JP4147467B2 - 化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び化粧板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、安全性が高く、高硬度で耐汚染性の優れた化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び化粧板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、不飽和ポリエステル樹脂は、優れた成形性、機械的、化学的特性を有する事から、フィルム成形及びフローコーター成形による化粧板用樹脂として用いられている(例えば特許文献1参照)。一般的に不飽和ポリエステル樹脂には、架橋性単量体として、硬化性、物性等の優れたスチレンモノマーが多用されている。しかしながら、近年、環境問題の点から、揮発性、臭気性、毒性などの問題を有するスチレンモノマーの使用を規制する社会的な動きが高まっている。この課題に対して、スチレンモノマーの含有量を下げる方法、スチレンモノマーの代替として揮発性の低いモノマーを使用する方法等が提案されているが(例えば特許文献2参照)、前者はスチレンモノマーが含有されている為抜本的対策になっておらず、後者は従来のスチレン系不飽和ポリエステル樹脂に比べて表面硬度、耐汚染性の面で未だ満足できるものが得られていない。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−219469号公報(「0002」段落)
【特許文献2】
特公平6−73949号公報(請求項1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、安全性が高く、高硬度で耐汚染性の優れた化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びこの組成物を用いた化粧板を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明は、1分子中にアリルエーテル基を3個以上有する化合物を用いて得られる空乾性不飽和ポリエステル(A)及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)を含有してなる樹脂組成物において、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)が、二重結合当量が180以下である1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体(b1)と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有し、[前記1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体(b1)/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート]の重量比率が95/5〜30/70であることを特徴とする化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び化粧板に関するものである。
【0006】
次に本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる1分子中にアリルエーテル基を3個以上有する化合物を用いて得られる空乾性不飽和ポリエステル(A)とは、α,β−不飽和二塩基酸、飽和二塩基酸又はそれらの酸無水物、および多価アルコール類の重縮合によって製造される不飽和ポリエステルに、空乾性成分であるアリルエーテル基を3個以上有する水酸基含有化合物を用いて空乾性を付与したものである。
【0008】
かかるα,β−不飽和二塩基酸およびその酸無水物としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を挙げることができ、好ましくはフマル酸が用いられる。飽和二塩基酸およびその酸無水物としては、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等が挙げられる。
【0009】
一方、多価アルコ−ル類としては、例えばエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、1,4−ブタンジオ−ル、ビスフェノ−ルAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカリングリコ−ル等を挙げることができ、好ましくはジオール化合物が用いられ、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールがより好ましく用いられる。
【0010】
次に、上記した不飽和ポリエステルに空乾性を付与する方法としては、多価アルコール類として空乾性付与構成成分であるアリルエーテル基を3個以上有する化合物を用いる方法が挙げられる。
【0011】
かかる1分子中にアリルエーテル基を3個以上有する化合物としては、公知慣用のものが使用できるが、そのうちでも代表的なものとしては、例えばペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジペンタエリスルトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールトリアリルエーテル等のアリルエーテル化合物が挙げられ、硬化性等に優れていることから好ましく用いられ、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルがより好ましく用いられる。
【0012】
上記した1分子中にアリルエーテル基を3個以上有する化合物に加えて、モノ及びジアリルエーテル基含有化合物を本発明の目的を達成する範囲内で併用することができる。
【0013】
かかるモノ及びジアリルエーテル基含有化合物としては、例えばエチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1、2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1、3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル等が挙げられる。
【0014】
上記した不飽和ポリエステルに空乾性を付与する方法としては、上記した1分子中にアリルエーテル基を3個以上有する化合物を用いる方法に加えて、二塩基酸成分として空乾性付与構成成分である環状脂肪族不飽和多塩基酸及びその誘導体を含有する化合物を用いる方法、ジシクロペンタジエン系化合物を用いる方法、多価アルコールと乾性油等の脂肪酸とのエステル交換反応で得られ、空乾性付与構成成分であるアルコリシス化合物を多価アルコール成分に併用する方法等を、本発明の目的を達成する範囲内で併用して用いることができる。
【0015】
空乾性を付与する上で用いられる環状脂肪族不飽和多塩基酸及びその誘導体としては、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、α−テルヒネン・無水マレイン酸付加物、トランス−ピペリレン・無水マレイン酸付加物等が挙げられる。
【0016】
また、空乾性を付与する上で用いられるジシクロペンタジエン系化合物としては例えばヒドロキシ化ジシクロペンタジエン等が挙げられる。
【0017】
また、多価アルコールと乾性油等の脂肪酸とのエステル交換反応で得られるアルコリシス化合物を、多価アルコール類に併用する方法において、かかる乾性油としては、例えばアマニ油、大豆油、綿実油、落花生油、やし油等が挙げられ、ヨウ素価130以上の油脂としてアマニ油、桐油等が好ましく用いられる。
【0018】
かくして得られる空乾性不飽和ポリエステル(A)の数平均分子量としては、1000〜3000が好ましく、1300〜2500がより好ましい。
【0019】
また、本発明に用いられる空乾性不飽和ポリエステル(A)には、上記したものの他にカルボキシル基含有不飽和ポリエステルにグリシジルメタクリレートを反応させて得られる変性不飽和ポリエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等を、本発明の目的を達成する範囲で併用することができる。
【0020】
次に本発明に使用される(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)のうち、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体(b1)としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ-ルジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(PTMGと略す)のジメタアクリーレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAEO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、イソシアヌール酸EO変性(n=3)トリアクリレート、イソシアヌール酸EO(n=3)・ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンター及びヘキサーアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ-ト等が挙げられ、単独又は2種以上を併用して用いることができるが、その中でも二重結合当量が180以下であるものが好ましく、80〜180のものがより好ましく、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(n=3)トリ(メタ)アクリレートが硬化性、耐汚染性等の物性が優れていることから特に好ましく用いられる。
【0021】
上記した1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体(b1)に併用して用いることのできるその他の(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、1分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有する単量体が挙げられ、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらを単独又は2種以上を併用して用いられるが、好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが用いられる。
【0022】
1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体(b1)を、上記した1分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有する単量体と併用して用いる場合、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体(b1)/1分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有する単量体)の重量比率は、95/5〜30/70であることが好ましく、90/10〜50/50であることがより好ましい。かかる範囲に調製することで、高硬度で化粧板塗膜の硬化性及び耐汚染性の優れた化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
【0023】
上記した1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体(b1)と1分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有する単量体とを併用して用いる場合、その具体的な組み合わせとしては、例えばトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDAと略す)と2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMAと略す)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMAと略す)と2−HEMA、トリメチロールプロパンEO変性(n=3)トリアクリレート(以下、EOTMPTAと略す)と2−HEMAの組み合わせがそれぞれ好ましく用いられる。
【0024】
上記した1分子中にアリルエーテル基を3個以上有する空乾性不飽和ポリエステル(A)と(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)の重量比率(A)/(B)は、80/20〜30/70の範囲が好ましく、70/30〜40/60の範囲がさらに好ましい。かかる範囲にすることで、化粧板成形時の作業性、化粧板塗膜の硬化性及び塗膜性能の優れた化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
【0025】
かくして得られる本発明の化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ビニル化合物を併用することができる。
【0026】
かかるビニル化合物としては、例えば、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル類等が挙げられる。
【0027】
次に本発明の化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて、重合禁止剤、硬化促進剤、ラジカル硬化剤等を使用することができる。
【0028】
かかる重合禁止剤としては、例えばトリハイドロベンゼン、トルハイドロキノン、14−ナフトキノン、パラベンゾキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等を挙げることができ、好ましくは樹脂組成物に、10〜1000ppm添加しうるものであり、単独又は2種以上の組み合わせで使用しても良い。
【0029】
かかる硬化促進剤としては、例えばナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等金属石鹸類、バナジウムアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート類、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4-(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、ジメチルピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N−置換アニリン、N,N−置換−p−トルイジン、4-(N,N−置換アミノ)ベンズアルデヒド等のアミン類が挙げられる。本発明においてはアミン系、金属石鹸系の硬化促進剤が好ましい。なお、硬化促進剤は、2種以上の組み合わせで使用しても良く、また予め樹脂に添加しておいても良いし、使用時に添加しても良い。
【0030】
またラジカル硬化剤としては、有機過酸化物が挙げられ、具体的にはメチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等公知公用のものが使用される。硬化剤の添加量は、好ましくは樹脂組成物の合計量100重量部に対して、0.5〜3重量部である。
【0031】
さらに本発明の化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物には、各種添加剤、例えばワックス類、フィルム離型剤、紫外線吸収剤、顔料、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤等を使用してもよい。
【0032】
かかるワックス類としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスやステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸等が挙げられるが、好ましくはパラフィンワックスが用いられる。
【0033】
かかる顔料としては、たとえばチタンホワイト、カーボンブラック等無機顔料類やフタロシアニンブルー、キナクリドンレッド等有機顔料類があり、色相に応じて、種々の着色剤を用いることができる。
【0034】
次に本発明の化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて化粧板を製造するには、木質系或いは無機質系基材に化粧板用の化粧紙を貼着し、表面をフィルム成形法或いはフローコーター成形法により不飽和ポリエステル樹脂組成物を硬化させて得られる。
【0035】
ここでいうフィルム成形法とは、上記化粧紙上に前記した硬化促進剤及びラジカル硬化剤を混合した化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物を載せた後、フィルムをかぶせゴムロールで化粧板用樹脂組成物を均一に伸延させることで塗布、含浸、脱泡を行い、塗膜を硬化させた後フィルムを剥離することにより化粧板を形成するものである。
【0036】
フィルム成形法で用いるフィルムとしては、例えばポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、飽和ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、あるいはこれらのフィルムと硬質塩化ビニルフィルムとの複合フィルムなどが挙げられるが、引っ張り強度、耐溶剤に優れる飽和ポリエステルフィルムを使用するのがとりわけ好ましく、ローラーで脱泡する際に破損することがなく、耐久性にも優れる。
【0037】
一方、フローコーター成形法とは、例えばラジカル硬化剤及び硬化促進剤を各々混合した化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物を各々カーテン状に連続して流し、上記化粧紙を貼着した基材の上で2層のカーテンを重ねて塗膜を作ると、層間で硬化が開始し、化粧板を形成するものである。
【0038】
ここで、本発明に用いられる化粧板の基材としては、例えば合板、パ−ティクルボ−ド、中密度繊維板等の木質系基材、石膏ボ−ド、珪酸カルシウム等の無機質系基材、或いはこれらを複合化した複合材、更にはハニカムコア、ロ−ルコア、ぺ−パ−コアの如き中空芯材を組み合わせたものなどが適用できる。
【0039】
また本発明に用いられる基材に化粧紙を貼着するための接着剤としては、特に制約はなく、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性樹脂や、スチレン−ブタジエン樹脂ラテックス、ポリアクリルエマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、エチレン−酢酸ビニル樹脂エマルジョン、ブタジエン−ニトリル樹脂エマルジョンなどのエマルジョン系接着剤が挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、文中「部」及び「%」とあるのは、特段の断りがない限り重量基準のものである。
【0041】
(参考例1) (空乾性不飽和ポリエステルの調製)
窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2Lのガラス製フラスコに、プロピレングリコール342g、エチレングリコール279g、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル461g、フマル酸104gを仕込み窒素気流下、加熱を開始した。内温190℃にて、常法にて脱水縮合反応を行い、酸価が28KOHmg/gになったところで、トルハイドロキノン0.06gを添加した。さらに150℃まで冷却し、数平均分子量1600の空乾性不飽和ポリエステル(UP−1)を得た。
【0042】
(参考例2)(不飽和ポリエステル樹脂の調製)
窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2Lのガラス製フラスコに、プロピレングリコール456g、エチレングリコール310g、フマル酸812g、無水フタル酸444gを仕込み窒素気流下、加熱を開始した。内温200℃にて、常法にて脱水縮合反応を行い、酸価が30KOHmg/gになったところで、180℃まで冷却し、トルハイドロキノン0.06gを添加した。さらに150℃まで冷却し、不飽和ポリエステル(UP−2)を得た。
【0043】
[不飽和ポリエステル樹脂組成物の調製]
(実施例1)
参考例1で得られた空乾性不飽和ポリエステル(UP−1)60部を、EGDMA30部、2−HEMA10部に溶解させた。
【0044】
(実施例2)
参考例1で得られた空乾性不飽和ポリエステル(UP−1)60部を、TPGDA25部、2−HEMA15部に溶解させた。
【0045】
(比較例4)
参考例1で得られた空乾性不飽和ポリエステル(UP−1)60部を、TPGDA40部に溶解させた。
【0046】
(実施例4)
参考例1で得られた空乾性不飽和ポリエステル(UP−1)60部を、EOTMPTA20部、2−HEMA20部に溶解させた。
【0047】
(比較例1)
参考例2で得られた不飽和ポリエステル(UP−2)60部を、スチレンモノマー(以下、SMと略す)40部に溶解させた。
【0048】
(比較例2)
参考例2で得られた不飽和ポリエステル(UP−2)60部を、メチルメタクリレート(以下、MMAと略す)40部に溶解させた。
【0049】
(比較例3)
参考例2で得られた空乾性不飽和ポリエステル(UP−1)60部を、2−HEMA40部に溶解させた。
【0050】
[化粧板の作成]
(実施例1、2、4及び比較例1〜4)
上記で調製した化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物100部に対して、6%ナフテン酸コバルト(Co−NAPHTHENATE 6%、大日本インキ化学工業製)0.5部、メチルエチルケトンパーオキサイド(パーメックN、日本油脂社製)1部を加え、良く混合した後、化粧紙を貼ったベニヤ板(15cm×15cm)の表面に前記した化粧板用樹脂組成物7gを載せ、型枠に固定したビニロンフィルムをかぶせ、その上からゴムローラで均一に延ばし、含浸、脱泡した後、45℃で2時間後、フィルムを剥がし化粧板を得た。
【0051】
<試験方法及び評価>
[化粧板の硬化性の評価]
成形直後の化粧板端部の樹脂溜りの硬化性を以下の様に判定した。
【0052】
[化粧板の表面硬度の評価]
成形後25℃で一日放置した化粧板表面の鉛筆硬度をJIS−K−5400.8.4.2に基づいて測定した。
【0053】
[化粧板の耐汚染性の評価]
成形後25℃で一日放置した化粧板の耐汚染性をJAS特殊合板(汚染A試験)に基づいて測定した。
【0054】
[化粧板中の残存スチレン量の評価]
成形後25℃で一週間放置した化粧板を約5g切断し、ジクロロメタン30mlに24時間浸漬した後、抽出液をとり、ガスクロマトグラフィー装置を用いてスチレン濃度を測定した。
【0055】
【表1】
<化粧板の表面硬度、耐汚染性および残存スチレン量の評価>
【0056】
【発明の効果】
本発明は、安全性が高く、高硬度で耐汚染性に優れた化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びこの組成物を用いた化粧板を提供するものである。
Claims (2)
- 1分子中にアリルエーテル基を3個以上有する化合物を用いて得られる空乾性不飽和ポリエステル(A)及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)を含有してなる樹脂組成物において、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)が、二重結合当量が180以下である1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体(b1)と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有し、[前記1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する単量体(b1)/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート]の重量比率が95/5〜30/70であることを特徴とする化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1に記載の化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られる化粧板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002359322A JP4147467B2 (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 化粧板用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び化粧板 |
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