JP4208098B2 - プログレッシブ画像信号送出装置、及びプログレッシブ画像信号受信装置 - Google Patents

プログレッシブ画像信号送出装置、及びプログレッシブ画像信号受信装置 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、例えば、プログレッシブ映像信号(順次走査信号)のMPEG2に基づき符号化されたビットストリームを利用する、プログレッシブ画像信号送出装置、及びプログレッシブ画像信号受信装置に関する。
背景技術
近年、MPEG2(Moving Picture Experts Group 第17phase 2)の国際標準化(ISO/IEC13818−1,2,3への登録)によりディジタル高能率符号化を用いたディジタル送受信システムの重要性が高まっている。MPEG2符号化方式を用いることにより多チャンネル化と付加データの伝送の可能性によるユーザインタフェースの改善・サービスの多様化が期待されると同時に、様々な画質(解像度)の信号を1つの送信機から同時に送ることが出来るようになる。従って、高画質な順次走査の信号(プログレッシブ信号)の送信がディジタル放送では可能になる。
以下に、従来のプログレッシブ信号の送受信システムについて説明する。
第13図は、従来のプログレッシブ信号送受信装置の構成を示すブロック図である。
尚、以降の記述では、画像の構造が、インタレースであるか又はプログレッシブであるかの区別と、フレームレートをわかりやすく表現するために、画像の構造について、記号i(interlace)およびp(progressive)の略号を用いて表現した。従って、たとえば、毎秒24枚のプログレッシブ信号なら24p、毎秒60枚のインタレース信号なら60iなどと記述することがある。
第15図において、1301はシネマなどのフィルム素材に代表される、毎秒24フレームのサンプリングレートで記録された映像素材の構成を模式的に表した図である。又、1302は前記24フレーム/秒の映像を通常のNTSCテレビジョン信号である60フィールド/秒に変換する24p→60i変換装置であり、1303は前記60フィールド/秒の信号をISO13818−2(MPEG2−Video)の記述にしたがってビットストリームにエンコードするMPEG2ビデオエンコーダである。1304は前記ビットストリームを入力とし、60フィールド/秒の60i信号に逆変換するMPEG2ビデオデコーダであり、1305は前記60i信号の水平走査速度を倍速化する倍速変換装置である。
以上のように構成された従来のプログレッシブ信号送受信装置について、以下その動作を説明する。まず一般に24フレーム/秒のフィルム素材はそのままでは特殊な再生装置や記録装置が必要となるので通常最初に60フィールド/秒の60i信号に変換され、その後D1やS−VHSテープにて保存及び配布がなされることが多い。
24p→60i変換装置1302は24フレーム/秒の信号を元に適宜フィールドリピートを入れることで60フィールド/秒の信号に変換するように動作する。
第16図は24p→60i変換装置の動作を説明するための説明図である。第16図において記号A1は時刻0にサンプリングされたフレームAの奇数ライン(ライン1,3,5,…)からなるフィールド画像をあらわし、A2は同じフレームAの偶数ライン(ライン2,4,6,…)からなるフィールド画像をあらわすものとする。
また、記号B1は時刻1にサンプリングされたフレームBの奇数ラインからなるフィールド画像をあらわし、B2はフレームBの偶数ラインからなるフィールド画像をあらわすものとする。
なお、サンプリング時刻0から1への差はフィルム素材の場合1/24秒である。
同様にC1は時刻2でのフレームCの奇数ラインからなるフィールド画像を、C2は偶数ラインからなるフィールド画像をそれぞれあらわす。
また、D1は時刻3でのフレームDの奇数ラインからなるフィールド画像を、D2は偶数ラインからなるフィールド画像をあらわす。
このとき、24p→60i変換装置1302からの出力の一例は第16図に示す出力信号のようになる。すなわち、フレームAとCだけを1回ずつフィールドリピートさせることで、4フレームのフレーム構造をもった入力画像A,B,C,Dから5フレームのフィールド構造をもった出力画像(A1,A2),(A1,B2),(B1,C2),(C1,C2),(D1,D2)を得るように作用する。記号(f1,f2)はフィールドf1とフィールドf2の組で1フレームを構成することをあらわすものとする。f1が慨フレームのうち奇数ラインからなる画像をあらわし、f2が偶数ラインからなる画像をあらわす。この出力信号は60フィールド/秒の信号になる。
上記60フィールド/秒の信号は、MPEG2ビデオエンコーダ1303に入力される。
MPEG2ビデオエンコーダ1303は入力された映像信号をISO/IEC13818−2で記述されたフォーマットにしたがったビットストリームに変換して出力するように動作する。ビットストリーム出力は伝送系を経由してMPEG2ビデオデコーダ1304に接続される。
この時、MPEG2ビデオエンコーダ1303は、入力された信号を、60iとしてそのまま全フレーム(1秒あたり30フレーム)をエンコードして出力する場合と、エンコーダ側でフィールドリピートされていることを検出してリピートされたフィールドは送らないように内部処理し、1秒あたり24フレームの情報のみ送る場合とがある。
MPEG2ビデオエンコーダ1303が入力された信号を、60iとして全フレームをエンコードして出力する場合、MPEG2デコーダ1304の出力はMPEG2ビデオエンコーダ1303に入力された映像信号がそのまま各フレーム毎にビットストリームにエンコードされ、出力される。
一方、MPEG2ビデオエンコーダ1303がエンコーダ側でフィールドリピートされていることを検出して、リピートされたフィールドは送らないように処理し、1秒あたり24フレームの情報のみ送る場合には、伝送される信号はA,B,C,Dの4枚だけであるがISO/IEC13818−2記述のフォーマットにしたがい、MPEG2ビデオエンコーダ1303の出力は、フレームAとCにはrepeat_first_fieldフラグビットに1を付与した形のビットストリームに変換し出力する。
MPEG2ビデオデコーダ1304は前記手順に従って作成されたビットストリームを受け、MPEG2記述の文法にしたがって逆演算を行い、映像信号へと再構成するように動作する。
MPEG2ビデオエンコーダ1303が、入力信号がフィールドリピートされていることを検出し、リピートされたフィールドは送らないように処理し、1秒あたり24フレームの情報のみ送る場合には、MPEG2ビデオデコーダ1304は、次のように動作する。
即ち、入力ビットストリーム中repeat_first_fieldフラグが1である場合には、該当フレームを1フィールド繰り返し出力し、0である場合には、フィールド繰り返しは行わないように映像信号を出力する。
その結果、MPEG2ビデオデコーダ1304の出力は、入力された信号を、60iとして全フレームをエンコードして出力する場合と、エンコーダ側でフィールドリピートされていることを検出し、リピートされたフィールドは送らないように処理し1秒あたり24フレームの情報のみ送る場合との何れの場合でも、同じ60フィールド/秒の信号になり、フレームレート数およびその内部構成画像に関して差がなくなる。
倍速化装置1305は、前記MPEG2ビデオデコーダ出力をその入力とし、60フィールド/秒の信号を、ライン走査線の走査速度に換算して2倍の走査速度、すなわちフレームレートに換算して60フレーム/秒になるように変換する。
第17(a)図、第17(b)図は、倍速化装置1305の入出力を説明するための説明図である。第17(a)図、第17(b)図において記号A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2及びA,B,C,Dは、第16図中の記号と同じ画像をあらわすものとする。倍速化の手法としてはフィールド構造でのリピートによるものとフレーム構造でのリピートによるものがある。第17(a)図はフィールド構造でのリピートによる場合を説明するための説明図であり、第17(b)図はフレーム構造でのリピートによる場合を説明するための説明図である。
フィールド構造でのリピートによる場合には第17(a)図に示すようにフィールドA1の時刻のフレームを構成するのに本来奇数フィールドの画像データであるフィールドA1を偶数フィールドにも使用し、単一フィールドから1フレームを構成するように作用する。これにより60フィールド/秒の信号から60フレーム/秒の倍速信号を得ることが出来る。
フレーム構造でのリピートによる場合には、第17(b)図に示すようにフィールドA1の時刻のフレームを構成するのにフィールドA1とその直後のフィールドA2とを組み合わせて1つのフレームを構成し、フィールドA2の時刻にもフィールドA1の時刻に出したのと同じフレームを出力するように作用する。これにより60フィールド/秒の信号から60フレーム/秒の倍速信号を得ることが出来る。
しかしながら上記従来の構成では、第17(a)図の場合には、時間的表示順はA→B→C→Dとなり正しいが、各フレーム構造は同一フィールドデータの2度書きになっているので垂直方向の画質が著しく劣化するという課題を有していた。
また、第17(b)図の場合には、垂直方向への画質の低下はないが、(A1,B2)や(B1,C2)のような、同一サンプル時刻でないフィールドどうしを組み合わせたフレームが時折存在し、特に時間軸方向への動きが激しいシーンの場合にフィールド間での差が大きいため、画質劣化が起るという課題を有していた。
発明の開示
本発明は、上記従来のこのような課題を考慮し、垂直解像度を保持しつつ、フィールド間での動きが大きい場合でも、従来に比べて良好な倍速信号を得ることが出来るプログレッシブ画像信号送出装置、及びプログレッシブ画像信号受信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1の本発明は、ディジタル放送において、順次走査(プログレッシブスキャン)方式により撮影された映像素材を、ISO/IEC13818-2で規定されるビットストリームにしたがって送出するプログレッシブ画像信号送出装置であって、
前記ビットストリーム中の、ユーザーデータ領域内のビット位置を用いて、前記映像素材の撮像時のフレームレートをシーケンスごとに記述し伝送することを特徴とするプログレッシブ画像信号送出装置である。
又、第2の本発明は、上記ユーザーデータ領域内のビット位置を用いる場合、extension_and_user_data(0)ビットフィールド、又は、extension_and_user_data(1)ビットフィールド、又は、extension_and_user_data(2)ビットフィールド、を用いることを特徴とする上記第1の本発明のプログレッシブ画像信号送出装置である
又、第3の本発明は、ディジタル放送において、送信装置から送信されてくるビットストリームを入力とし、プログレッシブモニタへの順次走査信号を出力するプログレッシブ画像信号受信装置であって、
前記送信装置との間であらかじめ定義した任意のビット位置にあるビット情報より映像素材の撮像時のフレームレートをシーケンスごとに認知する第2のフラグビット解析手段と、前記第2のフラグビット解析手段の出力と前記ビットストリームとをその入力とし、前記第2のフラグビット解析手段の出力と前記プログレッシブモニタでの表示フレームレートとの比率より、フレームリピートの頻度を決定し、画像を再構成し、プログレッシブ信号を出力するビデオデコード手段と、を備えたことを特徴とするプログレッシブ画像信号受信装置である。
又、第4の本発明は、上記送信されてくるビットストリームが、ISO/IEC13818-2で規定されるビットストリームであることを特徴とする上記第3の本発明のプログレッシブ画像信号受信装置である。
又、第5の本発明は、上記第2のフラグビット解析手段は、前記ISO/IEC13818-2で規定されるビットストリーム中、extension_and_user_data_(0)ビットフィールドから、extension_and_user_data_(1)ビットフィールドから、又は、extension_and_user_data(2)ビットフィールドから、前記撮像時のフレームレートを認知することを特徴とする上記第4の本発明のプログレッシブ画像信号受信装置である。
この様な構成によって、従来に比べて良好な倍速信号を得ることが出来るプログレッシブ画像信号送出装置、及びプログレッシブ画像信号受信装置を提供することが出来る。
発明を実施するための最良の形態
以下本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
第1図は、本発明のプログレッシブ画像信号受信装置の一実施の形態の受信装置及び送信装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態では、説明の簡単化のため、一例として毎秒24枚の順次走査信号(以降、プログレッシブ信号と書く)から、毎秒60枚のプログレッシブ信号を得る場合について説明する。
第1図において、101はフイルム素材などの毎秒24枚のレートをもつプログレッシブ信号を、毎秒60フィールドのフィールド構造を持つインタレース信号に変換する24P→60i変換手段である。又、102はISO/IEC13818−2の記述にしたがった、映像信号のビットストリームを生成するMPEG2ビデオエンコード手段であり、103は前記ビットストリームを60フィールド/秒の画像信号に再構成するMPEG2ビデオデコード手段である。104は前記ビデオデコード手段からフレームデータを読み出し1フレーム前との差分を計算し差分の有り無しを判定するフレーム構造解析手段であり、105は前記MPEG2ビデオデコード手段103の出力を受け、前記フレーム構造解析手段104からの出力制御信号によって、倍速化の方法を適応的に選択しMPEG2ビデオデコード手段103の出力画像信号の走査速度を倍速に変換し出力する倍速化手段である。
又、信号110は24フレーム/秒のフレームレートをもつ25p信号であり、111は60フィールド/秒のフレームレートをもつ60i信号である。112はISO/IEC13818−2で定義されるビットストリームであり、113は再構成された60フィールド/秒のフレームレートをもつ60i画像信号である。114は倍速化された60フレーム/秒のフレームレートをもつ60p画像信号であり、115は倍速化手段105への倍速化の方法を指示する制御信号である。
ここで、本実施の形態の倍速化手段105は、第17(b)図で説明したリピート機能を持つ従来の倍速変換装置1305を改良したものであり、第3図を用いて、従来との相違点について簡単に述べる。
即ち、第3図に示す様に、倍速化手段105は、時刻t=−2において、フィールドZ1,Z2を用いて、1つのフレームZ1+Z2を生成し、時刻t=−1においても、同一のフレームZ1+Z2を繰り返し出力しているものとする。
このような状況において、本実施の形態の倍速化手段105が、従来の場合と異なる点は、時刻t=0におけるフレームの生成に際し、時刻t=−1において生成したフレームと同一のフレームZ1+Z2を更に繰り返し出力するか否かを、フレーム構造解析手段104からの制御信号に基づいて、決定する構成になっている点である。倍速化手段105の具体的な動作は、更に後述する。
このように、本実施の形態の倍速化手段105から出力されるフレーム信号において、同じフレーム信号を2回繰り返して出力し、その後、3回目の繰り返し出力を行うか否かの判定がなされる構成となっている理由は、次の通りである。
即ち、本実施の形態の場合、毎秒24枚のプログレッシブ信号から、毎秒60枚のプログレッシブ信号を得る場合について説明しているため、そのフレームレートが、60/24=2.5となることに基づくものである。
従って、フレームレートが、仮に、毎秒m枚のプログレッシブ信号から毎秒60枚のプログレッシブ信号を得る場合には、本実施の形態の倍速化手段105が出力するフレーム信号の[60/m]+1回目の繰り返しの有無が判定される。但し、記号[n]は、nを越えない最大の整数を表すものとする。
尚、第3図は倍速化手段105の動作を説明するための説明図である。第3図で横軸は、時間推移をあらわし、縦の線は各々1つのフィールドからなる画像を表す。ここで時間軸での数値1の違いは1/60秒となる。
以上のように構成されたプログレッシブ信号送受信装置についてその動作を説明する。まず、24P→60i変換装置101は従来の手法で述べたのと全く同じように毎秒24枚の素材から60フィールド/秒の信号を生成する。
すなわち、入力信号の24P信号110と生成された60フィールド/秒の60i信号111との関係は第16図で示した入力画像と出力画像の関係と全く同じになっている。
60i信号111は、MPEG2ビデオエンコード手段102によってISO/IEC13818−2で規定されるビットストリームに変換されビットストリーム112になる。ビットストリーム112は任意の変復調を行ない送信され、伝送路を経て受信側へ到達する。受信側ではビットストリーム112はMPEG2ビデオデコード手段103に入力される。
MPEG2ビデオデコード手段103はISO/IEC13818−2の記述にしたがったビットストリームの画像信号への再構成を行なう。
フレーム構造解析手段104は、同じフレーム信号を3回繰り返し出力するか否かを判定するために、MPEG2ビデオデコード手段103から現在デコード中の画像の各画素の値と、その1フレーム時間前に表示すべきフレームの各画素との同じ水平垂直位置での差分の絶対値をフィールド別に計算、それぞれ加算し総和を取るように動作する。即ち、MPEG2ビデオデコード手段103から出力されてくる復号化されたフレームと、その一フレーム時間前に表示すべきフレームとの間で、フィールドパリティーが合うように、相互に対応するフィールド毎に、比較し、以下に示す計算を行う。
第2図はフレーム構造解析手段104の動作を説明するための説明図である。
第2図において201は時刻t=0における画像フレームをあらわす。簡単のため、例として1枚のフレームが水平画素720、垂直ライン480本で構成されている場合について説明する。
202は水平ラインでxライン目(xは整数)、画素y個目(yは整数)の位置における輝度信号の値を示し、輝度値を記号F(x,y)で表記する。
又203は時刻t=1における画像フレームをあらわす。時刻0から1の違いは、1/30秒の時間差になる。画像フレーム203の位置x,yにおける輝度値をG(x,y)であらわす。この時、
Figure 0004208098
上記、式1のαが奇数フィールド間の差分の絶対値の和となり、式2のβが偶数フィールド間の差分の絶対値の和になる。
なお、α及びβはフィールドの先頭で値0に設定され、1フレーム期間分の和で評価するものとする。
α又はβが、あらかじめ定めたある閾値より小さければ、現在デコード中のフレームの該当フィールドは、前フィールドのリピートであると判断し、制御信号115として、倍速化手段105に対して、該当フレームはリピートフィールドを含むことを伝える。
次に、第3図を参照しながら、更に具体的に、倍速化手段105の動作を説明する。
同図において、Z1,Z2,A1,A2,B1,B2,C1,C2は、それぞれ1枚のフィールド画像を表しており、その表記法は、第17(a)図、第17(b)図等の従来例の説明の時と同様である。
尚、倍速化手段105の出力画像信号と、従来の倍速変換装置1305(第15図参照)の出力画像信号(第17(a)図、第17(b)図参照)との違いが容易に比較出来る様にするために、第3図では、60i画像信号113として示した、倍速化手段105への入力信号が、第17(a)図,第17(b)図で示した、入力信号である60i信号と同一である場合を表している。ここで、第3図において、符号113を付した部分が、入力の60i画像信号を模式的に表しており、符号114をふした部分が、出力の60p画像信号を模式的に表している。
上述した様に、時刻t=−2及びt=−1においては、同一のフレームZ1+Z2が出力されるものとする。
次に、時刻t=0以降における倍速化手段105の動作について説明する。
時刻t=0においては、フレーム構造解析手段104が、第3図における時刻t=−2のフィールド画像Z1と、時刻t=0のフィールド画像A1との差分の絶対値の和(式(1)のαに相当する)を計算する。このときαの値は、予め定められた閾値より大きい値となるので、フレーム構造解析手段104は、倍速化手段105に対して、時刻t=0における出力動作として、繰り返し出力を行わない旨の制御信号115を送る。そのため、倍速化手105は、時刻t=0のフィールド画像A1を奇数フィールドとして、且つ、時刻t=1のフィールド画像A2を偶数フィールドとして用いて、1フレームであるA1+A2を生成し、出力する。
時刻t=1においては、時刻t=0における出力と同一のフレームA1+A2が、無条件に繰り返し出力される。
時刻t=2においては、フレーム構造解析手段104が、時刻t=2のフィールド画像A1と、時刻t=0のフィールド画像A1との差分の絶対値の和(式(1)のαに相当する)を計算する。このときαの値は、予め定められた閾値より小さい値になるので、時刻t=2のフィールド画像A1は、時刻t=0のフィールド画像A1のリピートフィールドであると判断されて、直前のフレームと同一のフレームを繰り返し出力する旨を示す制御信号115が、倍速化手段105へ送られる。倍速化手段105は、この制御信号115を得て、時刻t=2における倍速出力として、時刻t=1での出力と同一のフレームA1+A2を繰り返し出力する。従って、倍速化手段105は、結果的に、フィールド画像A1とA2とからなるフレームA1+A2を、時刻t=0,1,2の3回繰り返し出力することになる。
時刻t=3においては、時刻t=3のフィールド画像B2と、時刻t=1のフィールド画像A2との差分の絶対値の和(式(2)のβに相当する)を計算する。このときβが、予め定められた閾値より大きい値になるので、フレーム構造解析手段104は、時刻t=3における倍速出力としては、繰り返し出力を行わせない旨の制御信号115を、倍速化手段105に出力する。そのため、倍速化手105は、時刻t=4のフィールド画像B1を奇数フィールドとして、且つ、時刻t=3のフィールド画像B2を偶数フィールドとして用いて、1フレームB1+B2を生成し、出力する。
時刻t=4においては、倍速化手段105は、時刻t=3での出力フレームB1+B2と同一のフレームを繰り返し出力する。
時刻t=5においては、時刻t=3のフィールド画像B2と、時刻t=5のフィールド画像C2との差分の絶対値の和(式(2)のβに相当する)を計算する。このときβが、予め定められた閾値より大きい値になるので、フレーム構造解析手段104は、時刻t=3の場合と同様の制御信号115を、倍速化手段105に出力する。そのため、倍速化手105は、1フレームC1+C2を生成し、出力する。
時刻t=6以降においても、上述した様に、αおよびβを計算し、同様の手順で倍速化を行なう。
一般に、時刻n(nは整数)での出力は、時刻nにおいてフィールド差分の絶対値の和として計算したα、又はβが、予め定められた閾値より大きければ、その時点での倍速出力は、時刻nとn+1のフィールドから1フレームを構成し、時刻n,n+1に対して同じフレームを2度出力する。
一方、閾値より小さかった場合には、直前の時刻の出力(時刻n−1の出力)を時刻nにおいても繰り返し出力する。
本構成により、時刻t=0,1,2における出力は、同時刻にサンプリングされたA1とA2とからなるフレームで正しく構成され、画質劣化のない倍速出力が得られる。又、次の時刻t=3,4でも、同時刻にサンプリングされたB1とB2からなるフレームで構成することができるので、やはり画質劣化のない倍速出力を得ることが出来る。又、次の時刻t=5でも、C1とC2からなるフレームで構成することができるので、やはり画質劣化のない倍速出力を得ることが出来る。
以上により、24pの素材を60iでMPEG2エンコードして伝送されてきたビットストリームに対し、連続的に画質劣化を引き起こさない倍速変換を行なうことが出来る。
なお、本実施の形態では、(式1),(式2)におけるx,y共に、有効画素の全範囲について計算するとしたが、これを有限個の点の差分の絶対値の和に置き換えても全く同様の効果が得られる。有限個の位置の決め方については、ランダムな点を特徴点として選ぶ方法や、ある特定の走査ラインを取る方法などがある。
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を用いて説明する。
第4図は、本発明のプログレッシブ画像信号受信装置の一実施の形態の受信装置及び送信装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態では、説明の簡単化のため、第1の実施の形態の場合と同様、毎秒24枚のプログレッシブ信号から、毎秒60枚のプログレッシブ信号を得る場合について説明する。
第4図において、401はフイルム素材などの毎秒24枚のレートをもつプログレッシブ信号を、毎秒60フィールドのフィールド構造を持つ60i信号に変換する24p→60i変換手段であり、402はISO/IEC13818−2の記述にしたがったビットストリームを生成するMPEG2ビデオエンコード手段である。又、403は前記ビットストリームを60フィールド/秒の60i画像信号に再構成するMPEG2ビデオデコード手段である。以上の構成は、第1の実施の形態と同じである。
次に、404は前記MPEG2ビデオデコード手段403の出力をその入力とし、現在のフレームを1フレーム時間分遅延させる一時記憶手段であり、405は前記MPEG2ビデオデコード手段403の出力と前記一時記憶手段404の出力とから現フレームと1フレーム前の信号間の演算を行なう判定手段である。又、406は前記一時記憶手段404の出力と、前記判定手段405の出力とを入力とし、前記判定手段405からの制御信号に基づいて、前記一時記憶手段404の出力信号の倍速化の方法を適応的に選択し倍速信号416を出力する第2の倍速化手段である。
又、信号410は24フレーム/秒のフレームレートをもつ24p信号であり、信号411は60フィールド/秒のフレームレートをもつ60i信号である。412はISO/IEC13818−2で定義されるビットストリームであり、413は再構成された60フィールド/秒のフレームレートをもつ60i画像信号である。414は1フレーム時間遅延した遅延画像信号であり、415は判定手段の出力制御信号であり、416は倍速化された60フレーム/秒のフレームレートをもつ60p画像信号である。
以上のように構成されたプログレッシブ信号送受信装置についてその動作を説明する。
まず、24p→60i変換装置401は、第1の実施の形態で述べたのと全く同じように毎秒24枚の素材から60フィールド/秒の60i信号411を生成し、MPEG2ビデオエンコード手段402に出力する。60i信号411は、MPEG2ビデオエンコード手段402によってISO/IEC13818−2で規定されるビットストリームに変換され、ビットストリーム412になる。
ビットストリーム412は、任意の変復調が行われて送信され、伝送路を経て受信側へ到達し、MPEG2ビデオデコード手段403に入力される。
MPEG2ビデオデコード手段403は、ISO/IEC13818−2の記述にしたがったビットストリームの画像への再構成を行なう。
一時記憶手段404は、MPEG2ビデオデコード手段403からデコード結果を受けとり、1フレーム時間遅延させて出力する。
判定手段405は現在の60i画像信号413と1フレーム時間前の遅延画像信号414とから、両者間の対応する位置の画素の差分の絶対値の和を各フィールド毎に計算する。計算式は(式1)および(式2)に示すものと同一とする。
すなわち、判定手段405は、現フィールドと1フレーム時間前のフィールドとの差分を式1および2に従って計算し、あらかじめ定めた閾値と比較することで、制御信号415として第2の倍速化手段406に該当フレームはリピートフィールドを含んでいるか否かを伝える。
第2の倍速化手段406は第1の実施の形態における倍速化手段105と機能的に全く同様に作用し、判定手段405からの制御信号415を使い遅延画像信号414を倍速信号に変換し60p画像信号416を出力する。
このように、MPEG2ビデオデコード手段403が、差分の絶対値の和を計算できない従来の構成である場合であっても、本実施の形態の一時記憶手段404及び判定手段405により、連続するフレームにおいて、画質劣化を生じさせない倍速出力を得ることが出来るものである。
なお、本第2の実施の形態では第1の実施の形態と同様、(式1),(式2)を使いi,j共に有効画素の全範囲について計算するものとしたが、これを有限個の点の差分の絶対値の和に置き換えても全く同様の効果が得られる。
また、判定手段405は、(式1)および(式2)で表したα、βを計算する時に、フレームの先頭で値を0クリアしなければならないので、フレームの切り替わりを示す制御信号がトリガとして必要である。これに対して、CCIR規定のREC656仕様にて60i画像信号413を伝送すれば、信号中からフレームの先頭をREC656規定のコードで判定できるので、判定手段405にフレームの先頭を示す制御信号を別途入力する必要がなくなる。
(実施の形態3)
第5図は、本発明のプログレッシブ画像信号送出装置及びプログレッシブ画像信号受信装置の一実施の形態の受信装置及び送信装置の構成を示すブロック図である。同図を参照しながら、本実施の形態の構成について述べる。
本実施の形態では、説明の簡単化のため、一例として毎秒24枚のプログレッシブ信号から、毎秒60枚のプログレッシブ信号を得る場合について説明する。
第5図において、501はフイルム素材などの毎秒24枚のレートをもつ24p信号を、毎秒60フィールドのフィールド構造を持つ60i信号に変換する24p→60i変換手段であり、502はISO/IEC13818−2の記述にしたがった、映像信号のビットストリームを生成する第2のMPEG2ビデオエンコード手段である。又、503は前記ビットストリームから特定のフラグビットの内容を解析するフラグビット解析手段であり、504は前記ビットストリームからフラグビット解析手段503の制御信号に従い、選択的に倍速化の方法を切替え、60フレーム/秒の画像信号を再構成する第2のMPEG2ビデオデコード手段である。
又、信号510は24フレーム/秒のフレームレートをもつプログレッシブ信号であり、信号511は60フィールド/秒のフレームレートをもつ60i信号である。512はISO/IEC13818−2で定義されるビットストリームであり、513は第2のMPEG2ビデオデコード手段504へ倍速化の方法を指示する制御信号である。514は倍速化された60フレーム/秒のフレームレートをもつ60p画像信号である。
以上のように構成されたプログレッシブ信号送受信装置についてその動作を説明する。
まず、24p→60i変換装置501は従来の手法で述べたのと全く同じように毎秒24枚の素材から60フィールド/秒の信号を生成する。
すなわち入力信号の24p信号510と生成された60フィールド/秒の60i信号511との関係は第16図で示した入力画像と出力画像の関係と全く同じになっている。
60i信号511は第2のMPEG2ビデオエンコード手段502によってISO/IEC13818−2で規定されるビットストリームに変換されビットストリーム512になる。
第6図はビットストリーム512の構成を説明するための説明図で、ISO/IEC13818−2で規定のpicture_coding_extensionを示す。第6図はプログラム関数のように表現されているが、それぞれの「行」が物理的なビット列に対応している。又、第6図はハードウエア的なビットストリームの状態を表しているともいえる。
本実施の形態では、第2のMPEG2エンコード手段502は、入力の60i信号511を受けて、内部でフィールドリピートされているフィールドを検出して、フィールドリピートがなされているフレームには、第6図に示す、picture_coding_extension中のrepeat_first_fieldビットを1としてエンコードする。結果的に、入力60i信号は、1秒あたり30枚であるにもかかわらず1秒あたり24枚のフレームのみのビット列に変換してビットストリーム512として出力する。
ビットストリーム512は任意の変復調を行ない送信され、伝送路を経て受信側へ到達する。受信側ではビットストリーム512は第2のMPEG2ビデオデコード手段504に入力される。第2のMPEG2ビデオデコード手段504はISO/IEC13818−2の記述に従いビットストリームの画像への再構成を行なう。
フラグビット解析手段503は第2のMPEG2ビデオデコード手段504へ、次に表示すべきフレームがrepeat_first_fieldフラグのついたものであるか否かを制御信号513を通じて指示する。
第7図は第2のMPEG2デコード手段504の動作を説明するための説明図である。
第7図において、符号514aを付した、ビットストリームの再構成フレームA,B,C,Dは、それぞれ時刻t=0,1,2,3におけるISO/IEC13818−2の規格に沿って伝送されてくるフレームデータをあらわす。
また、第7図中の、601を付した1又は0の値は、それぞれのフレームに付随したビットストリーム512中のrepeat_first_fieldの値を示す。
本実施の形態の第2のMPEG2デコード手段504と、上記実施の形態でのMPEG2デコード手段103(第1図参照)との相違点は、ビットストリーム512を入力として、60i画像信号を生成することなく、直接60p画像信号を生成する点である。
即ち、第2のMPEG2デコード手段504は、フラグビット解析手段503の出力制御信号513より、repeat_first_fieldが1か0かを知る。第2のMPEG2デコード手段504は、repeat_first_fieldが1のフレームは、60フレーム/秒のレートの表示において該当フレームを3回繰り返し出力する。repeat_first_fieldが0のフレームは該当フレームを2回繰り返し出力するように動作する。
第7図はrepeat_first_fieldが付与された場合の一例を示す。第7図ではフレームAとCがrepeat_first_fieldフラグが1である場合を示し、そのとき出力をAAABBCCCDDとして出力することをあらわしている。
本構成により、第2のMPEG2デコード手段504は、24フレーム/秒の素材からエンコードされたビットスートリームを元にして、正しい時間順で内挿された60フレーム/秒の60p画像信号を出すことが出来る。
(実施の形態4)
第8図は、本発明のプログレッシブ画像信号送出装置及びプログレッシブ画像信号受信装置の一実施の形態の受信装置及び送信装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態では、説明の簡単化のため、一例として毎秒24枚のプログレッシブ信号から、毎秒60枚のプログレッシブ信号を得る場合について説明する。
第8図において、801はフイルム素材などの毎秒24枚のレートをもつプログレッシブ信号を、毎秒60フィールドのフィールド構造を持つ60i信号に変換する24p→60i変換手段である。第1の実施の形態における24p→60i変換手段101と同じように動作する。802はISO/IEC13818−2の記述にしたがった、映像信号のビットストリームを生成する第3のMPEG2ビデオエンコード手段である。又、803は前記ビットストリームから特定のフラグビットの内容を解析する第2のフラグビット解析手段であり、804は前記ビットストリームから第2のフラグビット解析手段803の出力する制御信号に従い、選択的に倍速化の方法を切替え、60フレーム/秒の画像信号を再構成する第3のMPEG2ビデオデコード手段である。
又、信号810は24フレーム/秒のフレームレートをもつ60p信号であり、信号811は60フィールド/秒のフレームレートをもつ60i信号である。812はISO/IEC13818−2で定義されるビットストリームであり、813はビットストリーム812より特定のビットを解析し第3のMPEG2ビデオデコード手段804へ倍速化の方法を指示する制御信号である。814は倍速化された60フレーム/秒のフレームレートをもつ60p画像信号である。
以上のように構成されたプログレッシブ信号送受信装置についてその動作を説明する。
まず、24p→60i変換装置801は、従来技術の説明の欄で述べたのと全く同じように、毎秒24枚の素材から60フィールド/秒の信号を生成する。
次に、24p→60i変換手段801の出力は、第3のMPEG2ビデオエンコード手段802に入力される。
本実施の形態では、第3のMPEG2エンコード手段802は、入力の60i信号811を受けて、内部でフィールドリピートされているフィールドを検出し、フィールドリピート分は伝送しない。
第9図及び第10図は、本実施の形態における第3のMPEG2ビデオエンコード手段802等の動作を説明するための説明図である。また、第9図は、ISO/IEC13818−2で規定のSequence_headerを示し、第10図は、ISO/IEC13818−2で規定のSequence_extensionを示す。
第9図及び第10図は、プログラム関数のように表現されているがそれぞれの「行」が物理的なビット列に対応している。第9図及び第10図は、第6図と同様ハードウエア的なビットストリームの状態を表している。
第3のビデオエンコード手段802は、第9図に示すframe_rate_codeビットに1を,、又、第10図に示すprogressive_sequenceビットに1を、それぞれ書き込んでビットストリームを構成するように動作する。
本実施の形態では、上述した第3の実施の形態において使用したrepeat_first_fieldビットは使わないが、結果的に1秒あたり30枚の信号を1秒あたり24枚で伝送する。
ビットストリーム812は、任意の変復調を行ない送信され、伝送路を経て受信側へ到達する。受信側では、ビットストリーム812は、第3のMPEG2ビデオデコード手段804に入力される。
第3のMPEG2ビデオデコード手段804は、ISO/IEC13818−2の記述にしたがいビットストリームから画像を再構成する。
第2のフラグビット解析手段803は、第10図に示すprogressive_sequenceフラグビットが1であれば、frame_rate_codeに記載された値と、表示すべきフレームレートとの比から、フレーム繰り返しの回数を計算する。
本実施の形態では、素材が24p信号である場合を考えているから、ビットストリーム812中には、MPEG2(ISO/IEC13818−2)において24Hzであることを示す値として規定されている、frame_rate_code=2が付与されているとする。
ここで、受信装置の出力フレームートを60Hzとすれば、24Hzとの比は2:5と計算できる。したがって、入力フレーム2枚に対して出力フレームを5枚構成するようにフレームリピートすれば、入出力の比率は保たれることが明らかである。そこで、上記入出力のフレームの比率を保つ様にフレームリピートすることを、第2のフラグビット解析手段803は、制御信号813を通じて第3のビデオデコード手段804に指示する。
以下に、第11図を参照しながら、第3のMPEG2ビデオデコード手段804の動作を詳細に述べる。
第11図は第3のMPEG2デコード手段804の動作を説明するための説明図である。
第3のMPEG2デコード手段804は、第2のフラグビット解析手段803の出力制御信号813より、例えば第11図に示すようにフレームリピートして出力する。
第11図において、符号814aを付した、ビットストリームの再構成フレームA,B,C,Dは、それぞれ時刻t=0,1,2,3におけるISO/IEC13818−2の規格に沿って伝送されてくるビットストリーム812を、第3のビデオデコード手段804の内部で画像再構成した時に生成される24pの画像信号である。
尚、画像信号812のA,B,C,Dは、第3のビデオデコード手段804の内部で構成されるので、直接外部信号としては第3のビデオデコード手段の外に出てこないが、ビットストリーム812をISO/IEC13818−2に従って画像再構成した時に出来上がる24pの画像信号になっている。
ここで、第2のフラグビット解析手段803の出力により、フレームリピートの頻度は、入力が2フレームに対して、出力が5フレームにすれば良いことがわかっている。従って、第3のビデオデコード手段804は、例えば、第11図において、符号814を付した画像信号により表した通り、フレームAとCを3回リピートし、フレームBとDは2回リピートして、結果的に、60pの画像信号814を出力する。
本構成により、第3のMPEG2デコード手段804は、24フレーム/秒の素材からエンコードされたビットストリームを元に、正しい時間順で内挿された60フレーム/秒の60p画像信号出力を得ることが出来る。
尚、本実施の形態では、第3のビデオデコード手段804の動作の説明において、フレームAとCのみを3回リピートする場合を述べたが、リピートの頻度を2:5に保てば他のフレームをリピートしても良い。その場合でも、全く同様に正しい表示順での60p信号が得られる。要するに、入出力のフレームの数の比率が所定の値に保持される様に、フレームをリピートすればよく、どのフレームをリピートするかは、問わない。従って、例えば、フレームBと、Cを3回リピートして、AABBBCCCDDのような画像信号を出力するように構成しても、全く同様の効果が得られる。
なお、本発明は素材がプログレッシブである場合に、その画質を損なわず倍速変換するためのものであるから、progressive_sequence=1が付与されたビットストリームについてのみ考察し、素材がフィールド構造である場合(progressive_sequence=0の場合)の手法についてはここでは言及しない。
(実施の形態5)
次に、第8図を参照しながら、本発明のプログレッシブ画像信号送出装置及びプログレッシブ画像信号受信装置の一実施の形態の受信装置及び送信装置について説明する。
ここで、本実施の形態の構成と上記第4の実施の形態の構成は、第3のMPEG2エンコード手段802を除いては、同じである。即ち、上記実施の形態では、第3のMPEG2エンコード手段802が、frame_rate_code、及びprogressive_frameフラグビットに1を付与して伝送することを特徴とするのに対し、本実施の形態では、ISO/IEC13818−2で規定される、第9図に示すextension_and_user_data(0)のビットフィールドを用いる点である。尚、本実施の形態においても、上記と同様、一例として毎秒24枚のプログレッシブ信号から、毎秒60枚のプログレッシブ信号を得る場合について説明する。
第12図は、本実施の形態におけるextension_and_user_data(0)の使い方を説明するための説明図である。
第12図はプログラム関数のような表記をしているが、それぞれの行が物理的なビット列に相当する。従って、第12図は、第6図と同様、ハードウエア的なビットストリームの状態を表しているともいえる。
ISO/IEC13818−2の規定により、user_data_start_codeは、16進数表現で0xB2であるから、0x000001B2で始まるものがここでのuser dataとなる。
第13図は、第12図に含まれるframe_codeの4ビットの値の持つ意味を説明するための説明図である。
第13図は、プログラム関数のような表記をしているがそれぞれの行が物理的なビット列に相当する。従って、第12図は、第6図と同様、ハードウエア的なビットストリームの状態を表しているともいえる。
例えば、第13図中、frame_codeが0000 0001の場合には、素材は24フレーム/秒のインタレース信号であることを明示的に示す。同様に、0000 1000の場合には、23.976フレーム/秒のプログレッシブ信号であることを示すものとする。
一例として、23.976Hzのフレームレートを持つプログレッシブ信号が素材の場合user dataフィールドは「0x000001B208」となる。
このように、extension_and_user_data(0)フィールドを用いてエンコードされたビット列は、上記第4の実施の形態と同様、必要な変調がなされて、伝送系を経て、第3のMPEG2デコード手段804および第2のフラグビット解析手段803に入力される。
第2のフラグビット解析手段803においては、フレームレート比の計算を行う際、frame_rate_codeと、progressive_sequenceとを利用して行うのではなく、extension_and_user_data(0)の記述内容から判断して計算を行うものである。この点を除いては、第2のフラグビット解析手段803は、第4の実施の形態と全く同様に動作する。
第3のMPEG2デコード手段804は、第2のフラグビット解析手段803からの制御信号813を受け、例えば第11図に示すのと同じようにフレームリピートして出力する。
本構成により、第3のMPEG2デコード手段804は、24フレーム/秒の素材からエンコードされたビットストリームを元にして、正しい時間順で内挿された60フレーム/秒の60p画像信号を出力することが出来る。
尚、本実施の形態は、素材のフレームレートを表すビットを、extension_and_user_data(0)に置いた場合について述べたが、これに限らず例えば、extension_and_user_data(1)やextension_and_user_data(2)によるuser dataを用いても全く同様の効果が得られる。
以上の様に、上記実施の形態のプログレッシブ画像信号送受信装置は、入力画像信号をISO/IEC13818-2で規定するビットストリームに変換するMPEG2ビデオエンコード手段と、前記ビットストリームの画像信号への再構成を行うMPEG2ビデオデコード手段と、前記MPEG2ビデオデコード手段でのデコード動作過程に生成されるフレーム画像からフレーム間の差分を計算するフレーム構造解析手段と、前記MPEG2デコード手段とフレーム構造解析手段とに接続されフレーム構造解析手段から出力されるフレーム間の差分の有り無しの制御信号に基づいて倍速化を行う倍速化手段をもつように構成されるものである。
又、上記実施の形態のプログレッシブ画像信号送受信装置は、入力画像信号をISO/IEC13818−2で規定するビットストリームに変換すると同時に送受信で予め定めたビット位置に素材画像のフレーム構造とフレームレートの情報を記述するMPEG2ビデオエンコード手段と、ビットストリームの画像信号への再構成を行うMPEG2ビデオデコード手段と、MPEG2ビットストリーム内の予め定めたビットからそのフレームがリピートすべきフレームか否かを判定するフラグビット解析析手段と、前記MPEG2デコード手段と前記フラグビット解析析手段とに接続されフラグビット解析析手段から出力される制御信号に基づいてMPEG2ビデオデコード手段の出力の走査速度を倍速にする倍速化手段をもつように構成される。
この様な構成によって、受信装置側でデコードのフレームがリピート表示すべきフレームか否かが、所定のフレームについて、判定、制御される。したがって画質の劣化なしに倍速表示が可能となる。
又、上述した各実施の形態の、信号送信装置又は、信号受信装置の全部又は一部の手段をコンピュータにより実行させるためのプログラムを記録した磁気ディスクや光ディスク等の記録媒体を作成して、それを用いて、上記と同様の動作をコンピュータに行わせる構成でも良い。この様な構成でも上記と同様の効果を発揮する。
又、上述した各実施の形態では、映像素材がフィルムに代表される毎秒24枚のプログレッシブ構造(24p)であり、出力画像が毎秒60枚のプログレッシブ形式の映像信号(60p)である場合について述べたが、これに限らず例えば、映像素材が25pや48p、72pである場合や、出力側が50p、750p、1080pなど他のいかなる場合でも全く同様の手順で同様の効果を得ることが出来る。
尚、ここで、素材が24pであり、出力側が50pの場合の、受信装置及び送信装置の構成について、第1図を参照しながら簡単に述べる。この場合、第1図において、24p/60i変換手段101を、24p信号を入力として50i信号に変換して出力する24p/50i変換手段に置き換えるとともに、同様の趣旨の置き換えを、MPEG2ビデオデコード手段103及び倍速化手段105等に関しても行うことにより容易に構成出来る。従って、このような置き換えを行った後の、24p/50i変換手段の出力は、50i信号であり、MPEG2ビデオデコード手段の出力は、50i画像信号であり、倍速化手段105の出力は、50p画像信号となる。この様な構成により、第1図の構成と同様の効果を発揮する。
又、この場合の、24p信号、50i信号(PAL)、および50p信号(PAL倍速信号)の対応関係を模式的に表した図を第14(a)図,第14(b)図,第14(c)図に示す。同図において、フレームA〜Lまでは、同一のフレームを2フレーム分繰り返されて、フレームMのところで、同一のフレームMが3フレーム分繰り返される。以降、同様の間隔で、2フレーム分と、3フレーム分の繰り返しが行われる。
尚、同図において、A1〜N2は、それぞれ1枚のフィールド画像を模式的に表したものであり、その表記法は、第16図、第17(a)図、第17(b)図等の場合と同様である。例えば、A1を付したところは、フレームAの第1フィールド(トップフィールド、奇数フィールド)であり、A2を付したところは、フレームAの第2フィールド(ボトムフィールド、偶数フィールド)を表している。
又、上記と同様の置き換えを、第4図について行うことも出来る。この場合、第4図において、24p/60i変換手段401を、24p/50i変換手段に置き換えるとともに、同様の趣旨の置き換えを、MPEG2ビデオデコード手段403及び第2の倍速化手段405等に関しても行うことにより容易に構成出来る。従って、このような置き換えを行った後の、24p/50i変換手段の出力は、50i信号であり、MPEG2ビデオデコード手段の出力は、50i画像信号であり、第2の倍速化手段105の出力は、50p画像信号となる。この様な構成により、第4図の構成と同様の効果を発揮する。
又、上記と同様の置き換えを、第5図について行うことも出来る。この場合、第5図において、24p/60i変換手段501を、24p/50i変換手段に置き換えるとともに、同様の趣旨の置き換えを、第2のMPEG2ビデオデコード手段504等に関しても行うことにより容易に構成出来る。従って、このような置き換えを行った後の、24p/50i変換手段の出力は、50i信号であり、第2のMPEG2ビデオデコード手段の出力は、50p画像信号となる。この様な構成により、第5図の構成と同様の効果を発揮する。
以上のように、本実施の形態によれば、送信機側で素材の情報が付与されない場合でも、デコード画像の差分を算出することで、リピートされたフィールドを検出でき、それにしたがった倍速化を行なうことで前記同様最適な倍速化が可能になるものである。
又、送信機側で素材のフレームレートを記述して伝送することで、受信機側でその情報を元にして、最適な倍速変換を行なうことが可能になる。
以上述べたところから明らかなように本発明は、垂直解像度を保持しつつ、フィールド間での動きが大きい場合でも、従来に比べて良好な倍速信号を得ることが出来るという長所を有する。
産業上の利用可能性
本発明にかかるプログレッシブ画像信号送出装置、及びプログレッシブ画像信号受信装置は、従来に比べて良好な倍速信号を得ることが出来るという効果を有し、プログレッシブ画像信号送出装置、プログレッシブ画像信号受信装置等として有用である。

Claims (5)

  1. ディジタル放送において、順次走査(プログレッシブスキャン)方式により撮影された映像素材を、ISO/IEC13818-2で規定されるビットストリームにしたがって送出するプログレッシブ画像信号送出装置であって、
    前記ビットストリーム中の、ユーザーデータ領域内のビット位置を用いて、前記映像素材の撮像時のフレームレートをシーケンスごとに記述し伝送することを特徴とするプログレッシブ画像信号送出装置。
  2. 前記ユーザーデータ領域内のビット位置を用いる場合、extension_and_user_data(0)ビットフィールド、又は、extension_and_user_data(1)ビットフィールド、又は、extension_and_user_data(2)ビットフィールド、を用いることを特徴とする請求項1記載のプログレッシブ画像信号送出装置。
  3. ディジタル放送において、送信装置から送信されてくるビットストリームを入力とし、プログレッシブモニタへの順次走査信号を出力するプログレッシブ画像信号受信装置であって、
    前記送信装置との間であらかじめ定義した任意のビット位置にあるビット情報より映像素材の撮像時のフレームレートをシーケンスごとに認知する第2のフラグビット解析手段と、前記第2のフラグビット解析手段の出力と前記ビットストリームとをその入力とし、前記第2のフラグビット解析手段の出力と前記プログレッシブモニタでの表示フレームレートとの比率より、フレームリピートの頻度を決定し、画像を再構成し、プログレッシブ信号を出力するビデオデコード手段と、を備えたことを特徴とするプログレッシブ画像信号受信装置。
  4. 前記送信されてくるビットストリームが、ISO/IEC13818-2で規定されるビットストリームであることを特徴とする請求項3記載のプログレッシブ画像信号受信装置。
  5. 前記第2のフラグビット解析手段は、前記ISO/IEC13818-2で規定されるビットストリーム中、extension_and_user_data(0)ビットフィールドから、extension_and_user_data_(1)ビットフィールドから、又は、extension_and_user_data(2)ビットフィールドから、前記撮像時のフレームレートを認知することを特徴とする請求項4記載のプログレッシブ画像信号受信装置。
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