JP4210904B2 - 化粧板目止め兼接着用熱圧着硬化性樹脂組成物、化粧板及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機系基材表面の細孔の目止めと、無機系基材と化粧紙とを接着するために用いられる化粧板目止め用硬化性樹脂組成物、化粧板および化粧板の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ケイ酸カルシウム板やセメント板等の無機系基材は不燃性であるが故に、一般住宅や店舗、公共施設、ビル等の内装用壁面に用いられる不燃化粧板の基材として使用されている。この無機系基材の表面には、微細な凹凸や細孔が存在するため、このような基材の表面に意匠を施す場合には、基材表面にポリウレタン系プライマーを塗布乾燥した後、研磨し、目止め処理した表面に、尿素/酢酸ビニル系などの接着剤で化粧紙を接着し、その表面をフィルム成形法により不飽和ポリエステル樹脂を硬化させて不燃化粧板を得る方法(例えば特許文献1参照)、熱転写方式により印刷し、その表面にクリア塗装して不燃化粧板を得る方法がある(例えば特許文献2参照)。しかし、前者のフィルム成形法を用いる方法では、接着剤に起因するホルムアルデヒドの放散の問題があり、後者の熱転写方式を用いた方法では、多くの工程を必要とするため、製品のコストアップにつながる等の問題がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−212537号公報(「0002」段落)
【特許文献2】
特開平11−348174号公報(請求項1)
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、無機系基材に対する目止め機能と、化粧紙と無機系基材との接着機能を一層で兼ね備え、さらにホルムアルデヒドを放散させる材料を含有しないことから安全性に優れ、化粧板としての硬度をも向上せしめることのできる化粧板目止め用硬化性樹脂組成物、化粧板及び化粧板の製造法に関するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明は、ラジカル共重合性不飽和重合体(A)、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)及び体質顔料(C)を10〜75重量%含有する化粧板目止め兼接着用熱圧着硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0006】
さらに、基材、上記した化粧板目止め用硬化性樹脂組成物からなる層及び化粧紙(E)が順次積層してなる化粧板に関するものであり、好ましくは化粧紙(E)の上にラジカル共重合性不飽和重合体(F)及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(G)を含有する塗装用硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を積層した化粧板に関するものであり、好ましくは基材が、無機質材料からなる化粧板に関するものである。
【0007】
さらに、基材上に上記した化粧板目止め用硬化性樹脂組成物を塗布し、その上に化粧紙(E)をのせ、次いで熱圧着して該化粧板目止め用硬化性樹脂組成物を硬化してなる化粧板の製造法に関するものであり、好ましくは基材上に上記した化粧板目止め用硬化性樹脂組成物を塗布し、その上に化粧紙(E)をのせ、次いで熱圧着して該化粧板目止め用硬化性樹脂組成物を硬化し、更に化粧紙(E)上に上記した塗装用硬化性樹脂組成物を塗布してなる化粧板の製造法に関するものである。
【0008】
次に本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の化粧板目止め用硬化性樹脂組成物は、ラジカル共重合性不飽和重合体(A)、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)及び体質顔料を10〜75重量%含有するものであり、基材表面の細孔を目止めすると同時に、化粧紙(E)と基材とを接着せしめる上で、接着剤として用いられる。
【0010】
かかるラジカル共重合性不飽和重合体(A)としては、例えば不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートおよびポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを単独又は2種以上を併用して用いられるが、本発明の化粧板に用いられる無機質基材がアルカリ性である場合は、耐アルカリ性の優れたエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく用いられ、アルカリ性でない場合はエポキシ(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレートおよびポリエステル(メタ)アクリレート等のいずれのものも用いることができる。
【0011】
ここでいう不飽和ポリエステルとしては、α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物、芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物、及びグリコール類の重縮合によって製造され、場合によって酸成分として脂肪族又は脂肪族環状飽和二塩基酸を併用して製造された不飽和ポリエステルが挙げられる。
【0012】
上記したα,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸及びこれらのエステル等があり、芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、例えばフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、脂肪族或いは脂環族飽和二塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、それぞれ単独或いは併用して用いられる。上記した各種酸成分に関しては、好ましくはα,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物が用いられ、より好ましくはマレイン酸またはフマル酸が用いられ、不飽和ポリエステル中に好ましくは10〜50モル%用いられる。
【0013】
次に、上記した酸成分と重縮合するグリコール類としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA,エチレングリコールカーボネート、2,2−ジ−(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プロパンなどが挙げられ、さらにそれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の付加物も同様に使用できる。また、グリコール類と酸成分の一部としてポリエチレンテレフタレート等の重縮合物も使用できる。上記した各種グリコール類は、単独又は2種以上を併用して用いられるが、好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコールが用いられる。
【0014】
かくして得られる不飽和ポリエステルの数平均分子量としては、好ましくは1000〜3000のものが用いられ、より好ましくは1300〜2500のものが用いられる。
【0015】
次に、本発明に用いられるラジカル共重合性不飽和重合体(A)としては、不飽和ポリエステルに空乾性を付与したものが硬化性の面で好ましく用いられる。かかる空乾性を有する基としては、例えばアリルエーテル基をはじめとするアルケニル基、アルケニルエーテル基及びジシクロペンタジエニル基などが挙げられる。
【0016】
上記した空乾性を有する基を、上記した不飽和ポリエステルに導入する方法としては、例えば(イ)多価アルコール成分として、空乾性付与構成成分であるアリルエーテル基を含有する化合物を用いる方法、(ロ)多価アルコールと乾性油等の脂肪酸とのエステル交換反応で得られ、空乾性付与構成成分であるアルコリシス化合物をアルコール成分に用いる方法、(ハ)酸成分で空乾性付与構成成分である環状不飽和脂肪族多塩基酸及びその誘導体を含有する化合物を用いる方法および(二)空乾性付与構成成分であるジシクロペンタジエニル基を含有する化合物を用いる方法などが挙げられ、これらを単独又は2種以上が併用して用いられるが、好ましくは(イ)および(ハ)の方法が好ましく用いられる。
【0017】
上記(イ)の方法で、多価アルコール成分として用いられるアリルエーテル基を含有する化合物としては、特に限定されるものではないが、その代表的なものとしてエチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等多価アルコール類のアリルエーテル化合物、アリルグリシジルエーテルなどの如きオキシラン環を有するアリルエーテル化合物等の、アリルエーテル基を1個以上、好ましくは1〜3個を有し、好ましくはモノ、ジまたはトリ−アルコールが挙げられ、より好ましくはそれらのうち水酸基を1個有するアルコールであり、例えばエチレングリコールモノアリルエーテルが挙げられる。
【0018】
また、上記した(ロ)の方法で用いられる乾性油としては、好ましくはヨウ素価130以上の油脂で、例えば、アマニ油、大豆油、綿実油、落花生油、やし油等が挙げられる。また、エステル交換反応で得られるアルコリシス化合物に用いる多価アルコールとしては、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール等が挙げられ好ましくは4価アルコールが挙げられる。
【0019】
また、上記した(ハ)の方法で用いられる環状脂肪族不飽和多価塩基酸及びその誘導体としては、例えばテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、α−テルヒネン・無水マレイン酸付加物、ロジン、トランス−ピペリレン・無水マレイン酸付加物等が挙げられ、また上記した(二)の方法に用いられるジシクロペンタジエニル基を含有する化合物としては、例えばヒドロキシ化ジシクロペタンジエン等が挙げられる。
【0020】
また、得られた不飽和ポリエステルをグリシジルメタクリレートビスフェノールA型エポキシ等のエポキシ化合物、2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体または異性体の混合物、イソプロペニル−ジメチル−ベンジルイソシアネートのようなイソシアネート化合物等で変性してもよい。
【0021】
次に、本発明に用いられるエポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とをエステル化触媒の存在下で反応して得られるもので、好ましくは1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものが用いられる。
【0022】
かかるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールタイプまたはノボラックタイプのエポキシ樹脂単独、または、ビスフェノールタイプとノボラックタイプのエポキシ樹脂とを混合した樹脂などであって、その平均エポキシ当量が好ましくは150から450の範囲のものである。
【0023】
ここで、上記ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂として代表的なものを挙げれば、エピクロルヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応により得られる実質的に1分子中に2個以上のエポキシ基を有するグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、メチルエピクロルヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応により得られるメチルグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、あるいはビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリン若しくはメチルエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂などである。また、上記ノボラックタイプのエポキシ樹脂として代表的なものには、フェノールノボラック又はクレゾールノボラックと、エピクロルヒドリン又はメチルエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂などがある。
【0024】
また、上記エポキシ樹脂と反応する不飽和一塩基酸として代表的なものには、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノ(2−エチルヘキシル)あるいはソルビン酸などがある。なお、これらの不飽和一塩基酸は、単独でも、2種以上混合しても用いられる。上記エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応は、好ましくは60〜140℃、特に好ましくは80〜120℃の温度においてエステル化触媒を用いて行われる。
【0025】
上記エステル化触媒としては、たとえばトリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアンリン若しくはジアザビシクロオクタンなどの如き三級アミン、トリフェニルホスフィンあるいはジエチルアミン塩酸塩などの如き公知の触媒がそのまま使用できる。
【0026】
次に、本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレートとは、好ましくはポリオール、ポリイソシアネートおよび1分子に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートの反応により得られるものであり、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基がより好ましく用いられる。
【0027】
上記ウレタン(メタ)アクリレートに用いられるポリオールとしては、好ましくは数平均分子量が200〜3000、特に好ましくは400〜2000のものである。このポリオールは、代表的にはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカ−ボネ−トポリオール、ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
【0028】
かかるポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレンオキサイドの他に、ビスフェノールA及びビスフェノールFに上記アルキレンオキサイドを付加させたポリオールも含むことが出来る。
【0029】
また、ポリエステルポリオールとしては、飽和ニ塩基酸類と多価アルコール類の縮合重合体又はポリカプロラクトンの様に環状エステル化合物の開環重合体である。ここで使用する二塩基酸類とは、例えば、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等を挙げることができる。
【0030】
また、多価アルコール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール等を挙げることができ、好ましくは2価のアルコール類が好ましく用いられる。
【0031】
また、ウレタン(メタ)アクリレートに用いられるポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体または異性体の混合物(以下TDIと略す)、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができ、それらの単独または2種以上で使用することができるが、好ましくはジイソシアネートが用いられ、TDIがより好ましく用いられる。
【0032】
また、ウレタン(メタ)アクリレートに用いられる1分子に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート類等を挙げることができ、好ましくは2〜3価の(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
【0033】
次に、本発明に用いられるラジカル共重合性不飽和重合体(A)としては、上記ウレタン(メタ)アクリレートに空乾性を付与したものを用いることもでき、空乾性付与構成成分を導入する方法としては、例えば水酸基を有するアリルエーテル化合物を上記した水酸基を有する(メタ)アクリレートと併用して用いる方法である。 水酸基を有するアリルエーテル化合物としては、公知慣用のものが使用できるが、例えばエチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等多価アルコール類のアリルエーテル化合物等が挙げられる。
【0034】
ここでいうポリエステル(メタ)アクリレートとは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する飽和若しくは不飽和ポリエステルであり、飽和若しくは不飽和ポリエステルの両末端水酸基に、上記した不飽和一塩基酸を反応させたものである。
【0035】
次に本発明に使用される(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)としては、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体が好ましく用いられ、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ-ルジ(メタ)アクリレ-ト、ポリテトラメチレングリコール(PTMGと略す)のジメタアクリーレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAEO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、イソシアヌール酸EO変性(n=3)トリアクリレート、イソシアヌール酸EO(n=3)・ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンター及びヘキサーアクリレート、ペンタエリスリト-ルテトラ(メタ)アクリレ-ト等が挙げられ、単独又は2種以上を併用して用いることができるが、その中でも二重結合当量が180以下であるものが好ましく、80〜180のものがより好ましく、例えばエチレングリコールジメタクリレート(以下、EGDMAと略す)、トリメチロールプロパンEO変性(n=3)トリアクリレート(以下、EOTMPTAと略す)が硬化性、耐汚染性等の物性が優れていることから特に好ましく用いられる。
【0036】
上記した1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体以外に用いることのできる(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)としては、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有する単量体が挙げられ、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(以下、2−HEMAと略す)を上記した1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体と併用して用いられる。
【0037】
また、本発明には、上記した(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)の他に、その他の単量体を本発明の目的を達成する範囲内で併用して用いることができ、かかる単量体としては、例えばスチレン、α−スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル類等が挙げられる。
【0038】
上記したラジカル共重合性不飽和重合体(A)と(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)の重量比としては、かかるラジカル共重合性不飽和重合体(A)としてエポキシ(メタ)アクリレート又は不飽和ポリエステルを用いた場合、(ラジカル共重合性不飽和重合体(A)/(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B))が好ましくは70/30〜30/70であり、より好ましくは60/40〜40/60である。かかる範囲の樹脂組成物を用いることで硬化性及び接着性に優れた化粧板目止め用硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0039】
次に、本発明に用いられる体質顔料(C)としては、例えば炭酸カルシウム、クレー、アルミナ、珪石、タルク、硫酸バリウム、シリカ、ガラス粉、ガラスビーズ、マイカ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、これらを単独又は2種以上を併用して用いられる。
【0040】
上記したラジカル共重合性不飽和重合体(A)及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)と体質顔料(C)の重量比としては、(A+B)/C=90/10〜25/75であり、好ましくは70/30〜35/65である。ここで、体質顔料(C)が10重量%より小さい、又は75重量%より大きいと、ロール塗工適性及び化粧板としての面平滑性の劣る化粧板目止め用硬化性樹脂組成物となる。
【0041】
次に、本発明の化粧板目止め用硬化性樹脂組成物には、各種触媒を添加することができ、例えばラジカル硬化剤、重合禁止剤、硬化促進剤等が挙げられる。
【0042】
かかるラジカル硬化剤としては、有機過酸化物が挙げられるが、例えばジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等の公知公用のものが挙げられ、好ましくはメチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドが挙げられ、より好ましくはアルキルパーエステル系が硬化性が優れていることから用いられる。かかるラジカル硬化剤の添加量は、好ましくは樹脂組成物の合計量100重量部に対して、0.5〜3重量部である。
【0043】
また、重合禁止剤としては、例えばトリハイドロベンゼン、トルハイドロキノン、14−ナフトキノン、パラベンゾキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等を挙げることができ、好ましくは10〜1000ppm添加しうるものであり、単独又は2種以上を併用して用いても良い。
【0044】
また、硬化促進剤としては、例えばナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等金属石鹸類、バナジウムアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート類、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4-(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、ジメチルピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N−置換アニリン、N,N−置換−p−トルイジン、4−(N,N−置換アミノ)ベンズアルデヒド等のアミン類が挙げられる。本発明においてはアミン系、金属石鹸系の硬化促進剤が好ましい。なお、硬化促進剤は、2種以上の組み合わせで使用しても良く、また予め樹脂に添加しておいても良いし、使用時に添加しても良い。
【0045】
また、上記した化粧板目止め用硬化性樹脂組成物には、各種添加剤、例えば顔料、可塑剤、難燃剤、安定剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤等を使用しても良い。
【0046】
かかる顔料としては、例えばチタンホワイト、カーボンブラック等無機顔料類やフタロシアニンブルー、キナクリドンレッドなどの有機顔料類が挙げられ、色相に応じて種々の顔料を用いることができる。
【0047】
次に、本発明の化粧板目止め用硬化性樹脂組成物を用いて得られる化粧板について、詳細に説明する。
【0048】
本発明の化粧板とは、基材、上記した化粧板目止め用硬化性樹脂組成物および化粧紙(E)を順次積層して得られるものである。
【0049】
かかる基材としては、例えば合板、中比重ファイバーボード(以下、MDFと略す)、パ−ティクルボ−ド等の木質系基材、石膏ボ−ド、珪酸カルシウム板、フレキ板、軽量発泡コンクリート、中空押出セメント板、繊維セメント板、シラスバルーン層の表裏両面を岩綿層でサンドイッチした板(「ダイライト(商標)/大建工業(株)製」)等の不燃板からなる無機質系基材、或いはこれらを複合化した複合材、更にはハニカムコア、ロ−ルコア、ぺ−パ−コアの如き中空芯材を組み合わせたものなどを用いることができるが、好ましくは無機質系基材が挙げられる。これらの基材は、通常粗面化したものが用いられるが、比較的平滑なものでも適用できる。但し、平滑な基材の場合、本発明の樹脂組成物が体質顔料(C)を含有することにより適度な粘度を有し、且つ化粧板製造工程における加圧・加熱時に該樹脂組成物が流出することなく、高い接着性を示すことになる。
【0050】
また、化粧紙(E)としては、通常使用されるものであれば特定されないが、例えば和紙や洋紙等からなる薄葉紙、紙間強化紙、樹脂含浸紙等並びにそれらの印刷物や非印刷物が挙げられる。
【0051】
次に、上記した化粧板の化粧紙(E)上にラジカル共重合性不飽和重合体(F)及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(G)を含有する塗装用硬化性樹脂組成物を積層した化粧板について、詳細に説明する。
【0052】
かかるラジカル共重合性不飽和重合体(F)及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(G)としては、上記したラジカル共重合性不飽和重合体(A)及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)と同様のものが挙げられ、ラジカル共重合性不飽和重合体(F)として、好ましくは空乾性を有する不飽和ポリエステルが用いられ、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(G)としては、好ましくは1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体が用いられる。
【0053】
また、本発明に用いられる塗装用硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、スチレン系不飽和ポリエステル樹脂も用いることができる。
【0054】
かかるスチレン系不飽和ポリエステル樹脂としては、上記したα,β−不飽和二塩基酸、芳香族飽和二塩基酸、又はそれらの酸無水物等の各種酸成分と、上記したグリコール類とを重縮合して得られる不飽和ポリエステル及びスチレン系単量体を含有する樹脂組成物が挙げられる。
【0055】
また、上記した塗装用硬化性樹脂組成物には、上記した重合性禁止剤、硬化促進剤、ラジカル硬化剤等を使用することができる。
【0056】
さらに、上記した塗装用硬化性樹脂組成物には、各種添加剤、例えばワックス類、フィルム離型剤、紫外線吸収剤、顔料、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤等を使用しても良い。
【0057】
かかるワックス類としては、例えばパラフィンワックス、ポリエチレンワックスやステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸などが挙げられるが、好ましくはパラフィンワックスが用いられる。
【0058】
次に、本発明の化粧板の製造法について詳細に説明する。
【0059】
上記した各種基材表面に、上記した化粧板目止め用硬化性樹脂組成物をロールコーター又はナイフコーターなどの塗工機を用いて、50〜500g/m2塗布した後、塗布面に上記した化粧紙(E)をのせ、ロールを用いて加圧貼り付けを行い、さらにホットプレスを行うことで基材の目止めおよび基材と化粧紙(E)の接着を同時に行う。かかるホットプレスに関しては、好ましくは温度100〜150℃、成形時間20秒〜2分、成形圧力0.4〜2.0MPaの条件下で行うことが、成形時間短縮の観点から好ましい。
【0060】
次に、上記の製造法で得られた化粧板表面に、ラジカル共重合性不飽和重合体(F)及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(G)を含有する塗装用硬化性樹脂組成物を塗布して得られる化粧板に関しては、上記製造法で得られた化粧板表面に塗装用硬化性樹脂組成物をフィルム成形法又はフローコーター成形法により塗布、硬化させて得られるものである。
【0061】
上記したフィルム成形法とは、上記化粧紙上(E)に上記した硬化促進剤およびラジカル硬化剤を混合した塗装用硬化性樹脂組成物をのせた後、フィルムをかぶせゴムロールで該樹脂組成物を均一に延伸させることで塗布、含浸、脱泡を行い、塗膜を硬化させた後フィルムを剥離することにより化粧板を形成するものである。
【0062】
フィルム成形法で用いるフィルムとしては、例えばビニロンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、飽和ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、あるいはこれらのフィルムと硬質塩化ビニルフィルムとの複合フィルムなどが挙げられるが、引っ張り強度、耐溶剤に優れる飽和ポリエステルフィルムを使用するのがとりわけ好ましく、ローラーで脱泡する際に破損することが無く、耐久性にも優れる。
【0063】
一方、フローコーター成形法とは、例えばラジカル硬化剤及び硬化促進剤を各々混合した塗装用硬化性樹脂組成物を各々カーテン状に連続して流し、上記化粧紙(E)を貼付した基材の上で2層のカーテンを重ねて塗膜を作ると、層間で硬化が開始し、化粧板を形成するものである。
【0064】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、文中「部」及び「%」とあるのは、特段の断りがない限り重量基準のものである。
【0065】
(合成例1)不飽和ポリエステルの調製
窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2Lのガラス製フラスコに、プロピレングリコール342g、エチレングリコール279g、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル461g、フマル酸104gを仕込み窒素気流下、加熱を開始した。内温190℃にて、常法にて脱水縮合反応を行い、酸価が28KOHmg/gになったところで、トルハイドロキノン0.06gを添加した。さらに150℃まで冷却し、不飽和ポリエステル(UP)を得た。
【0066】
(合成例2)エポキシアクリレートの調製
窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2Lのガラス製フラスコに、エポキシ当量186のエポキシ樹脂(エピクロン850、大日本インキ化学工業製)1310g、アクリル酸482g、トルハイドロキノン0.54g及びトリエチルアミン5.4gを仕込み、空気雰囲気下、加熱開始した。内温110℃にて反応し、酸価が5KOHmg/gになったところで反応終了し、エポキシアクリレート(EA)を得た。
【0067】
[目止め用硬化性樹脂組成物の調製]
(参考例1)
合成例1で得られた不飽和ポリエステル(UP)24部を、EGDMA8部、2−HEMA8部に溶解させた後、炭酸カルシウム60部、6%ナフテン酸コバルト(Co-NAPHTHENATE 6%、大日本インキ化学工業製)0.5部、tert−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート(カヤエステル0−50、化薬アクゾ社製)1部を加え良く混合して、化粧板目止め用硬化性樹脂組成物(CP−1)を得た。
【0068】
(参考例2)
合成例2で得られたエポキシアクリレート(EA)25部を、EOTMPTA25部に溶解させた後、炭酸カルシウム50部、6%ナフテン酸コバルト(Co-NAPHTHENATE 6%、大日本インキ化学工業製)0.5部、tert−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキサノエート(カヤエステル0−50、化薬アクゾ社製)1部を加え良く混合して、化粧板目止め用硬化性樹脂組成物(CP−2)を得た。
【0069】
(参考例3)
ユリア系樹脂(固形分濃度55重量%)100部、酢酸ビニル樹脂エマルジョン65部(固形分濃度45重量%)、小麦粉35部及び塩化アンモニア粉末0.3部を良く混合して、従来の尿素/酢ビ系接着剤(CP−3)を得た。
【0070】
[化粧板の作成]
(実施例1〜3、比較例1)
上記で調製した化粧板目止め用硬化性樹脂組成物(CP−1,2)及び尿素/酢ビ系接着剤(CP−3)を表1記載の各種基材に塗布し、以下の条件で化粧紙を接着した。次いでフィルム塗装用硬化性樹脂組成物(ポリライトKC−01、大日本インキ化学工業製)を以下の条件でフィルム塗装して、化粧板を作成した。
【0071】
(比較例2)
表1記載のケイカル板にポリウレタン系プライマー(バーノックD−500 大日本インキ化学工業製)を100g/m2塗布し、乾燥した後、研磨を行い、基材の目止めを行った。その後、上記で調製した尿素/酢ビ系接着剤(CP−3)を研磨した基材表面へ塗布し、以下の条件で化粧紙を接着した。次いで塗装用硬化性樹脂組成物(ポリライトKC−01、大日本インキ化学工業製)を以下の条件でフィルム成形法で塗装して、化粧板を作成した。
【0072】
〈接着条件〉
・化粧紙:80g/m2 印刷紙
・塗布量:140g/m2(比較例1:90g/m2)
・プレス温度:130℃(比較例1〜3:100℃)
・プレス圧力:1.0MPa
・プレス時間:50秒
・養生:加熱圧着後、温度23℃で1日間
【0073】
〈フィルム塗装条件〉
塗装用硬化性樹脂組成物(ポリライトKC−01)100部に対して、6%ナフテン酸コバルト(Co-NAPHTHENATE 6%、大日本インキ化学工業製)0.5部、メチルエチルケトンパーオキサイド(パーメックN、日本油脂社製)1部を良く混合した後、化粧紙を貼付した基材上に300g/m2を載せ、型枠に固定した飽和ポリエステルフィルムをかぶせ、その上からゴムローラで均一に延ばし、含浸、脱泡した後、45℃で2時間後、フィルムを剥がし化粧板を得た。
【0074】
<試験方法及び評価>
[付着性の評価]
紙間剥離防止機能をJIS−K−5400(碁盤目テープ法)に基づいて評価。
評価結果は下記の5段階で表した。
評価点数10;切り傷一本毎が細かくて両面が滑らかであり、切り傷の交点にも正方形の一目一目にも剥がれがない。
評価点数8;切り傷の交点に僅かな剥がれがあるが、正方形の一目一目には剥がれがなく、欠損部の面積は全正方形面積の5%以内。
評価点数6;切り傷の両面と交点に剥がれがあって、欠損部の面積は全正方形面積の1〜15%。
評価点数4;切り傷による剥がれの幅が広く、欠損部の面積は全正方形面積の15〜35%。
評価点数2;切り傷による剥がれの幅は評価点数4の場合よりも広く、欠損部の面積は全正方形面積の35〜65%。
評価点数0;欠損部の面積が全正方形面積の65%以上。
【0075】
[表面硬度の評価]
化粧板表面の鉛筆硬度をJIS−K−5400に基づいて評価。
【0076】
[ホルアルデヒド放散量の評価]
ホルムアルデヒド放散量(mg/l)をJAS特殊合板(ホルムアルデヒド放散量試験)に基づいて測定。
【0077】
[別途目止め処理]
基材の目止め処理に関して、本発明の樹脂組成物とは別のウレタン系プライマーで目止め処理を行ったかどうかについて記載。
【0078】
【表1】
<付着性、表面硬度、ホルムアルデヒド放散量の評価>
*1 ダイライト(商標):大建工業(株)製無機系基材
*2 ケイカル板:珪酸カルシウム板
【0079】
本発明の化粧板製造法は、無機質基材の表面意匠性付与を目的に、従来から行われている基材表面にポリウレタン系プライマーを塗布乾燥した後、研磨し、目止め処理した表面に、熱転写方式により印刷し、その表面にクリア塗装して不燃化粧板を得る方法に比べて、大幅な工程削減ができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明は、無機系基材に対する目止め機能と、化粧紙と無機系基材との接着機能を一層で兼ね備え、さらにホルムアルデヒドを放散させる材料を含有しないことから安全性に優れ、化粧板としての硬度をも向上せしめることのできる化粧板目止め用硬化性樹脂組成物、化粧板及び化粧板の製造法に関するものである。
Claims (7)
- ラジカル共重合性不飽和重合体(A)、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)及び体質顔料(C)を10〜75重量%含有する化粧板目止め兼接着用熱圧着硬化性樹脂組成物。
- (メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)が、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体である請求項1記載の化粧板目止め兼接着用熱圧着硬化性樹脂組成物。
- 基材、ラジカル共重合性不飽和重合体(A)、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)及び体質顔料(C)を10〜75重量%含有する化粧板目止め兼接着用熱圧着硬化性樹脂組成物からなる層及び化粧紙(E)が順次積層してなる化粧板。
- 化粧紙(E)上にラジカル共重合性不飽和重合体(F)及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(G)を含有する塗装用硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を積層してなる請求項3記載の化粧板。
- 基材が、無機質系基材である請求項3又は4記載の化粧板。
- 基材上に、ラジカル共重合性不飽和重合体(A)、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)及び体質顔料(C)を10〜75重量%含有する化粧板目止め兼接着用熱圧着硬化性樹脂組成物を塗布し、その上に化粧紙(E)を乗せ、次いで熱圧着して該化粧板目止め兼接着用熱圧着硬化性樹脂組成物を硬化してなる化粧板の製造法。
- 基材上に、ラジカル共重合性不飽和重合体(A)、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)及び体質顔料(C)を10〜75重量%含有する化粧板目止め兼接着用熱圧着硬化性樹脂組成物を塗布し、その上に化粧紙(E)をのせ、次いで熱圧着して該化粧板目止め兼接着用熱圧着硬化性樹脂組成物を硬化し、更に化粧紙(E)の上に塗装用硬化性樹脂組成物を塗布し塗膜を形成する化粧板の製造法。
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