JP4215173B2 - アンテナ較正方法および装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、アンテナ較正(calibration)装置および方法に関する。詳細には、本発明は、電気的に制御されるアンテナを備えるアンテナ・システムの較正に関する。
関連技術の説明
多くの工業製品は何らかの形のアンテナ機能を備えており、この機能では、信号が空気を介して受信または送信される。このような製品の例には、ラジオ、テレビ、移動電話システム、およびレーダ・システムがある。
アンテナの指向性に対する要求は適用分野ごとに異なる。ラジオは、それがどこに配置されているかとは無関係に様々なラジオ局からの信号を受信できる必要があり、したがって、アンテナは好ましくは、水平面内のすべての方向で等しい感度を有すべきである。一方、テレビは、最も近傍のテレビ塔から来る信号のみを検知すべきである。したがって、テレビのアンテナは、特定の方向から来る信号に特に感度がよく、他の方向から来る信号はできるだけ抑制されるように配置すべきである。レーダは通常、ある方向における送信と受信の両方を行うためのものであるが、様々な方向の周囲に関する情報が得られるようにこの方向を変更可能であるべきである。レーダの場合、レーダが現在送信し受信している方向以外の方向からの信号をアンテナが抑圧することも望ましい。
指向性を有するアンテナの1種として、いわゆるリフレクタ・アンテナがある。リフレクタ・アンテナは、アンテナ素子自体の後方に位置決めされた導電リフレクタを備える。リフレクタの寸法は、その適用分野に使用される信号の波長よりも十分大きくすべきである。リフレクタは、ある方向に入って来る信号同士を重ね合わせるような形状を有する。アンテナの感度方向は、機械的にアンテナの方向を変更することによって変更することができる。最も一般的なリフレクタ・アンテナはおそらく、皿形アンテナ(dish antenna)である。皿形アンテナのリフレクタは放物面鏡として機能し、皿の主軸に平行に入って来る波を皿の焦点に集中させる。皿の焦点に、アンテナ素子、通常はホーン・アンテナが配置される。
決定された指向性を有する他の種類のアンテナには、いわゆる電気制御アンテナがある。電気制御アンテナは、通常は行または行列パターンとして配置されたいくつかのモジュールを備える。モジュールの数は、関連する適用分野に応じてかなり異なる。各モジュールは通常、1つのアンテナ素子を備える。
電気制御アンテナから信号を送信する際に、信号は等しいサイズのいくつかの副信号に分割され、各副信号が1つのモジュールに供給される。モジュールは、副信号をアンテナ素子に導く信号チャネルを備える。各信号チャネルは、モジュールの増幅および移相を制御する制御可能な減衰器(別法として制御可能な増幅器)及び制御可能な移相装置とを備える。アンテナ素子を介して伝送される信号は互いに干渉する。各モジュールの間の相対増幅(relative amplification)および相対移相(relative phase-shifting)の適切な値を選択し、かつ送信される信号の干渉を使用することによって、アンテナの指向感度、すなわちアンテナ・ダイヤグラムを制御することができる。アンテナの指向感度の方向を変更するときは、モジュールの増幅および移相を変更するだけでよい。増幅および移相の変更は、アンテナの機械的方向変更を行う必要がなくなるように電子的に行うことができる。
電子制御アンテナで受信する際には、送信時とは逆の手順が行われる。各アンテナ素子は副信号を受信する。モジュールは受信用の信号チャネルを備え、このような信号チャネルを介して、副信号が加算点に送信され、そこですべての副信号が加算されて1つの信号が形成される。受信用の信号チャネルも増幅器と移相器(phase shifter)を備え、受信用のアンテナの指向感度は、モジュールの増幅および移相を変更することにより、送信の場合と対応するように制御することができる。
送信と受信の両方を可能にするモジュールを通常、T/Rモジュール(送信機/受信機モジュール)と呼ぶ。
前述のように、いくつかの適用分野では、アンテナが特定の方向で送信または受信を行い、それに対して他の方向の信号ができるだけ抑圧されることが望ましい。送信については通常、送信される信号をできるだけ集中させ、受信については、隣接する方向からの妨害信号を回避することが望ましい。このような特性は通常、アンテナのサイド・ローブ・レベルをできるだけ低くする必要があることとして要約されている。
電気制御アンテナの低サイド・ローブ・レベルを可能にするために、アンテナの寸法(面積)とモジュールの増幅および移相の精度に関して要件が課されている。モジュールの特性において高い精度を達成するには、モジュールの構成要素に対して高い要件を課すか、あるいはアンテナ・システムにある種の較正機能を導入しなければならない。
特許文献には、較正することのできる電気制御アンテナと、このようなアンテナを較正する方法についてのいくつかの説明がある。
電気制御アンテナの較正はたとえば、米国特許第5063529号、第4532518号、および第4994813号の明細書で論じられている。これらの特許明細書は、既知の試験信号の注入に基づく出願である。試験信号は、較正ネットワークによって配分され、すべてのT/Rモジュールに別々に挿入される。別法として、試験信号はアンテナの前方に位置決めされた較正ホーンで生成される。
T/Rモジュールの増幅および移相は、試験信号がT/Rモジュールを通過する際に試験信号の振幅および位相の変化を考慮することによって得られる。次に、増幅および移相が、命令された(所望の)増幅および移相と一致するように、T/Rモジュール内の減衰器および移相器を制御する制御信号を補正することができる。
較正ホーンを使用する方法は静止地上システムでうまく働く。というのは、このようなシステム内の較正ホーンをリモート・フィールド内に比較的容易に配置し、アンテナに対するホーンの位置を測定し、較正を行うことができるからである。たとえば、航空機レーダでは、稼働中の較正が可能である必要がある場合、このような配置はもちろん不可能である。
ホーンをアンテナから近視野距離に配置する必要がある場合、T/Rモジュールに挿入された試験信号が既知の振幅および位相を有するように、アンテナに対するホーンの位置を高い精度で知らなければならない。また、この場合、信号が周囲からアンテナに反射されないように厳密な要件が課される。これは、たとえば、航空機のレドームおよびその他の部分からの反射が起こる可能性のある航空機レーダでは実現されない。一般に、このような反射の影響を予測することは不可能であり、したがって、この種の較正は、たとえば航空機レーダについては適切ではない。
アンテナに余分の較正ネットワークを設ける方法は、たとえば航空機レーダでもうまく機能する。この解決策の欠点は、特にアンテナが多数(数千個)のT/Rモジュールを備える場合に、配分ネットワークによって複雑さが増すことである。
発明の概要
本発明は、電気制御アンテナの近傍に配置された試験アンテナを使用して、電気制御アンテナを備えるアンテナ・システムを較正する問題を解決することに関し、試験アンテナと電気制御アンテナとの間または電気制御アンテナと試験アンテナとの間で信号を伝送する際、信号を妨害する反射または信号に対する他の未知の影響が存在するときに動作中に較正を行うことができる。
前述の問題は一般に、以下のことによって解決される。電気制御アンテナは、受信または送信時にモジュールの増幅および移相を制御する制御手段を有するいくつかのモジュールを備える。各モジュールについての他のモジュールに対する受信時または送信時の移相および増幅は、このモジュールについての受信時または送信時の命令された(commanded)移相および増幅と一致する必要がある。アンテナ・システムを較正することは、このことを確実に実現することである。アンテナ・システムは、受信時または送信時のモジュールの移相および増幅の測定に基づいて較正される。モジュールの受信時または送信時の移相および増幅は、試験信号を試験アンテナを介して送信し、電気制御アンテナを介して受信し、かつ/または試験信号を電気制御アンテナを介して送信し、試験アンテナを介して受信し、それによって、試験信号に対応する受信信号を得ることによって測定される。受信信号は一般に、試験信号の振幅および位相とは異なる振幅および位相を有する。この差は、ある程度まではモジュールの受信時または送信時の移相および増幅のために生じるが、一般に、信号に対する他の影響にも依存する。たとえば、試験アンテナと電気制御アンテナとの間の信号送信時の周囲からの反射の結果としての、信号に対するこのような他の影響が未知である場合、試験信号と受信信号との比較に基づいてモジュールの送信時または受信時の移相および増幅を正確に判定することは不可能である。したがって、本発明によれば、受信時モジュールの移相および増幅が知られている命令可能な受信時基準モードを各モジュールに備えることが提案される。受信時基準モードを使用すると、較正時の信号に対する未知の影響の効果をなくすことができるように信号に対する未知の影響に関する情報を得ることができる。送信時モジュールの移相および増幅が知られている送信時基準モードを各モジュールに備えることもできる。この場合、信号に対する未知の影響に関する情報を、送信時基準モードを使用して対応する方法で得ることができる。各モジュールはまた、そのモジュールが信号を通過させない命令可能な分離モードを備えている。したがって、移相および増幅は、他のモジュールに分離モードに入るよう命令することによって、各モジュールについて別々に測定することができる。
したがって、本発明の目的は、試験信号を使用して受信時および/または送信時にモジュールの移相および増幅を測定することによってアンテナ・システムを較正し、それにより、受信時または送信時の基準モードを使用することによって試験信号に対する未知の影響の効果をなくせるようにすることである。本発明は、このような目的を達成する装置および方法を備える。
前述の問題は、以下のことによってより具体的に解決される。受信時基準モードをモジュールに備える方法として、受信時モジュールの移相および増幅を制御する制御手段を制御する制御信号の所定の設定値に関する温度と周波数の関数として、受信時モジュールの移相および増幅が測定される。このような測定に対応するデータは、アンテナ・システム内のメモリ手段に記憶される。アンテナ・システムは温度測定手段を備える。この場合、アンテナ・システムは温度を測定することができるので、制御信号の所定の設定値について受信時モジュールの移相および増幅が判明し、それによって受信用の基準モードが得られる。受信時基準モードをモジュールに備える他の方法は、基準手段、たとえば伝送導体による制御時に各モジュール内の電子回路をバイパスできるようにモジュールを配置することである。このような状況では、受信時モジュールの移相および増幅は主として基準手段の移相および増幅によって決定される。受信時モジュールの移相および増幅は、基準手段が接続されたときに温度と周波数の関数として測定される。アンテナ・システムは温度測定手段を備える。アンテナ・システムによって温度を測定できるので、モジュールの受信時の移相および増幅は、基準手段が接続され、それによって受信時基準モードが得られたときに判明する。本発明によれば、モジュールが受信時基準モードで配置されているとき、アンテナ・システムを送信時に較正するにはどうすればよいかも提案される。モジュールは、受信の場合に対応するように、送信時基準モードを備えることができる。本発明によれば、モジュールが送信時基準モードを備えているとき、アンテナ・システムを送信時に較正するにはどうすればよいかが提案される。本発明によれば、モジュールが送信時基準モードを備えているとき、アンテナ・システムを受信時に較正するにはどうすればよいかも提案される。
本発明は、比較的簡単な手段を用いてアンテナ・システムを較正できるという利点を有する。
本発明について、好ましい実施形態により、かつ添付の図面を参照して以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来技術による電気制御アンテナの較正の基本概略図である。
図2は、電気制御アンテナを可動適用分野での動作中に較正する試みの基本概略図である。
図3は、アンテナ・システムの構成のブロック図である。
図4は、T/Rモジュールの構成のブロック図である。
図5は、信号モデルを示すブロック図である。
図6は、アンテナ・システムの受信時較正のフローチャートである。
図7は、アンテナ・システムの送信時較正におけるサブステップのフローチャートである。
図8は、アンテナ・システムの送信時較正におけるサブステップのフローチャートの第1の部分である。
図9は、アンテナ・システムの送信時較正におけるサブステップのフローチャートの第2の部分である。
図10は、T/Rモジュールの較正のブロック図である。
好ましい実施形態の説明
図1は、従来技術によって電気制御アンテナ1の較正を行うにはどうすればよいかを示す。試験アンテナ5は、電気制御アンテナ1から離れたリモート・フィールドに配置される。電気制御アンテナ1に対するアンテナ5の位置が正確に測定される。試験アンテナ5および電気制御アンテナ1は、周囲で生じる反射を最小限に抑えるように位置決めされる。
受信時較正では、試験信号が、試験アンテナ5から送信され、電気制御アンテナ1を介して受信される。図1のように試験アンテナ5を配置することによって、電気制御アンテナ1の放射素子3に挿入される信号の位相および振幅を比較的正確に求めることが可能になる。したがって、電気制御アンテナ1を介して受信された信号の位相および振幅を測定することによって、モジュールの実際の移相および増幅に関する情報を得ることが可能になる。実際の移相および増幅は所望の移相および増幅と比較され、この比較に基づいて、モジュールの移相器および減衰器への制御信号の切換えを行うことができる。図1に示す構成を使用して、送信時に電気制御アンテナを較正することもできる。この場合、試験信号は、電気制御アンテナ1から送信され、試験アンテナ5を介して受信される。較正は、すべての点で受信時較正の場合と対応するように行われる。
たとえば、航空機内のレーダなどの移動する適用分野では、図1に記述した較正に有効な理想的な条件は存在しない。図2には、航空機内の電気制御アンテナ7を較正する試みが示されている。この場合、電気制御アンテナ7は、航空機9の機首のレドーム11内に配置される。レドーム11には試験アンテナ13も配置される。図2の試験アンテナ13は、図1の場合よりもずっと電気制御アンテナ7に近く、電気制御アンテナ7に対する試験アンテナ13の位置の判定に対してより厳しい要件が課される。図2の試験アンテナ13から試験信号が送信されるとき、反射のために生じる問題がレドーム11内で起こる。したがって、電気制御アンテナ7の放射素子のうちのどれかを介して受信される信号は、直接信号15ならびにいくつかの反射信号17および19と組み合わされる。したがって、放射素子21を介して受信される信号は完全に知られている信号ではなく、そのため図2のシステムの較正能力が低下するか、あるいは妨げられる。このため、概して、図2に示す較正は、動作中に較正を行う必要がある可動適用分野には適さない。したがって、このような適用分野には通常、より複雑な解決策が必要である。
次に、図3ないし図10を参照して本発明を説明する。
図3は、本発明によるアンテナ・システム23を示す。図3のアンテナ・システムはたとえば、レーダの一部とみなすことができる。
図3のアンテナ・システムは、アンテナ・ユニット25、すなわち電気制御アンテナを備える。アンテナ・ユニット25は、各モジュールが放射素子29−(1−N)を備えるいくつかのT/Rモジュール27−(1−N)を備え、これらの放射素子を介して信号を送信または受信することができる。
アンテナ・ユニット25はさらに、配分ユニット31を備える。配分ユニット31は、配分ユニット内に位置する2方向アナログ配分ネットワークに接続されたアナログ配分接続33を備える。2方向アナログ配分ネットワークは図3には示されていない。アナログ配分ネットワークは、アナログ配分接続33を各T/Rモジュール27−(1−N)内のアナログ信号接続35−(1−N)に接続する。したがって、アンテナ・ユニット31を介して送信すべき信号は、配分接続33に送られ、アナログ配分ネットワークによってT/Rモジュール27−(1−N)のアナログ信号接続35−(1−N)に配分される。受信時には、T/Rモジュール27−(1−N)のアナログ信号接続35−(1−N)からアナログ配分ネットワークに信号が供給され、この信号がアナログ配分ネットワークによって和信号に加えられ、この和信号がアナログ配分接続33に送られる。したがって、和信号は、アンテナ・ユニット25を介して受信された信号を構成する。
配分ユニット31は、T/Rモジュールとの間のデジタル通信用のデジタル配分接続も備える。図3では、このデジタル配分接続を全体として参照符号37で参照する。配分ユニット31は、T/Rモジュール27−(1−N)にデジタル信号を転送するための第1のデジタル配分ネットワーク(図3には図示せず)をも備える。第1のデジタル配分ネットワークは、デジタル配分接続37からT/Rモジュール27−(1−N)内のデジタル入力信号接続にデジタル信号を配分する。配分ユニット31は、T/Rモジュール27−(1−N)内のデジタル出力出力信号接続からデジタル配分接続37にデジタル信号を転送する第2のデジタル配分ネットワーク(図3には図示せず)を備える。図3では、各T/Rモジュール27−(1−N)についてのデジタル入力信号および出力信号接続を全体的に参照符号39−(1−N)で参照する。
図3のアンテナ・システム23は、アンテナ・システム23を制御する制御ユニット41を備える。制御ユニット41はデジタル入力信号接続およびデジタル出力信号接続を備える。図3では、これらの接続を全体として参照符号43で参照する。制御ユニット41のデジタル入力信号接続およびデジタル出力信号接続43はデジタル配分接続37に接続される。このように、制御ユニット41とT/Rモジュール27−(1−N)との間に2方向デジタル通信チャネルが確立される。デジタル通信チャネルは、T/Rモジュール27−(1−N)の動作の制御および監視のために制御ユニット41によって使用される。
図4は、一例として、図3のアンテナ・システム23のT/Rモジュール27−(1−N)の構成を示す。図4のT/Rモジュール、たとえばi番目のT/Rモジュール27−iはアナログ信号接続35−iおよび放射要素29−iを備える。図4のT/Rモジュール27−iは受信および送信用の機能を有する。
図4のT/Rモジュール27−iのアナログ信号接続35−iは、制御可能な減衰器81−iの信号接続83−iに接続される。制御可能な減衰器81−iの後に制御可能な移相器85−iが続く。制御可能な減衰器81−iおよび制御可能な移相器85−iは、制御信号c3−iおよびc4−iを受信する制御信号入力87−iおよび89−iを備える。制御可能な減衰器81−iおよび制御可能な移相器85−iの制御信号入力87−iおよび89−iは、T/Rモジュール27−iに属する制御ユニット91−iの対応する第1組の制御信号出力93−iに接続される。したがって、制御ユニット91−iは、制御可能な減衰器81−iおよび制御可能な移相器85−iを制御するように配置される。
制御可能な移相器85−iの信号接続95−iは第1の制御可能なスイッチ99−iの信号接続97−iに接続される。第1の制御可能なスイッチ99−iを第1の位置101−iに設定することができ、それによって第1の制御可能なスイッチ99−iの信号接続97−iが第1の増幅器103−iの入力105−iに接続される。第1の制御可能なスイッチ99−iを第2の位置107−iに設定することもでき、それによって第1の制御可能なスイッチ99−iの信号接続97−iが第2の増幅器109−iの出力111−iに接続される。
図4のT/Rモジュール27−iはさらに、信号接続115−iを有する第2の制御可能なスイッチ113−iを備える。第2の制御可能なスイッチ113−iを第1の位置117−iに設定することができ、それによって第2の制御可能なスイッチ113−iの信号接続115−iが第1の増幅器103−iの出力119−iに接続される。第2の制御可能なスイッチ113−iを第2の位置121−iに設定することもでき、それによって第2の制御可能なスイッチ113−iの信号接続115−iが第2の増幅器109−iの入力123−iに接続される。
図4のT/Rモジュール27−iはさらに、信号接続127−iを有する第3の制御可能なスイッチ125−iを備える。第3の制御可能なスイッチ125−iを第1の位置129−iに設定することができ、それによって第3の制御可能なスイッチ125−iの信号接続127−iがTR/モジュール27−iの放射素子29−iに接続される。第3の制御可能なスイッチ125−iを第2の位置131−iに設定することができ、それによって、信号を放射素子29−iに渡すことも、あるいは放射素子29−iから渡されることもできないようにT/Rモジュール27−iの放射素子29−iが分離される。第3の制御可能なスイッチ125−iが第2の位置131−iにあるとき、この説明では、T/Rモジュール27−iは分離モード(isolated mode)であると言う。第3の制御可能なスイッチ125−iの信号接続127−iは第2の制御可能なスイッチ113−iの信号接続115−iに接続される。
3つの制御可能なスイッチ99−i、113−i、および125−iは、T/Rモジュール27−iの制御ユニット91−i内の対応する第2組の制御信号出力139−iに接続される。この場合、制御ユニット91−iは、3つの制御可能なスイッチ99−i、113−i、および125−iの位置101−i、107−i、117−i、121−i、129−i、および131−iを制御するように配置され、これは制御信号c4−i、c5−i、およびc6−iによって行われる。
図4のT/Rモジュール27−iでは、3つの制御可能なスイッチ99−i、113−i、および125−iをそれらの第1の位置101−i、117−i、および129−iに設定することによって、送信用の信号チャネルを確立することができる。次いで、このような場合にT/Rモジュールのアナログ信号接続35−iを介してT/Rモジュール27−iに入った信号は、制御可能な減衰器81−i、制御可能な移相器85−i、第1の制御可能なスイッチ99−i、第1の増幅器103−i、第2の制御可能なスイッチ113−i、および第3の制御可能なスイッチ125−iの各素子をこの順に通って放射素子29−iに転送される。
図4のT/Rモジュール27−iでは、第1および第2の制御可能なスイッチ99−iおよび113−iをそれらの第2の位置107−iおよび121−iに設定し、それに対して第3の制御可能なスイッチ125−iを第1の位置129−iのままにしておくことによって、受信用の信号チャネルを確立することもできる。このような場合、放射素子29−iを介して受信された信号は、第3の制御可能なスイッチ125−i、第2の制御可能なスイッチ113−i、第2の増幅器123−i、第1の制御可能なスイッチ99−i、制御可能な移相器85−i、および制御可能な減衰器81−iの各素子をこの順に通ってT/Rモジュール27−iのアナログ信号接続35−iに転送される。
図4のT/Rモジュール27−iはさらに、温度計141−iを備える。温度計141−iは、T/Rモジュール27−i内の温度を測定し、測定された温度に対応する温度検出器信号d2−iを検出器信号出力143−iを介して出力するように配置される。温度計141−iの検出器信号出力143−iは、T/Rモジュールの制御ユニット91−i内の対応する検出器信号出力145−iに接続される。
図4の制御ユニット91−iは、T/Rモジュールのデジタル入力信号接続およびデジタル出力接続39−iに接続されたデジタル入力信号接続およびデジタル出力信号接続147−iを備える。したがって、制御ユニット91−iは、図3の制御ユニット41と通信できるように配置される。
前述のように、送受信時の図3のアンテナ・ユニット25の指向感度を制御できるように、様々なT/Rモジュール27−(1−N)の移相および増幅は特定の値を有する必要がある。したがって、制御ユニット41は、所与の場合に加えるべき移相および増幅に関するコマンドを各T/Rモジュール27−(1−N)に送信する。この場合、l番目のT/Rモジュール27−l(1≦l≦N)の命令された送信時移相および受信時移相をそれぞれ、T(l)PHASECOMおよびR(l)PHASECOMで示す。これに対応して、T(l)AMPLIFICATIONCOMおよびR(l)AMPLIFICATIONCOMはそれぞれ、送信時および受信時のl番目のT/Rモジュール27−lの命令された振幅を示す。振幅と移相を同時に処理する場合、複素単位を使用するのが適切である。したがって、命令された複素振幅(complex amplitude)T(l)ACOMおよびR(l)ACOMはそれぞれ、送信時および受信時にl番目のT/Rモジュール27−lに導入され、この場合は次式として定義される。
T/R(l)ACOMT/R(l)AMPLIFICATIONCOM・exp(j・T/R(l)PHASECOM) (1)
上式で、jは虚数単位を示す。複素量を使用することは、本発明の説明における表記を簡潔にするものに過ぎず、本発明を制限するものとみなすべきではない。
図4のT/Rモジュールの増幅および移相、すなわち複素増幅(complex amplification)は、制御可能な減衰器81−iおよび制御可能な移相器85−iによって制御される。T/Rモジュール27−iが、命令された複素増幅T/R(i)ACOMのある値を制御ユニット41から得ると、制御ユニット91−iは、他のT/Rモジュールに対するT/Rモジュール27−iの複素増幅が、命令された複素増幅T/R(i)ACOMの実際の値に対応するような、制御可能な減衰器および制御可能な移相器への制御信号c3−iおよびc4−iを生成する。
図4のT/Rモジュール27−iのようなT/Rモジュールの制御ユニットが減衰器および移相器への制御信号を生成できるようにするには、当技術分野では一般に、制御ユニットが、較正データを保持するメモリ手段を備える。このような場合の制御ユニットの較正データは、減衰器および移相器への制御信号をどのように設定すべきかに関する情報を制御ユニットに与える。
しかし、図4のT/Rモジュール27−iのようなT/Rモジュール内の複素増幅は、温度の影響を受け、かつ現在アンテナ・システムによって使用されている搬送波の影響を受ける。アンテナ・システムが、命令された複素増幅T/R(l)ACOM(1≦l≦N)のいくつかの異なる値についてT/Rを制御し、アンテナ・システムが温度変化を受けるのと同時に様々な搬送波周波数を使用する必要がある場合、起こり得るこれらの変数、すなわち命令された複素増幅T/R(l)ACOMと、搬送波周波数と、温度とのすべての可能な組合せについてT/Rモジュールを厳密に制御することを可能にするために制御ユニットには大量の較正データが必要である。
前述のように、当技術分野では、これらの変数のうちの1つまたは複数が変更されたときにアンテナ・システムが動作中にそれ自体を再較正できるようにアンテナ・システムを配置する代替策が知られている。自己較正システムでは、これらの変数のうちのいくつかのが変更されたときに、制御可能な減衰器および移相器への制御信号が較正される。
しかし、自己較正システムでも、ある量の較正データを記憶することが最適である場合があり、自己較正アンテナ・システムに記憶するうえで最適な較正データの厳密な量は適用分野に依存する。たとえば、命令された複素増幅T/R(l)ACOMの値が、システムによって使用される温度および搬送波周波数よりもかなり高速に変化する場合、制御可能な減衰器および移相器への制御信号の調整が、命令された複素増幅T/R(l)ACOMの取り得る値に関連付けされるような量の較正データを記憶するのが適切であることがある。温度または搬送波周波数が変更されると、システムは、制御可能な減衰器および移相器を制御する制御信号を調整し、それによって較正データが修正される。これに対して、命令された複素増幅T/R(l)ACOMの値および搬送波周波数が温度よりもずっと高速に変動する場合、制御可能な減衰器および移相器への制御信号の調整を、命令された複素増幅T/R(l)ACOMの可能な値と可能な搬送波周波数との組合せに関連付ける較正データを記憶することが適切であることがある。命令された複素増幅T/R(l)ACOMの値および搬送波周波数よりも温度の方が高速に変動する場合、最適な解決策は、変数が変更されるたびに、制御可能な減衰器および移相器を制御する制御信号を調整することである。
動作中に自己較正するアンテナ・システムは、前述のように、通常は複雑である。しかし、図3のアンテナ・システムは、比較的簡単な手段を用いて較正することができる。以下にこの手段について説明する。
図3のアンテナ・システム23は、放射素子46を有する試験アンテナ45を備える。試験アンテナ45を介して信号が送信または受信される。試験アンテナ45はアンテナ・ユニット25の近傍に配置され、したがって、試験アンテナ45を介して送信された信号をアンテナ・ユニット25を介して受信することができ、かつアンテナ・ユニット25を介して送信された信号を試験アンテナ45を介して受信することができる。
図3のアンテナ・システム23は信号発生器も備える。信号発生器47は、制御可能な発振器49および信号スイッチ53を備える。制御可能な発振器49は信号スイッチ53に接続される。信号スイッチ53は、第1の位置55および第2の位置57に設定することができる。信号スイッチ53が第1の位置55にあるとき、信号は、制御可能な発振器49から信号スイッチ53を介して第1の配分点59に切り換えられる。第1の配分点(distribution point)59は、試験アンテナ45と受信機61内の第1の信号入力63との両方に接続される。信号スイッチ53が第2の位置57にあるとき、信号は、制御可能な発振器49から信号スイッチ53を介して第2の配分点65に切り換えられる。第2の配分点65は、配分ユニット31内のアナログ配分接続33(analogue distribution connection)と受信機61内の第2の信号入力67との両方に接続される。
信号スイッチ53が第1の位置55にあるとき、制御可能な発振器49からの信号は、第1の配分点59で2つの部分に分割される。一方の信号部分は受信機の第1の信号入力63を介して受信機61によって受信され、他方の信号部分は試験アンテナ54に送られ、したがって試験アンテナ45から信号が送信される。このように試験アンテナ45から送信された信号がアンテナ・ユニット25によって受信された場合、アンテナ・ユニット25によって受信された信号は受信機61の第2の信号入力63に転送される。
信号スイッチ53が第2の位置57にあるとき、制御可能な発振器49からの信号は、第2の配分点65で2つの部分に分割される。次いで、一方の信号部分は受信機の第2の信号入力67に送られ、他方の信号部分は配分ユニット33のアナログ配分接続33に送られる。次いで、アンテナ・ユニット25を介して信号を送信することができる。アンテナ・ユニット25を介して送信された信号は、試験アンテナ45を介して受信することができ、試験アンテナを介して受信された信号は受信機61の第1の信号入力65に送られる。
図3の信号発生器47は、制御可能な発振器49および、信号スイッチ53を制御する制御信号c1およびc2を受信する制御信号入力69および71を備える。信号発生器の制御信号入力69および71は、制御ユニット41内の対応する1組の制御信号出力73に接続される。制御ユニット41は、信号発生器47を制御するために制御信号出力73を介して制御信号c1およびc2を出力するように配置される。したがって、制御ユニットは、信号スイッチ53の位置55または57を制御することができ、かつ制御可能な発振器49によって生成される信号周波数を制御することができる。
図3の受信機61は、第1および第2の信号入力63および67上で受信された各信号の間の位相差および振幅比を検出する検出器(図3には図示せず)を備える。受信機61は検出器信号出力75を備え、この出力を介して検出器信号d1が出力される。検出器信号d1は、受信機61によって検出された位相差および振幅比の情報を配分する。受信機61内の検出器信号出力75は、制御ユニット41内の対応する検出器信号入力77に接続される。したがって、制御ユニット41は、受信機61によって検出された位相差および振幅比に関する情報を得る。
図3および図4に示す各T/Rモジュール27−(1−N)は、命令可能な受信時基準モード(reference mode at reception)を備えている。制御ユニット41は、デジタル通信チャネルを介して、関連するT/Rモジュール27−lへコマンドを送信することによって、1つのT/Rモジュール、たとえばl番目のT/Rモジュール27−l(1≦l≦N)に受信時基準モードを命令する。このコマンドは、T/Rモジュール27−lを受信時基準モードに設定する必要があることを示す。次いで、関連するT/Rモジュール27−l内の制御ユニット91−lは、T/Rモジュール27−l内の制御可能な減衰器81−lおよび制御可能な移相器85−lを制御する所定の値の制御信号c3−lおよびc4−lを有する受信モードにT/Rモジュール27−lを設定する。制御信号c3−lおよびc4−lがこの所定の値である場合、そのT/Rモジュール27−lの受信時複素増幅が、温度Tと周波数fの関数として測定(survey)されており、T/Rモジュール27−lの制御ユニット91−lは、受信時基準モード用のT/Rモジュール27−lの複素増幅を温度Tと周波数fの関数として記述する、測定から得たデータを保持するメモリ手段を備える。これに対応して、他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠1)の受信時複素増幅は、それらの受信時基準モードについて測定されており、このような測定から得られた対応するデータは、それぞれの制御ユニット91−q内のメモリ手段内に配置されている。
理想的な条件の下で、たとえば、受信時のT/Rモジュール27−(1−N)の複素増幅を測定する当技術分野で知られている方法を使用できるT/Rモジュール27−(1−N)の製造または補修時に、受信時基準モード用のT/Rモジュール27−(1−N)の複素増幅を測定するのが適切である。
周波数fと、温度Tと、l番目のT/Rモジュール27−lの命令された受信時複素増幅R(l)ACOMとの関数としての、l番目のT/Rモジュール27−l(1≦l≦N)の受信時複素増幅を、以下ではR(l)Λ(f,T,R(l)ACOM)として示す。これに対応して、周波数fと、温度Tと、l番目のT/Rモジュール27−lの命令された送信時複素増幅T(l)ACOMとの関数としての、l番目のT/Rモジュール27−lの送信時複素増幅をT(l)Λ(f,T,T(l)ACOM)として示す。周波数fと温度Tの関数としての、l番目のT/Rモジュール27−l(1≦l≦N)の受信時基準モード用の受信時複素増幅は、以下ではR(l)REFΛ(f,T,)として示され、この場合、測定のために既知のパラメータである。
T/Rモジュール27−lの受信時基準モード用の受信時複素増幅R(l)REFΛ(f,T)(1≦l≦N)を測定することによって、アンテナ・システム23を比較的簡単に受信向けに較正することができる。次に、このことについて説明する。
図5は、受信時の図3のアンテナ・システム23の較正で使用される信号モデルを示す。図5は、試験信号が、制御可能な発振器49によって生成され、試験アンテナ45を介して送信され、受信機61のアンテナ・ユニット25を介して受信されるときの信号搬送を記述した図である。1つのT/Rモジュール、たとえばi番目のT/Rモジュール27−iは受信時にアクティブであり、他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)は分離モードに入るように命令される。図5では、複素記述が使用されており、図5の複素信号の実部を取り出すことによって実信号が得られることを理解されたい。この場合、制御可能な発振器49から得られる試験信号b0は、周波数fを有する調波振動信号(harmonically oscillating signal)であり、したがって、b0=Bexp(j2πft)と書くことができる。この場合、Bは定数であり、jは虚単位であり、tは時間である。
試験アンテナ45の放射素子46に送られる図5の信号はb1として示されており、この信号は一般に、試験信号b0とは異なる振幅および位相を有する。試験アンテナ45の放射要素46を駆動する信号が試験信号b0とは異なる振幅および位相を有する理由は、試験信号b0を試験アンテナ45に転送する際に信号が影響を受け、試験アンテナ45内の伝送回路によって信号が影響を受けることである。試験アンテナ45の放射素子46を駆動する信号b1は試験信号b0の第1の複素増幅TaK(f,T)によって得ることができ、したがって、bl= TaK(f,T)b0が成立する。この場合、第1の複素増幅TaK(f,T)は、試験信号の周波数fおよび温度Tの周波数fに依存する可能性のある未知のパラメータである。
この場合、試験アンテナ45の放射素子46は電磁波を出力し、この電磁波は、i番目のT/Rモジュールの放射素子29−iで信号b2を生成する。i番目のT/Rモジュール27−iの放射素子29−iで生成される信号b2は一般に、試験アンテナ45の放射素子46を駆動する信号b1とは異なる位相および振幅を有する。信号b2は、b2=Hai(f)b1になるように信号b1の第2の複素増幅Hai(f)を行うことによって得ることができる。第2の複素増幅Hai(f)は、周波数fに依存し、かつ試験アンテナ45の放射素子46とi番目のT/Rモジュール27−iの放射素子29−iとの間で電波伝播が行われる方法とに依存する。試験アンテナ45の放射素子46とi番目のT/Rモジュール27−iの放射素子29−iとの間の電波伝播が反射を含む場合、第2の複素増幅Hai(f)を計算するのは困難である。動作中に図3のアンテナ・システムを較正することが可能なので、放射が起こる可能性がかなり高いときは、この場合、第2の複素増幅Hai(f)は未知のパラメータとみなされる。
これに対して、試験アンテナ45の放射素子46と他のT/Rモジュール27−qの放射素子29−qとの間の電波伝播については、図5の第2の複素増幅Hai(f)に対応する複素増幅Haq(f)(1≦q≦N;q≠i)が定義される。
アンテナ・ユニット25を介して受信された信号は、受信機の第2の信号入力67を介して受信機61によって受信され、図5ではb3として示されている。信号b3は、i番目のT/Rモジュール27−iの放射素子29−iで生成される信号b2に依存するに過ぎない。というのは、他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)は分離モードであり、したがって信号を通過させないからである。信号b3は、信号b2とは異なる振幅および位相を有し、信号b2に作用するi番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素増幅R(i)Λ(f,T,R(i)ACOM)によって得られる。
図5のi番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素増幅R(i)Λ(f,T,R(i)ACOM)は、2つの部分、すなわち、i番目のT/Rモジュールの命令された受信時複素増幅R(i)ACOM、すなわち既知の変数と、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差増幅R(i)E(f,T,R(i)ACOM)に分割される。受信時複素誤差増幅R(i)E(f,T,R(i)ACOM)は未知のパラメータであり、一般に試験信号b0の周波数f、温度T、およびi番目のT/Rモジュールの命令された受信時複素増幅R(i)ACOMの値に依存する。したがって、これらの符号を導入すると、R(i)Λ(f,T,R(i)ACOM)=R(i)E(f,T,R(i)ACOM)・R(i)ACOMが得られる。
これに対して、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差増幅R(i)E(f,T,R(i)ACOM)に対応する他のT/Rモジュール27−qについて、受信時複素増幅R(q)E(f,T,R(q)ACOM)(1≦q≦N;q≠i)が定義される。
アンテナ・システム23を受信に関して較正するのに十分な条件は、当業者には理解されるように、T/Rモジュール27−l(1≦l≦N)の受信時複素誤差増幅R(l)E(f,T,R(l)ACOM)が1に等しいことである。
すべてのT/Rモジュール27−(1−N)の受信時複素誤差増幅R(l)E(f,T,R(l)ACOM)(1≦l≦N)が1に等しくなるように、受信時にアンテナ・システム23を較正する際は、制御可能な減衰器81−(1−N)および制御可能な移相器85−(1−N)を制御する制御信号c3−(1−N)およびc4−(1−N)を調整すべきである。この場合、次に誤差方程式を演繹し、これに基づいて、制御可能な減衰器81−(1−N)および制御可能な移相器85−(1−N)を制御する制御信号c3−(1−N)およびc4−(1−N)を再調整することができる。
この場合、周波数fと、i番目のT/Rモジュール27−iの命令された受信時複素増幅とに対応する、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素増幅比R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM)は、受信機の第2の信号入力を介して受信される信号b3と試験信号b0との間の比として制御され、したがって次式が成立する。
R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM)≡b3/b0 (2)
受信時複素増幅比R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM)の引数は、信号b3と信号b0との間の位相差に対応し、受信時複素増幅比R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM)の絶対値は、信号b3と信号b0との間の振幅比に対応する。位相差と、信号b3と信号b0との間の振幅差とを受信機61によって検出できるので、受信時複素増幅比R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM)は既知のパラメータである。
他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)の受信時複素増幅比R(q)MEG(f,T,R(q)ACOM)は、i番目のT/Rモジュール27−iの場合と対応するように定義される。
図5を検討するとわかるように、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素増幅比R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM)は、第1および第2の複素増幅ならびにi番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素増幅TaK(f,T)、Hai(f)、およびR(i)E(f,T,R(i)ACOM)・R(i)ACOMを合計した複素増幅で構成され、したがって次式が成立することは明らかである。
R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM)=TaK(f,T)・Hai(f)・R(i)E(f,T,R(i)ACOM)・R(i)ACOM (3)
数式(3)は、命令された受信時複素増幅の値とは独立に有効であり、特に、対応する数式は、i番目のT/Rモジュールの受信時基準モードについて有効であり、したがって次式が成立する。
R(i)MEREFG(f,T)=TaK(f,T)・Hai(f)・R(i)REFΛ(f,T) (4)
この場合、Gはi番目のT/Rモジュールの受信時基準モード用の受信時複素増幅比R(i)MEREFG(f,T)を示す。
数式(3)および(4)を使用すると、以下の誤差方程式が得られる。
Figure 0004215173
数式(5)の左側部分は、周波数fと、i番目のT/Rモジュール27−iの命令された受信時複素増幅R(i)ACOMとに対応する、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差増幅R(i)E(f,T,R(i)ACOM)である。数式(5)の右側部分は既知のパラメータのみを含み、したがって、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差増幅R(i)E(f,T,R(i)ACOM)は、数式(5)を使用して計算することができる。
もちろん、数式(5)の数式に対応する誤差方程式は他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)についても有効である。
命令された受信時複素増幅R(i)ACOMのある値についてi番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差増幅R(i)E(f,T,R(i)ACOM)が計算されると、制御可能な減衰器81−iおよび制御可能な移相器85−iを制御する制御信号c3−iおよびc4−iをi番目のT/Rモジュール27−iの計算された受信時複素誤差増幅R(i)E(f,T,R(i)ACOM)に応じて設定することができる。この場合、1を受信時複素誤差増幅の絶対値|R(i)E(f,T,R(i)ACOM)|で除した値に対応する係数だけT/Rモジュール27−iの増幅が変化し、かつ受信時複素誤差増幅の引数arg{R(i)E(f,T,R(i)ACOM)}に対応してT/Rモジュール27−iの移相が減少するように、これらの制御信号c3−iおよびc4−iが再設定される。
この説明では、たとえば、「計算された複素誤差増幅」で概念「計算」が使用されている。この計算は、制御ユニット41内のコンピュータで行われる。この場合のコンピュータは、数値パラメータを表わす実物理信号を生成する。もちろん、たとえば、制御信号c3−(1−N)およびc4−(1−N)の再調整は、アンテナ・システム23内でこの実物理信号に基づいて行われる。
図6は、本発明では図3のアンテナ・システムの受信時較正がどのように行われるかを示す例について説明するフローチャートである。図6は、命令された受信時複素増幅R(l)ACOM)(1≦l≦N)の値と、アンテナ・システム23によって使用される搬送波周波数が、温度Tよりもかなり高速に変動する、図3のアンテナ・システム23のこのような適用分野を例示したものである。したがって、制御ユニット91−(1−N)は、制御可能な減衰器81−(1−N)および制御可能な移相器85−(1−N)を制御する制御信号c3−(1−N)およびc4−(1−N)の設定値を、その適用分野に関して生じる命令された受信時複素増幅R(l)ACOM(1≦l≦N)の値と、アンテナ・システム23によって使用される搬送波周波数との組合せに関連付ける較正データを保持するメモリ手段を備える。温度が変化すると、制御可能な減衰器81−(1−N)および制御可能な移相器85−(1−N)を制御する制御信号c3−(1−N)およびc4−(1−N)が再調整され、それによって制御ユニット91−(1−N)内の較正データが修正される。
図6で、アンテナ・システム23の較正はまず第1の搬送波周波数f1について行われる。次いで、このことが所定数の他の搬送波周波数f2−fnmaxについて繰り返される。
各搬送波周波数f1−fnmaxについて、図6の較正はまず、1番目のT/Rモジュール27−1に対して行われ、次いでこのプロセスが他のT/Rモジュール27−(2−N)について繰り返される。この繰返しを図6に論理ブロック155で示す。
任意のモジュール、たとえば、i番目のT/Rモジュールについて、任意の搬送波周波数、たとえば搬送波周波数No.n、fnに関する図6の較正プロセスは以下のことを意味する。
図6に論理ブロック157で示すように、i番目のT/Rモジュール27−iはその基準モードに命令される。この点でのi番目のT/Rモジュール27−iの制御ユニット91−iは、搬送波周波数fnに関する情報を制御ユニット41から受信し、温度Tに関する情報を温度計141−iから受信する。受信時基準モード用の受信時複素増幅R(i)REFΛ(f,T,)は周波数fと温度Tの関数として測定されているので、受信時基準モード用の受信時複素増幅R(i)REFΛ(f,T,)は、前述のように既知のパラメータである。
他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)は、図6に論理ブロック159で示すように、制御ユニット41によって分離モードに入るよう命令され、それによって、これらのT/Rモジュール27−qの第3のスイッチ125−qはその第2の位置131−qに設定される。
制御ユニット41は、信号スイッチ53がその第1の位置55に設定され、かつ発振器49が周波数fnの調波振動する第1の試験信号を生成するように、信号発生器47を制御する。この場合、第1の試験信号は、図6に論理ブロック161で示すように試験アンテナ45を介して送信される。次に、試験アンテナ45を介して送信された第1の試験信号がアンテナ・ユニット25を介して受信され、したがって、受信機61は、第2の信号入力67を介して第1の受信信号を受信する。この信号は、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時基準モードおよび第1の試験信号に対応する。受信機61はまた、その第1の信号入力63を介して第1の試験信号を受信する。i番目のT/Rモジュール27−iの受信時基準モードおよび搬送波周波数fnに対応するi番目のT/Rモジュール27−iの第1の受信時複素増幅比R(i)MEREFG(fn,T)は、第1の受信信号と第1の試験信号との間の位相差および振幅比が受信機61で検出されることによって測定される。i番目のT/Rモジュール27−iの第1の受信時複素増幅比R(i)MEREFG(fn,T)の測定は、図6に論理ブロック163で示されている。
図6における搬送波周波数fnについてのi番目のT/Rモジュール27−iの較正はまず、i番目のT/Rモジュール27−iの命令された受信時複素増幅の第1の値R(i)ACOM(1,n)について行われる。次いで、i番目のT/Rモジュール27−iの命令された受信時複素増幅の所定数の追加の値R(i)ACOM(2,n)R(i)ACOM(n max(i),n)について、搬送波周波数fnについてのi番目のT/Rモジュール27−iの較正プロセスが行われる。この繰返しを図6に論理ブロック165で示す。
これらの値のうちの任意の値、たとえば、i番目のT/Rモジュール27−iの命令された受信時複素増幅R(i)ACOM(m,n)のm番目の値の場合、以下に従ってi番目のT/Rモジュールおよび搬送波周波数fnに関して較正が行われる。
図6に論理ブロック167で示すように、i番目のT/Rモジュール27−iは、i番目のT/Rモジュール27−iの命令された受信時複素増幅のm番目の値R(i)ACOM(m,n)を受信するよう命令される。i番目のT/Rモジュール27−i内の制御ユニット91−iは、第2の位置107−iおよび121−iをとるように第1および第2の制御可能なスイッチ91−iおよび113−iを制御し、第1の位置129−iをとるように第3の制御可能なスイッチ125−iを制御する。i番目のT/Rモジュール27−i内の制御ユニット91−iは、搬送波周波数fnと、i番目のT/Rモジュール27−iの命令された受信時複素増幅のm番目の値R(i)ACOM(m,n)とに関する情報を制御ユニット41から得る。制御ユニット91−iは、較正データに基づいて、i番目のT/Rモジュール27−iの制御可能な減衰器81−iおよび制御可能な移相器85−iへの制御信号c3−iおよびc4−iを調整する。他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)は分離モードに入るよう命令されたままである。
制御ユニット41は、信号発生器47の信号スイッチが第1の位置55にあり、発振器49が、周波数fnを有する調波振動する第2の試験信号を生成することを確認する。したがって、第2の試験信号は、図6に論理ブロック169で示すように試験アンテナ45を介して出力される。試験アンテナ45を介して出力された第2の試験信号は、アンテナ・ユニット25を介して受信され、したがって、受信機61は、i番目のT/Rモジュール27−iの命令された受信時複素増幅のm番目の値R(i)ACOM(m,n)および第2の試験信号に対応する第2の受信信号を第2の信号入力67を介して受信する。受信機61は、第1の信号入力63を介して第2の試験信号を受信する。i番目のT/Rモジュール27−iの命令された受信時複素増幅のm番目の値R(i)ACOM(m,n)および周波数fnに対応する、i番目のT/Rモジュール27−iの第2の受信時複素増幅比R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM(m,n))は、第2の受信信号と第2の試験信号との間の位相差および振幅差を検出することによって受信機61で測定される。i番目のT/Rモジュール27−iの第2の受信時複素増幅比R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM(m,n))の測定を図6に論理ブロック171で示す。
命令された受信時複素増幅のm番目の値R(i)ACOM(m,n)および周波数fnに関するi番目のT/Rモジュール27−iの較正は、図6に論理ブロック173で示すように、i番目のT/Rモジュール27−iの第1の受信時複素増幅比R(i)MEREFG(fn,T)およびi番目のT/Rモジュール27−iの第2の受信時複素増幅比R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM(m,n))に応じて、搬送波周波数fnとi番目のT/Rモジュール27−iの命令された受信時複素増幅のm番目の値R(i)ACOM(m,n)とに対応する、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差増幅R(i)E(fn,T,R(i)ACOM(m,n))を計算することによって継続する。i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差増幅R(i)E(fn,T,R(i)ACOM(m,n))を計算する際には数式(5)が使用される。
i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差増幅R(i)E(fn,T,R(i)ACOM(m,n))に応じて、図6に論理ブロック175で示すように、i番目のT/Rモジュール27−iで、制御可能な減衰器81−iおよび制御可能な移相器85−iを制御する制御信号c3−iおよびc4−iが再調整される。制御信号c3−iおよびc4−iは、前述のように、1をi番目のT/Rモジュールの計算された受信時複素誤差増幅の絶対値|R(i)E(f,T,R(i)ACOM(m,n))|で除した値に対応する係数だけT/Rモジュール27−iの増幅が変化し、かつi番目のT/Rモジュール27−iの計算された受信時複素誤差増幅の引数arg{R(i)E(f,T,R(i)ACOM(m,n))}に対応して移相が減少するように調整する必要がある。i番目のT/Rモジュール27−i内の制御ユニット91−iはこの段階で、i番目のT/Rモジュール27−iの計算された受信時複素誤差増幅R(i)E(fn,T,R(i)ACOM(m,n))に関する情報を制御ユニット41から得る。制御ユニット91−iは、制御信号c3−iおよびc4−iの現在の設定値に基づき、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差増幅R(i)E(fn,T,R(i)ACOM(m,n))に応じて、所望の結果を達成するには制御信号c3−iおよびc4−iをどのように再調整すべきかを計算するように構成され、これに応じてi番目のT/Rモジュール27−i内の制御ユニット91−i内の較正データが修正される。
実際には、図3の制御可能な発振器49など制御可能な発振器は、完全な調波振動信号を生成するわけではない。このような発振器はむしろ、ゼロとは異なる帯域幅を有する狭帯域信号を生成する。前述の較正プロセスは、当業者には理解されるように、このような狭帯域信号に対しても機能する。
しかし、本発明は狭帯域試験信号の使用に限らない。図5の試験信号b0ではなく、より広い帯域の試験β0(t)を試験アンテナ45を介して送信する場合、この広帯域試験信号β0(t)を較正で使用することができる。受信機61は、図5の信号b3ではなく、受信信号β3(t)を受信する。
Figure 0004215173
がそれぞれ、β0(t)およびβ3(t)のフーリエ変換を示すものとする。i番目のT/Rモジュールの受信時複素増幅比R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM(m,n))は、当業者には理解されるように、2つのフーリエ変換
Figure 0004215173
の間の比として得ることができ、したがって、次式が成立する。
Figure 0004215173
広帯域試験信号β0(t)が、アンテナ・システム23によって使用される1つまたは複数の搬送波周波数を含む場合、数式(6)を使用して、これらの搬送波周波数についてi番目のT/Rモジュールの受信時複素増幅比R(i)MEG(f,T,R(i)ACOM)を計算し、後でアンテナ・システム23の受信時較正で使用することができる。広帯域試験信号を使用して図2のアンテナ・システム23を較正できるようにするには、もちろん、広帯域試験信号を生成することができ、かつフーリエ変換を行うことができるように信号発生器49および受信機61を修正しなければならない。他のすべての点で、前述のように受信時較正を行うことができる。
したがって、受信時にアンテナ・システム23の較正する第1の方法について説明した。以下では、送信時のアンテナ・システム23の較正と、他の受信時較正方法とについて説明する。
図5は、送信時に図3のアンテナ・システム23の較正で使用できる信号モデルも示す。図5は、制御可能な発振器49によって生成された試験信号a0がアンテナ・ユニット25を介して送信され、受信機61の試験アンデナ45によって受信されるときの信号搬送について説明する図である。1つのT/Rモジュール、たとえばi番目のT/Rモジュール27−iは送信時にアクティブになる。他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)は分離モードに入るよう命令される。前述のように、図5では、複素記述が使用され、前述のように、図5の複素信号の実部を取り出すことによって実信号が得られることを理解されたい。この場合の制御可能な発振器49からの試験信号a0は、周波数fを有する調波振動信号であり、したがって、a0=αexp(j2πft)として書くことができる。この場合、αは定数である。
図5のi番目のT/Rモジュール27−i内の放射素子29−iに送られる信号はa1として示されており、この信号は一般に、試験信号a0とは異なる振幅および位相を有する。信号a1は、信号a0に作用するi番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素増幅T(i)Λ(f,T,T(i)ACOM)によって得られる。
図5のi番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素増幅T(i)Λ(f,T,T(i)ACOM)は、2つの部分、すなわち、i番目のT/Rモジュールの命令された送信時複素増幅T(i)ACOM、すなわち既知の変数と、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素誤差増幅T(i)E(f,T,T(i)ACOM)に分割される。i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素誤差増幅T(i)E(f,T,T(i)ACOM)は未知のパラメータであり、一般に周波数f、温度T、およびi番目のT/Rモジュール27−iの命令された送信時複素増幅T(i)ACOMの値に依存する。したがって、これらの符号を導入すると、T(i)Λ(f,T,T(i)ACOM)=T(i)E(f,T,T(i)ACOM)・T(i)ACOMが得られる。
これに対して、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素誤差増幅T(i)E(f,T,T(i)ACOM)に対応する他のT/Rモジュール27−qについて、送信時複素誤差増幅T(q)E(f,T,T(q)ACOM)(1≦q≦N;q≠i)が定義される。
次に、i番目のT/Rモジュール27−i内の放射要素29−iは、試験アンテナ45の放射素子46内で信号a2を生成する電磁波を出力する。試験アンテナ45の放射素子46内で生成される信号a2は一般に、i番目のT/Rモジュール27−i内の放射素子29−iを駆動する信号a1とは異なる位相および振幅を有する。信号a2は、a2=Hia(f)a1になるように信号a1の第3の複素増幅Hia(f)を介して得ることができる。第3の複素増幅Hia(f)は、周波数fに依存し、かつi番目のT/Rモジュール27−iの放射素子29−iと試験アンテナ45の放射素子46との間で電波伝播が行われる方法とに依存する。i番目のT/Rモジュール27−iの放射素子29−iと試験アンテナ45の放射素子46との間の電波伝播が反射を含む場合、第3の複素増幅Hia(f)を計算するのは困難である。動作中に図3のアンテナ・システムを較正することが可能なので、放射が起こる可能性がかなり高いときは、この場合、第3の複素増幅Hia(f)は未知のパラメータとみなされる。
この場合、第1の信号入力63を介して受信機61によって受信される信号は、図5でa3として示されている。信号a3は一般に、試験アンテナ45の放射素子46で生成される信号a2とは異なる振幅および位相を有する。この理由は特に、試験アンテナ45内の受信機回路による信号に対する影響と、試験アンテナ45から受信機61の第1の信号入力63への信号転送時の信号に対する影響である。信号a3は信号a2の第4の複素増幅RaK(f,T)を介して得ることができ、したがってa3RaK(f,T)a2が成立する。第4の複素増幅RaK(f,T)はこの場合、周波数fおよびおよび温度Tに依存するであろう未知の変数である。
この場合、周波数fと命令された送信時複素増幅T(i)ACOMとに対応する、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素増幅比T(i)MEG(f,T,T(i)ACOM)は、受信機61の第1の信号入力63を介して受信される信号a3と試験信号a0との間の比として定義され、したがって次式が成立する。
T(i)MEG(f,T,T(i)ACOM)≡a3/a0 (7)
i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素増幅比T(i)MEG(f,T,T(i)ACOM)の引数は、信号a3と信号a0との間の位相差に対応し、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素増幅比T(i)MEG(f,T,T(i)ACOM)の値は、信号a3と信号a0との間の振幅比に対応する。位相差と、信号a3と信号a0との間の振幅差とを受信機61によって検出できるので、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素増幅比T(i)MEG(f,T,T(i)ACOM)は既知の変数である。
他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)の送信時複素増幅比eq20は、i番目のT/Rモジュール27−iの場合と対応するように定義される。
図5を検討すると、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素増幅比T(i)MEG(f,T,T(i)ACOM)は、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素増幅、第3の複素増幅、および第4の複素増幅T(i)Λ(f,T,T(i)ACOM)、Hia(f)、およびRaK(f,T)を合計した複素増幅であることがわかる。したがって次式が成立する。
T(i)MEG(f,T,T(i)ACOM)= Hia(f)・RaK(f,T)・T(i)E(f,T,T(i)ACOM)・T(i)ACOM (8)
次に、本発明によって送信時にアンテナ・システム23を較正する2つの方法を提案する。第1の方法によれば、送信時較正は受信時較正と対応するように行われる。第2の方法によれば、受信時基準モードが送信時較正にも使用される。
以下では、第1の送信時較正方法について説明する。アンテナ・システム23を較正する第1の方法は、上記で詳しく説明した、受信時にアンテナ・システム23を較正する方法に厳密に対応するので、この送信時較正方法については比較的簡単に説明する。
T/Rモジュール27−(1−N)はこの段階で、命令可能な送信時基準モードを備えている。制御ユニット41は、上記で説明した、1番目のT/Rモジュールを送信時基準モードに入るように命令することに対応するように、1つのT/Rモジュール、たとえばl番目のT/Rモジュール27−i(1≦l≦N)に受信時基準モードに入るよう命令する。送信時のT/Rモジュール27−(1−N)の複素増幅は、周波数と温度Tの関数として測定されている。周波数fと温度Tの関数としてのi番目のT/Rモジュール27−1の送信に関する基準モード用の送信時複素増幅は、以下ではT(i)REFΛ(f,T)として示され、測定のために既知のパラメータである。
数式(4)に対応する以下の数式は、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時基準モードに関する送信について有効である。
T(i)MEREFG(f,T)=RaK(f,T)・Hia(f)・T(i)REFΛ(f,T) (9)
この場合、T(i)MEREFG(f,T)は、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時基準モード用の受信時複素増幅比を示す。
数式(8)および(9)を使用すると、数式(5)の受信の場合の誤差方程式に対応する以下の誤差方程式が得られる。
Figure 0004215173
数式(10)の右側部分は既知のパラメータを含む。送信時複素誤差増幅T(i)E(f,T,T(i)ACOM)は数式(10)を使用して算出される。
もちろん、数式(10)の数式に対応する誤差方程式は、他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)についても有効である。
i番目のT/Rモジュール27−iの命令された送信時複素増幅T(i)ACOMのある値についてi番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素誤差増幅T(i)E(f,T,T(i)ACOM)が計算されると、制御可能な減衰器81−iおよび制御可能な移相器85−iを制御する制御信号c3−iおよびc4−iをi番目のT/Rモジュール27−iの計算された受信時複素誤差増幅T(i)E(f,T,T(i)ACOM)に応じて再調整することができる。この段階で、1をi番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素誤差増幅の値|T(i)E(f,T,T(i)ACOM)|で除した値に対応する係数だけi番目のT/Rモジュール27−iの増幅が変化し、かつi番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素誤差増幅の引数arg{T(i)E(f,T,T(i)ACOM)}に対応してT/Rモジュール27−iの移相が減少するように、これらの制御信号c3−iおよびc4−iを再調整する必要がある。
前述のように、第1の方法による送信時のアンテナ・システム23の較正は、前述の受信時較正に対応する。したがって、図6に示す受信時較正の詳細な説明は、第1の方法による送信時較正を示しているとも言える。もちろん、これは図6を適切な方法で修正した場合にのみそうである。たとえば、第1の送信時較正方法による送信時較正の場合は、試験信号がアンテナ・ユニット25を介して送信され、試験アンテナ45を介して受信され、それに対して、受信時較正の場合はこの逆になる。
以下に送信時のアンテナ・システム23を較正する他の方法について説明する。この方法によれば、送信時較正にも受信時基準モードが使用される。
この段階で、1つのT/Rモジュール、たとえばr番目のT/Rモジュール27−rが基準モジュール27−rとして選択される。数式(8)に対応する方程式は基準モジュール27−rについて有効であり、したがって次式が成立する。
T(r)MEG(f,T,T(r)ACOM)= Hra(f)・RaK(f,T)・T(r)E(f,T,T(r)ACOM)・T(r)ACOM (11)
基準モジュールの命令された送信時複素増幅の値T(r)ACOM(0)は、送信時比較値T(r)ACOM(0)として選択される。数式(11)から、送信時比較値T(r)ACOM(0)について、次式が得られる。
T(r)MEG(f,T,T(r)ACOM)= Hra(f)・RaK(f,T)・T(r)E(f,T,T(r)ACOM(0))・T(r)ACOM(0) (12)
数式(11)および(12)を使用して次式が与えられる。
Figure 0004215173
数式(13)の左側部分は、周波数fと、基準モジュール27−rの命令された送信時複素増幅T(r)ACOMと、送信時比較値T(r)ACOM(0)とに対応する、基準モジュール27−rの送信時複素誤差比
Figure 0004215173
である。数式(13)の右側部分は既知のパラメータのみを含む。したがって、基準モジュール27−rの送信時複素誤差比
Figure 0004215173
は、数式(13)に基づいて算出することができる。
当業者にはよく知られているように、すべてのT/Rモジュール27−(1−N)について送信時複素増幅T(l)E(f,T,T(l)ACOM)(1≦l≦N)が同じである場合、アンテナ・システム23は送信時に較正される。他の送信時較正方法を使用する場合、すべてのT/Rモジュール27−(1−N)が、送信時比較値T(r)ACOM(0)に対応する、基準モジュール27−rの送信時複素誤差比T(r)E(f,T,T(r)ACOM)と同じ送信時複素増幅T(l)E(f,T,T(l)ACOM)を有する必要がある。これを満たすのに必要な条件は、周波数fと、基準モジュール27−rの命令された送信時複素誤差T(r)ACOMと、送信時比較値T(r)ACOM(0)とに対応する、基準モジュール、27−rの送信時複素誤差比
Figure 0004215173
が1に等しいことである。基準モジュール27−rの命令された送信時複素誤差T(r)ACOM(0)の値について基準モジュール27−rの送信時複素誤差比
Figure 0004215173
が算出されると、基準モジュール27−rの計算された送信時複素誤差比
Figure 0004215173
に応じて、制御可能な減衰器81−iおよび制御可能な移相器85−iを制御する制御信号c3−iおよびc4−iを再調整することができる。1を送信時複素誤差比
Figure 0004215173
の絶対値で除した値に対応する係数だけ基準モジュール27−rの増幅が変化し、かつ送信時複素誤差比の引数
Figure 0004215173
に対応して基準モジュール27−rの移相が減少するように、制御信号c3−rおよびc4−rをこの段階で再調整する必要がある。
他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠r)の場合、これらのT/Rモジュール27−qの送信時複素増幅T(q)E(f,T,T(q)ACOM)が、送信時比較値T(r)ACOM(0)に対応する基準モジュール27−rの送信時複素誤差比T(r)E(f,T,T(r)ACOM(0))に対応するように、制御可能な減衰器81−qおよび制御可能な移相器85−qを調整する必要がある。この場合、方程式が演繹され、この方程式から、i番目のT/Rモジュール27−iについてこの再調整を行うことができる。
数式(8)および(12)を使用すると、まず次式が得られる。
Figure 0004215173
数式(14)の右側部分は3つの比を含む。第1および第3の比は既知の変数のみを含む。第2の比、すなわち
Figure 0004215173
は未知であり、したがって、数式(14)の使用を可能にするように既知のパラメータで表わさなければならない。したがって、数式(4)に対応する方程式も基準モジュール27−rについて有効であり、したがって次式が成立する。
R(r)MEREFG(f,T)=TaG(f,T)・Har(f)・R(r)REFΛ(f,T) (15)
数式(4)および(15)を使用すると次式が得られる。
Figure 0004215173
当業者にはよく知られている、アンテナ同士の間の送信と受信の間の相互関係によって、Hai(f)= Hia(f)が成立する。これに対して、もちろんHar(f)= Hra(f)も成立する。したがって、数式(16)の左側部分は、数式(14)の右側部分の未知の第2の比
Figure 0004215173
と等しい。数式(16)の右側部分は、既知のパラメータのみを含み、したがって、数式(14)中の第2の比
Figure 0004215173
と置き換わることができ、したがって次式が成立する。
Figure 0004215173
数式(17)の左側部分は、周波数fと、i番目のT/Rモジュール27−iの命令された送信時複素増幅T(i)ACOMと、送信時基準値T(r)ACOM(0)とに対応する、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素誤差比
Figure 0004215173
である。数式(17)の右側部分は、既知のパラメータのみを含み、したがって、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素誤差比
Figure 0004215173
は数式(17)から計算することができる。1を送信時複素誤差比の値
Figure 0004215173
で除した値に対応する係数だけi番目のT/Rモジュール27−iの増幅が変化し、かつ送信時複素誤差比の引数
Figure 0004215173
に対応して移相が減少するように、制御信号c3−rおよびc4−rが再調整される。
数式(17)を検討すると、第2の方法による送信中のアンテナ・システム23の較正は、アンテナ・ユニット25を介した試験信号の送信と受信の両方を含むことがわかる。第2の送信時較正方法は、受信時基準モードを送信時較正にも使用することができ、それによって、較正を可能にするためにアンテナ・システム23に記憶する必要のあるデータの量が削減されることである。
もちろん、数式(17)に対応する方程式は、他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)についても有効である。
図7、図8、および図9は、第2の方法では較正時にアンテナ・システム23がどのように較正されるかについての例について説明するフローチャートである。図7、図8、および図9は、TRモジュール27−lの命令された送信時複素増幅T(l)ACOM(1≦l≦N)と、アンテナ・システム23が動作する搬送波周波数とが、温度Tよりもかなり高速に変動するアンテナ・システムの適用分野を示すものである。したがって、制御ユニット91−(1−N)は、制御可能な減衰器81−(1−N)および制御可能な移相器85−(1−N)を、その適用分野に関して行われる命令された送信時複素減衰の値とシステムによって使用される搬送波周波数との組合せに制御する制御信号c3−(1−N)およびc4−(1−N)の調整を関連付ける較正データを含む。温度が変化すると、制御可能な減衰器81−(1−N)および制御可能な移相器85−(1−N)を制御する制御信号c3−(1−N)が再調整され、それによって制御ユニット91−(1−N)内の較正データが修正される。
送信時のアンテナ・システム23の較正は、図7では、送信時基準モジュール27−rを較正することによって開始され、この場合、1番目のT/Rモジュール27−1が基準モジュール27−rとして選択されている。図7の送信時基準モジュール27−1の較正はまず、搬送波周波数f1に関して行われ、次いで、所定数の他の搬送波周波数f2−fnmaxについて較正プロセスが繰り返される。この繰返しを図7に論理ブロック183で示す。
図7の送信時基準モジュール27−1の較正は、任意の搬送波周波数、たとえば搬送波周波数No.n、fnに関して、以下に従って行われる。
基準モジュール27−1は、図7に論理ブロック185で示すように送信時比較値T(l)ACOM(0)を送信するよう命令される。他のT/Rモジュール27−(2−N)は、図7に論理ブロック187で示すように分離モードに入るよう命令される。制御ユニット41は、信号スイッチ53が第2の位置57にセットされるように信号発生器47を制御し、周波数fnの第1の調波振動試験信号を生成するように発振器49を制御する。したがって、第1の試験信号は、図7に論理ブロック189で示すようにアンテナ・ユニット25を介して送信される。アンテナ・ユニット25を介して送信された第1の試験信号は、試験アンテナ45を介して受信され、そこで受信機61が第1の信号入力を介して第1の受信信号を受信する。この信号は、送信時比較値T(1)ACOM(0)および第1の試験信号に対応する。受信機61はまた、第1の試験信号を第2の信号入力67を介して受信する。送信時比較値T(1)ACOM(0)および周波数fnに対応する基準モジュール27−1の第1の送信時複素増幅比T(1)MEG(f,T,T(1)ACOM(0))は、図7に論理ブロック191で示すように受信機61での検出によって測定される。
搬送波fnについての基準モジュール27−1の較正はまず、基準モジュール27−1の命令された送信時複素増幅の第1の値T(1)ACOM(1,n)について行われ、次いで基準モジュール27−1の命令された送信時複素増幅の所定数の追加の値T(1)ACOM(2,n)T(1)ACOM(mmax(1),n)について繰り返される。この繰返しを図7に論理ブロック193で示す。
これらの値のうちの任意の値、たとえば、基準モジュール27−1の命令された送信時複素増幅のm番目の値T(1)ACOM(m,n)の場合、送信時基準モジュール27−1のこの較正は、搬送波周波数fnに関して、以下に従って行われる。
基準モジュール27−1は、図7に論理ブロック195で示すように基準モジュール27−1の命令された送信時複素増幅のm番目の値T(1)ACOM(m,n)を送信するよう命令される。この場合、制御ユニット91−1は、較正データに応じて制御信号c3−1およびc4−1を調整する。他のT/Rモジュール27−(2−N)は分離モードに入るよう命令されたままである。制御ユニット41は、図7に論理ブロック197で示すように、周波数fnの第2の調波振動試験信号がアンテナ・ユニット25を介して送信されるように信号発生器47を制御する。アンテナ・ユニット25を介して送信された第2の試験信号は、試験アンテナ45を介して受信される。したがって、受信機61は第1の信号入力63を介して第2の受信信号を受信し、この第2の受信信号は、基準モジュール27−1の命令された送信時複素増幅のm番目の値T(1)ACOM(m,n)および第2の試験信号に対応する。受信機61はまた、第2の試験信号を第2の信号入力67を介して受信する。基準モジュール27−1の命令された送信時複素増幅のm番目の値T(1)ACOM(m,n)および搬送波周波数fnに対応する、基準モジュール27−1の第2の送信時複素増幅比T(1)MEG(fn,T,T(1)ACOM(m,n))は、図7に論理ブロック199で示すように受信機61での検出によって測定される。
送信時比較値T(1)ACOM(0)と、基準モジュール27−1の命令された送信時複素増幅のm番目の値T(1)ACOM(m,n)と、搬送波周波数fnとに対応する、基準モジュール27−1の第1の送信時複素増幅比
Figure 0004215173
は、基本モジュール27−1の第1の送信時複素増幅比T(1)MEG(fn,T,T(1)ACOM(0))および基準モジュール27−1の第2の送信時複素増幅比T(1)MEG(fn,T,T(1)ACOM(m,n))に応じて計算される。この計算は数式(13)を使用して行われる。基準モジュール27−1の計算された送信時複素誤差比
Figure 0004215173
の計算を、図7に論理ブロック201で示す。基準モジュール27−1の計算された送信時複素誤差比
Figure 0004215173
に応じ、上記のことに従って、制御可能な減衰器81−1および制御可能な移相器85−1を制御する制御信号c3−1およびc4−1が基準モジュール27−1で再調整され、これに従って基準モジュール27−1の制御ユニット91−1内の較正データが修正される。制御信号c3−1およびc4−1のこの再調整を図7に論理ブロック203で示す。
図8および図9は、本発明による第2の送信時較正方法では、送信時に、他のT/Rモジュール27−(2−N)、すなわち基準モジュール27−1以外のT/Rモジュールがどのように較正されるかについての例を説明したフローチャートである。送信時の他のT/Rモジュール27−(2−N)の較正は、図8に論理ブロック213で示すように、まず第1の搬送波周波数f1について行われ、次いで所定数の他の周波数f2−fnmaxについて繰り返される。
任意の搬送波周波数、たとえば搬送波周波数No.n fnの場合、図8および図9に示す送信時較正は、以下に従って行われる。
基準モジュール27−1は、図8に論理ブロック215で示すように、受信時基準モードに入るよう命令される。他のT/Rモジュール27−(2−N)は、図8に論理ブロック217で示すように分離モードに入るよう命令される。制御ユニット41は、周波数fnの調波振動する第1の試験信号が試験アンテナ45を介して送信されるように信号発生器47を制御する。試験アンテナ45を介して送信された第1の試験信号は、アンテナ・ユニット25を介して受信され、それによって、受信機61は第2の信号入力67を介して第1の受信信号を受信し、この第1の受信信号は、受信時基準モジュール27−1の基準モードおよび第1の試験信号に対応する。受信機61はまた、第1の試験信号を第1の信号入力63を介して受信する。基準モジュール27−1の第1の受信時基準モードおよび搬送波周波数fnに対応する、基準モジュール27−1の第1の受信時複素増幅比T(1)MEREFG(fn,T)は、図8に論理ブロック221で示すように受信機61での検出によって測定される。
論理ブロック223で示すように、図8の送信時較正では引き続き、基準モジュール27−1が、送信時比較値T(1)ACOM(0)による送信モードに入るように命令される。他のT/Rモジュール27−(2−N)は、この段階では依然として分離モードである。制御ユニット41は、図8に論理ブロック225で示すように、周波数fnを有する調波振動する第2の試験信号がアンテナ・ユニット25を介して送信されるように信号発生器47を制御する。アンテナ・ユニット25を介して送信された第2の試験信号は、試験アンテナ45を介して受信され、それによって、受信機61は第1の信号入力63を介して第2の受信信号を受信し、この第2の受信信号は、基準モジュール27−1、送信時比較値T(1)ACOM(0)、および第1の試験信号に対応する。送信時比較値T(1)ACOM(0)および搬送波周波数fnに対応する、基準モジュール27−1の第1の受信時複素増幅比T(1)MEG(fn,T,T(1)ACOM(0))は、図8に論理ブロック227で示すように受信機61での検出によって測定される。
図8および図9の搬送波周波数fnに関する送信時較正は、まず2番目のT/Rモジュール27−2について行われ、次いで送信時較正が残りのT/Rモジュール27−(3−N)について行われるまで繰り返される。この繰返しを図8に論理ブロック229で示す。
任意のT/Rモジュール、たとえばi番目のT/Rモジュール27−i(2≦i≦N)についての図8および図9の送信時較正は、以下に従って行われる。
T/Rモジュール27−iは、図8に論理ブロック231で示すように、受信時基準モードに入るよう命令される。他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)は、図8に論理ブロック233で示すように分離モードに入るよう命令される。次に、図8のフローチャートは、基準ブロック235で示すように図9に進む。制御ユニット41は、図9に論理ブロック237で示すように、周波数fnの調波振動する第3の試験信号が試験アンテナ45を介して送信されるように信号発生器47を制御する。試験アンテナ45を介して送信された第3の試験信号は、アンテナ・ユニット25を介して受信され、それによって、受信機61は第2の信号入力67を介して第3の受信信号を受信し、この第3の受信信号は、受信時T/Rモジュール27−iの基準モードおよび第3の試験信号に対応する。受信機61はまた、第3の試験信号を第1の信号入力63を介して受信する。i番目のT/Rモジュール27−iの受信時基準モードおよび搬送波周波数fnに対応する、i番目のT/Rモジュール27−iの第1の受信時複素増幅比R(i)MEREFG(fn,T)は、図9に論理ブロック239で示すように受信機61での検出によって測定される。
図9で、i番目のT/Rモジュール27−iは、送信時に搬送波周波数fnに関して、まずT/Rモジュール27−iの命令された送信時複素増幅の第1の値T(i)ACOM(1,n)について較正され、次いで、この較正がi番目のT/Rモジュール27−iの命令された送信時複素増幅の所定数の他の値T(i)ACOM(2,n)T(i)ACOM(mmax(1),n)について繰り返される。この繰返しを図9に論理ブロック241で示す。
これらの値のうちの任意の値、たとえば、基準モジュール27−iの命令された送信時複素増幅のm番目の値T(i)ACOM(m,n)の場合、送信時T/Rモジュール27−iのこの較正は、搬送波周波数fnに関して、以下に従って行われる。
i番目のT/Rモジュール27−iは、図9に論理ブロック243で示すようにi番目のT/Rモジュール27−iの命令された送信時複素増幅のm番目の値T(i)ACOM(m,n)を送信するよう命令される。他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i)は分離モードのままである。制御ユニット41は、図9に論理ブロック245で示すように、周波数fnの第4の調波振動試験信号がアンテナ・ユニット25を介して送信されるように信号発生器47を制御する。アンテナ・ユニット25を介して送信された第4の試験信号は、試験アンテナ45を介して受信され、そこで受信機61は第1の信号入力63を介して第4の受信信号を受信する。この信号は、i番目のT/Rモジュール27−iの命令された送信時複素増幅の値T(i)ACOM(m,n)mおよび第4の試験信号に対応する。受信機61はまた、第4の試験信号を第2の信号入力67を介して受信する。i番目のT/Rモジュール27−iの命令された送信時複素増幅のm番目の値T(i)ACOM(m,n)および搬送波周波数fnに対応する、i番目のT/Rモジュール27−iの第1の送信時複素増幅比T(i)MEG(fn,T,T(i)ACOM(m,n))は、図9に論理ブロック247で示すように受信機61での検出によって測定される。
図9で、論理ブロック249で示すように、i番目のT/Rモジュールの命令された送信時複素増幅のm番目の値T(i)ACOM(m,n)と、送信時比較値T(1)ACOM(0)と、搬送波周波数fnとに対応する、i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素誤差比
Figure 0004215173
が計算される。i番目のT/Rモジュール27−iの送信時複素誤差比
Figure 0004215173
を計算する際には数式(17)が使用される。したがって、この計算は、基準モジュール27−1の第1の受信時複素増幅比R(1)MEREFG(fn,T)と、基準モジュール27−1の第1の送信時複素増幅T(1)MEG(f,T,T(1)ACOM(0))と、i番目のT/Rモジュールの第1の受信時複素増幅比R(i)MEREFG(fn,T)と、i番目のT/Rモジュールの第1の送信時複素増幅T(i)MEG(f,T,T(i)ACOM(m,n))とに応じて行われる。基準モジュール27−1およびi番目のT/Rモジュール27−iの基準モードに対する受信時複素増幅T(1)REFΛ(fn,T)およびR(i)REFΛ(fn,T)は、前述のように、この場合は既知のパラメータである。i番目のT/Rモジュール27−iの計算された送信時複素誤差比に応じて、図9に論理ブロック251で示すように、制御可能な減衰器81−iおよび制御可能な移相器85−iを制御する制御信号c3−iおよびc4−iが再調整される。制御信号c3−iおよびc4−iのこの再調整は、前述のように行われ、それによって制御ユニット91−i内の較正データが修正される。
T/Rモジュール27(1−N)が送信時基準モードを備えている場合は、もちろん、アンテナ・システム23を受信時に他の方法で較正することができる。この受信時較正方法は他の送信時較正方法に対応する。したがって、1つのT/Rモジュール、たとえば、r番目のT/Rモジュール27−rを基準モジュールとして選択し、基準モジュール27−rの命令された受信時複素増幅の値を受信時比較値R(r)ACOM(0)として選択することができる。数式(13)に対応する方程式を演繹することができ、したがって次式が成立する。
Figure 0004215173
数式(18)の左側部分は、周波数fと、基準モジュール27−rの命令された受信時複素増幅R(r)ACOMと、受信時比較値R(r)ACOM(0)とに対応する、基準モジュール27−rの受信時複素誤差比である。数式(18)の右側部分は、既知のパラメータのみを含み、したがって、基準モジュール27−rの受信時複素誤差比
Figure 0004215173
は数式(18)を使用して計算することができる。
当業者にはよく知られているように、すべてのT/Rモジュール27−(1−N)について受信時複素誤差増幅R(l)E(f,T,R(l)ACOM)(1≦l≦N)が同じである場合、アンテナ・システム23は受信時に較正される。したがって、第2の受信時較正方法を使用する場合、第2の送信時較正方法に対応するように、T/Rモジュール27−(1−N)の受信時複素増幅R(l)E(f,T,R(l)ACOM)が、受信時比較値R(r)ACOM(0)に対応する、基準モジュール27−rの受信時複素誤差増幅R(r)E(f,T,R(r)ACOM)に対応する必要がある。これを満たすのに必要な条件は、周波数fと、基準モジュールの命令された受信時複素誤差R(r)ACOMと、受信時比較値R(r)ACOM(0)とに対応する、基準モジュール27−rの受信時複素誤差比
Figure 0004215173
が1に等しいことである。基準モジュール27−rの命令された受信時複素誤差R(r)ACOMの値について基準モジュール27−rの受信時複素誤差比
Figure 0004215173
が計算されると、基準モジュール27−rの計算された受信時複素誤差比
Figure 0004215173
に応じて、制御可能な減衰器81−rおよび制御可能な移相器85−rを制御する制御信号c3−rおよびc4−rを再調整することができる。1を受信時複素誤差比
Figure 0004215173
の値で除した値に対応する係数だけ基準モジュール27−rの増幅が変化し、かつ基準モジュール27−rの受信時複素誤差比の引数
Figure 0004215173
に対応して基準モジュール27−rの移相が減少するように、制御信号c3−rおよびc4−rを再調整する必要がある。
他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠r)の場合、これらのT/Rモジュール27−qの受信時複素増幅R(q)E(f,T,R(q)ACOM)が、受信時比較値R(r)ACOM(0)に対応する基準モジュール27−rの受信時複素誤差比R(r)E(f,T,R(r)ACOM(0))に対応するように、制御可能な減衰器81−qおよび制御可能な移相器85−qを調整する必要がある。この場合、第2の送信時較正方法に使用された方法と対応する方法で、方程式が演繹され、この方程式から、i番目のT/Rモジュール27−iについてこの再調整を行うことができる。
第2の送信時較正方法についての数式(14)に対応する方程式は、簡単な方法で演繹することができ、したがって次式が成立する。
Figure 0004215173
数式(19)の右側部分は3つの比を含む。数式(19)の第2の比
Figure 0004215173
は未知であり、それに対して数式(19)の右側の他の2つの比は既知のパラメータからなる。数式(19)の右側部分の第2の比を既知のパラメータで表わさなければならない。したがって、第2の送信時較正方法に関する数式(16)に対応する方程式が演繹され、したがって次式が成立する。
Figure 0004215173
前述の相互関係によって、Hai(f)= HiaおよびHar(f)= Hra(f)が成立する。したがって、数式(19)の右側部分の未知の第2の比
Figure 0004215173
は、数式(20)の左側部分と等しい。数式(20)の右側部分は、既知のパラメータのみを含み、したがって、数式(19)中の未知の第2の比
Figure 0004215173
と置き換わることができ、したがって次式が成立する。
Figure 0004215173
数式(21)は、他の送信時較正方法に使用された数式(17)に対応する。数式(21)の左側部分は、周波数fと、i番目のT/Rモジュール27−iの命令された受信時複素増幅R(i)ACOMと、受信時比較値R(r)ACOM(0)とに対応する、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差比
Figure 0004215173
である。数式(21)の右側部分は、既知のパラメータのみを含み、したがって、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差比
Figure 0004215173
は数式(21)から計算することができる。i番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差比の絶対値
Figure 0004215173
に対応する係数だけi番目のT/Rモジュール27−iの増幅が変化し、かつi番目のT/Rモジュール27−iの受信時複素誤差比の引数
Figure 0004215173
に対応してT/Rモジュールの移相が減少するように、i番目のT/Rモジュール27−i中の制御可能な減衰器81−iおよび制御可能な移相器85−iを制御する制御信号c3−iおよびc4−iが再調整される。
数式(21)を検討すると、第2の方法による受信中のアンテナ・システム23の較正は、アンテナ・ユニット25を介した試験信号の送信と受信の両方を含むことがわかる。
数式(21)に対応する数式はもちろん、他のT/Rモジュール27−q(1≦q≦N;q≠i,r)についても有効である。
図7、図8、および図9は、第2のアンテナ・システム較正方法では送信時のアンテナ・システム23の較正がどのように行われたかについての詳細な例をフローチャートによって示す。図7、図8、および図9は、第2の受信時較正方法による受信時のアンテナ・システム23の較正を示すとも言える。このことはもちろん、図7、図8、および図9を適切な方法で修正した場合にのみ当てはまる。すなわち、第2の方法による受信時較正では、図7、図8、および図9で試験信号が試験アンテナ25を介して送信されアンテナ・ユニットを介して受信されるとき、試験信号は、アンテナ・ユニット25を介して送信され試験アンテナを介して受信される。
前述のように、受信時および送信時の複素増幅R(l)REFΛ(f,T)およびT(l)REFΛ(f,T)(1≦l≦N)は、周波数fおよび温度Tを有するT/Rモジュール27−(1−N)の受信時および送信時の基準モードに対して変動する。しかし、実際には、T/Rモジュール27−(1−N)の受信時および送信時の基準モードに対する受信時および送信時の複素増幅R(l)REFΛ(f,T)およびT(l)REFΛ(f,T)(1≦l≦N)には直接時間依存性もある。この直接時間依存性は、電子回路、たとえば、増幅器103−(1−N)および109−(1−N)ならびに制御可能なスイッチ99−(1−N)、113−(1−N)、および125−(1−N)の老化による構成要素ドリフティングによって生じる。直接時間依存性のために、前述の較正方法がうまく機能するには、T/Rモジュール27−(1−N)の受信時および送信時の基準モードに対する受信時および送信時の複素増幅R(l)REFΛ(f,T)およびT(l)REFΛ(f,T)(1≦l≦N)を再びある時間間隔で測定しなければならない。したがって、図10は、新しい測定を行う必要を低減するか、あるいはなくすには前述のi番目のT/Rモジュール27−iの構成をどのように修正すべきかを示す。
図10のi番目のT/Rモジュール27−iの構成は、図4のi番目のT/Rモジュール27−iの構成とほぼ同じである。したがって、基本的に同じ要素については、両方の図で同じ参照符号を使用する。
図10で、図4のいくつかの要素に対応するユニットは全体的にブロック301−iで示されている。したがって、ブロック301−iは、図4において制御可能な減衰器81−i、制御可能な移相器85−i、第1の制御可能なスイッチ99−i、第2の制御可能なスイッチ113−i、第3の制御可能なスイッチ125−i、第4の増幅器103−i、および第2の増幅器109−iに対応するユニットを記号化したものである。
図10のi番目のT/Rモジュール27−iは、信号接続309−iを有する第4の制御可能なスイッチ303−iを備える。第4の制御可能なスイッチ303−iの信号接続309−iは、図10のi番目のT/Rモジュール27−i内のアナログ信号接続35−iに接続される。第4の制御可能なスイッチ303−iを第1の位置305−iに設定することができ、それによって、第4の制御可能なスイッチ303−iの信号接続309−iは、図4の制御可能な減衰器81−iに対応する制御可能な減衰器内の信号接続83−iに接続される。第4の制御可能なスイッチ303−iを第2の位置307−iに設定することができ、その場合、第4の制御可能なスイッチ303−iの信号接続309−iは伝送コネクタ319−iの第1の信号接続321−iに接続される。
図10のi番目のT/Rモジュール27−iは、信号接続317−iを有する第5の制御可能なスイッチ311−iを備える。第5の制御可能なスイッチ311−iの信号接続317−iは、図10のi番目のT/Rモジュール27−i内の放射素子29−iに接続される。第5の制御可能なスイッチを第1の位置に設定することができ、それによって、第5の制御可能なスイッチ311−iの信号接続317−iは、図4の第3の制御可能なスイッチ125−iに対応する第3の制御可能なスイッチの第1の位置129−iに接続される。第5の制御可能なスイッチ311−iを第2の位置315−iに設定することができ、その場合、第5の制御可能なスイッチ311−iの信号接続317−iは伝送コネクタ319−iの第2の信号接続323−iに接続される。
第4および第5の制御可能なスイッチは制御信号入力325−iおよび327−iを備え、これらの制御信号入力は、図10のi番目のT/Rモジュール27−i内の制御ユニット91−i内の対応する第3組の制御信号出力328−iに接続される。図10の制御ユニット91−iは、図4の第1組および第2組の制御信号出力93−iおよび139−iに対応する第1組および第2組の制御信号出力も備える。しかし、第1組および第2組の制御信号出力は、図を明確にするために図10には示されていない。図10の制御ユニット91−iは、制御信号c7−iおよびc8−iによって第4の制御可能なスイッチ303−iおよび第5の制御可能なスイッチ311−iを制御する。したがって、図10の制御ユニット91−iは、第4および第5の制御可能なスイッチ303−iおよび311−iを第1の位置305−iおよび313−iまたは第2の位置307−iおよび315−iに設定する必要があるかどうかを制御することができる。
第4および第5の制御可能なスイッチ303−iおよび311−iが第1の位置305−iおよび313−iに設定されると、図10のi番目のT/Rモジュール27−iの構成は、図4のi番目のT/Rモジュール27−iの構成の場合と対応するように機能する。第4および第5の制御可能なスイッチ303−iおよび311−iが第2の位置307−iおよび315−iに設定されると、ブロック301−i内の電子回路は伝送導体319−iによってバイパスされる。
第4および第5の制御可能なスイッチ303−iおよび311−iが第2の位置307−iおよび315−iに設定されると、図10のi番目のT/Rモジュール27−iの構成は受信時または送信時の基準モードに入るように命令される。図10のi番目のT/Rモジュール27−iの受信時または送信時の基準モードに対する受信時または送信時の複素増幅eqまたはeqは、第4および第5の制御可能なスイッチ303−iおよび311−i内の複素増幅と伝送導体319−i内の複素増幅とによって決定される。ブロック301−i内の回路が、図10に示すように設計されたときには、i番目のT/Rモジュール27−iの受信時および送信時の基準モードに対する受信時および送信時の複素増幅R(i)REFΛ(f,T)またはT(i)REFΛ(f,T)に影響を与えないので、図10のT/Rモジュール27−iの構成についての受信時または送信時の基準モードに対する受信時および送信時の複素増幅R(i)REFΛ(f,T)またはT(i)REFΛ(f,T)は、図4のi番目のT/Rモジュール27−iの構成ほど温度や時間に依存しない。伝送導体319−iの複素増幅は、比較的温度および時間に依存しない。第4および第5の制御可能なスイッチ303−iおよび311−iに関する複素増幅は、温度および時間にある程度依存する。
図10のT/Rモジュール27−iの受信時基準モードに対する受信時複素増幅R(i)REFΛ(f,T)は、周波数fと温度Tの関数として測定されており、この測定から得られたデータは制御ユニット91−iに配置される。図10のi番目のT/Rモジュール27−iの構成の受信時基準モードに対する受信時複素増幅R(i)REFΛ(f,T)の温度依存性は図4に示す構成ほど顕著ではないので、制御ユニットに記憶する必要のあるデータの量は、図4に示す構成の場合よりも少なくなる。図10のi番目のT/Rモジュール27−iの構成の受信時基準モードに対する受信時複素増幅R(i)REFΛ(f,T)の時間依存性は図4に示す構成ほど顕著な依存性ではないので、受信時基準モードに対する受信時複素増幅R(i)REFΛ(f,T)の測定を再び行う場合、図4に示す構成ほど頻繁に行う必要はない。伝送導体319−iならびに第4および第5の制御可能なスイッチ303−iおよび311−iが十分に時間安定である場合、測定を繰り返す必要はない。十分に時間安定であるとみなされることは、もちろんアンテナ・システム23の精度に対する要求によって決定される。図10のi番目のT/Rモジュール27−iの受信時基準モードに対する受信時複素増幅R(i)REFΛ(f,T)に関して本明細書で述べたことはもちろん、適切な修正によって、図10のi番目のT/Rモジュール27−iの送信時基準モードに対する送信時複素増幅T(i)REFΛ(f,T)にも有効である。

Claims (4)

  1. アンテナ・システム(23)が、試験アンテナ(45)と、それぞれのモジュール(27−(1−N))の受信時複素増幅を制御する制御可能な制御手段(81−(1−N)、85−(1−N))を含む少なくとも2つのモジュール(27−(1−N))を有する電気制御アンテナ(25)と、前記制御手段(81−(1−N)、85−(1−N))への制御信号を生成する手段(91−(1−N))とを備え、前記制御信号が、それぞれのモジュール(27−(1−N))の命令された受信時複素増幅の少なくとも1つの値に関連付けられ、各モジュール(27−(1−N))が、命令可能な分離モードを備える、少なくとも1つの搬送波周波数を使用するように構成されたアンテナ・システム(23)を受信時に較正する方法であって、
    a)モジュール(27−(1−N))を、そのモジュール(27−(1−N))の受信時複素増幅が分かる、命令可能な受信時基準モードに構成することにより、ある所与のモジュールについての前記基準モード用の前記受信時複素増幅( R(i)REF Λ(f,T))が、周波数と温度の関数として調べられ、対応するデータがメモリ手段(91−q)内に用意されるステップと、
    b)- 所与のモジュールに、基準モードを選択するように命令し、所与の搬送波周波数と温度に対応する複素増幅( R(i)REF Λ(f,T))を可能とする(157)一方、他のモジュールには分離モードでいるように命令し(159)、
    - 前記試験アンテナを通じて、所与の周波数(f n )の第1の試験信号を送信し(161)、
    - 前記基準モード用の第1の受信時複素増幅( R(i)REF G(f n ,T))を測定し(163)、
    - 所与のモジュール(27−(1−N))に、命令された複素増幅( R(i) A COM(m,n) )を用いて受信するように命令する一方、他のモジュールは分離モードを維持させ(167)、
    - 前記試験アンテナを通じて、所与の周波数(f n )の第2の試験信号を送信し(169)、
    - 第2の受信時複素増幅( R(i)ME G(f,T, R(i) A COM ))を測定し(171)、
    - 複素誤差増幅( R(i) E(f,T, R(i) A COM ))を算出し(173)て、
    受信時に、実質的にすべてのモジュール(27−(1−N))を少なくとも1つの搬送波周波数について較正するステップとを含むことを特徴とする方法。
  2. アンテナ・システム(23)が、試験アンテナ(45)と、それぞれのモジュール(27−(1−N))の送信時複素増幅を制御する制御可能な制御手段(81−(1−N)、85−(1−N))を含む少なくとも2つのモジュール(27−(1−N))を有する電気制御アンテナ(25)と、前記制御手段(81−(1−N)、85−(1−N))への制御信号を生成する手段(91−(1−N))とを備え、前記制御信号が、それぞれのモジュール(27−(1−N))の命令された送信時複素増幅の少なくとも1つの値に関連付けられ、各モジュール(27−(1−N)が、命令可能な分離モードを備える、少なくとも1つの搬送波周波数を使用するように構成されたアンテナ・システム(23)を送信時に較正する方法であって、
    a)モジュール(27−(1−N))を、そのモジュール(27−(1−N))の送信時複素増幅が分かる、命令可能な受信時基準モードに構成することにより、ある所与のモジュールについての前記基準モード用の前記送信時複素増幅( T(i)REF Λ(f,T))が、周波数と温度の関数として調べられ、対応するデータがメモリ手段(91−q)内に用意されるステップと、
    b)- 所与のモジュールに、基準モードを選択するように命令し、所与の搬送波周波数と温度に対応する複素増幅( T(i)REF Λ(f,T))を可能とする一方、他のモジュールには分離モードでいるように命令し、
    - 前記試験アンテナを通じて、所与の周波数(f n )の第1の試験信号を送信し、
    - 前記基準モード用の第1の送信時複素増幅( T(i)REF G(f n ,T))を測定し、
    - 所与のモジュール(27−(1−N))に、命令された複素増幅( T(i) A COM(m,n) )を用いて送信するように命令する一方、他のモジュールは分離モードを維持させ、
    - 前記試験アンテナを通じて、所与の周波数(f n )の第2の試験信号を送信し、
    - 第2の送信時複素増幅( T(i)ME G(f,T, T(i) A COM ))を測定し、
    - 複素誤差増幅( T(i) E(f,T, T(i) A COM ))を算出して、
    送信時に、実質的にすべてのモジュール(27−(1−N))を少なくとも1つの搬送波周波数について較正するステップとを含むことを特徴とする方法。
  3. 前記複素誤差増幅( R(i) E(f,T, R(i) A COM ))が、受信時の前記第2の複素増幅( R(i)ME G(f,T, R(i) A COM ))及び第1の複素増幅( R(i)REF G(f n ,T))の比に比例するとともに、前記基準モード用の受信時複素増幅( R(i)REF Λ(f,T))と前記命令された複素増幅( R(i) A COM(m,n) )との比に比例することを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記複素誤差増幅( T(i) E(f,T, T(i) A COM ))が、送信時の前記第2の複素増幅( T(i)ME G(f,T, T(i) A COM ))及び第1の複素増幅( T(i)REF G(f n ,T))の比に比例するとともに、前記基準モード用の送信時複素増幅( T(i)REF Λ(f,T))と前記命令された複素増幅( T(i) A COM(m,n) )との比に比例することを特徴とする請求項2記載の方法。
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