JP4209262B2 - Tナット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、中空の軸部の内周面上に雌ねじが形成され、軸部の一方端から外方へ張出すフランジ部を有するTナットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【従来の技術】
従来のTナットとして、たとえば特開平4−341606号公報あるいは特開平6−323315号公報に示されたものがある。これらのTナットは、軸部にかしめが予定された薄肉部を有するものであり、上記特開平4−341606号公報に記載のTナット11は、図20(a)(b)に示す形状を有し、たとえば鉄系の金属板を板金加工することにより一体に得られるもので、軸部12およびこの軸部12の第1の端部から外方へ張出すフランジ部13を備える。
【0003】
軸部12は外径が一様な中空の筒状をなし、その第1の端部とは反対側の第2の端部において、かしめ予定部分14を有し、かつ、かしめ予定部分14を除く雌ねじ形成部15の内周面上には、雌ねじ15aが形成されている。かしめ予定部分14は、雌ねじ形成部15が形成された部分に比べて肉薄とされる。これにより、雌ねじ15aを形成する場合、ねじ切りを軸部12の第1の端部側あるいは第2の端部側のいずれからでも行なうことができる。
【0004】
フランジ部13には、フランジ部13の外周縁の一部を外方から内方へ向かって押しつぶすことにより形成れた2個の爪16が、180度対向して、軸部12の第2の端部に向かって突出するように設けられている。フランジ部13の外周縁には、爪16が形成された結果、断面ほぼ半円の切欠き17が残されている。
【0005】
このようなTナット11は、たとえば図21(a)に示すように使用される。すなわち、図21(a)を参照して、予め貫通孔18が設けられた、樹脂材料や木材からなる固着対象物19に、まず軸部12が挿入され、この状態で、かしめ機により、かしめ予定部分14にかしめ加工が施され、固着対象物19の一方の面側においてかしめ部分14aが形成される。このとき同時に、爪16の固着対象物19の他方の面に食込む状態とされる。このようにして、Tナット11の固着対象物19への固定が完了する。
【0006】
特開平6−323315号公報に記載のTナット31は、図22(a)(b)に示す形状を有し、上記Tナット11と同様に、たとえば鉄系の金属板を板金加工することにより一体に得られるもので、軸部32およびこの軸部32の第1の端部から外方へ張出すフランジ部33を備え、前記軸部32の内周には雌ねじ36が形成された雌ねじ形成部分35を有し、かつかしめ予定部分34を有している。Tナット31の構造がTナット11の構造と異なるのは、フランジ部33の外周部に、第1の端部から第2の端部へ向く方向に延びる2対の爪37および38,39および40がフランジ部33の径方向に対向して配置され、フランジ部33が全体として実質的に八角形の形状をなしている点である。
【0007】
このようなTナット31は、通常、「ホッパーフィードTナット」と呼ばれている。なぜなら、Tナット1は、これを固着対象物に固着するためのナット固着機に備える供給トラックに沿って円滑に移動させることができ、Tナットを自動的に供給することができるためである。なお、ホッパーフィードTナットの一形式の詳細は、たとえば、英国特許第1,157,734号明細書に記載されている。
【0008】
このようなTナット31は、たとえば、図21(b)に示すように、Tナット11の場合と同様の態様で用いられる。すなわち、固着対象物19の貫通孔18に、Tナット31の軸部32が挿入され、この状態で、かしめ機によりかしめ予定部分34にかしめ加工が施され、固着対象物19の一方面側においてかしめ部分34aが形成される。このとき同時に、爪37〜40が固着対象物19の他方面に食込む状態とされる。
【0009】
このようなTナット31の取付状態において、Tナット31が固着対象物19に対して回転することを爪37〜40が禁止するとともに、フランジ部33とかしめ部分34aとが固着対象物19を挟むことによって、Tナット31が貫通孔18から抜けることを禁止する。したがって、Tナット31は、固着対象物19に対して強固に固定されるとともに、その固定状態は、半永久的に維持される。なお、かしめ予定部を備えていないTナットに関しても、かしめ加工以外の部分は同様である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このようなTナット11、31を、例えば図21(a)、(b)に示したように、固定対象物19に固定した後に、固定対象物19の表面処理のために、一側面19Aに、油、塗料等を塗布したり、一側面19Aを油や塗料等の液中に浸漬する場合がある。
そのような場合には、Tナット11、31の第1の端部の開口部分11A、31Aに油や塗料等が進入する危険性がある。Tナット11、31の開口部分11A、31Aに進入した油や塗料を放置することは、後の作業へ悪影響を与えるという観点や、品質保持の観点からも好ましくないので、除去する必要があるが、多数のTナットの開口部分から軸内へ進入した油や塗料等をひとつひとつ除去する作業は大変手間のかかる作業である。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解消するため、塗料や油等が軸内に進入しないような構造を備えたTナットの構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決する請求項1に記載の本発明のTナットは、一体の金属材料からなる、筒状の軸部および該軸部の第1の端部から外方へ張り出すフランジ部を備え、前記筒状の軸部の少なくとも一部に雌ねじが形成されたTナットにおいて、前記軸部の第1の端部近傍が、前記軸部と同一素材で一体に成形された筒底封止部材によって封止されていることを特徴としている。
請求項2のTナットは、一体の金属材料からなる、筒状の軸部および該軸部の第1の端部から外方へ張り出す略八角形のフランジ部を備えるとともに、前記フランジ部の外周部には、第1の端部から第2の端部へ向く方向に略平行に延びる複数の爪を形成し、前記筒状の軸部の少なくとも一部に雌ねじが形成されたTナットにおいて、前記軸部の第1の端部近傍が、前記軸部と同一素材で一体に成形された筒底封止部材によって封止されていることを特徴としている。
【0013】
請求項3のTナットは、前記軸部が、その軸方向の途中に設けられた段差部と、前記第1の端部とは逆の第2の端部から前記段差部にかけての先端側筒状部と、外周が前記先端側筒状部の外径よりも拡大された、前記段差部から前記フランジ部にかけての基端側拡大筒状部とを含んでいることを特徴としている。
【0014】
請求項4のTナットは、前記軸部の第2の端部の外周面が、第1の端部側へ向かって徐々に末広がり状とされていることを特徴としている。
【0015】
請求項5のTナットは、前記軸部は、第2の端部から所定の長さにかけて形成されたかしめ予定部を含んでいる。
【0016】
請求項6のTナットは、前記軸部は、第2の端部から所定の長さにかけて形成されたかしめ予定部を含み、前記軸部の前記かしめ予定部が、前記雌ねじ形成部よりも大きな内径、および、前記雌ねじ形成部の外径よりも大きな外径を有している。
【0017】
請求項7のTナットは、前記かしめ予定部と前記雌ねじ形成部との境界近傍の前記軸部外周に、環状に設けられた凹状溝を備えている。
【0018】
請求項8のTナットでは、前記フランジ部に、前記第2の端部側へ向かって突出する突起を設けた。
【0019】
請求項9のTナットは、前記フランジ部の外周部に、第1の端部から第2の端部へ向く方向に延びる複数の爪を形成した。
請求項10では、前記爪には、ギザギザの形状が与えられている。
【0020】
請求項11では、前記フランジ部は略円形とした。
【0021】
請求項12では、前記フランジ部は略八角形とした。
請求項13では、前記フランジ部の直交する2方向の長さをa,bとしたとき、a>bとなる形態とした。
【0022】
請求項14では、前記フランジ部の直交する2方向の長さをa,bとしたとき、a=bとなる形態とした。
請求項15では、前記フランジ部の直交する2方向の長さをa,bとしたとき、a<bとなる形態とした。
【0023】
請求項16では、雌ねじ形成部と筒底封止部材との間に空間が形成されている。
【0024】
【作用】
このような構造を有する本発明のTナットによれば、フランジ部を備えた第1の端部が筒底封止部材によって封止されているので、第1の端部側から油や塗料等を塗布したり、第1の端部側を油や塗料等の液中に浸漬しても、それらの液が軸内に進入することは防止される。
前記軸部の第2の端部は封止されていないので、軸部の内周に形成された雌ねじに、ボルト等の締結部材をねじ込むことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0026】
本発明の実施の形態におけるTナット41は、図1(a)(b)および図4(a)に示すように、その軸部2およびフランジ部33の形状は、図25を用いて説明された特開平6−323315号公報に記載の従来のTナット31の軸部32およびフランジ部33と類似しているため、共通の構成要素については同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。4は先端側中空円筒部である。
【0027】
本実施の形態のTナット41が上記従来のTナット31と異なるのは、軸部2の第1の端部側(図25の開口部分31Aに相当。)が、筒底封止部材44によって封止されている点である。従って、雌ねじ36は、軸部2の第1の端部側までは形成されていない。即ち、雌ねじ形成部35と前記筒底封止部材44との間には若干の空間Sが形成されている。
なお、前記筒底封止部材44は前記軸部と同一素材で一体に成形されている。
【0028】
前記筒底封止部材44の外側露出面には、図1、2に示したように、ほぼ同心円状の凹凸が形成される場合もあるが、図3の(a)に示したように、平坦に成形される場合や、図3の(b)に示したように、凸状に形成される場合もある。図1、図2に示したように凹凸が形成されていると、使用状況によっては凹部にゴミや薬品が滞留して腐食の原因となる場合があるという問題や、外観が優れない場合があるという問題がある。
その点で、図3の(a)に示したように平坦に成形されている場合には、ゴミや薬品が滞留しなくなるとともに、外観も優れたものとなるという効果が得られる。
【0029】
なお、前記筒底封止部材44の外側露出面を平坦に成形した場合の種々のタイプを図26、図27に示した。
図26の(a)、(b)に示したTナット41Aは、筒底封止部材44Aが平坦に形成されている。同様に、図27の(a)、(b)に示したTナット61Aも、筒底封止部材44Aが平坦に形成されている。
なお、図26、27に示したTナットにおいて、筒底封止部材の構成以外は、前述した図1、図2を参照して説明したものと同様であるので、ここではその説明を省略した。
【0030】
図3の(b)に示したように、筒底封止部材の外側露出面を凸状に形成した場合には、図41の(a)に示したように、若干の空間S1を図1の場合に対してフランジ33B側へ変位させることによって雌ねじ361をフランジ33Bの近傍まで形成することができる。このようにして雌ねじ361をフランジ33Bの近傍まで形成すると、雌ねじの有効なネジ山数を図1、2と同数だけ確保する場合でも、軸部の長さcを図1、2の場合より短くすることができる。軸部の長さが短くなれば、材料素材の使用量が少なくなるのでコストの節減効果が得られる。
【0031】
なお、前記筒底封止部材44の外側露出面を凸状に形成場合の種々のタイプを図41、図42に示した。
図41の(a)、(b)に示したTナット41Bは、筒底封止部材44Bが凸状に形成されている。同様に、図42の(a)、(b)に示したTナット61Bも、筒底封止部材44Aが凸状に形成されている。
なお、図41、42に示したTナットにおいて、筒底封止部材の構成と軸部の長さ以外は、前述した図1、図2を参照して説明したものと同様であるので、ここではその説明を省略した。
【0032】
また、図3の(c)に示したように、Tナットを打ち込んだ中間部材に、ボルトを用いて別の板部材を重ね合わせて固定する場合には、重ね合わせる板部材が柔らかい場合には図3の(b)に示したような凸状のTナット41Bでもよいが、重ね合わせる板部材が硬い素材の場合には隙間が発生して不都合となるので、図1、2に示したように凹凸のある形状や、図3の(a)、図26に示したような平坦な形状のものが好ましい。
以上のように、筒底封止部材の外側露出面は、凹凸状にしても、平坦状にしても、凸状に形成してもよい。
【0033】
次に、図2(a)、(b)において示したTナット61は、軸部2の途中に段差3が形成され、且つ、先端側中空円筒部4にかしめ予定部34が形成されている点で、図1に示したTナット41とは異なる。共通の構成要素については同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0034】
図1及び図4(a)、図2及び図4(b)に示したような構造のTナット41、61によれば、軸部2の第1の端部側が筒底封止部材44によって封止されているので、後述するように、油や塗料等の塗布作業等において、軸の内部に油や塗料等が進入することは防止されるのである。
【0035】
次に、前記Tナット61の使用形態を説明する。
Tナット61の使用時においては、たとえば図5に示すように、木製の板材などの固着対象物19の貫通孔18に、Tナット61の軸部2が挿入され、この状態で、かしめ機によりかしめ予定部34にかしめ加工が施され、固着対象物19の一方面側においてかしめ部分34aが形成される。このとき同時に、爪37〜40が固着対象物19の他方面に食込む状態とされる。
固着対象物19の貫通孔18の内径は、図5に示す例においては、先端側中空円筒部4の外径とほぼ同じになるように設定されており、基端側拡大筒状部5の部分は、固着対象物19への打込み時に貫通孔18に圧入されている。このように設定することによって、先端側中空円筒部4の外周と貫通穴18の内周との間に隙間が生じることなく、しかも基端側拡大筒状部5の部分の圧入されることにより、固着対象物19への固定がより強固なものとなる。
【0036】
次に、本実施の形態のTナット61を打ち込んだ固着対象物19の表面の塗布作業を説明する。
図5のようにTナット61が打ち込まれた固着対象物19の一側面19Aを表面処理するために、例えば塗料を吹き付け塗布する。このとき、吹き付けられた塗料は、固着対象物19の一側面19Aに吹き付けられるとともに、Tナット61のフランジ部33及び封止部材44に吹き付けられるが、軸の内部には進入しない。
従って、後で、軸の内部の塗料を除去する等の作業が不要となり、作業性が向上する。
固着対象物19の一側面19Aを塗料や油等の液中に浸漬した場合でも、上記同様に、Tナット61のフランジ部33及び封止部材44は液中に浸漬して当該液が付着等するが、軸の内部には進入しない。
従って、後で、軸の内部の液を除去する等の作業が不要となり、作業性が向上する。
【0037】
次に、フランジ部の形状の種々の形態を説明する。
図1(a)(b)、図2(a)(b)、および図4(a)(b)に示したTナット41、61は、フランジ部33の形状をほぼ八角形としたが、その直交する2方向の長さa,bは、a<b、a=b、a>bの何れの形態も可能である。
また、図4(c)に示したTナット51のように、フランジ部の形状は円形としてもよい。また、フランジ部をほぼ正方形あるいは長方形とし、その周縁部に複数の爪を設けた形状のTナットの場合でも、上記同様に、フランジ部を備えた第1の端部を筒底封止部材によって封止する。
【0038】
フランジ部の形状をほぼ八角形とした場合には、4本の爪37,38,39,40以外に、例えば、図6(a)に示したように第2の端部へ向かって突出させるように塑性変形させた突起45,46を設けた形態、図6(b)に示したようにへら状の突起47,48を設けた形態とすることができる。
図6(c)に示した形態は、4本の爪37,38,39,40のみを設けたものである。
【0039】
フランジ部の形状を円形とした場合には、例えば、図7(a)に示したように爪を設けない形態、図7(b)に示したように4本の爪51a,51b,51c,51dを設ける形態、図7(c)に示したように3本の爪52a,52b,52cを設ける形態、図7(d)に示したように6本の爪53a,53b,53c,53d,53e,53fを設ける形態がある。
何れの場合でも、本発明の特徴である筒底封止部材44によって軸部の底が封止されている。
【0040】
次に、軸部2の外周面に溝が形成された形態のTナット71について、図8を参照しながら説明する。本実施の形態のTナット71は、軸部2の先端側中空円筒部4の、かしめ予定部34と雌ねじ形成部35との境界近傍の外周全周に、環状の溝20が設けられている点を特徴としている。この溝20の横断面形状は、図6に示した半円状の他、U字状,V字状あるいはコの字状など、Tナットの材質や、それに伴う加工特性、あるいは引っ張り強度などの機械的特性に応じて適宜選定される。
【0041】
このような構造を有する本実施の形態のTナット71は、図9(a)に示すように、予め貫通孔18が設けられた、樹脂材料や木材からなる固着対象物19に、まず軸部2が挿入され、この状態で、かしめ機により、かしめ予定部分34にかしめ加工が施され、固着対象物19の一方の面側においてかしめ部分34aが形成される。このとき同時に、爪37〜40の固着対象物19の他方の面に食込む状態とされ、Tナット71は固着対象物19に対して強固に固定される。
【0042】
固着対象物19が構成要素となる製品においては、Tナット71がかしめ固定された状態で、その雌ねじ形成部35の雌ねじに雄ねじを螺合して締結することにより、他の部材が固着対象物19に接合される。雌ねじ形成部35の雌ねじに雄ねじを締結した状態で、当該雄ねじの締結力は、主として雌ねじ形成部35に圧縮力として作用する。そのため、通常Tナットの軸部には大きな引っ張り応力は発生しない。したがって、軸部2に溝20を設けることによる強度の低下に起因して、実質的な固着強度の劣化を生じることはない。
【0043】
次に、Tナット71がかしめ固定された固着対象物19が構成する製品が用済みあるいは寿命を終えて、リサイクル使用のために回収される際に、Tナット71を固着対象物19から分離する手法について、図9を参照しながら説明する。まず、図9(a)に示すように、Tナット71のかしめ部34a側から、かしめ予定部34のかしめる前の状態での内径よりもわずかに大きな外形を有する円柱状の治具60の下端側を圧入する。治具60の下端が、かしめ予定部34と雌ねじ形成部35との境界の段差部に当接した状態で、治具60の上端をハンマー等で打ち付けて、図9(a)に示す力Fを作用させる。この力Fにより、かしめ予定部34と雌ねじ形成部35との境界の溝20を設けた軸部外周位置の、肉厚が最も薄くなっている箇所に応力集中が生じて大きな引っ張り応力が発生する。その結果溝20において破断が生じ、Tナット71が図9(b)に示すように2つに分割され、治具60の下端によって、雌ねじ形成部35およびフランジ部33を含むTナット71の下半分が押し下げられ、固着対象物19から取り外される。かしめ部34aを含むTナット71の上半分は、治具60を上方へ引き抜く際に、治具70に嵌合された状態で、固着対象物19の貫通孔18から取り外される。
【0044】
このように、本実施の形態のTナット71によれば、固着対象物19からの取り外しが容易に行なえることにより、Tナット71をかしめ固定した製品が用済みとなった後において、当該製品を構成する固着対称物の分離回収を容易に行なうことができ、固着対象物19のリサイクル使用を促進することができる。
【0045】
次に、軸部の外周面の形状の種類について説明する。
図10においては、かしめ予定部を備えていないタイプのTナットを示した。即ち、図10(a)は段差のあるステップバレルタイプのTナット91aの側面断面図、図10(b)は段差の無いストレートバレルタイプのTナット91bの側面断面図、図10(c)は、前記軸部の外周面が、フランジ部(第1の端部)側へ向かって徐々に末広がり状に形成されたテーパバレルタイプのTナット91cの側面断面図をそれぞれ示したものである。
各タイプとも、フランジ部を備えた第1の端部は筒底封止部材94a、94b、94cによって封止されている。
この場合にも、図5を参照して説明したように、軸部の内部へ油や塗料等の液体が進入することを防止できる。
【0046】
図11においては、かしめ予定部を備えたタイプのTナットを示した。即ち、図11(a)は段差の無いストレートバレルタイプのTナット81aの側面断面図、図11(b)は、前記軸部の外周面が、フランジ部(第1の端部)側へ向かって徐々に末広がり状に形成されたテーパバレルタイプのTナット81bの側面断面図、図11(c)は、かしめ予定部が雌ねじ形成部より外径も内径も大きく形成された先端広がりバレルタイプのTナット81cの側面断面図をそれぞれ示したものである。
各タイプとも、フランジ部を備えた第1の端部は筒底封止部材84a、84b、84cによって封止されている。
ちなみに、図1(a)に示したものは、かしめ予定部と、軸部の途中の段差が形成されていないストレート・バレルタイプのTナットであり、図2(a)に示したものは、かしめ予定部と、軸部の途中の段差が形成されたステップ・バレルタイプのTナットである。
【0047】
前述したテーパー・バレルタイプのTナット81bを、図11(b)を参照して説明する。
このタイプのTナット81bは、軸部の外周面がテーパ状になっていること以外は、上記Tナット41と類似するので、これらの図において、図1に示したナット41と同様の構成要素については、同一の参照番号を付して説明を省略する。
このタイプのTナット81bが、上記Tナット41と異なるのは、その軸部の外周面が、かしめ予定部82もしくは雌ねじ形成部83からフランジ部33近傍まで徐々に末広がり状に拡開したテーパ状になっている点である。
【0048】
このタイプのTナット81bの場合、固着対象物としての板材の下穴の径を、かしめ予定部82もしくは雌ねじ形成部83の外径と略同じにすれば、板材に打ち込んだ状態で、雌ねじ形成83からフランジ部33に至る部分が下穴を押し広げることによって固定されるので、回り止めとしての機能が得られるとともに、Tナットは板材に確実に固着される。さらに、かしめ予定部82をかしめることによって板材に固定され、爪37,39が板材に食い込むことによって回り止めとしての機能が果たされる。
【0049】
前述した先端広がりバレルタイプのTナット81cを、図11(c)を参照して説明する。
このタイプのTナット81cは、米国特許第5,618,144号公報に示されたTナットに本発明を適用したものであり、いわゆるリベットタイプのTナットである点で図2に示したTナット61と類似するので、これらの図において、図2に示したナット61と同様の構成要素については、同一の参照番号を付して説明を省略する。
このタイプのTナット81cが、上記Tナット61と異なるのは、そのかしめ予定部82の形状が、雌ねじ形成部83の内径よりも大きな内径と、雌ねじ形成部83の外径よりも大きな外径とを有している点である。
【0050】
このタイプのTナット81cの場合、固着対象物としての板材の下穴の径を、少なくともかしめ予定部82の外径よりも大きくする必要があり、板材に打ち込んだ状態で、雌ねじ形成83と下穴の内周との間に隙間が形成されるが、かしめ予定部82をかしめることによって板材に固定され、爪37,39が板材に食い込むことによって回り止めとしての機能が果たされる。
【0051】
以上の各Tナットのかしめ予定部の肉厚は、雌ねじ形成部の肉厚と同じにする場合もあるが、かしめしやすくするために薄くする場合もある。
【0052】
次に、軸部の雌ねじ形成部からフランジ部に近い外周面を種々の形状とした形態について説明する。
即ち、Tナットの軸部に段差部を有し、段差部からフランジ部側の基端側拡大筒状部が、中空円筒状ではなく、軸方向から見て六角形(図12(a))や正方形(図12(b))等の多角形や、楕円形(図12(c))のような非真円形をなしたものでもよい。
このような構造を有するTナットによれば、先端側中空円筒部とほぼ同径の板材の貫通穴に打ち込まれて、非真円形をなす基端側拡大筒状部が板材に食い込むように圧入することにより、この部分が回り止めとして機能する。その結果、フランジ部が爪を有しない平坦な円板形状であっても、板材に固着した状態において、回転を生じることなく確実に固定することができる。
【0053】
また、上記各実施の形態のTナットにおいては、いずれも段差部が軸部の外周全周にわたって設けられているが、本実施の形態の場合のように、基端側拡大筒状部を使用状態における回り止めとして設ける場合には、必ずしも段差部を軸部の外周全周にわたって設ける必要はない。すなわち、段差部よりもフランジ部側の基端側拡大筒状部において、その外周の少なくとも一部に段差部を有し、その部分において先端側筒状部よりも拡大されていれば、使用時における回り止めとしての機能が発揮されうる。
【0054】
以上において、本発明にかかるTナットの種々の実施の形態を説明したが、以下においては、それらの種々の形態を分類して図示した。
図13においては、フランジ部が基本的に八角形のパターンのTナットの種類を図示した。
図13aは、かしめ予定部を備えたステップバレルタイプの側面断面図、図13bは、かしめ予定部を備えたストレートバレルタイプの側面断面図、図13cは、かしめ予定部を備えたテーパーバレルタイプの側面断面図、図13dは、かしめ予定部を備えた先端広がりバレルタイプの側面断面図、図13eは、これらのフランジ部の底面図である。
図13fは、かしめ予定部を備えていないステップバレルタイプの側面断面図、図13gは、かしめ予定部を備えていないストレートバレルタイプの側面断面図、図13hは、かしめ予定部を備えていないテーパーバレルタイプの側面断面図、図11iは、これらのフランジ部の底面図である。
【0055】
図14においては、フランジ部が基本的に円形であって、爪を塑性変形によって形成したTナットの種類を図示した。
図14aは、かしめ予定部を備えたステップバレルタイプの側面断面図、図14bは、かしめ予定部を備えたストレートバレルタイプの側面断面図、図14cは、かしめ予定部を備えたテーパーバレルタイプの側面断面図、図14dは、かしめ予定部を備えた先端広がりバレルタイプの側面断面図である。
図14fは、かしめ予定部を備えていないステップバレルタイプの側面断面図、図14gは、かしめ予定部を備えていないストレートバレルタイプの側面断面図、図14hは、かしめ予定部を備えていないテーパーバレルタイプの側面断面図、図14eは、これらのフランジ部の底面図である。
【0056】
図15においては、フランジ部が基本的に円形であって、爪を切り起こして形成したTナットの種類を図示した。
図15aは、かしめ予定部を備えたステップバレルタイプの側面断面図、図15bは、かしめ予定部を備えたストレートバレルタイプの側面断面図、図15cは、かしめ予定部を備えたテーパーバレルタイプの側面断面図、図15dは、かしめ予定部を備えた先端広がりバレルタイプの側面断面図である。
図15fは、かしめ予定部を備えていないステップバレルタイプの側面断面図、図15gは、かしめ予定部を備えていないストレートバレルタイプの側面断面図、図15hは、かしめ予定部を備えていないテーパーバレルタイプの側面断面図、図15eは、これらのフランジ部の底面図である。図15eの詳細は図7を参照した前述説明と同じであるのでここでは省略する。
【0057】
図16は、フランジ部が基本的に円形であって、爪を塑性変形によって形成したTナットの底面図と側面図である。
図17(a)は、フランジ部が基本的に円形のTナットの底面図と側面図であり、図17(b)は、図7同様に、さらに3〜6本の爪を切り起こして形成したTナットの底面図と側面図である。
図17(c)は、フランジ部が2つの円弧と平行線とからなる形状のTナットの底面図と側面図であり、図17(d)は、さらに2本の爪を形成したTナットの底面図と側面図である。
【0058】
図18は、フランジ部が基本的に八角形のものであって、各バレルタイプのTナットと爪との種々の組み合わせによるTナットの説明図である。なお、軸部の側面にクリンプ・ロックを形成した例を示した。
【0059】
図19は、フランジ部が基本的に円形である各バレルタイプのTナットの説明図である。なお、軸部の側面にクリンプ・ロックを形成した例を示した。
【0060】
図20は、基本的に円形のフランジ部と、各バレルタイプのTナットとを組み合わせたTナットの説明図である。
【0061】
次に、フランジ部に爪を形成する方法を例示する。
図4(a)(b)に示したTナット41、61においては、フランジ部33の外周を切り起こして形成した4個の爪37〜40を設けたが、図4(c)に示したTナット51のように、フランジ部13の外周部の一部を軸部4側に塑性変形させることによって形成してもよい。
このTナット51は、使用時においては、図5と同様に固着対象物19の貫通穴18に打ち込まれて圧入固定され、Tナット41の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
次に、図21(a)(b)に示した形態のTナット111について、図を参照しながら説明する。このTナット111は、その112が段差部3を有し、先端側中空円筒部4にかしめ予定部34および雌ねじ形成部を有する点で、図1に示したTナット41と共通する。Tナット111がTナット41と異なるのは、段差部3からフランジ部113側の基端側拡大筒状部115の外周とフランジ部113との境界近傍において、180度対向する1対の位置に、略三角形の突起116を形成している点である。この突起116は、基端側拡大筒状部115およびフランジ部113と一体的に成形されており、使用時に板材に打ち込んだ状態でこの突起116が板材に食い込むことにより、Tナット111の回り止めとしての機能を果たすことができる。このTナット111においては、突起116を2箇所に設けたが、必要に応じてその数を適宜増やすことにより、回り止めとしての機能をより強化することができる。
【0063】
また、Tナット111における突起116に変えて、図22(a)(b)に示すTナット121のように、基端側拡大筒状部125はTナット41と同様の中空円筒状とし、円板状のフランジ部123に平行な2本の切れ目を入れた部分を突き上げて形成した突起126を、フランジ部123に一体的に形成することによっても、前記Tナット111の突起116と同様の回り止めの機能を発揮させることができる。このTナット121においては突起126をフランジ部123の4ヵ所に均等な間隔をおいて設けたが、突起126の数や位置は、必要に応じて適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0064】
なお、本発明にかかるTナットの筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合については、図26〜図40に示した。図26〜図40に示したように、Tナットの筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合には、側面断面図においては凹凸がなく平坦になり、底面図においては同心円状の模様はあらわれない。
図28、29、30、39、40において示したTナット71A、94Aa、94Ab、94Ac、84Aa、84Ab、84Ac、111A、121A等においては、筒底封止部材の外側露出面が平坦になっている。
なお、図26〜図40においては、筒底封止部材の外側露出面の形状が図1〜図22の場合と異なるだけであって、他の部分の形状・機能は同じであるのでその説明は省略した。
【0065】
また、本発明にかかるTナットの筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合については、図41〜図55に示した。
図41〜図55に示したように、Tナットの筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合には、側面図においては凸状部分があらわれ、底面図においては同心円状の模様があらわれる。
図43、44、45、54、55において示したTナット71B、94Ba、94Bb、94Bc、84Ba、84Bb、84Bc、111B、121B等においては、筒底封止部材の外側露出面が平坦になっている。
なお、図41〜図55においては、筒底封止部材の外側露出面の形状が図1〜図22の場合と異なるとともに、軸部の長さが短くなっただけであって、他の部分の形状・機能は同じであるのでその説明は省略した。
【0066】
以上説明した各実施の形態のTナットの雌ねじが形成された領域には、螺合されるボルトの緩みを防止するためのロック手段として、ねじ山の一部が不整化された部分を設けることが好ましい。
【0067】
なお、上記各実施の形態の開示は例示に過ぎないものであって、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲に均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0068】
【発明の効果】
本発明に係るTナットは、軸部の第1の端部近傍が筒底封止部材によって封止されているので、塗料や油等の薬液が軸内に浸入することを防止できるという効果が得られる。
また、軸部に段差を形成することで、固着対象物に確実に固着されるという効果が得られる。
また、軸部の外周面をテーパ状に形成することで、固着対象物に確実に固着されるという効果が得られる。
また、軸部にかしめ予定部を形成することで、かしめ処理により確実に固着対象物に確実に固着されるという効果が得られる。
さらに、かしめ予定部と雌ねじ形成部との境界近傍の軸部外周に凹状溝を環状に設けることで、リサイクルに適したTナットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるTナットの実施の形態の側面断面図と底面図である。
【図2】別の実施の形態のTナットの側面断面図と底面図である。
【図3】筒底封止部材の別の形態を示す側面断面図である。
【図4】本発明のTナットの斜視図である。
【図5】本発明のTナットの使用状態の説明図である。
【図6】本発明のTナットの種々の形態の説明図である。
【図7】本発明のTナットの種々の形態の底面図である。
【図8】別の実施の形態のTナットの側面断面図である。
【図9】図8のTナットの使用状態の説明図である。
【図10】本発明のTナットの種々の形態の側面断面図である。
【図11】本発明のTナットの種々の形態の側面断面図である。
【図12】本発明のTナットの種々の形態の要部平面断面図である。
【図13】本発明のTナットの種々の形態の側面断面図と底面図である。
【図14】本発明のTナットの種々の形態の側面断面図と底面図である。
【図15】本発明のTナットの種々の形態の側面断面図と底面図である。
【図16】本発明のTナットの種々の形態の底面図と側面図である。
【図17】本発明のTナットの種々の形態の底面図と側面図である。
【図18】本発明のTナットの種々の形態の説明図である。
【図19】本発明のTナットの種々の形態の説明図である。
【図20】本発明のTナットの種々の形態の説明図である。
【図21】さらに別の形態のTナットの一部断面側面図と平面図である。
【図22】さらに別の形態のTナットの一部断面側面図と平面図である。
【図23】従来例のTナットの側面断面図と斜視図である。
【図24】従来例のTナットの使用状態の側面断面図である。
【図25】従来例のTナットの説明図である。
【図26】本発明にかかるTナットの筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合の側面断面図と底面図である。
【図27】別の実施の形態のTナットの側面断面図と底面図である。
【図28】別の実施の形態のTナットの側面断面図である。
【図29】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合の種々の形態の側面断面図である。
【図30】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合の種々の形態の側面断面図である。
【図31】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合の種々の形態の側面断面図と底面図である。
【図32】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合の種々の形態の側面断面図と底面図である。
【図33】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合の種々の形態の側面断面図と底面図である。
【図34】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合の種々の形態の底面図と側面図である。
【図35】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合の種々の形態の底面図と側面図である。
【図36】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合の種々の形態の説明図である。
【図37】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合の種々の形態の説明図である。
【図38】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合の種々の形態の説明図である。
【図39】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合のさらに別の形態のTナットの一部断面側面図と平面図である。
【図40】筒底封止部材の外側露出面を平坦にした場合のさらに別の形態のTナットの一部断面側面図と平面図である。
【図41】本発明にかかるTナットの筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合の側面断面図と底面図である。
【図42】別の実施の形態のTナットの側面断面図と底面図である。
【図43】別の実施の形態のTナットの側面断面図である。
【図44】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合の種々の形態の側面断面図である。
【図45】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合の種々の形態の側面断面図である。
【図46】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合の種々の形態の側面断面図と底面図である。
【図47】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合の種々の形態の側面断面図と底面図である。
【図48】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合の種々の形態の側面断面図と底面図である。
【図49】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合の種々の形態の底面図と側面図である。
【図50】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合の種々の形態の底面図と側面図である。
【図51】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合の種々の形態の説明図である。
【図52】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合の種々の形態の説明図である。
【図53】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合の種々の形態の説明図である。
【図54】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合のさらに別の形態のTナットの一部断面側面図と平面図である。
【図55】筒底封止部材の外側露出面を凸状にした場合のさらに別の形態のTナットの一部断面側面図と平面図である。
【符号の説明】
41,51,61,71 Tナット
81a,81b,81c Tナット
91a,91b,91c Tナット
2 軸部
33 フランジ部
35 雌ねじ形成部
36 雌ねじ
44 筒底封止部材
3 段差部
4 先端側中空円筒部
5 基端側拡大筒状部
34 かしめ予定部
20 凹状溝
16、17 突起
45、46、47、48 突起
37、38、39、40 爪
51a,51b,51c,51d 爪
52a,52b,52c 爪
53a,53b,53c,53d,53e,53f 爪
Claims (16)
- 一体の金属材料からなる、筒状の軸部および該軸部の第1の端部から外方へ張り出すフランジ部を備え、前記筒状の軸部の少なくとも一部に雌ねじが形成されたTナットにおいて、
前記軸部の第1の端部近傍が、前記軸部と同一素材で一体に成形された筒底封止部材によって封止されていることを特徴とするTナット。 - 一体の金属材料からなる、筒状の軸部および該軸部の第1の端部から外方へ張り出す略八角形のフランジ部を備えるとともに、前記フランジ部の外周部には、第1の端部から第2の端部へ向く方向に略平行に延びる複数の爪を形成し、前記筒状の軸部の少なくとも一部に雌ねじが形成されたTナットにおいて、
前記軸部の第1の端部近傍が、前記軸部と同一素材で一体に成形された筒底封止部材によって封止されていることを特徴とするTナット。 - 前記軸部が、
その軸方向の途中に設けられた段差部と、
前記第1の端部とは逆の第2の端部から前記段差部にかけての先端側筒状部と、外周が前記先端側筒状部の外径よりも拡大された、前記段差部から前記フランジ部にかけての基端側拡大筒状部とを含んでいることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のTナット。 - 前記軸部の第2の端部の外周面が、第1の端部側へ向かって徐々に末広がり状とされていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のTナット。
- 前記軸部は、第2の端部から所定の長さにかけて形成されたかしめ予定部を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のTナット。
- 前記軸部は、第2の端部から所定の長さにかけて形成されたかしめ予定部を含み、
前記かしめ予定部が、前記雌ねじ形成部よりも大きな内径、および、前記雌ねじ形成部の外径よりも大きな外径を有する、請求項1または2のいずれか1項に記載のTナット。 - 前記かしめ予定部と前記雌ねじ形成部との境界近傍の前記軸部外周に、環状に設けられた凹状溝を備えた、請求項5から6のいずれか1項に記載のTナット。
- 前記フランジ部に、前記第2の端部側へ向かって突出する突起を設けた、請求項1から7のいずれか1項に記載のTナット。
- 前記フランジ部の外周部に、第1の端部から第2の端部へ向く方向に延びる複数の爪を形成したことを特徴とする請求項3から8のいずれか1項に記載のTナット。
- 前記爪には、ギザギザの形状が与えられる、請求項2または9のいずれか1項に記載のTナット。
- 前記フランジ部は略円形としたことを特徴とする請求項1もしくは3から10のいずれか1項に記載のTナット。
- 前記フランジ部は略八角形としたことを特徴とする請求項3から10のいずれか1項に記載のTナット。
- 前記フランジ部は、その直交する2方向の長さをa,bとしたとき、a>bとなる形態としたことを特徴とする請求項2または12のいずれか1項に記載のTナット。
- 前記フランジ部は、その直交する2方向の長さをa,bとしたとき、a=bとなる形態としたことを特徴とする請求項2または12のいずれか1項に記載のTナット。
- 前記フランジ部は、その直交する2方向の長さをa,bとしたとき、a<bとなる形態としたことを特徴とする請求項2または12のいずれか1項に記載のTナット。
- 雌ねじ形成部と筒底封止部材との間に空間が形成されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載のTナット。
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