JP4211419B2 - 積層型圧電体素子 - Google Patents

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,主として自動車用インジェクタ等の駆動源として使用できると共に一般的な圧電アクチュエータに使用できる積層型圧電体素子に関する。
【0002】
【従来技術】
自動車用インジェクタの駆動源として圧電アクチュエータを用いることがある。
圧電アクチュエータを構成する積層型圧電体素子は,印加電圧に応じて伸張する複数の圧電層と印加電圧供給用の内部電極層とを交互に積層してなる積層体と,該積層体の外周側面に設けた,圧電層を介して隣接する内部電極層が異なる極となるように交互に電気的に導通した一対の側面電極層とからなる。
近年,低電圧で大きな変位を得るために,圧電層の厚みを20〜200μm,内部電極層を1〜3μmとして,これらを交互に500〜700枚積層した積層型圧電体素子がよく利用されている。
【0003】
上記側面電極層は,積層体にめっきをする,蒸着による薄膜形成の方法などから形成することができるが,製造コストと製造工程の簡便性の観点から,電極材料を含むペースト材料を積層体にスクリーン印刷などによってパターニング形成し,その後積層体ごと焼成する方法が普及している。
【0004】
上記ペースト材料における電極材料は,多くの内部電極層が銀パラジウムからなる現状を踏まえて,内部電極層との接合性向上を狙って銀を主体とする材料が広く利用されている。
銀主体の材料以外を用いた場合は,側面電極層と内部電極層の銀パラジウムとの間に銀の拡散による高抵抗層が形成され,側面電極層と内部電極層との間の絶縁抵抗が高くなり,両者間の電気的導通が悪化するおそれがある。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−331866号公報
【0006】
【解決しようとする課題】
ところで,積層型圧電体素子を自動車インジェクタの駆動源として利用する場合,高温高印加電圧という厳しい環境下における長期の信頼性を上記積層型圧電体素子に対して保証する必要がある。
しかしながら,積層型圧電体素子作動時の変位から生じる応力により,長期にわたって積層型圧電体素子の作動を繰り返した場合,側面電極層に亀裂や剥離が発生して断線し,積層型圧電体素子が動作不能となることがあった。
特に銀を主体とした材料により形成した側面電極層は高硬度であるため,非銀主体材料よりも亀裂や剥離が生じやすかった。
【0007】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,長期耐久性に優れた積層型圧電体素子を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
第1の発明は,印加電圧に応じて伸張する複数の圧電層と印加電圧供給用の内部電極層とを交互に積層してなる積層体と,該積層体の外周側面に,圧電層を介して隣接する内部電極層が異なる極となるように交互に電気的に導通した一対の側面電極層を設けてなる積層型圧電体素子において,
上記側面電極層は,電極材料,バインダー,結晶化ガラスを含有するペースト材料を焼結して形成してなると共に,上記ペースト材料において,上記電極材料100重量部に対し上記結晶化ガラスは2〜20重量部添加してなり,
上記側面電極層の面積10000平方μmの任意の領域において,長径が1μm〜50μmである気孔による気孔率が15〜50%であり,
かつ上記側面電極層の10000平方μmの任意の領域において,長径が1μm〜50μmである気孔の数は100〜6000個であることを特徴とする積層型圧電体素子にある(請求項1)。
【0009】
本発明の作用効果につき説明する。
本発明にかかる側面電極層は気孔率や気孔の数が上述した範囲内にある。
このような側面電極層は,硬度が小さく,柔らかい。そのため,積層型圧電体素子作動時の圧電層の伸張に側面電極層が追随できるため,側面電極層に無理な力が加わり難くなる。すなわち,圧電層の伸張に伴う側面電極層に生じる応力が小さくなる。従って,長期使用時に側面電極層に剥離,割れ,ひび,クラックなどが生じ難い。
【0010】
以上,本発明によれば,長期耐久性に優れた積層型圧電体素子を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる側面電極層の10000平方μmの任意の領域とは,側面電極層の表面や任意の角度において切断して得た断面上で確保できる領域である。
たとえば走査型電子顕微鏡による撮影画像において,気孔の部分は黒く,側面電極層を構成する銀やパラジウム粒子などの電極材料の部分は白粒が観察できる。コンピューターによる画像処理などを利用すれば,上記黒い領域を測定し,気孔率や所定の長径を有する気孔を数えることができる。
【0012】
また,本発明にかかる気孔は長径1〜50μmを有する。
この長径は,『上記領域に露出する気孔の輪郭線で囲まれた図形における長径』である。後述する図6に記載した気孔314の輪郭線3140によって囲まれた図形においてもっとも径の長い部分を気孔の長径とする。
仮にこの長径が1μm未満である気孔は微小すぎて側面電極層の強度に影響を与え難く,50μmより大きな気孔が存在すると10000平方μmの領域で気孔率が50%越えてしまい,局所的に側面電極層の強度が大幅に低下するおそれがあり,そこを起点にクラックなどが発生するそれがある。
【0013】
また,気孔率が10%未満である場合,気孔の数が100個未満である場合は側面電極層の硬度が高すぎて,圧電層の伸張に側面電極層が追随し難く,長期使用時の耐久性が低下するおそれがある。気孔率が50%が越えた場合,気孔の数が6000個を越えた場合は,局所的に側面電極層の強度が大幅に低下するおそれがあり,そこを起点にクラックなどが発生するそれがある。
【0014】
また,本発明にかかる積層型圧電体素子における圧電層はPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)などからなる誘電体,内部電極層は銀パラジウムを含む電極より構成することが好ましい。
また,内部電極層は,圧電層に対し全面に設けることができる他,部分電極構成を採ることもできる(実施例1,図3,図4)。
【0015】
また,上記側面電極層は,電極材料,バインダー,結晶化ガラスを含有するペースト材料を焼結して形成してなり,
かつ上記ペースト材料において,上記電極材料100重量部に対し上記結晶化ガラスは2〜20重量部添加してなる。
非晶質ガラスは軟化点以上の温度において粘度が著しく低下し,軟化してしまうが,結晶化ガラスの粘度低下はそれほど大きくない。そのため,分散した金属粒子の焼結緻密化を阻害して,気孔の多いポーラスな側面電極層を得ることができる。従って,上述した範囲で結晶化ガラスを含んだペースト材料を用いることで,本発明にかかる大きさの気孔や気孔率,個数を備えた側面電極層を得ることができる。
【0016】
上記結晶化ガラスについて説明する。
結晶化ガラスとは,ガラスに含まれる成分のうち一部が結晶として析出した状態にあるガラス材料である。結晶化した割合を結晶率という。
本発明では結晶化率が10〜60%の結晶化ガラスを使用することが好ましい。
結晶化率が10%未満である結晶化ガラスは軟化点以上での粘度の低下があまり大きくなくて本発明にかかる効果を得られないおそれがある。結晶化率が60%を越えた場合は,焼結が阻害されすぎて,側面電極層の強度低下が大きくなるおそれがある。また,側面電極層全体に気孔が増えすぎた結果,導電性が低下して,内部電極層への電気的導通に支障をきたすおそれがある。
【0017】
また,上記ペースト材料は,結晶化ガラスと電極材料である銀やパラジウム等の導電性粉末の他に,有機溶媒や有機バインダー,共材としての各種セラミック材料,圧電材料等を含むことができる。
【0018】
次に,上記結晶化ガラスはSiO2−Bi23−CuO−MnO2,PbO−ZnO−B23,PbO−BaO−SiO3より選ばれるいずれか1種以上を含有する材料からなることが好ましい(請求項2)。
これらの材料は,軟化温度が650℃〜850℃の範囲にあり,かつ軟化温度以上の温度においても急激な粘度低下がおこらないため,約850℃で側面電極層を焼成して形成する際に分散した金属粒子の焼結緻密化を効率よく阻害することができ,本発明にかかる気孔を備えた側面電極層を容易に得ることができる。
【0019】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明にかかる積層型圧電体素子について,図1〜図6を用いて説明する。
本例の積層型圧電体素子1は,図1に示すごとく,印加電圧に応じて伸張する複数の圧電層11と印加電圧供給用の内部電極層21,22とを交互に積層してなる積層体10と,該積層体10の外周側面に,圧電層11を介して隣接する内部電極層21,22が異なる極となるように交互に電気的に導通した一対の側面電極層31,32を設けてなる。
【0020】
そして,上記側面電極層31,32の面積10000平方μmの任意の領域において,長径が1μm〜50μmである気孔による気孔率が15〜50%であり,かつ上記側面電極層の10000平方μmの任意の領域において,長径が1μm〜50μmである気孔の数は100〜6000個である。
【0021】
以下,詳細に説明する。
本例の積層型圧電体素子1において,図1,図2に示すごとく,圧電層11の層間に内部電極層21,22が交互に存在し,一方の内部電極層21は積層体10の側面101に露出して,他方の内部電極層22は他方の側面102に露出する。そして,上記側面101,102に露出した内部電極層21,22の端部をそれぞれ導通させるように側面電極層31,32が設けてある。
すなわち,側面電極層31は内部電極層21が露出している位置に形成し,各内部電極層21間の導通をとる。側面電極層32は,他の内部電極層22が露出している位置に形成し,各内部電極層22間の導通をとる。
【0022】
また,図2に示すごとく,積層方向の中央部分が駆動部111,これを挟持する両端がバッファ部112,該バッファ部112の両端がダミー部113である。さらに,ダミー部113の両端が絶縁板315,325である。駆動部111は電圧を印加することで圧電層11,12が伸張する箇所,バッファ部112は駆動部111より伸張が少なく,動かない積層型圧電体素子1の両端のダミー部113に対する応力を緩和する箇所,ダミー部113は電圧を印加しても動かない箇所,絶縁板315,325において積層型圧電体素子1と外部との間の絶縁を確保する。
図示は省略したが,側面電極層31,32に外部電源接続用のリード線が,また側面電極層31,32を含んだ積層型圧電体素子1の外周側面全体に絶縁皮膜を設ける。
【0023】
また,本例にかかる積層型圧電体素子1は部分電極構成である。
すなわち,ある圧電層11に内部電極層21が図3に示すよう設けてあり,図面右側において内部電極層21の端部は外部に露出し,図面左側は内部電極層21に覆われていない控え部119が形成される。図4に示すように,右側に控え部109,左側において内部電極層22の端部が外部に露出する圧電層11もある。上記内部電極層21を設けた圧電層11と内部電極層22を設けた圧電層11を,図5に示すように交互に積層することで,本例にかかる積層型圧電体素子1となる。
【0024】
本例の積層型圧電体素子1の製造方法と詳細構造について説明する。
本例の積層型圧電体素子1は広く用いられているグリーンシート法を用いて製造する。まず,圧電材料の主原料となる酸化鉛,酸化ジルコニウム,酸化チタン,酸化ニオブ,炭酸ストロンチウム等の粉末を所望の組成となるように秤量する。これを混合機にて乾式混合し,その後仮焼する。
【0025】
次いで,仮焼粉に純水,分散剤を加えてスラリーとし,パールミルにより湿式粉砕する。この粉砕物を乾燥,粉脱脂した後,溶剤,バインダー,可塑剤,分散剤等を加えてボールミルにより混合する。その後,このスラリーを真空装置内で攪拌機により攪拌しながら真空脱泡,粘度調整をする。
次いで,スラリーをドクターブレード装置により一定厚みのグリーンシートに成形し,該グリーンシートはプレス機で打ち抜くか,切断機により切断し,所定の大きさの矩形体に成形する。グリーンシートは駆動部,バッファ部およびダミー部で共通のものを使用する。
【0026】
次いで,銀/パラジウム=7/3の重量比からなる銀・パラジウムを含んだペースト材料により,矩形体の一方の表面に内部電極層用のパターンをスクリーン印刷成形する。スクリーン印刷時のパターンは図3,図4に示すごとく,部分電極構成となるように控え部を残して形成する。
このような矩形体を,駆動部111,バッファ部112の変位量要求仕様に基づいて所定の積層枚数分用意する。また,バッファ部112,ダミー部113用の内部電極層31,32を印刷していない矩形体も必要枚数準備する。
【0027】
次いで,これらの矩形体を積層する。図5は,実質的に積層型圧電体素子1の駆動部111の状態を示しているが,矩形体の積層もこのような状態となる。
そして,中央の駆動部111となる部分は,上記内部電極層21となるパターンを形成した矩形体のみを積層し,バッファ部112においてパターンを形成した矩形体にパターンを形成していない矩形体を介在させて積層し,ダミー部113においてはパターンを形成していない矩形体のみを積層する。これにより,図1に示す構造の未焼積層体を得ることができる。
次いで,温水ラバープレス等による熱圧着後,電気炉により400〜700℃のもとで脱脂し,900〜1200℃のもとで焼成し,積層体10とした。
【0028】
次いで,積層体10の側面に側面電極層31,32を形成する過程について説明する。
電極材料,結晶化ガラス,有機溶剤及び樹脂バインダーを加え,3本ロールミルにより混練して,側面電極層用のペースト材料を作製した。
上記電極材料としては粒径0.1〜10μmの銀粉末,粒径0.01〜10μmのパラジウム粉末との混合粉を使用した。
混合粉の他に,予め銀とパラジウムとを合金化した合金粉末や銀とパラジウムを同時に液層析出させ,混合分散を良好な状態にした共沈粉末などがあるが,いずれの粉末を用いても差し支えない。
なお,側面電極層の焼成の際に,銀とパラジウムは合金化する。
【0029】
そして,上記電極材料100重量部に対し,結晶化ガラスであるPbO−ZnO−B23,PbO−BaO−Si23,SiO2−Bi23−CuO−MnO2等を2〜20重量部添加し,有機溶剤である(ブチルカルビトール,ブチルカルビトールアセテート,ターピネオール),樹脂バインダーである(エチルセルロース)をそれぞれ5〜30重量部,1〜10重量部添加してペースト材料を得た。このペースト材料を上記積層体にスクリーン印刷法を用いてパターン形成,乾燥した後,大気雰囲気中で最高温度600〜850℃で焼成した。
なお,上記有機溶剤,樹脂バインダーは圧膜印刷特性および積層時の密着性を維持するために添加しており,印刷性,密着性が確保される材料構成,添加量であればよく,従って,上記実施例は本特許を限定するものではない。
【0030】
焼成を終えた後は,絶縁油中に浸漬し側面電極層31,32から内部電極層21,22間に直流電圧を印加して圧電層11を分極し,両端面に絶縁板315,325を設けて,積層型圧電体素子1とした。
【0031】
以上の製造方法から作製した積層型圧電体素子1において,内部電極層21の端部が露出した側面101と側面電極層31との接合部分について,図6を用いて説明する。
側面電極層31と積層体10の側面101との間にペースト材料に含まれた結晶化ガラスが溶融して移動して薄層310を形成する。
また,側面電極層31は,銀パラジウムの合金の結晶粒子312の間に,薄層310を形成した残りの結晶化ガラスによるガラス相313と気孔314とが存在する。なお,気孔314の輪郭が符号3140である。
このような組織の状態は,走査型電子顕微鏡等で,積層型圧電体素子1の断面を撮影した写真等より観察することができる。
【0032】
そして,本例の製造方法において,電極材料を上述した銀とパラジウムの混合粉,結晶化ガラスをPbO−ZnO−B23として,電極材料100重量部に対し結晶化ガラスを10重量部添加して作製したペースト材料により側面電極層31を形成した。
この側面電極層31の走査型顕微鏡による断面写真を撮影し,コンピューターによる画像処理から調べた結果,面積10000平方μmの任意の領域において長径が1μm〜50μmである気孔による気孔率は21%,気孔数は225個であった(後述する実施例2における試料3)。
【0033】
このように,本例にかかる積層型圧電体素子1における側面電極層31は,面積10000平方μmの任意の領域において,長径が1μm〜50μmである気孔による気孔率が15〜50%であり,気孔の数は100〜6000個である。
上記側面電極層31は,硬度が小さく,柔らかい(実施例2参照)。そのため,積層型圧電体素子1の作動時の圧電層11の伸張に側面電極層31,32が追随できるため,側面電極層31,32に無理な力が加わり難くなる。すなわち,側面電極層31,32に圧電層11の伸張に伴う発生応力が小さくなる。従って,側面電極層31,32に剥離,割れ,ひびなどが生じ難く,長期使用時の耐久性に優れている(実施例2参照)。
以上,本例によれば,長期耐久性に優れた積層型圧電体素子1を提供することができる。
【0034】
(実施例2)
本発明にかかる積層型圧電体素子の性能について比較例と共に説明する。
本発明及び比較例にかかる表1に記載した試料1〜11の積層型圧電体素子1は実施例1に示した構成で,本発明にかかる試料はガラス成分として結晶化ガラスを使用して側面電極層用のペースト材料を作製する。比較例にかかる試料では非晶質ガラスを使用する。
表1に示すごとく,電極材料は銀とパラジウムの粉末を混合したものであるが,試料10や11は銀粉末のみとした。
また,ガラス成分(すなわち非晶質ガラスや結晶化ガラス)の電極材料に対する添加量も試料によって変更した。ガラス成分の種類も変更した。詳細は表1に記載した。
【0035】
なお,PbO−ZnO−B23系結晶化ガラス,PbO−BaO−Si23系結晶化ガラス,SiO2−Bi23−CuO−MnO2系結晶化ガラスにおける結晶化率は,X線回折法により,結晶化した成分の析出ピークの強度を純粋な結晶のピークと相対比較して測定することができ,本例で使用したものはそれぞれ30%,20%,43%であった。
【0036】
このような各試料1〜11を側面電極層を横断する方向で切断し,切断面を走査型電子顕微鏡で撮影し,撮影画像を画像処理して気孔率を測定した。また,気孔の数を測定した。
さらに,側面電極層の硬度を薄膜用超微少硬度計を用いて圧子加重10gで測定した。測定結果を側面電極層硬度とした。
また,各試料について最大印加電圧190V,周波数60Hzの正弦波形の電圧を印加して,常温で圧電層を伸張させた。
その後,側面電極層に2mm四方の金属チップを接着剤で接着し,該金属チップを側面電極層の表面から垂直方向に10mm/分の速度で引っ張った。側面電極層が剥離した際の力を耐久後密着強度とした。また耐久後に側面電極層におけるクラックの有無を肉眼観察で確認した。以上の測定結果をまとめたものが表1である。
【0037】
同表より明らかであるが,結晶化ガラスを含んだペースト材料から作製した側面電極層であっても,結晶化ガラスの添加量が少ない試料1は気孔率が小さく,気孔数も少なく,そしてクラックが発生した。また,ペースト材料として非晶質ガラスを含んだものを用いた試料8,9,10も,同様に,気孔率が小さく,気孔数も少なく,そしてクラックが発生した。これらの試料にかかる側面電極層は,表より明らかであるが,側面電極層の硬度が大きく(つまり硬くて柔軟性に欠ける),耐久後の密着強度がいずれも小さかった。
【0038】
反対に,結晶化ガラスを2〜30重量部の範囲で含んだ試料2〜7,11は結晶化ガラスの種類にかかわらず,いずれも気孔率が大きく,気孔数も多く,そしてクラックが発生しなかった。側面電極層の硬度が大きく,耐久後の密着強度がいずれも大きかった。
【0039】
このように本例によれば,側面電極層の面積10000平方μmの任意の領域において,長径が1μm〜50μmである気孔による気孔率が15〜50%であり,気孔の数は100〜6000個であることで,耐久後にクラックが生じ難い,長期耐久性に優れた積層型圧電体素子となることが分かった。
さらに,上述した積層型圧電体素子を作製するには,側面電極層を作製する際にペースト材料に結晶化ガラスを混ぜることで,実現できることが分かった。
【0040】
【表1】
Figure 0004211419

【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,積層型圧電体素子の斜視図。
【図2】実施例1における,積層型圧電体素子の側面説明図。
【図3】実施例1における,圧電層と内部電極層との位置関係を示す説明図。
【図4】実施例1における,図3にかかる圧電層と隣接する他の圧電層と内部電極層との位置関係を示す説明図。
【図5】実施例1における,圧電層の積層状態に関する説明図。
【図6】実施例1における,内部電極層の端部が露出した側面と側面電極層との接合部分の組織を示す説明図。
【符号の説明】
1...積層型圧電体素子,
11...圧電層,
21,22...内部電極層,
31,32...側面電極層,

Claims (2)

  1. 印加電圧に応じて伸張する複数の圧電層と印加電圧供給用の内部電極層とを交互に積層してなる積層体と,該積層体の外周側面に,圧電層を介して隣接する内部電極層が異なる極となるように交互に電気的に導通した一対の側面電極層を設けてなる積層型圧電体素子において,
    上記側面電極層は,電極材料,バインダー,結晶化ガラスを含有するペースト材料を焼結して形成してなると共に,上記ペースト材料において,上記電極材料100重量部に対し上記結晶化ガラスは2〜20重量部添加してなり,
    上記側面電極層の面積10000平方μmの任意の領域において,長径が1μm〜50μmである気孔による気孔率が15〜50%であり,
    かつ上記側面電極層の10000平方μmの任意の領域において,長径が1μm〜50μmである気孔の数は100〜6000個であることを特徴とする積層型圧電体素子。
  2. 請求項1において,上記結晶化ガラスはSiO 2 −Bi 2 3 −CuO−MnO 2 ,PbO−ZnO−B 2 3 ,PbO−BaO−SiO 3 より選ばれるいずれか1種以上を含有する材料からなることを特徴とする積層型圧電体素子。
JP2003028842A 2003-02-05 2003-02-05 積層型圧電体素子 Expired - Fee Related JP4211419B2 (ja)

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