JP4216082B2 - リン脂質の製造方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、1−アシル−2−リゾおよび1,2−ジ−アシル化グリセロリン脂質およびそれらの合成または天然類似体を製造するための新規な酵素によって触媒される合成法であって、モノ−およびジ−アシル化合物のアシル基が同一でもまたは異なっていてもよく、それぞれ飽和または不飽和の、短、中、および長鎖の線状または分岐状の遊離カルボン酸またはその誘導体、好ましくは遊離脂肪酸、または脂肪酸塩化物、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸ビニルエステル、無水脂肪酸、および脂肪族アシル供与体として働く脂肪酸の任意の他の活性化形態からなる群から選択されるその誘導体から誘導される、上記方法を記載する。本発明によれば、グリセロホスホリルコリン(GPC)またはその類似誘導体であって、コリン残基をエタノールアミン、セリン、イノシトール、グリセロールまたは任意の他のアルコールで置換することができるものを基質として用いて、1,2−ジアシル化および1−アシル化−2−リゾリン脂質を上記の脂肪酸誘導体と共に製造するための酵素的エステル化/エステル交換(アシル化)法が提供される。反応は、溶媒中でまたは無溶媒微小水性系で、不溶性マトリックス上に固定されていてもよく且つ場合によっては界面活性剤でコーティングした(改質した)ホスホリパーゼの存在下にて行うことができる。本発明の方法により、1−アシル−2−リゾ−グリセロリン脂質および1,2−ジ−アシル化グリセロリン脂質が高転換率で形成される。
発明の背景
本発明は、1−アシル化−または1,2−ジ−アシル化リン脂質、およびそれらの合成または天然類似体を製造するための酵素的方法の開発に関する。更に具体的には、本発明は、それぞれ式STRおよびSTR1
Figure 0004216082

(上記式中、RおよびR’は同一であるかまたは異なるものであり、且つそれぞれ飽和または不飽和の、短、中、および長鎖の線状または分岐状の遊離カルボン酸またはその誘導体、好ましくは遊離脂肪酸、または脂肪酸塩化物、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸ビニルエステル、無水脂肪酸および脂肪族アシル供与体として働く脂肪酸の任意の他の活性化形態からなる群から選択されるその誘導体から誘導され、両式におけるXは、コリン、セリン、エタノールアミン、グリセロール、イノシトール、または任意の他の適当なアルコール残基を表す)
の1,2−ジアシル−3−グリセロリン脂質および2−リゾ−3−グリセロリン脂質の製造方法に関する。
リン脂質は、細胞膜の主要な構造成分である。大豆および卵黄は、商業的にリン脂質を得るための主要な天然供給源である。この種類の材料はその界面活性特性について周知されており、従って、リン脂質は食品、化粧品および医薬品産業で広汎に用いられている。天然リン脂質のsn−1およびsn−2位(部位)における脂肪アシル残基の種類は様々であり、それらの割合は一般にそれらの供給源によって変化する。幾つかの実際的応用に関しては、グリセロール骨格のsn−1またはsn−2位に結合した脂肪アシルの種類に関して構造が明確になったリン脂質を有することが好ましい。幾つかの応用では、他のカルボキシルアシル基が必要であるが、これは脂肪酸または非脂肪酸のいずれの誘導体であってもよい。構造が明確になったリン脂質は、通常は天然資源から分別によってまたは液体クロマトグラフィーによって得られる。特定の脂肪族アシル基を有するリン脂質を製造する目的で、様々な化学的合成法も開発されてきた。1,2−ジアシル化リン脂質を得るのに最も広く実施されている方法は、非酵素反応であって、GPCまたは他のグリセロリン脂質を脂肪アシルクロリドまたは無水脂肪酸のような活性化脂肪酸誘導体と反応させる方法に基づいている。例えば、リン脂質のジ−ミリストイル、ジ−ステアロイルおよびジ−オレオイル誘導体が、GPCの塩化カドミウム塩を適当な脂肪酸塩化物と室温で3時間反応させることによってそれぞれ51.0%、38.4%および54.7%の収率で得られている(米国特許第4,130,571号明細書)。この反応の試薬と生成物が互いに長時間接触していると、形成した副生成物の比率がかなり増加した。更に、脂肪アシルクロリド法を用いるときには、高不飽和脂肪アシル基を有するリン脂質の製造は、所望の生成物の製造には効率的ではなかった(米国特許第4,130,571号明細書)。GPCと無水脂肪酸から出発する1,2−ジアシル化リン脂質の製造の目的で開発された化学的な非酵素的合成経路では、結果が改善され、副生成物が少なくなった(米国特許第4,130,571号明細書)。例えば、この方法によれば、ジ−パルミトイル誘導体(収率:90%)、ジステアロイル誘導体(収率:81%)およびジ−オレオイル誘導体(収率:71%)が、GPCの塩化カドミウム塩を適当な無水脂肪酸および脂肪酸のテトラエチルアンモニウム塩と反応させることによって得られた。この方法でのポリ不飽和脂肪酸誘導体の製造では、高比率の環状副生成物が生成し、従って、この種のリン脂質の製造収率は比較的低かった(米国特許第4,130,571)。換言すれば、基質として用いられる脂肪酸が飽和またはモノ不飽和であるときには、1,2−ジアシル収率が高く、一方、脂肪酸がポリ不飽和であるときには、収率が低いのである。
更に、多種多様な酸性または塩基性試薬および環境を利用する1,2−ジアシル−リン脂質の化学合成は天然リン脂質のキラル中心を損ない、この事実は製薬並びに他の応用において極めて重大なことである。
リン脂質のアシル基を所望なものに置換するための最近の有望な合成法が、天然リン脂質を出発材料として用いることに基づいて開発された。この種の反応を有機媒質中で行う目的で、特殊な酵素が用いられてきた。多くの最近の報告(Adlercreutz P.et al.,J.Mol.Cat B:Enzymatic 11,p.173−178(2001)、およびAura A.M.et al.JAOCS,Vol 72,no.11,p.1375−1378(1995))は、リン脂質のsn−1およびsn−2位の脂肪アシル残基を、特異的または広汎な基質特異性を有する非特異的リパーゼ、およびホスホリパーゼA2のような異なる種類のヒドロラーゼを用いて置換することができることを指摘している。基本的には、多くの報告では、様々な種由来の異なるリパーゼが特異的脂肪酸をリン脂質のsn−1位に組込むことができることが示されている。例えば、米国特許第6,268,187号明細書にはグリセロール−3−リン酸誘導体、脂肪酸誘導体および1種類以上の塩水和物対の存在下でリパーゼを用いるリゾリン脂質のエステル化法が記載されている。Carmen Virto and Patrick Adlercreutz,Enzyme and Microbial Technology Vol.26,630−635(2000)は、Candida antarcticaリパーゼB(Novozyme 435)由来の固定化リパーゼがリゾホスファチジルコリンの合成に有効であることを示している。グリセロホスホリルコリンとビニルラウレートのエステル交換は、無溶媒系でまたは50%(v/v)第三ブタノールの存在下にて行われた。リパーゼはグリセロール主鎖のsn−1位に対して選択的であり、ホスファチジルコリンは反応の最初の24時間には生成されなかった。しかしながら、恐らくはアシル移動により、反応を長時間インキュベーションしたところ、ホスファチジルコリンの形成はゆっくりと増加した。
ホスホリパーゼA2を用いる特異的脂肪酸のsn−2位への組込みが示された。しかしながら、これまでのところ、実際的且つ効率的な方法は報告されていない。Pernas,T.et al.,Biochemical and Biophysical Research Communications,Vol.168(2),644−650(1990)は、細胞外ホスホリパーゼA2がリゾホスファチジルコリンのオレイン酸によるエステル化を触媒することができることを明らかにした。リゾホスファチジルコリンの6.5%が、ホスファチジルコリンにエステル化することができる。
WO91/00918号明細書には、2−位のカルボン酸残基を用いるリン脂質の製造方法であって、リゾリン脂質を触媒ホスホリパーゼA2の存在下で相当するカルボン酸を用いてエステル化し、エステル化が水含量を0.1−2重量%のマイクロエマルションで行う、方法が教示されている。この公表文献によれば、1,2−ジアシル−グリセロリン脂質(例えば、1,2−ジアシル−PC)が、カルボン酸とホスホリパーゼA2の存在下にて2−リゾ−グリセロリン脂質(2−リゾ−PC)から形成される。得られた1,2−ジアシル化リン脂質の収率は、7−12%であると報告されている。
1,2−ジアシルリン脂質と特異的な所望な脂肪酸誘導体のエステル交換を触媒するホスホリパーゼA2を用いてsn−2位に所望なアシル基を有するリン脂質を得るための最高収率は6−7%の範囲にしか達しないことが報告されたと思われる(Svensson,I.JAOCS,Vol 69,No.10,p.986−991(1992))。これらの反応は、基本的には微小水性有機媒質中でまたは二相反応媒質中で行われていた。目的に合ったリン脂質のこれらの製造方法を用いることの主要な欠点は、sn−2部位での競争加水分解反応により1−アシル−2−リゾ−ホスファチジルコリンを副生成物として生成し、これが所望な1,2−ジアシル−リン脂質の回収率をかなり減少させることである。更に、異なる酵素の組合せを用いるリン脂質のグリセロール主鎖上の所望な位置での特異的脂肪酸の組込みの程度は一般的に低く、ほとんどの場合には20%を上回らなかった(Aura A.M.et al.JAOCS,Vol 72,no.11,p.1375−1378(1995))。様々な微生物の供給源由来の多数のリパーゼおよびホスホリパーゼはリン脂質の修飾に関与するものとして文献に現れているが、これらの酵素製剤のいずれも所望な構造を有する1,2−ジアシル化リン脂質の高収率での製造を触媒することは認められていない。
sn−1およびsn−2位で所望な脂肪酸を有するリン脂質の製造の目的で、代替法が最近開発された(米国特許第5,654,290号明細書)。この方法は二段階酵素的−化学的方法に基づいており、第一段階は微小水性系でのグリセロホスホリルコリン(GPC)、画定された脂肪酸誘導体、および適当な酵素から出発する2−リゾ−ホスファチジルコリンの産生を構成するものである。Rhizomucor mieheiリパーゼおよびNovozym 435(Virto et al.,Enzyme and Microbial.Technol.,26,p.630−635,2000))のようなリパーゼは、一般にこの種の反応を触媒することができ、生成物を比較的高収率で生じる。反応の第二段階は、精製した1−画定したアシル−2−リゾ−ホスファチジルコリンを活性化脂肪族アシル供与体、例えば、無水脂肪酸または脂肪族アシルクロリドと有機溶媒中化学触媒の存在下にて混合することによって行い、適当な1,2−ジアシル−ホスファチジルコリンを得る。リゾホスファチジルコリンのリパーゼを用いる酵素的合成は、GPCおよび様々な脂肪酸誘導体を出発材料として用いて微小水性有機媒質中で立証されている(Virto et al.,Enzyme and Microbial.Technol.26,p.630−635(2000))。GPCの70−88%が転換して1−アシル−2−リゾ−ホスファチジルコリンが様々な脂肪酸誘導体で得られたが、12%までの1,2−ジアシル−ホスファチジルコリンが反応の副生成物として形成した。これらの研究のほとんどでは、Candida antarcticaの酵素リパーゼB(Novozym 435)をグリセロリン脂質のsn−1位の特異的アシル化および1−アシル化リン脂質の生成に用いられてきた。1−アシル基がsn−2位に移動するため、sn−1ヒドロキシル基での連続的エステル交換反応により1,2−ジアシルリン脂質が副生成物として形成される(Virto et al.,Enzyme and Microbial.Technol.26,p.630−635(2000))。これらの報告された研究で得られた結果は、リパーゼがsn−1位に極めて選択的であり、1,2−ジアシル−リン脂質の形成は反応の最初の数時間は検出されなかった。更に、基質GPCのほとんどが消費された後にのみ、1,2−アシルホスファチジルコリンの遅い形成が観察された。これらの研究において、1,2−ジアシルホスファチジルコリンは、アシルがsn−1位からsn−2位へ移行することによって形成すると思われた。脂肪酸のビニルエステルまたは無水脂肪酸を用いるときには、好ましい熱力学的平衡により高収率の2−リゾ−ホスファチジルコリンが短時間で生成することが示された。更に、有意な転換を達成するには、GPCに対して大過剰の脂肪酸ビニルエステルが必要である。
上記公表文献のいずれにも、実質的な収率の1,2−ジアシル−グリセロリン脂質を製造するための酵素的エステル化/エステル交換工程が説明されておらず、またグリセロリン脂質から2−リゾグリセロリン脂質を製造するためのホスホリパーゼA1を用いるエステル化/エステル交換工程も示されていない。
実質的に経済的利益となる高効率の一段階工程での1,2−ジアシル化リン脂質の製造。従って、本発明の目的は、PLA1,2として表される酵素製剤を微小水性反応系で用いることを含んでなる1,2−所定の同一ジアシルリン脂質、好ましくは 1,2−ジアシル−PCの製造のための効率的な酵素的方法を提供することである。本発明のもう一つの目的は、上記 1,2−所定の同一ジアシル−リン脂質を一段階酵素的方法で提供することである。本発明の更にもう一つの目的は、上記PLA1、酵素製剤、またはPLA1と呼ばれるsn−1位(部位)のアシル化を触媒するホスホリパーゼ酵素を用いて、グリセロリン脂質、好ましくはGPCを1−アシル−2−リゾ−グリセロリン脂質、好ましくは1−アシル−2−リゾ−PCに転換することである。
発明の概要
本発明は、1,2−ジアシル化リン脂質を製造するための新規な酵素法であって、微小水性反応系でsn−1およびsn−2部位でのアシル化に対してホスホリパーゼ活性を有する酵素製剤を用いることを含んでなる方法を提供する。更に具体的には、本発明のエステル化/エステル交換工程に従って製造される1,2−ジアシル−リン脂質は高収率および高純度で得ることができ、同一の所望な脂肪酸基をsn−1およびsn−2位にアシル基を有する。この工程は、上記の適当な酵素製剤の存在下でのグリセロリン脂質、好ましくはグリセロホスホリルコリン(GPC)の、所望なカルボン酸アシル供与体、好ましくは脂肪酸誘導体を用いるアシル化を伴う。本発明の方法は、グリセロリン脂質、好ましくはグリセロホスホリルコリン(GPC)を所望なカルボン酸誘導体とsn−1特異的ホスホリパーゼ(PLA1またはPLA1,2)の存在下にて反応させることによる1−アシル−2−リゾ−グリセロリン脂質、好ましくは2−リゾ−PCの製造方法にも関する。
本発明を、下記の図に関して更に詳細に説明する。
発明の説明
本発明の主要な態様は、Sankyo(日本)によって提供され、モノ−またはジ−アシル化リン脂質のsn−1位におけるアシル基の加水分解を触媒することが知られている市販のホスホリパーゼA1製品(Lecitase)が、ある条件下でグリセロリン脂質のsn−1およびsn−2部位のいずれにおいてもアシル化活性を示すという驚くべき且つ予想外の知見に基づいている。この予想外の酵素活性は、酵素を不溶性マトリックス上に固定しおよび/またはこれに界面活性剤材料によるコーティングを施すことによって実質的に促進される。このsn−1およびsn−2位(部位)におけるアシル化活性は、Novozymes(435および525)またはLecitase(Novo)のようなリパーゼまたはホスホリパーゼA1酵素によっては立証することができなかった。
sn−1およびsn−2部位でアシル化活性を示すホスホリパーゼ酵素は、本明細書ではホスホリパーゼA1,A2(または略してPLA1,2)と呼ばれる。
従って、上記PLA1,2は、下記の新規な工程
(a) 1モルのGPC(またはその類似体)+2モルの所定の脂肪酸(またはその誘導体)をPLA1,2の存在下で反応させて、高収率の1,2−ジ−同一アシル−PC(またはその相当する類似体)を提供する。この反応は過剰の脂肪酸(またはその誘導体)が必要である点を特記すべきである。
(b) 1モルのGPC(またはその類似体)+1モルの所定の脂肪酸(またはその誘導体)をPLA1,2および溶媒(例えば、第三ブタノール)の存在下で反応させて、1−所望なアシル−2−リゾ−PC(またはその相当する類似体)を提供する。過剰の酸(またはその誘導体)が好ましいことを特記すべきである。
本明細書で用いるGPCの「類似体」という用語は、コリン残基がエタノールアミン、セリン、イノシトール、グリセロール、または任意の他の適当なアルコールで置換されているグリセロリン脂質を包含するが、これらに限定されない。
本明細書で用いる「脂肪酸」(またはそれらの誘導体)は、遊離脂肪酸、脂肪酸塩化物、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸ビニルエステル、無水脂肪酸、または脂肪族アシル供与体として働く脂肪酸の任意の他の活性化形態からなる群から選択される飽和または不飽和の短−、中−および長−鎖状の線状または分岐状脂肪酸誘導体を包含する。上記のように、脂肪酸は、カルボン酸およびその誘導体の一層広義の用語に包含される。
「所定の」という用語は、グリセロール残基のsn−1またはsn−lおよびsn−2部位のいずれかに既に結合しているかまたは結合する特定の所望なアシル基に関する。
PLA1,2酵素製剤によって触媒されるこれらの新規な方法は、不溶性マトリックス上で固定され、場合によっては界面活性剤がコーティングされている酵素を用いて実質的に促進される。
本発明によれば、出発材料GPC(上記で定義したグリセロリン脂質を表す)またはその塩は、カルボン酸またはその誘導体から選択され、好ましくは遊離脂肪酸、脂肪族アシルクロリド、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸ビニルエステル、無水脂肪酸、および脂肪族アシル供与体として働く脂肪酸の任意の他の活性化形態を含んでなる脂肪酸誘導体から選択される所定のアシル化剤と酵素PLA1,2の存在下で反応して、1,2−所望な所定のジアシル−PCを提供する。本発明のもう一つの態様によれば、このPLA1,2酵素製剤は、有機溶媒および微小水性環境中で所望な脂肪酸誘導体を用いてGPC(またはその類似体)のsn−1位のエステル化を触媒して、1−所望なアシル−2−リゾ−PC(またはその類似体)を提供することができる。本発明のもう一つの態様によれば、ホスホリパーゼAl酵素製剤は、有機溶媒および微小水性環境中でGPC(またはその類似体)のsn−1位における所望な脂肪酸誘導体を用いるエステル化/エステル交換(アシル化)を触媒して、1−所望なアシル−2−リゾ−PC(またはその類似体)を生成することができることを見出した。
1,2−所望なジアシル−PCまたは1−所望なアシル−2−リゾPC(およびその類似体)の製造に用いる本発明のPLA1,2酵素は、場合によっては表面に、好ましくは糖脂肪酸エステルでコーティングが施され(本明細書では修飾されているとも呼ばれる)、粉末状材料(例えば、シリカ、Celite、アルミナ)、イオン交換樹脂に吸着することによって固定してもよく、またはWO00/56869号明細書に記載されているように活性化した不溶性マトリックスに共有結合していてもよい。
出発材料GPC(またはその類似体)は、遊離のグリセロリン脂質またはその塩、例えば、カドミウム塩または塩化バリウム塩の形態で用いることができる。これらの塩は、通常は錯塩塩と考えられる。リン酸基に結合したアルコール残基は、コリン、エタノールアミン、セリン、イノシトール、グリセロール、または任意の他の適当なアルコールであることができる。
本発明の方法で用いるホスホリパーゼ(PLA1,2)、またはsn−1およびsn−2部位のいずれでもアシル化を触媒する類似酵素は、通常は微生物から、特に米国特許第5,538,874号明細書に記載の真菌であるAspergillusの種から得ることができる。Aspergillus属(または任意の他の微生物の属)に属する真菌の種または株の選択は、選択された微生物が本発明の方法を触媒することができる所望な酵素を産生して1,2−ジアシル化グリセロリン脂質を生成する限り、本発明にとって本質的ではない。例えば、Aspergillus oryzaeは、菌株SANK 11870、またはthe Institute of Fermentation(IFO)No.30102から入手可能な株、またはATCC No.9642で入手可能な同一株と画定される。他の試験済のホスホリパーゼまたはリパーゼ、例えば、表1に示されるものは、1,2−ジアセチル化グリセロリン脂質の生成を効率的に触媒することができない。

Figure 0004216082
発明を実施するための形態
好ましい態様の詳細な説明
本発明の好ましい態様は、グリセロリン脂質のモノ−およびジ−アシル化の触媒に用いることができる、有機または無機不溶性マトリックス上に固定した界面活性剤をコーティングした酵素複合体に関する。
本発明の方法に関与する酵素、すなわちPLA1,2およびPLA1およびリパーゼは、固定せずに界面活性剤でコーティングすることができ、または好ましくは固定して、場合によっては界面活性剤をコーティングしたものでよい。上記酵素の不溶性マトリックス上での固定は、WO00/56869号明細書に記載のように、(i)無機または有機不溶性マトリックス上での(物理)吸着による固定、(ii)様々なイオン交換樹脂(極性または非極性マトリックス)上でのイオン的相互作用による固定、および(iii)EupergitX(有機マトリックス)のような不溶性マトリックスへの共有結合による固定による固定の3種類の異なる方法によって行うことができる。
脂肪酸糖エステル型のようなこれらに限定されない脂質界面活性剤をホスホリパーゼおよびリパーゼにコーティングすることによって、両酵素の触媒活性が増し、ほとんどの場合に、このような修飾工程により活性が僅かの粗製酵素を高活性の生物触媒となる(WO00/56869号明細書)。有機または無機マトリックス上に固定された界面活性剤をコーティングした(ホスホ)リパーゼを用いて酵素的エステル交換/エステル化反応を得て、これから(ホスホ)リパーゼ酵素を容易に回収し、再生しまたは連続使用することができる。
本発明の好ましい態様では、不溶性マトリックスは無機不溶性マトリックスである。「不溶性」という用語は、極性(例えば、水)および非極性(疎水性)溶媒に対して溶解性を欠くことを表している。好ましくは、無機不溶性マトリックスはアルミナ、ステアリン酸アルミニウム、Celite、炭酸カルシウム、シリカゲル、木炭、硫酸カルシウム、およびDuolite A 568(登録商標)およびAmberlyst A21(登録商標)のようなイオン交換樹脂からなる群から選択される。
本発明による適当な有機固形マトリックスとしては、共有結合固定のためのEupergit(登録商標)C(C 250L)、または酵素を共有結合することができる活性基(または活性化することができる基)を含む任意の他の有機固形マトリックスが挙げられる。
本発明のもう一つの態様では、酵素は界面活性剤がコーティングされている酵素複合体の0.1−20、好ましくは1−20重量%である。更にもう一つの本発明の好ましい態様では、酵素は界面活性剤がコーティングされている固定した酵素製剤の0.01−20、好ましくは0.5−5重量%である。好ましくは、酵素は、製剤の約0.7重量%である。
本発明の更に好ましい態様によれば、用いる界面活性剤は脂質であり、親水性残基に共役した脂肪酸が挙げられる。脂肪族アシルは、好ましくはモノラウレート、モノミリステート、モノパルミテート、モノステアレート、ジラウレート、ジミリステート、ジパルミテート、ジステアレート、トリラウレート、トリミリステート、トリパルミテート、またはトリステアレートである。親水性残基は、好ましくはソルビトール、スクロース、グルコースおよびラクトースなどの、これらに限定されない糖、グリセロール、またはポリグリセロール、リン酸基、カルボキシル基、またはポリヒドロキシル化有機残基である。典型的には、脂肪酸と親水性残基は、エステル化またはエーテル結合を介して共役している。
有機溶媒は、典型的には、第三ブタノールのような疎水性溶媒であるが、これに限定されない。
不溶性マトリックスに固定した界面活性剤がコーティングされている酵素複合体を生成するには、WO00/56869号明細書に記載の方法。この方法は、下記の段階、(a)酵素、不溶性マトリックスおよび場合によっては界面活性剤を水性溶液、好ましくは緩衝溶液中で接触させ、(b)マトリックスに固定した(界面活性剤をコーティングした)酵素複合体を形成するための条件(例えば、超音波処理)を提供することを包含する。2つの代替機構がこれに関して利用することができる。第一の機構では、酵素を最初に界面活性剤と相互作用させ、その後にのみ、界面活性剤がコーティングされている酵素をマトリックスと相互作用させる。第二の機構では、酵素を最初にマトリックスと相互作用させ、その後にのみ、マトリックスに固定した酵素を界面活性剤と相互作用させる。
この方法は更に、マトリックスに固定した(界面活性剤をコーティングした)酵素複合体を水性溶液から分離する段階を包含する。
この方法は更に、マトリックスに固定した(界面活性剤をコーティングした)酵素複合体を乾燥する段階を包含する。乾燥は、好ましくは凍結乾燥、流動化によって、またはオーブン中で行う。乾燥の後、マトリックスに固定した(界面活性剤をコーティングした)酵素複合体は、0.1−45、好ましくは0.5−10 w/w%の水を含む。
上記方法の好ましい変法では、水性溶液中での酵素不溶性マトリックスと界面活性剤の接触を、界面活性剤を有機溶媒(例えば、エタノール)に溶解して溶解した界面活性剤溶液を得て、酵素と溶解した界面活性剤溶液を水性溶液中で(例えば、滴下により)混合し、生成する懸濁液を超音波処理し、不溶性マトリックスを水性マトリックスに加えることによって行う。あるいは、酵素を最初に不溶性マトリックスと相互作用させ、その後にのみ界面活性剤と相互作用させる。
水を、好ましくは反応媒質の30体積%未満の範囲で反応系に加える。ジアシル化反応は無溶媒環境で最も良好に行われ、カルボキシルアシル供与体が溶媒としても働く。このような場合には、水含量は5%未満であり、好ましくは0.5−3%である。酵素製剤には水もあるが、マトリックスに強固に吸着されているので利用できないと思われる。モノアシル化反応の場合には、有機溶媒の他に、5%未満の水、好ましくは0.5−3%の水がある。
好ましい態様によれば、マトリックスに固定した界面活性剤をコーティングした酵素複合体は、反応体の1−30重量%である。更にもう一つの好ましい態様では、グリセロリン脂質基質を、反応媒質の30体積%未満の範囲の水の存在下で、同一有機溶媒中、または脂肪酸誘導体から構成される媒質中に懸濁させる。
下記の例を参照し、本発明を上記説明と共に非制限的に例示する。
実施例
実験手続き
A. 材料
この研究では、様々な粗製リパーゼおよびホスホリパーゼ製剤を試験した。表1は、この研究に用いた市販のホスホリパーゼおよびリパーゼ製剤、並びにそれらの種の供給源、および供給業者を示している。この研究に用いた総ての脂肪酸誘導体は、Fluka(スイス)およびSigma−Aldrich(純度80%−99%)から得た。界面活性剤をコーティングしたリパーゼ複合体の支持体として用いたCelite、アルミナおよびシリカなどの緩衝塩および無機マトリックスはSigma(USA)から入手し、イオン交換樹脂および他の酵素吸着剤はRohm and Haas(ベルギー)の製品であった。
使用した分析級のn−ヘキサン、第三ブチルアルコール、および他の溶媒は、Bio Lab(イスラエル)製であった。Sorbitan脂肪酸esters includingソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテートおよびソルビタンモノステアレートなどのソルビタン脂肪族エステル、および可変HLB値を有するモノ−、ジ−およびトリ−ステアレートスクロースエステルなどのスクロース脂肪酸エステルは、Kao Pure Chemicals Ind.(東京、日本)から入手した。
B. 方法
1. (主として不溶性支持体への)吸着による酵素修飾および固定
粗製酵素を、最初に脂質−界面活性剤材料でコーティングした。典型的な酵素修飾および固定の手続きは下記の通りであった。すなわち、酵素(2g)(タンパク質含量約70mg/100ml)を100mlの適当なpHを有するリン酸またはトリス緩衝溶液に溶解し、10℃で30分間マグネティックスターラー攪拌を行った。0.5mlエタノール(または他の溶媒)に溶解した100mgの脂質−界面活性剤(または他の酵素改質剤)を、攪拌溶液に滴加した。生成する酵素溶液を15分間超音波処理した後、10℃で3時間激しく攪拌した。2gの不溶性有機マトリックス(ポリプロピレン、ステアリン酸アルミニウムなど)または2gの無機マトリックス(Celite、アルミナ、シリカゲル、または他のセラミック支持体など)を、攪拌酵素溶液に加えた。溶液を、更に5時間10℃でマグネティックスターラー攪拌した。沈澱生成物を12000 x rpm(Sorval Centrifuge,RC−5B型)で遠心分離によってまたは濾過によって集めた後、凍結乾燥した。
未修飾の固定酵素複合体を製造するため、上記手続きを、改質試薬(糖脂肪酸エステル)を加えることなく応用した。あるいは、市販の固定した酵素(例えば、Novozyme 435,Novo製)を、改質(界面活性剤コーティング)手続きを行いまたは行わずに、同様に応用することができる。
2. イオン吸着による酵素修飾および固定
上記の修飾および固定手続きを、イオン交換樹脂への固定に関しても応用可能であった。用いた樹脂の種類としては、弱−強塩基性アニオン交換樹脂、弱−強酸性カチオン交換樹脂、無極性−弱極性イオン交換樹脂が挙げられる。用いることができる市販の樹脂の例は、下記の通りである。Dowex(登録商標)22、Dowex(登録商標)lx2−400、Dowex(登録商標)2x8−100、セルロースホスフェート、Amberlite(登録商標)IRA−95、Amberlite(登録商標)IRA−200、Amberlite(登録商標)IRA−900、Amberlite(登録商標)XAD−7、Amberlite(登録商標)XAD−16、Diannon(登録商標)SA−10A、Ectoela(登録商標)セルロース、Sephadex(登録商標)、およびスルホキシエチルセルロース(いずれもSigma、米国から得た)、Duolite(登録商標)A 568およびAmberlyst(登録商標)A21(Rohm and Haas、ベルギー)。
典型的な修飾した固定酵素は、上記の手続きに準じて製造するが、超音波処理の後、イオン交換樹脂(1−20g)を攪拌酵素溶液に加える。
未修飾の固定した(イオン交換樹脂を使用)酵素複合体の製造については、上記の手続きを、修飾試薬(糖脂肪酸エステル)を加えることなしに応用した。
3. 共有結合による酵素修飾および固定
原則的に、2種類の異なる固定手続きを応用することができる。第一の手続きによれば、酵素を最初に界面活性剤でコーティングした後、界面活性剤がコーティングされている酵素複合体を、例えば、活性オキシラン基を含むEupergitのような活性化マトリックスに共有結合する。表面アミノ基に共有結合することができる活性基、または酵素の任意の他の官能基を含む任意の他の活性化マトリックスが応用可能であることを指摘すべきである。このために、1gの粗製酵素(1−20重量%のタンパク質を含む)を、100mlのリン酸緩衝液,pH 5.8に溶解する。酵素溶液を、マグネティックスターラーで10℃で30分間激しく攪拌する。100mgのソルビタンモノステアレートを0.5mlエタノールに溶解したものを、攪拌した酵素溶液に滴加する。生成するコロイド状の酵素溶液を10分間超音波処理を行った後、10℃で3時間攪拌した。20−5gのEupergit(登録商標)CまたはEupergit(登録商標)C 250L、および場合によっては、5%過酸化水素溶液0.5ml酵素溶液に加え、生成する懸濁液を緩やかに手で1分間振盪した後、23℃で48時間インキュベーションする。沈澱生成物を濾過して、リン酸緩衝液,pH 5.8で洗浄し、一晩凍結乾燥する。
第二の手続きによれば、酵素をEupergitマトリックスに結合した後、共有結合した酵素を界面活性剤を下記の通りにコーティングすることができる。1gの粗製酵素を100mlのリン酸緩衝液,pH 5.8に溶解させる。酵素溶液を、マグネティックスターラーで10℃で30分間激しく攪拌する。1−5gのEupergit(登録商標)CまたはEupergit(登録商標)C 250L、および場合によっては5%過酸化水素溶液0.5mlを酵素溶液に加え、生成する懸濁液1分間手で緩やかに振盪した後、23℃で48時間インキュベーションする。100mgのソルビタンモノステアレートを0.5mlのエタノールに溶解したものを、緩やかに振盪しながら懸濁液に滴加する。生成する懸濁液を10分間超音波処理し、10℃で6時間インキュベーションする。沈澱生成物を濾過して、リン酸緩衝液,pH 5.8で洗浄した後、一晩凍結乾燥する。
Bradford法によるタンパク質測定では、この方法に準じて製造した酵素製剤は、0.1−10重量%のタンパク質を含むことがあることを示唆した。
4. アシル化反応条件
グリセロリン脂質の脂肪酸誘導体によるアシル化反応は、グリセロリン脂質と脂肪酸誘導体の混合物を有機溶媒に溶解または懸濁したものに酵素製剤(100mg)を加えることによって開始した。アシル化反応は、脂肪酸誘導体が反応媒質としても作用する無溶媒系でも行った。反応媒質を、20−80℃の温度範囲で振盪した。試料を定期的に取り出して、50%:50%のエタノール:水溶液(またはエタノールのみ)で希釈し、Milliporeフィルター(0.45μm)で濾過した後、HPLC系に注入した。生成物の収率は1,2−ジアシル−と2−リゾ−生成物の間の%ピーク面積比として計算し、またはグリセロリン脂質基質の転換率は形成したもの−および/またはジアシル化グリセロリン脂質の濃度を経時的に測定することによって計算した。
sn−1およびsn−2位に脂肪族アシル基を含む1,2−ジアシル化グリセロリン脂質の製造
この例は、無溶媒系でPLA1,2(または「酵素」)と本明細書で呼ばれるホスホリパーゼA1(Lecitase,Sankyo,日本)の様々な製剤を用いる1,2−ジアシル−グリセロリン脂質の製造に関する。
(A). Aspergillus属のSANK 11870株(または米国特許第5,538,874号明細書,Sankyo−日本に記載の通り、同一微生物の他の株)から得た50mgの酵素製剤を、10mgのGPC、5−10μlの水および0.5mlのビニルラウレートの混合物に加えた。反応系を60℃で振盪した。試料を定期的に抜き取り、適当に希釈して、濾過し、HPLCによって分析した。
表2は、得られた生成物である1−モノ−ラウロイルグリセロホスファチジルコリンおよび1,2−ジラウロイルグリセロホスファチジルコリンのPLA1,2と呼ばれるホスホリパーゼA1(Lecitase,Sankyo)の様々な製剤を用いる48時間後の収率(%ピーク面積比による)を示している。
表2: 微小水性媒質中でPLA1,2と呼ばれるホスホリパーゼA1(Lecitase,Sankyo)の様々な製剤を用いる60℃で48時間後に得られたl−モノ−ラウロイルグリセロホスファチジルコリンおよび1,2−ジ−ラウロイル−グリセロホスファチジルコリンのピーク面積比(%)。界面活性剤はソルビタンモノオレエート(SMO)である。

Figure 0004216082
表2は、Lecitase(Sankyo)を糖脂肪酸エステルであるソルビタンモノオレエートでコーティングした後、改質した酵素をDuolite A 568に吸着させて、1,2−ジアシル生成物の生成を実質的に増加させた。このような場合には、1,2−ジラウロイル誘導体の生成は80%を上回る収率である(1,2−ジアシ−および2−リゾ−生成物の%ピーク面積比として計算)。反応時間48時間以上にすると、1,2−ジアシル化合物の収率が更に増加すると思われる。同様の結果は、酵素をSMOで修飾した後、Duolite A568上に固定するときに得られた。表2は、加えたpHおよび反応媒質中に挿入した水の量に従って1−ラウロイル−2−リゾ−PCおよび1,2−ラウロイル−PCの収率に幾らか変動があることも示している。
粗製酵素は1,2−ジアシル化反応をGPCの転換率が5%未満で触媒するが、(修飾した)固定形態の同じ酵素は反応を40%を上回るGPCの転換率で触媒し、最適条件下では90%の転換率に到達することもあることを指摘すべきである。
(B). 上記の(A)に記載した酵素製剤8gを、GPC10.53g、ビニルミリステート250gの混合物に加えた。酵素複合体の投入の前に、混合物を60℃で十分攪拌する。20μlの試料を定期的に抜き取り、適当に希釈し(1ml無水エタノール)、濾過して、HPLCによって分析した。更に精製段階を用いた後、高度に精製した1,2−ジミリスチオイル−PC(DMPC)を得た(図1)。生成物の化学的同一性を実証するために、生成物を1H−NMRで分析した。
ビニルパルミテートとGPCを基質として用いて、同様な結果を得た。
(C) Novozym 525およびNovozym 435(それぞれ、種Candida antarcticaおよびCandida antarctica Bに由来;Novo Nordisk A/S,デンマーク)のようなリパーゼ、並びにホスホリパーゼA1レシターゼ(Novo)を用いるときには、1,2−ジアシル化グリセロリン脂質は実質的に合成されない。これらの酵素は、上記例AおよびBのホスホリパーゼA1(PLA1,2)とは対照的に1,2−ジ−アシル化活性を示さないので、PLA1,2活性を有する酵素と考えることはできない。
(i) リパーゼ(Novozym(登録商標)525)50mgを、GPC10mg、水5−10μlおよびビニルラウレート1mlの混合物に加えた。反応系を、60℃で48時間振盪した。試料を定期的に抜き取り、適当に希釈し、HPLCによって分析した。
表3は、微小水性媒質中で48時間後にNovozym 525の様々な製剤を用いて得た生成物1−モノ−ラウロイル−グリセロホスファチジルコリンおよび1,2−ジラウロイル−グリセロホスファチジルコリンの収率(%面積比として)を示す。
表3: 微小水性媒質中で48時間後にNovozym 525の異なる製剤を用いて得た生成物1−モノ−ラウロイル−グリセロホスファチジルコリンおよび1,2−ジラウロイル−グリセロホスファチジルコリン。界面活性剤はSMOであった。
Figure 0004216082
表3では、GPCのアシル化活性が比較的高いNovozym(登録商標)525と表2で得たデーターをLecitase(PLA1,2)を用いて比較する。表3に示された結果は、SMOで修飾して固定したNovozym(登録商標)525は、sn−1位でのGPCのモノアシル化に対して選択的触媒活性を有することを示している。形成した1−モノ−ラウロイル−グリセロホスファチジルコリンの収率(%面積比として)は94%を上回ったが、1,2−ジ−ラウロイル−グリセロホスファチジルコリンの収率は、Duolites A568上に固定したSMO修飾Novozyms 525を用いたときには、6%未満であった。
粗製酵素はアシル化反応を触媒し、GPCの転換率が5%未満であるが、(修飾して)固定した形態の同じ酵素は、ずっと高いGPCの転換率で反応を触媒することを指摘すべきである。
(ii) 市販の固定したリパーゼ(NovozymX 435)50mgを、GPC10mg、水5−10μlおよびビニルラウレート1mlの混合物に加えた。反応系を60℃で48時間振盪した。試料を定期的に抜き取り、適当に希釈し、HPLCによって分析した。
表4は、微小水性媒質中で48時間後にNovozym 435を用いて得られた生成物1−モノ−ラウロイル−グリセロホスファチジルコリンおよび1,2−ジラウロイル−グリセロホスファチジルコリンの収率(%面積比として)を示している。
表4: 微小水性媒質中で48時間後にNovozym 435を用いて得られた生成物1−モノ−ラウロイル−グリセロホスファチジルコリンおよび1,2−ジラウロイル−グリセロホスファチジルコリン。界面活性剤はSMOであった。
Figure 0004216082
表4では、GPCのアシル化活性が比較的高いNovozyme(登録商標)435と表2で得たデーターをLecitase(PLA1,2)を用いて比較する。表4に示された結果は、市販の固定したNovozyme(登録商標)435は、sn−1位でのGPCのモノアシル化に対して選択的触媒活性を有することを示している。得られたl−モノアシル化−2−リゾ−PCの収率(%面積比として)は90%を上回ったが、1,2−ジアシル化−PCの最大収率は10%未満であった。
(iii) ホスホリパーゼA1(Lecitase Novo)50mgを、GPC10mg、水5−10μlおよびビニルラウレート1mlの混合物に加えた。反応系を60℃で48時間振盪した。試料を定期的に抜き取り、適当に希釈し、HPLCによって分析した。
表5は、微小水性媒質中で48時間後にLecitase Novoの様々な製剤を用いて得られた生成物1−モノ−ラウロイル−グリセロホスファチジルコリンおよび1,2−ジラウロイル−グリセロホスファチジルコリンの収率(%面積比として)を示している。
表5: 微小水性媒質中で48時間後にLecitase Novoの様々な製剤を用いて得られた生成物1−モノ−ラウロイル−グリセロホスファチジルコリンおよび1,2−ジラウロイル−グリセロホスファチジルコリン。界面活性剤はSMOであった。
Figure 0004216082
表5では、GPCのアシル化活性を有するLecitase Novoと表2で得られたデーターをLecitase(登録商標)(PLA1,2)を用いて比較する。表5に示される結果は、SMOで修飾して固定したLecitase Novoがsn−1位でのGPCのモノアシル化に対して選択的触媒活性を有することを示している。得られた1−モノアシル化−2−リゾ−PCの収率(%ピーク面積比として)は85%を上回ったが、Duolite(登録商標)A568上に固定したSMOで修飾したLecitase(Novo)を用いたときには、1,2ジアシル化−PCの最大収率は15%未満であった。しかしながら、異なる条件下では、同じ酵素がまた1,2−ジアシル化触媒活性をある程度まで示すと思われる。
Sankyo製Lecitase(登録商標)(PLA1,2)とは対照的に、上記のデーターは、固定リパーゼ(Novozyme(登録商標)435および525)並びに固定ホスホリパーゼA1(Lecitase Novo)は選択的な1−モノアシル化活性を示すが、GPCの1,2−ジアシル化GPCへの転換率はこれらの場合には相対的に低いままであった(15%未満)。
PLA1,2活性を有するLecitase(Sankyo)を用いる1−アシル化−2−リゾ−グリセロリン脂質の製造
溶媒の非存在下で1,2−ジアシル−グリセロリン脂質の生成を触媒する同じ of Sankyo製Lecitase(PLA1,2)が、第三ブタノールのような有機溶媒の存在下ではl−アシル−2−リゾ−グリセロリン脂質の生成を触媒することができることを見出した。溶媒が存在しない同じ反応と比較して、第三ブタノールの存在下ではずっと少量の1,2−ジアシルグリセロリン脂質が形成される。
(A) 修飾して固定したLecitase(登録商標)(PLA1,2:「酵素」と呼ばれる)複合体の製造
酵素をリン酸緩衝液(例えば、K2HPO4およびKH2PO4,pH=5など)に溶解した。Duolite A568(またはAmberlite XAD 7)を、脱イオン水で数回洗浄した(3−7回)。溶解した酵素を洗浄したDuolite A568(またはAmberlite XAD 7)に加え、形成した懸濁液を4時間激しく攪拌した。4時間後、未処理であるかまたは、EtOHに溶解したSMOを酵素+Duolite(またはAmberlite)懸濁液に攪拌しながら加えた。形成した酵素+Duolite(またはAmberlite)+SMO懸濁液を一晩攪拌した後、懸濁液を20μm濾紙で濾過し、沈澱生成物(ケーキ)をリン酸緩衝液で洗浄した。
濾過手続きは極めて手早く行い、気泡が濾液に形成するので、大きな容器が好ましい。濾過ケーキは、界面活性剤がコーティングされている(修飾した)−固定酵素複合体である。得られた固定酵素複合体を、0.1−5ミリバールの真空を用いて室温で乾燥し、−20℃で保管した。
(B) 上記の(A)で調製した界面活性剤がコーティングされている(修飾した)固定酵素複合体によって触媒されるエステル化反応
ビニルステアレート(またはビニルパルミテート)を、第三ブタノールと混合した。
(A)で調製した界面活性剤がコーティングされている(修飾した)−固定酵素複合体を、ビニルステアレート(またはビニルパルミテート)を第三ブタノールに溶解したものに50−70℃で加えた後、GPCを加えて、混合を行った。混合中に、気泡が形成される可能性がある。エステル化/エステル交換反応中に、アセトアルデヒドが放出された。
注: 反応物を異なる順序で加えることができ、例えば、GPCを最初に反応混合物に加えることができる。しかしながら、GPCを反応混合物中で一層良好に混合するには、GPCを最後に反応混合物に加えるのが好ましいことが分かった。
反応は、60℃または70℃で行った。更に、反応は、一連の様々な容積(例えば、50ml、1、20および100リットル)で行った。
この反応からの所望な生成物は、1−ステアロイル−2−リゾ−PC(または1−パルミチオイル−2−リゾ−PC)であり、転換率は30−95%である。1,2−ジステアロイル−PCまたは1,2−ジパルミチオイル−PC(0.1−10%)および遊離ステアリン(またはパルミチン)酸が、反応の副生成物である。粗製生成物の混合物は室温では白−黄色固形物であり、40℃では液体である。粗生成物の混合物の主成分は、所望な生成物の他に、未反応のビニルステアレート(またはビニルパルミテート)である。固定酵素複合体を反応混合物から除いて、再生した。
例2.1:
反応は、攪拌機を備えた1リットルのジャケット付き反応装置で60℃で200時間行った。反応混合物は、下記のものを含んでいた:
0.0288Kg GPC
0.45Kg ビニルステアレート(VS)
0.0225Kg 固定した修飾酵素複合体
0.15リットル t−BuOH
VSをt−BuOHと混合して透明溶液を得て、溶液が60℃のときに固定酵素複合体とGPCを加えた。
転換率は67%であった。
l−ステアロイル−2−リゾ−PCの生成の速度曲線を、図2に示す。
例2.2:
反応は、攪拌機を備えた100リットルのジャケット付き反応装置で60℃で120時間行った。反応混合物は、下記のものを含んでいた:
4Kg GPC
60Kg VS
3Kg 固定した修飾酵素複合体
20リットル t−BuOH
VSをt−BuOHと混合し、溶液が60℃のときに固定酵素複合体とGPCを加えた。
90時間後の転換率は75%であった。
1−ステアロイル−2−リゾ−PCの生成の速度曲線を、図3に示す。
例2.3:
反応は、60℃の振盪インキュベーター中1リットル三角フラスコで4日間行った。反応混合物は、下記のものを含んでいた:
0.025Kg GPC
0.375Kg VS
0.015Kg 固定した修飾酵素複合体
0.1リットル t−BuOH
VSをt−BuOHと混合した後、GPCを加え、混合物を60℃で半時間攪拌した。次に、固定酵素複合体0.01Kgを加えた。混合物を一晩攪拌した後、更に固定酵素複合体0.005Kgを加えた。攪拌を4日間継続した。
転換率は70%であった。
例2.4:
反応は、攪拌機を備えた0.25リットルの三角フラスコで70℃で1日間行った。反応混合物は、下記のものを含んでいた:
0.0025Kg GPC
0.0375Kg VS
0.0019Kg 固定した修飾酵素複合体
0.0125リットル t−BuOH
VSをt−BuOHと溶融した後、GPCを加え、混合物を70℃で半時間攪拌した。次に、固定酵素複合体を加えた。反応混合物を1日間攪拌した。
反応転換率は、上記で詳細に説明したのと同じレベルである。
例2.5:
反応は、60℃の振盪インキュベーターで3日間行った。この反応では、ビニルパルミテート(VP)をビニルステアレートの代わりに反応させた。
得られた生成物は、l−パルミチオイル−2−リゾ−PCである。
反応混合物は、下記のものを含んでいた:
0.005Kg GPC
0.075Kg VP
0.005Kg 固定した修飾酵素複合体
0.025リットル t−BuOH
VPをt−BuOHと混合した後、GPCを加え、混合物を60℃で半時間攪拌した。次に、固定酵素複合体を加えた。反応混合物を3日間攪拌した。
反応転換率は、上記で詳細に説明したのと同じレベルである。
例2.6:
反応は、60℃の振盪インキュベーター中三角フラスコで行った。この反応では、Amberlite XAD 7がDuolite A568の代わりに不溶性マトリックスとして働く。反応混合物は、下記のものを含んでいた:
0.0025Kg GPC
0.0375Kg VS
0.0019Kg 固定した修飾酵素複合体
0.0125リットル t−BuOH
VSをt−BuOHと混合した後、GPCを加え、混合物60℃で半時間攪拌した。次に、固定酵素複合体を加えた。反応混合物を25時間攪拌した。
反応転換率は、Duolite A568上の固定酵素について上記で詳細に説明したのと同じレベルである。
例2.7:
反応は、60℃の振盪インキュベーター中三角フラスコで行った。この反応では、再生VSを未処理の新鮮な新規VSの代わりに反応で用いた。反応混合物は、下記のものを含んでいた:
0.005Kg GPC
0.075Kg VS
0.005Kg 固定した(Duolite A568)−修飾酵素複合体
0.025リットル t−BuOH
VSをt−BuOHと混合した後、GPCを加え、混合物60℃で半時間攪拌した。次に、固定酵素複合体を加えた。反応混合物を4日間攪拌した。
反応の終了時に、固定酵素複合体を反応混合物から分離した。残った第三ブタノールを反応混合物から真空留去した後、反応混合物を、VSは可溶性であるが、生成物は沈澱する条件下で適当な有機溶媒と混合した。(真空を用いて)溶媒を除去した後、回収したVSを再循環エステル化手続きに用いた。
同じ再生VSを用いて、3回の連続反応を行った。転換率は3回総ての連続反応において一定のままであり、転換は上記で略記したのと同じレベルであった。
sn−1位でのエステル化またはアシル化を触媒する酵素ホスホリパーゼA1を用いるl−アシル化−2−リゾ−グリセロリン脂質の製造
本発明のもう一つの態様は、ホスホリパーゼA1をヒドロキシル化することによって、ある条件下でsn−1位のグリセロリン脂質のエステル化/エステル交換(アシル化)を触媒することができるという、驚くべき知見である。
反応は、例1(iii)に記載のLecitase Novo(PLA1)を用いて行った。得られたデーターを、表5にまとめる。表5に示される結果は、SMOで修飾した固定Lecitase Novoは、sn−1位でのGPCのモノアシル化に対する触媒活性を有することを示している。得られた1−モノアシル化−2−リゾ−PCの収率(%面積比として)は85%を上回ったが、Duolite(登録商標)A568上に固定したSMOで修飾したLecitase(Novo)を用いたときには、1,2−ジアシル化−PCの最大収率は15%未満であった。
sn−1位でのアシル基の加水分解を触媒する他のホスホリパーゼA1は、上記の条件下ではsn−1位でのエステル化/エステル交換(アシル化)を触媒することもできるので、それらも本発明の範囲内に包含される。更に、Duolite XAD 761、Duolite A7HPおよび多数の他のものなどの(修飾した)酵素の固定のための様々なマトリックスは、本発明に準じて応用することができる。
本発明は、上記の説明で記載した構成の詳細および成分の配置にその応用が限定されるものではないことを理解すべきである。本発明は他の態様も可能であり、または様々なやり方で実施または行うことが可能である。また、本明細書で用いる術語および用語は説明のためのものであり、制限と考えるべきではないことを理解すべきである。
純粋な1,2−ジミリスチオイルPCのHPLCクロマトグラム。 ピーク1は1,2−ジミリスチオイルPCを表す。 ピーク2は1−ミリスチオイル−2−リゾPCを表す。 1リットルの反応容積での1−ステアロイル−2−リゾPCの生成の速度曲線。 100リットルの反応容積での1−ステアロイル−2−リゾPCの生成の速度曲線。

Claims (30)

  1. 1,2−ジアシル化グリセロリン脂質の製造方法であって、1−アシルおよび2−アシル基が所定のものであり且つ同一であり、微小水性環境においてグリセロリン脂質をカルボン酸アシル供与体と、上記グリセロリン脂質のsn−1位置およびsn−2位置のいずれにおいてもエステル化/エステル交換/アシル化を触媒することができるホスホリパーゼ酵素の存在下で接触させることを含んでなる、上記方法であって、ここで上記反応混合物の水含量が反応混合物の体積の0.5−5体積%である、上記方法
  2. 上記反応混合物の水含量が0.5−3%である、請求項に記載の方法。
  3. 上記グリセロリン脂質が、グリセロホスホリルコリン(GPC)、およびその誘導体であって、コリン残基がエタノールアミン、セリン、またはアルコールによって置換されている上記誘導体からなる群から選択される、請求項1及び2に記載の方法。
  4. 上記アルコールが、イノシトールまたはグリセロールである、請求項に記載の方法。
  5. 上記カルボン酸アシル供与体が脂肪酸アシル供与体である請求項1−のいずれか一項に記載の方法。
  6. 上記脂肪酸アシル供与体が、飽和または不飽和の短、中または長鎖の線状または分岐状脂肪酸誘導体である請求項1−のいずれか一項に記載の方法。
  7. 上記脂肪酸誘導体が、遊離脂肪酸、脂肪酸塩化物、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸ビニルエステル、および無水脂肪酸からなる群から選択される、請求項5及び6に記載の方法。
  8. 上記ホスホリパーゼ酵素が不溶性マトリックス上で固定されている、請求項1−のいずれか一項に記載の方法。
  9. 上記ホスホリパーゼ酵素が界面活性剤がコーティングされている請求項1−いずれか一項に記載の方法。
  10. 上記グリセロリン脂質のsn−1位置およびsn−2位置のいずれでもアシル化を触媒するホスホリパーゼ酵素がアスペルギルス(Aspergillus)属に由来する請求項1−のいずれか一項に記載の方法。
  11. 上記ホスホリパーゼがアスペルギルス(Aspergillus)株SANK 11870、IFO No.30102およびATCCNo.9642のいずれか一つに由来する、請求項1−10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 上記グリセロリン脂質の1,2−ジアシル−グリセロリン脂質への転換収率が少なくとも20%である、請求項1−11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 上記グリセロリン脂質がグリセロホスファチジルコリン(GPC)である、請求項1−12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 1,2−ジアシル化−グリセロリン脂質の製造方法であって、1−および2−アシル基が同一であり且つ所定のものであり、微小水性環境においてグリセロリン脂質を、同一の所望なアシル基を提供することができるカルボン酸アシル供与体と、上記グリセロリン脂質のsn−1位置およびsn−2位置のいずれにおいてもアシル化を触媒することができるホスホリパーゼ酵素の存在下で接触させることを含んでなる、上記方法。
  15. 溶媒を用いるとき、1−モノアシル−2−リゾ−グリセロリン脂質が形成される、請求項1に記載の方法。
  16. 上記溶媒が第三ブタノールである、請求項15に記載の方法。
  17. 生成物が1,2−ジ−アシル−グリセロホスファチジルコリンである、請求項1−16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 上記1,2−ジ−アシル−グリセロホスファチジルコリンが、1,2−ジラウロイル−グリセロホスファチジルコリン、1,2−ジミリストイル−グリセロホスファチジルコリン、または1,2−ジパルミトイル−グリセロホスファチジルコリンである、請求項17に記載の方法。
  19. sn−1位置およびsn−2位置でのアシル化を触媒することができる上記のホスホリパーゼが、物理的に、イオン的にまたは共有結合的に上記不溶性マトリックスに結合している、請求項18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 上記不溶性マトリックスが、吸着剤、イオン交換樹脂および活性化した不溶性マトリックスからなる群から選択され、上記界面活性剤が、糖脂肪酸エステル、糖アルキルエステル、ポリオール脂肪酸エステルおよびポリオールアルキルエーテルからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  21. 上記の不溶性マトリックスが、Dowex(登録商標)22、Dowex(登録商標)1x2−40、Dowex(登録商標)2x8−100、セルロースホスフェート、Amberlite(登録商標)IRA−95、Amberlite(登録商標)IRA−200、Amberlite(登録商標)IRA−900、Amberlite(登録商標)XAD−7、Amberlite(登録商標)XAD−16、Diannon(登録商標)SA−10A、Ectoela(登録商標)セルロース、Sephadex(登録商標)およびスルホキシエチルセルロース、セライト(Celite)、アルミナ、シリカゲル、炭酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、木炭および硫酸カルシウムからなる群から選択され、上記界面活性剤が、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、またはソルビタンモノステアレートである、請求項20に記載の方法。
  22. 1−アシル化−2−リゾ−グリセロリン脂質の製造方法であって、1−アシル基は所定のものであり、微小水性環境においてグリセロリン脂質をカルボン酸アシル供与体と、上記グリセロリン脂質のsn−1位置でアシル化を触媒することができるホスホリパーゼの存在下、有機溶媒の存在下にて接触させることを含んでなる、上記方法。
  23. 反応混合物の水含量が、反応混合物の体積の0.5−30体積%である、請求項22に記載の方法。
  24. 上記反応混合物の水含量が、反応混合物の体積の0.5−5体積%である、請求項23に記載の方法。
  25. 上記反応混合物の水含量が、反応混合物の体積の0.5−3体積%である、請求項23または請求項24に記載の方法。
  26. 上記カルボン酸アシル供与体が飽和または不飽和の短、中または長鎖の線状または分岐状脂肪酸誘導体である、請求項22または23に記載の方法。
  27. 上記脂肪酸誘導体が遊離脂肪酸、脂肪酸塩化物、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸ビニルエステル、および無水脂肪酸からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 上記ホスホリパーゼが、不溶性マトリックス上で固定されているホスホリパーゼA1である、請求項2227のいずれか一項に記載の方法。
  29. 上記ホスホリパーゼが、界面活性剤がコーティングされているホスホリパーゼA1である、請求項2228のいずれか一項に記載の方法。
  30. 上記ホスホリパーゼが、固定され且つ界面活性剤がコーティングされている請求項2228のいずれか一項に記載の方法。
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