JP4864315B2 - 樹脂塗布オーバーレイ化粧合板の製造方法 - Google Patents

樹脂塗布オーバーレイ化粧合板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は樹脂塗布オーバーレイ化粧合板に関する。
従来、合板、MDF等の木質系基材に化粧板用の化粧紙を貼着し、表面を合成樹脂よりなる樹脂液をフローコーター法、スプレー法、フィルム成形法などの手段で被覆する樹脂塗布オーバーレイ化粧合板が知られている。
特開昭53−20408号公報 特開2002−240008号公報 特開平4−163143号公報 特開平3−244502号公報 特開2002−166401号公報
しかしながら、成形後は合成樹脂よりなる樹脂液の硬化収縮により下地合板の凹凸がうっすらと現れ外観は決して良好なものではない。特にフィルム成形法において艶の高いフィルムを用いると目立ち、その対策として、事前に基材表面をパテ処理、サンダー掛けをしたり、成形後にサンダー掛けを再び樹脂液で被覆する方法があるものの、作業性が悪く、コストがアップし、膜厚が厚くなることによって製品が反りやすく、切削時ハマ欠け(カット面の樹脂層の欠け)が生じやすく、加工性の低下を招くものであった。
本発明は仕上がり外観を向上させ綺麗な表面にすることを目的に検討されたもので、以下のことを特徴とする発明である。
下記ステップに基づく樹脂塗布オーバーレイ化粧合板の製造方法。
(a)基材に化粧紙をジアリルフタレート−不飽和ポリエステル樹脂含浸シートを介し、熱圧成形して貼着するステップ、
基材に化粧紙を貼着するステップ、
(b)前記化粧紙の表面に不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂液を塗布量が50〜200g/m となるように塗布し、フィルムで被覆するステップ、
(c)前記樹脂液が硬化した後、1〜12時間の範囲で前記フィルムを剥離するステップ、
(d)前記樹脂液の硬化物の表面に、再度、前記樹脂液を、前記フィルム剥離してから1日に満たない内に、塗布量が30〜100g/m となるように塗布し、フィルムで被覆するステップ、
(e)前記樹脂液が硬化した後、前記フィルムを剥離するステップ。
本発明の樹脂塗布オーバーレイ化粧合板は、艶の高い仕上げにしても下地の凹凸が現れなく、綺麗な仕上がりとなる。また、経時変化によりヒケが生ずることがない。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる板状の基材としては、合板、パ−ティクルボ−ド、中密度繊維板などの木質系基材、石膏ボ−ド、珪酸カルシウムなどの無機質系基材、或いはこれらを複合化した複合材、更にはハニカムコア、ロ−ルコア、ぺ−パ−コアのなどの中空芯材を組み合わせたものなどが適用できる。
化粧紙は坪量が20〜200g/m2の化粧板用に供される通常公知のものであれば特に制約はなく、無地、木目柄、抽象柄など用途に応じて適宜選択される。
板状の基材に化粧紙を接着するための接着性シートは、化粧板用原紙、不織布、織布などの繊維基材に、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、或いはこれらの混合物などの熱硬化性樹脂を含浸し、乾燥した熱硬化性樹脂含浸シートや、スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体などの合成ゴムラテックスや、酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、アクリル系エマルジョン、スチレンアクリル系エマルジョン、ウレタン系ディスパージョン、エポキシ系ディスパージョンなどの合成樹脂エマルジョン、合成樹脂ディスパージョンなどの熱可塑性樹脂を含浸し、乾燥した熱可塑性樹脂含浸シートや、ホットメルト系シートなどが挙げられる。
ホットメルト系シートは、ホットメルト樹脂を溶融ブレンドして押出し成形によりフィルム状にしたり、基材フィルムや不織布、紙などのシート状物にホットメルト樹脂をラミネートしたり含浸したものである。ホットメルトは、ベースポリマーとしての熱可塑性樹脂と、粘着付与剤、充填材、可塑剤、ワックス、酸化防止剤などから構成され、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリアミド、ポリエステルなどをベースポリマーとするものである。
前記接着性シートの中でも、ジアリルフタレート系樹脂含浸シートを用いると低温で、しかも短時間で熱圧成形でき、出来上がった製品も耐水性、耐熱性などの優れるため非常に都合がよい。このシートを用いる場合、温度は105〜140℃、圧力は4〜6kgf/cm、成形時間は0.5〜3分程度であればよい。
含浸シートを用いる際の含浸率は数1で示される算出方法で、80〜150%とするのが好ましく、下限に満たないと密着性が劣りやすく、上限を超えると含浸紙がベトベトして取り扱いにくくなる。
化粧紙の表面を被覆する合成樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。不飽和ポリエステル樹脂を例に挙げると、塗布される樹脂液は、不飽和ポリエステルに重合性モノマーを加えた不飽和ポリエステル樹脂に、硬化剤、硬化促進剤、重合禁止剤、及び必要に応じて紫外線吸収剤などを加えて粘稠溶液にしたものである。
重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、パラメチルスチレンなどの芳香族重合性モノマー類、(メタ)アクリル系モノマー、例えば、メチル(メタ)アクリレート[(メタ)アクリレートはメタクリレート又はアクリレートを示す。以下同じ。]、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有重合性モノマー類などが挙げられる。
その他、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジブチルマレエート、ジブチルフマレート、ジメチルイタコネート、ジブチルイタコネートなどの不飽和二塩基酸塩のジアルキルエステル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルメタクリレート、N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルメタクリレートなどの窒素含有重合性モノマー類、酢酸ビニルの如きビニルエステル、(メタ)アクリロニトリルの如き重合性シアノ化合物なども例示される。
これらは1種または2種以上を用いることができ、樹脂液中の不飽和ポリエステルと重合性モノマーとの配合割合は、不飽和ポリエステル60〜80重量%に対してモノマーは20〜40重量%が望ましく、メチルメタクリレートのようなアクリル系モノマーを使用すれば、製品のスチレンモノマーに起因する臭気が無くなり特に好ましい。
不飽和ポリエステルは、不飽和二塩基酸及び/又はその酸無水物と必要に応じて用いられるその他の飽和酸及び/又はその酸無水物とを含む酸成分と、多価アルコールとを窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で160〜230℃程度、好ましくは210〜230℃で常法に従い脱水縮合反応させればよく、得られる不飽和ポリエステルの酸価は15〜35が好ましい。
不飽和二塩基酸及びその酸無水物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などが挙げられ、単独で用いても2種以上を併用しても良い。不飽和二塩基酸及びその酸無水物は、酸成分中50〜100mol%使用されることが好ましく、特に60〜100mol%使用されることが好ましい。
必要に応じて用いられるその他の飽和酸及び/又はその酸無水物としては、無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸などの飽和二塩基酸などが挙げられ、これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。飽和酸の配合量は、酸成分中0〜50mol%、好ましくは0〜40mol%の範囲とされる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3―ブタンジオール、1,4―ブタンジオール、2,3―ブタンジオール、1,5―ペンタジオール、1,6―ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの三価アルコール、ペンタエリスリトールなどの四価アルコールなどが挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を併用しても良い。配合量は全酸成分100molに対して100〜110molの範囲が良い。
重合開始剤として使用される硬化剤としては、不飽和ポリエステル樹脂用途に用いられる公知の硬化剤が使用でき、例えば、メチルエチルケトンパ−オキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイドなどハイドロパーオキサイド類、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパ−オキサイド、ベンゾイルパ−オキサイドなどのジアシルパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどのアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレートなどのパーオキシエステル類などの有機過酸化物や、2,2′−アゾビスイソブチルニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチルニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられ、これらは単独、あるいは2種以上の併用が可能である。好ましくは有機過酸化物で分解温度が低いものが硬化性の面で都合が良く、具体的には、メチルエチルケトンパ−オキサイド、ベンゾイルパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキサイドを用いるのが好ましい。
本発明において、硬化を促進させる目的で硬化促進剤を配合してもよく、例えば代表的なものとしてコバルト石鹸、カルシウム石鹸、亜鉛石鹸、銅石鹸、カリウム石鹸などの金属石鹸、有機系促進剤が挙げられる。
コバルト石鹸はコバルトの脂肪酸塩を示し、脂肪酸としては、炭素数6ないし30の主鎖を有する天然あるいは合成の飽和もしくは不飽和脂肪酸あるいはこれらの混合物であり、コバルト石鹸としては、ナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、オクチル酸コバルトなどを挙げることができる。
カルシウム石鹸としては、ネオデカン酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸カルシウムが挙げられ、亜鉛石鹸としては、ネオデカン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛などが挙げられる。銅石鹸としては、ナフテン酸銅が、また、カリウム石鹸としてはオクチル酸カリウムなどが例示される
有機系促進剤としては、N−ピロジノアセトアセタミド、トリエチレンジアミン、アセチルアセトンなどが挙げられ、硬化促進剤は、製品への着色の影響がないよう適宜選択し、配合量が調整される。
重合禁止剤としては、p−ベンゾキノン、ナフチキノン、フェナンスキラノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、パラキシロキノン、パラトルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジアシロキシ−p−ベンゾキノンなどのキノン類、ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ―t−ブチルハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類、アセトアミジンアセテート、アセトアミジンサルフェートなどのアミジン類、ジ−t−ブチル・パラクレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどのフェノール類、フェニルヒドラジン塩酸塩、ヒドラジン塩酸塩などのヒドラジン塩類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、ラウリルピリジニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩類、キノンジオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類、フェノチアジンなどの硫黄化合物などが挙げられ、樹脂液の保存性、硬化時間などを考慮して適宜選択して用いることができる。これらは単独、あるいは2種以上の併用が可能である。
必要に応じて用いられる紫外線吸収剤としては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等の有機系紫外線吸収剤、或いは酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムの微粒子からなる無機系紫外線吸収剤があげられるが、樹脂層の透明性、コストの点から、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。
不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂液を化粧紙の表面に塗布する方法としては、フローコーター法、フィルム法、プレス法、スプレー法などがあるが、作業性、生産性の面からフィルム法が好ましく、このフィルム法について述べると、塗布面を前述のフィルムを被覆する際には、フィルム面にしわが生じないように事前にフィルムを枠に張っておき、その後塗布面をフィルムで被覆しゴムローラーで樹脂液を均一に広げつつ気泡を除去し、硬化後にフィルムを除去すると本発明の樹脂塗布オーバーレイ化粧合板を得ることができる。
化粧紙の表面に樹脂液を塗布した後、塗布面に密着させるフィルムの材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、セロハン、飽和ポリエステル、ポリアミドあるいはこれらのフィルムと硬質塩化ビニルフィルムとの複合フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムの中でも樹脂液の被覆、仕上り表面の艶などを考慮すれば、ある程度の耐熱性が有り、引っ張り強度に優れる飽和ポリエステルフィルムを使用するのが特に好ましく、ゴムローラーで脱泡する際に破損することがなく、耐久性にも優れる。しかも本発明では従来困難となれていた艶の高いフィルムをも使用することができる。
本発明のでは1層目の不飽和ポリエステル樹脂が形成された後、1日に満たない時間、より好ましくは1〜12時間後にフィルムを剥がし再度表面に同様の樹脂液を塗布し、フィルム成形することにより、一層目が目止め層となり下地合板の目を拾わないものとなる。24時間を超えてフィルムを剥がす場合は、1層目と2層目の密着性が劣りやすく、1時間に満たない内にフィルムを剥がす場合はフィルムの剥離性が劣りやすくなる。フィルムを剥がし再度表面に同様の樹脂液を塗布する際は、フィルムを剥がして1日に満たない内に行わないと、1層目と2層目の密着性が劣りやすくなる。
1層目の塗布量は、50〜200g/m、2層目の塗布量は、30〜100g/mとするのが好ましく、1層目の塗布量が下限に満たないと、下地の凹凸を拾いやすく、上限を超えると、樹脂層が厚くなるためカット時の欠けが発生しやすくなる。同様に、2層目の塗布量が下限に満たないと、下地の凹凸を拾いやすく、上限を超えると、カット時の欠けが発生しやすくなる。
一般に二層を形成する際には一層目をサンダー処理して表面のワックスを除去し投錨効果により密着性を上げないと二層目は剥離するが、本発明のようにワックスがブリードする前及び樹脂の硬化が進まない内に二層目を形成させることにより、サンダー処理の必要がなく、塗膜が薄くて密着性に優れた艶が高くても下地が現れない樹脂塗布オーバーレイ化粧合板となる。
尚、本発明の実施例においては二層を形成した場合について説明しているが、三層以上形成してもよく、すべての塗布量は300g/m以下となるように塗布するのが好ましい。
前記の接着シートを用い、複数回樹脂を塗布することで、高光沢の仕上がりにしても下地合板の目があらわれず、JIS B 0601:2001で規定される最大高さ粗さ(Rz)が1.0μm以下の綺麗な表面外観を有するポリエステル化粧合板が得られ、蛍光灯斜め45°下2mに製品を置いて目視で表面に映った蛍光灯の揺らぎを確認しても揺らぎなく、明瞭に映る。すなわち鏡面性が高いものとなる。特に最大高さ粗さ(Rz)が0.8μm以下、更にこのましくは0.5μm以下であれば蛍光灯が鮮明に映る。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいて詳細に説明する。
実施例1
不飽和ポリエステル樹脂(A)
不飽和ポリエステル 65重量部
(フマル酸、無水フタル酸−エチレングリコール、プロピレングリコール系)
スチレン 24重量部
メチルメタクリレート 11重量部
重合禁止剤
(tブチルカテコール) 200ppm
樹脂液(a)
不飽和ポリエステル樹脂(A) 100重量部
硬化剤
(メチルエチルケトンパーオキサイド) 1重量部
硬化促進剤
ナフテン酸コバルト6%溶液 0.5重量部
ジアリルフタレート系樹脂
ジアリルフタレートプレポリマー 60重量部
不飽和ポリエステル樹脂(A) 40重量部
硬化剤
(ベンゾイルパーオキサイド) 8重量部
80g/mのチタン紙に上記配合のジアリルフタレート系樹脂を数1で示す含浸率が120%となるように含浸し、乾燥して、接着シートとしてのジアリルフタレート系樹脂含浸シートを得た。
厚み2.5mmの合板(3尺×6尺)の上にジアリルフタレート系樹脂含浸シート、80g/mの化粧紙を積層し、温度130℃、圧力5kgf/cm、時間1分で熱圧成形した後、表面に上記の樹脂液(a)を塗布量が80g/m2となるようにフローコーターで塗布した。
次いで、印刷紙の表面に前期の樹脂液塗布面を、枠で張設された艶の高い飽和ポリエステルフィルムで被覆し、ゴムローラーで樹脂液を均一に広げながら気泡を除去し硬化させた。1時間後フィルムを剥がして表面に再度樹脂液(a)を塗布量が50g/m2となるようにフィルム成形法で塗布した。
硬化後フィルムを剥がして実施例1の樹脂塗布オーバーレイ化粧合板を得た。
実施例2
実施例1において、ジアリルフタレート系樹脂に代えてスチレンアクリル系エマルジョン(ガンツ化成株式会社 RAX−125、Tg35)を坪量50g/m2のポリエステル不織布に数1で示す含浸率が100%となるように含浸し、乾燥して、接着シートとしてのスチレンアクリル系エマルジョンシートを得た。
次いで、実施例1と同様に成形して、実施例2の樹脂塗布オーバーレイ化粧合板を得た。
実施例3(12時間後剥離)
実施例1において、一層目の樹脂層を形成し、12時間後フィルムを剥がして表面に再度樹脂液(a)を塗布量が50g/m2となるようにフィルム成形法で塗布した以外は同様に実施した。
比較例1(24時間後剥離)
実施例1において、一層目の樹脂層を形成し、24時間後フィルムを剥がして表面に再度樹脂液(a)を塗布量が50g/m2となるようにフィルム成形法で塗布した以外は同様に実施した。
比較例2(0.5時間後剥離)
実施例1において、一層目の樹脂層を形成し、0.5時間後フィルムを剥がして表面に再度樹脂液(a)を塗布量が50g/m2となるようにフィルム成形法で塗布した以外は同様に実施した。
比較例3(2時間後剥離、1日養生)
実施例1において、一層目の樹脂層を形成し、2時間後フィルムを剥がし、1日養生後、表面に再度樹脂液(a)を塗布量が50g/m2となるようにフィルム成形法で塗布した以外は同様に実施した。
比較例4(厚塗り、サンダー処理)
実施例1において、化粧紙を熱圧着した後、表面に上記の樹脂液(a)を塗布量が250g/m2となるようにフローコーターで塗布した。
12時間養生後表面を#240〜#400でサンダー処理した後、再度樹脂液(a)を塗布量が100g/m2となるようにフィルム成形法で塗布し、硬化させ、硬化後フィルムを剥がした。
比較例5(通常、艶有りフィルム)
実施例1と同様に合板(3尺×6尺)に化粧紙を熱圧着した後、表面に上記の樹脂液(a)を塗布量が150g/m2となるようにフィルム成形法で塗布し、硬化させ、硬化後フィルムを剥がした。
評価結果を表1に示す。
評価結果は以下の通りとした。
最大高さ粗さ(Rz)
JIS B 0601:2001に準じ、表面粗さ測定器(TOKYO SEIMITSU SURFACE TEXTURE MEASURING INSTRUMENT 型式F_ST_852B)にて測定した。数値が低い程平滑で下地基材の凹凸の影響があらわれていないことを示す。
揺らぎ
蛍光灯斜め45°下2mに製品を置いて目視で表面に映った蛍光灯の揺らぎを確認し、蛍光灯が明瞭に直線で映るものを○、揺らぎがあり直線で映らないものを×とした。
成形後の外観
目視にて確認した。
○;良好な外観
×:下地合板の目が現れるもの
密着性
JIS K 5400に準じ、碁盤目試験により、密着性の評価を行った。
具体的には、表面に1mm角の碁盤目を100個作り、この上にセロハンテープを張り付け、90度の角度で素早く剥がし、残った碁盤目を数え、95/100〜100/100を○、95/100未満を×とした。
切削性
カットし、カット面の樹脂層の欠けなきを○、カット面の樹脂層の欠け有りを×とした。
フィルムの剥離性
一層目を形成する際、フィルムが容易に剥がれたものを○、容易に剥がれなかったものを△とした。
本発明の樹脂塗布オーバーレイ化粧合板の構成断面図。
符号の説明
1 第二合成樹脂層
2 第一合成樹脂層
3 化粧層
5 接着シート
7 基材

Claims (1)

  1. 下記ステップに基づく樹脂塗布オーバーレイ化粧合板の製造方法。
    (a)基材に化粧紙をジアリルフタレート−不飽和ポリエステル樹脂含浸シートを介し、熱圧成形して貼着するステップ、
    (b)前記化粧紙の表面に不飽和ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂液を塗布量が50〜200g/m となるように塗布し、フィルムで被覆するステップ、
    (c)前記樹脂液が硬化した後、1〜12時間の範囲で前記フィルムを剥離するステップ、
    (d)前記樹脂液の硬化物の表面に、再度、前記樹脂液を、前記フィルム剥離してから1日に満たない内に、塗布量が30〜100g/m となるように塗布し、フィルムで被覆するステップ、
    (e)前記樹脂液が硬化した後、前記フィルムを剥離するステップ。
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