JP2657887B2 - 固定化酵素の調製方法 - Google Patents

固定化酵素の調製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、特に油脂又はレシチンのエステ
ル交換に適した固定化酵素の調製方法に関する。
【0002】
【従来技術】エステル交換反応は、ワックスエステル、
各種脂肪酸エステル、糖エステルやステロイド等の製造
法、あるいは植物油、動物油、レシチンで代表されるリ
ン脂質等の改質法として重要な技術である。このエステ
ル交換反応の触媒として、脂質分解酵素の一種であるリ
パーゼ又はホスホリパーゼ(以下、単にリパーゼという
ことがある)を用いると温和な条件下でエステル交換反
応を行うことが可能となり、また、その基質特異性や位
置特異性により目的物を効率よく生産することができ
る。又、系内の水分をできる限り少なくし、かつ酵素の
活性が発現するに充分な量のリパーゼを存在させてエス
テル交換反応を行うことが提案されている。ところが、
リパーゼは水溶性であり、微水系(油系)では均一に分
散することが困難である。このような問題を解決するた
めにリパーゼを不溶性担体に担持させた固定化リパーゼ
が用いられている。そして、固定化リパーゼを採用する
ことによって、さらに、生産物の分離が容易となり、リ
パーゼの繰り返し利用が可能となり、反応系の連続化が
容易になるなどの利点が得られている。
【0003】しかし、このような利点を有しているにも
係わらず、実用化に耐えうる寿命を有する固定化リパー
ゼは得られていない。尚、固定化酵素の活性を改善する
ために種々の方法がこれまでに提案されている。例え
ば、酵素を前以て油脂で処理する方法(特開昭60−2
51884号公報)、脂肪酸存在下で乾燥する方法(特
開昭62−134090号公報)、酵素をりん脂質と接
触させた状態で固定化する方法(特開昭63−2141
84号公報)、界面活性剤存在下で固定化する方法(特
開昭64−2588号公報)、脂肪酸または誘導体で担
体を前処理する方法(特開平1−153090号公
報)、固定化時にアミノ酸を添加する方法(特開平3−
183480号公報)などである。しかしながらこれら
は活性は上がっても連続的に使用すると、いずれも寿命
が短く、実用化に耐えるまで至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、担体に固定
化したリパーゼ又はホスホリパーゼであって、これらの
酵素活性の発現に優れ、微水系でエステル交換反応を行
うのに特に適しており、かつ寿命が長い固定化酵素の効
率的な調製方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、疎水性の母材
でかつその表面に酵素と水溶液中で共有結合を形成する
官能基と陰イオン交換基とを併せ持つ、マクロポーラス
型の樹脂で形成された特定の担体に、目的酵素を固定化
する際に脂肪酸あるいはその誘導体の存在下で該酵素を
担体に接触させると、高活性で寿命の長い固定化酵素を
得ることができるとの知見に基づいてなされたのであ
る。すなわち、本発明は、酵素と水溶液中で共有結合を
形成する官能基と弱塩基性陰イオン交換基とを有する樹
脂担体に、リパーゼ又はホスホリパーゼを固定化するに
当たり、脂肪酸あるいはその誘導体の存在下で該酵素を
担体に接触させることを特徴とする固定化酵素の調製方
法を提供する。本発明において、担体を形成する不溶性
有機高分子としては、ジビニルベンゼン(DVB)系共
重合体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、
ポリプロピレン、ナイロン、フェノールなどを母材とす
るものが用いられるが、特にジビニルベンゼン系共重合
体が好ましく用いられる。また、樹脂の細孔径は5nm
〜1000nm、好ましくは10nm〜1000nmの
ものが適当である。上記樹脂が有する、酵素と水溶液中
で共有結合を形成する官能基としては、エポキシ基、シ
アニド基、アルデヒド基、トリアジニル基などがあげら
れる。このうち、エポキシ基が好ましく、特に隣り合っ
た炭素に酸素原子が付加した1,2エポキシ基が好まし
い。又、上記樹脂が有する陰イオン交換基としては、1
級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基などがあげら
れるが、弱塩基性の3級アミノ基であるジエチルアミノ
エチル基(DEAE基)やジメチルアミノ基が好まし
い。
【0006】本発明においては、樹脂担体中の上記官能
基及び陰イオン交換基の割合は任意とすることができる
が、共重合する共有結合を形成する官能基を0.2〜
5.0mol/kg含有するのが好ましく、特に好ましくは
0.5〜2.0mol/kgである。また陰イオン交換基を
0.2〜5.0mol/kg含有するのが好ましく、特に好ま
しくは0.5〜2.0mol/kgである。これら官能基や陰
イオン交換基は常法により上記樹脂に導入することがで
きる。例えば、これらの官能基や陰イオン交換基を有す
るモノマーを上記樹脂の重合時に共存させて共重合させ
て導入すること、上記の樹脂やこれを前処理して反応性
の官能基を生成させたものに、エステル結合等の一般の
化学結合法で導入することなどがあげられる。このよう
な方法により上記特定の官能基と陰イオン交換基とを導
入した樹脂は、例えば、バイエル社のレバチットR26
0Kが入手でき、また後述する参考例1のように調製し
てもよい。尚、レバチットR260Kは、エポキシ基と
2級アミノ基を有するが、エポキシ基と3級アミノ基を
有する参考例1に記載のものが一層好ましい担体樹脂で
ある。
【0007】本発明では、担体として任意の粒径のもの
を使用することができるが、一般に担体の粒子径の90
%以上が50〜1,000μmのものを使用するのが好ま
しいが、特に平均粒径が300〜600μmのものを使
用するのが好ましい。上記担体に固定される酵素は、リ
パーゼ及び/又はホスホリパーゼである。リパーゼとし
ては、ムコール属、リゾプス属、アスペルギルス属、ア
ルカリゲネス属、ジオトリクム属、キャンディダ属、シ
ュードモナス属、ペニシリウム属、クロモバクテリウム
属等の微生物由来のリパーゼがあげられる。このうち、
特に、ムコール属やリゾプス属のリパーゼを用いるのが
好ましい。又、ホスホリパーゼとしては、動物の脳、肝
臓、膵臓組織やリゾプス属等由来のホスホリパーゼ
1、前記動物組織やエシエリヒア属、マイクロバクテ
リウム属等のホスホリパーゼA2 、前記動物組織やペニ
シリウム属、フスマ、米ヌカ等由来のホスホリパーゼB
等があげられる。好ましい固定化酵素のエステル交換活
性は固定化酵素1g(乾燥重量)あたり150ユニット
以上である。
【0008】本発明において、酵素を担体に接触させる
際に使用する脂肪酸又はその誘導体としては、脂肪酸あ
るいはその誘導体である脂肪酸エステルや油脂などがあ
げられ、反応原料あるいはその一部あるいはその生成物
あるいは、酵素の基質、生成物となりうる反応原料と同
類の脂肪酸もしくは油脂を用いることができ、好ましく
はエステル交換反応の反応原料が用いられる。これらの
例としてはナタネ油、大豆油、コーン油、パーム油、そ
れらの分別油、オレイン酸、レシチン、脂肪酸モノ又は
ジグリセリド等があげられ、その使用量は担体に対して
1〜100重量%、好ましくは5〜30重量%である。
このような脂肪酸やその誘導体が酵素を担体に接触させ
る際に存在すると、つまり、酵素は固定化されるときに
先ず担体に接触している例えば脂肪酸の誘導体である油
脂等と反応することにより、またはその類似物や反応生
成物等により活性化され、油脂などを分解して生成する
脂肪酸により保護される。脂肪酸は陰イオン交換基によ
り濃度が高められている。
【0009】次に本発明の調製方法について説明する。
例えば、予め担体を脂肪酸又はその誘導体により前処理
しておき、ついで前処理した担体に酵素液を接触させる
ことにより担体に酵素を担持させることができる。ここ
で、酵素液としては用いるリパーゼ又はホスホリパーゼ
によって決まるが、例えば、酵素を0.05〜10重量%
含む水溶液を担体(乾燥重量)1重量部当たり1〜20
0重量部使用するのが好ましい。この際緩やかに撹拌す
ることが好ましい。固定化に要する時間は10分から4
0時間で、好ましくは1時間から24時間である。固定
化時の温度は4℃から50℃、好ましくは5℃から25
℃である。また、必要に応じて酵素液を緩衝液で調製す
ることもできる。この場合、調整pHは酵素の至適pH
付近が好ましく、リパーゼを用いる場合、遊離酵素の状
態で測定した加水分解活性の至適pH、例えばpH5〜
9に調整するのが好ましい。同様にホスホリパーゼの場
合はpH4〜10がよい。緩衝液の種類は特に規定され
ないが、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液を用いることができ
る。酵素を担持した担体は濾過等により残液を除き、必
要に応じてイオン交換水等で洗浄する。この際、洗浄液
にトリス塩酸緩衝液等のアミノ基を有する物質を含んだ
水溶液を用いることにより、担体に残存する、未反応の
共有結合を形成する官能基をブロックすることも可能で
ある。除液した固定化酵素は減圧乾燥法等により乾燥す
るのが好ましく、乾燥後の水分が0.5重量%〜30重量
%、好ましくは5重量%〜10重量%となるようにする
のがよい。乾燥後の水分が0.5重量%未満の場合、十分
にエステル交換活性が発現されず、また30重量%を超
える場合、失活の原因になるとともに副反応である加水
分解が無視できなくなる。固定化操作において使用する
担体と酵素の割合は、担体1g(乾燥重量)に対し、酵
素中のタンパク質が0.1gから10g、好ましくは0.2
gから5gであるが、特にこれに限定されるものではな
い。
【0010】本発明では、予め担体を脂肪酸又はその誘
導体により前処理する代わりに、脂肪酸あるいはその誘
導体を担体の懸濁水に添加し、ここにリパーゼ又はホス
ホリパーゼを加えてから10分から10時間、好ましく
は10分から1時間攪拌して担体に酵素を均一に担持さ
せることもできる。この後の操作は、予め担体を脂肪酸
又はその誘導体により前処理したものについての操作と
同じである。本発明の固定化酵素を用いて、油脂類のエ
ステル交換を効率的に行うことができる。特に、反応系
中の水分含有量を50〜2000ppm、好ましくは1
00〜1000ppmに低下させた微水系でエステル交
換反応を行うのに適している。本発明において、好適な
エステル交換反応としては、温度30〜70℃であり、
必要に応じて有機溶媒を用いることもできる。用いる有
機溶媒としては固定化酵素の活性を低下させないものが
選ばれ、例えばn−ヘキサンや石油エーテルがあげられ
る。又、対象となる油脂類としては、大豆油、ナタネ
油、パーム油、オリーブ油等の通常の油脂、レシチン、
脂肪酸、それらの誘導体を含めるものであり、とりわけ
植物由来の油脂、レシチンおよび脂肪酸が好適である
が、この他に動物油脂、魚貝類油脂およびそれらの脂肪
酸を対象とすることもできる。エステル交換反応の原料
の組み合わせは、リパーゼの場合、油脂と脂肪酸又はそ
のエステル、1種もしくは2種以上の油脂であり、ホス
ホリパーゼの場合にはレシチンと脂肪酸又はそのエステ
ルであり、またリパーゼとホスホリパーゼを併用すれば
油脂とレシチンとの組み合わせも可能である。なお本発
明において、レシチンとはホスファチジルコリン、ホス
ファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシト
ール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、それ
らのリゾ体等のモノあるいはジアシルグリセロリン脂質
を好適な例としてあげることができ、これらの1種もし
くは2種以上の混合物、さらにこれに油脂を含むものも
使用できる。ワックスエステル、各種脂肪酸エステル、
糖エステルやステロイド等の製造法、あるいは植物油、
動物油の改質法として種々のエステル交換反応を行うこ
とができる。
【0011】本発明により製造された固定化酵素を用い
て油脂を改質する場合には、原料油脂に脂肪酸ないし固
定化酵素の反応にて油脂から脂肪酸を生成する水あるい
は/およびアルコール類を添加することができる。ここ
で、添加するアルコール類としては、エタノール、グリ
セリンないしモノあるいはジグリセライドの一種又は二
種以上の混合物を使用することができる。その添加量は
0.01〜10重量%が好ましい。又、エステル交換や
改質の対象となる油脂を活性炭あるいは活性白土等の吸
着剤による処理または水蒸気蒸留処理を行い、過酸化物
を低減化した後に使用することができる。改質は所望の
温度で行うことができるが、40〜70℃の温度で行う
のが好ましい。
【0012】
【発明の効果】本発明により、高活性で担持された酵素
の活性発現状態が安定な固定化酵素を得ることができ
る。次に実施例により本発明を説明する。
【0013】
【実施例】参考例1 ジビニルベンゼン(DVB)50%とメタクリル酸グリ
シジル25%とDEAEメタクリレート25%を通常の
方法で共重合し、樹脂担体を得た。この樹脂担体の平均
細孔径は11.7nmで細孔容積は0.5cm/gで
あった。 実施例1 参考例1で得た樹脂担体100gにナタネ油20gとイ
オン交換水1000mlを加え30℃で30min振盪
した後、ろ過洗浄した。得られた処理担体にRhizo
pus sp.由来のリパーゼF AP−15(天野製
薬(株)製150,000u/g)の2%水溶液100
0mlを加え4時間25℃で攪拌しながら固定化を行っ
た。濾過洗浄後真空乾燥器で3時間乾燥した。得られた
固定化酵素は50gで水分は5%であった。 実施例2 実施例1で使用したリパーゼをCandida cyl
indracea由来のリパーゼOF(名糖産業(株)
製360,000u/g)、Chromobacter
ium Viscosum由来のリパーゼLP(東洋醸
造(株)製100,000u/g)、Pseudomo
nus sp.由来のリパーゼCES(天野製薬(株)
製20,000u/g)に代えて固定化酵素を調製し、
そのエステル交換活性を測定した。活性はそれぞれ80
unit/ml固定化酵素、85unit/ml固定化
酵素、90unit/ml固定化酵素となった(表−1
参照)
【0014】比較例1 参考例1で得た樹脂担体100gに直接リパーゼF AP-
15の2%水溶液1000mlを加え4時間25℃で攪拌し
ながら固定化を行った。濾過、洗浄後真空乾燥器で3時
間乾燥した。得られた固定化酵素は50gで水分は5%
であった。上記実施例及び比較例で得られた固定化酵素
のエステル交換活性と寿命を次のようにして測定した。固定化酵素のエステル交換活性 エステル交換活性は50℃でのトリオレインへのパルミ
チン酸の取り込み速度(μmol/min/g 固定化酵素)で測
定し、固定化酵素の単位容量に換算した。(単位:unit
/ml 固定化酵素)固定化酵素の寿命 固定化酵素をカラムに詰め、パーム油とナタネ油の混合
物をSV(空間速度)=1(リットル/リットルカラム
・hr) で流し、構成脂肪酸の炭素数の合計が50および
52のトリグリセリドの組成の変化から反応率を出し、
70%の応率を維持できる間の通油可能量を固定化酵素
の寿命とした。結果を表−1に示す。
【0015】
【表1】 表−1 固定化酵素 エステル交換活性 寿 命の例 (unit/ml固定化酵素) (1原料油/1固定化酵素) 実施例1 199 4000 実施例2 80 1800 85 2100 90 2200比較例1 100 1000
【0016】実施例3 参考例1で得た樹脂担体100gにナタネ油20gとイ
オン交換水100mlを加えて30℃で30分間振とうし
た後、ろ過洗浄した。得られた処理済担体に豚膵臓由来
のホスホリパーゼA2 (ノボノルディスク社製、370
0ユニット/ml)200mlを加え25℃で4時間攪拌し
ながら樹脂担体にホスホリパーゼを固定した。ろ過洗浄
後、真空乾燥機で3時間乾燥した。得られた固定化酵素
は50gで水分は5%であった。この固定化酵素の加水
分解活性は390ユニット/gであった。 実施例4 実施例1で得られた固定化酵素を用いて、油脂を改質す
るにあたり、各種添加物について固定化酵素の劣化を防
ぐ効果を調べた。各種添加物を添加した反応系(通液速
度SV=3)での通油初期の反応率と寿命を表−2示
す。
【0017】
【表2】 表−2 添 加 物 初期反応率 寿 命 (%) (1原料油/1固定化酵素) 無し 87 2100 エタノール(0.5%) 95 3700 脂肪酸(5%) 80 3800 エタノール+脂肪酸 83 5900 実施例5 実施例1で得られた固定化酵素を用いて油脂を改質する
にあたり、過酸化物を低減させることにより固定化酵素
の劣化を防ぐ効果を調べた。過酸化物の異なる原料油に
ついての初期反応率と寿命を表−3に示す。
【0018】
【表3】 表−3 原料油の過酸化物価 初期反応率 寿 命 (%) (1原料油/1固定化酵素) 5.0 86 1000 0.2 87 2100 実施例6 実施例1で得られた固定化酵素を用いて油脂を改質する
にあたり、反応温度を低くすることにより固定化酵素の
劣化を防ぐ効果を調べた。反応温度による影響を調べ
た。反応温度60、50、45℃における初期反応率と
寿命を表−4に示す。
【0019】
【表4】 表−4 反応温度 初期反応率 寿 命 (℃) (%) (1原料油/1固定化酵素) 60 90 1600 50 87 2100 45 83 1900 実施例7 実施例1で得た固定化酵素を容量100mlのカラムにつ
め、パーム油:ナタネ油=1:1の混合油を65℃にて
SV=1で流した。1500時間後に約1kgをサンプリ
ングし、反応率を測定した。また、このエステル交換油
脂を5℃にてウインタリングし、得られた液体部の収率
を測定した。 比較例2 比較例1で得た固定化酵素を容量100mlのカラムにつ
め、カラムにつめ、実施例7と同様に反応、サンプリン
グを行い反応率およびウインタリング時の液体部の収率
を測定した。上記実施例7および比較例2で得られた反
応率ならびにウインタリング時の液体部収率を表−5に
示した。
【0020】
【表5】 表−5 反応率 ウインタリング時液体部収率 (%) (%) 実施例7 91 75 比較例2 39 52 実施例8 実施例1で得た固定化酵素をカラムにつめ、ハイオレイ
ックヒマワリ油(オレイン酸含量83%):ステアリン
酸(純度98%)=1:1の混合物を65℃でSV=1
にて流した。1500時間後にサンプリングし、トリグ
リセリド組成を測定し、反応前後のトリグリセリド組成
の変化から反応率を算出した。この反応油から蒸留によ
り遊離脂肪酸を5%以下まで除去した。次に、アセトン
を用いて18℃および5℃にて2段分別した後、中融点
部を精製してカカオ代用脂を得た。結果を表−6に示
す。 比較例3 比較例1で求めた固定化酵素を用いる以外は実施例8と
同様にして反応率の測定ならびに中融点部を得た。結果
を表−6に示す。
【0021】
【表6】 表−6 反応率 中融点部収率 (%) (%) 実施例8 92 34 比較例3 45 19 実施例9 実施例1で酵素を豚膵臓由来のホスホリパーゼA2 (ノ
ボノルディスク社製;3700ユニット/ml)の水溶液
1000mlに替え、固定化酵素を調製した。得られた固
定化酵素0.1gを、0.443g/mlジオレイルホス
ファチジルコリンおよび50mMパルミチン酸のヘキサ
ン溶液(水分0.01%)10mlに加え、50℃で24
時間振盪後に遊離脂肪酸中のオレイン酸含量を測定した
ところ、20%であった。
フロントページの続き (72)発明者 安藤 登 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目13 番地 千代田化工建設株式会社 千代田 リサーチパーク内 (72)発明者 浅岡 佐知夫 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目13 番地 千代田化工建設株式会社 千代田 リサーチパーク内 (72)発明者 小林 治人 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目13 番地 千代田化工建設株式会社 千代田 リサーチパーク内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素と水溶液中で共有結合を形成する官
    能基と弱塩基性陰イオン交換基とを有する樹脂担体に、
    リパーゼ又はホスホリパーゼを固定化するに当たり、脂
    肪酸あるいはその誘導体の存在下で該酵素を担体に接触
    させることを特徴とする固定化酵素の調製方法。
  2. 【請求項2】 弱塩基性陰イオン交換基が第3級アミノ
    、共有結合を形成する官能基がエポキシ基であり、か
    つ樹脂担体が多孔性である請求項1記載の調製方法。
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