JP7182627B2 - 光学異方性層の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学異方性層の製造方法に関する。
光学補償シートおよび位相差フィルム等の光学フィルムは、画像着色解消および/または視野角拡大のために、様々な画像表示装置で用いられている。
従来、光学フィルムとしては延伸複屈折フィルムが使用されていたが、近年、延伸複屈折フィルムに代えて、液晶化合物を用いて形成される光学異方性層が提案されている。
例えば、特許文献1には、スメクチック相で固定化された光学異方性層を作製する光学異方性層の製造方法が開示されている。特許文献1の製造方法では、重合性液晶組成物からなる未硬化層に対する、加熱工程、冷却加熱工程、および、重合工程を経て光学異方性層を作製される(請求項1)。
特開2017-068005号公報
光学異方性層は、電子機器類に組み込まれて使用される場合が多い。そのため、光学異方性層には、高温等の過酷な環境下でも、長期間安定した性能を示せる耐久性が求められている。
また、薄型化の観点から偏光子上に直接または他の層(例えば、配向膜)を介して光学異方性層を形成する場合、光学異方性層には優れたコントラスト(以下、「フィルムコントラスト」と略す。)も求められている。
さらに、偏光子と光学異方性層とを含む偏光板を用いた画像表示装置を作製した場合、作製される画像表示装置には優れたコントラスト(以下、「パネルコントラスト」と略す。)が求められている。
そこで、本発明は、優れた耐久性およびフィルムコントラストを有し、優れたパネルコントラストの画像表示装置を作製できる光学異方性層の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
〔1〕
重合性液晶化合物を含む未硬化層を形成する工程Aと、
上記未硬化層に加熱処理を施して、ネマチック相を形成する工程Bと、
上記ネマチック相を形成した未硬化層に冷却処理を施して、スメクチック相を形成する工程Cと、
上記スメクチック相を形成した未硬化層に対して、第1露光処理を施し、半硬化層を形成する工程Dと、
上記第1露光処理時の温度よりも高い温度条件下にて、上記半硬化層に第2露光処理を施し、光学異方性層を形成する工程Eと、を有する光学異方性層の製造方法。
〔2〕
上記工程Cにおける上記未硬化層の降温速度が、1~100℃/分である、〔1〕に記載の光学異方性層の製造方法。
〔3〕
上記工程Cにおける上記未硬化層の降温速度が、1~60℃/分である、〔1〕または〔2〕に記載の光学異方性層の製造方法。
〔4〕
上記工程Cにおいて上記未硬化層の温度が漸減する、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の光学異方性層の製造方法。
〔5〕
上記第1露光処理に用いられる光が、紫外線である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の光学異方性層の製造方法。
〔6〕
上記第1露光処理における露光量が、1~60mJ/cmである、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の光学異方性層の製造方法。
〔7〕
上記第1露光処理における露光量が、10~30mJ/cmである、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の光学異方性層の製造方法。
〔8〕
上記第2露光処理時の温度が上記重合性液晶化合物のスメクチック相とネマチック相との相転移温度よりも高い、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の光学異方性層の製造方法。
〔9〕
上記第1露光処理時の温度と、上記第2露光処理時の温度との差が、20℃以上である、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の光学異方性層の製造方法。
〔10〕
上記第1露光処理時の温度と、上記第2露光処理時の温度との差が、40℃以上である、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の光学異方性層の製造方法。
〔11〕
上記未硬化層がオキシムエステル系重合開始剤を含む、〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の光学異方性層の製造方法。
本発明によれば、優れた耐久性およびフィルムコントラストを有し、優れたパネルコントラストの画像表示装置を作製できる光学異方性層の製造方法を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされる場合があるが、本発明はそのような実施態様に限定されない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、層(後述する未硬化層等)の温度に言及する場合は、層の表面の温度を放射温度計で測定した温度であることを意図する。
本明細書において、スメクチック相とは、一方向にそろった分子が層構造を有している状態をいい、ネマチック相とは、その構成分子が配向秩序を持つが、三次元的な位置秩序を持たない状態をいう。
本明細書において、相転移温度は、配向膜上に形成した未硬化層を、セントラルプロセッサー FP90(Mettler TOLEDO)と光学顕微鏡とを用いて、未硬化層を加熱又は冷却しながら観察し、相の変化が生じた温度を相転移温度とした。
未硬化層については後述する。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚み方向のレターデーションを表す。例えば、Re(450)は、波長450nmにおける面内レターデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)はAxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2-nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、特段の記載がない限り、AxoScan OPMF-1で算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本明細書において、屈折率nx、ny、および、nzは、アッベ屈折率(NAR-4T、アタゴ(株)製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また、波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR-M2(アタゴ(株)製)にて、干渉フィルタとの組み合わせで測定できる。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、および、各種光学フィルムのカタログの値を使用できる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、および、ポリスチレン(1.59)。
また、本明細書において、表記される二価の基(例えば、-CO-O-)の結合方向は特に限定されず、例えば、後述する一般式(W)中のLが-CO-O-である場合、P側に結合している位置を*1、Sp側に結合している位置を*2とすると、Lは、*1-CO-O-*2であってもよく、*1-O-CO-*2であってもよい。
[光学異方性層の製造方法]
本発明の光学異方性層の製造方法は、下記工程A~Eを有する。
工程A:重合性液晶化合物を含む未硬化層を形成する工程(層形成工程)。
工程B:上記未硬化層に加熱処理を施して、ネマチック相を形成する工程B(ネマチック相形成工程)。
工程C:上記ネマチック相を形成した未硬化層に冷却処理を施して、スメクチック相を形成する工程(冷却工程)。
工程D:上記スメクチック相を形成した未硬化層に対して、第1露光処理を施し、半硬化層を形成する工程(第1重合工程)。
工程E:上記第1露光処理時の温度よりも高い温度条件下にて、上記半硬化層に第2露光処理を施し、光学異方性層を形成する(第2重合工程)。
このような構成をとることで本発明の課題を解決できる理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。
まず、本発明では、スメクチック相とネマチック相との相転移温度以下まで冷却されてスメクチック相の状態である未硬化層に対して第1露光処理を行うことで、スメクチック相の優れた配向性を固定でき、最終的に得られる光学異方性層の分子のパッキングが良好となる。そのため本発明の光学異方性層はフィルムコントラストに優れ、画像表示装置に組み込んで使用した場合に優れたパネルコントラストの画像表示装置を得られる。
また、第1露光処理によって未硬化層を半硬化層とした後、第1露光処理をする際よりも高温で得られた半硬化層に対して第2露光処理を施すことで、単に、第1露光処理における温度で露光を続けるよりも、重合率が高く、耐久性に優れる光学異方性層が得られたと考えている。
以下、本発明の光学異方性層の製造方法が有する各工程について、詳細に説明する。
〔光学異方性層の製造工程〕
<工程A(層形成工程)>
工程A(層形成工程)は、重合性液晶化合物を含む未硬化層を形成する工程である。
未硬化層とは、重合性液晶化合物を含み、後述する第1露光処理および第2露光処理等の硬化処理が施されていない層である。後述するように、未硬化層は、等方相よりも低温側にネマチック相およびスメクチック相を、この順に示す。
上記未硬化層を形成する際には、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を用いて、未硬化層を形成することが好ましい。より具体的には、未硬化層は、例えば、基材上に重合性液晶組成物を塗布して、未硬化層を形成することが好ましい。基材としては、支持体および偏光子が挙げられる。なお、支持体上には、さらに配向膜が配置されていてもよい。
重合性液晶組成物に含まれる各成分については、後段で詳述する。
重合性液晶組成物を塗布する方法は特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法、グラビアオフセット印刷法、および、フレキソ印刷法が挙げられる。
なお、重合性液晶組成物を塗布後、必要に応じて、溶剤を除去するための乾燥処理を実施してもよい。
上記重合性液晶組成物の塗布量としては、所望する光学異方性層の厚みに応じて適宜調整すればよい。例えば、溶剤等が除去された状態における未硬化層の厚みが、0.1~10μmとなる塗付量が好ましく、0.5~5μmとなる塗付量がより好ましい。
<工程B(ネマチック相形成工程)>
工程B(ネマチック相形成工程)は、上記未硬化層に加熱処理を施して、ネマチック相を形成する工程である。
ネマチック相形成工程の手順としては、未硬化層の温度をスメクチック相とネマチック相との相転移温度以上の温度にまで加熱して、未硬化層をネマチック相にできれば特に限定はない。
上記加熱によって調整される未硬化層の温度(第1加熱温度)は、スメクチック相とネマチック相との相転移温度以上である。第1加熱温度は、昇温時におけるスメクチック相とネマチック相との相転移温度に対し、0~83℃高い温度が好ましく、2~53℃高い温度がより好ましく、2~37℃高い温度がさらに好ましい。
また、未硬化層はネマチック相が形成された状態で一定時間保持されるのが好ましい。このような保持時間は、1秒~10分が好ましく、5秒~5分以下がより好ましく、5~30秒がさらに好ましい。保持時間中、未硬化層の温度は第1加熱温度から±5℃の範囲内に維持されることが好ましい。
なお、未硬化層の温度を調整する手段に特に限定はなく、例えば、ホットプレートを用いてもよく、オーブンを用いてもよい。以下の工程において説明する、各層の温度操作についても同様である。
<工程C(冷却工程)>
工程C(冷却工程)は、工程B(ネマチック相形成工程)によってネマチック相を形成した未硬化層に冷却処理を施して、スメクチック相を形成する工程である。
冷却工程において冷却処理を施された未硬化層の温度(冷却温度)は、未硬化層がスメクチック相を形成できる温度であれば特に限定はなく、未硬化層に結晶が発生しだす温度より高い温度が好ましい。冷却温度は、降温時におけるスメクチック相とネマチック相との相転移温度に対し、0~60℃低い温度が好ましく、2~25℃低い温度がより好ましく、5~15℃低い温度がさらに好ましい。
光学異方性層のフィルムコントラスト、および、パネルコントラストがより優れる画像表示装置を得られる点から、冷却工程において冷却する際の未硬化層の降温速度(降温レート)は、0.5~200℃/分が好ましく、1~100℃/分がより好ましく、1~80℃/分がさらに好ましく、1~60℃/分が特に好ましい。
なお、降温レートは、上記第1加熱温度と上記冷却温度との温度差を、冷却処理の開始から冷却温度に到達するまでかかった時間で除して求められる。
また、冷却工程において、未硬化層の温度が漸減するのが好ましい。なお、「温度が漸減する」とは、冷却工程において未硬化層の温度が全体として低下する一方であることを意図する。言い換えると、降温の開始から冷却温度に到達するまで、未硬化層に有意な温度上昇が生じないことを意図する。
冷却処理の方法に特に限定はなく、ネマチック層を形成している未硬化層をスメクチック相にできればよい。例えば、ネマチック層を形成している未硬化層を、結晶相とスメクチック相との相転移温度よりも高く、かつ、スメクチック相とネマチック相との相転移温度よりも低く設定したホットプレート上に置いて、未硬化層にスメクチック相を形成する方法が挙げられる。
<工程D(第1重合工程)>
工程D(第1重合工程)は、工程Cでスメクチック相を形成した未硬化層に対して、第1露光処理を施し、半硬化層を形成する工程である。
第1露光処理を実施する時点で、未硬化層全体でスメクチック相が形成されるのが好ましい。
第1露光処理に用いられる光は、紫外線が好ましく、上記紫外線は波長365nmの光を含む紫外線が好ましい。
露光光源としては、例えば、メタルハライドランプ、水銀灯(中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等)、キセノンランプ、カーボンアーク灯、蛍光灯(紫外用蛍光灯等)、LED(LED:light emitting diode、紫外LED等)、および、LD(LD:laser diode、紫外LD等)が挙げられる。
露光光源から得た光に対して、干渉フィルタまたは色フィルタ等を用いて、照射する波長範囲を限定してもよい。また、これらの露光光源からの光に対して、偏光フィルタまたは偏光プリズム等を用いて偏光としてもよい。
第1露光処理における露光量は特に限定されず、後述するように、重合性液晶化合物に含まれる一部の重合性基を重合させて半硬化層を形成できればよい。中でも、光学異方性層の耐久性およびフィルムコントラスト、並びに、光学異方性層を画像表示装置に組み込んで場合のパネルコントラストがバランス良く優れる点から、第1露光処理における露光量(好ましくは波長300~390nmの積算露光量)は、0.5~100mJ/cmが好ましく、1~60mJ/cmがより好ましく、10~30mJ/cmがさらに好ましい。
また、第1露光処理は、均一な重合反応を進行させる観点から、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で実施するのが好ましい。
上述した第1露光処理によって、半硬化層が得られる。半硬化層とは、重合性液晶化合物に含まれる一部の重合性基を重合させて得られる層であり、半硬化層中には重合性液晶化合物由来の重合性基が残存している。中でも、第1露光処理後における重合性液晶化合物由来の重合性基の残存率は、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。上限は第2露光処理後の耐久性を良化させるために、第1露光処理後における重合性基の残存率は、90%以下の場合が好ましく、80%以下がより好ましい。
上記残存率は、第1露光処理後の半硬化層中における重合性液晶化合物由来の重合性基の量と、第1露光処理前の未硬化層中における重合性液晶化合物由来の重合性基の量とを比較することにより算出される。具体的には、赤外分光光度計によって、未硬化層中における、重合性基由来のピークと、露光前後で強度が変化しない重合性液晶化合物中の構造(例えば、カルボニル基)由来のピークとの比Xを算出する。同様に、半硬化層中における、重合性基由来のピークと、露光前後で強度が変化しない重合性液晶化合物中の構造(例えば、カルボニル基)由来のピークとの比Yを算出する。次に、式:比Y/比X×100により、上記残存率を算出できる。
<工程E(第2重合工程)>
工程E(第2重合工程)は、第1露光処理時の温度よりも高い温度条件下にて、上記半硬化層に第2露光処理を施し、光学異方性層を形成する工程である。
第1露光処理時の温度よりも高い温度条件下とは、第2露光処理が施される際の半硬化層の温度が、第1露光処理が施される際の未硬化層の温度よりも高い状態となる環境下であれば限定はない。
通常、上記温度条件を達成するために、第2重合工程では、第1重合工程を経て得られた半硬化層に加熱処理(第2加熱処理)が施される。第2露光処理は、第2加熱処理と同時に開始してもよいし、第2加熱処理によって半硬化層が所定の温度になってから実施してもよい。
第2露光処理は、半硬化層の温度を上昇させながら実施してもよいし、半硬化層の温度を一定に保ちながら実施してもよい。
第2加熱処理によって上昇する半硬化層の温度(第2加熱処理前後の半硬化層の温度差。言い換えれば、第1露光処理時の温度と、第2露光処理時の温度との差。)は、得られる光学異方性層の耐久性がより優れる点から、10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましい。上限は、160℃以下が好ましい。
第2露光処理時の半硬化層の温度(第2加熱温度)は、得られる光学異方性層の耐久性がより優れる点から、未硬化層の昇温時におけるスメクチック相とネマチック相との相転移温度以上が好ましい。
第2加熱処理で半硬化層が加熱される際の昇温速度(昇温レート)は、0.5~250℃/分が好ましく、50~200℃/分がより好ましく、75~150℃/分がさらに好ましい。
なお、昇温レートは、第2加熱処理前後の半硬化層の温度差を、第2加熱処理にかかった時間で除して求められる。
第2露光処理に用いられる光は、紫外線が好ましく、上記紫外線は波長365nmの光を含む紫外線が好ましい。
露光光源としては、第1露光処理の説明の中で挙げたのと同様の露光光源が例示される。
露光光源から得た光に対して、干渉フィルタまたは色フィルタ等を用いて、照射する波長範囲を限定してもよい。また、これらの露光光源からの光に対して、偏光フィルタまたは偏光プリズム等を用いて偏光としてもよい。
第2露光処理における露光量(好ましくは波長300~390nmの積算露光量)は、100~10000mJ/cmが好ましく、200~5000mJ/cmがより好ましく、400~1500mJ/cmがさらに好ましい。
また、第2露光処理は、均一な重合反応を進行させる観点から、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で実施するのが好ましい。
上記第2露光処理が施されて得られた光学異方性層中には、実質的に、重合性液晶化合物由来の重合性基は含まれていない。上記「実質的に」は、重合性液晶化合物由来の重合性基の残存率が、5%以下であることを意味する。なお、残存率は、光学異方性層中における重合性液晶化合物由来の重合性基の量と、第1露光処理前の未硬化層中における重合性液晶化合物由来の重合性基の量とを比較することにより算出される。具体的には、上述した赤外分光光度計を用いた方法が挙げられる。
〔重合性液晶組成物〕
本発明の製造方法においては、重合性液晶組成物を使用することが好ましい。
以下、重合性液晶組成物について説明する。
<重合性液晶化合物>
重合性液晶組成物は、重合性液晶化合物を含む。
ここで使用される重合性液晶化合物の1種以上は、ネマチック相およびスメクチック相を発現できる重合性液晶化合物が好ましい。
重合性液晶組成物は、ネマチック相およびスメクチック相を発現できる重合性液晶化合物以外であるその他の重合性液晶化合物を含んでもよいが、重合性液晶組成物全体としては、ネマチック相およびスメクチック相を発現できる未硬化層を形成できる必要がある。
重合性液晶化合物とは、重合性基を少なくとも1つ以上有する液晶化合物である。
一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプとに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子とタイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上の化合物を指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。
重合性液晶化合物は、重合性基を有し、スメクチック相を発現できる未硬化層を形成できる限り、いずれの液晶化合物も使用できる。中でも、棒状の重合性液晶化合物を用いるのが好ましい。
重合性液晶化合物は1分子中に重合性基を2以上有するのが好ましい。また、2種以上の重合性液晶化合物を使用する場合、少なくとも1種の重合性液晶化合物が、1分子中に2以上の重合性基を有しているのが好ましい。
なお、液晶化合物が重合によって固定された後においてはもはや液晶性を示す必要はないが、こうして形成された層は便宜上液晶層と称する場合がある。
重合性液晶化合物が有する、重合性基の種類は特に限定されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基がより好ましい。例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基、エポキシ基、または、オキセタン基が好ましく、中でも重合反応が高速である点で、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
(スメクチック相を発現できる重合性液晶化合物)
スメクチック相を発現できる重合性液晶化合物としては、例えば、特開2016-51178号公報、特開2008-214269号公報、特開2008-19240号公報、および、特開2006-276821号公報に記載の化合物が挙げられる。
また、棒状の重合性液晶化合物として、波長330~380nmの範囲に極大吸収波長を有する重合性液晶化合物が好ましい。
また、棒状の重合性液晶化合物は、逆波長分散性の重合性液晶化合物が好ましい。
ここで、本明細書において、重合性液晶化合物が逆波長分散性であるとは、このような重合性液晶化合物を用いて作製された位相差フィルム(光学異方性層等)の特定波長(可視光範囲)における面内のレターデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高くなる性質をいう。
例えば、下記式を満たす光学異方性層を形成できる重合性液晶化合物が好ましい。
Re(450)/Re(550)<1.00
中でも、重合性液晶化合物としては一般式(W)で表される化合物が好ましい。
-L-Sp-L-(-A-L-)-MG-(-L-A-)-L-Sp-L-P (W)
一般式(W)中、mおよびnは、それぞれ独立に、1~3の整数を表す。
一般式(W)中、L、L、L、L、L、および、Lは、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。
上記2価の連結基としては、-CO-O-、-C(=S)O-、-CR-、-CR-CR-、-O-CR-、-CR-O-CR-、-CO-O-CR-、-O-CO-CR-、-CR-O-CO-CR-、-CR-CO-O-CR-、-NR-CR-、または、-CO-NR-が好ましい。R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~4のアルキル基を表す。
が複数存在する場合、複数存在するLはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Lが複数存在する場合、複数存在するLはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(W)中、AおよびAは、それぞれ独立に、炭素数6以上の芳香環基、または、炭素数5以上(好ましくは炭素数5~8)の脂環式炭化水素基を表す。
上記脂環式炭化水素基を構成する-CH-の1個以上が-O-、-S-または-NH-で置換されていてもよい。
が複数存在する場合、複数存在するAはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Aが複数存在する場合、複数存在するAはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記AおよびAが表す炭素数5以上の脂環式炭化水素基としては、5員環または6員環の基が好ましい。また、脂環式炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよいが飽和脂環式炭化水素基が好ましい。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロヘキサン環基(シクロヘキサン-1,4-ジイル基等)およびシクロヘキセン環基が挙げられる。
また、脂環式炭化水素基としては、例えば、特開2012-21068号公報の段落[0078]の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
上記AおよびAが示す炭素数6以上の芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、および、フェナンスロリン環等の芳香族炭化水素環;フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、チアゾール環、および、ベンゾチアゾール環等の芳香族複素環;が挙げられる。中でも、ベンゼン環(例えば、1,4-フェニレン基等)が好ましい。
一般式(W)中、SpおよびSpは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する-CH-の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された2価の連結基を表す。Qは、置換基(アルキル基、アルコキシ基、または、ハロゲン原子等)を表す。
上記SpおよびSpが示す炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、または、ブチレン基等が好ましい。
一般式(W)中、PおよびPは、それぞれ独立に、1価の有機基を表し、PおよびPの少なくとも一方は重合性基を表す。ただし、MGが、後述の一般式(Ar-3)で表される芳香環である場合は、PおよびPならびに一般式(Ar-3)中のPおよびPの少なくとも1つが重合性基を表す。
上記PおよびPが示す重合性基は特に限定されず、ラジカル重合性基またはカチオン重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、一般に知られているラジカル重合性基を使用できる。例えば、アクリロイル基およびメタクリロイル基が挙げられる。この場合、重合速度は一般的にアクリロイル基が速く、生産性向上の観点からアクリロイル基が好ましい。また、メタクリロイル基も高複屈折性液晶の重合性基として同様に使用できる。
カチオン重合性基としては、一般に知られているカチオン重合性を使用できる。例えば、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、および、ビニルオキシ基等が挙げられる。中でも、脂環式エーテル基、または、ビニルオキシ基が好ましく、エポキシ基、オキセタニル基、または、ビニルオキシ基がより好ましい。
特に好ましい重合性基の例としては下記が挙げられる。
下記重合性基中、黒丸は、結合位置を表す。
Figure 0007182627000001
一般式(W)中、MGは、下記一般式(Ar-1)~(Ar-5)で表される基からなる群から選択されるいずれかの芳香環を表す。なお、下記一般式(Ar-1)~(Ar-5)中、*1はLとの結合位置を表し、*2はLとの結合位置を表す。
Figure 0007182627000002
ここで、上記一般式(Ar-1)中、Qは、NまたはCHを表し、Qは、-S-、-O-、または、-N(R)-を表し、Rは、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、Yは、置換基を有してもよい、炭素数6~12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3~12の芳香族複素環基を表す。
が示す炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、および、n-ヘキシル基等が挙げられる。
が示す炭素数6~12の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、および、ナフチル基等のアリール基が挙げられる。
が示す炭素数3~12の芳香族複素環基としては、例えば、チエニル基、チアゾリル基、フリル基、および、ピリジル基等のヘテロアリール基が挙げられる。
また、Yが有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、および、ハロゲン原子等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、炭素数1~18の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基が好ましく、炭素数1~8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、および、シクロヘキシル基等)がより好ましく、炭素数1~4のアルキル基がさらに好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~8のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-ブトキシ基、および、メトキシエトキシ基等)がより好ましく、炭素数1~4のアルコキシ基がさらに好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が特に好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、フッ素原子、または、塩素原子が好ましい。
また、上記一般式(Ar-1)~(Ar-5)中、Z、ZおよびZは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-NR、または、-SRを表し、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、ZおよびZは、互いに結合して芳香環を形成してもよい。
炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~15のアルキル基が好ましく、炭素数1~8のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ペンチル基(1,1-ジメチルプロピル基)、tert-ブチル基、または、1,1-ジメチル-3,3-ジメチル-ブチル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基、または、tert-ブチル基が特に好ましい。
炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、メチルシクロヘキシル基、および、エチルシクロヘキシル基等の単環式飽和炭化水素基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロオクタジエニル基、および、シクロデカジエン等の単環式不飽和炭化水素基;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル基、および、アダマンチル基等の多環式飽和炭化水素基;等が挙げられる。
炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、ナフチル基、および、ビフェニル基等が挙げられ、炭素数6~12のアリール基(特にフェニル基)が好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、フッ素原子、塩素原子、または、臭素原子が好ましい。
一方、R~Rが示す炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、および、n-ヘキシル基等が挙げられる。
また、上記一般式(Ar-2)および(Ar-3)中、AおよびAは、それぞれ独立に、-O-、-N(R)-、-S-、および、-CO-からなる群から選択される基を表し、Rは、水素原子または置換基を表す。
が示す置換基としては、上記一般式(Ar-1)中のYが有していてもよい置換基と同様の基が挙げられる。
また、上記一般式(Ar-2)中、Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14~16族の非金属原子を表す。
また、Xが示す第14~16族の非金属原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、置換基を有する窒素原子、および、置換基を有する炭素原子が挙げられ、置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキル置換アルコキシ基、環状アルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アルキルカルボニル基、スルホ基、および、水酸基等が挙げられる。
また、上記一般式(Ar-3)中、LおよびLは、それぞれ独立に、単結合、-CO-O-、-C(=S)O-、-CR-、-CR-CR-、-O-CR-、-CR-O-CR-、-CO-O-CR-、-O-CO-CR-、-CR-O-CO-CR-、-CR-CO-O-CR-、-NR-CR-、または、-CO-NR-を表す。R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~4のアルキル基を表す。
また、上記一般式(Ar-3)中、SPおよびSPは、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する-CH-の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された2価の連結基を表し、Qは、置換基を表す。置換基としては、上記一般式(Ar-1)中のYが有していてもよい置換基と同様の基が挙げられる。
また、上記一般式(Ar-3)中、PおよびPは、それぞれ独立に1価の有機基を表し、重合性基が好ましい。重合性基の例は、上述のPおよびPに関連して説明した通りである。ただし、上述の通りMGが、一般式(Ar-3)で表される芳香環である場合は、PおよびPならびに一般式(Ar-3)中のPおよびPの少なくとも1つが重合性基を表す。
また、上記一般式(Ar-4)~(Ar-5)中、Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2~30の有機基を表す。
また、上記一般式(Ar-4)~(Ar-5)中、Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選択される少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2~30の有機基を表す。
ここで、AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
また、Qは、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
AxおよびAyとしては、特許文献3(国際公開第2014/010325号)の段落[0039]~[0095]に記載された基が挙げられる。
また、Qが示す炭素数1~6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、および、n-ヘキシル基等が挙げられ、置換基としては、上記一般式(Ar-1)中のYが有していてもよい置換基と同様の基が挙げられる。
上記一般式(W)で表される液晶化合物の好ましい例を以下に示すが、これらの液晶化合物に限定されない。なお、下記式中の1,4-シクロヘキシレン基は、いずれもトランス-1,4-シクロヘキシレン基である。また、下記式中nは1~12の整数を表す。
Figure 0007182627000003
Figure 0007182627000004
Figure 0007182627000005

なお、上記式中、「*」は結合位置を表す。
Figure 0007182627000006

なお、上記式II-2-8およびII-2-9中のアクリロイルオキシ基に隣接する基は、プロピレン基(メチル基がエチレン基に置換した基)を表し、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物を表す。
Figure 0007182627000007
Figure 0007182627000008
Figure 0007182627000009
Figure 0007182627000010
Figure 0007182627000011
Figure 0007182627000012
重合性液晶組成物中、重合性液晶化合物の含有量は、重合性液晶組成物中の液晶化合物の全質量に対して、50~100質量%が好ましく、60~98質量%がより好ましく、65~95質量%がさらに好ましい。
なお、上記液晶化合物の全質量とは、重合性液晶組成物が非重合性の液晶化合物をも含む場合は、その質量をも算入した質量である。
重合性液晶化合物を2種以上使用する場合は、その合計含有量は、上記範囲内が好ましい。
重合性液晶組成物中、重合性液晶化合物の含有量は、重合性液晶組成物の全固形分の質量に対して、50~99.99質量%が好ましく、65~99.9質量%がより好ましく、80~99.5質量%がさらに好ましい。
重合性液晶化合物を2種以上使用する場合は、その合計含有量は、上記範囲内が好ましい。
なお、全固形分とは、光学異方性層を形成する成分を意図し、溶剤は含まれない。また、光学異方性層を形成する成分であれば、その性状が液体状であっても、固形分とみなす。
<光重合開始剤>
重合性液晶組成物は、光重合開始剤を含むのが好ましい。
使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル系重合開始剤、α-カルボニル系重合開始剤(例えば、米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル系重合開始剤(例えば、米国特許第2448828号明細書記載)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン系重合開始剤(例えば、米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン系重合開始剤(例えば、米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせた重合開始剤(例えば、米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン系重合開始剤(例えば、特開昭60-105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)、オキサジアゾール系重合開始剤(例えば、米国特許第4212970号明細書記載)、および、アシルフォスフィンオキシド系重合開始剤(例えば、特公昭63-40799号公報、特公平5-29234号公報、特開平10-95788号公報、特開平10-29997号公報記載)等が挙げられる。
中でも、露光された際に均一に硬化が進行し、より配向性に優れる光学異方性層を得られる点から、オキシムエステル系重合開始剤が好ましい。
重合性液晶組成物中、光重合開始剤の含有量は、重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物の全質量に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.1~8質量%がより好ましい。
重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
重合開始剤を2種以上使用する場合は、その合計含有量は、上記範囲内が好ましい。
<界面活性剤>
重合性液晶組成物は、未硬化層を形成した際の空気界面側の表面を平滑に保ち、より優れた配向性の光学異方性層を得る点から、界面活性剤を含むのが好ましい。
このような界面活性剤としては、添加量に対するレベリング効果が高い理由から、フッ素系界面活性剤またはケイ素系界面活性剤が好ましく、泣き出し(ブルーム、ブリード)を起こしにくい観点から、フッ素系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤としては、例えば、特開2007-069471号公報の段落[0079]~[0102]の記載に記載された化合物、特開2013-047204号公報に記載された一般式(I)で表される化合物(特に段落[0020]~[0032]に記載された化合物)、特開2012-211306号公報に記載された一般式(I)で表される化合物(特に段落[0022]~[0029]に記載された化合物)、特開2002-129162号公報に記載された一般式(I)で表される液晶配向促進剤(特に段落[0076]~[0078]および段落[0082]~[0084]に記載された化合物)、並びに、特開2005-099248号公報に記載された一般式(I)、(II)および(III)で表される化合物(特に段落[0092]~[0096]に記載された化合物)等が挙げられる。
<溶剤>
重合性液晶組成物は、未硬化層の形成時に粘度を下げる等の製造適性を改良するため、溶剤を含んでいてもよい。
溶剤としては特に限定はされないが、ケトン(シクロペンタノン等の環状ケトンを含む)、エステル、エーテル、アルコール、アルカン、トルエン、クロロホルム、および、メチレンクロライドからなる群の少なくとも1種から選択されるのが好ましく、ケトン、エステル、エーテル、アルコール、および、アルカンからなる群の少なくとも1種から選択されるのがより好ましく、ケトン、エステル、エーテル、および、アルコールからなる群の少なくとも1種から選択されるのがさらに好ましい。
<その他の成分>
重合性液晶化合物は、上述した以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分として、例えば、熱重合開始剤を含んでいてもよい。
他にも、例えば、光学異方性層の配向性の調整等の点から、カイラル剤等を使用してもよい。
また、重合性液晶組成物の粘度、相転移温度、配向均一性の調整、光学異方性層の膜物性、および、光学特性の調整等の観点から、非重合性の液晶化合物を使用してもよい。非重合性の液晶化合物は、低分子液晶化合物であってもよい。また、非重合性の液晶化合物は、主鎖型液晶高分子または側鎖型液晶高分子であってもよい。
重合性液晶組成物のポットライフ付与、および、光学異方性層の耐久性向上等の観点から、重合禁止剤、酸化防止剤、および、紫外線吸収剤等を使用してもよい。
さらなる機能付与、液物性の調整、および、膜物性の調整等の観点から、可塑剤、レターデーション調整剤、二色性色素、蛍光色素、フォトクロミック色素、サーモクロミック色素、光異性化材料、光二量化材料、ナノ粒子、および、チキソ剤等を添加してもよい。
このような重合性液晶組成物を用いて形成される未硬化層は、スメクチック相とネマチック相との相転移温度が80℃以下となるのが好ましく、例えば、フィルムコントラストおよびパネルコントラストがより良好となる観点から70℃以上80℃未満となるのがより好ましい。
〔光学異方性層〕
本発明の製造方法で製造される光学異方性層の厚みは特に限定されないが、0.1~10μmが好ましく、0.5~5μmがより好ましい。
本発明の製造方法で製造される光学異方性層は、スメクチック相が固定化されてなる層であるのが好ましい。
光学異方性層の好適様態として、ポジティブAプレートが挙げられる。ポジティブAプレートを得るには、棒状の重合性液晶化合物を水平配向させて得る方法がある。さらに、その面内レターデーションRe(550)を100~160nm(好ましくは120~150nm)とすると、正の一軸性λ/4プレートとして好適に使用できる。また、Re(550)を250~300nmの範囲として、正の一軸性λ/2プレートとして使用できる。ここで、Re(550)は、光学異方性層の波長550nmにおける面内レターデーションを表す。面内レターデーションの値は、AxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)を用いて測定できる。
光学異方性層の他の好適様態として、ポジティブCプレートが挙げられる。ポジティブCプレートを得るには、棒状の重合性液晶化合物を垂直配向させて得る方法がある。その厚さ方向レターデーションRth(550)は、例えば、20~200nmであり、種々の光学補償機能および/または視野角向上機能等を付与する観点から、50~120nmが好ましい。
その他にも、光学異方性層は、ネガティブAプレートまたはネガティブCプレート等であってもよい。
なお、本明細書において、Aプレートは以下のように定義される。
Aプレートは、ポジティブAプレート(正のAプレート)とネガティブAプレート(負のAプレート)との2種があり、フィルム面内の遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、ポジティブAプレートは式(A1)の関係を満たすものであり、ネガティブAプレートは式(A2)の関係を満たすものである。なお、ポジティブAプレートはRthが正の値を示し、ネガティブAプレートはRthが負の値を示す。
式(A1) nx>ny≒nz
式(A2) ny<nx≒nz
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(ny-nz)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、-10~10nm、好ましくは-5~5nmの場合も「ny≒nz」に含まれ、(nx-nz)×dが、-10~10nm、好ましくは-5~5nmの場合も「nx≒nz」に含まれる。
Cプレートは、ポジティブCプレート(正のCプレート)とネガティブCプレート(負のCプレート)との2種があり、ポジティブCプレートは式(C1)の関係を満たすものであり、ネガティブCプレートは式(C2)の関係を満たすものである。なお、ポジティブCプレートはRthが負の値を示し、ネガティブCプレートはRthが正の値を示す。
式(C1) nz>nx≒ny
式(C2) nz<nx≒ny
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(nx-ny)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、0~10nm、好ましくは0~5nmの場合も「nx≒ny」に含まれる。
また、重合性液晶組成物に使用する重合性液晶化合物およびその他の成分の種類および使用量等を調整して、光学異方性の波長分散性を適宜調整できる。
また、光学異方性層は、逆波長分散性を示すのが好ましい。例えば、光学異方性層が、下記式(II)の関係を満たすのが好ましい。
Δn(450)/Δn(550)<1.00 ・・・(II)
ここで、式(II)中、Δn(450)は、光学異方性層の波長450nmにおける屈折率最大方向とその直交方向の屈折率差を表し、Δn(550)は、光学異方性層の波長550nmにおける屈折率最大方向とその直交方向の屈折率差を表す。
〔積層体〕
上述の通り、未硬化層は、支持体等の上に配置されてもよい。つまり、本発明の製造方法で製造される光学異方性層は、光学異方性層以外の層とともに、積層体を構成していてもよい。
<支持体>
支持体としては特に限定はなく、中でも、連続生産を可能とする点で、長尺状のポリマーフィルムが好ましい。
ポリマーフィルムとしては、ポリプロピレン、および、ノルボルネン系ポリマー等のポリオレフィン・環状オレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、および、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリメチルメタクリレート等のポリメタクリル酸エステル・ポリアクリル酸エステル;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、および、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;並びに、これらの共重合体等をフィルム化したポリマーフィルムが挙げられる。これらのポリマーフィルムは、引張弾性率、曲げ弾性率、平行光線透過率、ヘイズ、光学異方性、光学等方性、易剥離性、および、易接着性等の観点に基づいて適宜選択できる。
本発明において、配向が均一な光学異方性層を得る点から、重合性液晶組成物を直接支持体に塗布して光学異方性層を形成する場合における、支持体の塗布側表面は平滑なのが好ましく、その表面粗さRaは3~50nmが好ましい。
また、長尺状のポリマーフィルムを用いるにあたっては、製造した積層体を巻き取った巻回体の状態において、積層体の表面同士の形状転写およびブロッキング現象等を防ぐ点から、支持体における重合性液晶組成物を塗布した面とは逆側の表面に、アンチブロッキング処理またはマット処理等を行ってもよい。また、積層体の端部にナーリングを設けてもよい。
また、支持体は、剥離可能であるのも好ましい。この際、支持体上に光学異方性層を直接設けている場合は支持体と光学異方性層との界面にて剥離できるのが好ましい。また、支持体と光学異方性層との間に後述する配向層および/またはその他の層(中間層)が設けられている場合は、支持体と光学異方性層との間の任意の界面もしくは層内で剥離できるのが好ましい。
<配向膜>
配向性がより優れる光学異方性層を得やすいという点から、支持体上に配向膜を設け、さらに配向膜上に上述の光学異方性層を設けるのが好ましい。
配向膜には、公知の種々の配向膜を使用でき、例えば、ポリマー等の有機化合物からなるラビング膜(ラビング配向膜)、無機化合物の斜方蒸着膜、マイクログルーブを有する膜、および、有機化合物(例えば、ω-トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、または、ステアリル酸メチル等)を用いてラングミュア・ブロジェット法で形成したLB膜(ラングミュア・ブロジェット膜)を累積させた膜等が挙げられる。
異物に起因する配向欠陥を未然に防ぐ観点から、配向膜としては、光配向膜も好ましい。
ラビング配向膜としては、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、特開平9-152509号公報に記載された重合性基を有するポリマー等の塗膜、並びに、特開2005-97377号公報、特開2005-99228号公報、および、特開2005-128503号公報記載の配向膜等が挙げられる。
本発明に利用可能な光配向膜に用いられる光配向膜形成用組成物としては、多数の文献等に記載がある。例えば、WO08/056597号公報、特開2008-76839号公報、および、特開2009-109831号公報に記載のアゾ化合物を利用した材料;特開2012-155308号公報、特開2014-26261号公報、特開2014-123091号公報、および、特開2015-26050号公報に記載の光配向性ポリオルガノシロキサン複合材料;特開2012-234146に記載の桂皮酸基含有セルロースエステル材料;特開2012-145660号公報、および、特開2013-238717号公報に記載の光フリース転位反応もしくはその類似反応を利用した材料;特開2016-71286号公報、特表2013-518296号公報、特表2014-533376号公報、特表2016-535158号公報、WO10/150748号公報、WO11/126022号公報、WO13/054784号公報、WO14/104320号公報、および、WO16/002722号公報に記載の光二量化可能な化合物(例えば、シンナメート化合物、カルコン化合物、および/または、クマリン化合物を各種ポリマーにペンダントさせた材料)等を、光配向膜形成用組成物に使用できる。
中でも、光配向に要する照射エネルギーおよび配向規制力等の観点から、アゾ基の光異性化反応を用いる光配向膜、または、シンナメート化合物の光反応を用いる光配向膜が好ましい。
配向膜形成用組成物は、必要に応じ、架橋剤、バインダー、可塑剤、増感剤、架橋触媒、密着力調整剤、および、レベリング剤等を含んでいてもよい。
配向膜の厚みは特に限定はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、10~1000nmが好ましく、10~300nmがより好ましい。配向膜の表面粗さは先述したとおりである。
<その他の層(中間層)>
上記積層体は、必要に応じさらにその他の層を含んでもよい。例えば、平滑化層、易接着層、易剥離層、遮光層、着色層、蛍光層、酸素バリア層、および、水蒸気バリア層等が挙げられる。このような層の機能を1つ以上有する層を中間層と総称する。中間層は、上述したような機能以外の機能を有する層であってもよい。
中間層を、例えば、支持体と光学異方性層との間、および/または、支持体と上述の配向膜との間等に設けて、種々の機能を発現させられる。
〔偏光板〕
本発明の製造方法で製造される光学異方性層は、偏光板に組み込んで使用するのも好ましい。言い換えると、上記積層体が偏光板であるのも好ましい。
上記偏光板は、少なくとも本発明の製造方法で製造される光学異方性層と偏光子とを有する。上記偏光板は、円偏光板であってもよい。
<偏光子>
偏光子は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材であれば特に限定されず、従来公知の吸収型偏光子および反射型偏光子を利用できる。
吸収型偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子等が用いられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子には、塗布型偏光子と延伸型偏光子があり、いずれも適用できるが、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸して作製される偏光子が好ましい。
また、基材上にポリビニルアルコール層を形成した積層フィルムの状態で延伸および染色を施して偏光子を得る方法として、特許第5048120号公報、特許第5143918号公報、特許第5048120号公報、特許第4691205号公報、特許第4751481号公報、および、特許第4751486号公報等を挙げられ、これらの偏光子に関する公知の技術も好ましく利用できる。
反射型偏光子としては、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤーグリッド型偏光子、選択反射域を有するコレステリック液晶と1/4波長板とを組み合わせた偏光子等が用いられる。
偏光子の厚みは特に限定されないが、3~60μmが好ましく、5~30μmがより好ましく、5~15μmがさらに好ましい。
<偏光板が有する光学異方性層>
上記偏光板は、2種以上の光学異方性層を有しているのが好ましい。
この場合、偏光子が有する、上記2種以上の光学異方性層のうちの少なくとも1種が本発明の製造方法で製造された光学異方性層であればよく、それ以外の光学異方性層は、本発明の製造方法以外の方法で製造された光学異方性層(「その他の光学異方性層」ともいう)であってもよい。
例えば、偏光板が、ポジティブAプレートとポジティブCプレートとを有しているのが好ましい。この場合、上記ポジティブAプレートは、本発明の製造方法で製造された光学異方性層が好ましく、上記ポジティブCプレートは、本発明の製造方法で製造された光学異方性層またはその他の光学異方性層が好ましい。
なお、上記ポジティブAプレートとポジティブCプレートとを有する偏光板が、さらに別の光学異方性層を有していてもよい。
偏光板を製造するにあたって、偏光子上に重合性液晶組成物を塗布する等して、偏光子上に直接、光学異方性層を配置してもよい。
また、例えば、偏光子と光学異方性層とが、1以上の他の層(接着層またはその他の光学異方性層等)を介して接合されていてもよい。
〔画像表示装置〕
本発明の製造方法で製造される光学異方性層は、画像表示装置に使用されてもよい。光学異方性層は上記偏光板に組み込まれた形態で使用されてもよい。
上記画像表示装置に用いられる表示素子は特に限定されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)パネル、および、プラズマディスプレイパネル等が挙げられる。
これらのうち、液晶セルまたは有機EL表示パネルが好ましい。すなわち、上記画像表示装置としては、表示素子として液晶セルを用いた液晶表示装置、または、表示素子として有機ELパネルを用いた有機EL表示装置が好ましい。
<液晶表示装置>
画像表示装置の一例である液晶表示装置は、例えば、上述した偏光板と、液晶セルとを有する液晶表示装置が好ましい。
液晶セルは、VA(Virtical Alignment)モード、OCB(Optical Compensated Bend)モード、IPS(In-Place-Switching)モード、またはTN(Twisted Nematic)等が挙げられる。またそれ以外の方式であってもよい。液晶セルに合わせた光学補償構成および/または輝度向上構成に、本発明の製造方法で製造される光学異方性層を適用して組み合わせて、優れた広視野角特性、黒表示の光漏れ防止、および、高輝度表示等を実現できる。
なお、上記画像表示装置においては、液晶セルの両側に設けられる偏光板のうち、フロント側の偏光板として上記偏光板を用いるのが好ましく、フロント側およびリア側の偏光板として上記偏光板を用いるのがより好ましい。
<有機EL表示装置>
画像表示装置の一例である有機EL表示装置は、有機EL表示パネルと、有機EL表示パネル上に配置された円偏光板と、を含む有機EL表示装置が好ましい。ここで使用される円偏光板は、上述した偏光板の一形態である。
上記円偏光板を有することで、外部光が有機ELパネルの電極等に反射して表示コントラストを低下させる現象を抑制し高画質の表示を可能にできる。
有機ELパネルとしては公知の構成を広く利用できる。また、さらにタッチパネルを具備していてもよい。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されない。
[実施例1]
<光配向膜の形成>
(セルロースアシレートフィルム1の作製)
・コア層セルロースアシレートドープの作製
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して、各成分を溶解し、コア層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
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コア層セルロースアシレートドープ
---------------------------------
・アセチル置換度2.88のセルロースアセテート 100質量部
・特開2015-227955号公報の実施例に
記載されたポリエステル化合物B 12質量部
・下記の化合物G 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
・メタノール(第2溶剤) 64質量部
---------------------------------
化合物G
Figure 0007182627000013
・外層セルロースアシレートドープの作製
上記のコア層セルロースアシレートドープ90質量部に下記のマット剤溶液を10質量部加え、外層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
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マット剤溶液
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平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製) 2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
メタノール(第2溶剤) 11質量部
上記のコア層セルロースアシレートドープ 1質量部
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上記コア層セルロースアシレートドープと上記外層セルロースアシレートドープを平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した後、上記コア層セルロースアシレートドープとその両側に外層セルロースアシレートドープとを3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した(バンド流延機)。溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、横方向に延伸倍率1.1倍で延伸しつつ乾燥した。その後、得られたフィルムを熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み40μmの光学フィルムを作製し、これをセルロースアシレートフィルム1とした。セルロースアシレートフィルム1のコア層は厚み36μm、コア層の両側に配置された外層はそれぞれ厚み2μmであった。得られたセルロースアシレートフィルム1の波長550nmにおける面内レターデーションは0nmであった。
得られたセルロースアシレートフィルム1を形成用仮支持体とした。
(光配向膜の作製)
形成用仮支持体であるセルロースアシレートフィルム1の表面に、下記の光配向膜形成用塗布液を#2ワイヤーバーで塗布し、60℃の温風で60秒乾燥し、塗膜を作製した。
750mW/cmの超高圧水銀ランプ(UL750,HOYA CANDEO OPTRONICS株式会社製)を用いて、空気下にて、作製した塗膜に紫外線を垂直に照射した。なお、紫外線の照度はUV-A領域(波長320~380nmの積算)において5mW/cm、照射量はUV-A領域において50mJ/cmとした。
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光配向膜形成用塗布液
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下記光配向用素材 1質量部
水 16質量部
ブトキシエタノール 42質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 42質量部
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光配向用素材:
Figure 0007182627000014
<光学異方性層A-1の作製>
下記の重合性液晶組成物Aをスライドガラスの表面に塗布し、重合性液晶組成物Aから形成された未硬化層を加熱しながら偏光顕微鏡で観察した。その結果、未硬化層の降温時におけるアイソトロピック(等方相)-ネマチック相の転移温度(以下、「TNI」とも表記する。)は128℃、ネマチック相-スメクチック相の相転移温度(以下、「TSmN」とも表記する。)は73℃であった。また、50℃以下の温度に保つことにより、徐々に結晶が発生した。また、昇温時における、TSmNは74℃であった。
なお、X線回折(X‐ray diffraction:XRD)測定より、このスメクチック相は、層構造と液晶化合物とが直交し、層内で秩序を持たないスメクチックA相であった。
---------------------------------
重合性液晶組成物A
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下記液晶化合物L-1 57.5質量部
下記液晶化合物L-2 30質量部
下記液晶化合物L-3 12.5質量部
光重合開始剤1(下記化合物PI-1) 0.5質量部
下記含フッ素化合物F-1 0.2質量部
シクロペンタノン 227.1質量部
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Figure 0007182627000015
化合物PI-1
Figure 0007182627000016
スピンコーターを用いて光配向膜上に重合性液晶組成物Aを塗布し、未硬化層を形成した(層形成工程)。なお、回転数は1000~5000rpmの間で、所望の厚みとなるように調節した。
次いで、ホットプレートを用いて未硬化層を80℃(第1加熱温度)に加温して、ネマチック相を形成して、その温度で10秒間(第1加熱保持時間)維持した(ネマチック相形成工程)。
次いで、ホットプレートを用いて、未硬化層を第1加熱温度から降温レート40℃/分で65℃(冷却温度)まで冷却し、スメクチック相を形成した(冷却工程)。
その後、冷却保持時間を10秒間としてその温度で保持した。
次いで、65℃(冷却温度)の未硬化層に対して、窒素雰囲気下にて空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて30mJ/cm(波長300~390nmの積算露光量)の紫外線を照射(第1露光処理)して半硬化層とした(第1重合工程)。
次いで、窒素雰囲気下に保ったまま、ホットプレートを用いて、平均昇温レート100℃/分で、半硬化層を120℃(第2加熱温度)に加温して、さらに第2加熱温度を維持した状態で空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて500mJ/cm(波長300~390nmの積算露光量)の紫外線を照射(第2露光処理)して液晶相の配向状態を固定した(第2重合工程)。これによって、形成用仮支持体、光配向膜、および、光学異方性層A-1を含むフィルムA-1(フィルム1)を得た。
形成した光学異方性層A-1の厚みは2.3μmであった。また、形成した光学異方性層A-1をAxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)を用いて光学異方性を測定したところ、Re(550)が144nm、Rth(550)が72nm、Re(450)/Re(550)が0.87であった。
[実施例2~19、比較例1~5(光学異方性層A-2~A-24の作製)]
各手順の条件を後段に示す表1のように変更した以外は、フィルム1の作製手順に従って、光学異方性層A-2~A-24をそれぞれ含むフィルムA-2~A-24(フィルム2~24)を作製した。
なお、比較例1では、第1露光処理で光学異方性層の作製を完了した。
比較例2ではネマチック相形成工程の後、冷却工程を経ずに、直ちに露光を行って光学異方性層の作製を完了した。
得られた光学異方性層の厚み、Re(550)、Rth(550)、および、Re(450)/Re(550)を表1に示す。
[比較例6(光学異方性層A-25の作製)]
<光学異方性層の作製>
下記の重合性液晶組成物Bを調製した。なお、化合物L-4は特開2011-207765号公報の方法によって合成した。
次いで、重合性液晶組成物Bをスライドガラスの表面に塗布し、重合性液晶組成物Bから形成された未硬化層を加熱しながら偏光顕微鏡で観察した。その結果、未硬化層の昇温時において、105℃から137℃まで粘性の高い中間相を示した。液晶相の判別は困難であったが、137℃以上で明確なネマチック液晶相を呈した。ネマチック液晶相は180℃以上まであり、降温時においては、61℃までネマチック相を呈し結晶化した。
---------------------------------
重合性液晶組成物B
---------------------------------
下記液晶化合物L-4 29.1質量部
光重合開始剤1(イルガキュア819、BASF社製) 0.87質量部
上記含フッ素化合物F-1 0.02質量部
シクロペンタノン 70質量部
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(液晶化合物L-4)
Figure 0007182627000017
スピンコーターを用いて光配向膜上に重合性液晶組成物Bを塗布し、未硬化層を形成した(層形成工程)。
得られた未硬化層を用いて、各手順の条件を後段に示す表1のように変更した以外は、フィルム1の作製手順に従って、光学異方性層A-25を含むフィルムA-25(フィルム25)を作製した。
得られた光学異方性層の厚み、Re(550)、Rth(550)、および、Re(450)/Re(550)を表1に示す。
〔ポジティブCプレートの作製〕
特開2015-200861号公報の段落[0124]に記載のポジティブCプレートと同様の方法で、形成用仮支持体上に設けたポジティブCプレートC-1を有する転写フィルムC1、形成用仮支持体上に設けたポジティブCプレートC-2を有する転写フィルムC2を作製した。AxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)を用いて位相差を測定したところ、ポジティブCプレートC-1はRe(550)=0nm、Rth(550)=-112nmであり、ポジティブCプレートC-2はRe(550)=0nm、Rth(550)=-69nmであった。ポジティブCプレートC-1およびポジティブCプレートC-2の位相差値の調整は、厚みを調整して行った。
〔偏光板の作製〕
支持体であるTD80UL(富士フイルム社製)の表面を、アルカリ鹸化処理した。具体的には、上記支持体を1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、取り出した支持体を室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。その後、再度、得られた支持体を室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
続いて、ヨウ素水溶液中で厚み80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムを連続して5倍に延伸し、延伸後のフィルムを乾燥して、厚み20μmの偏光子を得た。
得られた偏光子と、アルカリ鹸化処理が施された支持体(TD80UL)とを貼り合わせ、片側に偏光子が露出した偏光板0を得た。
次に、上記偏光板0の偏光子と、光学異方性層A-1とが対向するように、偏光板0とフィルム1とを粘着剤を用いて貼り合わせた。この際、偏光子の吸収軸と光学異方性層A-1の遅相軸とが直交するようにした。
続いて、貼り合わされたフィルム1から、形成用仮支持体および光配向膜を剥離して、光学異方性層A-1のみを偏光板上に転写した。
さらに、上記光学異方性層A-1とポジティブCプレートC-1とが対向するように、上記光学異方性層上に粘着剤を介して転写フィルム1を貼り合わせた。続いて、貼り合わされた転写フィルム1から、形成用仮支持体を剥離して、支持体/偏光子/粘着剤/光学異方性層/粘着剤/ポジティブCプレートC-1がこの順で積層された偏光板P-1を得た。
上記フィルム1の代わりに、光学異方性層A-2~A-25をそれぞれ含むフィルム2~25を用いて、上記と同様の手順に従って、偏光板P-2~P-25を得た。
〔液晶表示装置の作製〕
iPad(登録商標、Apple社製)の液晶セルから視認側の偏光板を剥し、IPSモードの液晶セルとして利用した。
剥がした偏光板の代わりに、上記で作製した偏光板P-1~P-25を液晶セルに貼合し、液晶表示装置を作製した。
このとき、液晶セル基板面に対して垂直な方向から観察したとき、各偏光板P-1~P-25中の偏光子の吸収軸と、液晶セル内の液晶層の光軸とが垂直な方向になるように貼り合わせた。
〔評価〕
表示性能の測定は、市販の液晶視野角、色度特性測定装置Ezcontrast(ELDIM社製)を使用し、上記で作製した液晶表示装置を使用した。なお、作製した液晶表示装置中において、上記で作製した偏光板を貼り合わせた液晶セルを、光学異方性層がバックライト側と反対側になるように、設置して測定を行った。結果を下記表1に示す。
<パネルコントラスト>
上方向(方位角0~175°、5°刻み)および下方向(方位角180~355°、5°刻み)のそれぞれの黒輝度(Cd/m2)の最大値を平均した値(輝度max)を求めた。輝度maxの数値が小さいほど黒表示の光漏れが少なく、パネルコントラストが良いこと示し、下記のA、Bの2段階で評価した。
A:0.70以下
B:0.70を超える
<フィルムコントラスト>
テーブル上に、下から順に直下型蛍光管バックライト光源、上側偏光板、試料(上記で作製したフィルムA-1~A-25のいずれか)、下側偏光板、を各面が水平になるように設置した。この時、試料と上側偏光板は回転可能とした。光源から出射し、上側偏光板、試料、下側偏光板と順に透過した光を垂直方向から輝度計(例えば、BM-5A(TOPCON製))を用いて輝度を測定した。なお、上側偏光板と下側偏光板には、それぞれ偏光度99.995%以上のものを使用した。
測定は、まず試料のない状態で上側偏光板を回転させて最も輝度が暗くなる位置に合わせた(クロスニコルの状態)。
試料を挿入し、クロスニコル下で試料を回転させて最小となる輝度を測定した。次に上側偏光板と下側偏光板の2枚の偏光板を平行ニコル配置にして、試料を回転させて最大となる輝度を測定した。
上側偏光板および下側偏光板に起因する輝度漏れの寄与を除去するため、下記式により求められる値を、フィルムのコントラストと定義する。結果を下記表1に示す。
コントラスト=1/〔{(試料設置時のクロスニコル下における最小輝度)/(試料設置時の平行ニコル下における最大輝度)}-{(試料のない状態でのクロスニコル下における最小輝度)/(試料のない状態での平行ニコル下における最大輝度)}〕
算出されたコントラストの値に基づき、下記基準に照らしてフィルムコントラストを評価した。なお、上記コントラストの値が大きいほどフィルムコントラストが良好である。
A:コントラストが10万以上
B:コントラストが7万以上10万未満
C:コントラストが4万以上7万未満
D:コントラストが4万未満
<光学異方性層の耐久性>
粘着剤を用いて、フィルム1をガラス板上に貼り合わせた。次いで、貼り合わされたフィルム1から形成用仮支持体および光配向膜を剥離して、ガラス板/粘着剤/光学異方性層の順に積層された積層体を得た。この積層体をAxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)を用いて光学異方性を定量した(Re(550)a)。さらに、同じ積層体を80℃乾燥条件下で500時間経過させた後、経過前と同様にして光学異方性を定量した(Re(550)b)。下記式で算出される位相差変化率に対して、下記A~Cの評価基準で評価を行った。結果を表1に示す。
(位相差変化率)=|Re(550)a-Re(550)b|÷Re(550)a
A:位相差変化率が0.02以下である
B:位相差変化率が0.02より大きく、0.04より小さい
C:位相差変化率が0.04以上である
結果を表1に示す。
表1中、「上昇温度幅」の欄は、第2加熱処理前後の半硬化層の温度の差を示す。
「昇温時TSmN温度差」の欄は、第1加熱温度と未硬化層の昇温時におけるTSmNとの温度差を示す。
「降温時TSmN温度差」の欄は、冷却温度と未硬化層の降温時におけるTSmNとの温度差を示す。
Figure 0007182627000018
表1に示す結果から、本発明の製造方法によれば、優れた耐久性およびフィルムコントラストを有し、優れたパネルコントラストの画像表示装置を作製できる光学異方性層を得られることが確認された。
中でも、第1露光処理における露光量が10mJ/cm以上である場合、光学異方性層のフィルムコントラストがより優れることが確認された(実施例9と10との比較)。
第1露光処理における露光量が30mJ/cm以下である場合、光学異方性層の耐久性がより優れることが確認された(実施例1、11、および、12の比較)。
冷却工程における降温レートが、80℃/分以下(より好ましくは60℃/分以下)である場合、光学異方性層のフィルムコントラストがより優れることが確認された(実施例17~19の比較)。
第1露光処理の際の未硬化層の温度と、第2露光処理の際の半硬化層の温度の差が40℃以上である場合、光学異方性層の耐久性がより優れることが確認された(実施例1と3との比較)。
第2露光処理における露光量が200mJ/cm以上である場合、光学異方性層の耐久性がより優れることが確認された(実施例6と7との比較)。
[実施例101、102]
〔ポジティブCプレート付き円偏光板の作製〕
上記で作製した偏光板0の偏光子の吸収軸と、光学異方性層の遅相軸とが45°で交差するように、上記偏光板0の偏光子と上記で作製したフィルム1における光学異方性層の表面とを粘着剤を用いて貼り合わせた。続いて形成用仮支持体および光配向膜を貼り合わされたフィルム1中から剥離して、光学異方性層のみを偏光板0上に転写した。
さらに、ポジティブCプレートC-2の表面を、粘着剤を用いて上述の光学異方性層の表面上に貼り合わせ、続いて形成用仮支持体を偏光板から剥離して、支持体/偏光子/粘着剤/光学異方性層/粘着剤/ポジティブCプレートC-2がこの順で積層された円偏光板CP-1を得た。
〔有機EL表示装置の作製〕
有機EL表示パネル搭載のSAMSUNG社製GALAXY S IV(有機EL表示装置)を分解し、円偏光板を剥離して、円偏光板CP-1をそれぞれ有機EL表示パネル上に貼合し、有機EL表示装置を作製した。
〔評価〕
<反射色味>
分解前の有機EL表示装置と、それぞれの円偏光板に換えた有機EL表示装置とを用い、自然光下での黒表示時のパネル反射色味を正面および極角45°方向から視認により観察して以下の基準で評価した。
A:分解前の有機ELパネルに比べ、反射色味が同等かよりニュートラルな黒に近い
B:分解前の有機ELパネルに比べ、色味付きが見られる
結果を表2に示す。
表中「正面反射」の欄は、正面から視認により観察した際の反射色味の評価結果を示す。
「45°反射」の欄は、極角45°方向から視認により観察した際の反射色味の評価結果を示す。
Figure 0007182627000019
表2に示す結果から、本発明の製造方法で得られる光学異方性層は、有機EL表示装置にも好ましく使用できることが確認された。

Claims (12)

  1. 支持体上に光配向膜を設けて、前記光配向膜上に、逆波長分散性の重合性液晶化合物を含む未硬化層を形成する工程Aと、
    前記未硬化層に加熱処理を施して、ネマチック相を形成する工程Bと、
    前記ネマチック相を形成した未硬化層に冷却処理を施して、スメクチック相を形成する工程Cと、
    前記スメクチック相を形成した未硬化層に対して、第1露光処理を施し、半硬化層を形成する工程Dと、
    前記第1露光処理時の温度よりも高い温度条件となるように加熱処理を実施して、前記加熱処理の後に、前記第1露光処理時の温度よりも高い温度条件下にて前記半硬化層に第2露光処理を施し、光学異方性層を形成する工程Eと、を有する光学異方性層の製造方法。
  2. 前記工程Eが、露光処理を実施することなく、前記第1露光処理時の温度よりも高い温度条件となるように加熱処理を実施して、前記加熱処理の後に、前記第1露光処理時の温度よりも高い温度条件下にて前記半硬化層に第2露光処理を施し、光学異方性層を形成する工程である、請求項1に記載の光学異方性層の製造方法。
  3. 前記工程Cにおける前記未硬化層の降温速度が、1~100℃/分である、請求項1または2に記載の光学異方性層の製造方法。
  4. 前記工程Cにおける前記未硬化層の降温速度が、1~60℃/分である、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学異方性層の製造方法。
  5. 前記工程Cにおいて前記未硬化層の温度が漸減する、請求項1~4のいずれか1項に記載の光学異方性層の製造方法。
  6. 前記第1露光処理に用いられる光が、紫外線である、請求項1~5のいずれか1項に記載の光学異方性層の製造方法。
  7. 前記第1露光処理における露光量が、1~60mJ/cmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の光学異方性層の製造方法。
  8. 前記第1露光処理における露光量が、10~30mJ/cmである、請求項1~7のいずれか1項に記載の光学異方性層の製造方法。
  9. 前記第2露光処理時の温度が前記重合性液晶化合物のスメクチック相とネマチック相との相転移温度よりも高い、請求項1~8のいずれか1項に記載の光学異方性層の製造方法。
  10. 前記第1露光処理時の温度と、前記第2露光処理時の温度との差が、20℃以上である、請求項1~9のいずれか1項に記載の光学異方性層の製造方法。
  11. 前記第1露光処理時の温度と、前記第2露光処理時の温度との差が、40℃以上である、請求項1~10のいずれか1項に記載の光学異方性層の製造方法。
  12. 前記未硬化層がオキシムエステル系重合開始剤を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の光学異方性層の製造方法。
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