JP2008257062A - 液晶表示素子用基板、液晶表示素子用tft基板、および、液晶表示素子。 - Google Patents

液晶表示素子用基板、液晶表示素子用tft基板、および、液晶表示素子。 Download PDF

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Masahito Okabe
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Abstract

【課題】本発明は、基板が均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることが可能な、液晶表示素子用基板および液晶表示素子用TFT基板を提供する。
【解決手段】本発明は、基板と、上記基板上に形成された共通電極と、上記共通電極上に形成された接着剤充填用隔壁部と、を有する液晶表示素子用基板であって、上記接着剤充填用隔壁部に、上記接着剤充填用隔壁部の内側に充填される接着剤量を調整する接着剤量調整用開口部が形成されていることを特徴とする液晶表示素子用基板を提供することにより上記課題を解決するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示素子に用いられる液晶表示素子用基板、液晶表示素子用TFT基板、および、これらを用いた液晶表示素子に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って液晶表示装置の需要が増加している。また、最近においては家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、益々液晶表示装置の市場は拡大する状況にある。さらに近年普及している液晶表示装置は大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。このような状況下、液晶表示装置についてはさらなる表示品質の向上や新しい機能性の付与、さらには生産性の向上を目的とした研究が急速に行われている。
現在、主流となっている液晶表示装置は、TFT電極および画素電極を有するTFT電極側基板およびカラーフィルター層が形成されたカラーフィルター側基板を用いてカラー表示を行うものであり、通常、上記TFT電極側基板と、上記カラーフィルター側基板との間に液晶材料が封入された構成を有している。そして、このような液晶表示装置は、上記液晶材料の配列形態により、TN、STN、MVA、IPSおよびOCB等の駆動方式によって複数の種類に分類される。なかでも今日においては、上記TN、STNおよびMVAの駆動方式を有するものが広く普及するに至っている。
また近年においては、優れた動画表示適性を備える液晶表示装置として強誘電性液晶を用いた液晶表示装置が着目されている。強誘電性液晶は、応答速度がμsオーダーと現在主流である液晶材料と比較して極めて速いことから、CRTやPDPに匹敵する動画表示適性を備える液晶表示装置が得られるものとして期待されている。
ここで、このような液晶表示装置は、上記TFT電極側基板と上記カラーフィルター側基板とが一定の間隔(セルギャップ)を維持するように接着されており、かつ、両基板の間において液晶材料が、上記セルギャップに応じた配列を形成していることにより、画像表示機能を発現しているものである。このため、上記セルギャップが変動すると上記液晶材料の配列が損なわれてしまい、その結果として液晶表示素子の画像表示機能が損なわれてしまうことになる。したがって、液晶表示装置においては、使用中に上記セルギャップが変動しないように、両基板を安定的に接着することが必須の課題となっている。特に、近年の液晶表示装置の大画面化に伴って上記セルギャップが変動しやすい状況になっているため、セルギャップに変動が生じない液晶表示素子を製造する方法の開発が望まれている。
また、このようなセルギャップ変動に関する課題は液晶表示装置の駆動方式に関わらず、すべての液晶表示装置において共通するものであるが、なかでも上記強誘電性液晶はセルギャップの変動によってその規則的な配列が損なわれやすいことから、特に上記課題を解決することが重要視されている。
このような中、上記両基板間の接着力を高める方法として、特許文献1には上記セルギャップを制御するために用いられるスペーサービーズに樹脂をコーティングし、当該スペーサービーズを介して上記両基板を接着する方法が開示されている。しかしながら、このような方法では、両基板と上記スペーサービーズとの接触面積が少ないことから、大画面の液晶表示装置においては、接着力が不足してしまうという問題点がある。
また、特許文献2には、上記セルギャップを制御するために用いられるスペーサーとして熱可塑性樹脂からなるものを用い、上記スペーサーを介して上記両基板を接着する方法が開示されている。しかしながら、このような方法を用いても、大画面の液晶表示素子においては、なお基板間の接着力は不十分であった。また、このような方法を用いると上記両基板を貼り合わせる際に上記スペーサーが軟化してしまうため、セルギャップが均一となるように接着することが困難であるという問題点があった。
このようなことから、従来、両基板が一定の間隔を維持して強固に接着された液晶表示装置を得ることが困難であった。
特開平9−235527号公報 特開平8−110524号公報
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、基板が所定の均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることが可能な、液晶表示素子用基板および液晶表示素子用TFT基板を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、基板と、上記基板上に形成された共通電極と、上記共通電極上に形成された接着剤充填用隔壁部と、を有する液晶表示素子用基板であって、上記接着剤充填用隔壁部に、上記接着剤充填用隔壁部の内側に充填される接着剤量を調整する接着剤量調整用開口部が形成されていることを特徴とする液晶表示素子用基板を提供する。
本発明の液晶表示素子用基板は、上記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤を充填して用いることにより、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した際に、対向する基板と強固に接着することができる。このため、本発明の液晶表示素子用基板を用いることにより、基板が強固に接着された液晶表示素子を得ることができる。
また本発明によれば、上記接着剤充填用隔壁部に上記接着剤量調整用開口部が形成されていることにより、上記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤が過剰に充填されることに起因して、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作製される液晶表示素子のセルギャップが当初設計していた範囲よりも大きくなってしまったり、または、不均一となってしまうことを防止できる。このため、本発明の液晶表示素子用基板を用いることにより、所定の均一なセルギャップを有する液晶表示素子を得ることができる。
このようなことから本発明によれば、基板が均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることが可能な液晶表示素子用基板を得ることができる。
本発明の液晶表示素子用基板は、上記基板と、上記共通電極との間に複数の着色層を有するカラーフィルター層が形成されており、上記接着剤充填用隔壁部が上記共通電極上であって、かつ、上記着色層が形成されていない領域上に形成されているものであってもよい。このようなカラーフィルター層が形成されていることにより、本発明の液晶表示素子用基板をカラーフィルター方式によってカラー表示が行われる液晶表示素子に好適に用いられるものにできるからである。
また本発明の液晶表示素子用基板は、上記接着剤充填用隔壁部および上記共通電極上に、液晶材料に対して配向規制力を有する配向層が形成されているものであってもよい。このような配向層が形成されていることにより、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、液晶表示素子の製造工程を簡略化することができるからである。
また本発明は、上記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤が充填された上記本発明に係る液晶表示素子用基板、および、基板と、上記基板上に形成され、複数のTFT電極および上記TFT電極に接続された画素電極を有するTFT電極層と、上記TFT電極層上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を有する対向配向層と、を有するTFT電極側基板が、上記配向層と上記対向配向層とが対向するように上記接着剤を介して接着されており、かつ、上記液晶表示素子用基板および上記TFT電極側基板の間に液晶材料を含有する液晶層が形成されていることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
本発明によれば、上記本発明に係る液晶表示素子用基板が用いられ、上記接着剤充填用隔壁部の内側に充填された接着剤を介して上記TFT電極側基板と、上記液晶表示素子用基板とが接着された構成を有することにより、基板が均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることができる。
本発明においては、上記液晶材料が強誘電性液晶であってもよい。本発明の液晶表示素子は、上記液晶表示素子用基板と上記TFT電極側基板とが所定の均一なセルギャップで強固に接着されたものとなるため、セルギャップの変動により配列状態が損なわれやすい強誘電性液晶であっても好適に用いることができるからである。
また上記課題を解決するために本発明は、基板と、上記基板上に形成され、複数のTFT電極および上記TFT電極に接続された画素電極を有するTFT電極層と、上記TFT電極層の非画素領域上に形成された接着剤充填用隔壁部とを有する、液晶表示素子用TFT基板であって、上記接着剤充填用隔壁部に、上記接着剤充填用隔壁部の内側に充填される接着剤量を調整する接着剤量調整用開口部が形成されていることを特徴とする液晶表示素子用TFT基板を提供する。
本発明の液晶表示素子用TFT基板は、上記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤を充填して用いることにより、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、対向する基板と強固に接着することができる。このため、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いることにより、基板が強固に接着された液晶表示素子を得ることができる。
また本発明によれば、上記接着剤充填用隔壁部に上記接着剤量調整用開口部が形成されていることにより、上記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤が過剰に充填されることに起因して、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いて作製される液晶表示素子のセルギャップが当初設計した範囲よりも大きくなったり、または、不均一となってしまうことを防止できる。このため、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いることにより、所定の均一なセルギャップを有する液晶表示素子を得ることができる。
このようなことから本発明によれば、基板が均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることが可能な液晶表示素子用TFT基板を得ることができる。
本発明の液晶表示素子用TFT基板は、上記TFT電極層および上記接着剤充填用隔壁部上に、液晶材料に対して配向規制力を有する配向層が形成されているものであってもよい。このような配向層が形成されていることにより、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、液晶表示素子の製造工程を簡略化することができるからである。
また本発明は、上記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤が充填された上記本発明に係る液晶表示素子用TFT基板、および、基板と、上記基板上に形成された共通電極と、上記共通電極上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を有する対向配向層と、を有する対向基板が、上記配向層と上記対向配向層とが対向するように上記接着剤を介して接着されており、かつ、上記液晶表示素子用TFT基板および上記対向基板の間に液晶材料を含有する液晶層が形成されていることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
本発明によれば、上記本発明に係る液晶表示素子用TFT基板が用いられ、上記接着剤充填用隔壁部の内側に充填された接着剤を介して上記対向基板と、上記液晶表示素子用TFT基板とが接着された構成を有することにより、基板が均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることができる。
本発明においては、上記液晶材料が強誘電性液晶であってもよい。本発明の液晶表示素子は、上記液晶表示素子用TFT基板と上記対向基板とが所定の均一なセルギャップで強固に接着されたものとなるため、セルギャップの変動により配列状態が損なわれやすい強誘電性液晶であっても好適に用いることができるからである。
本発明は、基板が均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の液晶表示素子用基板、液晶表示素子用TFT基板および液晶表示素子について順に説明する。
A.液晶表示素子用基板
まず、本発明の液晶表示素子用基板について説明する。本発明の液晶表示素子用基板は、基板と、上記基板上に形成された共通電極と、上記共通電極上に形成された接着剤充填用隔壁部とを有するものであって、上記接着剤充填用隔壁部に、上記接着剤充填用隔壁部の内側に充填される接着剤量を調整する接着剤量調整用開口部が形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明の液晶表示素子用基板について図を参照しながら説明する。図1は本発明の液晶表示素子用基板の一例を示す概略図である。ここで、図1(a)は、本発明の液晶表示素子用基板の一例を示す概略図あり、図1(b)は、上記図1(a)におけるX−X’線矢視断面図である。
図1に例示するように、本発明の液晶表示素子用基板10は、基板1と、上記基板1上に形成された共通電極2と、上記共通電極2上に形成された接着剤充填用隔壁部3とを有するものである(図1(b))。
このような例において、本発明の液晶表示素子用基板10は、上記接着剤充填用隔壁部3に、上記接着剤充填用隔壁部3の内側に充填される接着剤量を調整する接着剤量調整用開口部4が形成されていることを特徴とするものである(図1(a))。
本発明の液晶表示素子用基板は、上記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤を充填して用いることにより、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した際に、対向する基板と強固に接着することができる。このため、本発明の液晶表示素子用基板を用いることにより、基板が強固に接着された液晶表示素子を得ることができる。
また本発明によれば、上記接着剤充填用隔壁部に上記接着剤量調整用開口部が形成されていることにより、上記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤が過剰に充填されることに起因して、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作製される液晶表示素子のセルギャップが当初設計していた範囲よりも大きくなってしまったり、または、不均一となってしまうことを防止できる。このため、本発明の液晶表示素子用基板を用いることにより、所定の均一なセルギャップを有する液晶表示素子を得ることができる。
このようなことから本発明によれば、基板が所定の均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることが可能な液晶表示素子用基板を得ることができる。
また、本発明の液晶表示素子用基板は、上記接着剤充填用隔壁部が形成されていることにより、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、接着剤が塗工される位置を確実に制御することができるため、例えば、上記接着剤が表示領域に付着することにより、上記液晶表示素子の表示品質が損なわれることを防止できるという利点も有する。
本発明の液晶表示素子用基板は、少なくとも基板、共通電極、および、接着剤充填用隔壁部を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明の液晶表示素子用基板に用いられる各構成について順に説明する。
1.接着剤充填用隔壁部
まず、本発明に用いられる接着剤充填用隔壁部について説明する。本発明に用いられる接着剤充填用隔壁部は後述する共通電極上に形成され、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する際に内側に接着剤が充填されるものであり、充填される接着剤量を調整する接着剤量調整用開口部が形成されていることを特徴とするものである。このような本発明に用いられる接着剤充填用隔壁部は、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、対向する基板を接着する接着剤を充填する機能と、対向する基板とのセルギャップを調整する機能とを有するものである。
以下、このような接着剤充填用隔壁部について詳細に説明する。
(1)接着剤量調整用開口部
まず、本発明に用いられる接着剤充填用隔壁部に形成される接着剤量調整用開口部について説明する。本発明に用いられる接着剤量調整用開口部は、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、接着剤が上記接着剤充填用隔壁部内に過剰に充填されることにより、セルギャップが当初設計した範囲よりも大きくなったり、または、不均一になることを防止する機能を有するものである。
ここで、上記接着剤量調整用開口部が、セルギャップが当初設計した範囲よりも大きくなったり、または、不均一になることを防止する機能を発現できる理由は次の通りである。
すなわち、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する場合、通常、上記接着剤充填用隔壁部内に接着剤を充填した後、上記接着剤を介して本発明の液晶表示素子用基板と対向基板とを接着する方法が用いられる。このとき、上記接着剤充填用隔壁部の高さが、上記液晶表示素子用基板と上記対向基板との間隔に相当することになるため、上記接着剤充填用隔壁部は対向基板とのセルギャップを調整する機能を有することになる。
ここで、上記接着剤充填用隔壁部内に接着剤が過剰に充填されると、上記接着剤充填用隔壁部の見かけ上の高さが高くなるため、この状態で上記液晶表示素子用基板と上記対向基板とが接着されると、セルギャップが当初設計していた範囲よりも大きくなってしまうことから、上記接着剤充填用隔壁部のセルギャップ調整機能が損なわれる結果となる。
しかしながら、上記接着剤充填用隔壁部に上記接着剤量調整用開口部が形成されていることにより、仮に上記接着剤充填用開口部内に接着剤が過剰に充填されたとしても、液晶表示素子用基板と対向基板とを接着する際に、過剰に充填された接着剤が上記接着剤量調整用開口部を通じて上記接着剤充填用隔壁部の外側へ押し出されるため、過剰に充填された接着剤により上記接着剤充填用隔壁部のセルギャップ調整機能が損なわれることを防止できる。
このようなことから、上記接着剤量調整用開口部は上記セルギャップが当初設計した範囲よりも大きくなったり、または、不均一になることを防止する機能を発現できるのである。
以下、本発明における接着剤量調整用開口部について詳細に説明する。
本発明に用いられる各接着剤充填用隔壁部に形成されている接着剤量調整用開口部の数としては、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、上記セルギャップ調整機能を損なわない程度に、接着剤を各接着剤充填用隔壁部の外側へ流出させることができる範囲内であれば特に限定されるものではない。したがって、各接着剤充填用隔壁部に形成されている接着剤量調製用開口部の数は1つであってもよく、または、複数であってもよい。
上記各接着剤充填用隔壁部において上記接着剤量調整用開口部が形成されている比率についても、上記セルギャップ調整機能を損なわない程度に接着剤を各接着剤充填用隔壁部の外側へ流出させることができる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明において、上記各接着剤充填用隔壁部に上記接着剤量調整用開口部が形成されている形成比率は、1%〜30%の範囲内であることが好ましく、特に3%〜25%の範囲内であることが好ましく、さらには5%〜20%の範囲内であることが好ましい。上記形成比率が上記範囲よりも小さいと、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を製造する際に、上記接着剤充填用隔壁部内に過剰に充填された接着剤を、上記接着剤充填用隔壁部の外側へ十分に流出させることができず、上記セルギャップ調整機能が損なわれる結果、作製される液晶表示素子のセルギャップが当初設計していた範囲よりも大きくなったり、または、不均一になってしまう恐れがあるからである。
また、上記形成比率が上記範囲よりも大きいと上記接着剤量調整用開口部から接着剤が流出されすぎてしまい、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した際に、対向する基板との接着性が低下してしまう可能性があるからである。
ここで、上記接着剤量調整用開口部の形成比率とは、本発明に用いられる接着剤充填用隔壁部の外周のうち、上記接着剤量調整用開口部が形成されている割合を意味するものである。このような形成比率について図を参照しながら説明する。図2は、本発明における上記接着剤量調整用開口部の形成比率を説明する概略図である。図2に例示するような本発明の液晶表示素子用基板10において、上記接着剤量調整用開口部4の形成比率は、接着剤充填用隔壁部3の外周の長さL(L=L1+L2+L3+L4)と、各接着剤量調整用開口部4の形成幅M(M=M1+M2)との比率((M/L)×100)で表される値を意味するものである。
また、本発明に用いられる各接着剤量調整用開口部の具体的な幅(図2においてM1,M2で示す距離)は、5μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、なかでも5μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。各接着剤量調整用開口部の幅が上記範囲よりも広いと、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、上記接着剤量調整用開口部から接着剤が流出されすぎてしまい、対向する基板との接着性が低下してしまう可能性があるからである。また、上記範囲よりも狭いと、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、上記接着剤充填用隔壁部内に過剰に充填された接着剤を、上記接着剤充填用隔壁部の外側へ十分に流出させることができず、作製される液晶表示素子のセルギャップが当初設計した範囲よりも大きくなったり、または、不均一になってしまう可能性があるからである。
また、上記接着剤量調整用開口部の深さについても、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を製造する際に、上記接着剤充填用隔壁部内に過剰に充填された接着剤を、上記接着剤充填用隔壁部の外側へ十分に流出させることができる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明における上記接着剤量調整用開口部の深さは、接着剤量調整用開口部が形成されていない部位の接着剤充填用隔壁部の高さの50%〜100%の範囲内であることが好ましく、なかでも80%〜100%の範囲内であることが好ましい。
本発明における接着剤充填用隔壁部において、上記接着剤量調整用開口部が形成される方向としては、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する際において、上記接着剤充填用隔壁部内に過剰に充填された接着剤が、上記接着剤充填用隔壁部の外側へ流出された場合に、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作製される液晶表示素子の表示品質を損なわない方向であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては液晶表示素子を作製した際に、非画素領域に接着剤が流出される方向に形成されることが好ましい。
ここで、上記「非画素領域」とは、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した場合に、画像表示に寄与しない領域を意味するものである。例えば、本発明の液晶表示素子用基板と、TFT電極および画素電極を有するTFT電極側基板と対向配置して液晶表示素子を作製する場合においては、上記TFT電極が形成されている領域、上記画素電極の境界領域が上記「非画素領域」となる。
また、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作製される液晶表示素子が、蓄積容量を有するものとなる場合、上記蓄積容量が形成された領域も上記「非画素領域」となる。
(2)接着剤充填用隔壁部
本発明において接着剤充填用隔壁部が形成される位置としては、後述する共通電極上であって、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した際に、上記非画素領域に相当する位置であれば特に限定されるものではない。
また、本発明の液晶表示素子用基板において、単位面積当たりに形成されている接着剤充填用隔壁部の数としては、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作製する液晶表示素子の種類および画面サイズ等に応じて、対向配置される基板との接着力を所望の範囲内にできる範囲であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、1mm当たりに形成されている接着剤充填用隔壁部の数が、1個以上であることが好ましく、なかでも1個〜100個の範囲内であることが好ましく、特に3個〜50個の範囲内であることが好ましい。接着剤充填用隔壁部の形成数が上記範囲内であることにより、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、対向配置される基板との接着力をより強固にすることができるため、例えば、本発明の液晶表示素子用基板を用いて強誘電性液晶を用いた液晶表示素子を作製した場合であっても、セルギャップの変動に起因して強誘電性液晶の配列性が損なわれてしまうことを防止できるからである。
なお、本発明においては、通常、複数の接着剤充填用隔壁部が等間隔に配置される。
また、本発明に用いられる接着剤充填用隔壁部の上記接着剤量調整用開口部が形成されていない部位の高さとしては、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した際に、セルギャップを所定の範囲内に調整できる範囲であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては1.0μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特に1.3μm〜8μmの範囲内であることが好ましく、さらには1.5μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記接着剤充填用隔壁部の上記接着剤量調整用開口部が形成されていない部位の高さは、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作製する液晶表示素子のセルギャップに相当するものとなる。
本発明に用いられる接着剤充填用隔壁部を形成する材料としては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のモノマー、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシ、ビニルエーテル、ポリエン・チオール系等のオリゴマー、光二量化反応を起こすポリビニル桂皮酸系樹脂等の光架橋型ポリマー等を例示することができる。
2.共通電極
次に、本発明に用いられる共通電極について説明する。本発明に用いられる共通電極は、後述する基板上に形成されたものであり、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した際に、液晶材料を駆動する電極として機能するものである。
本発明に用いられる共通電極としては、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した際に、液晶材料を駆動する電極として機能するものであれば特に限定されるものではない。このような共通電極としては、一般的に液晶表示装置用の共通電極として用いられているものを特に制約なく用いることができる。なかでも本発明においては、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)からなる共通電極が好適に用いられる。
3.基板
次に、本発明に用いられる基板について説明する。本発明に用いられる基板は上記共通電極および上記接着剤充填用隔壁部を支持するものである。
以下、このような基板について詳細に説明する。
本発明の液晶表示素子用基板は、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した際に、画像観察面側に配置されるものである。このため、本発明に用いられる基板には、通常、透明性を有することが求められることになる。なかでも本発明に用いられる基板は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が上記範囲であることにより、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した際に、液晶表示素子の表示輝度が低下すること等を防止することができるからである。
ここで、透明基板の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
本発明に用いられる基板としては、例えば、ガラス基板および樹脂製フィルム基材等、
一般的に液晶表示装置用の基板として用いられている基板を、特に制約なく用いることができる。
ここで、上記樹脂製フィルム基材としては、例えば、ポリエチレンレテフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)等の熱可塑性プラスチックフィルム、エポキシ樹脂等の架橋性樹脂、有機‐無機複合材料、ポリイミド(PI)、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリルニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、三酢酸セルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等からなるフィルムを挙げることができる。
また、本発明に用いられる基板の構成は、単一の層からなる構成であってもよく、または、複数の層が積層された構成であってもよい。
さらに、複数の層が積層された構成を有する場合においては、同一組成の層が積層された構成であってもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層された構成であってもよい。
本発明に用いられる基板の厚みは、通常、0.05mm〜4mmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.1mm〜3mmの範囲内であることが好ましく、特に0.5mm〜2mmの範囲内であることが好ましい。
なお、本発明に用いられる基板が複数の層が積層された構成を有するものである場合、上記厚みは各層の厚みを合計した基板全体としての厚みを指すものとする。
また、本発明に用いられる基板は、表面粗さ(RSM値)が、10nm以下であることが好ましく、なかでも3nm以下であるが好ましく、特に1nm以下であることが好ましい。
ここで、上記表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM:ATOMIC FORCE MICROSCOPE)により測定することができる。
4.その他の構成
本発明の液晶表示素子用基板は、上記接着剤充填用隔壁部、共通電極および基板以外に他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作製する液晶表示素子の種類等に応じて任意の機能を備える構成を用いることができる。
なかでも本発明に好適に用いられる上記他の構成としては、上記基板と上記共通電極との間に形成され、複数の着色層を有するカラーフィルター層、上記接着剤充填用隔壁部および上記共通電極上に形成され、液晶材料に対して配向規制力を有する配向層、および、上記共通電極上に形成され、上記接着剤充填用隔壁部のセルギャップ調整機能を補助するスペーサー部を挙げることができる。
以下、このようなカラーフィルター層、配向層、および、スペーサー部について順に説明する。
(1)カラーフィルター層
まず、本発明に用いられるカラーフィルター層について説明する。本発明に用いられるカラーフィルター層は、上記基板と上記共通電極との間に形成され、複数の着色層を有するものである。このようなカラーフィルター層が用いられることにより、本発明の液晶表示素子用基板をカラーフィルター方式によりカラー表示が行われる液晶表示素子に好適に用いられるものにできる。
本発明の液晶表示素子用基板が上記カラーフィルター層を有する態様について図を参照しながら説明する。図3は、本発明の液晶表示素子用基板が上記カラーフィルター層を有する場合の一例を示す概略図である。図3に例示するように、本発明の液晶表示素子用基板10’は、基板1と共通電極2との間に、複数の着色層5a(5a’,5a’’,5a’’’)を有するカラーフィルター層5が形成されていてもよい。
なお、図3に例示するように、本発明の液晶表示素子用基板10’がカラーフィルター層5を有するものである場合、通常、接着剤充填用隔壁部3は上記着色層5a’,5a’’,5a’’’の境界上に形成されることになる。
また、図3に例示するように、本発明に用いられるカラーフィルター層5は、上記着色層5aを覆うようにオーバーコート層5bが形成されているものであってもよい。
以下、このようなカラーフィルター層について詳細に説明する。
a.着色層
本発明に用いられるカラーフィルター層に含有される複数の着色層としては、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した際に所望の色を発色できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置用のカラーフィルターに用いられている各色の着色層を用いることができる。本発明においては、通常、R、G、Bの3色からなる複数の着色層が用いられる。
また、本発明に用いられる複数の着色層は、通常、複数色が規則的に配置されるようにパターン状に形成されるが、本発明に採用されるパターンとしては特に限定されるものではなく、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作製する液晶表示素子の種類等に応じて適宜選択することができる。このようなパターンとしては、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型および4画素配置型等を挙げることができる。このとき個々の着色層の面積および厚みは、本発明の液晶表示素子用基板を用いて製造する液晶表示素子の解像度等に応じて適宜調整することになる。
上記着色層の構成成分としては、各着色層に所望の発色性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような着色層を構成する材料としては、一般的なカラーフィルターの着色層に用いられるもの同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
b.カラーフィルター層
本発明に用いられるカラーフィルター層は、少なくとも上述した着色層を有するものであるが、必要に応じて上記着色層以外の他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作製する液晶表示素子の種類等に応じて任意の機能を備えるものを用いることができる。なかでも本発明においては、このような他の構成として上述した着色層の境界に形成された遮光部を有することが好ましい。このような遮光部が形成されていることにより、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作製した液晶表示素子において、TFT電極の誤動作等に起因する光漏れが視認されることを防止できるからである。
本発明に用いられるカラーフィルター層がこのような遮光部を有する態様について図を参照しながら説明する。図4は、本発明に用いられるカラーフィルター層が上記遮光部を有する態様の一例を示す概略図である。図4に例示するように、本発明に用いられるカラーフィルター層5’は、着色層5aの境界に遮光部5cが形成されているものであることが好ましい。
本発明に用いられる遮光部としては、所望の遮光性を有する材料からなるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置用のカラーフィルターの遮光部に用いられる材料からなるものを用いることができる。このような材料としては、例えば、遮光材料および樹脂からなる材料やクロム等の金属材料を挙げることができる。
また、本発明に用いられるカラーフィルター層は、上記着色層を覆うようにオーバーコート層が形成されているものであってもよい。
ここで、本発明に用いられるオーバーコート層については、一般的に液晶表示装置等に用いられるカラーフィルターのオーバーコート層として用いられているものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
(2)配向層
次に、本発明に用いられる配向層について説明する。本発明に用いられる配向層は、上記接着剤充填用隔壁部および上記共通電極上に形成されるものであり、液晶材料に対して配向規制力を有するものである。このような配向層が形成されていることにより、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、液晶表示素子の製造工程を簡略化することができる。
本発明の液晶表示素子用基板が上記配向層を有する態様について図を参照しながら説明する。図5は本発明の液晶表示素子用基板が上記配向層を有する場合の一例を示す概略図である。図5に例示するように、本発明の液晶表示素子用基板10’’は、接着剤充填用隔壁部3および共通電極2上に液晶材料に対して配向規制力を有する配向層6が形成されているものであってもよい。
以下、このような配向層について詳細に説明する。
本発明に用いられる配向層としては、液晶材料に対して配向規制力を有するものであれば特に限定されるものではない。このような配向層としては、ポリイミド等の高分子材料にラビング処理を施したラビング膜や、光配向材料に光配向処理を施した光配向膜等の配向処理膜が用いられたものを挙げることができる。なかでも本発明に用いられる配向層は、上記配向処理膜として光配向膜が用いられたものであることが好ましい。光配向膜は、非接触で配向処理を行うことが可能であることから静電気や塵の発生がなく、定量的な配向処理の制御ができる点で有用であるからである。
(光配向膜)
上記光配向膜を構成する光配向性材料としては、光を照射して光励起反応を生じることにより、液晶材料を配向させる効果(光配列性:photoaligning)を有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも、本発明に用いられる光配向材料は、上記励起反応を生じる光の波長領域が10nm〜400nmの範囲内であるものが好ましく、なかでも250nm〜380nmの範囲内であるものが好ましい。
ここで、光配向性材料は、光反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する光反応型材料と、光異性化反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する光異性化型材料とに分けることができる。
以下、本発明に用いられる光反応型材料および光異性化型材料について順に説明する。
a.光反応型材料
まず、本発明に用いられる上記光反応型材料について説明する。上述したように、光反応型材料とは、光反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する材料である。本発明に用いられる光反応型材料としては、このような特性を有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、光二量化反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する光二量化型材料、または、光分解反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する光分解型材料が用いることが好ましく、さらには露光感度が高く、材料選択の幅が広いことから、光二量化型材料を用いることがより好ましい。
ここで、上記光二量化反応とは、光照射により偏光方向に配向した反応部位がラジカル重合して分子2個が重合する反応を意味するものである。本発明においては、この光二量化反応により偏光方向の配向を安定化し、光配向膜に異方性を付与することができるのである。
また、上記光分解反応とは、光照射により偏光方向に配向したポリイミドなどの分子鎖を分解する反応を意味するものである。本発明においてはこの光分解反応により偏光方向に垂直な方向に配向した分子鎖を残し、光配向膜に異方性を付与することができるのである。
(光二量化型材料)
本発明に用いられる光二量化型材料としては、光二量化反応により光配向膜に異方性を付与することができる材料であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、ラジカル重合性の官能基を有し、かつ、偏光方向により吸収を異にする二色性を有する光二量化反応性化合物を含むものであることが好ましい。このような光二量化型材料によれば、偏光方向に配向した反応部位をラジカル重合することにより、光二量化反応性化合物の配向が安定化されるため、光配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
上記光二量化反応性化合物としては、側鎖としてケイ皮酸エステル、クマリン、キノリン、カルコン基およびシンナモイル基から選ばれる少なくとも1種の反応部位を有する二量化反応性ポリマーを挙げることができる。なかでも本発明においては、側鎖としてケイ皮酸エステル、クマリンまたはキノリンのいずれかを含む二量化反応性ポリマーを好適に用いることができる。このような光二量化反応性化合物は、偏光方向に配向したα、β不飽和ケトンの二重結合が反応部位となってラジカル重合するため、光配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
本発明に用いられる二量化反応性ポリマーの主鎖としては、ポリマー主鎖として一般に知られているものであれば特に限定されるものではないが、芳香族炭化水素基などの、上記側鎖の反応部位同士の相互作用を妨げるようなπ電子を多く含む置換基を有していないものであることが好ましい。
また、本発明に用いられる二量化反応性ポリマーの重量平均分子量は、5,000〜40,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜20,000の範囲内であることがより好ましい。重量平均分子量が上記範囲よりも小さいと、光配向膜に適度な異方性を付与することができない場合があるからである。また、上記範囲よりも大きいと光配向膜形成時の塗工液の粘度が高くなり、均一な塗膜を形成しにくい場合があるからである。
ここで、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定することができる。
本発明に用いられる二量化反応性ポリマーの具体例としては、下記式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008257062
上記式において、M11およびM12は、それぞれ独立して、単重合体または共重合体の単量体単位を表す。例えば、エチレン、アクリレート、メタクリレート、2−クロロアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−クロロアクリルアミド、スチレン誘導体、マレイン酸誘導体、シロキサンなどが挙げられる。M12は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメタクリレートであってもよい。
xおよびyは、共重合体とした場合の各単量体単位のモル比を表すものであり、それぞれ、0<x≦1、0≦y<1であり、かつ、x+y=1を満たす数である。
nは4〜30,000の整数を表す。
およびDは、スペーサー単位を表す。
は−A−(Z−B−Z−で表される基であり、Rは−A−(Z−B−Z−で表される基である。ここで、AおよびBは、それぞれ独立して、共有単結合、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、または置換基を有していてもよい1,4−フェニレンを表す。
また、ZおよびZは、それぞれ独立して、共有単結合、−CH−CH−、−CHO−、−OCH−、−CONR−、−RNCO−、−COO−または−OOC−を表す。Rは、水素原子または低級アルキル基であり、Zは、水素原子、置換基を有していてもよい、炭素数1〜12のアルキルまたはアルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲンである。
zは、0〜4の整数である。Eは、光二量化反応部位を表し、例えば、ケイ皮酸エステル、クマリン、キノリン、カルコン基、シンナモイル基などが挙げられる。
jおよびkは、それぞれ独立して、0または1である。
このような二量化反応性ポリマーとして、本発明により好ましく用いられる化合物の具体例としては、下記式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008257062
さらに、本発明においては上記二量化反応性ポリマーの中でも、下記式で表される化合物1〜4の少なくとも一つを用いることが好ましい。
Figure 2008257062
なお、本発明に用いられる光二量化反応性化合物は、上述した化合物の中から、要求特性に応じて光二量化反応部位や置換基を種々選択することができる。また、光二量化反応性化合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、上記光二量化反応性化合物を含有する光二量化型材料としては、上記光二量化反応性化合物以外に他の添加剤を含有してもよい。このような他の添加剤としては、光配向膜の光配列性を妨げないものであれば特に限定されるものではない。
本発明に用いられる上記他の添加剤としては、例えば、重合開始剤、重合禁止剤等を挙げることができる。なお、このような重合開始剤または重合禁止剤は、一般に公知の化合物の中から、光二量化反応性化合物の種類によって適宜選択して用いればよい。
(光分解型材料)
本発明に用いられる上記光分解型材料としては、光照射により偏光方向に配向したポリイミドなどの分子鎖を分解する反応を生じる材料であれば特に限定されない。このような光分解型材料としては、例えば日産化学工業(株)製のポリイミド「RN1199」などを挙げることができる。
b.光異性化型材料
次に、本発明に用いられる光異性化型材料について説明する。本発明に用いられる光異性化型材料としては、光異性化反応を生じることにより光配向膜に異方性を付与する材料であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、光異性化反応を生じることにより上記光配向膜に異方性を付与する光異性化反応性化合物を含むものであることが好ましい。このような光異性化反応性化合物を含むことにより、光照射により、複数の異性体のうち安定な異性体が増加し、それにより光配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
本発明に用いられる上記光異性化反応性化合物としては、光異性化反応を生じることにより上記光配向膜に異方性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、偏光方向により吸収を異にする二色性を有し、かつ、光照射により光異性化反応を生じるものであることが好ましい。このような特性を有する光異性化反応性化合物の偏光方向に配向した反応部位の異性化を生じさせることにより、上記光配向膜に容易に異方性を付与することができるからである。
本発明に用いられる上記光異性化反応性化合物が生じる光異性化反応としては、シス−トランス異性化反応であることが好ましい。光照射によりシス体またはトランス体のいずれかの異性体が増加し、それにより光配向膜に異方性を付与することができるからである。
このような光異性化反応性化合物としては、例えば、単分子化合物、または、光もしくは熱により重合する重合性モノマー等を挙げることができる。なかでも本発明においては、重合性モノマーを用いることが好ましい。上記光異性化反応性化合物として、重合性モノマーを用いることにより、光照射により光配向膜に異方性を付与した後、その異方性を安定化することができるからである。
さらに、本発明においては、上記重合性モノマーの中でも、光配向膜に異方性を付与した後、その異方性を良好な状態に維持したまま容易にポリマー化できることから、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマーが用いられることが好ましい。
上記重合性モノマーは、単官能のモノマーであっても、多官能のモノマーであってもよい。なかでも本発明においては、ポリマー化による光配向膜の異方性がより安定なものとなることから、2官能のモノマーであることが好ましい。
本発明に用いられる光異性化反応性化合物としては、例えば、アゾベンゼン骨格やスチルベン骨格などのシス−トランス異性化反応性骨格を有する化合物を挙げることができる。
この場合に、分子内に含まれるシス−トランス異性化反応性骨格の数は、1つであっても2つ以上であってもよいが、液晶材料の配向制御が容易となることから、2つであることが好ましい。
また、本発明に用いられる上記シス−トランス異性化反応性骨格は、液晶分子との相互作用をより高めるために置換基を有するものであってもよい。ここで、このような置換基としては、液晶分子との相互作用を高めることができ、かつ、シス−トランス異性化反応性骨格の配向を妨げないものであれば特に限定されるものではなく、例えば、カルボキシル基、スルホン酸ナトリウム基、水酸基などが挙げられる。これらの構造は、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作成される液晶表示素子の種類に応じて、適宜選択することができる。
また、光異性化反応性化合物としては、分子内にシス−トランス異性化反応性骨格以外にも、液晶分子との相互作用をより高められるように、芳香族炭化水素基などのπ電子が多く含まれる基を有していてもよく、シス−トランス異性化反応性骨格と芳香族炭化水素基は、結合基を介して結合していてもよい。結合基は、液晶分子との相互作用を高められるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、−COO−、−OCO−、−O−、−C≡C−、−CH−CH−、−CHO−、−OCH−などが挙げられる。
なお、光異性化反応性化合物として、重合性モノマーを用いる場合には、上記シス−トランス異性化反応性骨格を、側鎖として有していることが好ましい。上記シス−トランス異性化反応性骨格を側鎖として有していることにより、光配向膜に付与される異方性の効果がより大きなものとなり、液晶材料の配向制御に特に適したものとなるからである。この場合に、前述した分子内に含まれる芳香族炭化水素基や結合基は、液晶分子との相互作用が高められるように、シス−トランス異性化反応性骨格と共に、側鎖に含まれていることが好ましい。
また、上記重合性モノマーの側鎖には、シス−トランス異性化反応性骨格が配向しやすくなるように、アルキレン基などの脂肪族炭化水素基をスペーサーとして有していてもよい。
上述したような単分子化合物または重合性モノマーの光異性化反応性化合物の中でも、本発明に用いられる光異性化反応性化合物としては、分子内にアゾベンゼン骨格を有する化合物であることが好ましい。アゾベンゼン骨格は、π電子を多く含むため、液晶分子との相互作用が高く、液晶材料の配向制御に特に適しているからである。
このような分子内にアゾベンゼン骨格を有する化合物のうち、単分子化合物としては、例えば、下記式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008257062
上記式中、R41は各々独立して、ヒドロキシ基を表す。R42は−(A41−B41−A41−(D41−で表される連結基を表し、R43は(D41−(A41−B41−A41−で表される連結基を表す。ここで、A41は二価の炭化水素基を表し、B41は−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−または−OCONH−を表し、mは0〜3の整数を表す。D41は、mが0のとき二価の炭化水素基を表し、mが1〜3の整数のとき−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−または−OCONH−を表し、nは0または1を表す。R44は各々独立して、ハロゲン原子、カルボキシ基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化メトキシ基、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基またはメトキシカルボニル基を表す。ただし、カルボキシ基はアルカリ金属と塩を形成していてもよい。R45は各々独立して、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、アミノ基またはヒドロキシ基を表す。ただし、カルボキシ基またはスルホ基はアルカリ金属と塩を形成していてもよい。
上記式で表される化合物の具体例としては、下記の化合物を挙げることができる。
Figure 2008257062
また、上記アゾベンゼン骨格を側鎖として有する重合性モノマーとしては、例えば、下記式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2008257062
上記式中、R51は各々独立して、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルオキシ基、ビニルオキシカルボニル基、ビニルイミノカルボニル基、ビニルイミノカルボニルオキシ基、ビニル基、イソプロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシカルボニル基、イソプロペニルイミノカルボニル基、イソプロペニルイミノカルボニルオキシ基、イソプロペニル基またはエポキシ基を表す。R52は−(A51−B51−A51−(D51−で表される連結基を表し、R53は(D51−(A51−B51−A51−で表される連結基を表す。ここで、A51は二価の炭化水素基を表し、B51は−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−または−OCONH−を表し、mは0〜3の整数を表す。D51は、mが0のとき二価の炭化水素基を表し、mが1〜3の整数のとき−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−NHCOO−または−OCONH−を表し、nは0または1を表す。R54は各々独立して、ハロゲン原子、カルボキシ基、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化メトキシ基、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基またはメトキシカルボニル基を表す。ただし、カルボキシ基はアルカリ金属と塩を形成していてもよい。R55は各々独立して、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、アミノ基またはヒドロキシ基を表す。ただし、カルボキシ基またはスルホ基はアルカリ金属と塩を形成していてもよい。
上記式で表される化合物の具体例としては、下記の化合物を挙げることができる。
Figure 2008257062
本発明においては、このような光異性化反応性化合物の中から、要求特性に応じて、シス−トランス異性化反応性骨格や置換基を種々選択することができる。なお、これらの光異性化反応性化合物は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明に用いられる光異性化型の材料としては、上記光異性化反応性化合物のほか、光配向膜の光配列性を妨げない範囲内で添加剤を含んでいてもよい。上記光異性化反応性化合物として重合性モノマーを用いる場合には、添加剤としては、重合開始剤、重合禁止剤などが挙げられる。ここで、上記重合開始剤または重合禁止剤は、一般に公知の化合物の中から、光異性化反応性化合物の種類によって適宜選択して用いることができる。
(ラビング膜)
なお、上記配向処理膜としてラビング膜を用いる場合、ラビング膜に用いられる材料としては、ラビング処理により異方性を付与することができるものであれば特に限定されるものではない。このような材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等を挙げることができる。本発明においてはこれらの材料を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、本発明に用いられるラビング膜は、ポリイミドを含有することが好ましく、特にポリアミック酸を脱水閉環(イミド化)させたポリイミドを含有することが好ましい。なお、このような材料としては液晶表示装置に用いられるラビング膜用の材料として、一般的に公知のものを用いることができる。
本発明に用いられるラビング膜の具体例としては、例えば、日産化学工業(株)製の「SE−7492」、「SE−7992」等を挙げることができる。
(その他の配向膜)
また、本発明においては上記配向処理膜として、斜方蒸着配向膜が用いられてもよい。
斜方蒸着配向膜は、斜め蒸着法により形成されるものである。ここで、斜め蒸着法とは、蒸発源から蒸発した分子または原子が、基板に対して斜めの方向から入射するようにしたものである。このような斜方蒸着配向膜は、蒸着角度を調整することにより、液晶分子のプレチルト角を制御することができる。
c.その他
本発明に用いられる配向層は、上記配向処理膜上に反応性液晶を固定化してなる反応性液晶層が形成された構成を有するものであってもよい。本発明に用いられる配向層が、このような反応性液晶層が形成された構成を有するものであることにより、例えば、本発明の液晶表示素子用基板を用いて強誘電性液晶を用いた液晶表示素子を作製する場合に、強誘電性液晶の配向安定性を向上することができるからである。
本発明において、上記反応性液晶層が形成された構成を有する配向層を用いることにより、本発明の液晶表示素子用基板を用いて強誘電性液晶を用いた液晶表示素子を作製した場合に、強誘電性液晶の配向安定性を向上することができる理由は次の通りである。
すなわち、上記反応性液晶層は上記配向処理膜上に形成され、反応性液晶を固定化してなるものであることから、上記反応性液晶層中に含有される反応性液晶は、上記配向処理膜の作用により配向した状態で固定される。このため、上記反応性液晶層は強誘電性液晶を配向させるための配向膜として機能することができる。
また、反応性液晶は固定化されているとから温度等の影響を受けないため、上記配向処理膜を単独で用いた場合よりも、配向規制力の経時安定性が向上するという利点を有する。
さらに、反応性液晶は強誘電性液晶と構造が比較的類似しており、強誘電性液晶との相互作用が強くなるため、上記配向処理膜のみを用いた場合よりも効果的に強誘電性液晶の配向を制御することができる。
このようなことから、上記反応性液晶層が形成された構成を有する配向層を用いることにより、本発明の液晶表示素子用基板を用いて強誘電性液晶を用いた液晶表示素子を作製した場合に、強誘電性液晶の配向安定性を向上することができるのである。
以下、本発明に用いられる反応性液晶層について説明する。
上記反応性液晶層に用いられる反応性液晶としては、上記配向処理膜の作用により規則的に配列されるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においてはネマチック相を発現する反応性液晶が用いられることが好ましい。ネマチック相は、液晶相の中でも配向制御が比較的容易であるからである。
また、本発明に用いられる上記反応性液晶は、重合性液晶材料を含有するものであることが好ましい。このような反応性液晶が用いられることにより、反応性液晶の配向状態を固定化することが可能になるからである。
上記重合性液晶材料としては、重合性液晶モノマー、重合性液晶オリゴマー、および重合性液晶ポリマーのいずれかを用いることができるが、なかでも本発明においては、重合性液晶モノマーが好適に用いられる。重合性液晶モノマーは、他の重合性液晶材料、すなわち重合性液晶オリゴマーや重合性液晶ポリマーと比較して、より低温で配向が可能であり、かつ配向に際しての感度も高く、容易に配向させることができるからである。
本発明に用いられる上記重合性液晶モノマーとしては、重合性官能基を有する液晶モノマーであれば特に限定されるものでない。このような重合性液晶モノマーとしては、例えば、モノアクリレートモノマー、ジアクリレートモノマー等を挙げることができる。
上記モノアクリレートモノマーとしては、例えば下記式で表される化合物を例示することができる。
Figure 2008257062
上記式において、A、B、D、EおよびFはベンゼン、シクロヘキサンまたはピリミジンを表し、これらはハロゲン等の置換基を有していてもよい。また、AおよびB、あるいはDおよびEは、アセチレン基、メチレン基、エステル基等の結合基を介して結合していてもよい。MおよびMは、水素原子、炭素数3〜9のアルキル基、炭素数3〜9のアルコキシカルボニル基、またはシアノ基のいずれであってもよい。さらに、分子鎖末端のアクリロイルオキシ基とAまたはDとは、炭素数3〜6のアルキレン基等のスペーサーを介して結合していてもよい。
また、上記ジアクリレートモノマーとしては、例えば下記式に示すような化合物を挙げることができる。
Figure 2008257062
Figure 2008257062
上記式において、XおよびYは、水素、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルキルオキシ、炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル、ホルミル、炭素数1〜20のアルキルカルボニル、炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ、ハロゲン、シアノまたはニトロを表す。また、mは2〜20の範囲内の整数を表す。
さらに、上記ジアクリレートモノマーとしては、例えば下記式に示すような化合物を挙げることもできる。
Figure 2008257062
ここで、式中のZ31およびZ32は、各々独立して直接結合している−COO−、−OCO−、−O−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−OCH−、−CHO−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−を表し、R31、R32およびR33は、各々独立して水素または炭素数1〜5のアルキルを表し、kおよびmは0または1を表し、nは2〜8の範囲内の整数を表す。
なかでも本発明においては、上記式(1)、(2)、または下記式(3)で表される化合物、が好適に用いられる。上記式(1)に示す化合物の場合、Xとしては、炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル、メチルまたは塩素であることが好ましく、中でも炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル、特にCH(CHOCOであることが好ましい。また、下記式(3)において、Z21およびZ22は、各々独立して直接結合している−COO−、−OCO−、−O−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−、−OCH−、−CHO−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−を表し、mは0または1を表し、nは2〜8の範囲内の整数を表す。
Figure 2008257062
また、上記式(2)で表される化合物の具体例としては、アデカキラコールPLC−7209(旭電化工業社製)、アデカキラコールPCL−7183(旭電化工業社製)等を挙げることができる。
本発明に用いられる重合性液晶モノマーは、上記の中でもジアクリレートモノマーであることが好ましい。ジアクリレートモノマーは、配向状態を良好に維持したまま容易に重合させることができるからである。
上述した重合性液晶モノマーはそれ自体がネマチック相を発現するものでなくてもよい。本発明において、これらの重合性液晶モノマーは上述したように2種以上を混合して用いてもよいものであり、これらを混合した組成物すなわち反応性液晶が、ネマチック相を発現するものであればよいからである。
また、本発明に用いられる重合性液晶モノマーは単体であってもよく、または、2種以上が混合されたものであってもよい。
さらに本発明においては、必要に応じて上記反応性液晶に光重合開始剤や重合禁止剤を添加してもよい。例えば、電子線照射により重合性液晶材料を重合させる際には、光重合開始剤が不要な場合はあるが、一般的に用いられている紫外線照射による重合の場合においては、通常光重合開始剤が重合促進のために用いられるからである。
本発明に用いることができる光重合開始剤としては、ベンジル(ビベンゾイルとも言う)、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4´−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができる。なお、光重合開始剤の他に増感剤を、本発明の目的が損なわれない範囲で添加することも可能である。
このような光重合開始剤の添加量としては、一般的には0.01質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%、より好ましくは0.5質量%〜5質量%の範囲で上記反応性液晶に添加することができる。
さらに、上記光重合開始剤を用いる場合には、光重合開始助剤を併用することができる。このような光重合開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の3級アミン類や、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミド安息香酸エチル等の安息香酸誘導体を例示することができるが、これらに限られるものではない。
本発明に用いられる反応性液晶層の厚みは、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3nm〜100nmの範囲内である。反応性液晶層が上記範囲を超えて厚くなると必要以上の異方性が生じてしまい、また上記範囲より薄いと所定の異方性が得られない場合があるからである。したがって、反応性液晶層の厚みは、必要な異方性に準じて決定すればよい。
(3)スペーサー部
次に、本発明に用いられるスペーサー部について説明する。本発明に用いられるスペーサー部は、上記共通電極上に形成され、上記接着剤充填用隔壁部のセルギャップ調整機能を補助する機能を有するものである。このようなスペーサー部が用いられていることにより、本発明の液晶表示素子用基板を用いて作製した液晶表示素子においてセルギャップが変動することをさらに防止することができる。
本発明の液晶表示素子用基板に上記スペーサー部が形成されている場合について図を参照しながら説明する。図6は、本発明の液晶表示素子用基板に上記スペーサー部が形成されている態様の一例を示す概略図である。ここで、図6(a)は、本発明の液晶表示素子用基板にスペーサー部が形成されている場合の一例を示す概略図であり、図6(b)は、上記図6(a)におけるY−Y’線矢視断面図である。
図6(a)に例示するように本発明の液晶表示素子用基板10’’’には、上記共通電極2上にスペーサー部7が形成されていてもよい。また、図6(b)に例示するように、本発明の液晶表示素子用基板10’’’にスペーサ部7が形成されている場合、上記スペーサー部7は、通常、接着剤充填用隔壁部3と同一の高さに形成される。
本発明に用いられるスペーサー部としては、上記セルギャップ調整機能を補助できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示素子のスペーサーとして用いられているものを用いることができる。このようなスペーサー部としては、例えば、壁状スペーサー、柱状スペーサー、および、ビーズと樹脂材料とを含有するビーズ含有スペーサー等からなるものを挙げることができる。本発明においては、これらのいずれのスペーサーからなるスペーサー部であっても好適に用いることができるが、なかでも壁状スペーサーまたは柱状スペーサーを用いることが好ましい。上記ビーズスペーサーは、配置される位置を制御することが困難であるため、例えば、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した際に、非画素領域でない領域(以下、単に「画素領域」と称する。)となる部位に配置されてしまい、その結果として上記液晶表示素子の表示品質が損なわれる恐れがある。しかしながら、上記壁状スペーサーおよび柱状スペーサーは、形成される位置を制御することが可能であるためこのような問題が少ないからである。
上記壁状スペーサーおよび上記柱状スペーサーを構成する材料としては、例えば、上述した接着剤充填用隔壁部に用いられる材料と同様の材料を挙げることができる。なかでも本発明に用いられる壁状スペーサーおよび柱状スペーサーを構成する材料は、上記接着剤充填用隔壁を構成する材料と同一の材料であることが好ましい。このような材料を用いることにより、本発明の液晶表示素子用基板を作製する工程において、上記接着剤充填用隔壁と上記スペーサー部とを同一の工程で同時に形成することが可能になるため、本発明の液晶表示素子用基板を生産性の高いものにすることができるからである。
本発明において上記スペーサー部が形成される位置としては、上記共通電極上であり、かつ、本発明の液晶表示素子用基板を用いて液晶表示素子を作製した場合に、非画素領域に相当する位置であれば特に限定されるものではない。
また、本発明に用いられるスペーサー部は、上記接着剤充填用隔壁部のセルギャップ調整機能を補助するものであるため、通常、上記接着剤充填用隔壁部と同じ高さのものが用いられる。
4.液晶表示素子用基板の製造方法
次に、本発明の液晶表示素子用基板の製造方法について説明する。本発明の液晶表示素子用基板の製造方法としては、上記構成を有する液晶表示素子用基板を製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような製造方法としては、例えば、上記基板を用い、上記基板上に共通電極を形成する共通電極形成工程と、上記共通電極上に上記接着剤充填用隔壁部を形成する接着剤充填用隔壁部形成工程とからなる方法を例示することができる。
上記共通電極形成工程において上記基板上に共通電極を形成する方法としては、所望の材料からなる共通電極を均一な膜厚で形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、CVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の、一般的に液晶表示装置に用いられる共通電極を形成する際に用いられる方法として公知の方法を用いることができる。
また、上記接着剤充填用隔壁部形成工程において、上記共通電極上に接着剤充填用隔壁部を形成する方法としては、所定の位置に所望の形状を有する接着剤充填用隔壁部を形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、フォトリソグラフィー法、インクジェット法、スクリーン印刷法や、2P法などの転写法等の一般的に液晶表示装置を製造する際にスペーサーを形成するために用いられる方法を用いることができる。
なお、上記接着剤充填用隔壁部形成工程は、上記接着剤充填用隔壁部と、上記接着剤充填用隔壁部と同一材料からなるスペーサー部を同時に形成するものであってもよい。
B.液晶表示素子用TFT基板
次に、本発明の液晶表示素子用TFT基板について説明する。本発明の液晶表示素子用TFT基板は、基板と、上記基板上に形成され、複数のTFT電極および上記TFT電極に接続された画素電極を有するTFT電極層と、上記TFT電極層の非画素領域上に形成された接着剤充填用隔壁部とを有するものであって、上記接着剤充填用隔壁部に、上記接着剤充填用隔壁部の内側に充填される接着剤量を調整する接着剤量調整用開口部が形成されていることを特徴とするものである。
このような本発明の液晶表示素子用TFT基板について図を参照しながら説明する。図7は本発明の液晶表示素子用TFT基板の一例を示す概略図である。ここで、図7(a)は、本発明の液晶表示素子用TFT基板の一例を示す概略図であり、図7(b)は、上記図7(a)におけるZ−Z’線矢視断面図である。
図7に例示するように、本発明の液晶表示素子用TFT基板20は、基板21と、上記基板21上に形成され、複数のTFT電極22aおよび上記TFT電極22aに接続した画素電極22bを有するTFT電極層22と、上記TFT電極層22におけるTFT電極22a上に形成された接着剤充填用隔壁部23とを有するものである(図7(b))。
このような例において、本発明の液晶表示素子用TFT基板20は、上記接着剤充填用隔壁23部の内側に充填される接着剤量を調整する接着剤量調整用開口部24が形成されていることを特徴とするものである(図7(a))。
本発明の液晶表示素子用TFT基板は、上記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤を充填して用いることにより、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、対向する基板と強固に接着することができる。このため、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いることにより、基板が強固に接着された液晶表示素子を得ることができる。
また本発明によれば、上記接着剤充填用隔壁部に上記接着剤量調整用開口部が形成されていることにより、上記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤が過剰に充填されることに起因して、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いて作製される液晶表示素子のセルギャップが当初設計した範囲よりも大きくなったり、または、不均一となってしまうことを防止できる。このため、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いることにより、所定の均一なセルギャップを有する液晶表示素子を得ることができる。
このようなことから本発明によれば、基板が所定の均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることが可能な液晶表示素子用TFT基板を得ることができる。
本発明の液晶表示素子用TFT基板は、少なくとも上記基板、TFT電極層、および、接着剤充填用隔壁部を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明の液晶表示素子用TFT基板に用いられる各構成について詳細に説明する。
1.接着剤充填用隔壁部
まず、本発明に用いられる接着剤充填用隔壁部について説明する。本発明に用いられる接着剤充填用隔壁部は後述するTFT電極層上に形成され、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いて液晶表示素子を作製する際に内側に接着剤が充填されるものであり、充填される接着剤量を調整する接着剤量調整用開口部が形成されていることを特徴とするものである。このような本発明に用いられる接着剤充填用隔壁部は、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、対向基板を接着する接着剤を充填する機能と、対向基板とのセルギャップを調整する機能とを有するものである。
ここで、本発明に用いられる接着剤充填用隔壁部については、上記「A.液晶表示素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、上記接着剤充填用隔壁部が形成される上記「非画素領域」についても、上記「A.液晶表示素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.TFT電極層
次に、本発明に用いられるTFT電極層について説明する。本発明に用いられるTFT電極層は、複数のTFT電極と上記TFT電極に接続された画素電極とを有するものである。
このような本発明に用いられるTFT電極層について図を参照しながら具体的に説明する。図8は本発明に用いられるTFT電極層の一例を示す概略図である。図8(a)に例示するように本発明に用いられるTFT電極層22は、複数のTFT電極22aと、上記TFT電極22aに接続された複数の画素電極22bを有するものである。
また図8(b)に例示するように、上記TFT電極22aは、通常、ゲート電極22Aと、上記ゲート電極22A上に形成されたゲート絶縁膜22Bと、上記ゲート絶縁膜22B上に形成された半導体層22Cと、上記半導体層22C上に一定に間隔を空けて対向するように形成されたソース電極22Dおよびドレイン電極22Eとを有するものであり、上記画素電極22bは上記ドレイン電極22Eと接続するように形成されているものである。
また、図8(b)に例示するように、本発明に用いられるTFT電極層22は、上記TFT電極22aおよび画素電極22b上に保護層22cが形成されたものであってもよい。
以下、このようなTFT電極層について説明する。
(1)TFT電極
本発明に用いられるTFT電極としては、所望の配置態様に形成できるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いて作製される液晶表示素子の種類等に応じて、任意のTFT電極を用いることができる。したがって、本発明に用いられるTFT電極としては、上記図8に例示したものに限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置等に用いられているTFT電極を広く用いることができる。このようなTFT電極としては、a−Si TFT構造を有するものであってもよく、または、p−Si TFT構造を有するものであってもよい。
上記a−Si TFT構造を有するTFT電極としては、正スタガ型のもの(トップゲート構造)と、逆スタガ型(ボトムゲート構造)のものを挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれであっても好適に用いることができる。また、上記逆スタガ型のものとしては、チャネルエッチ型のものと、チャネルプロテクト型のものとを挙げることができるが、これらについても本発明においては好適に用いることができる。
一方、p−Si TFT構造を有するTFT電極としては、プレーナ型のものと、スタガ型のものを挙げることができるが、本発明においてはこれらのいずれであっても好適に用いることができる。
(2)画素電極
本発明に用いられる画素電極としては、一般的に液晶表示装置用の画素電極として用いられているものを特に制約無く用いることができる。なかでも本発明においては、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)からなる画素電極が好適に用いられる。
なお、上述したように上記画素電極は上記TFT電極を構成するドレイン電極と接続するように形成される。
3.基板
次に、本発明に用いられる基板について説明する。本発明に用いられる基板は上記TFT電極層および上記接着剤充填用隔壁部を支持するものである。
本発明に用いられる基板は、必ずしも透明性を有することが求められるものではない。すなわち、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いて液晶表示素子を作製した場合、通常、本発明の液晶表示素子用TFT基板は画像観察面とは反対側に配置されることになる。したがって、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いてバックライト方式等の透過型液晶表示素子を作製する場合においては上記基板が透明性を有することが必要であるが、反射型液晶表示素子を作製する場合においては必ずしも透明性を有することは必要とされない。
本発明に用いられる基板としては、例えば、ガラス基板および樹脂製フィルム基材等、
一般的に液晶表示装置用の基板として用いられている基板を、特に制約なく用いることができる。
ここで、上記樹脂製フィルム基材の具体例については、上記「A.液晶表示素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本発明に用いられる基板に透明性が求められる場合においては、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、上記透過率の測定方法については、上記「A.液晶表示素子用基板」の項において説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.その他の構成
本発明の液晶表示素子用TFT基板は、上記接着剤充填用隔壁部、TFT電極層および基板以外に他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、本発明の液晶表示素子用TFT基板の用途等に応じて任意の機能を備える構成を用いることができる。なかでも本発明に好適に用いられる上記他の構成としては、上記接着剤充填用隔壁部および上記TFT電極層上に形成され、液晶材料に対して配向規制力を有する配向層と、上記TFT電極層上に形成され、上記接着剤充填用隔壁部のセルギャップ調整機能を補助するスペーサー部とを挙げることができる。
以下、このような配向層およびスペーサー部について順に説明する。
(1)配向層
まず、本発明に用いられる配向層について説明する。本発明に用いられる配向層は、上記接着剤充填用隔壁部および上記TFT電極上に形成されるものであり、液晶材料に対して配向規制力を有するものである。このような配向層が形成されていることにより、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いて液晶表示素子を作製する際に、液晶表示素子の製造工程を簡略化することができる。
本発明の液晶表示素子用TFT基板が上記配向層を有する態様について図を参照しながら説明する。図9は本発明の液晶表示素子用TFT基板が上記配向層を有する場合の一例を示す概略図である。図9に例示するように、本発明の液晶表示素子用TFT基板20’は、接着剤充填用隔壁部23およびTFT電極層22上に液晶材料に対して配向規制力を有する配向層25を有するものであってもよい。
なお、本発明に用いられる配向層は、上記「A.液晶表示素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)スペーサー部
次に、本発明に用いられるスペーサー部について説明する。本発明に用いられるスペーサー部は、上記TFT電極層上に形成され、上記接着剤充填用隔壁部のセルギャップ調整機能を補助する機能を有するものである。このようなスペーサー部が用いられていることにより、本発明の液晶表示素子用TFT基板を用いて作製した液晶表示素子においてセルギャップが変動することをさらに防止することができる。
本発明の液晶表示素子用TFT基板に上記スペーサー部が形成されている場合について図を参照しながら説明する。図10は、本発明の液晶表示素子用TFT基板にスペーサー部が形成されている場合の一例を示す概略図である。ここで、図10(a)は、本発明の液晶表示素子用TFT基板にスペーサー部が形成されている場合の一例を示す概略図である。また、図10(b)は、上記図10(a)におけるW−W’線矢視断面図である。
図10(a)に例示するように本発明の液晶表示素子用TFT基板20’’には、上記TFT電極層22上にスペーサー部26が形成されていてもよい。また、図10(b)に例示するように、本発明の液晶表示素子用TFT基板20’’にスペーサ部26が形成されている場合、上記スペーサー部26は、通常、接着剤充填用隔壁部23と同一の高さに形成される。
ここで、本発明に用いられるスペーサー部については、上記「A.液晶表示素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
5.液晶表示素子用TFT基板の製造方法
次に、本発明の液晶表示素子用TFT基板の製造方法について説明する。本発明の液晶表示素子用TFT基板の製造方法としては、上記構成を有する液晶表示素子用TFT基板を製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような製造方法としては、例えば、上記基板を用い、上記基板上にTFT電極層を形成するTFT電極層形成工程と、上記TFT電極層上に上記接着剤充填用隔壁部を形成する接着剤充填用隔壁部形成工程とからなる方法を例示することができる。
上記TFT電極層形成工程において、上記TFT電極層を形成する方法としては、所望のTFT電極および画素電極を有するTFT電極層を形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置等に用いられるTFT電極層を形成するために用いられる方法を用いることができる。
また、上記接着剤充填用隔壁部形成工程において、上記接着剤充填用隔壁部を形成する方法としては、非画素領域に所望の形状を有する接着剤充填用隔壁部を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、リソグラフィー法や転写法等の一般的に液晶表示装置を製造する際にスペーサーを形成する方法を用いることができる。
なお、上記接着剤充填用隔壁部形成工程は、上記接着剤充填用隔壁部と、上記接着剤充填用隔壁部と同一材料からなるスペーサー部を同時に形成するものであってもよい。
C.液晶表示素子
次に、本発明の液晶表示素子について説明する。本発明の液晶表示素子はその構成により2態様に大別することができる。
以下、各態様に分けて本発明の液晶表示素子について詳細に説明する。
C−1:第1態様の液晶表示素子
まず、本発明の第1態様の液晶表示素子について説明する。本態様の液晶表示素子は、上記本発明に係る液晶表示素子用基板が用いられたものである。
すなわち、本態様の液晶表示素子は、上記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤が充填された本発明の液晶表示素子用基板、および、基板と、上記基板上に形成され、複数のTFT電極および上記TFT電極に接続された画素電極を有するTFT電極層と、上記TFT電極層上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を有する対向配向層と、を有するTFT電極側基板が、上記配向層と上記対向配向層とが対向するように上記接着剤を介して接着されており、かつ、上記液晶表示素子用基板および上記TFT電極側基板の間に液晶材料を含有する液晶層が形成されていることを特徴とするものである。
このような本態様の液晶表示素子について図を参照しながら説明する。図11は、本態様の液晶表示素子の一例を示す概略図である。図11に例示するように、本態様の液晶表示素子40は、液晶材料に対する配向規制力を有する配向層6が形成された構成を有する、本発明の液晶表示素子用基板10’’と、TFT電極側基板30とが、上記接着剤充填用隔壁部3内に充填された接着剤42を介して接着されており、かつ、上記液晶表示素子用基板10’’とTFT電極側基板30との間に液晶材料を含有する液晶層41が形成された構成を有するものである。
ここで、上記TFT側基板30は、基板31と、上記基板31上に形成され、複数のTFT電極32aおよび上記TFT電極32aに接続された画素電極32bを有するTFT電極層32と、上記TFT電極層32上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を有する対向配向層33と、を有するものである。
本態様によれば、上記本発明に係る液晶表示素子用基板が用いられ、上記接着剤充填用隔壁の内側に充填された接着剤を介して上記TFT電極側基板と、上記液晶表示素子用基板とが接着された構成を有することにより、基板が所定の均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることができる。
本態様の液晶表示素子は、少なくとも液晶表示素子用基板、TFT電極側基板、および、液晶層を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本態様の液晶表示素子に用いられる各構成について順に説明する。
1.液晶表示素子用基板
まず、本態様に用いられる液晶表示素子用基板について説明する。本態様に用いられる液晶表示素子用基板は、上記本発明に係る液晶表示素子用基板のうち、液晶材料に対する配向規制力を有する配向層が形成された構成を有するものである。
本態様の液晶表示素子は、上記液晶表示素子用基板として、このような構成を有する本発明の液晶表示素子用基板が用いられていることにより、所定の均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることができるのである。
ここで、本態様に用いられる液晶表示素子用基板については、上記「A.液晶表示素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.TFT電極側基板
次に、本態様に用いられるTFT電極側基板について説明する。本態様に用いられるTFT電極側基板は、基板と、上記基板上に形成され、複数のTFT電極および上記TFT電極に接続された画素電極を有するTFT電極層と、上記TFT電極層上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を有する対向配向層とを有するものである。
ここで、上記基板および上記TFT電極層については、上記「B.液晶表示素子用TFT基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、上記対向配向層については、上記「A.液晶表示素子用基板」の項において説明した配向層と同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.液晶層
次に、本態様に用いられる液晶層について説明する。本態様に用いられる液晶層は、液晶材料を含有するものである。
以下、このような液晶層について説明する。
(1)液晶材料
まず、本態様に用いられる液晶材料について説明する。本態様に用いられる液晶材料は、上記配向層および上記対向配向層の配向規制力によって規則的に配列することができ、液晶表示素子においてスイッチング機能を果たすことができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示素子に用いられている液晶材料として公知のものを用いることができる。なかでも本態様においては、上記液晶材料として強誘電性液晶を用いることが好ましい。本態様の液晶表示素子は、上記液晶表示素子用基板と上記液晶表示素子用TFT基板とが均一なセルギャップで強固に接着されたものとなるため、セルギャップの変動により配列状態が損なわれやすい強誘電性液晶に好適に用いることができるからである。
以下、本態様に用いられる強誘電性液晶について説明する。
本態様に用いられる強誘電性液晶は、カイラルスメクチックC相(SmC)を発現するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本態様においては単安定性を示すものを用いることが好ましい。上記強誘電性液晶として単安定性を示すものを用いることにより、階調表示が可能な液晶表示素子を得ることができるからである。
ここで、「単安定性を示す」とは、電圧無印加時の強誘電性液晶の状態がひとつの状態で安定化している状態をいう。具体的に説明すると、図12に例示するように、強誘電性液晶Aは層法線zに対しチルト角±θだけ傾く二つの状態間をコーン上に動作することができるが、電圧無印加時に強誘電性液晶Aが上記コーン上のいずれかひとつの状態で安定化している状態をいう。
本態様に用いられる強誘電性液晶は、相系列がネマチック相(N)−コレステリック相(Ch)−カイラルスメクチックC相(SmC)、またはネマチック相(N)−カイラルスメクチックC相(SmC)と相変化し、相系列にスメクチックA相(SmA)を有さない材料(第1態様)と、相系列にSmAを有する材料(第2態様)とに大別することができる。
以下、各態様の強誘電性液晶について説明する。
(第1態様の強誘電性液晶)
本態様の強誘電性液晶は、相系列がN−Ch−SmC、またはN−SmCと相変化し、SmAを経由しない材料(第1態様)である。
本態様の強誘電性液晶は、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス方式による駆動が可能になり、また、電圧変調により階調制御が可能になる利点を有する。したがって、本態様の強誘電性液晶を用いることにより、高精細で高品位の表示を実現することができる液晶表示素子を得ることができる。また、本態様の強誘電性液晶は、本態様の液晶表示素子をフィールドシーケンシャルカラー方式により駆動させる場合に好適に用いることができる。
本態様の強誘電性液晶は、単安定性を有する液晶材料を用いることが好ましい。ここで、単安定性とは、上述したように電圧非印加時に1つの安定状態のみを有する性質をいい、特に、正負いずれかの電圧を印加したときにのみ液晶分子が動作するハーフV字駆動するものが、白黒シャッターの開口時間を長くとることができ、明るいカラー表示を実現することができる点で好ましい。
本態様に用いられる強誘電性液晶として、具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ社より販売されている「R2301」が挙げられる。
(第2態様の強誘電性液晶)
本態様の強誘電性液晶は、降温過程においてSmA相を経由してSmC相を発現し、かつ、SmC相において単安定性を示すことができる材料である。
本態様の強誘電性液晶は、上述した第1態様の強誘電性液晶と同様に、単安定性を有する液晶材料を用いることにより、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリックス方式による駆動が可能になる。また、電圧変調により階調制御が可能になり、高精細で高品位の表示を実現することができる。さらに、本態様の強誘電性液晶は、材料の選択の幅が広い点において利点を有する。
本態様の強誘電性液晶は、降温過程においてSmA相を経由してSmC相を示すものであれば特に限定されるものではなく、これらの液晶相の高温側または低温側に他の液晶相を示すものであってもよい。これらの中でも、材料選択の幅が広いことから、Ch相からSmA相を経由してSmC相を発現する材料を用いることが好ましい。このような強誘電性液晶としては、一般に知られる材料の中から要求特性に応じて種々選択することができる。
また、このような強誘電性液晶としては、SmC相を示す単一の材料を用いることもできるが、低粘度でSmC相を示しやすいノンカイラルな液晶(以下、ホスト液晶とする場合がある。)に、それ自身ではSmC相を示さないが大きな自発分極と適当な螺旋ピッチを誘起する光学活性物質を少量添加することにより、上記のような相系列を示す材料が、低粘度であり、より速い応答性を実現できることから好ましい。
上記ホスト液晶としては、広い温度範囲でSmC相を示す材料であることが好ましく、一般に強誘電性液晶のホスト液晶として知られているものであれば特に限定されることなく使用することができる。例えば、下記一般式:
Ra−Q−X−(Q−Ym’−Q−Rb
(式中、RaおよびRbはそれぞれ、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、Q、QおよびQはそれぞれ、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基であり、これらの基はハロゲン原子、水酸基、シアノ基等の置換基を有していてもよく、XおよびYはそれぞれ、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−C≡C−または単結合であり、m’は0または1である。)で表される化合物を使用することができる。ホスト液晶としては、上記化合物を1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記ホスト液晶に添加する光学活性物質としては、自発分極が大きく、適当な螺旋ピッチを誘起する能力を持った材料であれば特に限定されるものではなく、一般にSmC相を示す液晶組成物に添加する材料として知られるものを使用することができる。特に少量の添加量で大きな自発分極を誘起できる材料であることが好ましい。このような光学活性物質としては、例えば、下記一般式:
Rc−Q−Za−Q−Zb−Q−Zc−Rd
(式中、Rd、Q、Q、Qは上記一般式と同じ意味を表し、ZaおよびZbは−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、−C≡C−、−CH=N−、−N=N−、−N(→O)=N−、−C(=O)S−または単結合であり、Rcは不斉炭素原子を有していてもよい直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、Rdは不斉炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基またはアルコキシカルボニルオキシ基であり、RcおよびRdはハロゲン原子、シアノ基、水酸基で置換されていてもよい。)で表される化合物を使用することができる。光学活性物質としては、上記化合物を1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本態様に用いられる強誘電性液晶として、具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ社製「FELIXM4851−100」などが挙げられる。
(2)その他の化合物
本態様に用いられる液晶層には、上記強誘電性液晶以外に他の化合物が含有されていてもよい。このような他の化合物としては、本態様の液晶表示素子に求める機能に応じて任意の機能を備えるものを用いることができる。なかでも本態様に好適に用いられる上記他の化合物としては、重合性モノマーの重合物を挙げることができる。液晶層中にこのような重合性モノマーの重合物が含有されることにより、上記液晶材料の配列がいわゆる「高分子安定化」され、配向安定性に優れた液晶表示素子を得ることができる。
以下、上記重合性モノマーの重合物について説明する。
a.重合性モノマー
上記重合性モノマーの重合物に用いられる重合性モノマーとしては、重合反応により重合物を生じる化合物であれば特に限定されない。このような重合性モノマーとしては、加熱処理により重合反応を生じる熱硬化性樹脂モノマー、および活性放射線の照射により重合反応を生じる活性放射線硬化性樹脂モノマーを挙げることができる。なかでも本発明においては活性放射線硬化性樹脂モノマーを用いることが好ましい。熱硬化性樹脂モノマーは重合反応を生じさせるために加温処理をすることが必要であるため、このような加温処理により上記液晶材料の規則的な配列が損なわれたり、相転移が誘起されてしまう恐れがある。一方、活性放射線硬化性樹脂モノマーではこのような恐れが無く、重合反応が生じることによって液晶材料の配列が害されることが少ないからである。
上記活性放射線硬化性樹脂モノマーとしては、電子線の照射により重合反応を生じる電子線硬化性樹脂モノマー、および光照射により重合反応を生じる光硬化性樹脂モノマーを挙げることができる。なかでも本発明においては、光硬化性樹脂モノマーを用いることが好ましい。光硬化性樹脂モノマーを用いることにより、本態様の液晶表示素子の製造方法を簡略化することができるからである。
上記光硬化性樹脂モノマーとしては、波長が150nm〜500nmの範囲内の光を照射することにより、重合反応を生じるものであれば特に限定されない。なかでも本態様おいては、波長が250nm〜450nmの範囲内、特に300nm〜400nmの範囲内の光を照射することにより重合反応を生じる紫外線硬化性樹脂モノマーを用いることが好ましい。照射装置の容易性等の面において利点を有するからである。
上記紫外線硬化性樹脂モノマーが有する重合性官能基は、上記波長領域の紫外線照射により、重合反応を生じるものであれば特に限定されない。なかでも本態様においては、アクリレート基を有する紫外線硬化型樹脂モノマーを用いることが好ましい。
上記紫外線硬化性樹脂モノマーは、一分子中に一つの重合性官能基を有する単官能性モノマーであってもよく、また、一分子中に二以上の重合性官能基を有する多官能性モノマーであってもよい。なかでも本態様においては、多官能性モノマーを用いることが好ましい。多官能性モノマーを用いることにより、上記液晶層においてより強いポリマーネットワークを形成することが可能になるため、分子間力および配向層界面におけるポリマーネットワークを強化することができる。したがって、多官能性モノマーを用いることにより、液晶層の温度変化によって上記液晶材料の配列が乱れることを抑制することができるからである。
本態様においては、上記多官能性モノマーの中でも分子の両末端に重合性官能基を有する2官能性モノマーであることが好ましい。分子の両端に上記官能基を有することにより、ポリマー同士の間隔が広いポリマーネットワークを形成することができるため、液晶層に重合性モノマーの重合物を含むことによる液晶材料の駆動電圧の低下を防止できるからである。
本態様においては、上記紫外線硬化性樹脂モノマーのなかでも、液晶性を発現する紫外線硬化性液晶モノマーを用いることが好ましい。このような紫外線硬化性液晶モノマーが好ましい理由は次の通りである。すなわち、紫外線硬化性液晶モノマーは液晶性を示すことから、上記配向層または対向配向層の配向規制力により規則的に配列することができる。したがって、紫外線硬化性液晶モノマーを規則的に配列した後に、重合反応を生じさせることにより、上記液晶層中に、規則的な配列状態を維持したまま固定化することが可能になる。このような規則的な配列状態を有する重合物が液晶層中に存在することにより、上記液晶材料の配列安定性を向上することができるため、本態様の液晶表示素子を耐熱性や耐衝撃性に優れたものにできるからである。
上記紫外線硬化性液晶モノマーが示す液晶相としては、特に限定されず、例えばネマティック相、SmA相、SmC相を挙げることができる。
本態様に用いられる上記紫外線硬化性液晶モノマーとしては、例えば、下記式に示す化合物を挙げることができる。
Figure 2008257062
Figure 2008257062
上記式において、A、B、D、EおよびFはベンゼン、シクロヘキサンまたはピリミジンを表し、これらはハロゲン等の置換基を有していてもよい。また、AおよびB、あるいはDおよびEは、アセチレン基、メチレン基、エステル基等の結合基を介して結合していてもよい。MおよびMは、水素原子、炭素数3〜9のアルキル基、炭素数3〜9のアルコキシカルボニル基、またはシアノ基のいずれであってもよい。さらに、分子鎖末端のアクリロイルオキシ基とAまたはDとは、炭素数3〜6のアルキレン基等のスペーサーを介して結合していてもよい。
上記式において、Yは、水素、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルキルオキシ、炭素数1〜20のアルキルオキシカルボニル、ホルミル、炭素数1〜20のアルキルカルボニル、炭素数1〜20のアルキルカルボニルオキシ、ハロゲン、シアノまたはニトロを表す。
上記式で示される化合物のなかでも、本態様において好適に用いられる具体的な化合物としては、下記式の化合物を例示することができる。
Figure 2008257062
Figure 2008257062
Figure 2008257062
(重合性モノマーの重合物)
本態様に用いられる重合性モノマーの重合物は、単一の重合性モノマーの重合物であってもよく、また2以上の異なる重合性モノマーの重合物であってもよい。2以上の異なる重合性モノマーの重合物とする場合は、例えば、上記紫外線硬化性液晶モノマーと他の紫外線硬化性樹脂モノマーとの重合物を例示することができる。
重合性モノマーとして上記紫外線硬化性液晶モノマーを用いた場合、本態様に用いられる重合性モノマーの重合物としては、主鎖に液晶性を示す原子団を有することにより主鎖が液晶性を示す主鎖液晶型重合物であってもよく、また側鎖に液晶性を示す原子団を有することにより側鎖が液晶性を示す側鎖液晶型重合物であってもよい。なかでも本態様においては、側鎖液晶型重合物であることが好ましい。液晶性を示す原子団が側鎖に存在することにより当該原子団の自由度が高くなるため、液晶層において液晶性を示す原子団が配向しやすくなるからである。また、その結果として液晶層中の液晶材料の配向安定性を向上することができるからである。
上記液晶層中における重合性モノマーの重合物の存在量は、上記液晶材料の配列安定性を所望の程度にできる範囲内であれば特に限定されないが、通常、液晶層中に0.5質量%〜30質量%の範囲内が好ましく、特に1質量%〜20質量%の範囲内が好ましく、中でも1質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも多いと、上記液晶材料の駆動電圧の増加や、応答速度の低下を生じる場合があるからである。また、上記範囲よりも少ないと上記液晶材料の配列安定性が不十分となり、本態様の液晶表示素子の耐熱性や耐衝撃性を損なってしまう可能性があるからである。
ここで、液晶層中における重合性モノマーの重合物の存在量は、液晶層中の単分子液晶を溶剤で洗い流した後、残存する重合性モノマーの重合物の重量を電子天秤で測量することによって求めた残存量と、上記液晶層の総質量とから算出することができる。
(3)液晶層
本態様に用いられる液晶層の厚みは、1.2μm〜3.0μmの範囲内であるのが好ましく、より好ましくは1.3μm〜2.5μm、さらに好ましくは1.4μm〜2.0μmの範囲内である。液晶層の厚みが薄すぎるとコントラストが低下するおそれがあり、逆に液晶層の厚みが厚すぎると液晶材料が配向しにくくなる可能性があるからである。
4.接着剤
次に、本態様に用いられる接着剤について説明する。本態様に用いられる接着剤は、上記液晶表示素子用基板が備える接着剤充填用隔壁部内に充填され、上記液晶表示素子用基板を、上記TFT電極側基板と接着する機能を有するものである。
本態様に用いられる接着剤は、上記液晶表示素子用基板と上記TFT電極側基板とを所望の接着強度で接着できるものであれば特に限定されるものではなく、上記液晶表示素子用基板における接着剤充填用隔壁部の形成密度や、上記液晶表示素子用基板およびTFT電極側基板の具体的構成に応じて適宜選択して用いることができる。このような接着剤としては、活性放射線を照射することにより硬化する活性放射線硬化型樹脂、加熱することにより硬化する熱硬化型樹脂、および、2液を混合することにより硬化する2液硬化型樹脂を挙げることができる。
上記活性放射線硬化型樹脂としては、上記液晶表示素子用基板と上記TFT電極側基板とを所望の接着強度で接着できるものであれば特に限定されるものではない。ここで、活性放射線とは、硬化型樹脂のモノマーやオリゴマー等に照射することにより、モノマー等の重合反応に必要な活性化エネルギーを供給できる放射線をいう。
このような活性放射線硬化型樹脂としては、特定範囲の波長を有する光(電磁波)を照射することにより硬化する光硬化型樹脂と、電子線を照射することにより硬化する電子線硬化型樹脂とを挙げることができる。本態様に用いられる上記活性放射線硬化型樹脂としては、上記光硬化型樹脂および上記電子線硬化型樹脂のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも光硬化型樹脂を用いることが好ましい。光硬化型樹脂は広く他分野においても利用されており、すでに確立された技術であることから本態様への応用が容易だからである。
また、上記光硬化型樹脂としては紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型樹脂、可視光を照射することにより硬化する可視光硬化型樹脂等を挙げることができるが、本態様においては紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。
さらに、上記紫外線硬化型樹脂を用いる場合は、硬化される紫外線の波長範囲が150nm〜500nmの範囲内のものが好ましく、なかでも250nm〜450nmの範囲内のものが好ましく、特に300nm〜400nmの範囲内ものが好ましい。このような紫外線硬化型樹脂は、紫外線照射装置の容易性等の観点で有用だからである。
このような紫外線硬化型樹脂の具体例としては、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、カチオン重合系モノマー、アクリレートオリゴマー、ポリエステル系オリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー等を挙げることができる。なかでも本発明においては、アクリレートモノマー、および、アクリレートオリゴマーを用いることが好ましい。
なお、本態様においては、上記活性放射線硬化型樹脂を1種類のみ用いてもよく、または、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記熱硬化型樹脂についても、上記液晶表示素子用基板と上記TFT電極側基板とを所望の接着強度で接着できるものであれば特に限定されるものではない。このような熱硬化型樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。また、本態様においてはこのような熱硬化型樹脂の中から、1種類または2種類以上を選択して用いることができる。
また、上記2液硬化型樹脂についても、上記液晶表示素子用基板と上記TFT電極側基板とを所望の接着強度で接着できるものであれば特に限定されるものではない。このような2液硬化型樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。なかでも本発明においては、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂を用いることが好ましい。
本態様の液晶表示素子において、上記液晶表示素子用基板に形成された接着剤充填用隔壁部が、上記TFT電極側基板に形成されたTFT電極上に配置される場合は、本態様に用いられる接着剤は黒色であることが好ましい。上記のような場合に、黒色でない接着剤を用いると、上記接着剤充填用隔壁部を通じて上記TFT電極に光が照射されてしまい、これに起因してTFT電極の誤動作が生じる恐れがあるが、黒色の接着剤を用いることによりこのような問題が無くなるからである。
5.液晶表示素子
本態様の液晶表示素子には、上記液晶表示素子用基板、TFT電極側基板、および、液晶層以外の他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置に用いられる構成を用いることができる。
また、上記液晶表示素子用基板およびTFT電極側基板としては、反応性液晶層が積層された配向層または対向配向層を有するものを用いることが好ましく、さらには両者の反応性液晶層を構成する反応性液晶は互いに組成が異なるものであることが好ましい。このような液晶表示素子用基板およびTFT電極側基板を用いることにより、例えば、上記液晶材料として強誘電性液晶を用いた場合に、ジグザグ欠陥、ヘアピン欠陥やダブルドメイン等の配向欠陥の発生を抑制し、単安定性の動作モードを実現することができるからである。
本態様の液晶表示素子は、アクティブマトリックス方式により駆動させることが好ましく、さらにカラーフィルタ方式またはフィールドシーケンシャルカラー方式を採用することによりカラーの液晶表示素子とすることができる。
6.液晶表示素子の製造方法
次に、本態様の液晶表示素子の製造方法について説明する。本態様の液晶表示素子の製造方法としては、上記構成を有する液晶表示素子を作製することが可能な方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記液晶表示素子用基板の上記接着剤充填用隔壁部内に接着剤を充填する接着剤充填工程と、上記液晶表示素子用基板の共通電極上に液晶材料を滴下することにより、液晶材料を充填する液晶充填工程と、上記液晶材料が充填された液晶表示素子用基板と、上記TFT電極側基板とを真空下において貼り合わせる基板貼り合わせ工程と、上記液晶材料を配列させる液晶配列工程とを用いる方法を挙げることができる。
以下、本態様の液晶表示素子の製造方法の一例として、このような方法について説明する。
(1)接着剤充填工程
まず、上記接着剤充填工程について説明する。本工程は上記液晶表示素子用基板の上記接着剤充填用隔壁部内に接着剤を充填する工程である。
本工程において、上記接着剤充填用隔壁部内に接着剤を充填する方法としては、上記接着剤充填用隔壁部内に所定量の接着剤を充填できる方法であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、インクジェットヘッドを用いて上記接着剤充填用隔壁部内に接着剤を滴下するインクジェット法が好適に用いられる。インクジェット法は、滴下位置の精度が高く、かつ、微量の接着剤を滴下することが可能だからである。
また、本工程において上記接着剤充填用隔壁部の内側以外の部位に、接着剤が滴下されてしまった場合は、次工程に進む前に上記接着剤を取り除くことが必要となる。このとき、上記接着剤を取り除く方法としては特に限定されないが、例えば、上記接着剤として硬化型樹脂が用いられている場合は、通常、上記接着剤を硬化した後に除去する方法が用いられる。
(2)液晶充填工程
次に、上記液晶充填工程について説明する。本工程は、上記液晶表示素子用基板の共通電極上に液晶材料を滴下することにより、液晶材料を充填する工程である。
本工程において、上記共通電極上に液晶材料を滴下する方法としては所定量の液晶材料を滴下できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、インクジェットヘッドを用いて液晶材料を滴下するインクジェット法、ディスペンサーを用いて液晶材料を滴下するディスペンサー法等の一般的にODF方式等によって液晶を滴下する際に用いられている方法を用いることができる。
(3)基板貼り合わせ工程
次に、上記基板貼り合わせ工程について説明する。本工程は上記液晶材料が充填された液晶表示素子用基板と、上記TFT電極側基板とを真空下において貼り合わせる工程である。
本工程において上記液晶表示素子用基板と、上記TFT電極側基板とを貼り合わせる方法としては、所定の真空条件下において上記基板を貼り合わせることができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置の製造する際に、基板を貼り合わせる方法として公知の方法を用いることができる。
このような方法としては、例えば、上記接着剤として硬化型樹脂が用いられている場合は、通常、上記液晶表示素子用基板および上記TFT電極側基板を、上記配向層と上記対向配向層とが対向するように配置した後、上記接着剤の硬化処理を行う方法が用いられる。このとき用いられる硬化処理は、硬化型樹脂の種類によるものであり、例えば、上記硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂を用いた場合には紫外線照射処理を行うことになり、上記硬化型樹脂として熱硬化型樹脂を用いた場合には、加熱処理を行うことになる。
(4)液晶配列工程
次に、上記液晶配列工程について説明する。本工程は、上記基板貼り合わせ工程により上記液晶表示素子用基板と、上記TFT電極側基板との間に封入された液晶材料を配列させる工程である。
本工程において上記液晶材料を配列される方法としては、上記液晶材料の種類に応じて上記液晶材料を所望の態様に配列できる方法であれば特に限定されるものではないが、通常、上記液晶材料を液晶相‐等方相転移温度以上まで加温した後、液晶相‐等方相転移温度以下に冷却する方法が用いられる。
上記液晶材料として強誘電性液晶を用いた場合、上記強誘電性液晶はカイラルスメクチックC相の状態で液晶表示素子のスイッチング機能を果たすものであるため、本工程は上記強誘電性液晶をカイラルスメクチックC相に状態にする工程となる。本工程において、上記強誘電性液晶をこのように配列させる方法としては、上記強誘電性液晶をカイラルスメクチックC相の状態にできる方法であれば特に限定されるものではないが、通常、上記強誘電性液晶をカイラルスメクチックC相からネマチック相または等方相への転移温度以上に加温し、封入された強誘電性液晶を冷却することによりカイラルスメクチックC相とする方法が用いられる。
C−2:第2態様の液晶表示素子
次に、本発明の第2態様の液晶表示素子について説明する。本態様の液晶表示素子は、上記本発明に係る液晶表示素子用TFT基板が用いられたものである。
すなわち本態様の液晶表示素子は、接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤が充填された上記本発明に係る液晶表示素子用TFT基板、および、基板と、上記基板上に形成された共通電極と、上記共通電極上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を有する対向配向層と、を有する対向基板が、上記配向層と上記対向配向層とが対向するように上記接着剤を介して接着されており、かつ、上記液晶表示素子用TFT基板および上記対向基板の間に液晶材料を含有する液晶層が形成されていることを特徴とするものである。
このような本態様の液晶表示素子について図を参照しながら説明する。図13は、本態様の液晶表示素子の一例を示す概略図である。図13に例示するように、本態様の液晶表示素子60は、液晶材料に対する配向規制力を有する配向層25が形成された構成を有する、本発明の液晶表示素子用TFT基板20’と、対向基板50とが上記接着剤充填用隔壁部23内に充填された接着剤63を介して接着されており、かつ、液晶表示素子用TFT基板20’と、対向基板50との間に、液晶材料を含有する液晶層61が形成された構成を有するものである。
このような例において、上記対向基板50は、基板51と、上記基板51上に形成された共通電極52と、上記共通電極52に形成され、液晶材料に対する配向規制力を有する対向配向層53と、を有するものである。
また図13に例示するように、本態様の液晶表示素子60には、上記液晶層61を封止するためのシール材62が用いられていてもよい。
本態様の液晶表示素子によれば、上記本発明に係る液晶表示素子用TFT基板が用いられ、上記接着剤充填用隔壁の内側に充填された接着剤を介して上記対向基板と、上記液晶表示素子用TFT基板とが接着された構成を有することにより、所定の均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることができる。
本態様の液晶表示素子は、少なくとも上記液晶表示素子用TFT基板、対向基板および液晶層を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本態様の液晶表示装置に用いられる各構成について順に説明する。
1.液晶表示素子用TFT基板
まず、本態様に用いられる液晶表示素子用TFT基板について説明する。本態様に用いられる液晶表示素子用TFT基板は、上記本発明に係る液晶表示素子用TFT基板のうち、液晶材料に対する配向規制力を有する配向層が形成された構成を有するものである。
本態様の液晶表示素子は、上記液晶表示素子用TFT基板としてこのような構成を有する本発明の液晶表示素子用TFT基板が用いられていることにより、所定の均一なセルギャップで強固に接着された液晶表示素子を得ることができるのである。
ここで、本態様に用いられる液晶表示素子用TFT基板については、上記「B.液晶表示素子用TFT基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.対向基板
次に、本態様に用いられる対向基板について説明する。本態様に用いられる対向基板は基板と、上記基板上に形成された共通電極と、上記共通電極上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を有する対向配向層と、を有するものである。
ここで、上記対向基板に用いられる上記基板、共通電極および対向配向層については、それぞれ本発明に係る液晶表示素子用基板に用いられる基板、共通電極および配向層として、上記「A.液晶表示素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる対向基板は、上記基板、共通電極および対向配向層以外に他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては、本態様の液晶表示素子に求める機能に応じて、所望の機能を有する構成を用いることができる。なかでも上記対向基板に好適に用いられる上記他の構成としては、上記基板と上記共通電極との間に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルター層を挙げることができる。このようなカラーフィルター層が形成されていることにより、本態様の液晶表示素子をカラーフィルター方式によるカラー表示に適したものにすることができる。
本態様に用いられる対向基板が、上記カラーフィルター層を有する態様について図を参照しながら説明する。図14は上記カラーフィルター層を有する対向基板が用いられた本態様の液晶表示素子の一例を示す概略図である。図14に例示するように、本態様の液晶表示素子は60’は、対向基板50’として基板51と共通電極52との間に、複数の着色層を有するカラーフィルター層54が形成されたものであってもよい。
なお、本態様に用いられる上記カラーフィルター層としては、上記「A.液晶表示素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.液晶層
次に、本態様に用いられる液晶層について説明する。本態様に用いられる液晶層は液晶材料を含有するものである。
ここで、本態様に用いられる液晶層については、上記「C−1:第1態様の液晶表示素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.接着剤
次に、本態様に用いられる接着剤について説明する。本態様に用いられる接着剤は、上記液晶表示素子用TFT基板が備える接着剤充填用隔壁部内に充填され、上記液晶表示素子用TFT基板を、上記対向基板と接着する機能を有するものである。
ここで、本態様に用いられる接着剤については、上記「C−1:第1態様の液晶表示素子」の項において説明したものと同様であるためここでの説明は省略する。
5.液晶表示素子
本態様の液晶表示素子には、上記液晶表示素子用TFT基板、対向基板、および、液晶層以外の他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置に用いられる構成を用いることができる。
また、上記液晶表示素子用TFT基板および対向基板としては、反応性液晶層が積層された配向層を有するものを用いることが好ましく、さらには両者の反応性液晶層を構成する反応性液晶は互いに組成が異なるものであることが好ましい。このような液晶表示素子用TFT基板および対向基板を用いることにより、例えば、上記液晶材料として強誘電性液晶を用いた場合に、ジグザグ欠陥、ヘアピン欠陥やダブルドメイン等の配向欠陥の発生を抑制し、単安定性の動作モードを実現することができるからである。
本態様の液晶表示素子は、アクティブマトリックス方式により駆動させることが好ましく、さらにカラーフィルタ方式またはフィールドシーケンシャルカラー方式を採用することによりカラーの液晶表示素子とすることができる。
5.液晶表示素子の製造方法
次に、本態様の液晶表示素子の製造方法について説明する。本態様の液晶表示素子の製造方法としては、上記構成を有する液晶表示素子を作製することが可能な方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記液晶表示素子用TFT基板の上記接着剤充填用隔壁部内に接着剤を充填する接着剤充填工程と、上記液晶表示素子用TFT基板の上記TFT電極層上に上記液晶材料を滴下することにより、液晶材料を充填する液晶充填工程と、上記液晶材料が充填された液晶表示素子用TFT基板と、上記対向基板とを真空下において貼り合わせる基板貼り合わせ工程と、上記液晶材料を配列される液晶配列工程とを用いる方法を挙げることができる。
以下、本態様の液晶表示素子の製造方法の一例として、このような方法について説明する。
(2)接着剤充填工程
まず、上記接着剤充填工程について説明する。本工程は上記液晶表示素子用TFT基板の上記接着剤充填用隔壁部内に接着剤を充填する工程である。
ここで、本工程において上記接着剤充填用隔壁部内に接着剤を充填する方法としては、上記「C−1:第1態様の液晶表示素子」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)液晶充填工程
次に、上記液晶充填工程について説明する。本工程は、上記液晶表示素子用TFT基板が有するTFT電極層上に液晶材料を滴下することにより、上記TFT電極層上に液晶材料を充填する工程である。
ここで、本工程において上記TFT電極層上に液晶材料を充填する方法としては、上記「C−1:第1態様の液晶表示素子」の項において説明した方法と同様であるためここでの説明は省略する。
(3)基板貼り合わせ工程
次に、上記基板貼り合わせ工程について説明する。本工程は、上記液晶充填工程により、液晶材料が充填された液晶表示素子用TFT基板と、上記対向基板とを真空下において貼り合わせる工程である。
ここで、本工程において上記液晶表示素子用TFT基板と、上記対向基板とを貼り合わせる方法としては、上記「C−1:第1態様の液晶表示素子」の項において説明した方法と同様であるためここでの説明は省略する。
(4)液晶配列工程
次に、上記液晶配列工程について説明する。本工程は、上記基板貼り合わせ工程により上記液晶表示素子用TFT基板と、上記対向基板との間に封入された液晶材料を配列させる工程である。
本工程において、上記液晶材料を配列させる方法としては、上記「C−1:第1態様の液晶表示素子」の項において説明した方法と同様の方法を用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を示すことにより、本発明をより具体的に説明する。
1.実施例1
(液晶表示素子用TFT基板の作製)
TFT電極層が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に透明レジスト(商品名:NN780、JSR社製)をスピンコートして、減圧乾燥し、90℃で3分間プリベークを行った。
次いで、100mJ/cmの紫外線でマスク露光し、無機アルカリ溶液で現像を行い、230℃で30分間ポストベークを行った。これにより、TFT電極層の非画素領域上に図15に示されるパターン状の高さ1.5μmの接着剤充填用隔壁部を形成した。
次に、上記減圧接着用隔壁部を形成した基板上に、光二量化反応型の光配向膜材料(商品名:ROP-102、ロリックテクノロジー社製)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で10分間乾燥した後、直線偏光紫外線を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。その後、インクジェット装置を使用し接着剤充填隔壁部の内側に接着剤(72:ノーランド社)が着弾するように接着剤を塗布した。
(対向基板の作製)
ITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に、光二量化反応型の光配向膜材料(商品名:ROP-103、ロリックテクノロジー社製)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で10分間乾燥した後、直線紫外線偏光を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(液晶表示素子の作製)
次に、真空チャンバー内に配置したホットプレートを100℃に加熱して、このホットプレート上に作製した液晶表示素子用TFT基板を配置し、100℃に加熱したディスペンサーを用いて、強誘電性液晶(商品名:R2301、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を塗布した。
次に、作製した対向基板を、吸着プレートで吸着し、液晶表示素子用TFT基板および対向基板をそれぞれの配向処理方向が平行になるように対向させた。そして、真空チャンバー内が10Torrになるように排気を行った状態で、両基板を密着させ、一定の圧力をかけた後、真空チャンバー内を常圧に戻した。その際、2つの基板は離れることなく接着状態になった。
その後、強誘電性液晶を室温まで徐冷することにより、液晶表示素子を作製した。
作製した液晶表示素子について偏光顕微鏡で強誘電性液晶の配向状態を観察したところ、表示領域全体で均一なモノドメイン配向が得られた。この液晶パネルを偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れは観察されなかった。
2.比較例1
接着剤充填用隔壁部を形成せず、代わりに柱状のフォトスペーサーに変更した以外は実施例1と同様の方法により液晶表示素子を作製した。
作製した液晶表示素子では、対向基板と液晶表示素子用TFT基板とが接着状態にはならず剥がれが起こった。また、この液晶パネルを偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れが観察された。
3.比較例2
接着剤充填用隔壁部のパターンを図16に示す形状に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によって液晶表示素子を作製した。
作製した液晶表示素子は接着剤の塗布ムラにより接着剤量が多い箇所で目標のセルギャップが取れず液晶配向の違いがみられ、表示色の変化が見られた。
4.実施例2
(液晶表示素子用基板の作製)
カラーフィルター層とITOからなる共通電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に透明レジスト(商品名:NN780、JSR社製)をスピンコートして、減圧乾燥し、90℃で3分間プリベークを行った。
次いで、100mJ/cmの紫外線でマスク露光し、無機アルカリ溶液で現像を行い、230℃で30分間ポストベークを行った。これにより、図15に示すパターン状の高さ1.5μmの接着剤充填用隔壁部を形成した。
次に、上記減圧接着用隔壁部を形成した基板上に、光二量化反応型の光配向膜材料(商品名:ROP-102、ロリックテクノロジー社製)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で10分間乾燥した後、直線偏光紫外線を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
その後、インクジェット装置を使用し接着剤充填隔壁部の内部に接着剤(72:ノーランド社)が着弾するように接着剤を塗布した。
(TFT電極側基板の作製)
TFT電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に、光二量化反応型の光配向膜材料(商品名:ROP-103、ロリックテクノロジー社製)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で10分間乾燥した後、直線紫外線偏光を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(液晶表示素子の作製)
真空チャンバー内に配置したホットプレートを100℃に加熱して、このホットプレート上に液晶表示素子用基板を配置し、100℃に加熱したディスペンサーを用いて、強誘電性液晶(商品名:R2301、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を塗布した。次に、対向基板を、吸着プレートで吸着し、液晶表示素子用基板およびTFT電極側基板をそれぞれの配向処理方向が平行になるように対向させた。そして、真空チャンバー内が10Torrになるように排気を行った状態で、両基板を密着させ、一定の圧力をかけた後、真空チャンバー内を常圧に戻した。その際、2つの基板は離れることなく接着状態になった。その後、、強誘電性液晶を室温まで徐冷することにより、液晶表示素子を作製した。
作製した液晶表示素子について偏光顕微鏡で強誘電性液晶の配向状態を観察したところ、表示領域全体で均一なモノドメイン配向が得られた。この液晶パネルを偏光板のクロスニコル下に置き、先端径が1cmの棒により荷重100gで表示部の中央を押したところ、棒先の周囲に表示色の変化や液晶配向の乱れは観察されなかった。
5.比較例3
接着剤充填用隔壁部を図16に示す形状に変更したこと以外は実施例2と同様の方法により液晶表示素子を作製した。
作製した液晶表示素子は接着剤の塗布ムラにより接着剤量が多い箇所で目標のセルギャップが取れず液晶配向の違いがみられ、表示色の変化が見られた。
本発明の液晶表示素子用基板の一例を示す概略図である。 本発明の液晶表示素子用基板における接着剤充填用隔壁部の形成比率を説明する概略図である。 本発明の液晶表示素子用基板の他の例を示す概略図である。 本発明の液晶表示素子用基板の他の例を示す概略図である。 本発明の液晶表示素子用基板の他の例を示す概略図である。 本発明の液晶表示素子用基板の他の例を示す概略図である。 本発明の液晶表示素子用TFT基板の一例を示す概略図である。 本発明の液晶表示素子用TFT基板に用いられるTFT電極層の一例を示す概略図である。 本発明の液晶表示素子用TFT基板の他の例を示す概略図である。 本発明の液晶表示素子用TFT基板の他の例を示す概略図である。 本発明の第1態様の液晶表示素子の一例を示す概略図である。 本発明に用いられる強誘電性液晶の単安定性について説明する概略図である。 本発明の第2態様の液晶表示素子の一例を示す概略図である。 本発明の第2態様の液晶表示素子の他の例を示す概略図である。 本発明における接着剤充填用隔壁部の形状の一例を示す概略図である。 本発明における接着剤充填用隔壁部の形状の他の例を示す概略図である。
符号の説明
1 … 基板
2 … 共通電極
3 … 接着剤充填用隔壁部
4 … 接着剤量調整用開口部
5 … カラーフィルター層
5a,5a’,5a’’,5a’’’ … 着色層
5b … オーバーコート層
5c … 遮光部
6 … 配向層
7 … スペーサー部
10,10’,10’’,10’’’ … 液晶表示素子用基板
20,20’,20’’ … 液晶表示素子用TFT基板
21 … 基板
22 … TFT電極層
22a … TFT電極
22b … 画素電極
22c … 保護層
22A … ゲート電極
22B … ゲート絶縁膜
22C … 半導体層
22D … ソース電極
22E … ドレイン電極
23 … 接着剤充填用隔壁部
24 … 接着剤量調整用開口部
25 … 配向層
26 … スペーサー部
30 … TFT電極側基板
31 … 基板
32 … TFT電極層
32a … TFT電極
32b … 画素電極
33 … 配向層
40 … 液晶表示素子
41 … 液晶層
42 … 接着剤
50,50’ … 対向基板
51 … 基板
52 … 共通電極
53 … 配向層
54 … カラーフィルター層
60,60’ … 液晶表示素子
61 … 液晶層
62 … シール材
63 … 接着剤

Claims (9)

  1. 基板と、前記基板上に形成された共通電極と、前記共通電極上に形成された接着剤充填用隔壁部と、を有する液晶表示素子用基板であって、
    前記接着剤充填用隔壁部に、前記接着剤充填用隔壁部の内側に充填される接着剤量を調整する接着剤量調整用開口部が形成されていることを特徴とする、液晶表示素子用基板。
  2. 前記基板と、前記共通電極との間に複数の着色層を有するカラーフィルター層が形成されており、前記接着剤充填用隔壁部が前記共通電極上であって、かつ、前記着色層が形成されていない領域上に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示素子用基板。
  3. 前記接着剤充填用隔壁部および前記共通電極上に、液晶材料に対して配向規制力を有する配向層が形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の液晶表示素子用基板。
  4. 前記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤が充填された請求項3に記載の液晶表示素子用基板、および、基板と、前記基板上に形成され、複数のTFT電極および前記TFT電極に接続された画素電極を有するTFT電極層と、前記TFT電極層上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を有する対向配向層と、を有するTFT電極側基板が、前記配向層と前記対向配向層とが対向するように前記接着剤を介して接着されており、かつ、前記液晶表示素子用基板および前記TFT電極側基板の間に液晶材料を含有する液晶層が形成されていることを特徴とする、液晶表示素子。
  5. 前記液晶材料が強誘電性液晶であることを特徴とする、請求項4に記載の液晶表示素子。
  6. 基板と、前記基板上に形成され、複数のTFT電極および前記TFT電極に接続された画素電極を有するTFT電極層と、前記TFT電極層の非画素領域上に形成された接着剤充填用隔壁部とを有する、液晶表示素子用TFT基板であって、
    前記接着剤充填用隔壁部に、前記接着剤充填用隔壁部の内側に充填される接着剤量を調整する接着剤量調整用開口部が形成されていることを特徴とする、液晶表示素子用TFT基板。
  7. 前記TFT電極層および前記接着剤充填用隔壁部上に、液晶材料に対して配向規制力を有する配向層が形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の液晶表示素子用TFT基板。
  8. 前記接着剤充填用隔壁部の内側に接着剤が充填された請求項7に記載の液晶表示素子用TFT基板、および、基板と、前記基板上に形成された共通電極と、前記共通電極上に形成され、液晶材料に対する配向規制力を有する対向配向層と、を有する対向基板が、前記配向層と前記対向配向層とが対向するように前記接着剤を介して接着されており、かつ、前記液晶表示素子用TFT基板および前記対向基板の間に液晶材料を含有する液晶層が形成されていることを特徴とする、液晶表示素子。
  9. 前記液晶材料が強誘電性液晶であることを特徴とする、請求項8に記載の液晶表示素子。
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