JP4211205B2 - クラッチ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチ装置に関する。このクラッチ装置は、同軸状に向け合わせて配設された2つの第1および第2の回転体の間に介装されて第1回転体に回転動力が入力されたときは両回転体を同期回転させる状態に、また第2回転体に回転動力が入力されたときは両回転体を回転不可な状態に切り換えるものである。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は、図12で示されるクラッチ装置を提案している。同図において、1は、クラッチハウジング、2は、第1回転軸、3は、第2回転軸、4は、カムプレート、5は、円錐コイルばね、6は、転がり軸受、7は、ボールカム機構である。
【0003】
このクラッチ装置は、クラッチハウジング1に軸方向に挿入した第2回転軸3を転がり軸受6を介して支持し、第1回転軸2の貫通孔2bに第2回転軸3の凸軸部3bを貫通させ、この凸軸部3bの周溝3fにC形止め輪20を装着して第1回転軸2を第2回転軸3に対して相対回転可能に支持して第1回転軸2の軸方向上の位置決めを行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常、周溝3dに対してC形止め輪20は所要の隙間を持つ状態に嵌入されるので、その隙間分について、第1回転軸2が、クラッチハウジング1内に固定される第2回転軸3に対して軸方向へがたつくことになる。
【0005】
このような第1回転軸2の軸方向に対するがたつきは、そのフランジ2aとカムプレート4の両対向面のカム溝8,9の径方向隙間の精度に影響を及ぼしボールカム機構7による円滑なクラッチ動作には不都合となる。
【0006】
したがって、本発明は、クラッチ装置において、例えば周溝や止め輪の軸方向幅に寸法公差のばらつきがあっても、一方の回転軸を他方の回転軸に対して軸方向上がたつき無く位置決めさせて円滑なクラッチ動作を可能とすることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のクラッチ装置は、同軸状に向け合わせて配設された二つの回転軸の動力伝達間に介装され、かつ、第1回転軸に回転動力が入力されたときは両回転軸を同期回転可能に結合する一方、第2回転軸に回転動力が入力されたときは第2回転軸を非回転状態とし第1回転軸と分離するクラッチ装置であって、第1回転軸に対して軸方向で対向配設されるとともに、第2回転軸と同期回転可能でかつ軸方向変位可能に取り付けられるカムプレートと、カムプレートの軸方向変位によって当該カムプレートが圧接または離隔する位置に固定配置されるクラッチハウジングと、第1回転軸とカムプレートの対向面にそれぞれ形成したカム溝間に転動可能に収納したボールと、カムプレートを第1回転軸側に段発付勢する円錐コイルばねとを含み、第1回転軸が回転したときにカムプレートをクラッチハウジングから離隔させて第1回転軸とカムプレートと第2回転軸との三者を一体にして両回転軸を同期回転可能に結合する一方、第2回転軸が回転したときにカムプレートをクラッチハウジングに圧接させて第2回転軸とカムプレートとクラッチハウジングとの三者を一体にして第2回転軸を非回転状態にし、第2回転軸が、クラッチハウジングに転がり軸受を介して支持され、第2回転軸に対して第1回転軸が、相対回転可能に支持されており、第1回転軸が有底円筒形に形成されていて、第1回転軸の底壁部の中心に円筒部内径より小径の貫通孔が設けられ、また、第2回転軸に前記貫通孔に対して相対回転可能に貫通挿入される凸軸部が設けられており、前記貫通孔に貫通挿入される凸軸部において貫通孔より円筒部側へ突出された部分の外周に設けられる周溝に、一側面が前記底壁部の内側面に当接するとともに他側面の内径部が前記周溝の開口縁に当接する状態とされるくさび状止め輪をくさび状に係入してなり、第1回転軸を第2回転軸の方向に引き寄せて軸方向で位置決めし、円錐コイルばねの軸方向荷重をFa ' とした場合、くさび状止め輪による軸方向荷重Faを、Fa ' >>Faとし、軸方向荷重Fa ' に対して無視できる程度に小さくしたものである。
【0008】
本発明のクラッチ装置によると、第2回転軸に対する第1回転軸の支持部において、軸方向の支持に関して寸法公差のばらつきがあっても、位置決め機構により第1回転軸を第2回転軸の方向に引き寄せて軸方向で位置決めしてそのばらつきが吸収されるから、例えばカム機構における対向カム溝間の径方向隙間を常に所要の状態に高精度に維持することが可能となって、カム機構による円滑なクラッチ動作が可能となる。
【0010】
また、周溝やくさび状止め輪の軸方向幅について寸法公差のばらつきがあっても、くさび状止め輪と第1回転軸の底壁部の内側面との間に隙間がなくなるから、従来とは異なって、第1回転軸の軸方向に対するがたつきがなくなって、第1回転軸とカムプレートの両対向面のカム溝の径方向隙間を高精度に維持でき、カム機構による円滑なクラッチ動作が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0016】
図1ないし図6を参照して本発明の実施形態に係るクラッチ装置について説明する。図1は、動力遮断状態におけるクラッチ装置の側面断面図、図2は、動力伝達状態におけるクラッチ装置の側面断面図、図3は、クラッチ装置の要部の拡大図、図4は、クラッチ装置の要部の分解斜視図、図5(a)は、図1の第1回転軸とカムプレートとのカム溝を側面から見た要部拡大断面図、図5(b)は、図2の第1回転軸とカムプレートとのカム溝を側面から見た要部拡大断面図、図6は、図5(a)と図5(b)とを合わせた図である。
【0017】
これらの図において、Aは、クラッチ装置の全体を示しており、このクラッチ装置Aは、クラッチハウジング1と、第1回転軸2と、第2回転軸3と、カムプレート4と、円錐コイルばね5と、転がり軸受6と、ボールカム機構7とを備える。
【0018】
クラッチハウジング1は、固定摩擦部材として、図外のクラッチ装置取付壁に固定されるとともに、円錐面形状の固定接触面1aと軸受取り付け面1bとを備えた筒体構造となっている。
【0019】
第1回転軸2は、第1回転体として、有底円筒形に形成されていてモータ等の動力源により回転駆動されるものであって、軸方向一方軸端側における外周面に径方向外向きの環状のフランジ2aが一体に形成され、また、底壁部2bの中心に円筒部2c内径より小径の貫通孔2dが設けられている。
【0020】
第2回転軸3は、第2回転体として、軸方向一方側軸部3aがクラッチハウジング1外に延び、第1回転軸2の貫通孔2dに対して相対回転可能に貫通挿入される凸軸部3bが設けられている。
【0021】
第2回転軸3はまた、外周面にスプライン歯3cが形成され、転がり軸受6を介してクラッチハウジング1の軸受取り付け面1bに回転可能に支持されている。この場合、第2回転軸3の外周面の周溝3dに止め輪3eが固定され、これによって、第2回転軸3等がクラッチハウジング1から抜け出すのが防止されている。
【0022】
カムプレート4は、可動摩擦部材として、外周面が円錐面形状の可動接触面4aとなってクラッチハウジング1の固定接触面1aと対向するようクラッチハウジング1と同心状に配設された環状板構造となっている。
【0023】
カムプレート4はまた、第2回転軸3の嵌入穴を有し、その嵌入穴内周壁に第2回転軸3のスプライン歯3cに嵌合するスプライン歯4bを備え、そのスプライン歯4bと3cとの嵌合で第2回転軸3と同期回転可能、かつ、軸方向に変位可能となっている。
【0024】
転がり軸受6は、単列深溝玉軸受で構成されている。
【0025】
ボールカム機構7は、第1回転軸2の径方向外向きフランジ2aと、カムプレート4と、円錐コイルばね5、ボール10とを構成要素として備える。
【0026】
カムプレート4は、第1回転軸2のフランジ2aに対して軸方向変位可能な状態に同軸状に対向配設される。
【0027】
フランジ2aとカムプレート4との互いの対向面に一対のカム溝8,9が振り分けて設けられている。
【0028】
両カム溝8,9それぞれは、周方向中心8a0,9a0から周方向両側へ向けて深さが浅くなるすり鉢状斜面8a1,8a2;9a1,9a2に形成されている。
【0029】
円錐コイルばね5は、カムプレート4をフランジ2a側に弾発付勢する弾発付勢部材となる。
【0030】
ボール10は、転動体として両カム溝8,9間に転動可能に収納されている。
【0031】
このようなボールカム機構7において、両カム溝8,9は、周方向中心8a0,9a0で最深となり、そこでの深さは、ボール10の半径より小さい寸法に設定されている。ボールカム機構7では、第1回転軸2の回転に伴うフランジ2aとカムプレート4との相対的な回転に伴い、両カム溝8,9の最も深い位置である周方向中心8a0,9a0にボール10が位置することによりカムプレート4をフランジ2a側に近接させる状態に、また、前記両カム溝8,9の最も浅い位置にボール10が位置することによりカムプレート4をフランジ2a側から最も離隔させる状態になる。
【0032】
なお、カムプレート4は、円錐コイルばね5によりフランジ2a側に弾発付勢されているが、この円錐コイルばね5は、図12のクラッチ装置で使用されている皿ばねと比較して小さいばね定数が設定できるから、ばねのたわみ量に対するカムプレート4に対する押し付け荷重の変化が少ない。そのため、両カム溝8,9間の径方向隙間の大小に対してはばねの線径や有効巻数を変えることで簡単に対応することができる。また、円錐コイルばね5の場合、その軸方向の組み付け幅を小さくすることができるから、軸方向寸法の小型化に貢献することができる。さらに、ばね製造機で任意のばね定数のものを容易に製造することができる、などの利点が得られる。
【0033】
次に、クラッチ装置Aの動作について図5および図6を参照して説明する。
【0034】
カムプレート4は、円錐コイルばね5で軸方向他方に付勢され、その接触面4aが、クラッチハウジング1の接触面1aに圧接されているときは、第2回転軸3は、その回転をロックされて非回転状態となっている。この状態では図5で示すように、ボール10は、カム溝8,9の軸方向最深の周方向中心8a0,9a0間に位置している。
【0035】
この状態から、第1回転軸2が図外のモータ等の動力源で回転駆動される(図6で周方向一方へ移動される)と、フランジ2aとカムプレート4の両対向面間のカム溝8,9の互いに逆方向のすり鉢状斜面8a2、9a2間を図5から図6で示すようにボール10が周方向に転動する。
【0036】
このすり鉢状斜面8a2、9a2においては、一方のすり鉢状斜面8a2は周方向他方へ向けて、また他方のすり鉢状斜面9a2は周方向一方へ向けてそれぞれ深さが浅くなっているので、カムプレート4は、円錐コイルばね5に抗して、フランジ2aより軸方向一方に向けて変位させられ、これによって、カムプレート4の接触面4aが、クラッチハウジング1の接触面1aから離隔する。
【0037】
そして、ボール10が、すり鉢状斜面8a2、9a2の両側間で軸方向に挟まれた状態になる。このようにボール10がすり鉢状斜面8a2、9a2の両側間で軸方向に挟まれた状態になると、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向一方の回転動力で、それと同方向に回転し、これとともに、第2回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の回転動力が伝達されることになる。
【0038】
また、第1回転軸2が、上記と逆方向に回転駆動された場合は、ボール10は、すり鉢状斜面8a1、9a1間を転動し、そのすり鉢状斜面8a1、9a1の両側間で軸方向に挟まれた状態になって、カムプレート4は、第1回転軸2の周方向他方の回転動力で、それと同方向に回転し、これとともに、第2回転軸3も同方向に回転させられて、第1回転軸2の回転動力が伝達されることになる。このようにして回転動力はいずれの回転方向にも伝達される。
【0039】
本実施形態は、第2回転軸3に対する第1回転軸2の支持部に、第1回転軸2を第2回転軸3の方向に引き寄せて軸方向で位置決めする位置決め機構14を備えたことを特徴とする。
【0040】
この位置決め機構14について詳しく説明する。
【0041】
すなわち、この位置決め機構14は、第1回転軸2の貫通孔2dに貫通挿入される第2回転軸3の凸軸部3bにおいてその貫通孔2dより円筒部2cへ突出された部分の外周に設けられる周溝3fと、この周溝3fにくさび状に係入されて一側面20aが底壁部2bの内側面2eに当接するとともに他側面20bの内径部が周溝3fの開口縁3gに当接する状態とされるくさび状のC形止め輪20とで構成されている。
【0042】
周溝3fの開口縁3gと、これに当接するC形止め輪20の他側面20bはそれぞれテーパ面形状とされている。
【0043】
この場合、周溝3fの開口縁3gの軸方向幅x0は、C形止め輪20の軸方向幅X1に対してX0≧X1の関係となっている。
【0044】
周溝3fとC形止め輪20の内径側との前記両テーパ面における当接により、C形止め輪20のテーパ面から周溝3fのテーパ面には反力Fが作用し、この反力Fは、軸方向荷重Faと、径方向荷重Fbとに分力される。この軸方向荷重Faにより、C形止め輪20の外径側から第1回転軸2の底壁部2bの内側面2eに対して軸方向荷重Faが作用する。
【0045】
この場合、第2回転軸3には軸方向他方の軸方向荷重Faが作用するが、第2回転軸3は転がり軸受6を介してクラッチハウジング1に固定されているから、軸方向他方には変位することができない。一方、第1回転軸2は、その底壁部2bの内側面2eに作用する軸方向荷重Faにより、第2回転軸3の方向に引き寄せられることになる。
【0046】
なお、前記両テーパ面のテーパ角度θにより軸方向荷重Faの大きさを調整できるようにしている。
【0047】
この調整により、円錐コイルばね5の軸方向荷重をFa’とした場合、C形止め輪20による前記軸方向荷重Faを、Fa’>>Faとし、軸方向荷重Fa’に対して無視できる程度に小さくし、C形止め輪20により第1回転軸2の底壁部2bの内側面2eとの間に隙間を詰めて、第1回転軸2の軸方向に対するがたつきをなくせるようにしている。
【0048】
したがって、この実施形態によると、周溝3fやC形止め輪20の軸方向幅において寸法公差のばらつきがあっても、周溝3fの軸方向溝幅x0は、C形止め輪20の軸方向幅X1との差分、前記両テーパ面が常に、そのばらつきを吸収するような当接関係となって第1回転軸2に対して所要の軸方向荷重Faを与え、その結果、第1回転軸2にはボールカム機構7における両カム溝8,9間の径方向隙間をつめるように、軸方向一方の第2回転軸3側に引き寄せる力が作用している。
【0049】
以上のように本実施形態によれば、周溝3fやC形止め輪20の軸方向幅について寸法公差のばらつきがあっても、C形止め輪20と第1回転軸2の底壁部2bの内側面2eとの間に隙間がなくなるから、従来とは異なって、第1回転軸2の軸方向に対するがたつきがなくなって、第1回転軸2のフランジ2aとカムプレート4の両対向面のカム溝8,9の径方向隙間を所要の状態に高精度に維持でき、ボールカム機構7による円滑なクラッチ動作か可能となる。
【0050】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、種々な応用や変形が考えられる。
【0051】
(1)上述の実施形態における位置決め機構14は、第2回転軸3の凸軸部3bに形成した周溝3fとこれに装着されるC形止め輪20とで構成されていたが、図7および図8で示すように、さらに、第2回転軸3の周溝3f内において止め輪20と隣り合わせで弾性変形した状態で弾性体として例えばC形金属製波形ワッシャ21を嵌入して、周溝3fとC形止め輪20との軸方向幅の差によって発生する周溝3f内の軸方向隙間をそのワッシャ21で詰めるようにしてもよい。この場合、周溝3fとC形止め輪2とには前記テーパ面は形成されていない。
【0052】
この参考例の場合、周溝3fやC形止め輪20の軸方向幅について寸法公差のばらつきがあって、C形止め輪20と第1回転軸2の底壁部2bの内側面2eとの間に隙間があっても、その隙間がワッシャ21で詰められ、その弾性力で第1回転軸2を第2回転軸3の方向に引き寄せる力が作用している結果、従来とは異なって、第1回転軸2の軸方向に対するがたつきがなくなって、第1回転軸2のフランジ2aとカムプレート4の両対向面のカム溝8,9の径方向隙間を常に所要の状態に高精度に維持できボールカム機構7による円滑なクラッチ動作が可能となる。
【0053】
(2)上述の実施形態における位置決め機構14は、第2回転軸3の凸軸部3bに形成した周溝3fとこれに装着されるC形止め輪20とで構成されていたが、図9および図10で示すように、さらに、第2回転軸3の周溝3f内において止め輪20と隣り合わせで嵌入されて、周溝3fとC形止め輪20との軸方向幅の差によって発生する周溝3f内の軸方向隙間を隙間調整部材として例えばC形シム22で詰めるようにしてもよい。この場合、周溝3fとC形止め輪2とには前記テーパ面は形成されていない。
【0054】
この参考例の場合、周溝3fやC形止め輪20の軸方向幅について寸法公差のばらつきがあって、C形止め輪20と第1回転軸2の底壁部2bの内側面2eとの間に隙間があっても、その隙間がシム21で詰められ、第1回転軸2を第2回転軸3の方向に引き寄せる力が作用している結果、従来とは異なって、第1回転軸2の軸方向に対するがたつきがなくなって、第1回転軸2のフランジ2aとカムプレート4の両対向面のカム溝8,9の径方向隙間を常に所要の状態に高精度に維持できボールカム機構7による円滑なクラッチ動作が可能となる。
【0055】
なお、このC形シム22の組み込みは、まず、C形止め輪20だけの場合の軸方向のがたを計測し、その計測に対応して1枚ないし複数枚のC形シム22を組み込む。
【0056】
(3)上述の実施形態におけるクラッチハウジング1は、そのクラッチ装置Aを相手部品に取り付けるためのフランジ1cを外周面に設けているが、このフランジ1cを、図11で示すように省略し、相手部品に対してその外周面を圧入結合させる形態としてもよい。この場合、フランジ1cの削除により内径円錐面の加工基準となる第1回転軸2外周面の研削にセンタレス研削盤の使用が可能となり、また、第1回転軸2として通常の安価なパイプ材の使用が可能となり、さらに、第1回転軸2の加工に際してそれを保持しやすい、さらにまたころ軸受の外輪の製造設備など既存設備で第1回転軸2を製造できるなど、により加工コストの大幅な低減が可能となって好ましい。
【0057】
(4)本発明のクラッチ装置は、例えば、無断変速機や、電動パワーステアリング、その他の機械装置類に応用することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明による場合、第2回転軸が、クラッチハウジングに転がり軸受を介して支持され、第2回転軸に対して第1回転軸が、相対回転可能に支持されており、第2回転軸に対する第1回転軸の支持部に、第1回転軸を第2回転軸の方向に引き寄せて軸方向で位置決めする位置決め機構が設けられているから、第2回転軸に対する第1回転軸の支持部において、軸方向の支持に関して寸法公差のばらつきがあっても、位置決め機構により第1回転軸を第2回転軸の方向に引き寄せて軸方向で位置決めして、例えばカム機構における対向カム溝間の径方向隙間を常に所要の状態に詰めることが可能となって、カム機構による円滑なクラッチ動作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動力非伝達状態にある本発明の実施形態のクラッチ装置の側面断面図
【図2】動力伝達状態にある本発明の実施形態のクラッチ装置の側面断面図
【図3】図1のクラッチ装置の要部拡大図
【図4】図1の要部斜視図
【図5】(a)図1の第1回転軸とカムプレートとのカム溝を側面から見た要部拡大断面図、(b)図2の第1回転軸とカムプレートとのカム溝を側面から見た要部拡大断面図
【図6】図5(a)と図5(b)とを合わせた図
【図7】動力非伝達状態にある本発明の参考例のクラッチ装置の側面断面図
【図8】図7の要部拡大図
【図9】動力非伝達状態にある本発明の参考例のクラッチ装置の側面断面図
【図10】図9の要部拡大図
【図11】動力非伝達状態にある本発明の他の実施形態のクラッチ装置の側面断面図
【図12】動力非伝達状態にある従来のクラッチ装置の側面断面図
【符号の説明】
1 クラッチハウジング
1a 固定接触面
1b 軸受取り付け面
2 第1回転軸
2a フランジ
2b 底壁部
2c 円筒部
2d 貫通孔
2e 内側面
3 第2回転軸
3a 一方側軸部
3b 凸軸部
3c スプライン歯
3f 周溝
4 カムプレート
4a 可動接触面
4b スプライン歯
5 円錐コイルばね
7 ボールカム機構
8 カム溝
9 カム溝
14 位置決め機構
20 止め輪
20a 一側面
20b 他側面
Claims (1)
- 同軸状に向け合わせて配設された二つの回転軸の動力伝達間に介装され、かつ、第1回転軸に回転動力が入力されたときは両回転軸を同期回転可能に結合する一方、第2回転軸に回転動力が入力されたときは第2回転軸を非回転状態とし第1回転軸と分離するクラッチ装置であって、
第1回転軸に対して軸方向で対向配設されるとともに、第2回転軸と同期回転可能でかつ軸方向変位可能に取り付けられるカムプレートと、
カムプレートの軸方向変位によって当該カムプレートが圧接または離隔する位置に固定配置されるクラッチハウジングと、
第1回転軸とカムプレートの対向面にそれぞれ形成したカム溝間に転動可能に収納したボールと、
カムプレートを第1回転軸側に段発付勢する円錐コイルばねと、
を含み、
第1回転軸が回転したときにカムプレートをクラッチハウジングから離隔させて第1回転軸とカムプレートと第2回転軸との三者を一体にして両回転軸を同期回転可能に結合する一方、第2回転軸が回転したときにカムプレートをクラッチハウジングに圧接させて第2回転軸とカムプレートとクラッチハウジングとの三者を一体にして第2回転軸を非回転状態にし、
第2回転軸が、クラッチハウジングに転がり軸受を介して支持され、第2回転軸に対して第1回転軸が、相対回転可能に支持されており、
第1回転軸が有底円筒形に形成されていて、第1回転軸の底壁部の中心に円筒部内径より小径の貫通孔が設けられ、また、第2回転軸に前記貫通孔に対して相対回転可能に貫通挿入される凸軸部が設けられており、
前記貫通孔に貫通挿入される凸軸部において貫通孔より円筒部側へ突出された部分の外周に設けられる周溝に、一側面が前記底壁部の内側面に当接するとともに他側面の内径部が前記周溝の開口縁に当接する状態とされるくさび状止め輪をくさび状に係入してなり、第1回転軸を第2回転軸の方向に引き寄せて軸方向で位置決めし、
円錐コイルばねの軸方向荷重をFa ' とした場合、くさび状止め輪による軸方向荷重Faを、Fa ' >>Faとし、軸方向荷重Fa ' に対して無視できる程度に小さくした、ことを特徴とするクラッチ装置。
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