JP2015053526A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】水分の浸入や、内層部と外層部との間での剥離などを抑制、防止することが可能で、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】セラミック素体10が、内部電極2(2a,2b)が誘電体セラミック層1を介して積層されている領域である内層部12の外側に、厚みが15μm以上、25μm以下の外層部13(13a,13b)を有し、内層部は、積層方向の最も外側に位置する内部電極と誘電体セラミック層を介して対向する内層カバー電極22(22a,22b)を備え、外層部は内層カバー電極と誘電体セラミック層を介して対向する外層カバー電極23(23a,23b)を備え、内層カバー電極の被覆率が75%以上、100%以下であり、外層カバー電極の被覆率が50%以上、70%以下であり、外層カバー電極と、その外側に位置する誘電体セラミック層との境界には、MgとMnとを含有する境界層が形成されている構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関し、複数の誘電体セラミック層と、誘電体セラミック層を介して積層された複数の内部電極とを備えるセラミック素体と、内部電極と導通するようにセラミック素体に配設された外部電極とを具備する積層セラミックコンデンサに関する。
近年、電子機器の小型・軽量化にともない、小型で、大容量を取得することが可能な積層セラミックコンデンサが広く用いられている。この積層セラミックコンデンサは、例えば、複数のセラミック誘電体層と、誘電体セラミック層間の複数の界面に配設された複数の内部電極とを有する積層体の外表面に、上記内部電極と導通するように外部電極が配設された構造を有するものが広く知られている。
そして、このような積層セラミックコンデンサとしては、図4に示すように、複数の誘電体セラミック層(以下、「誘電体層」ともいう)111と、誘電体層111間の複数の界面に配設された複数の内部電極112とを有するセラミック素体(コンデンサ本体)110と、セラミック素体110の両端面に、交互に逆側の端面に引き出された内部電極112と導通するように配設された一対の外部電極113a,113bとを備えた積層セラミックコンデンサが提案されている。
そして、特許文献1では、誘電体層として、誘電体層は、BaTiO3 100モル部CaZrO3 1〜7モル部NiO 0.5〜1.5モル部MnO 0.1〜0.3モル部Re23 0.2〜0.7モル部からなる組成物が用いられており、比誘電率の温度変化の少ない誘電体層を備えた、小型で大容量のコンデンサが得られるとされている。
しかしながら、上述のような構造を有する特許文献1の積層セラミックコンデンサの場合、例えば、最外誘電体層を通過した水分がセラミック素体の内部に浸入して、絶縁抵抗を劣化させたり、層間剥離を引き起こしたりするという問題点がある。
特開平06−260023号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、セラミック素体への水分の浸入や、内層部と外層部との間での剥離などを抑制、防止することが可能で、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の積層セラミックコンデンサは、
複数の誘電体セラミック層と、前記誘電体セラミック層を介して積層され、前記誘電体セラミック層間の複数の界面に位置する複数の内部電極とを備えたセラミック素体と、前記内部電極と導通するように前記セラミック素体に配設された外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサであって、
前記セラミック素体は、複数の前記内部電極が前記誘電体セラミック層を介して積層されている領域である内層部と、前記内部電極の積層方向についてみた場合に前記内層部の外側に位置する、厚みが15μm以上、25μm以下で内部電極を備えていない領域である外層部とを備え、
前記内層部は、積層方向の最も外側に位置する前記内部電極と前記誘電体セラミック層を介して対向する内層カバー電極を備え、かつ、前記内層カバー電極の、前記誘電体セラミック層を覆っている割合である被覆率が75%以上、100%以下であり、
前記外層部は、前記内層カバー電極と前記誘電体セラミック層を介して対向する外層カバー電極を備え、かつ、前記外層カバー電極の、前記誘電体セラミック層を覆っている割合である被覆率が50%以上、70%以下であるとともに、
前記外層カバー電極と、その外側に位置する誘電体セラミック層との境界には、MgとMnとを含有する境界層が形成されていること
を特徴としている。
上述のように、本発明の積層セラミックコンデンサにおいては、セラミック素体が、誘電体セラミック層を介して内部電極が積層されている領域である内層部の外側に、厚みが15μm以上、25μm以下の外層部を有し、内層部は、積層方向の最も外側に位置する内部電極と誘電体セラミック層を介して対向する、被覆率(連続性)が75%以上、100%以下である内層カバー電極を備え、外層部は内層カバー電極と誘電体セラミック層を介して対向する、被覆率(連続性)が50%以上、70%以下の外層カバー電極を備え、外層カバー電極と、その外側に位置する誘電体セラミック層との境界には、MgとMnとを含有する境界層が形成されているので、耐湿性、耐水性に優れ、外層部と内層部の接合信頼性に優れた積層セラミックコンデンサを得ることが可能になる。
すなわち、本発明によれば、被覆率(連続性)の高い(連続性が75%以上、100%以下)内層カバー電極により内層部への水分の浸入を防止することが可能になる。
また、外層部に被覆率(連続性)の低い(連続性が50%以上、70%以下)外層カバー電極が配設されていることから、誘電体セラミック層を構成するセラミックが、外層カバー電極の不連続部(欠損部)を通過(貫通)した柱状部が数多く形成され、該柱状部により、外層カバー電極の内側と外側に位置する誘電体セラミック層(誘電体層)が互いに強く結合され、外層部と内層部の密着性が向上する。
なお、本発明の積層セラミックコンデンサにおいて、内層カバー電極の被覆率(連続性)を75%以上、100%以下としているのは、内層カバー電極の被覆率が75%未満になると外層部を浸透してきた水分を遮断する効果が不十分になることによる。一方、内層カバー電極の被覆率は高い方が望ましく、100%であってもよいことはいうまでもないが、被覆率が95%を超えるような被覆率で内層カバー電極を形成することは必ずしも容易ではないので、通常は、被覆率は95%程度の被覆率があれば十分である。
また、本発明の積層セラミックコンデンサにおいて、外層カバー電極の被覆率を50%以上、70%以下としているのは、外層カバー電極の被覆率をこの範囲にすることにより、外層カバー電極が配設されている領域における、外層カバー電極で覆われていない不連続部を十分に確保して、誘電体セラミック層が、外層カバー電極の該不連続部を通過(貫通)して形成される柱状部を多く存在させることが可能になり、外層カバー電極の内側と外側に位置する誘電体セラミック層(誘電体層)を強く結合させて、外層部と内層部の密着性を向上させることが可能になることによる。
また、本発明の積層セラミックコンデンサにおいては、外層カバー電極と、その外側に位置する誘電体セラミック層との境界に、MgとMnとを含有する境界層が形成されているので、該境界層により外層部を通過した水分が内層部にまで浸透することを抑制することが可能になるとともに、外層カバー電極と、その外側に位置する誘電体セラミック層との密着性を向上させて、両者の境界から水分が浸入することを抑制することが可能になる。
さらに、本発明の積層セラミックコンデンサは、外層部の厚みを15μm以上、25μm以下としているので、取得できる静電容量を犠牲にすることなく、小型で、必要な耐水性を備えた信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することができる。
なお、外層部の厚みが15μm未満になると、外層部を通過して、水分が侵入しやすくなり、被覆率(連続性)の高い内層カバー電極を備えていても、水分の侵入を十分に抑制、防止することが困難になるため、外層部の厚みは15μm以上であることが望ましい。また、外層部の厚みが25μmを超えると、積層セラミックコンデンサが大型化し、規格内の寸法に抑えた場合に、必要とする静電容量を得ることができなくなるため、外層部の厚みは25μm以下であることが望ましい。
また、上記外層カバー電極は、誘電体層を介して隣り合う、内部電極との間に静電容量が発生しないように、隣り合う内部電極と同電位の外部電極に接続されているか、もしくは、外部電極に接続されていないことが望ましい。
本発明の実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの構成を示す正面断面図である。 本発明の実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの構成を示す斜視図である。 本発明の積層セラミックコンデンサの電極の連続性および境界層を調べる方法を説明する図である。 従来の積層セラミックコンデンサを示す断面図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態(実施形態1)にかかる積層セラミックコンデンサ50の構成を示す正面断面図、図2は外観構成を示す斜視図である。
この積層セラミックコンデンサ50は、図1および2に示すように、誘電体セラミック層(以下、「誘電体層」ともいう)1と、誘電体層1間の複数の界面に配設された複数の内部電極2(2a,2b)とを備えたセラミック素体(コンデンサ本体)10と、交互にセラミック素体10の逆側の端面に引き出された内部電極2(2a,2b)と導通するように配設された一対の外部電極5(5a,5b)を備えている。
セラミック素体10は、複数の内部電極2(2a,2b)が誘電体セラミック層1を介して積層されている領域である内層部12と、内部電極2(2a,2b)の積層方向についてみた場合に、内層部12の外側(図1では上下の両面側)に位置する、内部電極を備えていない領域である、厚みが15μm以上、25μm以下の外層部13(13a,13b)とを備えている。
内層部12および外層部を構成する誘電体セラミック材料としては、BaTiO3系のセラミック材料が用いられている。また、内部電極は、Niを主成分とする金属から形成されている。
そして、内層部12は、外層部13(13a,13b)との境界近傍に配設され、積層方向の最も外側に位置する内部電極2(2a,2b)と誘電体層1を介して対向する内層カバー電極22(22a,22b)を備えている。
また、外層部13(13a,13b)は、内層部12との境界近傍に配設され、内層カバー電極22(22a,22b)と誘電体層1を介して対向する外層カバー電極23(23a,23b)を備えている。
また、この積層セラミックコンデンサ50において、内層カバー電極22(22a,22b)の、誘電体セラミック層1を覆っている割合である被覆率(連続性)は、内部電極2(2a,2b)および外層カバー電極23(23a,23b)よりも高くなるように構成されている。具体的には、内層カバー電極22(22a,22b)の被覆率(連続性)は、75%以上、100%以下とされている。
このように内層カバー電極22(22a,22b)の被覆率(連続性)を75%〜100%とすることで、内層部12の最も外側に位置する誘電体層1が金属(内層カバー電極22(22a,22b))で覆われた構造となり、外層部13を浸透した水分を内層カバー電極22により効率よく遮断することができる。
さらに、外層カバー電極23(23a,23b)は、誘電体セラミック層1を覆っている割合である被覆率(連続性)が、内部電極2(2a,2b)および内層カバー電極22(22a,22b)よりも低くなるように構成されている。具体的には、外層カバー電極23(23a,23b)の被覆率(連続性)は、50%以上、70%以下とされている。
外層カバー電極23(23a,23b)は上述のように、被覆率(連続性)が低く、不連続部(欠損部)24が多数存在しており、不連続部24には、外層カバー電極23(23a,23b)を挟んで隣り合う誘電体層1どうしを接続するように誘電体セラミックが入り込んで柱状部25が形成されている。そして、この柱状部25が、外層カバー電極23(23a,23b)の内側と外側の誘電体層1を結合する機能を果たす。その結果、内層部12と外層部13とが確実に接続された積層セラミックコンデンサを得ることができる。なお、柱状部25にはAlが含有されている。柱状部にAlを含有させることにより、高温、高湿、高電界における信頼性を向上させることが可能になる。
なお、外層カバー電極23の被覆率(連続性)が70%を上回ると、形成される柱状部25が少なくなって内層部12と外層部13との密着性が弱くなるため、外層部13が剥離するおそれが高くなる。なお、外層カバー電極23の被覆率(連続性)は50%以上であることが好ましいが、これは、被覆率(連続性)が50%を下回ると、焼成の影響により、内層カバー電極22の被覆率(連続性)を75%以上にまで高めることが困難になることによる。
なお、外層カバー電極23(23a,23b)は、誘電体層1を介して隣り合う、内層部12の内部電極2(2a,2b)との間に静電容量が発生しないように、隣り合う内部電極2(2a,2b)と同電位の外部電極5(5a,5b)に接続されている。なお、外層カバー電極23(23a,23b)は、外部電極5(5a,5b)に接続されないように構成することも可能である。
また、外層カバー電極23(23a,23b)と、その外側に位置する誘電体層1(1a)との境界には、MgとMnとを含有する境界層35が形成されている。
このMgとMnとを含有する境界層35は、外層部13を通過してきた水分が内層部12に浸透に浸透することを抑制する機能を果たす。
また、この積層セラミックコンデンサ50において、セラミック素体10の両端部に配設された一対の外部電極5(5a,5b)は、外部電極本体であるCu焼結金属層30(30a,30b)と、めっき層32(32a,32b)とを備えた構造とされている。
外部電極本体であるCu焼結金属層30(30a,30b)は、Cuを導電成分とする導電ペーストをセラミック素体10に塗布して、焼き付けることにより形成した焼き付け電極(厚膜電極)である。また、Cu焼結金属層30(30a,30b)は、図2に示すように、セラミック素体10の第1の端面21aおよび第2の端面21bから、セラミック素体10の第1および第2の主面11a,11b、および第1および第2の側面31a,31bに回り込むように形成されている。
めっき層32(32a,32b)は、Cu焼結金属層30(30a,30b)の全体を覆うように形成されている。また、この実施形態では、めっき層32(32a,32b)は、Cu焼結金属層30(30a,30b)上に形成されたNiめっき層33(33a,33b)と、Niめっき層33(33a,33b)上に形成されたSnめっき層34(34a,34b)を備えた2層構造のめっき層とされている。
次に、この積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
まず、誘電体セラミック原料を得るために、純度99重量%以上のBaCO3、TiO2の各粉末をBa:Ti=1:1の割合で調合した。次に、この調合粉末をボールミルで湿式混合し、均一に分散させた後、乾燥処理を施して調整粉末を得た。
それから、得られた調整粉末を1000℃で仮焼し、平均粒径150nmの主成分粉末BaTiO3を得た。
他方、副成分として、MgO、Al23、V25、MnO2、Dy23、SiO2の各粉末を準備した。次に、MgO、Al23、V25、MnO2、Dy23、SiO2の各粉末を、Ti100モル部に対するMg、Al、V、Mn、Dy、Siの含有量が所定量(Mg1.3モル部、Al0.5モル部、V0.1モル部、Mn0.1モル部、Dy1.0モル部、Si1.5モル部)となるように秤量し、前記主成分粉末に添加することにより、混合粉末を得た。
そして、この混合粉末をボールミルで湿式混合し、均一に分散させた後、乾燥処理を施して、誘電体セラミック原料を得た。
次に、上述のようにして作製した誘電体セラミック原料に、ポリビニルブチラール系バインダ、可塑剤および有機溶剤としてのエタノールを加え、これらをボールミルにより湿式混合してセラミックスラリーを作製した。そして、このセラミックスラリーをリップ方式によりシート成形し、矩形のセラミックグリーンシートを得た。
また、平均粒径200nmのNi粉末を、エチルセルロースをテルピネオールに溶解させた有機ビヒクル中に、3本ロールミルを用いて分散させて、内部電極形成用の導電性ペーストを作製した。
そして、上記セラミックグリーンシート上に、上述のようにして作製したNiを導電成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷し、内部電極、内層カバー電極、および外層カバー電極となるべき導電性ペースト膜(電極パターン)を形成した。次に、各電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを、内部電極となる電極パターンの引き出されている側が互い違いになるように300層積層し、その積層方向両側に、内層カバー電極、および外層カバー電極となるべき導電性ペースト膜(電極パターン)が形成されたセラミックグリーンシートを積層するとともに、さらに、その積層方向両側に、電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを積層して、セラミック素体(コンデンサ本体)となるべき未焼成の積層体を得た。
なお、内層カバー電極の、誘電体セラミック層を覆っている割合である被覆率(連続性)が、内部電極および外層カバー電極よりも高くなるようにし、また、外層カバー電極の、誘電体セラミック層を覆っている割合である被覆率(連続性)が、内部電極および内層カバー電極よりも低くなるようにするにあたっては、例えば、スクリーン印刷を行う際に用いるスクリーンのメッシュ間隔を調整することにより行うことができる。
また、上述のセラミック素体(コンデンサ本体)となるべき未焼成の積層体を焼成する際の焼成条件を調整することによっても、被覆率(連続性)を調節することができる。
それから、未焼成の積層体をN2雰囲気中において350℃の温度で3時間加熱してバインダを燃焼させた後、昇温速度100℃/min、最高温度1200℃で10分間キープし、H2−N2−H2Oガスからなる還元性雰囲気中で焼成した。これにより、焼結済みのセラミック素体を得た。
次に、このセラミック素体の両端面に、ガラスフリットを含有するCuペーストを塗布し、N2雰囲気中において800℃で焼き付け、内部電極と導通するCu焼結金属層を形成した。
その後、形成されたCu外部電極を覆うようにNiめっき層を形成し、さらにNiめっき層を覆うようにSnめっき層を形成した。なお、Niめっき層およびSnめっき層は電解めっきにより形成した。
これにより、図1および図2に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサ50が得られる。
この積層セラミックコンデンサにおいては、被覆率(連続性)の高い内層カバー電極22(22a,22b)が水分の浸入を防止する機能を果たす。
また、外層カバー電極23(23a,23b)の外側に位置するMgとMnとを含有する境界層35が内層部12に水分が浸入することを抑制する機能を果たす。
また、被覆率の低い外層カバー電極23(23a,23b)が配設されていることから、誘電体層1を構成するセラミックが、外層カバー電極23(23a,23b)の該不連続部(欠損部)24を貫通して形成される柱状部25が、外層カバー電極23(23a,23b)の内側と外側の誘電体層1を結合する機能を果たし、内層部と外層部の密着性を向上させる機能を果たす。
さらに、厚みが15μm以上、25μm以下の外層部を備えているので、取得できる静電容量を犠牲にすることなく、小型で、耐水性や耐衝撃性を向上させることができる。
したがって、本発明によれば、この実施形態にかかる積層セラミックコンデンサのような、セラミック素体への水分の浸入や、内層部と外層部との間での剥離などを抑制、防止することが可能で、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することが可能になる。
<評価試験>
本発明の効果を確認するため、表1の試料番号1〜21の試料(積層セラミックコンデンサ)を作製して、耐湿負荷試験およびサーマル試験を行った。
なお、表1の試料番号1〜21の試料のうち、試料番号に*を付した試料(試料番号1,5,9〜15の試料)は、本発明の要件を満たさない比較用の試料である。
具体的には、試料番号1の試料は外層部の厚みが本発明の要件を満たさない試料であり、試料番号5,9〜14の試料は、外層カバー電極の被覆率が本発明の要件を満たさない試料であって、試料番号15の試料は、内層カバー電極の被覆率が本発明の要件を満たさない試料である。
その他の試料は、本発明の要件を満たす試料(本発明の実施例にかかる試料)である。
以下に説明する方法で、外層カバー電極および内層カバー電極の被覆率(連続性)を調べるとともに、境界層の存在を確認した。
まず、試料の長さ方向(L方向)(図2参照)と、厚み方向(T方向)(図2参照)とで囲まれた側面(LT面)(図2における31aあるいは31b)が露出するような態様で、各試料の周囲を樹脂で固めた。
それから、研磨機により、各試料のLT面を研磨し、各試料の幅方向(W方向)(図2参照)の1/2程度の深さまで研磨を行った。そして、研磨による内部電極のダレをなくすように研磨表面を加工した。
次に、図3に示すように、試料のLT研磨表面のL方向の1/2程度の位置において、内部電極とほぼ直交する直線L1を引く(想定する)。
そして、外層部カバー電極23(23a,23b)とその外側の誘電体層1(1a)の境界部、内層カバー電極22(22a,22b)、および、内層カバー電極22(22a,22b)とセラミック層1を介して隣り合う内部電極2(2a,2b)と、上記の直線L1とが直交する上下2箇所の領域14a,14bを、走査型電子顕微鏡を用いて倍率1万倍で観察した。
ここで、上述の上下2箇所の領域14a,14bについての観察は、それぞれ6個のサンプルについて行った。
そして、外層カバー電極23(23a,23b)とその外側の誘電体層1(1a)との境界領域を、FE−WDXにて観察し、外層カバー電極23(23a,23b)とその外側の誘電体層1(1a)との境界に、Mgが存在していること、すなわち、Mgを含む境界層が存在していることを確認した。また、同様の方法で、外層カバー電極23(23a,23b)とその外側の誘電体層1(1a)との境界にMnが存在していることも確認した。
また、外層カバー電極23(23a,23b)の連続性が途切れている領域(外層カバー電極により被覆されていない領域である不連続部(欠損部))の39%以上に、Siを含む偏析物が存在することを確認した。欠損部にSiを含む偏析物を存在させることにより、さらに耐湿性を向上させることが可能になる。
ここで、欠損部の39%以上に、Siを含む偏析物が存在するとは、観察した欠損部の全数に対する、Siを含む偏析物が存在している欠損部の数の割合をいう。
また、外層カバー電極23(23a,23b)、内層カバー電極22(22a,22b)および内部電極2(2a,2b)の被覆率(連続性)(%)は、ボイドやSiの偏析などで上記の各電極が欠損している欠損部の長さの合計と、観察視野の幅(欠損部がない場合の電極の長さ)から、以下の式により求めた。
電極の被覆率(連続性)(%)={1−(ボイドやSiの偏析などで電極が欠損している欠損部の長さの合計)/(電極の長さ=観察視野の幅)}×100
なお、外層カバー電極、内層カバー電極、および内部電極の被覆率(連続性)は、上述の上下2箇所の領域14a,14bにおいて測定した5個の値の、平均値である。
(1)耐湿負荷試験
試料番号1〜21の各試料のそれぞれ1500個について、85℃、85%RH、4V、100hの条件で耐湿負荷試験を行った。
そして、試験後に、室温における絶縁抵抗を測定し、絶縁抵抗が1MΩ以下となったものを不良と判定した。1500個中不良の発生がまったく認められない試料を良(○)と判定し、1つでも不良が発生した試料は不良(×)と判定した。
(2)サーマル試験
サーマル試験は、内層部と外層部の剥離を顕在化させて、剥離の発生を確認するために行う試験である。
サーマル試験は、試料番号1〜21の各試料のそれぞれ50個を、325℃に加熱したはんだ槽に3分間浸漬することにより行った。
そして、試験後の各試料を、樹脂で固めた後、研磨しながら、顕微鏡によってクラックの発生の有無を調べた。50個中不良の発生が認められない試料を良(○)と判定し、50個中1つにでも不良の発生が認められた試料を不良(×)と判定した。
上述のようにして行った評価の結果を表1に示す。
Figure 2015053526
表1に示すように、外層部の厚みが10μmで、本発明の範囲(15〜25μm)を下回る試料番号1の試料の場合、耐湿負荷試験の結果が不良となることが確認された。
また、外層カバー電極の被覆率が45%で、本発明の範囲(50〜70%)を下回る試料番号5の試料の場合、耐湿負荷試験の結果が不良となることが確認された。
また、外層カバー電極の被覆率が75〜100%で、本発明の範囲(50〜70%)を超える試料番号9〜14の試料の場合、サーマル試験の結果が不良となることが確認された。
また、内層カバー電極の被覆率が70%で、本発明の範囲(75〜100%)を下回る試料番号15の試料の場合、耐湿負荷試験の結果が不良となることが確認された。
これに対し、本発明の要件を満たす試料番号2〜4,6〜8および16〜21の試料の場合、耐湿負荷試験、サーマル試験のいずれにおいても良好な結果が得られることが確認された。
上記の結果より、本発明によれば、セラミック素体の内部への水分の浸入を抑制、防止することが可能で、耐湿負荷試験、サーマル試験のいずれにおいても良好な結果を得ることができる、信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られることがわかる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
1,1a 誘電体セラミック層(誘電体層)
2(2a,2b) 内部電極
5(5a,5b) 外部電極
10 セラミック素体
11a セラミック素体の第1の主面
11b セラミック素体の第2の主面
12 内層部
13(13a,13b) 外層部
21a セラミック素体の第1の端面
21b セラミック素体の第2の端面
22(22a,22b) 内層カバー電極
23(23a,23b) 外層カバー電極
31a セラミック素体の第1の側面
31b セラミック素体の第2の側面
30(30a,30b) 外部電極本体(Cu焼結金属層)
32(32a,32b) めっき層
33(33a,33b) Niめっき層
34(34a,34b) Snめっき層
35 境界層
50 積層セラミックコンデンサ
L 積層セラミックコンデンサの長さ
T 積層セラミックコンデンサの高さ
W 積層セラミックコンデンサの幅

Claims (1)

  1. 複数の誘電体セラミック層と、前記誘電体セラミック層を介して積層され、前記誘電体セラミック層間の複数の界面に位置する複数の内部電極とを備えたセラミック素体と、前記内部電極と導通するように前記セラミック素体に配設された外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサであって、
    前記セラミック素体は、複数の前記内部電極が前記誘電体セラミック層を介して積層されている領域である内層部と、前記内部電極の積層方向についてみた場合に前記内層部の外側に位置する、厚みが15μm以上、25μm以下で内部電極を備えていない領域である外層部とを備え、
    前記内層部は、積層方向の最も外側に位置する前記内部電極と前記誘電体セラミック層を介して対向する内層カバー電極を備え、かつ、前記内層カバー電極の、前記誘電体セラミック層を覆っている割合である被覆率が75%以上、100%以下であり、
    前記外層部は、前記内層カバー電極と前記誘電体セラミック層を介して対向する外層カバー電極を備え、かつ、前記外層カバー電極の、前記誘電体セラミック層を覆っている割合である被覆率が50%以上、70%以下であるとともに、
    前記外層カバー電極と、その外側に位置する誘電体セラミック層との境界には、MgとMnとを含有する境界層が形成されていること
    を特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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