JP4215486B2 - ロープ付着雨水除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、乗りかごおよび釣合い重りが屋外に露出し、その吊下げ用のメインロープが雨水にさらされる屋外エレベータにおいて、そのメインロープに付着する雨水を除去して機械室内への侵入を防止するロープ付着雨水除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロープ式のエレベータは、乗りかごおよび釣合い重りを吊り下げたメインロープが機械室内の巻上機に巻き掛けられ、その巻上機によりメイロープが駆動されて乗りかごおよび釣合い重りが互いに反対方向に昇降する。そして近年においては、展望用等として乗りかごが屋外に露出するタイプの屋外エレベータが提供されるようになってきている。
【0003】
このような屋外エレベータにあっては、降雨時にその雨水がメインロープに付着する。従来、メインロープに対する雨水付着防止対策は特に行なわれていない。メインロープの内部より滲出するロープグリースは、ロープの摩耗低減を目的とし、特に撥水性能についての配慮はなされていない。
【0004】
したがって、メインロープに雨水が付着するときには、その付着した水量をほぼ維持したまま、メインロープと共に雨水が機械室内に浸入して機械室内を湿潤環境にし、電気機器類の短絡、発錆等の原因を招く恐れが生じる。
【0005】
このため、従来では、メインロープが直接接触する巻上機に防水カバーを設け、機械室内への雨水飛散を防止し、また巻上機自体に防水、防錆構造を施してそれに対応している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、巻上機に防水手段を設けるだけでは、巻上機内で飛散して霧状に微細化した雨水のミストが機械室内に拡散してしまい、それを排除するようなことは困難である。
【0007】
エレベータの昇降速度が低速であれば、ミストの拡散量も少なく、特に大きな問題とならないが、近年ではエレベータの高速化が進んでおり、これに伴い雨水の飛散速度も高速となり、機械室内に拡散するミストの量も増大する。
【0008】
この場合、機械室内に除湿機を設置してそれに対応することが考えられるが、除湿機では機械室内の機器の表面に凝集して水滴化した水分の除去は困難となる。
【0009】
一方、巻上機の防水カバーからのミストの漏出を確実に抑えよとすると、その構造が複雑化し、コストが大幅に高騰してしまう。
【0010】
したがって、メインロープに付着した雨水が機械室内に浸入する前に、その雨水を除去することが最も有効となる。
【0011】
この発明は、このような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、メインロープに付着した雨水が機械室内に浸入する前に、簡便かつ安価な構造で雨水を除去し、機械室内への雨水の浸入を的確に抑えることができるロープ付着雨水除去装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、巻上機を備えた機械室と、前記巻上機に巻き掛けられ、前記機械室からその下方に導出された屋外エレベータのメインロープと、前記機械室の下方部においてメインロープの両側に配置され、それぞれ周面に断面ほぼU字形の凹部からなる踏面を有し、その踏面が前記メインロープに接触するように押し当てられ、前記メインロープの走行に応じて回転する一対の除水ローラとを具備することを特徴としている。
【0014】
請求項2の発明は、前記除水ローラが防水ケースで覆われ、その防水ケースには油水分離手段が設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項3の発明は、前記除水ローラの少なくとも前記踏面が吸水性を有する材料で構成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項4の発明は、前記除水ローラの踏面に、回転自在な補助ローラが圧接していることを特徴としている。
【0017】
請求項5の発明は、前記除水ローラが、前記メインロープの揺動に追従する追従機構を介して支持されていることを特徴としている。
【0018】
請求項6の発明は、複数本のメインロープを備え、除水ローラの周面にはそのメインロープの本数に対応する数の踏面が形成されていることを特徴としている。
【0019】
請求項7の発明は、前記メインロープの両側に設けられた一対の除水ローラが、前記メインロープの長手方向に対して上下に位置をずらす段違い状に配置されていることを特徴としている。
【0020】
請求項8の発明は、前記除水ローラが、前記メインロープに対して接離する方向に移動可能な移動機構により支持され、前記メインロープが機械室に向かって上昇するときにのみ、前記移動機構により前記除水ローラが前記メインロープに押し当てられることを特徴としている。
【0021】
請求項9の発明は、前記除水ローラが、前記メインロープに対して接離する方向に移動可能な移動機構により支持され、この移動機構には降雨センサによる情報が入力され、前記夜の前記メインロープが機械室に向かって上昇し、かつ前記移動機構に前記降雨センサによる降雨の情報が入力されているときにのみ、前記除水ローラが前記メインロープに押し当てられることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1には第1の実施形態を示してある。図1に示す符号1は、屋外エレベータの乗りかごと釣合い重り(共に図示せず)を吊り下げたメインロープで、このメインロープ1は機械室2内に設置された巻上機(図示せず)のシーブに巻き掛けられている。
【0023】
機械室2の下方には、防水ケース3が設けられている。この防水ケース3はブラケット等を介して機械室2の下面と隣接するように取り付けられている。
【0024】
防水ケース3は上面に傾斜状の天板4を、下面に水平な底板5を有する箱形状をなし、底板5に複数の排水口6が設けられている。そして前記メインロープ1は、この防水ケース3の中心部を貫通して機械室2内に導入されている。
【0025】
防水ケース3の天板4および底板5の中心部にはメインロープ1を通す開口7,8がそれぞれ形成されている。そして底板5の中心部の開口8の周縁にはその上方に立上がる遮水壁9が形成されている。
【0026】
防水ケース3内には、メインロープ1を挟んで互いに対向する一対の除水ローラ12が設けられている。これら除水ローラ12は、耐摩耗性および水濡れ性の高い材料で形成され、それぞれ軸13を介して回転自在に支持されている。
【0027】
除水ローラ12は、図2に示すように、周面に断面ほぼU字形の凹部からなる踏面12aを有し、この踏面12aがメインロープ1の表面に押し当てられている。そしてメインロープ1の走行に応じて各除水ローラ12がメインロープ1との摩擦力でそれぞれ回転する。
【0028】
降雨時には、防水ケース3の下方側においてメインロープ1の表面に雨水が付着する。メインロープ1が機械室2に向かって上昇するときには、その付着した雨水は、メインロープ1と共に防水ケース3内に導入されて各除水ローラ12の踏面12aに接触する。
【0029】
各除水ローラ12はメインロープ1の走行に応じて回転しており、また各除水ローラ12は水濡れ性の高い材料で形成されているから、踏面12aに接触した雨水は除水ローラ12の回転遠心力でその外周側に順次飛散され、メインロープ1の表面から除去される。そして雨水が除去された部分のメインロープ1が機械室2内に順次導入される。
【0030】
除水ローラ12の回転で飛散した雨水は、防水ケース3の内壁面に当ってその下方に流下し、排水口6を通して外部に順次排出される。
【0031】
このように、メインロープ1に付着した雨水を機械室2内に浸入する前に、簡便な除水ローラ12を用いて飛散させて除去することができ、したがって機械室2内への雨水の浸入を抑えることができ、機械室2内の巻上機に防水カバーを設けたり、機械室2内に除湿機を設置するようなことなく、機械室2内を非湿潤環境に保つことができる。
【0032】
図3には第2の実施形態を示してあり、この実施形態においては、防水ケース3の下部に排水処理室16が設けられ、この排水処理室16が防水ケース3の底板5に設けられた流出口5aを通して防水ケース3内に連通し、また排水処理室16の底部に排出口17が設けられている。
【0033】
排水処理室16内には、前記流出口5aの直下に位置してプレフィルタ18aが設けられているとともに、前記排出口17の上部に位置して油水分離手段として油吸着材18bが設けられている。
【0034】
除水ローラ12から飛散する雨水中には、メインロープ1から滲出するロープグリース等の油分が混入するが、その雨水が流出口5aからプレフィルタ18aを通過する際に、まず雨水中のゴミ等の固形分がそのプレフィルタ18aにより除去され、さらに雨水が油吸着材18bを通過する際に、雨水中の油分がその油吸着材18bにより吸収除去される。そして清浄化された雨水が排出口17から外部に排出される。
【0035】
このようにこの実施形態においては、除水ローラ12から飛散させた雨水中の油分を除去して排出口17から排出することができ、したがってその雨水を一般下水道等へ直接廃棄することが可能となる。
【0036】
図4には第3の実施形態を示してあり、この実施形態においては、防水ケース3の上部にブラシ式の除水機構19が設けられている。この除水機構19は、ケース19aの内側に軟質材製の一対のブラシ型フラップ19bを水平に設けてなり、前記一対のブラシ型フラップ19bをメインロープ1の両側からその表面に押し当てた構成となっている。
【0037】
この実施形態においては、除水ローラ12から飛散した雨水のうちのメインロープ1とほぼ平行に進んで開口7から流出する雨水をブラシ型フラップ19bにより下方に押し戻して防水ケース3内に還流させることができ、したがって機械室2内への雨水の浸入をより確実に防止することができる。
【0038】
図5には第4の実施形態を示してあり、この実施形態においては、除水ローラ12が低接触角の水濡れ性を有する耐摩耗性材料により多孔質の硬質スポンジ状に形成され、水の吸収・放出が可能な構成となっている。
【0039】
この実施形態の場合には、メインロープ1の表面に付着した雨水が除水ローラ12とメインロープ1との間に導入されて踏面12aに接触すると、その雨水が多孔質のスポンジ状をなす除水ローラ12の内部に順次吸収され、メインロープ1の表面から除去される。
【0040】
メインロープ1の表面に多量の雨水が付着したときには、除水ローラ12の踏面12aの図5(B)に示すα部に雨水が一時的に溜まるが、その溜まり水が自然落下する前に除水ローラ12で吸収することでき、このためメインロープ1の表面に多量の雨水が付着する場合であっても、その雨水をメインロープ1から的確に除去することができる。
【0041】
除水ローラ12の内部に吸収された雨水は、除水ローラ12の回転に応じてその遠心力で外周側に飛散され、除水ローラ12から排除される。
【0042】
図6には第5の実施形態を示してあり、この実施形態においては、除水ローラ12が低接触角の水濡れ性を有する耐摩耗性材料により多孔質で適度な弾性を有するスポンジ状に形成され、水の吸収・放出が可能な構成となっている。
【0043】
そして各除水ローラ12の踏面12aに対して補助ローラ15が押し当てられている。これら補助ローラ15は除水ローラ12の回転に応じて回転するように軸14を介して回転自在に支持されている。各補助ローラ15は周面に断面凸状の踏面15aを有し、この踏面15aが除水ローラ12の踏面12aに弾性的に圧接するように押し当てられている。
【0044】
この実施形態においては、前記第4の実施形態の場合と同様に、メインロープ1の表面に付着した雨水が除水ローラ12の踏面12aに接触すると、その雨水が多孔質のスポンジ状をなす除水ローラ12の内部に順次吸収され、メインロープ1の表面から除去される。
【0045】
除水ローラ12が雨水の吸収により膨潤すると、その除水ローラ12が補助ローラ15により強く圧搾され、この圧搾で防止ローラ12内の雨水が搾り出され、除水ローラ12から排除される。
【0046】
補助ローラ15はその周面の断面凸状の踏面15aで除水ローラ12の踏面12aを弾性的に強く変形させ、このため雨水は防止ローラ12と補助ローラ15との間に滞留するようなことなく、凸状の踏面15aの両側に流れ出して効率よく除水ローラ12から排除される。
【0047】
この実施形態の場合には、除水ローラ12の回転遠心力により雨水を排除するのではなく、補助ローラ15による押付け力で除水ローラ12内の雨水を排除する構成であるから、メインロープ1の走行速度が遅い低速エレベータの場合、つまり除水ローラ12の回転速度が遅く、その回転遠心力で雨水を充分に飛散させることができない場合であっても有効に使用することができる。
【0048】
図7には第6の実施形態を示してある。この実施形態においては、メインロープ1を挟んで互いに対向した除水ローラ12が追従機構により支持されている。
すなわち、各除水ローラ12は、それぞれロッド20を介して支持されているとともに、弾性体としてのスプリング21によりメインロープ1の表面に弾性的に押し当てられている。
【0049】
前記ロッド20は直動軸受22を介して軸方向および軸回り方向に移動自在に支持され、また直動軸受22は支軸23を介してその支軸23の軸回り方向に回動自在にブラケット24に支持され、これにより除水ローラ12が前後左右方向すなわち図7(B)に示すX軸方向とY軸方向とに移動自在となっている。
【0050】
屋外エレベータのメインロープ1は風の影響による揺動を受け、また機械的振動による波打ち等により比較的大きく前後左右に揺れ動くが、この実施形態の場合には、除水ローラ12が前後左右に移動自在となっているから、そのメインロープ1の揺れ動きに的確に追従することができる。
【0051】
図8には、除水ローラ12の追従機構の変形例を示してあり、図(A)に示す追従機構においては、スライド受け25およびスライドアーム26を備え、スライド受け25に一方の除水ローラ12がピン27を介して回転自在に支持され、スライドアーム6に他方の除水ローラ12がピン28を介して回転自在に支持されている。
【0052】
スライドアーム26はスライド受け25に対してその長手方向にスライド自在に結合されているとともに、前記一方のピン27と他方のピン28との間に引張りスプリング29が張設され、このスプリング29による弾性力で各除水ローラ12がメインロープ1の表面にそれぞれ弾性的に押し当てられている。
【0053】
前記スライド受け25は球面軸受32を介してスイングアーム33の一方の端部に回動自在に取り付けられている。そしてスイングアーム33の他方の端部が球面軸受34を介してブラケット35に回動自在に取り付けられ、スイングアーム33が球面軸受34を中心にして回動することにより両除水ローラ12が左右に揺動するようになっている。
【0054】
したがって、メインロープ1が前後方向(スライドアーム26の長手方向)に揺動するときには、スライドアーム26により支持された除水ローラ12がそのスライドアーム26と共にスプリング29の弾性力に抗して前後方向に移動してメインロープ1の揺動に追従し、メインロープ1が左右方向に揺動するときには、スイングアーム33が球面軸受34を中心にして回動して除水ローラ12がメインロープ1の揺動に追従する。
【0055】
なお、前記スライドアーム26に支持された除水ローラ12に代えて、図8(B)に示すように、小型の補助ローラ36を用いることも可能である。
【0056】
図9には第7の実施形態を示してある。この実施形態は複数本のメインロープ1が並列している場合の例であり、剛体からなるフレーム40内に一対の除水ローラ12が設けられている。これら除水ローラ12は軸方向に長く、その周面にメインロープ1の本数に対応する複数の断面ほぼU字形の凹部からなる踏面12aが形成されている。そしてその各踏面12a内にそれぞれメインロープ1が挿通されている。
【0057】
除水ローラ12は中心部に設けられた軸13を介して回転自在に支持されているとともに、その各軸13の両端部がフレーム40に形成された長孔41を通してフレーム40の外部に突出している。フレーム40から突出した両軸13の端部間には引張りスプリング等の弾性体43が架設され、これら弾性体43による弾性力で各除水ローラ12の踏面12aがその対応するメインロープ1の表面に弾性的に押し当てられている。
【0058】
フレーム40は機械室等に固定され、また各除水ローラ12も剛性をもつ硬質の耐摩耗性の材料で形成されており、したがって各メインロープ1はフレーム40に対して揺動がほぼ規制される拘束状態にある。
【0059】
各除水ローラ12はメインロープ1の走行に応じて回転し、メインロープ1に付着した雨水がその除水ローラ12の回転遠心力で外周側に順次飛散され、メインロープ1の表面から除去される。
【0060】
この実施形態では、複数本のメインロープ1に対して簡単な構成で付着雨水を除去することができる。除水ローラ12はメインロープ1の揺動に追従する機能をもたず、逆に各メインロープ1を拘束してその揺動や波打ちを抑える機能を奏する。
【0061】
図10には第8の実施形態を示してあり、この実施形態においては、図10(A)に示すように、一対の除水ローラ12がメインロープ1の長手方向に対して段違い状に位置をずらして配置されている。
【0062】
各除水ローラ12はそれぞれ弾性体(図示せず)によりその踏面12aがメインロープ1の表面に弾性的に接触するようにそれぞれFの力で押し付けられ、かつその押し付け方向に移動可能となっている。
【0063】
各除水ローラ12の踏面12aは長期の使用により次第に摩耗し、この摩耗に応じて踏面12aの深さが徐々に深くなり、これに伴い両除水ローラ12が互いに接近する方向に移動することになる。
【0064】
ここで、両除水ローラ12が同一のレベルの位置に配置していたとすれば、その移動により双方の除水ローラ12の周縁がついには互いに接触し、その回転動作が阻害されたり異常音が発生してしまうことになる。
【0065】
ところが、この実施形態においては、双方の除水ローラ12がメインロープ1の長手方向に対して段違いに位置をずらして配置しており、このため踏面12aの磨耗で双方の除水ローラ12が図10に鎖線で示すように、メインロープ1に接近する方向に移動してもその双方の除水ローラ12の周縁同士の接触が避けられ、したがって除水ローラ12の回転動作が阻害されたり異常音が発生するようなことがなく、長期に亘って所定の機能を維持することができる。
【0066】
なお、この場合、図10(B)に示すように、除水ローラ12の踏面12aの深さを当初から十分に深くしておくことも可能であり、この場合には、踏面12aに対するメインロープ1の揺動等に起因する離脱防止効果が向上する。
【0067】
図11には第9の実施形態を示してあり、この実施形態においては、図11(A)に示すように、除水ローラ12が移動機構45を介してメインロープ1に対する接離方向に移動可能に支持されている。
【0068】
移動機構45は、除水ローラ12を回転自在に支持した支持ユニット46と、この支持ユニット46を駆動する駆動ユニット47とを備えている。駆動ユニット47は、ベース48と、このベース48をスライド自在に支持したガイドレール49と、前記ベース48を前記ガイドレール49に沿ってリンク機構50を介して移動させるモータ等の駆動源51とからなり、前記ベース48に前記支持ユニット46が取り付けられている。
【0069】
メインロープ1を走行させる巻上機55には、メインロープ1の走行方向を検知する検知器56が設けられている。そして検知器56の検知信号が制御部57に送られ、その信号に基づいて制御部57により前記駆動源51の駆動が制御されるようになっている。
【0070】
そしてこの実施形態における除水ローラ12の踏面12aは、図11(C)に示すように、その両側面が踏面12aの開放側に向かってテーパ状に拡開する断面形状をなしている。
【0071】
メインロープ1が機械室に向かって上昇する方向に走行するときには、図(A)に示すように、除水ローラ12がそのメインロープ1の表面に押し当てられている。
【0072】
そしてこの状態から、図11(b)に示すように、巻上機55の回転方向が逆転して前記メインロープ1が下降する方向に走行するときには、その走行方向の逆転が検知器56により検知され、その検知信号が制御部57に送られる。そして制御部57により移動機構45の駆動源51に所定の駆動信号が送られる。駆動信号が送られた駆動源51は、ベース48を引き寄せ、除水ローラ12をメインロープ1から離間する方向に移動させる。
【0073】
また、再び、巻上機55の回転方向が逆転してメインロープ1が上昇する方向に走行するときには、その走行方向の逆転が検知器56により検知され、その検知信号が制御部57に送られ、これに基づいて駆動源51によりベース48が押し出され、除水ローラ12がメインロープ1に接近する方向に移動し、その踏面12aがメインロープ1に押し当てられる。
【0074】
除水ローラ12の踏面12aは、図11(C)に示すように、その開放側がテーパ状に拡開する断面形状となっており、したがって除水ローラ12がメインロープ1に向かって押し動かされたときには、メインロープ1が踏面12a内に円滑に導入される。
【0075】
このようにこの実施形態においては、メインロープ1が機械室に向かって上昇するときのみ、つまりメインロープ1に付着した雨水が機械室内に浸入する恐れがあるときにのみ、除水ローラ12がそのメインロープ1に接触し、それ以外のときには除水ローラ12がメインロープ1から離間して除水ローラ12とメインロープ1との接触が避けられ、したがって除水ローラ12とメインロープ1との接触による踏面12aの摩耗を少なくして除水ローラ12の耐久性を高めることができる。
【0076】
図12には第10の実施形態を示してあり、この実施形態は前記第9の実施形態における構成に加え、降雨時の雨水を検出する降雨センサ60が建物の屋上等に設けられ、この降雨センサ60による情報の信号が制御部57に送られるようになっている。
【0077】
そして降雨時に降雨センサ60が雨水を検出し、かつメインロープ1が機械室に向かって上昇する方向に走行するときには、その降雨の信号と検知器56の信号とに基づいて、12(A)に示すように除水ローラ12がそのメインロープ1の表面に押し当てられている。
【0078】
この状態から、図12(B)に示すように、巻上機55の回転方向が逆転して前記メインロープ1が下降する方向に走行するときには、その走行方向の逆転が検知器56により検知され、その検知信号に基づいて制御部57の制御により駆動源51を介して除水ローラ12がメインロープ1から離間する方向に駆動され、除水ローラ12とメインロープ1とが非接触状態に保持される。
【0079】
また、再び、巻上機55の回転方向が逆転してメインロープ1が上昇する方向に走行するときには、その走行方向の逆転が検知器56により検知され、その検知信号に基づいて制御部57の制御により駆動源51を介して除水ローラ12がメインロープ1に接近する方向に駆動され、除水ローラ12とメインロープ1とが接触状態に保持される。
【0080】
一方、降雨センサ60が雨水を検出しない非降雨時には、降雨センサ60から制御部57へ非降雨の信号が送られ、これに基づいて制御部57は、検知器56からの信号の内容に拘わらず、つまりメインロープ1の走行方向に拘わらず、駆動源51を介して除水ローラ12をメインロープ1から離間する方向に駆動して除水ローラ12とメインロープ1とが非接触状態となるように制御し、除水ローラ12とメインロープ1との非接触状態が保持される。
【0081】
このようにこの実施形態においては、メインロープ1に雨水が付着する降雨時にのみ、除水ローラ12がそのメインロープ1に接触し、雨水の付着の恐れのない非降雨時には除水ローラ12がメインロープ1から離間して除水ローラ12とメインロープ1との接触が避けられ、したがって除水ローラ12とメインロープ1との接触による踏面12aの摩耗を少なくして除水ローラ12の耐久性を高めることができる。
【0082】
なお、降雨センサ60は、単数設ける場合であっても、複数設ける場合であってもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、メインロープに付着した雨水が機械室内に浸入する前に、簡便かつ安価な構造の除水ローラを用いてその雨水を除去することができ、したがって機械室内への雨水の浸入を抑え、機械室内が湿潤環境となる不都合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す断面図。
【図2】第1の実施形態の除水ローラの構造を示す断面図。
【図3】この発明の第2の実施形態を示す断面図。
【図4】この発明の第3の実施形態を示す断面図。
【図5】この発明の第4の実施形態を示す断面図。
【図6】この発明の第5の実施形態を示す断面図。
【図7】この発明の第6の実施形態を示す説明図。
【図8】除水ローラをメインロープの揺動に追従させる追従機構の変形例を示す説明図。
【図9】この発明の第7の実施形態を示す斜視図。
【図10】この発明の第8の実施形態を示す説明図。
【図11】この発明の第9の実施形態を示す説明図。
【図12】この発明の第10の実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
1…メインロープ
2…機械室
3…防水ケース
12…除水ローラ
12a…踏面
15…補助ローラ
16…排水処理室
18a…プレフィルタ
18b…油吸着材
20…ロッド
21…スプリング
22…直動軸受
25…スライド受け
26…スライドアーム
29…スプリング
32…球面軸受
33…スイングアーム
34…球面軸受
40…フレーム
45…移動機構
46…支持ユニット
47…駆動ユニット
51…駆動源
55…巻上機
56…検知器
57…制御部
60…降雨センサ
Claims (9)
- 巻上機を備えた機械室と、
前記巻上機に巻き掛けられ、前記機械室からその下方に導出された屋外エレベータのメインロープと、
前記機械室の下方部においてメインロープの両側に配置され、それぞれ周面に断面ほぼU字形の凹部からなる踏面を有し、その踏面が前記メインロープに接触するように押し当てられ、前記メインロープの走行に応じて回転する一対の除水ローラと、
を具備することを特徴とするロープ付着雨水除去装置。 - 前記除水ローラは防水ケースで覆われ、その防水ケースには油水分離手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のロープ付着雨水除去装置。
- 前記除水ローラは、少なくとも前記踏面が吸水性を有する材料で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のロープ付着雨水除去装置。
- 前記除水ローラの踏面には、回転自在な補助ローラが圧接していることを特徴とする請求項3に記載のロープ付着雨水除去装置。
- 前記除水ローラは、前記メインロープの揺動に追従する追従機構を介して支持されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のロープ付着雨水除去装置。
- 複数本のメインロープを備え、除水ローラの周面にはそのメインロープの本数に対応する数の踏面が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のロープ付着雨水除去装置。
- 前記メインロープの両側に設けられた一対の除水ローラが、前記メインロープの長手方向に対して上下に位置をずらす段違い状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のロープ付着雨水除去装置。
- 前記除水ローラは、前記メインロープに対して接離する方向に移動可能な移動機構により支持され、前記メインロープが機械室に向かって上昇するときにのみ、前記移動機構により前記除水ローラが前記メインロープに押し当てられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のロープ付着雨水除去装置。
- 前記除水ローラは、前記メインロープに対して接離する方向に移動可能な移動機構により支持され、この移動機構には降雨センサによる情報が入力され、前記夜の前記メインロープが機械室に向かって上昇し、かつ前記移動機構に前記降雨センサによる降雨の情報が入力されているときにのみ、前記除水ローラが前記メインロープに押し当てられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のロープ付着雨水除去装置。
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