JP2875936B2 - 誘電体磁器及び磁器コンデンサ - Google Patents
誘電体磁器及び磁器コンデンサInfo
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- JP2875936B2 JP2875936B2 JP5063364A JP6336493A JP2875936B2 JP 2875936 B2 JP2875936 B2 JP 2875936B2 JP 5063364 A JP5063364 A JP 5063364A JP 6336493 A JP6336493 A JP 6336493A JP 2875936 B2 JP2875936 B2 JP 2875936B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘電率の温度変化が小
さく且つ高い誘電率を有する誘電体磁器及びこれを使用
した単層又は積層の誘電体磁器コンデンサに関する。
さく且つ高い誘電率を有する誘電体磁器及びこれを使用
した単層又は積層の誘電体磁器コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】誘電率の温度変化の小さい誘電体磁器組
成物として、BaTiO3 (チタン酸バリウム)にNb
2 O5 及びCr、Co、Ni等の酸化物を加えた組成物
が知られている。この誘電体磁器組成物の比誘電率は2
000〜3500程度である。
成物として、BaTiO3 (チタン酸バリウム)にNb
2 O5 及びCr、Co、Ni等の酸化物を加えた組成物
が知られている。この誘電体磁器組成物の比誘電率は2
000〜3500程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、誘電体磁器
コンデンサの容量の増大及び信頼性の向上が要求されて
いる。容量の増大を図るためには一対の電極間に介在す
る誘電体磁器層の厚みを薄くすることが考えられる。し
かし、誘電体磁器層を薄くすると、一対の電極間の絶縁
耐圧が低下する。容量の増大を図るための別の方法とし
て、比誘電率が高く、且つ絶縁耐圧の高い誘電体磁器を
使用する方法がある。しかし、従来のBaTiO3 系の
誘電体磁器では比誘電率及び絶縁耐圧に限界があり、高
容量化に限界があった。
コンデンサの容量の増大及び信頼性の向上が要求されて
いる。容量の増大を図るためには一対の電極間に介在す
る誘電体磁器層の厚みを薄くすることが考えられる。し
かし、誘電体磁器層を薄くすると、一対の電極間の絶縁
耐圧が低下する。容量の増大を図るための別の方法とし
て、比誘電率が高く、且つ絶縁耐圧の高い誘電体磁器を
使用する方法がある。しかし、従来のBaTiO3 系の
誘電体磁器では比誘電率及び絶縁耐圧に限界があり、高
容量化に限界があった。
【0004】そこで、本発明の目的は、−25℃〜+8
5℃の範囲における比誘電率の最大変化率が20%以下
であり、20℃のtan δ(誘電損失)が1.0%以下で
あり、150℃における抵抗率が1×105 MΩ・cm
以上であり、20℃の比誘電率が4000以上である誘
電体磁器及びこれを使用した磁器コンデンサを提供する
ことにある。
5℃の範囲における比誘電率の最大変化率が20%以下
であり、20℃のtan δ(誘電損失)が1.0%以下で
あり、150℃における抵抗率が1×105 MΩ・cm
以上であり、20℃の比誘電率が4000以上である誘
電体磁器及びこれを使用した磁器コンデンサを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、 100モル部のBaTiO3と、 1〜7モル部のCaZrO3と、NiOに換算して 0.5〜1.5モル部のニッケル化合
物と、MnOに換算して 0.1〜0.3モル部のマンガン化合
物と、Re 2 O 3 に換算して 0.2〜0.7モル部の希土類化
合物(但し、ReはEr、Ho、Tm、Ybの内の1種
又は複数種の希土類元素)とから成り、且つこれ等以外
の成分を実質的に含まないものであり、且つ空気中で焼
成したものであり、且つ−25℃〜+85℃の範囲にお
ける比誘電率の最大変化率が20%以下であり、20℃
の誘電損失が1.0%以下であり、150℃における抵
抗率が1×105MΩ・cm以上であり、20℃の比誘
電率が4000以上であることを特徴とする誘電体磁器
に係わるものである。なお、請求項2に示すように、請
求項1の誘電体磁器を磁器コンデンサの誘電体磁器基体
として使用することができる。
の本発明は、 100モル部のBaTiO3と、 1〜7モル部のCaZrO3と、NiOに換算して 0.5〜1.5モル部のニッケル化合
物と、MnOに換算して 0.1〜0.3モル部のマンガン化合
物と、Re 2 O 3 に換算して 0.2〜0.7モル部の希土類化
合物(但し、ReはEr、Ho、Tm、Ybの内の1種
又は複数種の希土類元素)とから成り、且つこれ等以外
の成分を実質的に含まないものであり、且つ空気中で焼
成したものであり、且つ−25℃〜+85℃の範囲にお
ける比誘電率の最大変化率が20%以下であり、20℃
の誘電損失が1.0%以下であり、150℃における抵
抗率が1×105MΩ・cm以上であり、20℃の比誘
電率が4000以上であることを特徴とする誘電体磁器
に係わるものである。なお、請求項2に示すように、請
求項1の誘電体磁器を磁器コンデンサの誘電体磁器基体
として使用することができる。
【0006】
【発明の作用及び効果】誘電体磁器を本発明で特定した
組成にすると、−25℃〜+85℃の範囲における比誘
電率の最大変化率が20%以下、20℃の誘電損失ta
n δが1.0%以下、150℃における抵抗率ρが1
×105MΩ・cm以上、20℃の比誘電率が4000
以上になる。即ち、各成分の相乗効果によって、従来の
比誘電率の温度変化の少ない誘電体磁器組成物よりも比
誘電率の高い誘電体磁器を提供することができる。な
お、比誘電率が向上すると、磁器コンデンサの小型化が
可能になる。
組成にすると、−25℃〜+85℃の範囲における比誘
電率の最大変化率が20%以下、20℃の誘電損失ta
n δが1.0%以下、150℃における抵抗率ρが1
×105MΩ・cm以上、20℃の比誘電率が4000
以上になる。即ち、各成分の相乗効果によって、従来の
比誘電率の温度変化の少ない誘電体磁器組成物よりも比
誘電率の高い誘電体磁器を提供することができる。な
お、比誘電率が向上すると、磁器コンデンサの小型化が
可能になる。
【0007】
【第1の実施例】次に、本発明の第1の実施例を説明す
る。この実施例においては、図1に示す誘電体磁器コン
デンサ10を作製した。この磁器コンデンサ10は、円
板状の誘電体磁器基体12と、この一対の主面に設けら
れた一対の電極14、16とから成る。
る。この実施例においては、図1に示す誘電体磁器コン
デンサ10を作製した。この磁器コンデンサ10は、円
板状の誘電体磁器基体12と、この一対の主面に設けら
れた一対の電極14、16とから成る。
【0008】図1の磁器基体12を形成するために、純
度99.9%のBaTiO3 (チタン酸バリウム)とC
aZrO3 (ジルコン酸カルシウム)と、ニッケル化合
物としてのNiO(酸化ニッケル)と、マンガン化合物
としてのMnO(酸化マンガン)と、希土類化合物とし
て希土類酸化物Re2 O3 とを用意した。但し、ここ
で、ReはEr(エルビウム)、又はHo(ホルミウ
ム)、又はTm(ツリウム)、又はYb(イッテルビウ
ム)である。従って、希土類酸化物としてはEr2O3
(酸化エルビウム)とHo2 O3 (酸化ホルミウム)と
Tm2 O3 (酸化ツリウム)とYb2 O3 (酸化イッテ
ルビウム)を用意した。次に、BaTiO3を100モ
ル部一定として、CaZrO3 、NiO、MnO、Re
2 O3 を変化させて表1に示す19種類の誘電体磁器材
料(試料)を用意した。
度99.9%のBaTiO3 (チタン酸バリウム)とC
aZrO3 (ジルコン酸カルシウム)と、ニッケル化合
物としてのNiO(酸化ニッケル)と、マンガン化合物
としてのMnO(酸化マンガン)と、希土類化合物とし
て希土類酸化物Re2 O3 とを用意した。但し、ここ
で、ReはEr(エルビウム)、又はHo(ホルミウ
ム)、又はTm(ツリウム)、又はYb(イッテルビウ
ム)である。従って、希土類酸化物としてはEr2O3
(酸化エルビウム)とHo2 O3 (酸化ホルミウム)と
Tm2 O3 (酸化ツリウム)とYb2 O3 (酸化イッテ
ルビウム)を用意した。次に、BaTiO3を100モ
ル部一定として、CaZrO3 、NiO、MnO、Re
2 O3 を変化させて表1に示す19種類の誘電体磁器材
料(試料)を用意した。
【0009】
【表1】
【0010】試料NO. 1の誘電体磁器材料に従う磁器コ
ンデンサの製造方法を次に説明する。 まず、BaTiO3 100モル部 CaZrO3 1.0モル部 NiO 1.0モル部 MnO 0.15モル部 Er2 O3 0.5モル部 の割合になるように各成分を秤量し、これ等をボールミ
ルで24時間湿式混合し、しかる後脱水し、乾燥して磁
器材料粉末を得た。次に、この磁器材料の粉末に有機バ
インダを添加して造粒し、これを直径10mm、厚さ
0.6mmの円板状成形体にプレス形成した。次に、こ
の磁器材料の成形体を空気(酸化性雰囲気)中において
1300℃〜1350℃で2時間焼成して焼結体から成
る図1に示した誘電体磁器基体12を得た。なお、誘電
体磁器基体12の組成は、焼結前の誘電体磁器材料の組
成と実質的に同一である。次に、この磁器基体12の一
方及び両方の主面に銀ペーストを印刷法で塗布し、しか
る後800℃で焼付けることによって一対の電極14、
16を形成し、磁器コンデンサ10を完成させた。
ンデンサの製造方法を次に説明する。 まず、BaTiO3 100モル部 CaZrO3 1.0モル部 NiO 1.0モル部 MnO 0.15モル部 Er2 O3 0.5モル部 の割合になるように各成分を秤量し、これ等をボールミ
ルで24時間湿式混合し、しかる後脱水し、乾燥して磁
器材料粉末を得た。次に、この磁器材料の粉末に有機バ
インダを添加して造粒し、これを直径10mm、厚さ
0.6mmの円板状成形体にプレス形成した。次に、こ
の磁器材料の成形体を空気(酸化性雰囲気)中において
1300℃〜1350℃で2時間焼成して焼結体から成
る図1に示した誘電体磁器基体12を得た。なお、誘電
体磁器基体12の組成は、焼結前の誘電体磁器材料の組
成と実質的に同一である。次に、この磁器基体12の一
方及び両方の主面に銀ペーストを印刷法で塗布し、しか
る後800℃で焼付けることによって一対の電極14、
16を形成し、磁器コンデンサ10を完成させた。
【0011】次に、完成した磁器コンデンサの比誘電率
εr と、誘電損失tan δと、比誘電率の最大変化率Δε
と、抵抗率ρとを次の要領で測定した。 (a) 比誘電率εr 20℃、1kHz、1Vの条件で測定した。 (b) 誘電損失tan δ 20℃、1kHz、1Vの条件で測定した。 (c) 比誘電率の最大変化率Δε 磁器コンデンサを恒温槽に入れて−25℃から+85℃
まで温度を変化させた時の各温度における比誘電率εr
を求め、20℃の比誘電率に対する変化率をそれぞれ求
め、この内の最大値を読み取り、最大変化率Δεとし
た。 (d) 抵抗率ρ 磁器コンデンサを150℃にして一対の電極14、16
間に直流50Vを20秒間印加して絶縁抵抗を測定し、
この絶縁抵抗の値と磁器基体12の寸法とから抵抗率ρ
を計算した。
εr と、誘電損失tan δと、比誘電率の最大変化率Δε
と、抵抗率ρとを次の要領で測定した。 (a) 比誘電率εr 20℃、1kHz、1Vの条件で測定した。 (b) 誘電損失tan δ 20℃、1kHz、1Vの条件で測定した。 (c) 比誘電率の最大変化率Δε 磁器コンデンサを恒温槽に入れて−25℃から+85℃
まで温度を変化させた時の各温度における比誘電率εr
を求め、20℃の比誘電率に対する変化率をそれぞれ求
め、この内の最大値を読み取り、最大変化率Δεとし
た。 (d) 抵抗率ρ 磁器コンデンサを150℃にして一対の電極14、16
間に直流50Vを20秒間印加して絶縁抵抗を測定し、
この絶縁抵抗の値と磁器基体12の寸法とから抵抗率ρ
を計算した。
【0012】試料NO. 1の場合、表2に示すように、比
誘電率εr は4750、tan δは0.90%、Δεは1
8.7%、ρは8.2×105 MΩ・cmであった。
誘電率εr は4750、tan δは0.90%、Δεは1
8.7%、ρは8.2×105 MΩ・cmであった。
【0013】試料NO. 2〜19においても試料NO. 1と
同様な方法で磁器コンデンサを作り、同様な方法でεr
、tan δ、Δε、ρを測定したところ、表2に示す結
果が得られた。
同様な方法で磁器コンデンサを作り、同様な方法でεr
、tan δ、Δε、ρを測定したところ、表2に示す結
果が得られた。
【0014】
【表2】
【0015】表1及び表2から明らかなように、本発明
で特定した組成を満足する試料NO.1、3、6、9、1
2、14〜19の磁器コンデンサは、本発明で目標とし
ているεr が4000以上、tan δが1.0%以下、Δ
εが20%以下、ρが1×105 MΩ・cm以上を満足
している。これに対し、試料NO. 2、4、5、7、8、
10、11、13の磁器コンデンサは本発明で目標とす
る特性を得ることができないので、本発明以外のもので
ある。
で特定した組成を満足する試料NO.1、3、6、9、1
2、14〜19の磁器コンデンサは、本発明で目標とし
ているεr が4000以上、tan δが1.0%以下、Δ
εが20%以下、ρが1×105 MΩ・cm以上を満足
している。これに対し、試料NO. 2、4、5、7、8、
10、11、13の磁器コンデンサは本発明で目標とす
る特性を得ることができないので、本発明以外のもので
ある。
【0016】誘電体磁器の組成の限定理由を次に述べ
る。試料NO. 2に示すようにCaZrO3 が0.5モル
部の場合にはΔεが所望値よりも大きくなる。しかし、
試料NO. 1に示すようにCaZrO3 が1.0モル部の
場合には所望特性が得られる。従って、CaZrO3 の
下限値は1.0モル部である。試料NO. 4に示すように
CaZrO3 が8.0モル部の場合にはΔεが所望値よ
りも大きくなる。しかし、試料NO. 15に示すようにC
aZrO3 が7.0モル部の場合には所望特性が得られ
る。従って、CaZrO3 の上限値は7.0モル部であ
る。
る。試料NO. 2に示すようにCaZrO3 が0.5モル
部の場合にはΔεが所望値よりも大きくなる。しかし、
試料NO. 1に示すようにCaZrO3 が1.0モル部の
場合には所望特性が得られる。従って、CaZrO3 の
下限値は1.0モル部である。試料NO. 4に示すように
CaZrO3 が8.0モル部の場合にはΔεが所望値よ
りも大きくなる。しかし、試料NO. 15に示すようにC
aZrO3 が7.0モル部の場合には所望特性が得られ
る。従って、CaZrO3 の上限値は7.0モル部であ
る。
【0017】試料NO. 5に示すようにNiOが0.2モ
ル部の場合には、ε、tan δ及びΔεがそれぞれの所望
範囲外になる。しかし、試料NO. 14に示すようにNi
Oが0.5モル部の場合には所望特性が得られる。従っ
て、NiOの下限値は0.5モル部である。試料NO. 7
に示すようにNiOが1.7モル部の場合には緻密な焼
結体が得られない。しかし、試料NO. 9に示すようにN
iOが1.5モル部の場合には所望特性が得られる。従
って、NiOの上限値は1.5モル部である。
ル部の場合には、ε、tan δ及びΔεがそれぞれの所望
範囲外になる。しかし、試料NO. 14に示すようにNi
Oが0.5モル部の場合には所望特性が得られる。従っ
て、NiOの下限値は0.5モル部である。試料NO. 7
に示すようにNiOが1.7モル部の場合には緻密な焼
結体が得られない。しかし、試料NO. 9に示すようにN
iOが1.5モル部の場合には所望特性が得られる。従
って、NiOの上限値は1.5モル部である。
【0018】試料NO. 11に示すようにMnOが0.0
6モル部の場合にはtan δ及びρが所望範囲から外れ
る。しかし、試料NO. 16に示すようにMnOが0.1
モル部の場合には所望特性が得られる。従って、MnO
の下限値は0.1モル部である。試料NO. 13に示すよ
うにMnOが0.33モル部の場合にはρが所望値より
も小さくなる。しかし、試料NO. 12に示すようにMn
Oが0.30モル部の場合には所望特性が得られる。従
って、MnOの上限値は0.30モル部である。
6モル部の場合にはtan δ及びρが所望範囲から外れ
る。しかし、試料NO. 16に示すようにMnOが0.1
モル部の場合には所望特性が得られる。従って、MnO
の下限値は0.1モル部である。試料NO. 13に示すよ
うにMnOが0.33モル部の場合にはρが所望値より
も小さくなる。しかし、試料NO. 12に示すようにMn
Oが0.30モル部の場合には所望特性が得られる。従
って、MnOの上限値は0.30モル部である。
【0019】試料NO. 8に示すようにRe2 O3 即ちE
r2 O3 が0.10モル部の場合にはΔεが所望値より
も大きくなる。しかし、試料NO. 6に示すようにRe2
O3が0.2モル部の場合には所望特性が得られる。従
って、Re2 O3 の下限値は0.2モル部である。試料
NO. 10に示すようにRe2 O3 が0.8モル部の場合
には緻密な焼結体が得られない。しかし、試料NO. 3に
示すようにRe2 O3が0.7モル部の場合には所望特
性が得られる。従って、Re2 O3 の上限値は0.7モ
ル部である。なお、試料NO. 17、18、19に示すよ
うにRe2 O3としてHo2 O3 、Tm2 O3 、Yb2
O3 を使用してもEr2 O3 と同様な作用効果を得るこ
とができる。また、表1及び表2には示されていない
が、Ho2O3 、Tm2 O3 、Yb2 O3 をEr2 O3
と同様に0.10〜0.30モル部の範囲で変化させて
も同様な作用効果が得られることが確認されている。ま
た、Er2 O3 とHo2 O3 とTm2 O3 とYb2 O3
から選択された複数種又は全部を0.10〜0.30モ
ル部の範囲で混入しても1種の場合と同様な作用効果が
得られることが確認されている。
r2 O3 が0.10モル部の場合にはΔεが所望値より
も大きくなる。しかし、試料NO. 6に示すようにRe2
O3が0.2モル部の場合には所望特性が得られる。従
って、Re2 O3 の下限値は0.2モル部である。試料
NO. 10に示すようにRe2 O3 が0.8モル部の場合
には緻密な焼結体が得られない。しかし、試料NO. 3に
示すようにRe2 O3が0.7モル部の場合には所望特
性が得られる。従って、Re2 O3 の上限値は0.7モ
ル部である。なお、試料NO. 17、18、19に示すよ
うにRe2 O3としてHo2 O3 、Tm2 O3 、Yb2
O3 を使用してもEr2 O3 と同様な作用効果を得るこ
とができる。また、表1及び表2には示されていない
が、Ho2O3 、Tm2 O3 、Yb2 O3 をEr2 O3
と同様に0.10〜0.30モル部の範囲で変化させて
も同様な作用効果が得られることが確認されている。ま
た、Er2 O3 とHo2 O3 とTm2 O3 とYb2 O3
から選択された複数種又は全部を0.10〜0.30モ
ル部の範囲で混入しても1種の場合と同様な作用効果が
得られることが確認されている。
【0020】
【第2の実施例】図2は第2の実施例の積層型磁器コン
デンサ18を示す。この磁器コンデンサ18は誘電体磁
器基体20と、複数の第1の内部電極22と、複数の第
2の内部電極24と、第1及び第2の外部電極26、2
8とから成る。誘電体磁器基体20は、図1の誘電体磁
器基体12と同様に、 BaTiO3 100モル部 CaZrO3 1〜7モル部 NiO 0.5〜1.5モル部 MnO 0.1〜0.3モル部 Re2 O3 0.2〜0.7モル部 から成る組成物で形成されている。第1及び第2の内部
電極22、24は誘電体磁器基体20にそれぞれ埋設さ
れ、これ等の一端が誘電体磁器基体20の一対の側面に
露出し、ここに設けられた第1及び第2の外部電極2
6、28に接続されている。第1及び第2の内部電極2
2、24は誘電体磁器基体20の一部から成る誘電体磁
器層を介して互いに対向しているので、これ等の間に容
量を得ることができる。
デンサ18を示す。この磁器コンデンサ18は誘電体磁
器基体20と、複数の第1の内部電極22と、複数の第
2の内部電極24と、第1及び第2の外部電極26、2
8とから成る。誘電体磁器基体20は、図1の誘電体磁
器基体12と同様に、 BaTiO3 100モル部 CaZrO3 1〜7モル部 NiO 0.5〜1.5モル部 MnO 0.1〜0.3モル部 Re2 O3 0.2〜0.7モル部 から成る組成物で形成されている。第1及び第2の内部
電極22、24は誘電体磁器基体20にそれぞれ埋設さ
れ、これ等の一端が誘電体磁器基体20の一対の側面に
露出し、ここに設けられた第1及び第2の外部電極2
6、28に接続されている。第1及び第2の内部電極2
2、24は誘電体磁器基体20の一部から成る誘電体磁
器層を介して互いに対向しているので、これ等の間に容
量を得ることができる。
【0021】積層型磁器コンデンサを製造する時には、
周知のように、誘電体磁器材料から成るグリーンシート
(未焼成セラミックシート)を複数枚用意する。次に複
数のグリーンシートに第1及び第2の内部電極22、2
4を得るための導電ペーストを所望パターンに塗布して
積層し、更にこの上下にグリ−ンシ−トを重ね、これ等
を圧着した後に、所望形状にカッテングして焼成する。
これにより、図2に示す第1及び第2の内部電極22、
24を伴なった磁器基体20が得られる。しかる後、磁
器基体20の側面に導電ペーストを塗布して焼付けるこ
とによって第1及び第2の外部電極26、28を形成す
る。
周知のように、誘電体磁器材料から成るグリーンシート
(未焼成セラミックシート)を複数枚用意する。次に複
数のグリーンシートに第1及び第2の内部電極22、2
4を得るための導電ペーストを所望パターンに塗布して
積層し、更にこの上下にグリ−ンシ−トを重ね、これ等
を圧着した後に、所望形状にカッテングして焼成する。
これにより、図2に示す第1及び第2の内部電極22、
24を伴なった磁器基体20が得られる。しかる後、磁
器基体20の側面に導電ペーストを塗布して焼付けるこ
とによって第1及び第2の外部電極26、28を形成す
る。
【0022】図2の積層コンデンサ18についても、図
1の磁器コンデンサ10と同様に表1の試料NO. 1、
3、6、9、12、14〜19と同一の組成の種々の試
料を作成し、これ等のεr、tan δ、Δε、ρを測定し
たところ、本発明の目標特性を満足していた。
1の磁器コンデンサ10と同様に表1の試料NO. 1、
3、6、9、12、14〜19と同一の組成の種々の試
料を作成し、これ等のεr、tan δ、Δε、ρを測定し
たところ、本発明の目標特性を満足していた。
【0023】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 焼成温度は例えば1100〜1400℃の範囲
で変えることができる。 (2) 誘電体磁器材料の出発物質として、MnOの代
りにMnO2 、Mn3O4 等の酸化物、MnCO3 等の
炭酸化物、Mn(OH)2 、MnO(OH)等の水酸化
物を使用することができる。また、Re2 O3 の代りに
Re(OH)3(希土類水酸化物)を使用することがで
きる。
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 焼成温度は例えば1100〜1400℃の範囲
で変えることができる。 (2) 誘電体磁器材料の出発物質として、MnOの代
りにMnO2 、Mn3O4 等の酸化物、MnCO3 等の
炭酸化物、Mn(OH)2 、MnO(OH)等の水酸化
物を使用することができる。また、Re2 O3 の代りに
Re(OH)3(希土類水酸化物)を使用することがで
きる。
【図1】第1の実施例の磁器コンデンサを示す正面図で
ある。
ある。
【図2】第2の実施例の積層磁器コンデンサを示す断面
図である。
図である。
12 誘電体磁器基体 14、16 電極
フロントページの続き (72)発明者 茶園 広一 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽 誘電株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−218207(JP,A) 特開 平3−171712(JP,A) 特開 昭62−157603(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】 100モル部のBaTiO3と、 1〜7モル部のCaZrO3と、NiOに換算して 0.5〜1.5モル部のニッケル化合
物と、MnOに換算して 0.1〜0.3モル部のマンガン化合
物と、Re 2 O 3 に換算して 0.2〜0.7モル部の希土類化
合物(但し、ReはEr、Ho、Tm、Ybの内の1種
又は複数種の希土類元素)と、 から成り、且つこれ等以外の成分を実質的に含まないも
のであり、且つ空気中で焼成したものであり、且つ−2
5℃〜+85℃の範囲における比誘電率の最大変化率が
20%以下であり、20℃の誘電損失が1.0%以下で
あり、150℃における抵抗率が1×105MΩ・cm
以上であり、20℃の比誘電率が4000以上であるこ
とを特徴とする誘電体磁器。 - 【請求項2】 誘電体磁器基体とこの誘電体磁器基体に
接触している少なくとも2つの電極とから成る磁器コン
デンサであって、前記誘電体磁器基体が、 100モル部のBaTiO3と、 1〜7モル部のCaZrO3と、NiOに換算して 0.5〜1.5モル部のニッケル化合
物と、MnOに換算して 0.1〜0.3モル部のマンガン化合
物と、Re 2 O 3 に換算して 0.2〜0.7モル部の希土類化
合物(但し、ReはEr、Ho、Tm、Ybの内の1種
又は複数種の希土類元素)と、 から成り、且つ空気中で焼成したものであり、且つこれ
等以外の成分を実質的に含まないものであり、且つ−2
5℃〜+85℃の範囲における比誘電率の最大変化率が
20%以下であり、20℃の誘電損失が1.0%以下で
あり、150℃における抵抗率が1×105MΩ・cm
以上であり、20℃の比誘電率が4000以上であるこ
とを特徴とする誘電体磁器コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5063364A JP2875936B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 誘電体磁器及び磁器コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5063364A JP2875936B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 誘電体磁器及び磁器コンデンサ |
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---|---|
JPH06260023A JPH06260023A (ja) | 1994-09-16 |
JP2875936B2 true JP2875936B2 (ja) | 1999-03-31 |
Family
ID=13227150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5063364A Expired - Lifetime JP2875936B2 (ja) | 1993-02-26 | 1993-02-26 | 誘電体磁器及び磁器コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2875936B2 (ja) |
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JPH02123614A (ja) * | 1988-11-02 | 1990-05-11 | Tdk Corp | 高誘電率系磁器組成物 |
JPH0779004B2 (ja) * | 1990-10-31 | 1995-08-23 | 株式会社村田製作所 | 誘電体磁器組成物 |
-
1993
- 1993-02-26 JP JP5063364A patent/JP2875936B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH06260023A (ja) | 1994-09-16 |
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