JP4214759B2 - 電動式不整地走行四輪車 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動式不整地走行四輪車に関する。
【０００２】
【従来の技術】
電動式の四輪車としては、例えば特開２００１−２８７６６５号公報（特許文献１参照）に示すような、車椅子形態のものが知られている。このような車両は、例えば前後輪が二輪づつ有り、前二輪をハンドル等で操舵する構造になっている。また、乗員が腰掛けるシートの下にはバッテリが搭載され、このバッテリを電源として後輪はモータで駆動されるようになっている。
【０００３】
このような電動車両の特徴としては、排気ガスが出ないことや、騒音が低いこと、家庭用の電源からバッテリの充電ができるといったことがあり、上述した車椅子の他にゴルフカートなどにも用いられている。
【０００４】
【特許文献１】
特開２００１−２８７６６５号公報（段落番号［０００３］、図１２および図１３）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、不整地走行用車両などのレジャー性、スポーツ性の高い小型四輪車には電動式の車両が少なく、通常のガソリンエンジンの場合、排気ガスの発生や騒音の発生の他に、ガソリンや潤滑オイルの補給のための外出および補給作業といった手間がかかる。
【０００６】
一方、前記電動車椅子やゴルフカートを単純に不整地走行用車両に改造しても、走行状態や乗車姿勢等が根本的に異なるため、良好な走行性能および操作性能を得がたい。
【０００７】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、良好な走行性能および操作性能を得られる電動式不整地走行四輪車を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電動式不整地走行四輪車は、上述した課題を解決するために、請求項１に記載したように、跨座式の運転シートを備え、車両の前部左右に左右一対の前輪車軸によって回動自在に支持される左右一対の幅広低圧バルーンタイヤ付車輪を配置すると共に、上記車両の後部左右に一対の幅広低圧バルーンタイヤ付車輪を配置する一方、電動モータに接続されるギヤケースから延びる後輪車軸によって上記車輪を駆動する電動式不整地走行四輪車において、平面視で、上記車両の幅方向一側に前後に配置された上記車輪の内側を結ぶ線と、上記車両の幅方向他側に前後に配置された上記車輪の内側を結ぶ線と、上記前輪車軸と、上記後輪車軸とによって囲まれて形成される空間に、上記電動モータに電力を供給するバッテリと、上記バッテリから上記電動モータに流れる電流を制御するコントローラとを配置する構造であって、上記バッテリは、複数個のバッテリを上記跨座式運転シートの下方で、且つ上記前輪を覆うフロントフェンダと上記後輪を覆うリヤフェンダとの間に取り付けた左右のフットレスト間の上記車両の略中央部分に前後方向に並べて配設し、上記コントローラは、左右の前輪の間で、上記車両の略中央部分に配設された上記複数個のバッテリの内、最も前側のバッテリの前面に配置したものである。
【００１０】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項２に記載したように、上記電動モータは、前側端部が車体フレームに枢着されて後方に向かって延びて自由側端部に後輪車軸を設けると共にショックアブソーバを介して車体フレームに弾性的に支持されて後輪懸架装置を兼ねるギヤケースに接続し、且つこの電動モータを上記後輪車軸の中心より前上方に配置すると共に、上記ギヤケースの下方に保護部材を配置したものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【００１３】
図１は、この発明を適用した電動式不整地走行四輪車の一例を示す右側面図である。図１に示すように、この電動式不整地走行四輪車１（以下、単に「車両」と略す）はその前後方向に延びる車体フレーム２を有する。また、車体フレーム２の上部および側部は一体または別体の、例えば合成樹脂製の車体カバー３で覆われる。さらに、車体カバー３の上部後ろ寄りには跨座式の運転シート４が設けられる。
【００１４】
車体フレーム２の前部左右には左右一対の前輪車軸５によって回動自在に支持される左右一対の幅広低圧バルーンタイヤ付車輪である前輪６Ｌ，６Ｒが配置され、これらの前輪６Ｌ，６Ｒは前輪懸架装置７により前輪車軸５と共に車体フレーム２に上下方向に揺動自在に支持される。また、運転シート４の前方には前輪操舵装置８を構成するステアリングシャフト９およびステアリングハンドルバー１０が設けられ、前輪６Ｌ，６Ｒはステアリングハンドルバー１０によりステアリングシャフト９を介して左右に操舵される。
【００１５】
一方、車体フレーム２の後部左右には駆動輪であって、一対の幅広低圧バルーンタイヤ付車輪である後輪１１Ｌ，１１Ｒが配置され、これらの後輪１１Ｌ，１１Ｒは車体フレーム２に後輪懸架装置１２により上下方向に揺動自在に支持される。
【００１６】
車体カバー３の両側部には前後輪６Ｌ，６Ｒ，１１Ｌ，１１Ｒを覆うフェンダ１３Ｆ，１３Ｒが配置される。車体カバー３の前側部には前輪６Ｌ，６Ｒを覆うように左右一対のフロントフェンダ１３Ｆが、そして後側部には後輪１１Ｌ，１１Ｒを覆うように左右一対のリヤフェンダ１３Ｒがそれぞれ車体カバー３と一体または一体的に形成される。また、フロントフェンダ１３Ｆとリヤフェンダ１３Ｒとの間にはフットレスト１４が取り付けられる。
【００１７】
図２は、車体カバー３を取り外した状態の電動式不整地走行四輪車１の右側面図である。また、図３は車体カバー３を取り外した状態の電動式不整地走行四輪車１の平面図である。さらに、図４は車体カバー３を取り外した状態の電動式不整地走行四輪車１の後面図である。
【００１８】
図１〜図４に示すように、この車両１の車体フレーム２は例えば前後に延びる左右一対のパイプ状メインフレーム２ａ，２ａ間に複数本のブリッジ部材２ｂを架設した梯子状のものである。
【００１９】
車体フレーム２の後方寄りには電動モータ１５が配置される。電動モータ１５は図示しないその出力軸が車両１の幅方向に延びるよう、横置きに配置される。また、電動モータ１５の一端にはギヤケース１６が接続され、このギヤケース１６は後方に向かって延びる。このギヤケース１６は前記後輪懸架装置１２を兼ねており、電動モータ１５側端部が車体フレーム２に枢着されると共に、自由端部がショックアブソーバ１７を介して車体フレーム２に弾性的に支持される。そして、ギヤケース１６の後部には車両１の幅方向に延びる後輪車軸１８が設けられ、この後輪車軸１８の両端に前記後輪１１Ｌ，１１Ｒが取り付けられる。
【００２０】
さらに、図４に詳細に示すように、電動モータ１５は後輪車軸１８の中心より上方に配置されると共に、ギヤケース１６の下方には板状の保護部材であるアンダーガード１９が配置される。
【００２１】
図３に示すように、平面視で、車両１の幅方向一側、例えば左側に前後に配置された車輪６Ｌ，１１Ｌの内側を結ぶ線２０と、車両１の幅方向他側、例えば右側に前後に配置された車輪６Ｒ，１１Ｒの内側を結ぶ線２１と、前輪車軸５と、後輪車軸１８とによって囲まれて形成される空間Ｓには電動モータ１５に電力を供給する複数個のバッテリ２２と、外部電源をこのバッテリ２２に充電する充電器２３と、バッテリ２２から電動モータ１５に流れる電流を制御するコントローラ２４とが配置され、その周囲は前記車体カバー３によって覆われる。また、前記フットレスト１４はバッテリ２２の左右両側、且つ前輪６Ｌ，６Ｒと後輪１１Ｌ，１１Ｒとの間に配置される。
【００２２】
バッテリ２２は車体フレーム２の略中央部分に前後方向に並設されると共に、これらのバッテリ２２の上面に充電器２３が載置される。そして、コントローラ２４は車両１の前側、例えば左右の前輪６Ｌ，６Ｒの間で、車両１の中央部分に配設されたバッテリ２２の前面に配置される。
【００２３】
一方、例えばステアリングハンドルバー１０中央部のステアリングシャフト９への取付部近傍には前方に向かって延びるインジケータパネル２５が設けられる。このインジケータパネル２５には、詳細には図示しないが、メインスイッチやリバースレバー（電動モータ１５逆転用）、速度設定レバー等の制御装置や指示灯などが設けられる。また、ステアリングハンドルバー１０の例えば右端部にはスロットルレバー２６が、左端部にはブレーキレバー２７がそれぞれ配置される。
【００２４】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【００２５】
平面視で、車両１の幅方向一側に前後に配置された車輪６Ｌ，１１Ｌの内側を結ぶ線２０と、車両１の幅方向他側に前後に配置された車輪６Ｒ，１１Ｒの内側を結ぶ線２１と、前輪車軸５と、後輪車軸１８とによって囲まれて形成される空間Ｓに、上記電動モータ１５に電力を供給するバッテリ２２と、上記バッテリ２２から上記電動モータ１５に流れる電流を制御するコントローラ２４とを配置する構造であって、上記バッテリ２２は、複数個のバッテリ２２を上記跨座式運転シート４の下方で、且つ上記前輪６Ｌ、６Ｒを覆うフロントフェンダ１３Ｆと上記後輪１１Ｌ、１１Ｒを覆うリヤフェンダ１３Ｒとの間に取り付けた左右のフットレスト１４、１４間の上記車両１の略中央部分に前後方向に並べて配設し、上記コントローラ２４は、左右の前輪６Ｌ，６Ｒの間で、上記車両１の略中央部分に配設された上記複数個のバッテリ２２の内、最も前側のバッテリ２２の前面に配置すれば、重量の嵩む主用部品が車両１の中央部分に集中配置できるので、車両１の安定性、操縦性が向上すると共に、車体カバー３で覆い易くなり、防水性が高まる。また、主用部品の集中配置により各部品間に配索される図示しない結線ハーネス長の短縮化が図られ、電流のロスが低減してバッテリ２２の寿命が長くなる。
【００２６】
さらに、複数個のバッテリ２２を上記跨座式運転シート４の下方で、且つ上記前輪６Ｌ、６Ｒを覆うフロントフェンダ１３Ｆと上記後輪１１Ｌ、１１Ｒを覆うリヤフェンダ１３Ｒとの間に取り付けた左右のフットレスト１４、１４間の上記車両１の略中央部分に前後方向に並べて配設したことにより、車両１中央部分の車体フレーム２幅を狭くでき、車両１重量が低減して車両１の走行性、操縦性が向上すると共に、操縦者が乗車しやすくなる。
【００２７】
さらにまた、上記電動モータ１５は、前側端部が車体フレーム２に枢着されて後方に向かって延びて自由側端部に後輪車軸１８を設けると共にショックアブソーバ１７を介して車体フレーム２に弾性的に支持されて後輪懸架装置１２を兼ねるギヤケース１６に接続し、且つこの電動モータ１５を後輪車軸１８の中心より前上方に配置すると共に、ギヤケースの１６下方に板状の保護部材であるアンダーガード１９を配置したことにより、路面の障害物から電動モータ１５およびギヤケース１６を保護でき、悪路走行性が向上する。
【００２８】
そして、コントローラ２４は、左右の前輪６Ｌ，６Ｒの間で、上記車両１の略中央部分に配設された上記複数個のバッテリ２２の内、最も前側のバッテリ２２の前面に配置したことにより、発熱体であるコントローラ２４を走行風によって積極的に冷却できる。その結果、コントローラ２４の性能を安定維持できる。
【００２９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電動式不整地走行四輪車によれば、車両の安定性、操縦性が向上すると共に、防水性が高まり、さらにバッテリの寿命も長くなる。
【００３０】
また、車両重量が低減して車両の走行性、操縦性が向上すると共に、操縦者が乗車しやすくなり、さらに悪路走行性が向上する。そして、コントローラの性能を安定維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る電動式不整地走行四輪車の一実施形態を示す右側面図。
【図２】車体カバーを取り外した状態の電動式不整地走行四輪車の右側面図。
【図３】車体カバーを取り外した状態の電動式不整地走行四輪車の平面図。
【図４】車体カバーを取り外した状態の電動式不整地走行四輪車の後面図。
【符号の説明】
１ 電動式不整地走行四輪車（車両）
２ 車体フレーム
３ 車体カバー
４ 運転シート
５ 前輪車軸
６Ｌ，６Ｒ 幅広低圧バルーンタイヤ付前輪（車輪）
１１Ｌ，１１Ｒ 幅広低圧バルーンタイヤ付後輪（車輪）
１５ 電動モータ
１６ ギヤケース
１８ 後輪車軸
１９ アンダーガード（保護部材）
２０，２１ 車輪の内側を結ぶ線
２２ バッテリ
２３ 充電器
２４ コントローラ
Ｓ 空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動式不整地走行四輪車に関する。
【０００２】
【従来の技術】
電動式の四輪車としては、例えば特開２００１−２８７６６５号公報（特許文献１参照）に示すような、車椅子形態のものが知られている。このような車両は、例えば前後輪が二輪づつ有り、前二輪をハンドル等で操舵する構造になっている。また、乗員が腰掛けるシートの下にはバッテリが搭載され、このバッテリを電源として後輪はモータで駆動されるようになっている。
【０００３】
このような電動車両の特徴としては、排気ガスが出ないことや、騒音が低いこと、家庭用の電源からバッテリの充電ができるといったことがあり、上述した車椅子の他にゴルフカートなどにも用いられている。
【０００４】
【特許文献１】
特開２００１−２８７６６５号公報（段落番号［０００３］、図１２および図１３）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、不整地走行用車両などのレジャー性、スポーツ性の高い小型四輪車には電動式の車両が少なく、通常のガソリンエンジンの場合、排気ガスの発生や騒音の発生の他に、ガソリンや潤滑オイルの補給のための外出および補給作業といった手間がかかる。
【０００６】
一方、前記電動車椅子やゴルフカートを単純に不整地走行用車両に改造しても、走行状態や乗車姿勢等が根本的に異なるため、良好な走行性能および操作性能を得がたい。
【０００７】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、良好な走行性能および操作性能を得られる電動式不整地走行四輪車を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電動式不整地走行四輪車は、上述した課題を解決するために、請求項１に記載したように、跨座式の運転シートを備え、車両の前部左右に左右一対の前輪車軸によって回動自在に支持される左右一対の幅広低圧バルーンタイヤ付車輪を配置すると共に、上記車両の後部左右に一対の幅広低圧バルーンタイヤ付車輪を配置する一方、電動モータに接続されるギヤケースから延びる後輪車軸によって上記車輪を駆動する電動式不整地走行四輪車において、平面視で、上記車両の幅方向一側に前後に配置された上記車輪の内側を結ぶ線と、上記車両の幅方向他側に前後に配置された上記車輪の内側を結ぶ線と、上記前輪車軸と、上記後輪車軸とによって囲まれて形成される空間に、上記電動モータに電力を供給するバッテリと、上記バッテリから上記電動モータに流れる電流を制御するコントローラとを配置する構造であって、上記バッテリは、複数個のバッテリを上記跨座式運転シートの下方で、且つ上記前輪を覆うフロントフェンダと上記後輪を覆うリヤフェンダとの間に取り付けた左右のフットレスト間の上記車両の略中央部分に前後方向に並べて配設し、上記コントローラは、左右の前輪の間で、上記車両の略中央部分に配設された上記複数個のバッテリの内、最も前側のバッテリの前面に配置したものである。
【００１０】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項２に記載したように、上記電動モータは、前側端部が車体フレームに枢着されて後方に向かって延びて自由側端部に後輪車軸を設けると共にショックアブソーバを介して車体フレームに弾性的に支持されて後輪懸架装置を兼ねるギヤケースに接続し、且つこの電動モータを上記後輪車軸の中心より前上方に配置すると共に、上記ギヤケースの下方に保護部材を配置したものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【００１３】
図１は、この発明を適用した電動式不整地走行四輪車の一例を示す右側面図である。図１に示すように、この電動式不整地走行四輪車１（以下、単に「車両」と略す）はその前後方向に延びる車体フレーム２を有する。また、車体フレーム２の上部および側部は一体または別体の、例えば合成樹脂製の車体カバー３で覆われる。さらに、車体カバー３の上部後ろ寄りには跨座式の運転シート４が設けられる。
【００１４】
車体フレーム２の前部左右には左右一対の前輪車軸５によって回動自在に支持される左右一対の幅広低圧バルーンタイヤ付車輪である前輪６Ｌ，６Ｒが配置され、これらの前輪６Ｌ，６Ｒは前輪懸架装置７により前輪車軸５と共に車体フレーム２に上下方向に揺動自在に支持される。また、運転シート４の前方には前輪操舵装置８を構成するステアリングシャフト９およびステアリングハンドルバー１０が設けられ、前輪６Ｌ，６Ｒはステアリングハンドルバー１０によりステアリングシャフト９を介して左右に操舵される。
【００１５】
一方、車体フレーム２の後部左右には駆動輪であって、一対の幅広低圧バルーンタイヤ付車輪である後輪１１Ｌ，１１Ｒが配置され、これらの後輪１１Ｌ，１１Ｒは車体フレーム２に後輪懸架装置１２により上下方向に揺動自在に支持される。
【００１６】
車体カバー３の両側部には前後輪６Ｌ，６Ｒ，１１Ｌ，１１Ｒを覆うフェンダ１３Ｆ，１３Ｒが配置される。車体カバー３の前側部には前輪６Ｌ，６Ｒを覆うように左右一対のフロントフェンダ１３Ｆが、そして後側部には後輪１１Ｌ，１１Ｒを覆うように左右一対のリヤフェンダ１３Ｒがそれぞれ車体カバー３と一体または一体的に形成される。また、フロントフェンダ１３Ｆとリヤフェンダ１３Ｒとの間にはフットレスト１４が取り付けられる。
【００１７】
図２は、車体カバー３を取り外した状態の電動式不整地走行四輪車１の右側面図である。また、図３は車体カバー３を取り外した状態の電動式不整地走行四輪車１の平面図である。さらに、図４は車体カバー３を取り外した状態の電動式不整地走行四輪車１の後面図である。
【００１８】
図１〜図４に示すように、この車両１の車体フレーム２は例えば前後に延びる左右一対のパイプ状メインフレーム２ａ，２ａ間に複数本のブリッジ部材２ｂを架設した梯子状のものである。
【００１９】
車体フレーム２の後方寄りには電動モータ１５が配置される。電動モータ１５は図示しないその出力軸が車両１の幅方向に延びるよう、横置きに配置される。また、電動モータ１５の一端にはギヤケース１６が接続され、このギヤケース１６は後方に向かって延びる。このギヤケース１６は前記後輪懸架装置１２を兼ねており、電動モータ１５側端部が車体フレーム２に枢着されると共に、自由端部がショックアブソーバ１７を介して車体フレーム２に弾性的に支持される。そして、ギヤケース１６の後部には車両１の幅方向に延びる後輪車軸１８が設けられ、この後輪車軸１８の両端に前記後輪１１Ｌ，１１Ｒが取り付けられる。
【００２０】
さらに、図４に詳細に示すように、電動モータ１５は後輪車軸１８の中心より上方に配置されると共に、ギヤケース１６の下方には板状の保護部材であるアンダーガード１９が配置される。
【００２１】
図３に示すように、平面視で、車両１の幅方向一側、例えば左側に前後に配置された車輪６Ｌ，１１Ｌの内側を結ぶ線２０と、車両１の幅方向他側、例えば右側に前後に配置された車輪６Ｒ，１１Ｒの内側を結ぶ線２１と、前輪車軸５と、後輪車軸１８とによって囲まれて形成される空間Ｓには電動モータ１５に電力を供給する複数個のバッテリ２２と、外部電源をこのバッテリ２２に充電する充電器２３と、バッテリ２２から電動モータ１５に流れる電流を制御するコントローラ２４とが配置され、その周囲は前記車体カバー３によって覆われる。また、前記フットレスト１４はバッテリ２２の左右両側、且つ前輪６Ｌ，６Ｒと後輪１１Ｌ，１１Ｒとの間に配置される。
【００２２】
バッテリ２２は車体フレーム２の略中央部分に前後方向に並設されると共に、これらのバッテリ２２の上面に充電器２３が載置される。そして、コントローラ２４は車両１の前側、例えば左右の前輪６Ｌ，６Ｒの間で、車両１の中央部分に配設されたバッテリ２２の前面に配置される。
【００２３】
一方、例えばステアリングハンドルバー１０中央部のステアリングシャフト９への取付部近傍には前方に向かって延びるインジケータパネル２５が設けられる。このインジケータパネル２５には、詳細には図示しないが、メインスイッチやリバースレバー（電動モータ１５逆転用）、速度設定レバー等の制御装置や指示灯などが設けられる。また、ステアリングハンドルバー１０の例えば右端部にはスロットルレバー２６が、左端部にはブレーキレバー２７がそれぞれ配置される。
【００２４】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【００２５】
平面視で、車両１の幅方向一側に前後に配置された車輪６Ｌ，１１Ｌの内側を結ぶ線２０と、車両１の幅方向他側に前後に配置された車輪６Ｒ，１１Ｒの内側を結ぶ線２１と、前輪車軸５と、後輪車軸１８とによって囲まれて形成される空間Ｓに、上記電動モータ１５に電力を供給するバッテリ２２と、上記バッテリ２２から上記電動モータ１５に流れる電流を制御するコントローラ２４とを配置する構造であって、上記バッテリ２２は、複数個のバッテリ２２を上記跨座式運転シート４の下方で、且つ上記前輪６Ｌ、６Ｒを覆うフロントフェンダ１３Ｆと上記後輪１１Ｌ、１１Ｒを覆うリヤフェンダ１３Ｒとの間に取り付けた左右のフットレスト１４、１４間の上記車両１の略中央部分に前後方向に並べて配設し、上記コントローラ２４は、左右の前輪６Ｌ，６Ｒの間で、上記車両１の略中央部分に配設された上記複数個のバッテリ２２の内、最も前側のバッテリ２２の前面に配置すれば、重量の嵩む主用部品が車両１の中央部分に集中配置できるので、車両１の安定性、操縦性が向上すると共に、車体カバー３で覆い易くなり、防水性が高まる。また、主用部品の集中配置により各部品間に配索される図示しない結線ハーネス長の短縮化が図られ、電流のロスが低減してバッテリ２２の寿命が長くなる。
【００２６】
さらに、複数個のバッテリ２２を上記跨座式運転シート４の下方で、且つ上記前輪６Ｌ、６Ｒを覆うフロントフェンダ１３Ｆと上記後輪１１Ｌ、１１Ｒを覆うリヤフェンダ１３Ｒとの間に取り付けた左右のフットレスト１４、１４間の上記車両１の略中央部分に前後方向に並べて配設したことにより、車両１中央部分の車体フレーム２幅を狭くでき、車両１重量が低減して車両１の走行性、操縦性が向上すると共に、操縦者が乗車しやすくなる。
【００２７】
さらにまた、上記電動モータ１５は、前側端部が車体フレーム２に枢着されて後方に向かって延びて自由側端部に後輪車軸１８を設けると共にショックアブソーバ１７を介して車体フレーム２に弾性的に支持されて後輪懸架装置１２を兼ねるギヤケース１６に接続し、且つこの電動モータ１５を後輪車軸１８の中心より前上方に配置すると共に、ギヤケースの１６下方に板状の保護部材であるアンダーガード１９を配置したことにより、路面の障害物から電動モータ１５およびギヤケース１６を保護でき、悪路走行性が向上する。
【００２８】
そして、コントローラ２４は、左右の前輪６Ｌ，６Ｒの間で、上記車両１の略中央部分に配設された上記複数個のバッテリ２２の内、最も前側のバッテリ２２の前面に配置したことにより、発熱体であるコントローラ２４を走行風によって積極的に冷却できる。その結果、コントローラ２４の性能を安定維持できる。
【００２９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電動式不整地走行四輪車によれば、車両の安定性、操縦性が向上すると共に、防水性が高まり、さらにバッテリの寿命も長くなる。
【００３０】
また、車両重量が低減して車両の走行性、操縦性が向上すると共に、操縦者が乗車しやすくなり、さらに悪路走行性が向上する。そして、コントローラの性能を安定維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る電動式不整地走行四輪車の一実施形態を示す右側面図。
【図２】車体カバーを取り外した状態の電動式不整地走行四輪車の右側面図。
【図３】車体カバーを取り外した状態の電動式不整地走行四輪車の平面図。
【図４】車体カバーを取り外した状態の電動式不整地走行四輪車の後面図。
【符号の説明】
１ 電動式不整地走行四輪車（車両）
２ 車体フレーム
３ 車体カバー
４ 運転シート
５ 前輪車軸
６Ｌ，６Ｒ 幅広低圧バルーンタイヤ付前輪（車輪）
１１Ｌ，１１Ｒ 幅広低圧バルーンタイヤ付後輪（車輪）
１５ 電動モータ
１６ ギヤケース
１８ 後輪車軸
１９ アンダーガード（保護部材）
２０，２１ 車輪の内側を結ぶ線
２２ バッテリ
２３ 充電器
２４ コントローラ
Ｓ 空間
Claims (2)
- 跨座式の運転シートを備え、車両の前部左右に左右一対の前輪車軸によって回動自在に支持される左右一対の幅広低圧バルーンタイヤ付車輪を配置すると共に、上記車両の後部左右に一対の幅広低圧バルーンタイヤ付車輪を配置する一方、電動モータに接続されるギヤケースから延びる後輪車軸によって上記車輪を駆動する電動式不整地走行四輪車において、平面視で、上記車両の幅方向一側に前後に配置された上記車輪の内側を結ぶ線と、上記車両の幅方向他側に前後に配置された上記車輪の内側を結ぶ線と、上記前輪車軸と、上記後輪車軸とによって囲まれて形成される空間に、上記電動モータに電力を供給するバッテリと、上記バッテリから上記電動モータに流れる電流を制御するコントローラとを配置する構造であって、上記バッテリは、複数個のバッテリを上記跨座式運転シートの下方で、且つ上記前輪を覆うフロントフェンダと上記後輪を覆うリヤフェンダとの間に取り付けた左右のフットレスト間の上記車両の略中央部分に前後方向に並べて配設し、上記コントローラは、左右の前輪の間で、上記車両の略中央部分に配設された上記複数個のバッテリの内、最も前側のバッテリの前面に配置したことを特徴とする電動式不整地走行四輪車。
- 上記電動モータは、前側端部が車体フレームに枢着されて後方に向かって延びて自由側端部に後輪車軸を設けると共にショックアブソーバを介して車体フレームに弾性的に支持されて後輪懸架装置を兼ねるギヤケースに接続し、且つこの電動モータを上記後輪車軸の中心より前上方に配置すると共に、上記ギヤケースの下方に保護部材を配置した請求項１記載の電動式不整地走行四輪車。
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