JP2676470B2 - 固定化リパーゼ、その製造方法及び該リパーゼを用いた油脂類のエステル交換方法 - Google Patents

固定化リパーゼ、その製造方法及び該リパーゼを用いた油脂類のエステル交換方法

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JP2676470B2 JP5121652A JP12165293A JP2676470B2 JP 2676470 B2 JP2676470 B2 JP 2676470B2 JP 5121652 A JP5121652 A JP 5121652A JP 12165293 A JP12165293 A JP 12165293A JP 2676470 B2 JP2676470 B2 JP 2676470B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油脂類のエステル交換に
適した固定化リパーゼ、その製造方法及び該固定化リパ
ーゼを用いたパーム油を含む油脂類のエステル交換方法
に関する。
【0002】
【従来技術】エステル交換反応は、ワックスエステル、
各種脂肪酸エステル、糖エステルやステロイド等の製造
法、あるいは植物油、動物油の改質法として重要な技術
である。このエステル交換反応の触媒として、油脂分解
酵素の一種であるリパーゼを用いると温和な条件下でエ
ステル交換反応を行うことが可能となり、また、その基
質特異性や位置特異性により目的物を効率よく生産する
ことができる。又、系内の水分をできる限り少なくし、
かつ酵素の活性が発現するに充分な量のリパーゼを存在
させてエステル交換反応を行うことが提案されている。
ところが、リパーゼは水溶性であり、微水系(油系)で
は均一に分散することが困難である。このような問題を
解決するためにリパーゼを不溶性担体に担持させた固定
化リパーゼが用いられている。そして、固定化リパーゼ
を採用することによって、さらに、生産物の分離が容易
となり、リパーゼの繰り返し利用が可能となり、反応系
の連続化が容易になるなどの利点が得られている。
【0003】しかし、このような利点を有しているにも
係わらず、実用化に耐えうる固定化リパーゼは得られて
いない。固定化リパーゼの調製方法としては、多孔性の
キトサン成型物(特開昭59−213390)、マクロ
ポーラス型陰イオン交換樹脂(特開昭60−9898
4)、マクロポーラス型フェノール系吸着樹脂(特開昭
61−20268)、獣骨(特開昭64−8028
6)、発泡性フェノール樹脂の焼成物(特開平2−10
0678)、50nm以上の細孔径を持つ疎水性担体
(特開平2−138986)、陽イオン交換樹脂(特開
平3−64185)、マクロポーラス型アクリル系吸着
樹脂(特開平3−501922)を担体として用いるも
のが提案されている。しかしながら、これらの担体を使
用したのでは、十分なリパーゼ活性が得られない。又、
特開昭60−137290では多糖類の水酸基を酸化し
たアルデヒド基を用いて酵素を多糖類担体に固定化する
方法が示されている。しかし、担体が親水性のため微水
系での反応には適していない。また、特開平1−262
795にはキレート樹脂に酵素を固定化する方法が示さ
れているが、実用に耐える活性を得るには至っていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、担体に固定
化したリパーゼであって、リパーゼ活性の発現に優れ、
微水系でエステル交換反応を行うのに特に適しており、
かつリパーゼの使用量を低減できる固定化リパーゼを提
供することを目的とする。本発明は、又、該固定化リパ
ーゼを効率的に製造する方法を提供することを目的とす
る。本発明は、さらに、該固定化リパーゼを用いたパー
ム油を含む油脂類のエステル交換方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、担体表面にエ
ポキシ基を有し、マクロポーラス型の吸着樹脂で形成さ
れた特定の担体に特定のリパーゼを担持させることによ
り、上記目的を解決できるとの知見に基づいてなされた
のである。すなわち、本発明は、疎水性の不溶性有機高
分子から形成された担体であって、平均径が10nm以
上の細孔を有し、かつ担体表面にエポキシ基を有する担
体に、リゾプス属、ムコール属、アルカリゲネス属及び
キャンディダ属由来のリパーゼからなる群から選ばれる
1種または2種以上のリパーゼが固定されていることを
特徴とする油脂類のエステル交換用固定化リパーゼを提
供する。本発明は、又、疎水性の不溶性有機高分子から
形成された担体であって、平均径が10nm以上の細孔
を有し、かつ担体表面にエポキシ基を有する担体に、上
記特定のリパーゼの水溶液を接触させて、共有結合で該
リパーゼを担体に担持させ、しかる後に乾燥することを
特徴とする固定化リパーゼの製造方法を提供する。
【0006】本発明は、さらに、パーム油を含む油脂お
よび脂肪酸、またはパーム油を含む2種以上の油脂を上
記固定化リパーゼの存在下でエステル交換することを特
徴とする油脂のエステル交換方法を提供する。本発明に
おいて、担体を形成する疎水性の不溶性有機高分子とし
ては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、メタクリ
ル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、ポリプロ
ピレン、ナイロン、フェノール樹脂などが用いられる。
このうち、特にジビニルベンゼンとスチレン及び/又は
メタクリル酸エステルとの共重合体が好ましい。また、
樹脂の細孔径は10nm以上、好ましくは10nm〜1,
000nmである。本発明では、上記疎水性の不溶性有
機高分子で形成された担体の表面にエポキシ官能基が位
置するように、該担体を構成する不溶性有機高分子に、
エポキシ官能基をアルキル鎖またはアリール鎖を介して
結合させるのがよい。ここで、エポキシ基としてはいか
なるタイプのものでもよいが、好ましくは隣り合った炭
素に酸素原子が付加した1,2エポキシドが用いられ
る。エポキシドに続くアルキル鎖の炭素数は1〜20、
好ましくは1〜10である。アルキル鎖の代わりにアリ
ール鎖を用いることも可能である。この場合、ベンゼン
核の数は1〜10、好ましくは1〜3である。これらの
官能基を導入した樹脂は例えばメタクリル酸グリシドと
ジビニルベンとの共重合体反応により得られ、もしく
は、上記の吸着樹脂あるいはこれを前処理して官能基を
生成させたものに、エステル結合等の一般の化学結合法
でエポキシ基を導入することにより調製できるが、予め
エポキシ官能基を導入した市販の樹脂を用いることも可
能である。このようなものとしては、バイエル社のレバ
チットR259K、R260Kやオルガノ社のFP40
00などが入手できる。
【0007】本発明では、担体として任意の粒径のもの
を使用することができるが、一般に担体の粒子径の90
%以上が50〜1,000μmのものを使用するのが好ま
しいが、特に平均粒径が300〜600μmのものを使
用するのが好ましい。上記担体に固定されるリパーゼ
は、リゾプス属、ムコール属、アルカリゲネス属及びキ
ャンディダ属由来のリパーゼからなる群から選ばれる1
種又は2種以上のリパーゼである。本発明では、このよ
うに特定のリパーゼを固定することにより、初めて目的
とする高活性の固定化リパーゼが得られたのである。こ
れらのうち、特に、ムコール属又はリゾプス属のリパー
ゼを用いるのが好ましい。好ましい固定化酵素のエステ
ル交換活性は固定化酵素1g(乾燥重量)あたり150
ユニット以上である。
【0008】次に、固定化リパーゼの製造方法について
説明する。本発明では、エポキシ基を導入した疎水性の
母材からなる多孔質の不溶性担体に酵素液を接触させる
ことにより担体にリパーゼを担持させる。ここで、リパ
ーゼ液としては用いるリパーゼによって決まるが、例え
ば、リパーゼを0.05〜10重量%含む水溶液を担体
(乾燥重量)1重量部当たり1〜200重量部使用する
のが好ましい。この際緩やかに撹拌することが好まし
い。固定化に要する時間は10分から40時間で、好ま
しくは4時間から24時間である。固定化時の温度は4
℃から50℃、好ましくは5℃から25℃である。ま
た、必要に応じて酵素液を緩衝液で調製することもでき
る。この場合、調整pHは酵素の至適pH付近が好まし
く、リパーゼを用いる場合、遊離酵素の状態で測定した
加水分解活性の至適pH、例えばpH5〜9に調整する
のが好ましい。緩衝液の種類は特に規定されないが、酢
酸緩衝液、リン酸緩衝液を用いることができる。酵素を
担持した担体は濾過等により残液を除き、必要に応じて
イオン交換水等で洗浄する。この際、洗浄液にトリス塩
酸緩衝液等のアミノ基を有する物質を含んだ水溶液を用
いることにより、担体に残存する、未反応のエポキシ基
をブロックすることも可能である。除液した固定化酵素
は減圧乾燥法等により乾燥するのが好ましく、乾燥後の
水分が0.5重量%〜30重量%、好ましくは5重量%〜
10重量%となるようにするのがよい。乾燥後の水分が
0.5重量%未満の場合、十分にエステル交換活性が発現
されず、また30重量%を超える場合、失活の原因にな
るとともに副反応である加水分解が無視できなくなる。
固定化操作において使用する担体と酵素の割合は、担体
1g(乾燥重量)に対し、酵素中のタンパク質が0.1g
から10g、好ましくは0.2gから5gであるが、特に
これに限定されるものではない。
【0009】固定化に供する酵素には多くの場合夾雑タ
ンパク質が多く含まれているため、固定化時にはこれら
の夾雑物のなかから目的とするタンパク質であるリパー
ゼをある程度選択的に担持すること、および担持された
酵素が有効にエステル交換活性を発現することが高活性
の固定化酵素を得るうえで重要な因子である。これらは
それぞれ以下に定義される濃縮度及び発現効率で評価で
きる。 加水分解活性の測定には種々の方法があるが、ここでは
オリーブ油(局方)1重量部と2%PVA水溶液(クラ
レ製ポバール117:18.5g/1、ポバール205:
1.5g/1)1.5重量部を混合して乳化させた溶液を基
質とし、この乳化液5mlにマッキルベン緩衝液(pH
7)4mlと酵素液1mlを加え37℃で60分反応さ
せた場合に加水分解で生じる遊離脂肪酸の量から計算さ
れる、1分あたり遊離脂肪酸1μmolを増加させる活
性を1ユニットとする。エステル交換活性の測定には種
々の方法があるが、ここではパームオレイン50mM、
ミリスチン酸50mM、水分100〜150ppmを含
むヘキサン溶液を基質とし、この基質に20ないし20
0mg(乾燥基準)の固定化酵素を加え50℃で反応さ
せた場合のミリスチン酸濃度の減少速度の最大値から計
算される、1分あたりミリスチン酸1μmolを減少さ
せる活性を1ユニットとする。
【0010】本発明では、上記固定化リパーゼを用い
て、パーム油を含む油脂類のエステル交換を効率的に行
うことができる。特に、反応系中の水分含有量を50〜
2000ppm、好ましくは100〜1000ppmに
低下させた微水系でエステル交換反応を行うのに適して
いる。本発明において、好適なエステル交換反応として
は、温度30〜70℃であり、必要に応じて有機溶媒を
用いることもできる。用いる有機溶媒としては固定化酵
素の活性を低下させないものが選ばれ、例えばn−ヘキ
サンや石油エーテルがあげられる。又、対象となる油脂
類としては、パーム油を含む油脂および脂肪酸、または
パーム油を含む2種以上の油脂であり、エステル交換反
応の原料として少なくとも1種以上がパーム油を含む油
脂であることを必須とする。ここでパーム油を含む油脂
としては、パーム油、その分別油、水添油等の加工油脂
のほか、これらを混合した各種油脂を例示できる。一
方、かかるパーム油を含む油脂と組み合わせる原料とし
ては、植物由来の油脂および脂肪酸が好適であるが、こ
の他に動物油脂、魚貝類油脂およびそれらの脂肪酸を対
象とすることもできる。
【0011】
【発明の効果】本発明により、リパーゼ活性が極めて高
く、微水系でエステル交換反応を行うのに特に適してお
り、かつリパーゼの使用量を低減できる固定化リパーゼ
を提供することができる。従って、本発明の固定化リパ
ーゼは、工業上極めて重要な価値を有する。又、該固定
化リパーゼを用いるとパーム油を含む油脂類のエステル
交換方法を効率的に行うことができる。次に実施例によ
り本発明を説明する。
【0012】
【実施例】
実施例1 1,3位特異性を持つリパーゼ(天野製薬(株)製リパ
ーゼF−AP15、Rhizopus oryzae 由来)1g(21
万加水分解ユニット/g)を50mlのイオン交換水に
溶解した酵素液を調製し、これにジビニルベンゼンにス
チレンを導入した共重合体を母材としかつエポキシ基を
含む多孔性樹脂(バイエル社製レバチットR259K
細孔径:17nm、平均粒径500μm)5g(含水率
約60%)を加え、5℃で4時間緩やかに振とう撹拌し
て、リパーゼを樹脂に共有結合により担持させた。濾過
により残液を除いた後、減圧乾燥により含水率約10%
の固定化リパーゼを調製した。 実施例2 ジビニルベンゼンにスチレンを導入した共重合体を母材
としかつエポキシ基を含む多孔性樹脂(バイエル社製レ
バチットR260K、細孔径29nm、平均粒径500
μm)を用いた他は、実施例1と同様にして固定化リパ
ーゼ(但し、含水率5%)を調製した。
【0013】実施例3 ポリアクリル酸を母材としかつエポキシ基を含む多孔性
樹脂(オルガノ社製FP4000、細孔径55nm、平
均粒径100μm)を用いた他は、実施例1と同様にし
て固定化リパーゼを調製した。 比較例1〜3 フェノール樹脂を母材とする弱塩基性陰イオン交換樹脂
(ローム・アンド・ハース社製デュオライトA−56
8、粒径範囲200〜400μm)〔比較例1〕、フェ
ノール樹脂を母材とする吸着樹脂(ローム・アンド・ハ
ース社製デュオライトS−762、粒径範囲200〜4
00μm)〔比較例2〕、スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体を母材とする吸着樹脂(三菱化成工業(株)製
ダイヤイオンHP−40、平均粒径320μ)〔比較例
3〕をそれぞれ用いた他は、実施例1と同様にして固定
化リパーゼを調製した。実施例1〜3、及び比較例1〜
3で得られた固定化リパーゼのタンパク質およびオリー
ブ油の加水分解活性の担持量を表−1に示す。
【0014】
【表1】 表−1 ─────────────────────────────────── タンパク質担持量 加水分解活性 (mg/g-dry 固定化 担持量(unit/g 担 体 酵素) - 固定化酵素) 濃縮度 ─────────────────────────────────── 実施例1 レバチットR259K 220 108300 1.4 実施例2 レバチットR260K 177 90100 1.5 実施例3 FP4000 102 84500 1.5 比較例1 デュオライトA-568 244 26100 0.3 比較例2 デュオライトS-762 167 88400 1.5 比較例3 ダイヤイオンHP-40 178 71900 1.2 ───────────────────────────────────
【0015】実施例4 パームオレイン50mM、ミリスチン酸50mMを含む
ヘキサン溶液(水分100ppm)10mlに実施例1
で調製した固定化リパーゼ200mg(乾燥物基準)を
加え、50℃、100ストローク/分で振とう撹拌しな
がら反応させた。反応開始後10分、20分、40分、
60分、120分後の反応液のミリスチン酸およびオレ
イン酸の濃度を測定した。エステル交換はミリスチン酸
のトリグリセリドへの取り込みでみることとし、ミリス
チン酸の減少速度の最大速度をエステル交換活性(ユニ
ット)として表−2に示す。 実施例5 実施例2で調製した固定化リパーゼを使用した以外は実
施例4と同様にしてエステル交換反応を行なった。得ら
れたエステル交換活性を表−2に示す。
【0016】実施例6 実施例3で調製した固定化リパーゼを使用した以外は実
施例4と同様にしてエステル交換反応を行なった。得ら
れたエステル交換活性を表−2に示す。 比較例4〜6 比較例1〜3で調製した固定化リパーゼを使用した以外
は、実施例4と同様にしてエステル交換反応を行なっ
た。 比較例7 市販されている固定化リパーゼ(ノボ・ノルディスク・
バイオインダストリー社製リポザイムIM60)を用い
て、実施例4と同様にしてエステル交換反応を行なっ
た。実施例4〜6及び比較例4〜7で得られたエステル
交換活性を表−2に示す。
【0017】
【表2】 表−2 ────────────────────────────────── エステル交換活性 (unit/g 担 体 -固定化酵素) 発現効率 ────────────────────────────────── 実施例4 レバチットR259K 282.4 2.61×10-3 実施例5 レバチットR260K 247.2 2.74×10-3 実施例6 FP4000 218.4 2.58×10-3 比較例4 デュオライトA−568 11.2 0.43×10-3 比較例5 デュオライトS−762 24.7 0.28×10-3 比較例6 ダイヤイオンHP−40 82.9 1.15×10-3 比較例7 リポザイムIM60 145.3 −−−−− ──────────────────────────────────
【0018】実施例7 リパーゼとしてリリパーゼA(長瀬産業(株)製、Rhiz
opus japonicus由来)9万加水分解ユニット/gを1g
用いた以外は、実施例1と同様にして固定化リパーゼを
調製し、実施例4と同様にしてエステル交換反応を行っ
た。 比較例8 固定化リパーゼとして比較例2の樹脂デュオライトS−
762を用いた以外は実施例7と同様にして固定化リパ
ーゼを調製し、実施例4と同様にしてエステル交換反応
を行った。実施例7及び比較例8で得られたエステル交
換活性を表−3に示す。
【表3】 表−3 ───────────────────────────────── エステル交換活性 (unit/g 担 体 -固定化酵素) 発現効率 ───────────────────────────────── 実施例7 レバチットR259K 203.4 5.21×10-3 比較例8 デュオライトS−762 10.4 0.80×10-3 ─────────────────────────────────
【0019】実施例8 リパーゼとしてリパーゼM(天野製薬(株)製、Mucor
javanicus 由来)1万5千加水分解ユニット/gを3g
用いた以外は、実施例1と同様にして固定化リパーゼを
調製し、実施例4と同様にしてエステル交換反応を行っ
た。 実施例9 リパーゼとしてリパーゼPL(名糖産業(株)製、Alca
ligenes sp由来)9万加水分解ユニット/gを1g用い
た以外は、実施例1と同様にして固定化リパーゼを調製
し、実施例4と同様にしてエステル交換反応を行った。 実施例10 リパーゼとしてリパーゼOF(名糖産業(株)製、Cand
ida cylindracea 由来)22万加水分解ユニット/gを
1g用いた以外は、実施例1と同様にして固定化リパー
ゼを調製し、実施例4と同様にしてエステル交換反応を
行った。 比較例9 リパーゼとしてリパーゼCES(天野製薬(株)製、Ps
eudomonas sp由来)3万4千加水分解ユニット/gを3
g用いた以外は、実施例1と同様にして固定化リパーゼ
を調製し、実施例4と同様にしてエステル交換反応を行
った。
【0020】比較例10 リパーゼとしてリパーゼ三共(三共(株)製、Aspergil
lus niger 由来)2万4千加水分解ユニット/gを3g
用いた以外は、実施例1と同様にして固定化リパーゼを
調製し、実施例4と同様にしてエステル交換反応を行っ
た。実施例8〜10及び比較例9〜10で得られたエス
テル交換活性を表−4に示す。
【表4】 表−4 ────────────────────────────────── エステル交換活性 (unit/g 酵素 -固定化酵素) 発現効率 ────────────────────────────────── 実施例8 リパーゼM 190.1 4.53×10-3 実施例9 リパーゼPL 215.5 5.26×10-3 実施例10 リパーゼOF 228.3 1.62×10-3 比較例9 リパーゼCES 45.2 0.51×10-3 比較例10 リパーゼ三共 29.8 0.89×10-3 ──────────────────────────────────
【0021】実施例11および比較例11 実施例1で得られた固定化リパーゼ、及び比較例10で
得られた固定化リパーゼ(リパーゼとしてAspergillus
niger 由来のものを使用)各1gを、パーム油:菜種油
の1:1混合油100g(水分含量180ppm)に添
加した後、50°C、100ストローク/分で振とう攪
拌しながらエステル交換反応を行った。2時間、6時間
及び24時間後に油脂部をサンプリングしエステル交換
率を測定した(実施例11および比較例11)。ここ
で、エステル交換率とは、反応前及び実質的反応平衡時
の炭素数53のトリグリセリド含有率を測定し、反応前
を0%、実質的反応平衡時を100%として計算して得
た値である。結果を表−5に示す。
【表5】 表−5 ─────────────────────────────────── エステル交換率(%) リパーゼ 担体 2 Hr 6 Hr 24Hr ─────────────────────────────────── 実施例11 リパーゼF-AP15 レバチットR259K 46.5 83.0 99.8 比較例11 リパーゼ三共 レバチットR259K 8.5 19.0 47.3 ───────────────────────────────────
【0022】実施例12 実施例1で得られた固定化酵素を容量100mlのカラ
ムにつめ、パーム油:ナタネ油=1:1の混合油を65
℃にてSV=1で流した。400時間後に約1kgをサン
プリングし、反応率を測定した。また、このエステル交
換油脂を5℃にてウインタリングし、得られた液体部の
収率を測定した。 比較例12 比較例1で得た固定化酵素を容量100mlのカラムに
つめ、実施例12と同様に反応、サンプリングを行い反
応率およびウインタリング時の液体部の収率を測定し
た。上記実施例12および比較例12で得られた反応率
ならびにウインタリング時の液体部収率を表−6に示し
た。
【表6】 表−6 ──────────────────────────────── 反応率 ウインタリング時液体部収率 (%) (%) ──────────────────────────────── 実施例12 81 71 比較例12 42 54 ────────────────────────────────
フロントページの続き (72)発明者 安藤 登 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目13 番地 千代田化工建設株式会社 千代田 リサーチパーク内 (72)発明者 皆見 武志 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目13 番地 千代田化工建設株式会社 千代田 リサーチパーク内

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性の不溶性有機高分子から形成され
    た担体であって、平均径が10nm以上の細孔を有し、
    かつ担体表面にエポキシ基を有する担体に、リゾプス
    属、ムコール属、アルカリゲネス属及びキャンディダ属
    由来のリパーゼからなる群から選ばれる1種または2種
    以上のリパーゼが固定されていることを特徴とする油脂
    類のエステル交換用固定化リパーゼ。
  2. 【請求項2】 不溶性有機高分子が、スチレン−ジビニ
    ルベンゼン共重合体、メタクリル酸エステル樹脂、ポリ
    プロピレン及びナイロンから選ばれる樹脂である請求項
    1記載の固定化リパーゼ。
  3. 【請求項3】 担体の粒子径の90%以上が50〜1,0
    00μmである請求項1記載の固定化リパーゼ。
  4. 【請求項4】 エポキシ官能基が、1,2エポキシドで
    ある請求項1記載の固定化リパーゼ。
  5. 【請求項5】 減圧乾燥により含水率が0.5〜30%に
    調整されている請求項1記載の固定化リパーゼ。
  6. 【請求項6】 疎水性の不溶性有機高分子から形成され
    た担体であって、平均径が10nm以上の細孔を有し、
    かつ担体表面にエポキシ基を有する担体に、リゾプス
    属、ムコール属、アルカリゲネス属及びキャンディダ属
    由来のリパーゼからなる群から選ばれる1種または2種
    以上のリパーゼの水溶液を接触させて、共有結合で該リ
    パーゼを担体に担持させ、しかる後に乾燥することを特
    徴とする固定化リパーゼの製造方法。
  7. 【請求項7】 減圧乾燥により含水率が0.5〜30%と
    なるように乾燥する請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 パーム油を含む油脂および脂肪酸、また
    はパーム油を含む2種以上の油脂を請求項1記載の固定
    化リパーゼの存在下でエステル交換することを特徴とす
    る油脂のエステル交換方法。
  9. 【請求項9】 パーム油を含む油脂および脂肪酸が植物
    由来である請求項8記載のエステル交換方法。
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