JP6216190B2 - 位相検出装置及び衛星中継器 - Google Patents

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Description

本発明は、位相検出装置及び衛星中継器関するものである。
近年、高周波信号の位相を制御して、アンテナの放射パターンを制御することが行われている。以下、衛星放送を一例として説明を行うが、本発明は、衛星放送への応用に限定されるものではない。
現在、スーパーハイビジョン放送や立体テレビの放送メディアとして21GHz帯を用いた衛星放送が研究されている。この21GHz帯の放送電波は、雨の影響を受けやすく、現在の12GHz帯の衛星放送よりも降雨減衰が大きい。そこで、降雨減衰補償技術として、放送衛星の放射パターンを制御し、日本全国を均一の電力で照射しつつ、降雨減衰が生じている地域には増力した電力を照射することが試みられている。
これを実現する放送衛星用アンテナとしてアレー給電イメージングリフレクタアンテナが提案されている。このアンテナは、複数のホーンからなる給電アレーを有しており、各給電部の位相を制御し、その放射電力を空間で合成することで放射パターンを変化させることができる(非特許文献1)。
しかしながら、予め、各アレーの位相を決めて制御するとしても、各位相制御装置が出力する位相には誤差もあり、各アレーの出力位相を検出装置で測定して再調整する必要がある。すなわち、各給電部の信号の位相が所望の位相値となるよう適切に制御するためには、制御後の各給電部の位相を正確に把握することが必要であり、衛星内部に位相検出装置を設ける必要がある。
図4は、上記のような考えに基づいて、アレー給電イメージングリフレクタアンテナと位相検出装置を搭載した空間合成型衛星中継器の構成例を示すブロック図である。
図4において、衛星に搭載された受信アンテナ41は、地上局から衛星に向けて送信(アップリンク)されてくる放送信号と制御信号を含む電波を受信する。ダイプレクサ42は、信号の送信経路と受信経路を電気的に分離するものであって、受信アンテナ41を地上局への送信アンテナとしても共用するために必要となる。分波器43は、受信した信号から放送波とコマンド信号を分離する。コマンド受信機44は、受信したコマンド信号に基づいて、アレー給電部48に個別に制御信号を与える。受信機45は、分波器43からの放送波を衛星放送用の送信周波数に変換し、入力フィルタ46に信号を出力する。入力フィルタ46は、受信機45から受けた信号に対してフィルタ処理を行い、不要波を除去したRF信号(放送信号)を出力する。分配器47は、入力フィルタ46から受けたRF信号(放送信号)を各アレー給電部48に分配する。アレー給電部48は、ホーンアンテナ49の素子数nに対応してそれぞれ独立して設けられており、各アレー給電部48は、移相器481と、増幅器482と、出力フィルタ483とを備え、制御信号に基づく所定の位相に放送信号を制御して、ホーンアンテナ49に給電する。ホーンアンテナ49は、副反射鏡51及び主反射鏡52とともに、放送波送信アンテナ(アレー給電イメージングリフレクタアンテナ)を構成し、衛星放送波を地上に送信(ダウンリンク)する。
移相検出装置1は、アレー給電部48からホーンアンテナ49への給電信号を、その途中で分岐して、その信号位相を検出し、検出された位相情報をテレメトリ送信機53に送る。テレメトリ送信機53は、位相検出装置1からの位相情報に加えて、衛星の様々な情報(例えば、衛星の温度、姿勢情報、各機器の状態、等)を地上局に対して送信するためのテレメトリ信号を作成する。受信アンテナ41は、テレメトリ送信アンテナ41としても共用され、テレメトリ送信機53からダイプレクサ42を介して伝送されたテレメトリ信号に基づいて、衛星放送波とは異なる送信を行う。
ところで、一般に、地上での信号回路の位相検出には、ネットワークアナライザ等の種々のモニタリング装置を利用することができる。しかしながら、図4に示された空間合成型衛星中継器のシステムは、全体を人工衛星に搭載して宇宙に送り出すため、各アレー給電部の出力が所望の位相値になっているかを、地上からの制御のもとに衛星の内部で自動的に検出することが必要となり、ネットワークアナライザのような装置は衛星では使用できない。したがって、衛星に搭載可能な位相検出装置が必要になってくる。
装置・機器を人工衛星に搭載するためには、様々な条件が要求される。まず、消費電力を極力抑えるように設計しなければならない。人工衛星は太陽電池で発電しており、限られた電力資源を有効に使用する必要がある。また、装置の重量も課題となる。打ち上げ重量の制限があり、装置・機器の重量は、その分、衛星の燃料搭載量を圧迫する。十分な燃料が乗せられなければ、姿勢制御等が可能な回数・期間が制限され、衛星の設計寿命が短くなる。
衛星に搭載したアレーアンテナの位相を地上で測定する手段として、素子電界ベクトル回転法がある。これは、各放射素子の出力位相を1素子ずつ360度変化させ、地上局での受信電力の変化から素子間の位相差を求める方法であるが、この方法は無変調波を用いるため、一旦変調波(放送波)の送信停止をしなければならず、連続的な送信が求められる放送衛星には使用できない。
したがって、衛星放送のためには、衛星に搭載可能な小型の位相検出装置が要請されている。
小型の位相検出装置として利用可能性のある位相差検出器(位相差比較器)としては、従来より以下のようなものが知られている。
(a)Dフリップフロップを用いるもの
(b)検出すべき位相を時間軸方向に振動させるもの
(c)排他的論理和を用いるもの
上記(a)のDフリップフロップを用いた位相差検出器は、エッジトリガーで動作するためノイズで誤動作を起こす可能性が高い。よって、宇宙環境で使用するためには、信頼性に課題がある。
上記(b)の検出すべき位相を時間軸方向に振動させて、基準信号との位相差を求める位相差検出器は、たとえば、特許文献1に記載されている。この検出回路も、Dフリップフロップを用いているためノイズに対する耐性が低い。また、回路規模が大きいという欠点がある。さらに、特許文献1の検出器は、測定対象がディジタルノギスやディジタルマイクロメータ等を前提としたものであり、高周波信号の位相差測定に適していない。
これに対して、上記(c)の排他的論理和(Exclusive OR :EX−OR)を用いる位相差検出器は、ノイズに強く、回路規模も比較的小型であるので、衛星搭載用の位相検出装置としては、(c)の排他的論理和を用いた位相差検出器を用いることが、もっとも有望である。以下、排他的論理和(EX−ORゲート)応用型の位相差検出器について詳しく説明する。
図5は、位相差検出器(位相差比較器)の基本構成であり、その動作原理を図6に示す。位相差検出器(位相差比較器)は、ポート1とポート2とを有するデジタル位相比較器54と、積分回路55と、アンプ(増幅器)56とからなる。ここで、デジタル位相比較器54が、排他的論理和(EX−OR)回路のそのものである。
図6(a)に排他論理和の真理値表を示す。ポート1とポート2の入力が一致するとき出力(演算結果)が0となり、ポート1とポート2の入力が異なるとき、出力(演算結果)が1となる。
図6(b)に、排他的論理和(EX−ORゲート)応用型の位相差検出器の各信号の関係を示す。ポート1から入力された信号S1と、ポート2から入力された信号S2とに基づいて、デジタル位相比較器(排他的論理和回路)54は、EX−OR出力S3を出力する。すなわち、ポート1とポート2の信号のずれているところに出力S3が出る。この論理出力を積分回路55で平滑化して、アンプ(増幅器)56で増幅すると、出力S3のパルス幅(位相ずれ)に比例した出力電圧S4が得られ、これが位相差検出出力(電圧)S4となる。このように、S1とS2の位相のずれが検出でき、位相差(ずれ幅)の大きさに応じて出力電圧が高くなる。
図7は、既存の(市販の)排他的論理和応用型の位相差検出器について、基準信号に対する位相差(ポート1と2の位相差)[単位:度]とその出力電圧を実測した測定値である。
今回実測した位相差検出器は、位相差0度で最大電圧になり、180度ずれで最小(0V)になる。この位相差0度と180度のどちらで最大電圧にするかは、出力の回路構成の問題であり、本質的なものではない。また、位相比較器出力電圧の最大値(例えば、図7で位相差0度のとき約1.8V)も、検出器内のアンプの増幅度によるものであり、格別の意味はない。
このように、排他的論理和(EX−ORゲート)応用型の位相比較器は、Dフリップフロップを用いることなく、比較的簡単な回路構成で、ポート1とポート2に入力される信号の位相差を出力電圧として得ることができる。
特公平6−64100号公報
長坂ほか, "21GHz帯放送衛星用アレー給電イメージングリフレクタアンテナ実験モデル", 映像情報メディア学会技術報告, Vol.36 No.37, pp.17-20, (BCT2012-81), 2012年9月
上記のとおり、衛星搭載用の位相検出装置においてはノイズに強い排他的論理和(EX−ORゲート)応用型の位相比較器を用いることが望ましい。
しかしながら、EX−OR型位相比較器で衛星用位相検出装置を実現するためには、次の課題がある。
(1)EX−ORの動作原理から、位相差θ度の出力電圧は、位相差(360−θ)度の出力電圧と等しい。よって、出力電圧から一意の位相差を求めることができない。例えば、図7の出力特性において、位相比較器出力電圧が0.9Vと得られたとしても、図7の特性からは、位相差が90度であるのか270度であるのか、決定できない。
(2)EX−OR型位相比較器は、位相差0度から360度にわたって同一の位相検出精度とはならない。図7に示すとおり、0度(360度)と180度付近は非線形となって傾きが減少し、なだらかな曲線となる。ここで、位相比較器は電圧値から位相差を求めるので、グラフが平らな部分(位相差0度又は180度近傍)では、電圧値のわずかの違いが大きな位相の違いになり、電圧値に基づく位相差検出値に誤差が生じやすい。したがって、EX−OR型位相比較器は、0度(360度)、180度近傍の非線形部分で、検出精度が悪くなる欠点がある。
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、一意に、且つ高精度で位相を検出することができる、軽量・小型の位相検出器とそれを利用した衛星中継器提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る基準信号に対する比較信号の位相差を検出する位相検出装置は、前記基準信号の位相を所定位相だけ正又は負に変化させる位相変化部と、前記比較信号と前記位相変化部を介した基準信号とを比較し、位相差に応じた電圧を出力する排他的論理和(EX−ORゲート)応用型の位相比較部と、前記位相変化部の位相変化を制御する制御部と、を備え、前記位相変化部の位相変化量正、負、ゼロと順次変化させたときの前記位相比較部の出力電圧の変化に基づいて、前記基準信号に対する前記比較信号の位相差の領域を複数のグループに分け、前記グループごとに予め設定した関数式に基づいて前記位相比較部の出力電圧を位相差に変換し、基準信号に対する比較信号の位相差を求めることを特徴とする。
また、前記位相変化部は、前記基準信号の位相を±120度変化させ、位相比較を行うことが望ましい。
また、基準信号に対する比較信号の位相差を求める際に、位相比較部の出力電圧値と位相差の関係が線形特性となる領域を利用して位相差を求めることが望ましい。
また、前記位相検出装置を、アレー給電イメージングリフレクタアンテナの信号の位相検出に用いた衛星中継器とすることが望ましい。
本発明によれば、一意の位相検出結果を得ることができるとともに、0度から360度の全ての位相差にわたって同一の位相検出精度を保つことができ、小型・軽量で精度の高い位相検出装置が実現できる。
本発明による位相検出装置を衛星中継器に用いれば、放送信号に影響を与えることなく高精度に位相を測定することができる。位相測定の結果を地上にフィードバックすれば、衛星中継器の位相誤差を補正した放射パターン制御を行うことができる。たとえば、将来スーパーハイビジョン放送に有望な21GHz帯(21.4GHz〜22.0GHz)衛星放送システムにこの位相検出装置を適用すれば、増力ビームを精度良く形成することにより降雨減衰を補償でき、降雨による遮断時間を低減できる。
実施の形態1の位相検出装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1の位相変化部を±120度変化させたときの位相比較部出力電圧の特性である。 実施の形態2の衛星中継器の要部の構成を示すブロック図である。 空間合成型衛星中継器の構成例を示すブロック図である。 排他的論理和(EX−ORゲート)応用型位相比較器の基本構成である。 排他的論理和(EX−ORゲート)応用型位相比較器の動作原理である。 排他的論理和(EX−ORゲート)応用型位相比較器の位相差検出特性の例(測定値)である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明の位相検出装置1の構成を表すブロック図を示す。位相検出装置1は、位相変化部2、EX−ORゲート応用型位相比較部3、電圧取得部4、及び制御部5を備えている。
位相検出装置1は、2つの信号入力端を有しており、一方に基準信号、他方に基準信号との位相差を求める比較信号を入力する。基準信号は位相変化部2に入力され、比較信号はEX−ORゲート応用型位相比較部3に入力される。
位相変化部2は、制御信号に基づいて、基準信号をそのままの位相か、或いは所定の位相だけ正又は負にずらした信号として、EX−ORゲート応用型位相比較部3に出力する。なお、位相変化部2は、コイル・コンデンサを組み合わせた電子回路を利用する方法や、伝送線路の路長を切り替えることで実現することができる。
EX−ORゲート応用型位相比較部(以下、単に位相比較部ともいう。)3は、図5で説明した排他的論理和(EX−ORゲート)応用型の位相差検出器と基本的に同一のものであり、その位相差−比較器出力の関係は、例えば、図7に示された特性を示す。位相比較部3の出力電圧は、電圧取得部4に入力される。
電圧取得部4は、位相比較部3の出力電圧を、所定のアナログ処理、或いはデジタル化処理して、制御部5に出力する。なお、後述する制御部5が位相比較部3の出力電圧をそのまま処理できる場合は、電圧取得部4を省略することも可能である。
制御部5は、後述する位相検出装置内の各種制御・処理を行い、位相変化部2に位相を変化させるための制御信号を出力するとともに、位相検出出力信号を位相検出装置1から出力する。
以下、本発明に基づいて、位相検出を行う手順を説明する。
まず、前提事項について説明する。基準信号と比較信号の位相が一致している状態を、位相差が0度とする。また、EX−ORゲート応用型位相比較部3の特性として、図7の位相差180度で0Vの出力となる特性を前提する。なお、位相差0度で出力0Vになる特性の位相比較部を用いた場合も、後述のグループ分けに関して電圧の上下関係が変わるだけで、全く同様に処理できる。
図7で、位相差0度から180度までの入出力関係の特性関数をF1とし、位相差180度から360度までの入出力関係の特性関数をF2と呼ぶこととする。このF1及びF2は、位相比較部出力電圧(Vo)を入力として、対応する位相差(度)を関数の値とする関数であり、それぞれ0〜180度、180〜360度の範囲で一意に出力(位相差)を求めることができる。F1(Vo)とF2(Vo)は位相比較部固有の関数であり、例えば、位相比較部の実測データ(図7の離散的な測定値)から、最小二乗法などの近似により予め求めることができる。図7から明らかなように、F1及びF2は、中間領域では位相差に対して直線になる。しかしながら、その端部領域である位相差が、0度(360度)と180度の近傍は、位相差に対して特性がだれて非線形となる。すなわち、位相比較器出力が最小電圧(約0V)の近傍と最大電圧(約1.8V)の近傍では、位相差の検出精度が低くなる。
本発明の位相検出装置1は、位相変化部2で基準信号の位相遷移を行う。ここで位相変化量は、基準となる0度、+120度、−120度の3状態とする。なお、120度は本発明における最適値であるが、必ずしも120度である必要はなく、正と負の位相変化量が同一の位相量であれば良い。この3つの状態について、EX−ORゲート応用型位相比較部3を用いて比較信号の位相検出を行うと図2のようになる。
実線の出力特性20が基準信号の位相遷移を行わない、もともとのEX−ORゲート応用型位相比較部3の特性データ(図7)と同じであり、180度でほぼ出力0Vとなる。破線の出力特性21は、基準信号を位相変化部2で正に一定値(120度)ずらした出力特性であり、一点鎖線の出力特性22は、基準信号を負に一定値(−120度)ずらしたときの出力特性である。基準信号を120度ずらした破線の特性21では、本来の基準信号に対する比較信号の位相差が300度で出力電圧0Vとなる。同様に、基準信号を−120度ずらした一点鎖線の特性22では、本来の基準信号に対する比較信号の位相差が60度で出力電圧0Vになる。
したがって、非線形の領域が互いにずれるため、3状態のいずれかを用いれば、0度〜360度の全ての位相差について、位相差と出力電圧の関係が線形となる領域で位相検出が可能なことがわかる。
本発明の位相検出の手順として、まず、位相変化部2で基準信号の位相遷移を所定の順序で行う。
次に、制御部5で、位相変化部2の制御情報と、位相遷移をしたときの電圧取得部4からの電圧情報とを用いて、比較信号を位相差でグループ化する。
表1にグループ化の手順を示す。手順1〜4の順で位相変化部2の状態(位相変化量)を変化させ、位相比較部3の出力電圧を観測する。すなわち、まず、元の基準信号に対する比較信号の位相比較部出力電圧を電圧取得部4で取得する(手順1)。次に、位相変化部2で基準信号の正方向の位相遷移(+120度)を行って位相比較部出力電圧の変化を調べる(手順2)。さらに、位相変化部2で基準信号の負方向の位相遷移(−120度)を行って位相比較部出力電圧の変化を調べる(手順3)。最後にもう一度、元の基準信号(0度)に対する比較信号の位相比較部出力電圧を電圧取得部4で取得し、その変化を調べる(手順4)。
位相比較部3の出力電圧が前の手順に対して増加するか減少するかで、6つのグループ(A〜F)に分類する。電圧が等しいとき(すなわち電圧変化が0のとき)は、増加・減少のどちらに含めても良い。グループと位相差の領域との対応を図2に示す。3つの出力特性のラインの内、いずれか2本が交差する位相差(度)がグループの境界となる。ここでは、位相差0度〜60度までをAグループ、位相差60度〜120度までをBグループ・・・のように、設定する。
Figure 0006216190
例えば、手順1で測定された位相比較部出力電圧(特性20で測定された電圧)に対して、手順2の+120度の位相変化を行ったときの位相比較部出力電圧(特性21で測定された電圧)が下がり、次いで、手順3の−120度の位相変化を行ったときの位相比較部出力電圧(特性22で測定された電圧)がさらに下がり、最後に手順4で測定された位相変化0度の位相比較部出力電圧(特性20で測定された電圧)が上がるというパターンはAグループしかない。同様に、各グループ(位相差区間)は固有の出力電圧の変化の遷移をする。
この結果、出力電圧の変化の遷移から、位相差がどのグループ(すなわち、どこの位相差の区間)にあるかがわかり、比較部出力電圧から、一意に位相差を求めることができる。
さらに有利なことは、各グループ(位相差区間)で、最適な(線形性が高い)出力特性を選ぶことができる。
最後に、制御部5において、表2に示す状態に位相変化部2を制御し、電圧取得部4から取得した電圧値(Vo)を、表2の右列の計算式に基づいて位相値に変換する。位相値への変換には、F1(Vo)とF2(Vo)の2つの関数をグループに応じて用いる。なお、ここでは所定の位相変化部2の状態に再度設定して出力電圧を求めることは必ずしも必要はなく、グループ分けの際に行った位相変化部2の状態に対応する出力電圧値を記憶しておき、そのときの電圧値(Vo)を利用しても良い。
Figure 0006216190
例えば、グループ化の結果、Bグループに区分されたときは、位相変化を行わない特性20で測定した出力電圧値(Vo)を利用する。そのとき、位相検出結果はF1(Vo)の値(位相差)がそのまま求める比較信号と基準信号の位相差となる。なお、F1(Vo)とF2(Vo)の各関数の値については、演算式として関数の値を求めても良く、また、出力電圧値(Vo)と関数の値(位相差)との関係をテーブルとして持っておき、テーブルから読み出しても良い。
例えば、グループ化の結果、Dグループに区分されたときを例とすると、120度の位相変化を行った破線の特性21に基づいて測定した出力電圧値(Vo)を利用する。例えば特性21による出力電圧値が0.9Vであれば、F1(0.9V)から関数の値が90度と求まるが(図7参照)、この値に+120度の補正をし、210度の位相差が求められる。この位相差が、基準信号と比較信号の位相差であり、制御部5より位相検出出力信号として出力される。
以上より、本発明考案による位相検出装置は、0度から360度にわたって同一の位相検出精度を保ちつつ、一意の位相検出結果を得ることができる。
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2について説明をする。本発明の実施の形態2は、実施の形態1で説明した位相検出装置を用いた空間合成型衛星中継器である。図3は、実施の形態2の衛星中継器の構成例の要部を示すブロック図である。実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付し、説明は省略する。
図3は、入力フィルタ46から出力されるRF信号(放送信号)が分配器47に入力されるところから、各ホーンアンテナに給電される信号が、分岐して位相検出装置1に入力され、位相情報が出力されるまでを拡大して表している。
図3において、分配器47、アレー給電部48、ホーンアンテナ49等は、図4と同じである。出力フィルタ483からホーンアンテナ49に向かう信号経路に方向性結合器484を配置し、ホーンアンテナ49に給電する信号の一部を、例えば−10dB、或いは−20dB程度、必要に応じて分岐させればよい。
位相検出装置1の入力の一方には、分配器47から、放送信号の一部を分配して入力し、これを基準信号とする。位相を検出するためには、位相の基準となる信号が必要であり、この衛星中継器においては、アレー給電部48に入力される信号と同一の信号を用いることが適切である。
位相検出装置1の入力の他方にはアレー給電部48の分岐出力(既に位相調整や増幅を行った後の方向性結合器の結合出力)信号を入力し、この信号を比較信号として、位相検出を行う。アレー給電部48は複数(ホーンアンテナと同数)の給電部で構成されるため、その分岐出力も複数あるが、切替器50により所望の給電部からの分岐出力が選択可能とする。
選択された給電部の分岐出力信号に対して、上記実施の態様1で説明した位相検出の手順を行う。すなわち、位相変化部2で基準信号の位相を順次切り替えて、その際の位相比較部3の出力電圧を取得し、比較信号のグループ分けを行い、次いで、各グループに対応した、F1(Vo)とF2(Vo)の各関数を用いた算出式に基づいて位相検出結果を求める。これで一つの給電部の分岐出力信号の基準信号に対する位相差が求められる。
次に、切替器50により比較信号の側を順次切り替えていって、アレー給電部48の全ての給電部の分岐出力信号について、基準信号に対して各信号がどれだけ位相が異なっているかを求める。基準信号に対する各分岐出力信号の位相差が分かれば、ホーンアンテナ49に供給している各給電部の出力信号全体について、互いの位相関係が分かる。この位相情報はテレメトリ信号として地上局に送信される。
アレー供給イメージングリフレクタアンテナの位相制御においては、各ホーンアンテナに給電する信号の相対的な位相差が分かれば、所望の放射パターンとなっているか知ることができる。地上局はテレメトリ信号として送られたアレー給電部の位相情報を得て、必要な修正のためのコマンド信号を衛星中継器に送信することができる。
このように実施の形態2にかかる空間合成型衛星中継器によれば、位相検出装置1をアレー給電部48に設けることにより、地上より放送衛星の放射パターンを精度よく制御することができる。
また、衛星中継器を構成する機器の経年変化等により、例えば、増幅器の位相特性に変化が生じた場合においても、位相検出装置の測定結果を用いて、その位相変化を反映させてコマンド信号を送ることにより、適切な制御ができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
本発明の装置は、高周波信号の位相検出に用いられる。特に、衛星中継器に搭載する位相検出器として有用である。また、この位相検出装置は、携帯電話の基地局等において、複数のアンテナを利用して位相制御を行い、カバーエリア等を適切に制御する場合にも利用できる。
1 位相検出装置
2 位相変化部
3 EX−ORゲート応用型位相比較部
4 電圧取得部
5 制御部
41 受信アンテナ、テレメトリ送信アンテナ
42 ダイプレクサ
43 分波器
44 コマンド受信機
45 受信機
46 入力フィルタ
47 分配器
48 アレー給電部
49 ホーンアンテナ
50 切替器
51 副反射鏡
52 主反射鏡

Claims (4)

  1. 基準信号に対する比較信号の位相差を検出する位相検出装置であって、
    前記基準信号の位相を所定位相だけ正又は負に変化させる位相変化部と、
    前記比較信号と前記位相変化部を介した基準信号とを比較し、位相差に応じた電圧を出力する排他的論理和(EX−ORゲート)応用型の位相比較部と、
    前記位相変化部の位相変化を制御する制御部と、
    を備え、前記位相変化部の位相変化量正、負、ゼロと順次変化させたときの前記位相比較部の出力電圧の変化に基づいて、前記基準信号に対する前記比較信号の位相差の領域を複数のグループに分け、前記グループごとに予め設定した関数式に基づいて前記位相比較部の出力電圧を位相差に変換し、基準信号に対する比較信号の位相差を求めることを特徴とする位相検出装置。
  2. 請求項に記載の位相検出装置において、前記位相変化部は、前記基準信号の位相を±120度変化させ、位相比較を行うことを特徴とする位相検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の位相検出装置において、基準信号に対する比較信号の位相差を求める際に、位相比較部の出力電圧値と位相差の関係が線形特性となる領域を利用して位相差を求めることを特徴とする位相検出装置。
  4. 請求項1ないしのいずれか一項に記載の位相検出装置を、アレー給電イメージングリフレクタアンテナに給電する信号の位相検出に用いた衛星中継器。
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