JP2005286014A - 導電ペースト - Google Patents
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Abstract
【課題】内部電極層にほとんどポアがなく、デラミネーションやクラック等の構造欠陥が起こり難い積層型圧電素子を作製することができる導電ペーストを提供すること。
【解決手段】導電粉と、圧電粉と、有機ビヒクルとからなる導電ペーストである。該導電ペーストは、これを圧電材料からなるグリーンシートに塗布し、該グリーンシートを積層して積層体を作製した後、該積層体を焼成して圧電層11と内部電極層21(22)とを積層してなる積層型圧電体素子1を作製するためのものである。圧電粉は、上記グリーンシートの圧電材料と略同一成分で、かつ上記積層体の焼成温度の40%〜80%の温度で加熱されてなる。
【選択図】図3
【解決手段】導電粉と、圧電粉と、有機ビヒクルとからなる導電ペーストである。該導電ペーストは、これを圧電材料からなるグリーンシートに塗布し、該グリーンシートを積層して積層体を作製した後、該積層体を焼成して圧電層11と内部電極層21(22)とを積層してなる積層型圧電体素子1を作製するためのものである。圧電粉は、上記グリーンシートの圧電材料と略同一成分で、かつ上記積層体の焼成温度の40%〜80%の温度で加熱されてなる。
【選択図】図3
Description
本発明は,例えばインジェクタ等の駆動源として用いられる積層型圧電素子を作製するための導電ペーストに関する。
従来より、PZT系材料等の圧電材料からなる圧電層と、金属等の導電粉からなる内部電極層とを交互に数十層積層してなる積層型圧電素子は、コンデンサや、アクチュエータ等に広く利用されている。
このような積層型圧電素子は、通常下記のようにして製造されている。
このような積層型圧電素子は、通常下記のようにして製造されている。
即ち、まず、PZT等の圧電材料よりなるグリーンシートを準備し、このグリーンシートにスクリーン印刷等にて導電粉を含有する導電ペーストを塗布する。続いて、導電ペーストが塗布されたグリーンシートを積層して、積層体を作製する。さらに、この積層体を脱脂した後、焼成する。これにより、上記グリーンシートは緻密化して圧電層となり、また、上記グリーンシートに塗布された導電ペーストは、内部電極層となる。このようにして、圧電層と内部電極層とが交互に積層されてなる積層型圧電素子を得ることができる。
多くの場合、上記圧電層と上記内部電極層には、その焼結温度、収縮率、熱膨張率に差がある。そのため、焼成後の上記内部電極層を挟む隣り合う2つの圧電層の密着性が不充分となり、上記内部電極層と上記圧電層との間にデラミネーション(層間剥離)が発生するおそれがあった。また、上記積層型圧電素子に電圧を印加し、これにより発生する応力により、デラミネーションやクラックが発生するおそれがあった。
このような問題を回避するために、上記内部電極層にその平面を貫く複数の開口部を設け、該開口部に上記圧電材料を充填する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また、金属粉末と粒径の大きな共材とを含有する導電ペーストを用いて上記内部電極層に上下圧電層を連結する技術が開示されている(特許文献2参照)。このような方法により、上記内部電極層を挟む隣り合う上記圧電層の密着強度を高めることができる。
また、金属粉末と粒径の大きな共材とを含有する導電ペーストを用いて上記内部電極層に上下圧電層を連結する技術が開示されている(特許文献2参照)。このような方法により、上記内部電極層を挟む隣り合う上記圧電層の密着強度を高めることができる。
しかしながら、上記内部電極層に上記開口部を設けた場合には、上記内部電極層を貫く圧電層が部分的に存在することとなる。そのため、上記積層型圧電素子に電圧を印加した際の応力が、開口部を設けずに内部電極層を連続して形成した場合に比べて局所的に発生するというおそれがあった。
また、粒径の大きな共材を含有する導電ペーストを用いた場合には、導電粉と圧電粉の均一分散が困難であり、内部電極中の導電粉と圧電粉の充填性が低下し、焼成後の上記内部電極層において、ポア(気孔、空洞)が発生し易くなる。そのため、上記内部電極層を挟む上記圧電層の密着強度が不充分となり、電圧を印加したときの応力により、デラミネーションやクラック等が発生するおそれがあった。
また、粒径の大きな共材を含有する導電ペーストを用いた場合には、導電粉と圧電粉の均一分散が困難であり、内部電極中の導電粉と圧電粉の充填性が低下し、焼成後の上記内部電極層において、ポア(気孔、空洞)が発生し易くなる。そのため、上記内部電極層を挟む上記圧電層の密着強度が不充分となり、電圧を印加したときの応力により、デラミネーションやクラック等が発生するおそれがあった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、内部電極層にほとんどポアがなく、デラミネーションやクラック等の構造欠陥が起こり難い積層型圧電素子を作製することができる導電ペーストを提供しようとするものである。
第1の発明は、導電粉と、圧電粉と、有機ビヒクルとからなる導電ペーストを、圧電材料からなるグリーンシートに塗布し、該グリーンシートを積層して積層体を作製した後、該積層体を焼成してなる積層型圧電体素子を作製する際に用いる上記導電ペーストであって、
上記圧電粉は、上記グリーンシートの圧電材料と略同一成分で、かつ上記積層体の焼成温度の40%〜80%の温度で加熱されてなることを特徴とする導電ペーストにある(請求項1)。
上記圧電粉は、上記グリーンシートの圧電材料と略同一成分で、かつ上記積層体の焼成温度の40%〜80%の温度で加熱されてなることを特徴とする導電ペーストにある(請求項1)。
上記第1の発明の導電ペーストは、圧電層と内部電極層とを交互に積層してなる積層型圧電素子を作製するためのものである。
上記積層型圧電素子は、上記導電ペーストを圧電材料からなるグリーンシートに塗布し、該グリーンシートを積層して積層体を作製した後、該積層体を焼成して作製することができる。焼成後においては、上記グリーンシートに塗布された上記導電ペーストは上記内部電極層となり、上記グリーンシートは上記圧電層となる。
上記積層型圧電素子は、上記導電ペーストを圧電材料からなるグリーンシートに塗布し、該グリーンシートを積層して積層体を作製した後、該積層体を焼成して作製することができる。焼成後においては、上記グリーンシートに塗布された上記導電ペーストは上記内部電極層となり、上記グリーンシートは上記圧電層となる。
本発明の導電ペーストは、上記積層体の焼成温度の40%〜80%の温度で加熱されてなる上記圧電粉を含有している。
そのため、上記導電ペーストが印刷された上記グリーンシートを積層してなる上記積層体を焼成する際に、上記圧電粉の粒子の体積変化が小さくなる。それ故、焼成後の上記内部電極層においては、上記導電粉の粒子と上記圧電粉の粒子との充填性が高くなり、上記内部電極層にポアが発生することを抑制できる。したがって、上記導電ペーストを用いて作製した上記積層型圧電素子においては、上記内部電極層を挟む上記圧電層の密着強度に優れ、電圧を印加しても、デラミネーションやクラック等が発生し難いものとなる。
そのため、上記導電ペーストが印刷された上記グリーンシートを積層してなる上記積層体を焼成する際に、上記圧電粉の粒子の体積変化が小さくなる。それ故、焼成後の上記内部電極層においては、上記導電粉の粒子と上記圧電粉の粒子との充填性が高くなり、上記内部電極層にポアが発生することを抑制できる。したがって、上記導電ペーストを用いて作製した上記積層型圧電素子においては、上記内部電極層を挟む上記圧電層の密着強度に優れ、電圧を印加しても、デラミネーションやクラック等が発生し難いものとなる。
また、上記導電ペーストは、上記グリーンシートの圧電材料と略同一成分からなる上記圧電粉を含有している。
そのため、焼成時において、上記導電ペースト中に含まれる圧電粉と、上記グリーンシートの圧電材料とが同程度の収縮率で収縮し、焼成特性も略同一のため緻密化する。それ故、焼成後の上記内部電極層と、該内部電極層を挟む隣り合う2つの圧電層とが高い密着強度で接合することができる。したがって、電圧を印加して応力を発生させてもデラミネーションやクラック等が起こり難い積層型圧電素子を得ることができる。
そのため、焼成時において、上記導電ペースト中に含まれる圧電粉と、上記グリーンシートの圧電材料とが同程度の収縮率で収縮し、焼成特性も略同一のため緻密化する。それ故、焼成後の上記内部電極層と、該内部電極層を挟む隣り合う2つの圧電層とが高い密着強度で接合することができる。したがって、電圧を印加して応力を発生させてもデラミネーションやクラック等が起こり難い積層型圧電素子を得ることができる。
また、上記のごとく、上記導電ペーストを用いると、上記内部電極層と、該内部電極層を挟む隣り合う2つの圧電層とが高い密着強度で接合できるため、従来のように、密着強度を高めるために、上記内部電極層にその平面を貫く複数の開口部を設ける必要がない。上記導電ペーストを用いることにより、開口部のない連続した内部電極層を形成しても、上述のごとく高い密着度を発揮できる。そのため、上記積層型圧電素子に電圧を印加したときに、局所的な応力の発生を抑制することが可能になる。
このように、本発明によれば、内部電極層にほとんどポアがなく、デラミネーションやクラック等の構造欠陥が起こり難い積層型圧電素子を作製することができる導電ペーストを提供することができる。
本発明(請求項1)において、上記導電ペーストは、導電粉と、上記圧電材料と略同一成分からなる圧電粉と、有機ビヒクルとを含有する。
上記導電粉としては、例えばAgや、Pd、又はAgとPdとの合金、AgとPdとの混合物(混合比は例えばAg:Pd=7:3)などの粉末を用いることができる。
上記導電粉としては、例えばAgや、Pd、又はAgとPdとの合金、AgとPdとの混合物(混合比は例えばAg:Pd=7:3)などの粉末を用いることができる。
また、上記圧電粉は、上記圧電層の圧電材料と同一組成からものである。
このような圧電粉としては、例えばPZT系材料がある。具体的には、例えば酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、炭酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化マンガン等の粉末を所望の組成で混合し、仮焼したもの等を用いることができる。
このような圧電粉としては、例えばPZT系材料がある。具体的には、例えば酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、炭酸ストロンチウム、酸化イットリウム、酸化マンガン等の粉末を所望の組成で混合し、仮焼したもの等を用いることができる。
また、上記圧電粉は、上記積層体の焼成温度の40%〜80%の温度で加熱されてなる。即ち、上記積層体の焼成温度をT(℃)としたとき、上記圧電粉は、温度0.4T(℃)〜0.8T(℃)で加熱されている。
上記圧電粉の加熱温度が、上記積層体の焼成温度の40%未満の場合には、焼成時における上記圧電粉の収縮が大きくなり、内部電極層にポアが発生しやすくなる。その結果、上記内部電極層と、該内部電極層を挟む上記圧電層との密着強度が不充分となり、デラミネーションやクラックが発生するおそれがある。一方、80%を超える場合には、圧電粉の粒径が増大し、均一性、充填性が低下し、ポアが発生するおそれがある。
上記圧電粉の加熱温度が、上記積層体の焼成温度の40%未満の場合には、焼成時における上記圧電粉の収縮が大きくなり、内部電極層にポアが発生しやすくなる。その結果、上記内部電極層と、該内部電極層を挟む上記圧電層との密着強度が不充分となり、デラミネーションやクラックが発生するおそれがある。一方、80%を超える場合には、圧電粉の粒径が増大し、均一性、充填性が低下し、ポアが発生するおそれがある。
また、上記圧電粉は、比表面積が6.0〜18m2/gの粒子からなることが好ましい(請求項2)。
上記圧電粉の比表面積が6.0m2/g未満の場合には、導電粉と圧電粉の充填性が低下するおそれがある。一方、18m2/gを超える場合には、圧電粉が凝集したり、焼成時における上記圧電粉の収縮が大きくなり、焼成後の上記内部電極層におけるポアの発生率が高くなるおそれがある。より好ましくは、上記圧電粉の比表面積は8.0〜16m2/gがよく、さらに好ましくは、9.1〜15.5m2/gがよい。
上記圧電粉の比表面積が6.0m2/g未満の場合には、導電粉と圧電粉の充填性が低下するおそれがある。一方、18m2/gを超える場合には、圧電粉が凝集したり、焼成時における上記圧電粉の収縮が大きくなり、焼成後の上記内部電極層におけるポアの発生率が高くなるおそれがある。より好ましくは、上記圧電粉の比表面積は8.0〜16m2/gがよく、さらに好ましくは、9.1〜15.5m2/gがよい。
上記圧電粉の比表面積は、例えば、上記圧電粉を加熱(熱処理)するときの加熱温度を変えたり、最高温度保持時間を変更したり、また、熱処理前圧電粉の粒径を変更したりすること等により調整することができる。
また、上記圧電粉の粒径をD1、上記導電粉の粒径をD2とすると、D1/D2は0.1〜0.6であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記導電ペーストを上記グリーンシートに塗布したとき、上記導電ペースト中の上記圧電粉と上記導電粉との充填性をより向上させることができる。その結果、焼成後の上記内部電極層にポアが発生することを一層防止できる。
D1/D2が0.1未満の場合には、このような微粒の圧電粉の作製が困難になるおそれがある。0.6を超える場合には、上記圧電粉と上記導電粉との粒径差が小さくなることにより充填性が低下し、焼成後の内部電極層にポアが発生しやすくなるおそれがある。より好ましくは、D1/D2は0.1〜0.5がよい。
この場合には、上記導電ペーストを上記グリーンシートに塗布したとき、上記導電ペースト中の上記圧電粉と上記導電粉との充填性をより向上させることができる。その結果、焼成後の上記内部電極層にポアが発生することを一層防止できる。
D1/D2が0.1未満の場合には、このような微粒の圧電粉の作製が困難になるおそれがある。0.6を超える場合には、上記圧電粉と上記導電粉との粒径差が小さくなることにより充填性が低下し、焼成後の内部電極層にポアが発生しやすくなるおそれがある。より好ましくは、D1/D2は0.1〜0.5がよい。
上記圧電粉の粒径D1と上記導電粉の粒径D2との比であるD1/D2は、例えば、上記圧電粉を加熱(熱処理)するときの加熱温度を変えたり、最高温度保持時間を変更したり、また、熱処理前圧電粉の粒径を変更したりすること等により調整できる。
また、上記導電粉が後述のごとく主成分粒子と副成分微粒子とを含有する場合には、粒径D2は、主成分粒子の粒径のことである。
また、上記導電粉が後述のごとく主成分粒子と副成分微粒子とを含有する場合には、粒径D2は、主成分粒子の粒径のことである。
また、上記圧電粉は、上記導電粉100重量部に対して35重量部〜95重量部含まれていることが好ましい(請求項4)。
上記導電粉に対する上記圧電粉の含有量が35重量部未満の場合には、上記導電ペースト中の上記圧電粉と上記導電粉との充填性が低下するおそれがある。一方、95重量部を超える場合には、焼成後の上記内部電極層の導電性が低下するおそれがある。
上記導電粉に対する上記圧電粉の含有量が35重量部未満の場合には、上記導電ペースト中の上記圧電粉と上記導電粉との充填性が低下するおそれがある。一方、95重量部を超える場合には、焼成後の上記内部電極層の導電性が低下するおそれがある。
また、上記導電粉は、該導電粉の主成分粒子100重量部に対して、粒径が上記主成分粒子の1/10〜1/45である副成分微粒子を5〜50重量部含有することが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記圧電粉と上記導電粉との充填性をさらに向上させることができる。
上記副成分微粒子の粒径が、上記主成分粒子の粒径の1/10より大きい場合には、上記副成分微粒子と上記主成分微粒子との粒径比が小さく、上述の充填性の向上効果が充分に得られないおそれがある。一方、1/45より小さい場合には、上記副成分微粒子の作製が困難になる。
この場合には、上記圧電粉と上記導電粉との充填性をさらに向上させることができる。
上記副成分微粒子の粒径が、上記主成分粒子の粒径の1/10より大きい場合には、上記副成分微粒子と上記主成分微粒子との粒径比が小さく、上述の充填性の向上効果が充分に得られないおそれがある。一方、1/45より小さい場合には、上記副成分微粒子の作製が困難になる。
また、上記副成分微粒子の含有量が、上記主成分粒子100重量部に対して5重量部未満の場合には、所望の充填性の改善効果が得られないおそれがある。一方、50重量部を超える場合には、上記導電ペーストの均一性が崩れ、凝集、ペースト粘度上昇によりボイド発生するおそれがある。
また、上記有機ビヒクルは、上記圧電粉と上記導電粉とを分散させるとともに、上記導電ペーストの粘度を調整するためのものである。上記有機ビヒクルとしては、例えば樹脂と溶剤とからなるものを用いることができる。
具体的には、上記有機ビヒクルの樹脂成分としては、例えばエチルセルロース、アクリル、及びアルキッド樹脂等から選ばれる1種以上を用いることができる。また、溶剤としては、例えばターピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート等から選ばれる1種以上を用いることができる。
具体的には、上記有機ビヒクルの樹脂成分としては、例えばエチルセルロース、アクリル、及びアルキッド樹脂等から選ばれる1種以上を用いることができる。また、溶剤としては、例えばターピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート等から選ばれる1種以上を用いることができる。
上記導電ペースト中の上記有機ビヒクルの量は、例えば上記圧電粉と上記導電粉とを充分に分散でき、上記導電ペーストを上記グリーンシートに印刷し易い粘度となるような量にする。具体的には、上記有機ビヒクルの量は、上記圧電粉と上記導電粉との合計量100重量部に対して28重量部〜76重量部が好ましい。また、上記有機ビヒクル中における上記樹脂成分と上記溶剤との含有量は、それぞれ8重量部〜20重量部及び80重量部〜92重量部であることが好ましい。
また、上記導電ペーストは、上述のごとく、上記積層型圧電素子の上記内部電極層を形成するために用いることができるが、例えば上記積層型圧電素子の側面に設けられる外部電極を形成するために用いることもできる。上記外部電極は、上記積層型圧電素子の各内部電極層に外部から電圧を印加するための電極である。
(実施例1)
次に、本発明の導電ペーストの実施例につき、図1〜図8を用いて説明する。
本例の導電ペーストは、導電粉と、圧電粉と、有機ビヒクルとからなる。また、上記導電ペーストは、図1〜図4に示すごとく、圧電材料からなるグリーンシート110に塗布し、該グリーンシート110を積層して積層体を作製した後、該積層体を焼成して圧電層11と内部電極層21,22とを積層してなる積層型圧電体素子1を作製するためのものである。上記導電ペーストにおいて、圧電粉は、上記グリーンシート110の圧電材料と略同一成分で、かつ上記積層体の焼成温度の40%〜80%の温度で加熱されてなる。
次に、本発明の導電ペーストの実施例につき、図1〜図8を用いて説明する。
本例の導電ペーストは、導電粉と、圧電粉と、有機ビヒクルとからなる。また、上記導電ペーストは、図1〜図4に示すごとく、圧電材料からなるグリーンシート110に塗布し、該グリーンシート110を積層して積層体を作製した後、該積層体を焼成して圧電層11と内部電極層21,22とを積層してなる積層型圧電体素子1を作製するためのものである。上記導電ペーストにおいて、圧電粉は、上記グリーンシート110の圧電材料と略同一成分で、かつ上記積層体の焼成温度の40%〜80%の温度で加熱されてなる。
本例においては、上述のごとく特定の温度で加熱(熱処理)した圧電粉を含有する導電ペーストが優れた特性を発揮することを確認するため、圧電粉の加熱処理の温度を変えて複数の導電ペーストを作製し、これらの導電ペーストを用いて積層型圧電素子を作製し、その特性を評価する。また、比較用に、加熱処理を行わずに作製した導電ペーストを用いて積層型圧電素子を作製し、その特性を評価する。
まず、以下のようにして導電ペーストを準備する。
即ち、まず、圧電粉の材料として、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、炭酸ストロンチウム、酸化イットリウム、及び酸化マンガンの粉末を所望の組成となるように秤量した。このとき、鉛の蒸発を考慮して、所望の組成の化学量論比よりも1〜2%リッチになるように秤量した。これらの粉末を混合機にて混合し、800〜950℃にて仮焼して仮焼粉を得た。この仮焼粉に、純水及び分散剤を加えてスラリーとし、パールミルにより湿式粉砕して粉砕物を得た。その後この粉砕物を乾燥し、圧電粉をとした。
即ち、まず、圧電粉の材料として、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、炭酸ストロンチウム、酸化イットリウム、及び酸化マンガンの粉末を所望の組成となるように秤量した。このとき、鉛の蒸発を考慮して、所望の組成の化学量論比よりも1〜2%リッチになるように秤量した。これらの粉末を混合機にて混合し、800〜950℃にて仮焼して仮焼粉を得た。この仮焼粉に、純水及び分散剤を加えてスラリーとし、パールミルにより湿式粉砕して粉砕物を得た。その後この粉砕物を乾燥し、圧電粉をとした。
次に、上記にて得られた圧電粉を加熱する熱処理を行った。
圧電粉の熱処理は、後述の積層体の焼成温度1100℃の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、及び100%の温度、即ち温度110℃、220℃、330℃、440℃、550℃、660℃、770℃、880℃、990℃、及び1100℃でそれぞれ3時間行った。このようにして熱処理の温度が異なる10種類の圧電粉を準備した(表1参照)。また比較用として熱処理を施していない圧電粉を準備した(表1参照)。なお、熱処理を行うと、圧電粉の比表面積が変化するため、後述の表1においては、各温度で熱処理を行った場合の圧電粉の比表面積を示してある。比表面積は、株式会社島津製作所製のフローソーブ2300を用いて測定した。具体的には、温度200℃で2時間乾燥することにより表面に吸着している水分を除去した粉体を準備し、粉体表面に吸着及び脱離するHeガス量を測定し、ガス量を粉体の面積に換算し粉体1gあたりの面積(m2)で表すことにより算出した。
圧電粉の熱処理は、後述の積層体の焼成温度1100℃の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、及び100%の温度、即ち温度110℃、220℃、330℃、440℃、550℃、660℃、770℃、880℃、990℃、及び1100℃でそれぞれ3時間行った。このようにして熱処理の温度が異なる10種類の圧電粉を準備した(表1参照)。また比較用として熱処理を施していない圧電粉を準備した(表1参照)。なお、熱処理を行うと、圧電粉の比表面積が変化するため、後述の表1においては、各温度で熱処理を行った場合の圧電粉の比表面積を示してある。比表面積は、株式会社島津製作所製のフローソーブ2300を用いて測定した。具体的には、温度200℃で2時間乾燥することにより表面に吸着している水分を除去した粉体を準備し、粉体表面に吸着及び脱離するHeガス量を測定し、ガス量を粉体の面積に換算し粉体1gあたりの面積(m2)で表すことにより算出した。
また、導電粉として、AgPd合金の粉末を準備した。この導電粉は平均粒径が0.6μmの粒子からなる。
上記にて準備した各圧電粉に上記導電粉を、導電粉100重量部に対して圧電粉が55重量部となるような割合で混合して混合粉末を作製した。
また、有機ビヒクルとして、ターピネオール100重量部に対してエチルセルロース18重量部を溶解させたものを準備し、この有機ビヒクルに上記にて準備した圧電粉と導電粉との混合粉末を分散させた。有機ビヒクルは、圧電粉と導電粉との混合粉末100重量部に対して60重量部用いて分散させた。
上記にて準備した各圧電粉に上記導電粉を、導電粉100重量部に対して圧電粉が55重量部となるような割合で混合して混合粉末を作製した。
また、有機ビヒクルとして、ターピネオール100重量部に対してエチルセルロース18重量部を溶解させたものを準備し、この有機ビヒクルに上記にて準備した圧電粉と導電粉との混合粉末を分散させた。有機ビヒクルは、圧電粉と導電粉との混合粉末100重量部に対して60重量部用いて分散させた。
このようにして、圧電粉の熱処理の温度が異なる10種類の導電ペースト、及び圧電粉に熱処理を施していない1種類の導電ペーストの合計11種類の導電ペーストを作製した。これらをそれぞれ試料X1〜X11とした。試料X1は、熱処理を施していない導電ペーストであり、試料X2〜試料X11は、後述の積層体の焼成温度の10%〜100%の温度で圧電粉に熱処理を施したものである(表1参照)。
次に、上記にて作製した試料X1〜試料X11の導電ペーストを用いて積層型圧電素子を作製する。
図3及び図4に示すごとく、本例の積層型圧電素子1は、圧電層11と内部電極層21,22とを交互に積層してなる。同図に示すごとく、隣り合う2つの内部電極層21及び22において、一方の内部電極層21は一方の側面101に露出するように配設され、他方の内部電極層22は他方の側面102に露出するように配設されている。そして積層型圧電素子1の側面101及び102には、それぞれ露出した内部電極層21及び22の端部を導通させるために側面電極31及び32が形成されている。
図3及び図4に示すごとく、本例の積層型圧電素子1は、圧電層11と内部電極層21,22とを交互に積層してなる。同図に示すごとく、隣り合う2つの内部電極層21及び22において、一方の内部電極層21は一方の側面101に露出するように配設され、他方の内部電極層22は他方の側面102に露出するように配設されている。そして積層型圧電素子1の側面101及び102には、それぞれ露出した内部電極層21及び22の端部を導通させるために側面電極31及び32が形成されている。
次に、上記積層型圧電素子の製造方法につき、説明する。
本例の積層型圧電素子は、広く用いられているグリーンシート法を用いて製造することができる。まず、圧電材料の主原料となる酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、炭酸ストロンチウム、酸化イットリウム、及び酸化マンガンの粉末を、上記導電ペーストの圧電粉と同様の割合で秤量した。これを混合機にて混合し、その後800〜950℃にて仮焼して仮焼粉を得た。
本例の積層型圧電素子は、広く用いられているグリーンシート法を用いて製造することができる。まず、圧電材料の主原料となる酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ニオブ、炭酸ストロンチウム、酸化イットリウム、及び酸化マンガンの粉末を、上記導電ペーストの圧電粉と同様の割合で秤量した。これを混合機にて混合し、その後800〜950℃にて仮焼して仮焼粉を得た。
次いで、仮焼粉に純水及び分散剤を加えてスラリーとし、パールミルにより湿式粉砕した。この粉砕物を乾燥及び粉脱脂した後、溶剤、バインダー、可塑剤、分散剤等を加えてボールミルにより混合した。その後、このスラリーを真空装置内で攪拌機により攪拌しながら真空脱泡した。
次いで,スラリーをドクターブレード装置により一定厚みのグリーンシートに成形した。回収したグリーンシートはプレス機で打ち抜くか,切断機により切断し,所定の大きさの矩形体に成形した。
次に、図1に示すごとく、このグリーンシート110の一方の表面に、上記にて準備した試料X1の導電ペーストをスクリーン印刷により印刷し、導電パターン210(220)を形成した。図1には、導電パターン210(220)を形成したグリーンシート110の一例を示す。
次に、図1に示すごとく、このグリーンシート110の一方の表面に、上記にて準備した試料X1の導電ペーストをスクリーン印刷により印刷し、導電パターン210(220)を形成した。図1には、導電パターン210(220)を形成したグリーンシート110の一例を示す。
同図に示すごとく、圧電層11となるグリーンシート110の表面には、導電ペーストにより、グリーンシート110の全面よりもやや小さな導電パターン210(220)を形成した。この導電パターン210(220)は、後述の焼成後に内部電極層21(22)となる。グリーンシート110の表面の対向辺の一方の側には、導電パターン210(220)が形成されていない非形成部119が設けてある。つまり、グリーンシート110の対向辺の一方の端部(積層型圧電素子の側面101あるいは102に相当する部分)には、導電パターン210(220)が到達せず、対向する他方の端部には導電パターン210(220)が到達するようこれを配置した。
次いで、図2に示すごとく、導電パターン210(220)が形成されたグリーンシート110を積層する。このとき、導電パターン210及び220が交互に左右の側面に到達するようにした。このようにしてグリーンシートを順次積層して積層体を得た。
次に、温水ラバープレス等による熱圧着後、電気炉により温度300℃〜500℃のもとで脱脂した。その後、温度1100℃で焼成し、図3及び図4に示すごとく、圧電層11と内部電極層21、22とが交互に積層された積層型圧電素子1を得た。
次に、温水ラバープレス等による熱圧着後、電気炉により温度300℃〜500℃のもとで脱脂した。その後、温度1100℃で焼成し、図3及び図4に示すごとく、圧電層11と内部電極層21、22とが交互に積層された積層型圧電素子1を得た。
また、本例においては、積層型圧電素子1の側面101及び102にAgペーストを塗布し、焼き付けることによりそれぞれ外部電極31及び32を形成した。外部電極31は、一方の極の内部電極層21が露出している位置に形成し、各内部電極層21の導通をとるものである。他方の外部電極32は、他方の極の内部電極層22が露出している位置に形成し、各内部電極層22の導通をとるものである。
また、積層型圧電素子1の側面部101及び102の外部電極31及び32には、それぞれ電極取り出し部としてのリード線を接合した(図示略)。そして、積層型圧電素子1の積層方向に直交する側面の全体に、厚さ0.0005mの絶縁被膜を形成した(図示略)。本例では、絶縁被膜としてシリコン系樹脂を用いた。
さらに本例においては、上記試料X1の代わりに、上記試料X2〜試料X11の導電ペーストを用い、その他は上記と同様の方法で積層型圧電素子を作製した。このようにして、合計11種類の積層型圧電素子を作製した(表1参照)。
次いで、各試料を用いて作製した11種類の積層型圧電素子について、内部電極層におけるポアの発生率を調べた。即ち,内部電極層と圧電層との界面の面積をA,当該界面に現れる空孔(ポア)の面積の合計面積をBとした場合,(B/A)×100(%)で表されるポア発生率を調べた。その結果を表1に示す。
また、試料X1〜試料X11の導電ペーストを用いて、上記と同様の積層型圧電素子をさらに3個ずつ作製し、各試料(11種類)の導電ペーストを用いて合計4個(A〜D)の積層型圧電素子を作製し、これらについてポア発生率を調べた。その結果を表1に示す。
また、各積層型圧電素子についてデラミネーションの発生の有無を顕微鏡を用いて観察した。そして、デラミネーションが発生していない場合を「○」として評価し、デラミネーションが発生した場合を「×」として評価した。その結果を表1に示す。
また、各積層型圧電素子についてデラミネーションの発生の有無を顕微鏡を用いて観察した。そして、デラミネーションが発生していない場合を「○」として評価し、デラミネーションが発生した場合を「×」として評価した。その結果を表1に示す。
表1より知られるごとく、圧電粉の熱処理を行わずに作製した試料X1、また焼成温度の10%,20%,及び30%の温度でそれぞれ圧電粉を加熱して作製した試料X2〜X4の導電ペーストを用いた場合においては、4種類の積層型圧電素子(A〜D)のいずれかにおいて、内部電極層に3%以上という高い発生率でポアが発生していた。
また、圧電粉を90%の温度及び100%の温度でそれぞれ加熱して作製した試料X10及びX11の導電ペーストを用いた場合には、高頻度にデラミネーションが発生した。
また、圧電粉を90%の温度及び100%の温度でそれぞれ加熱して作製した試料X10及びX11の導電ペーストを用いた場合には、高頻度にデラミネーションが発生した。
これに対し、焼成温度の40%、50%、60%、70%、80%の温度でそれぞれ圧電粉を加熱して作製した試料X5〜X9を用いた場合には、4種類の積層型圧電素子のいずれにおいてもポアの発生率が非常に低く、またデラミネーションも発生しなかった。
このことから、圧電粉を焼成温度の40%〜80%の温度で加熱処理をした導電ペーストを用いることにより、ポアの発生率が少なく、デラミネーション等の不具合をほとんど発生しない積層型圧電素子を作製できることがわかる。
このことから、圧電粉を焼成温度の40%〜80%の温度で加熱処理をした導電ペーストを用いることにより、ポアの発生率が少なく、デラミネーション等の不具合をほとんど発生しない積層型圧電素子を作製できることがわかる。
また、本例においては、圧電粉の加熱による圧電粉の粒子形状の変化を検討した。即ち、上記試料X1〜X11の導電ペーストの作製に用いたものと同様の圧電粉を準備し、この圧電粉を温度880℃で加熱し、加熱前後の粒子形状を顕微鏡にて観察した。
その結果を図5及び図6に示す。図5は、加熱前における圧電粉の粒子形状を示し、図6は、加熱後における圧電粉の粒子形状を示すものである。
その結果を図5及び図6に示す。図5は、加熱前における圧電粉の粒子形状を示し、図6は、加熱後における圧電粉の粒子形状を示すものである。
図5及び図6より知られるごとく、圧電粉は、熱処理を施すことにより粒子の形状が丸みを帯び、微粒がなくなっていることがわかる。
このことから、上記試料X5〜X9の導電ペーストにおいてポアの発生率が少なくなった理由は、特定の温度で熱処理を施すことにより圧電粉の粒子が丸みを帯び、その結果導電粉の粒子と圧電粉の粒子との充填性が高くなり、焼成時の体積収縮も抑えられたためと推測される。
このことから、上記試料X5〜X9の導電ペーストにおいてポアの発生率が少なくなった理由は、特定の温度で熱処理を施すことにより圧電粉の粒子が丸みを帯び、その結果導電粉の粒子と圧電粉の粒子との充填性が高くなり、焼成時の体積収縮も抑えられたためと推測される。
また、本例において、導電ペーストは、グリーンペーストと略同一の圧電材料からなる圧電粉を含有している。そのため、図7に示すごとく、焼成後の内部電極層21(22)と、該内部電極層21(22)を挟む隣り合う2つの圧電層11とが高い密着強度で接合することができる。このように高い密着強度で接合できるため、従来のように、密着強度を高めるために、内部電極層91(92)にその平面を貫く複数の開口部95を設ける必要がない(図8参照)。本例の導電ペーストにおいては、開口部のない連続した内部電極層を形成しても、上述のごとく高い密着強度を発揮できる。そのため、積層型圧電素子に電圧を印加したときに、局所的な応力の発生を抑制することが可能になる。
(実施例2)
本例は、導電粉の粒径に対する圧電粉の粒径比に着目し、粒径比が異なる複数の導電ペーストを作製し、各導電ペーストを用いて積層型圧電素子を作製したときのポアの発生率を調べた例である。
本例は、導電粉の粒径に対する圧電粉の粒径比に着目し、粒径比が異なる複数の導電ペーストを作製し、各導電ペーストを用いて積層型圧電素子を作製したときのポアの発生率を調べた例である。
まず、実施例1と同様の粒径0.8μmの導電粉を準備した。
また、実施例1と同様の圧電粉を準備し、この圧電粉に熱処理を施した。この熱処理の温度により上記圧電粉の粒径は変化する。そこで、熱処理の温度を調整し、まず導電粉の粒径D2に対する圧電粉の粒径D1の比D1/D2が、0.1となる圧電粉を作製した。圧電粉及び導電粉の粒径は、株式会社堀場製作所製のレーザー式粒度分布計LA920を用い、0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液中にて測定した(D50値)。
また、実施例1と同様の圧電粉を準備し、この圧電粉に熱処理を施した。この熱処理の温度により上記圧電粉の粒径は変化する。そこで、熱処理の温度を調整し、まず導電粉の粒径D2に対する圧電粉の粒径D1の比D1/D2が、0.1となる圧電粉を作製した。圧電粉及び導電粉の粒径は、株式会社堀場製作所製のレーザー式粒度分布計LA920を用い、0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液中にて測定した(D50値)。
このようにして得られた圧電粉55重量部と、導電粉100重量とを混合し、この混合粉末に、実施例1と同様にして有機ビヒクルを加えて導電ペーストを作製した。これを試料X12とする。
また、圧電粉の加熱温度を変えることにより、導電粉に対する圧電粉の粒径比(D1/D2)が異なる8種類導電ペーストを作製し、これらを試料X13〜試料X20とする。試料X12〜試料X20における粒径比(D1/D2)を後述の表2に示す。
また、圧電粉の加熱温度を変えることにより、導電粉に対する圧電粉の粒径比(D1/D2)が異なる8種類導電ペーストを作製し、これらを試料X13〜試料X20とする。試料X12〜試料X20における粒径比(D1/D2)を後述の表2に示す。
次いで、上記試料X12〜試料X20の導電ペーストを用い、実施例1と同様にしてそれぞれ4個ずつ積層型圧電素子(E〜H)を作製した。その後、各積層型圧電素子の内部電極層におけるポア発生率を実施例1と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
(実施例3)
本例は、導電ペースト中の圧電粉の量に着目し、圧電粉の量を変えて複数の導電ペーストを作製し、各導電ペーストを用いて積層型圧電素子を作製したときのポアの発生率及び内部電極層の抵抗を調べた例である。
まず、実施例1と同様の導電粉と圧電粉を準備した。この圧電粉は、温度880℃で加熱処理したものである。
本例は、導電ペースト中の圧電粉の量に着目し、圧電粉の量を変えて複数の導電ペーストを作製し、各導電ペーストを用いて積層型圧電素子を作製したときのポアの発生率及び内部電極層の抵抗を調べた例である。
まず、実施例1と同様の導電粉と圧電粉を準備した。この圧電粉は、温度880℃で加熱処理したものである。
次いで、導電粉100重量部に対して圧電粉を20重量部混合し、混合粉末を作製した。この混合粉末に、実施例1と同様に有機ビヒクルを混合して導電ペーストを作製した。これを試料X21とする。
また、導電粉100重量部に対する圧電粉の量を変えて、さらに15種類の導電ペーストを作製した。これらを試料X22〜試料X36とする。試料X21〜試料X36における圧電粉の量を後述の表3に示す。
また、導電粉100重量部に対する圧電粉の量を変えて、さらに15種類の導電ペーストを作製した。これらを試料X22〜試料X36とする。試料X21〜試料X36における圧電粉の量を後述の表3に示す。
次いで、上記試料X21〜試料X36の導電ペーストを用い、実施例1と同様にしてそれぞれ4個ずつ積層型圧電素子(I〜L)を作製した。その後、各積層型圧電素子の内部電極層におけるポア発生率を実施例1と同様にして測定した。その結果を表3に示す。
また、各積層型圧電素子における内部電極層の電気抵抗を測定した。その結果を表3に示す。
また、各積層型圧電素子における内部電極層の電気抵抗を測定した。その結果を表3に示す。
表3より知られるごとく、導電ペースト中における導電粉100重量部に対する圧電粉の含有量が30重量部以下である導電ペースト(試料X21〜X23)を用いた場合には、積層型圧電素子の内部電極層にけるポアの発生率が高くなった。また、圧電粉を100重量部添加した試料X36においては、内部電極層の電気抵抗が規格外、即ち、ポアの発生が多く電気的に接続されない状態であった。表3において、内部電極層の電気抵抗に「オープン」と記載されているのは、電気的に接続されない状態のことを示すものである。
このことから、導電ペーストにおいては、導電粉100重量部に対して圧電粉が35〜95重量部含まれていることが好ましいことがわかる。
1 積層型圧電素子
11 圧電層
110 グリーンシート
21(22) 内部電極層
210(220)導電パターン
31(32)側面電極
11 圧電層
110 グリーンシート
21(22) 内部電極層
210(220)導電パターン
31(32)側面電極
Claims (5)
- 導電粉と、圧電粉と、有機ビヒクルとからなる導電ペーストを、圧電材料からなるグリーンシートに塗布し、該グリーンシートを積層して積層体を作製した後、該積層体を焼成してなる積層型圧電体素子を作製する際に用いる上記導電ペーストであって、
上記圧電粉は、上記グリーンシートの圧電材料と略同一成分で、かつ上記積層体の焼成温度の40%〜80%の温度で加熱されてなることを特徴とする導電ペースト。 - 請求項1において、上記圧電粉は、比表面積が6.0〜18m2/gの粒子からなることを特徴とする導電ペースト。
- 請求項1又は2において、上記圧電粉の粒径をD1、上記導電粉の粒径をD2とすると、D1/D2は0.1〜0.6であることを特徴とする導電ペースト。
- 請求項1又は2において、上記圧電粉は、上記導電粉100重量部に対して35重量部〜95重量部含まれていることを特徴とする導電ペースト。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記導電粉は、該導電粉の主成分粒子100重量部に対して、粒径が上記主成分粒子の1/10〜1/45である副成分微粒子を5〜50重量部含有することを特徴とする導電ペースト。
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