくは3nm以下、さらに好ましくは1nm以下の範囲内である。なお、本発明において上記表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM:ATOMIC FORCE MICROSCOPE)により測定することができる。
(3)第1電極
次に、スペーサー側基板に用いられる第1電極について説明する。スペーサー側基板に用いる第1電極は、一般に液晶表示素子の電極として用いられているものであれば特に限定されるものではないが、第1電極および後述する第2電極のうち少なくとも一方が透明導電体で形成されることが好ましい。透明導電体の材料としては、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)等が好ましく挙げられる。本発明の液晶表示素子を、TFTを用いたアクティブマトリックス方式の液晶表示素子とする場合には、スペーサー側基板の第1電極および対向基板の第2電極層のうち、一方を上記透明導電体で形成される全面共通電極とし、他方にはx電極とy電極をマトリックス状に配列し、x電極とy電極で囲まれた部分にTFT素子および画素電極を配置するからである。この場合に、画素電極、TFT素子、x電極およびy電極により形成される電極層の凹凸部の差は、0.2μm以下であることが好ましい。電極層の凹凸部の差が0.2μmを超えると、配向乱れを生じやすいからである。
次に、スペーサー側基板に用いられる第1電極について説明する。スペーサー側基板に用いる第1電極は、一般に液晶表示素子の電極として用いられているものであれば特に限定されるものではないが、第1電極および後述する第2電極のうち少なくとも一方が透明導電体で形成されることが好ましい。透明導電体の材料としては、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)等が好ましく挙げられる。本発明の液晶表示素子を、TFTを用いたアクティブマトリックス方式の液晶表示素子とする場合には、スペーサー側基板の第1電極および対向基板の第2電極層のうち、一方を上記透明導電体で形成される全面共通電極とし、他方にはx電極とy電極をマトリックス状に配列し、x電極とy電極で囲まれた部分にTFT素子および画素電極を配置するからである。この場合に、画素電極、TFT素子、x電極およびy電極により形成される電極層の凹凸部の差は、0.2μm以下であることが好ましい。電極層の凹凸部の差が0.2μmを超えると、配向乱れを生じやすいからである。
(4)第1配向膜
次にスペーサー側基板に用いられる第1配向膜について説明する。スペーサー側基板に用いられる第1配向膜としては特に限定されるものではないが、上記硬化性樹脂として反応性液晶を用いた場合に、反応性液晶に対する配向能を有するものが好ましい。反応性液晶に対する配向能を有するものを用いることにより、反応性配向層の液晶分子の配向能を向上できるため、液晶層を構成する液晶物質の配向安定性を向上することができるからである。このような第1配向膜としては、例えばラビング処理、光配向処理等を施したものを用いることができるが、本発明においては光配向処理を施した光配向膜を用いることが好ましい。光配向処理は非接触配向処理であることから静電気や塵の発生がなく、定量的な配向処理の制御ができる点で有用であるからである。以下、このような光配向膜について説明する。
次にスペーサー側基板に用いられる第1配向膜について説明する。スペーサー側基板に用いられる第1配向膜としては特に限定されるものではないが、上記硬化性樹脂として反応性液晶を用いた場合に、反応性液晶に対する配向能を有するものが好ましい。反応性液晶に対する配向能を有するものを用いることにより、反応性配向層の液晶分子の配向能を向上できるため、液晶層を構成する液晶物質の配向安定性を向上することができるからである。このような第1配向膜としては、例えばラビング処理、光配向処理等を施したものを用いることができるが、本発明においては光配向処理を施した光配向膜を用いることが好ましい。光配向処理は非接触配向処理であることから静電気や塵の発生がなく、定量的な配向処理の制御ができる点で有用であるからである。以下、このような光配向膜について説明する。
光配向膜は、後述する光配向膜の構成材料を塗布した第1基板に偏光を制御した光を照射し、光励起反応(分解、異性化、二量化)を生じさせることにより、異方性を付与するものである。
第1配向膜に用いられる光配向膜の構成材料は、光を照射して光励起反応を生じることにより、第1配向膜に異方性を発現するものであれば特に限定されるものではない。このような材料としては、大きく、光反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する光反応型の材料と、光異性化反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する光異性化反応型の材料とに分けることができる。なお、上記光配向膜の構成材料が光励起反応を生じる光の波長領域は、紫外光域の範囲内、すなわち10nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、250nm〜380nmの範囲内であることがより好ましい。以下、それぞれについて説明する。
(光反応型)
まず、光反応型の構成材料について説明する。上述したように、光反応型の構成材料とは、光反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する材料である。本発明に用いられる光反応型の構成材料としては、このような特性を有するものであれば特に限定されるものではないが、これらの中でも、光二量化反応または光分解反応を生じることにより上記光配向膜に異方性を付与する材料であることが好ましい。
まず、光反応型の構成材料について説明する。上述したように、光反応型の構成材料とは、光反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する材料である。本発明に用いられる光反応型の構成材料としては、このような特性を有するものであれば特に限定されるものではないが、これらの中でも、光二量化反応または光分解反応を生じることにより上記光配向膜に異方性を付与する材料であることが好ましい。
ここで、光二量化反応とは、光照射により偏光方向に配向した反応部位がラジカル重合して分子2個が重合する反応をいい、この反応により偏光方向の配向を安定化し、光配向膜に異方性を付与することができるものである。一方、光分解反応とは、光照射により偏光方向に配向したポリイミドなどの分子鎖を分解する反応をいい、この反応により偏光方向に垂直な方向に配向した分子鎖を残し、光配向膜に異方性を付与することができるものである。本発明においては、これらの光反応型の材料の中でも、露光感度が高く、材料選択の幅が広いことから、光二量化反応により第1配向膜に異方性を付与する材料を用いることがより好ましい。
このような光二量化反応を利用した光反応型の材料としては、光二量化反応により第1配向膜に異方性を付与することができる材料であれば特に限定されるものではないが、ラジカル重合性の官能基を有し、かつ、偏光方向により吸収を異にする二色性を有する光二量化反応性化合物を含むことが好ましい。偏光方向に配向した反応部位をラジカル重合することにより、光二量化反応性化合物の配向が安定化し、第1配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
このような特性を有する光二量化反応性化合物としては、側鎖としてケイ皮酸エステル、クマリン、キノリン、カルコン基およびシンナモイル基から選ばれる少なくとも1種の反応部位を有する二量化反応性ポリマーを挙げることができる。
これらの中でも光二量化反応性化合物としては、側鎖としてケイ皮酸エステル、クマリンまたはキノリンのいずれかを含む二量化反応性ポリマーであることが好ましい。偏光方向に配向したα、β不飽和ケトンの二重結合が反応部位となってラジカル重合することにより、第1配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
上記二量化反応性ポリマーの主鎖としては、ポリマー主鎖として一般に知られているものであれば特に限定されるものではないが、芳香族炭化水素基などの、上記側鎖の反応部位同士の相互作用を妨げるようなπ電子を多く含む置換基を有していないものであることが好ましい。
上記二量化反応性ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、5,000〜40,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜20,000の範囲内であることがより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定することができる。上記二量化反応性ポリマーの重量平均分子量が小さすぎると、第1配向膜に適度な異方性を付与することができない場合がある。逆に、大きすぎると、第1配向膜形成時の塗工液の粘度が高くなり、均一な塗膜を形成しにくい場合がある。
二量化反応性ポリマーとしては、下記式で表される化合物を例示することができる。
上記式において、M11およびM12は、それぞれ独立して、単重合体または共重合体の単量体単位を表す。例えば、エチレン、アクリレート、メタクリレート、2−クロロアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−クロロアクリルアミド、スチレン誘導体、マレイン酸誘導体、シロキサンなどが挙げられる。M12としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメタクリレートであってもよい。xおよびyは、共重合体とした場合の各単量体単位のモル比を表すものであり、それぞれ、0<x≦1、0≦y<1であり、かつ、x+y=1を満たす数である。nは4〜30,000の整数を表す。D1およびD2は、スペーサー単位を表す。
R1は−A1−(Z1−B1)z−Z2−で表される基であり、R2は−A1−(Z1−B1)z−Z3−で表される基である。ここで、A1およびB1は、それぞれ独立して、共有単結合、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、または置換基を有していてもよい1,4−フェニレンを表す。また、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、共有単結合、−CH2−CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−CONR−、−RNCO−、−COO−または−OOC−を表す。Rは、水素原子または低級アルキル基であり、Z3は、水素原子、置換基を有していてもよい、炭素数1〜12のアルキルまたはアルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲンである。zは、0〜4の整数である。E1は、光二量化反応部位を表し、例えば、ケイ皮酸エステル、クマリン、キノリン、カルコン基、シンナモイル基などが挙げられる。jおよびkは、それぞれ独立して、0または1である。
このような二量化反応性ポリマーとして、より好ましくは、下記式で表される化合物を挙げることができる。
上記二量化反応性ポリマーの中でも、下記式で表される化合物1〜4の少なくとも一つであることが特に好ましい。
本発明においては、光二量化反応性化合物として、上述した化合物の中から、第1配向膜に対する要求特性に応じて、光二量化反応部位や置換基を種々選択することができる。また、光二量化反応性化合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、光二量化反応を利用した光反応型の材料としては、上記光二量化反応性化合物のほか、第1配向膜の光配列性を妨げない範囲内で添加剤を含んでいてもよい。上記添加剤としては、重合開始剤、重合禁止剤などが挙げられる。
重合開始剤または重合禁止剤は、一般に公知の化合物の中から、光二量化反応性化合物の種類によって適宜選択して用いればよい。重合開始剤または重合禁止剤の添加量は、光二量化反応性化合物に対し、0.001質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましく、0.1質量%〜5質量%の範囲内であることがより好ましい。重合開始剤または重合禁止剤の添加量が小さすぎると重合が開始(禁止)されない場合があり、逆に大きすぎると、反応が阻害される場合があるからである。
なお、光分解反応を利用した光反応型の材料としては、光照射により偏光方向に配向したポリイミドなどの分子鎖を分解する反応を生じる材料であれば特に限定されない。このような光反応型の材料としては、例えば日産化学工業(株)製のポリイミド「RN1199」などを挙げることができる。
(光異性化型)
次に、光異性化型の材料について説明する。ここでいう光異性化型の材料とは、上述したように光異性化反応を生じることにより第1配向膜に異方性を付与する材料であり、このような特性を有する材料であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、光異性化反応を生じることにより上記第1配向膜に異方性を付与する光異性化反応性化合物を含むものであることが好ましい。このような光異性化反応性化合物を含むことにより、光照射により、複数の異性体のうち安定な異性体が増加し、それにより第1配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
次に、光異性化型の材料について説明する。ここでいう光異性化型の材料とは、上述したように光異性化反応を生じることにより第1配向膜に異方性を付与する材料であり、このような特性を有する材料であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、光異性化反応を生じることにより上記第1配向膜に異方性を付与する光異性化反応性化合物を含むものであることが好ましい。このような光異性化反応性化合物を含むことにより、光照射により、複数の異性体のうち安定な異性体が増加し、それにより第1配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
このような光異性化反応性化合物としては、上記のような特性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、偏光方向により吸収を異にする二色性を有し、かつ、光照射により光異性化反応を生じるものであることが好ましい。このような特性を有する光異性化反応性化合物の偏光方向に配向した反応部位の異性化を生じさせることにより、上記第1配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
このような光異性化反応性化合物が生じる光異性化反応としては、シス−トランス異性化反応であることが好ましい。光照射によりシス体またはトランス体のいずれかの異性体が増加し、それにより第1配向膜に異方性を付与することができるからである。
このような光異性化反応性化合物としては、単分子化合物、または、光もしくは熱により重合する重合性モノマーを挙げることができる。これらは用いられる液晶物質の種類に応じて適宜選択すればよいが、光照射により第1配向膜に異方性を付与した後、ポリマー化することにより、その異方性を安定化することができることから、重合性モノマーを用いることが好ましい。このような重合性モノマーの中でも、第1配向膜に異方性を付与した後、その異方性を良好な状態に維持したまま容易にポリマー化できることから、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマーであることが好ましい。
上記重合性モノマーは、単官能のモノマーであっても、多官能のモノマーであってもよいが、ポリマー化による第1配向膜の異方性がより安定なものとなることから、2官能のモノマーであることが好ましい。
このような光異性化反応性化合物としては、具体的には、アゾベンゼン骨格やスチルベン骨格などのシス−トランス異性化反応性骨格を有する化合物を挙げることができる。
この場合に、分子内に含まれるシス−トランス異性化反応性骨格の数は、1つであっても2つ以上であってもよいが、液晶物質の配向制御が容易となることから、2つであることが好ましい。
上記シス−トランス異性化反応性骨格は、液晶分子との相互作用をより高めるために置換基を有していてもよい。置換基は、液晶分子との相互作用を高めることができ、かつ、シス−トランス異性化反応性骨格の配向を妨げないものであれば特に限定されるものではなく、例えば、カルボキシル基、スルホン酸ナトリウム基、水酸基などが挙げられる。これらの構造は、用いられる液晶物質の種類に応じて、適宜選択することができる。
また、光異性化反応性化合物としては、分子内にシス−トランス異性化反応性骨格以外にも、液晶分子との相互作用をより高められるように、芳香族炭化水素基などのπ電子が多く含まれる基を有していてもよく、シス−トランス異性化反応性骨格と芳香族炭化水素基は、結合基を介して結合していてもよい。結合基は、液晶分子との相互作用を高められるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、−COO−、−OCO−、−O−、−C≡C−、−CH2−CH2−、−CH2O−、−OCH2−などが挙げられる。
なお、光異性化反応性化合物として、重合性モノマーを用いる場合には、上記シス−トランス異性化反応性骨格を、側鎖として有していることが好ましい。上記シス−トランス異性化反応性骨格を側鎖として有していることにより、第1配向膜に付与される異方性の効果がより大きなものとなり、上記液晶層を構成する液晶物質の配列制御に特に適したものとなるからである。この場合に、前述した分子内に含まれる芳香族炭化水素基や結合基は、液晶分子との相互作用が高められるように、シス−トランス異性化反応性骨格と共に、側鎖に含まれていることが好ましい。
また、上記重合性モノマーの側鎖には、シス−トランス異性化反応性骨格が配向しやすくなるように、アルキレン基などの脂肪族炭化水素基をスペーサーとして有していてもよい。
上述したような単分子化合物または重合性モノマーの光異性化反応性化合物の中でも、本発明に用いられる光異性化反応性化合物としては、分子内にアゾベンゼン骨格を有する化合物であることが好ましい。アゾベンゼン骨格は、π電子を多く含むため、液晶分子との相互作用が高く、上記液晶層を構成する液晶物質の配向安定化に特に適しているからである。
以下、アゾベンゼン骨格が光異性化反応を生じることにより第1配向膜に異方性を付与できる理由について説明する。まず、アゾベンゼン骨格に、直線偏光紫外光を照射すると、下記式に示されるように、分子長軸が偏光方向に配向しているトランス体のアゾベンゼン骨格が、シス体に変化する。
アゾベンゼン骨格のシス体は、トランス体に比べて化学的に不安定であるため、熱的にまたは可視光を吸収してトランス体に戻るが、このとき、上記式の左のトランス体になるか右のトランス体になるかは同じ確率で起こる。そのため、紫外光を吸収し続けると、右側のトランス体の割合が増加し、アゾベンゼン骨格の平均配向方向は紫外光の偏光方向に対して垂直になる。本発明においては、この現象を利用することにより、アゾベンゼン骨格の配向方向を揃え、第1配向膜に異方性を付与し、その膜上の液晶分子の配向を制御することができるのである。
このような分子内にアゾベンゼン骨格を有する化合物のうち、単分子化合物としては、例えば、下記式で表される化合物を挙げることができる。
また、上記アゾベンゼン骨格を側鎖として有する重合性モノマーとしては、例えば、下記式で表される化合物を挙げることができる。
本発明においては、このような光異性化反応性化合物の中から、要求特性に応じて、シス−トランス異性化反応性骨格や置換基を種々選択することができる。なお、これらの光異性化反応性化合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明に用いられる光異性化型の材料としては、上記光異性化反応性化合物のほか、光配向膜の光配列性を妨げない範囲内で添加剤を含んでいてもよい。上記光異性化反応性化合物として重合性モノマーを用いる場合には、添加剤としては、重合開始剤、重合禁止剤などが挙げられる。
重合開始剤または重合禁止剤は、一般に公知の化合物の中から、光異性化反応性化合物の種類によって適宜選択して用いればよい。重合開始剤または重合禁止剤の添加量は、光異性化反応性化合物に対し、0.001質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましく、0.1質量%〜5質量%の範囲内であることがより好ましい。重合開始剤または重合禁止剤の添加量が小さすぎると重合が開始(禁止)されない場合があり、逆に大きすぎると、反応が阻害される場合があるからである。
(5)反応性配向層
上記スペーサー側基板の第1配向膜上には反応性配向層が形成されていても良い。スペーサー側基板に用いられる反応性配向層については、上記「1.反応性配向層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記スペーサー側基板の第1配向膜上には反応性配向層が形成されていても良い。スペーサー側基板に用いられる反応性配向層については、上記「1.反応性配向層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.対向基板
次に、本発明に用いられる対向基板について説明する。本発明における対向基板は、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有するものである。また、第2配向膜上には反応性配向層が形成されていても良い。
ここで、上記対向基板に用いられる第2基板、第2電極、および第2配向膜は、上記「2.スペーサー側基板」の項に記載した第1基板、第1電極および第1配向膜と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、対向基板に用いられる反応性配向層については、上記「1.反応性配向層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本発明に用いられる対向基板について説明する。本発明における対向基板は、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有するものである。また、第2配向膜上には反応性配向層が形成されていても良い。
ここで、上記対向基板に用いられる第2基板、第2電極、および第2配向膜は、上記「2.スペーサー側基板」の項に記載した第1基板、第1電極および第1配向膜と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、対向基板に用いられる反応性配向層については、上記「1.反応性配向層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.液晶層
本発明の液晶表示素子が有する液晶層は液晶物質からなるものである。液晶層を構成する液晶物質は特に限定されるものではなく、一般に液晶表示素子に用いられる液晶物質を用いることができる。
本発明の液晶表示素子が有する液晶層は液晶物質からなるものである。液晶層を構成する液晶物質は特に限定されるものではなく、一般に液晶表示素子に用いられる液晶物質を用いることができる。
上記液晶層の厚みは、1μm〜20μmの範囲内であるのが好ましく、より好ましくは1μm〜10μm、さらに好ましくは1.2μm〜5μmの範囲内である。液晶層の厚みが薄すぎるとコントラストが低下するおそれがあり、逆に液晶層の厚みが厚すぎると液晶物質が配向しにくくなる可能性があるからである。
5.その他
本発明における液晶表示素子は上記スペーサー側基板、対向基板および液晶層以外に他の構成を有していてもよい。このような他の構成としては、偏光板とシール剤とを挙げることができる。
本発明における液晶表示素子は上記スペーサー側基板、対向基板および液晶層以外に他の構成を有していてもよい。このような他の構成としては、偏光板とシール剤とを挙げることができる。
本発明においては、上記スペーサー側基板と上記対向基板との間に、シール剤を有することが好ましい。上記シール剤を有することにより、上記液晶層から液晶物質が漏洩することを防止できるからである。本発明に用いられるシール剤の構成材料としては、一般に液晶表示素子のシール剤に用いられるものを使用することができる。このような材料としては、例えば樹脂が挙げられ、熱硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂のいずれも用いることができる。なかでも本発明においては、上記シール剤が紫外線硬化性樹脂からなることが好ましい。上記シール剤が紫外線硬化性樹脂からなることにより、例えば、上記反応性配向層を構成する硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いた場合に、シール剤と反応性配向層とを同時に硬化処理することが可能になるため、本発明の液晶表示素子の製造方法を簡略化することができるからである。本発明に用いられるシール剤としては、例えば、UV硬化シール剤(商品名 LCB610:EHC社製)を挙げることができる。
本発明に用いられる偏光板は、光の波動のうち特定方向のみを透過させるものであれば特に限定されるものではなく、一般に液晶表示素子の偏光板として用いられているものを使用することができる。
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス方式であることが好ましい。TFT素子を用いたアクティブマトリックス方式を採用することにより、目的の画素を確実に点灯、消灯できるため高品質なディスプレイが可能となるからである。
本発明のTFTを用いたアクティブマトリックス方式の液晶表示素子の一例を示す概略斜視図を図4に示す。図4に例示する液晶表示素子20は、一方の基板22a上にTFT25がマトリックス状に配置されたTFT基板21aと、他方の基板22b上に共通電極23が形成された共通電極基板21bとを有するものである。TFT基板21aには、x電極24x、y電極24yおよび画素電極24tが形成されている。このような液晶表示素子20において、x電極24xおよびy電極24yはそれぞれ縦横に配列しており、これらの電極24xおよび24yに信号を加えることによりTFT素子25を作動させ、液晶物質を駆動させることができる。x電極24xおよびy電極24yが交差した部分は、図示しないが絶縁層で絶縁されており、x電極24xの信号とy電極24yの信号とは独立に動作することができる。x電極24xおよびy電極24yにより囲まれた部分は、本発明の液晶表示素子を駆動する最小単位である画素であり、各画素には少なくとも1つ以上のTFT素子25および画素電極24tが形成されている。この液晶表示素子20では、x電極24xおよびy電極24yに順次信号電圧を加えることにより、各画素のTFT素子25を動作させることができる。
なお、図4において、液晶層および配向膜は省略している。
なお、図4において、液晶層および配向膜は省略している。
本発明の液晶表示素子を上記TFT素子を用いたアクティブマトリックス方式により駆動する場合においては、上記スペーサー側基板を上記TFT基板とし、上記対向基板を上記共通電極基板としても良く、また上記対向基板を上記TFT基板とし、上記スペーサー側基板を上記共通電極基板としても良い。
次に、本発明の液晶表示素子の用途について説明する。本発明の液晶表示素子は、上記薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス方式により駆動させ、カラーフィルタ方式またはフィールドシーケンシャルカラー方式を採用することによりカラーの液晶表示素子として用いることができる。
本発明の液晶表示素子の製造方法は、上述した内容の各構成を製造できる方法であれば、特に限定されないが、例えば、「B.液晶表示素子の製造方法」の項において説明する製造方法により製造することができる。
B.液晶表示素子の製造方法
次に、本発明の液晶表示装置の製造方法について説明する。本発明の液晶表示装置の製造方法は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を用いる液晶表示素子の製造方法であって、
上記第1配向膜上または上記第2配向膜上の少なくとも一方に未硬化の硬化性樹脂を含む未硬化反応性配向層を形成する未硬化反応性配向層形成工程と、
上記未硬化反応性配向層を介して上記第1配向膜と上記第2配向膜とが向かい合うように上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接触させた後、上記硬化性樹脂を硬化することにより、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着させて液晶表示素子用基板対を形成する液晶表示素子用基板対形成工程と、
上記液晶表示素子用基板対形成工程により形成された液晶表示素子用基板対のスペーサー側基板と対向基板との間に、液晶層を形成する液晶層形成工程と、からなることを特徴とするものである。
次に、本発明の液晶表示装置の製造方法について説明する。本発明の液晶表示装置の製造方法は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を用いる液晶表示素子の製造方法であって、
上記第1配向膜上または上記第2配向膜上の少なくとも一方に未硬化の硬化性樹脂を含む未硬化反応性配向層を形成する未硬化反応性配向層形成工程と、
上記未硬化反応性配向層を介して上記第1配向膜と上記第2配向膜とが向かい合うように上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接触させた後、上記硬化性樹脂を硬化することにより、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着させて液晶表示素子用基板対を形成する液晶表示素子用基板対形成工程と、
上記液晶表示素子用基板対形成工程により形成された液晶表示素子用基板対のスペーサー側基板と対向基板との間に、液晶層を形成する液晶層形成工程と、からなることを特徴とするものである。
本発明の液晶表示素子の製造方法について、図を参照しながら説明する。図5は本発明に係る液晶表示素子の製造方法の一例を工程図である。図5に示すように本発明の製造方法は、まず、第1基板1aと、上記第1基板1a上に形成された第1電極2aと、上記第1電極2a上に形成されたスペーサー4と、上記第1電極2aおよび上記スペーサー4上に形成された第1配向膜3aとを有するスペーサー側基板11、および、第2基板2aと、上記第2基板2a上に形成された第2電極2bと、上記第2電極2b上に形成された第2配向膜3bとを有する対向基板12を用意する(図5(a))。
次に、上記スペーサー側基板11の上記第1配向膜3a上に未硬化の硬化性樹脂からなる未硬化反応性液晶層5´を形成する(未硬化反応性液晶層形成工程:図5(b))。
次に、上記スペーサー側基板11の第1配向膜3a上に形成された上記未硬化反応性配向層5´と、上記対向基板12の上記第2配向膜3bとを向かい合うように接触させた後、上記未硬化反応性配向層5´に含まれる未硬化の硬化性樹脂を硬化し、反応性配向層5とすることにより、上記スペーサー側基板11と上記対向基板12とを接着させて液晶表示素子用基板対30を形成する(液晶表示素子用基板対形成工程:図5(c))。また、上記未硬化の硬化性樹脂を硬化して反応性配向層5を形成する際に、未硬化の硬化性樹脂からなるシール剤を同時に硬化させて、上記スペーサー側基板11と上記対向基板12との間をシール剤7を形成しても良い。
次に、上記液晶表示素子用基板対30のスペーサー側基板11と対向基板12との間に、液晶物質を注入することにより液晶層6を形成する(液晶層形成工程:図5(d))。本発明は、以上の工程により液晶表示素子を製造するものである。
次に、上記スペーサー側基板11の上記第1配向膜3a上に未硬化の硬化性樹脂からなる未硬化反応性液晶層5´を形成する(未硬化反応性液晶層形成工程:図5(b))。
次に、上記スペーサー側基板11の第1配向膜3a上に形成された上記未硬化反応性配向層5´と、上記対向基板12の上記第2配向膜3bとを向かい合うように接触させた後、上記未硬化反応性配向層5´に含まれる未硬化の硬化性樹脂を硬化し、反応性配向層5とすることにより、上記スペーサー側基板11と上記対向基板12とを接着させて液晶表示素子用基板対30を形成する(液晶表示素子用基板対形成工程:図5(c))。また、上記未硬化の硬化性樹脂を硬化して反応性配向層5を形成する際に、未硬化の硬化性樹脂からなるシール剤を同時に硬化させて、上記スペーサー側基板11と上記対向基板12との間をシール剤7を形成しても良い。
次に、上記液晶表示素子用基板対30のスペーサー側基板11と対向基板12との間に、液晶物質を注入することにより液晶層6を形成する(液晶層形成工程:図5(d))。本発明は、以上の工程により液晶表示素子を製造するものである。
本発明によれば、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを反応性配向層を介して強固に固定することができるため、セルギャップの変動のない表示品質に優れた液晶表示素子を製造することができる。
以下、本発明の液晶表示素子の製造方法について詳細に説明する。
1.未硬化反応性配向層形成工程、
まず、本発明における未硬化反応性配向層形成工程について説明する。本発明における未硬化反応性配向層形成工程は、上記スペーサー側基板の第1配向膜上または上記対向基板の第2配向膜上の少なくとも一方に、未硬化の硬化性樹脂からなる未硬化反応性配向層を形成する工程である。
なお、本工程により形成される未硬化反応性配向層は、後述する液晶表示素子用基板対形成工程において上記未硬化の硬化性樹脂が硬化されることにより、反応性配向層となるものである。
以下、本発明における未硬化反応性配向層形成工程について説明する。
まず、本発明における未硬化反応性配向層形成工程について説明する。本発明における未硬化反応性配向層形成工程は、上記スペーサー側基板の第1配向膜上または上記対向基板の第2配向膜上の少なくとも一方に、未硬化の硬化性樹脂からなる未硬化反応性配向層を形成する工程である。
なお、本工程により形成される未硬化反応性配向層は、後述する液晶表示素子用基板対形成工程において上記未硬化の硬化性樹脂が硬化されることにより、反応性配向層となるものである。
以下、本発明における未硬化反応性配向層形成工程について説明する。
(1)スペーサー側基板形成工程
本発明において用いるスペーサー側基板を形成するスペーサー側基板形成工程について説明する。スペーサー側基板形成工程は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板を形成する工程である。通常このようなスペーサー側基板形成工程は、第1基板上に第1電極を形成する第1電極形成工程と、上記第1電極形成工程により形成された第1電極上にスペーサーを形成するスペーサー形成工程と、上記スペーサー形成工程の後、第1電極上とスペーサー上に第1配向膜を形成する第1配向膜形成工程とからなる。
本発明において用いるスペーサー側基板を形成するスペーサー側基板形成工程について説明する。スペーサー側基板形成工程は、第1基板と、上記第1基板上に形成された第1電極と、上記第1電極上に形成されたスペーサーと、上記第1電極および上記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板を形成する工程である。通常このようなスペーサー側基板形成工程は、第1基板上に第1電極を形成する第1電極形成工程と、上記第1電極形成工程により形成された第1電極上にスペーサーを形成するスペーサー形成工程と、上記スペーサー形成工程の後、第1電極上とスペーサー上に第1配向膜を形成する第1配向膜形成工程とからなる。
i)第1電極形成工程
まず、第1電極形成工程について説明する。第1電極形成工程は第1基板上に第1電極層を形成する工程である。
まず、第1電極形成工程について説明する。第1電極形成工程は第1基板上に第1電極層を形成する工程である。
本工程において上記第1基板上に第1電極を形成する方法としては、厚みが均一な第1電極を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような第1電極の形成方法としては、例えば化学蒸着(CVD)法や、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の物理蒸着(PVD)法などを挙げることができる。また、電極層のパターニング方法としては、一般的な電極のパターニング方法を適用することができる。
なお、本工程に用いられる第1基板および第1電極のその他の点については、上記「A.液晶表示素子 2.スペーサー側基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
ii)スペーサー形成工程
次に、スペーサー形成工程について説明する。スペーサー形成工程は上記第1電極形成工程より形成された第1電極上にスペーサーを形成する工程である。
次に、スペーサー形成工程について説明する。スペーサー形成工程は上記第1電極形成工程より形成された第1電極上にスペーサーを形成する工程である。
第1電極上へのスペーサーの形成方法としては、所定の位置に所望の形状のスペーサーを精度良く形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、一般的なパターニング法を適用することができる。このようなパターニング法としては、2P(Photo Polymerization)法、フォトリソグラフィー法、インクジェット法、スクリーン印刷法等の公知の方法により形成することができる。2P法では、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の紫外線硬化性モノマーや、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシ、ビニルエーテル、ポリエン・チオール系等のオリゴマー、光二量化反応を起こすポリビニル桂皮酸系樹脂等の光架橋型ポリマー等の樹脂組成物を基材上に塗布し、スペーサー形成用の原版を塗布膜に圧着した状態で紫外線を照射して硬化させ、その後、原版を剥離することによりスペーサーを形成する。また、フォトリソグラフィー法では、上述の2P法で例示したような材料を基材上に塗布し、スペーサー形成用の所望のフォトマスクを介して塗布膜を露光し、その後、現像することによりスペーサーを形成する。なお、上記の(メタ)アクリレートとは、アクリレートあるいはメタクリレートを意味する。
なお、スペーサーのその他の点については、上記「A.液晶表示素子 2.スペーサー側基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
iii)第1配向膜形成工程
次に、第1配向膜形成工程について説明する。第1配向膜形成工程は上記第1電極形成工程およびスペーサー形成工程により形成された、第1電極およびスペーサー上に第1配向膜を形成する工程である。第1配向膜形成工程においては、ラビング配向膜を形成してもよく、光配向膜を形成してもよい。
次に、第1配向膜形成工程について説明する。第1配向膜形成工程は上記第1電極形成工程およびスペーサー形成工程により形成された、第1電極およびスペーサー上に第1配向膜を形成する工程である。第1配向膜形成工程においては、ラビング配向膜を形成してもよく、光配向膜を形成してもよい。
a.光配向膜の形成方法
第1配向膜形成工程において光配向膜を形成するには、まず光配向膜の構成材料を有機溶剤で希釈した光配向膜形成用塗工液を電極層上に塗布し、乾燥させる。この場合に、光配向膜形成用塗工液中の光二量化反応性化合物または光異性化反応性化合物の含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましく、0.2質量%〜2質量%の範囲内であることがより好ましい。含有量が上記範囲より少ないと、第1配向膜に適度な異方性を付与することが困難となり、逆に含有量が上記範囲より多いと、光配向膜形成用塗工液の粘度が高くなるので均一な塗膜を形成しにくくなるからである。
第1配向膜形成工程において光配向膜を形成するには、まず光配向膜の構成材料を有機溶剤で希釈した光配向膜形成用塗工液を電極層上に塗布し、乾燥させる。この場合に、光配向膜形成用塗工液中の光二量化反応性化合物または光異性化反応性化合物の含有量は、0.05質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましく、0.2質量%〜2質量%の範囲内であることがより好ましい。含有量が上記範囲より少ないと、第1配向膜に適度な異方性を付与することが困難となり、逆に含有量が上記範囲より多いと、光配向膜形成用塗工液の粘度が高くなるので均一な塗膜を形成しにくくなるからである。
光配向膜形成用塗工液の塗布方法としては、例えばスピンコート法、ロールコート法、ロッドバーコート法、スプレーコート法、エアナイフコート法、スロットダイコート法、ワイヤーバーコート法などを用いることができる。
上記光配向膜形成用塗工液を塗布することにより得られる膜の厚みは、1nm〜2000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3nm〜100nmの範囲内である。膜の厚みが上記範囲より薄いと十分な光配列性を得ることができない可能性があり、逆に厚みが上記範囲より厚いとコスト的に不利になる場合があるからである。
得られた膜には光配向処理を施すことによって異方性を付与する。具体的には、得られた膜に、偏光を制御した光を照射することにより、光励起反応を生じさせて異方性を付与することができる。照射する光の波長領域は、第1光配向膜の構成材料に応じて適宜選択すればよいが、紫外光域の範囲内、すなわち100nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは250nm〜380nmの範囲内である。
さらに、光配向膜の構成材料として、光異性化反応性化合物の中でも重合性モノマーを用いた場合には、光配向処理を行った後、加熱することにより、ポリマー化し、第1配向膜に付与された異方性を安定化することができる。
b.ラビング膜の形成方法
第1配向膜形成工程においてラビング膜を形成する方法としては特に限定されるものではなく、一般に液晶表示素子用のラビング膜の形成方法を適用することができる。
第1配向膜形成工程においてラビング膜を形成する方法としては特に限定されるものではなく、一般に液晶表示素子用のラビング膜の形成方法を適用することができる。
c.その他
なお、第1配向膜の構成材料およびその他の点については、上記「A.液晶表示素子 2.スペーサー側基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、第1配向膜の構成材料およびその他の点については、上記「A.液晶表示素子 2.スペーサー側基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)対向基板形成工程
次に、本発明の液晶表示素子の製造方法に用いる対向基板を形成する対向基板形成工程について説明する。対向基板形成工程は、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を形成する工程である。通常このような対向基板形成工程は、第2基板上に第2電極を形成する第2電極形成工程と、上記第2電極形成工程により形成された第2電極上に第2配向膜を形成する第2配向膜形成工程とからなる。
次に、本発明の液晶表示素子の製造方法に用いる対向基板を形成する対向基板形成工程について説明する。対向基板形成工程は、第2基板と、上記第2基板上に形成された第2電極と、上記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を形成する工程である。通常このような対向基板形成工程は、第2基板上に第2電極を形成する第2電極形成工程と、上記第2電極形成工程により形成された第2電極上に第2配向膜を形成する第2配向膜形成工程とからなる。
i)第2電極形成工程
第2電極形成工程は、第2基板上に第2電極を形成する工程である。第2電極形成工程における第2電極の形成方法は、上述した「(1)スペーサー側基板形成工程 i)第1電極形成工程」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
第2電極形成工程は、第2基板上に第2電極を形成する工程である。第2電極形成工程における第2電極の形成方法は、上述した「(1)スペーサー側基板形成工程 i)第1電極形成工程」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、第2電極形成工程に用いる第2基板、第2電極の構成材料および第2電極に関するその他の点については、上記「A.液晶表示素子 3.対向基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
ii)第2配向膜形成工程
第2配向膜形成工程は、上記第2電極形成工程により形成された第2電極上に第2配向膜を形成する工程である。第2配向膜形成工程における第2配向膜の形成方法については、上記「(1)スペーサー側基板形成工程 iii)第1配向膜形成工程」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
第2配向膜形成工程は、上記第2電極形成工程により形成された第2電極上に第2配向膜を形成する工程である。第2配向膜形成工程における第2配向膜の形成方法については、上記「(1)スペーサー側基板形成工程 iii)第1配向膜形成工程」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、第2配向膜の構成材料およびその他の点については、上記「A.液晶表示素子 3.対向基板」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(3)未硬化反応性配向層の形成方法
次に本工程において、上記スペーサー側基板の第1配向膜上または上記対向基板の第2配向膜上の少なくとも一方に、未硬化の硬化性樹脂からなる未硬化反応性配向層を形成する方法について説明する。
次に本工程において、上記スペーサー側基板の第1配向膜上または上記対向基板の第2配向膜上の少なくとも一方に、未硬化の硬化性樹脂からなる未硬化反応性配向層を形成する方法について説明する。
本工程において、未硬化反応性液晶層を形成する方法としては、未硬化の硬化性樹脂を含む反応性配向層形成用塗工液を塗布し、配向処理を行う方法と、未硬化の硬化性樹脂を含むドライフィルム等を予め形成し、これを積層する方法とを挙げることができるが、本発明においては、未硬化の硬化性樹脂を含む反応性配向層形成用塗工液を塗布し、配向処理を行う方法が好ましい。このような方法によれば未硬化反応性配向層工程を簡略化することが可能である利点を有するからである。
上記反応性配向層用塗工液に用いる溶媒としては、上記硬化性樹脂等を溶解することができ、かつ第1配向膜または第2配向膜の配向能を阻害しないものであれば特に限定はされない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素類;メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン等のケトン類;酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、グリセリン、モノアセチン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類;フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセロソルブ類等の1種または2種以上が使用可能である。
また、単一種の溶媒を使用しただけでは、上記硬化性樹脂等の溶解性が不十分であったり、上述したように第1配向膜が侵食されたりする場合がある。しかしながら、2種以上の溶媒を混合使用することにより、この不都合を回避することができる。上記の溶媒のなかにあって、単独溶媒として好ましいものは、炭化水素類とグリコールモノエーテルアセテート系溶媒であり、混合溶媒として好ましいのは、エーテル類またはケトン類と、グリコール系溶媒との混合系である。反応性配向層用塗工液の濃度は、硬化性樹脂の溶解性や、形成しようとする反応性配向層の厚みに依存するため一概には規定できないが、通常は0.1質量%〜40質量%、好ましくは1質量%〜20質量%の範囲で調整される。反応性配向層用塗工液の濃度が上記範囲より低いと、例えば、上記硬化性樹脂として反応性液晶を用いた場合に、反応性液晶が配向しにくくなる可能性があり、逆に反応性配向層用塗工液の濃度が上記範囲より高いと、反応性配向層用塗工液の粘度が高くなるので均一な塗膜を形成しにくくなる場合があるからである。
さらに、上記反応性配向層用塗工液には、本発明の目的を損なわない範囲内で、下記に示すような化合物を添加することができる。添加できる化合物としては、例えば、多価アルコールと1塩基酸または多塩基酸を縮合して得られるポリエステルプレポリマーに、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオール基と2個のイソシアネート基を持つ化合物を互いに反応させた後、その反応生成物に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエーテル、脂肪族または脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等の光重合性化合物;アクリル基やメタクリル基を有する光重合性の液晶性化合物等が挙げられる。上記反応性液晶に対するこれら化合物の添加量は、本発明の目的が損なわれない範囲で選択される。これらの化合物の添加により、硬化性樹脂の硬化性が向上し、得られる反応性配向層の機械強度が増大し、またその安定性が改善される。
このような反応性配向層用塗工液を塗布する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、ディップコート法、カーテンコート法(ダイコート法)、キャスティング法、バーコート法、ブレードコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、リバースコート法、押し出しコート法等が挙げられる。
また、上記反応性配向層用塗工液を塗布した後は、溶媒を除去するのであるが、この溶媒の除去は、例えば、減圧除去もしくは加熱除去、さらにはこれらを組み合わせる方法等により行われる。
塗布された硬化性樹脂は、配向処理を行うことにより液晶層中の液晶物質に対する配向能を発現する。このような配向処理はラビング処理、電場の付与、磁場の付与、および光照射による方法等を挙げることができる。
上記硬化性樹脂として反応性液晶を用いる場合は、塗布された反応性液晶を、第1配向膜の作用により配向させて液晶規則性を有する状態とする。これは、通常N−I転移点以下で熱処理する方法等の方法により行われる。ここで、N−I転移点とは、液晶相から等方相へ転移する温度を示すものである。
上記未硬化反応性配向層の厚みは、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3nm〜100nmの範囲内である。未硬化反応性配向層が上記範囲を超えて厚くなると平面性に優れた未硬化反応性配向層を形成することが困難となる可能性あるからである。また、上記範囲よりも薄いと液晶表示素子を形成した際に、上記スペーサー側基板と上記対向基板との接着力が低くなってしまう場合があるからである。
なお、本工程に用いられる硬化性樹脂およびその他の点については、上記「A.液晶表示素子 1.反応性配向層」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.液晶表示素子用基板対形成工程
次に、本発明における液晶表示素子用基板対形成工程について説明する。本発明における液晶表示素子用基板対形成工程は、上記スペーサー側基板または上記対向基板の少なくとも一方に形成された未硬化反応性配向層を介して上記第1配向膜と上記第2配向膜とが向かい合うように上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接触させた後、上記硬化性樹脂を硬化することにより、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着させて液晶表示素子用基板対を形成する工程である。
次に、本発明における液晶表示素子用基板対形成工程について説明する。本発明における液晶表示素子用基板対形成工程は、上記スペーサー側基板または上記対向基板の少なくとも一方に形成された未硬化反応性配向層を介して上記第1配向膜と上記第2配向膜とが向かい合うように上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接触させた後、上記硬化性樹脂を硬化することにより、上記スペーサー側基板と上記対向基板とを接着させて液晶表示素子用基板対を形成する工程である。
本工程において、上記未硬化反応性配向層に含まれる硬化性樹脂を硬化する方法は、硬化性樹脂の性質に応じて決定すればよい。したがって、例えば上記硬化性樹脂として紫外線硬化樹脂を用いる場合は、上記硬化性樹脂を硬化できる波長の紫外線を照射することにより、上記硬化性樹脂を硬化することができる。また、上記硬化性樹脂として反応性液晶を用いる場合、このような硬化処理は、反応性液晶が液晶相となる温度条件で行ってもよく、また液晶相となる温度より低い温度で行ってもよい。一旦液晶相となった重合性液晶材料は、その後温度を低下させても、配向状態が急に乱れることはないからである。
また本工程においては、上述した硬化性樹脂を硬化して反応性配向層を形成する際に、上記スペーサー側基板および上記対向基板の少なくとも一方に形成された未硬化の樹脂からなるシール剤を同時に硬化させて、上記スペーサー側基板と上記対向基板との間にシール剤を形成しても良い。このように硬化処理により上記反応性配向層と上記シール剤を同時に形成することにより、本発明の製造方法を簡略化することができる。
3.液晶層形成工程
次に、本発明における液晶層形成工程について説明する。液晶層形成工程は上記液晶表示素子用基板対形成工程により形成された液晶表示素子用基板対のスペーサー側基板と対向基板との間に、液晶物質からなる液晶層を形成する工程である。
次に、本発明における液晶層形成工程について説明する。液晶層形成工程は上記液晶表示素子用基板対形成工程により形成された液晶表示素子用基板対のスペーサー側基板と対向基板との間に、液晶物質からなる液晶層を形成する工程である。
本工程においては、上記液晶表示素子用基板対形成工程により形成された液晶表示素子用基板対のスペーサー側基板と対向基板との間に、液晶物質を注入した後、上記液晶物質を配向させることにより液晶層を形成することができる。本工程における液晶物質の注入方法としては、特に限定されるものではなく、一般に液晶セルの作製方法として用いられる方法を使用することができる。例えば、液晶物質を加温することにより等方性液体とした後にキャピラリー効果を利用して注入し、接着剤で封鎖する方法を用いることができる。注入された液晶物質は徐冷することにより、配向させることができる。
なお、上記液晶層形成用組成物に用いられる液晶物質およびその他の点については、上記「A.液晶表示素子 5.その他」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.その他
本発明に係る液晶表示素子の製造方法により得られる液晶表示素子の駆動方法および用途については、上記「A.液晶表示素子」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明に係る液晶表示素子の製造方法により得られる液晶表示素子の駆動方法および用途については、上記「A.液晶表示素子」の項に記載したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
1.実施例1
2枚の表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、感光性樹脂材料(JSR(株)製 NN780)をスピンコート法(2000rpm、10秒間)により塗布し、真空乾燥を行い、ホットプレートで90℃、3分間乾燥を行なった。その後、フォトリソグラフィー法により幅10μm、ピッチ1mmのストライプ状にパターニングし、230℃で30分間焼成した。これにより一方の基板に高さ1.5μmのスペーサーをガラス基板のITO薄膜上に形成した。
2枚の表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、感光性樹脂材料(JSR(株)製 NN780)をスピンコート法(2000rpm、10秒間)により塗布し、真空乾燥を行い、ホットプレートで90℃、3分間乾燥を行なった。その後、フォトリソグラフィー法により幅10μm、ピッチ1mmのストライプ状にパターニングし、230℃で30分間焼成した。これにより一方の基板に高さ1.5μmのスペーサーをガラス基板のITO薄膜上に形成した。
次に、上記基板に下記式で表される化合物Iをシクロペンタノンに溶解(2質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により塗布し、ホットプレートで130℃、10分間乾燥を行なった。その後、偏光紫外線光で100mJ露光して光配向処理を施し、スペーサー側基板と、対向基板とを作製した。
上記対向基板の第2配向膜上に下記式で表される化合物IIをシクロペンタノンに溶解(5質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により積層し、ホットプレートで55℃で3分間乾燥させた後、片方の基板にUV硬化シール材(LCB610:EHC社)をシールディスペンサーで塗布した。
上記対向基板の第2配向膜上に下記式で表される化合物IIをシクロペンタノンに溶解(5質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により積層し、ホットプレートで55℃で3分間乾燥させた後、片方の基板にUV硬化シール材(LCB610:EHC社)をシールディスペンサーで塗布した。
次に、上記基板を偏光UV照射方向と平行に組み立て、圧力をかけながら無偏光紫外線を25℃で1000mJ/cm2露光した。液晶は「R2301」(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用い、注入口上部に液晶を付着し、オーブンを用いて、ネマチック相−等方相転移温度より10℃〜20℃高い温度で注入を行いゆっくりと常温に戻した。
このようにして作製した液晶表示素子を偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れはみられなかった。
2.比較例
2枚の表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、感光性樹脂材料(JSR(株)製 NN780)をスピンコート法(2000rpm、10秒間)により塗布し、真空乾燥を行い、ホットプレートで90℃、3分間乾燥を行なった。その後、フォトリソグラフィー法により幅10μm、ピッチ1mmのストライプ状にパターニングし、230℃で30分間焼成した。これにより一方の基板に高さ1.5μmのスペーサーをガラス基板のITO薄膜上に形成した。
2枚の表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、感光性樹脂材料(JSR(株)製 NN780)をスピンコート法(2000rpm、10秒間)により塗布し、真空乾燥を行い、ホットプレートで90℃、3分間乾燥を行なった。その後、フォトリソグラフィー法により幅10μm、ピッチ1mmのストライプ状にパターニングし、230℃で30分間焼成した。これにより一方の基板に高さ1.5μmのスペーサーをガラス基板のITO薄膜上に形成した。
次に、上記基板に上記式で表される化合物Iをシクロペンタノンに溶解(2質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により塗布し、ホットプレートで130℃、10分間乾燥を行なった。その後、偏光紫外線光で100mJ露光して光配向処理を施し、スペーサー側基板と対向基板とを形成した。
次に、片方の基板にUV硬化シール材(LCB610:EHC社)をシールディスペンサーで塗布した。基板を偏光UV照射方向と平行の状態に組み立て、圧力をかけながら無偏光紫外線を55℃で1000mJ/cm2露光した。液晶は「R2301」(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用い、注入口上部に液晶を付着し、オーブンを用いて、ネマチック相−等方相転移温度より10℃〜20℃高い温度で注入を行いゆっくりと常温に戻した。
このようにして作製した液晶表示素子を偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化が現れ、液晶配向の秩序の破壊が起こった。
3.実施例2
2枚の表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、感光性樹脂材料(JSR(株)製 NN780)をスピンコート法(2000rpm、10秒間)により塗布し、真空乾燥を行い、ホットプレートで90℃、3分間乾燥を行なった。その後、フォトリソグラフィー法により幅10μm、ピッチ1mmのストライプ状にパターニングし、230℃で30分間焼成した。これにより一方の基板に高さ1.5μmのスペーサーをガラス基板のITO薄膜上に形成した。
2枚の表面に酸化インジウムスズ(ITO)薄膜を形成したガラス基板(100mm×100mm×0.7mm)のITO薄膜上に、感光性樹脂材料(JSR(株)製 NN780)をスピンコート法(2000rpm、10秒間)により塗布し、真空乾燥を行い、ホットプレートで90℃、3分間乾燥を行なった。その後、フォトリソグラフィー法により幅10μm、ピッチ1mmのストライプ状にパターニングし、230℃で30分間焼成した。これにより一方の基板に高さ1.5μmのスペーサーをガラス基板のITO薄膜上に形成した。
次に、上記基板に上記式で表される化合物Iをシクロペンタノンに溶解(2質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により塗布し、ホットプレートで130℃、10分間乾燥を行なった。その後、偏光紫外線光で100mJ露光して光配向処理を施し、スペーサー側基板と、対向基板とを形成した。
第二配向膜上に上記式で表される化合物IIIをシクロペンタノンに溶解(5質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により積層し、ホットプレートで55℃で3分間乾燥させた後、片方の基板にUV硬化シール材(LCB610:EHC社)をシールディスペンサーで塗布した。
第二配向膜上に上記式で表される化合物IIIをシクロペンタノンに溶解(5質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により積層し、ホットプレートで55℃で3分間乾燥させた後、片方の基板にUV硬化シール材(LCB610:EHC社)をシールディスペンサーで塗布した。
次に、基板を偏光UV照射方向と平行に組み立て、圧力をかけながら無偏光紫外線を55℃で1000mJ/cm2露光した。液晶は「R2301」(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用い、注入口上部に液晶を付着し、オーブンを用いて、ネマチック相−等方相転移温度より10℃〜20℃高い温度で注入を行いゆっくりと常温に戻した。
このようにして作製した液晶表示素子を偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れはみられなかった。
3.実施例3
上記化合物IIをアデカキラコールPLC−7209(旭電化工業社製)に変更したこと以外は、上記実施例1と同様の方法により液晶表示素子を作製した。
この液晶表示素子を偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れはみられなかった。
上記化合物IIをアデカキラコールPLC−7209(旭電化工業社製)に変更したこと以外は、上記実施例1と同様の方法により液晶表示素子を作製した。
この液晶表示素子を偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れはみられなかった。
4.実施例4
上記化合物IIをアデカキラコールPLC−7183(旭電化工業社製)に変更したこと以外は、上記実施例1と同様の方法により液晶表示素子を作製した。
この液晶表示素子を偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れはみられなかった。
上記化合物IIをアデカキラコールPLC−7183(旭電化工業社製)に変更したこと以外は、上記実施例1と同様の方法により液晶表示素子を作製した。
この液晶表示素子を偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れはみられなかった。
5.実施例5
上記実施例1と同様の方法により、スペーサー側基板と、対向基板とを形成した。次に、上記スペーサー側基板の第1配向膜上にアデカキラコールPLC−7209(旭電化工業社製)をシクロペンタノンに溶解(5質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により積層し、ホットプレートで55℃、3分間乾燥させた。一方、上記対向基板の第2配向膜上にアデカキラコールPLC−7183(旭電化工業社製)をシクロペンタノンに溶解(5質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により積層し、ホットプレートで55℃、3分間乾燥させた。
上記スペーサー側基板または上記対向基板のうち、片方の基板にUV硬化シール材(LCB610:EHC社)をシールディスペンサーで塗布した。基板を偏光UV照射方向と平行に組み立て、圧力をかけながら無偏光紫外線を55℃で1000mJ/cm2露光した。液晶は「R2301」(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用い、注入口上部に液晶を付着し、オーブンを用いて、ネマチック相−等方相転移温度より10℃〜20℃高い温度で注入を行いゆっくりと常温に戻した。
この液晶パネルを偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れはみられなかった。
上記実施例1と同様の方法により、スペーサー側基板と、対向基板とを形成した。次に、上記スペーサー側基板の第1配向膜上にアデカキラコールPLC−7209(旭電化工業社製)をシクロペンタノンに溶解(5質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により積層し、ホットプレートで55℃、3分間乾燥させた。一方、上記対向基板の第2配向膜上にアデカキラコールPLC−7183(旭電化工業社製)をシクロペンタノンに溶解(5質量%)した溶液をスピンコート法(1500rpm、15秒間)により積層し、ホットプレートで55℃、3分間乾燥させた。
上記スペーサー側基板または上記対向基板のうち、片方の基板にUV硬化シール材(LCB610:EHC社)をシールディスペンサーで塗布した。基板を偏光UV照射方向と平行に組み立て、圧力をかけながら無偏光紫外線を55℃で1000mJ/cm2露光した。液晶は「R2301」(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を用い、注入口上部に液晶を付着し、オーブンを用いて、ネマチック相−等方相転移温度より10℃〜20℃高い温度で注入を行いゆっくりと常温に戻した。
この液晶パネルを偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れはみられなかった。
1a … 第1基板
1b … 第2基板
2a … 第1電極
2b … 第2電極
3a … 第1配向膜
3b … 第2配向膜
4 … スペーサー
5 … 反応性配向層
5´ … 未硬化反応性配向層
6 … 液晶層
7 … シール剤
8a、8b … 偏光板
10 … 液晶表示素子
11 … スペーサー側基板
12 … 対向基板
1b … 第2基板
2a … 第1電極
2b … 第2電極
3a … 第1配向膜
3b … 第2配向膜
4 … スペーサー
5 … 反応性配向層
5´ … 未硬化反応性配向層
6 … 液晶層
7 … シール剤
8a、8b … 偏光板
10 … 液晶表示素子
11 … スペーサー側基板
12 … 対向基板
Claims (12)
- 第1基板と、前記第1基板上に形成された第1電極と、前記第1電極上に形成されたスペーサーと、前記第1電極および前記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、前記第2基板上に形成された第2電極と、前記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を、前記第1配向膜と、前記第2配向膜とが向かい合うように配置し、前記スペーサー側基板および前記対向基板間に液晶物質からなる液晶層を挟持してなる液晶表示素子であって、
前記第1配向膜上または前記第2配向膜上の少なくとも一方に、硬化性樹脂からなる反応性配向層が形成されており、かつ、前記スペーサー側基板と前記対向基板とが、前記反応性配向層を介して接着されていることを特徴とする液晶表示素子。 - 前記硬化性樹脂が、反応性液晶を固定化してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
- 前記反応性液晶が、ネマチック相を発現するものであることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
- 前記反応性液晶が、重合性液晶モノマーを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液晶表示素子。
- 前記重合性液晶モノマーが、モノアクリレートモノマーまたはジアクリレートモノマーであることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示素子。
- 前記第1配向膜および前記第2配向膜が、光配向膜であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の液晶表示素子。
- 前記光配向膜の構成材料が、光反応を生じることにより前記光配向膜に異方性を付与する光反応型の材料、または光異性化反応を生じることにより前記光配向膜に異方性を付与する光異性化反応性化合物を含む光異性化型の材料であることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示素子。
- 前記スペーサー側基板と前記対向基板との間に、紫外線硬化性樹脂からなるシール剤を有することを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の液晶表示素子。
- 薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリックス方式により駆動させることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかの請求項に記載の液晶表示素子。
- 第1基板と、前記第1基板上に形成された第1電極と、前記第1電極上に形成されたスペーサーと、前記第1電極および前記スペーサー上に形成された第1配向膜とを有するスペーサー側基板、および、第2基板と、前記第2基板上に形成された第2電極と、前記第2電極上に形成された第2配向膜とを有する対向基板を用いる液晶表示素子の製造方法であって、
前記第1配向膜上または前記第2配向膜上の少なくとも一方に未硬化の硬化性樹脂を含む未硬化反応性配向層を形成する未硬化反応性配向層形成工程と、
前記未硬化反応性配向層を介して前記第1配向膜と前記第2配向膜とが向かい合うように前記スペーサー側基板と前記対向基板とを接触させた後、前記硬化性樹脂を硬化することにより、前記スペーサー側基板と前記対向基板とを接着させて液晶表示素子用基板対を形成する液晶表示素子用基板対形成工程と、
前記液晶表示素子用基板対形成工程により形成された液晶表示素子用基板対のスペーサー側基板と対向基板との間に、液晶層を形成する液晶層形成工程と、からなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
Priority Applications (3)
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