JP4207484B2 - 新規変異型カルバモイルリン酸シンセターゼ、及びカルバモイルリン酸より誘導される化合物の製造方法 - Google Patents

新規変異型カルバモイルリン酸シンセターゼ、及びカルバモイルリン酸より誘導される化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は微生物工業、特にカルバモイルリン酸より誘導される化合物に関わる。特に、アルギニン、シトルリン、及び、オロト酸、ウリジン、ウリジン5’−一リン酸(UMP)、シチジン、シチジン5’−一リン酸(CMP)を含むピリミジン誘導体のような、カルバモイルリン酸シンセターゼより誘導される化合物を生産するエシェリヒア・コリ(E. coli)菌株の、アルギニン及びピリミジンの生合成経路に関与する新規フィードバック耐性酵素の利用に関する。
【0002】
【従来の技術】
エシェリヒア・コリ(E. coli)のカルバモイルリン酸シンセターゼ(CPSase)は、重炭酸、グルタミン及び2分子のMg−ATPからカルバモイルリン酸(CP)を合成し、グルタミン酸、燐酸、及び2分子のMg−ADPを放出する複合反応を触媒する(Meister A., Advan. Enzymol.Mol.Biol., vol. 62, p.315-374, 1989)。
【0003】
CPの合成は、2つの生合成経路、すなわちピリミジンヌクレオチド及びアルギニンの合成経路の中間体である。前者の経路においては、CPはアスパラギン酸カルバモイルトランスフェラーゼ(ATCase)に結合し、結果として2段階でオロト酸を生成する。オロト酸は、ウラシルのようなピリミジン;オロチジン、ウリジン、及びシチジンのようなピリミジンヌクレオシド;ならびにオロチジン5’−一リン酸(OMP)、UMP、及びCMPのようなピリミジンヌクレオチドを含むピリミジン誘導体の生合成に重要な代謝中間体である。多くの細菌では、発酵の間、培養液中にオロト酸が存在すると、ピリミジン誘導体、すなわちウラシルの生成と蓄積を適度に補助することが示されている(米国特許3,214,344)。後者の経路では、CPは、オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(OTCase)を介してオルニチンに結合し、アルギニン生合成経路においてグルタミン酸から始まる6番目の段階を構成する。
【0004】
CPSaseはオルチニン及びIMP(プリンヌクレオチドの前駆体の一つ)により活性化され、そしてUMPにより不活性化される。カルバモイルリン酸シンセターゼは、2つのサブユニットからなっている。コリネ型細菌(EP1026247A1)、エシェリヒア(Escherichia)属及びバチルス(Bacillus)属に属する細菌については、これらのサブユニットはcarA及びcarB遺伝子によりコードされていることが知られている。carABオペロンの転写は、両経路の最終産物により集積的に抑制される(Charlier D., et al., J. Mol. Biol., vol.226, p.367-386, 1992; Wang H., et al., J. Mol. Biol., vol.277, p805-824, 1998; Glansdorff N., et al., Paths to Pyrimidines, vol.6, p. 53-62, 1998)。
【0005】
天然のエシェリヒア・コリのCPSaseは、それぞれcarA遺伝子及びcarB遺伝子によりコードされる41,270Daの小サブユニットと117,710Daの大サブユニットからなるヘテロダイマーである。小サブユニットはグルタミンの加水分解を触媒し、CP合成が実際に起こる大サブユニットへのNH3の移動に関与する。大サブユニットは、基質、すなわち重炭酸、アンモニアに対する結合部位、Mg−ATPaseに対する異なる2つの結合部位、及び、調節ドメインを構成する18kDaのカルボキシ末端を含む(Rubio V., et al.,Biochemistry, vol.30, p.1068-1075, 1991; Cervera I., et al., Biochemistry, vol. 35, p.7247-7255, 1996)。
また、大サブユニットは、単独でカルバモイルリン酸の合成反応を触媒する活性を有することが示唆されている(Stephen D. Rubino et al., J. Biol. Chem., 206, 4382-4386, 1987)。
【0006】
CPSaseのアロステリックに活性化された形態の結晶構造が、最近報告されている(Thoden J., et al., Biochemistry, vol.36, p. 6305-6316, 1997; Thoden J., et al., Acta Crystallogr.Sec.D., vol. 55, p. 8-24, 1999)。大サブユニットの中のA、B、Cと名付けられた最初の3つの個々のドメインは、構造が非常に類似している。しかし4つ目のドメインは全く異なっている。このDドメイン(937〜1073位)は、結合と、IMP、UMP及びオルニチンの各因子によるアロステリックな制御に関与している。また、セリン948及びスレオニン1042の2つの残基も、CPSaseのアロステリックな制御に重要と考えられることが示されている(Delannary S., et al., J. Mol. Biol., vol.286, p.1217-1228, 1999)。セリン948がフェニルアラニンで置換されると、当該酵素はUMP及びIMPに非感受性となるが、活性化の程度は減少するものの、オルニチンにより依然として活性化される。T1042I変異を有する酵素は、オルニチンによる活性化が大きく減少する。
【0007】
大抵、酵素のフィードバック耐性(fbr)表現形は、アミノ酸配列における単一又は2、3箇所のアミノ酸残基が他の残基に置換されることにより生じ、これらの置換は酵素活性の減少につながる。例えば、エシェリヒア・コリのセリンアセチルトランスフェラーゼ(SAT)(cysE遺伝子)における天然メチオニン−256が、他の19アミノ酸のいずれかで置換されると、大抵の場合fbr表現形に至るが、変異型SATタンパクは天然SATの活性レベルを維持しない(Nakamori S et al. AEM, vol.64, p.1607-1611, 1998)。したがって、これらの方法で得られる変異型酵素の不利な点は、野生型酵素と比較して活性が低いということである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、エシェリヒア・コリにおけるピリミジン及びアルギニン又はシトルリンの生合成において重要な役割を果たす、フィードバック耐性及び高活性な酵素の構築に関する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、carB遺伝子断片の完全無作為化法(full rondomization)を用いて変異型carB遺伝子の大集合を合成する新規な手法が、提案される。アミノ酸配列断片における、fbr突然変異が集中する位置でのいくつかのアミノ酸前記の同時置換によれば、酵素の三次元構造のより適切な一致によって、天然のものに近い活性を保持する変異型タンパク質を製造することができる。かくして本発明は完成された。
【0010】
本発明はすなわち、
(1)配列番号20の947位〜951位に相当するアミノ酸配列が、配列番号1〜9のアミノ酸配列のいずれかと置換され、かつ、ウリジン5'−一リン酸によるフィードバック阻害が脱感作されたカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニット;
(2)野生型カルバモイルリン酸シンセターゼがエシェリヒア・コリ由来である(1)のカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニット;
(3)配列番号20の947位〜951位のアミノ酸配列が配列番号1〜9のアミノ酸配列のいずれかと置換され、ウリジン5'−一リン酸によりフィードバック阻害が脱感作された、(1)のカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニット;
(4)947位〜951位以外の一または複数の位置における、一または複数のアミノ酸の欠失、置換、挿入または付加を有し、かつ、ウリジン5'−一リン酸によるフィードバック阻害が脱感作された、(1)のカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニット;
(5)(1)〜(4)のいずれかの変異型カルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニットを含む、カルバモイルリン酸シンセターゼ;
(6)(1)〜(5)のいずれかのウリジン5'−一リン酸によるフィードバック阻害が脱感作された変異型カルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニットをコードするDNA;
(7)(1)〜(4)のいずれか一項に記載のウリジン5'−一リン酸によるフィードバック阻害が脱感作されたカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニットと、エシェリヒア・コリのカルバモイルリン酸シンセターゼの小サブユニットをコードするDNA。
(8)(6)又は(7)のDNAを保持するエシェリヒア属細菌。
(9)L−アルギニン、シトルリン及びピリミジン誘導体からなる群より選択される化合物を生産する能力を有する(8)の細菌。
(10)ピリミジン誘導体がオロト酸、ウリジン、ウリジン5'−一リン酸、シチジン及びシチジン5'−一リン酸である、(9)の細菌。
(11)(8)〜(10)いずれかの細菌を培地で培養し、同培地中にL−アルギニン、シトルリン及びピリミジン誘導体からなる群より選択される化合物を生成、蓄積させ、該培養液より前記化合物を回収する、L−アルギニン、シトルリン及びピリミジン誘導体からなる群より選択される化合物の製造方法。
(12)前記ピリミジン誘導体が、オロト酸、ウリジン、ウリジン5'−一リン酸、シチジン及びシチジン5'−一リン酸である、(11)の製造方法。
【0011】
本発明において、用語「CPSase活性」は、重炭酸、グルタミン及び2分子のMg−ATPからのカルバモイルリン酸の複合合成の反応を触媒する活性を意味する。また、本発明の「CPSase」は、CPSase活性を有する限り、大サブユニットのみからなる単独のポリペプチドでもよいし、大サブユニット及び小サブユニットからなるヘテロダイマーであってもよい。以下、このような大サブユニット及びヘテロダイマーを総称して、「CPSase」と称することがある。さらに、大サブユニット及び小サブユニットをコードするDNAは、「carAB」と称する。
また、前記のfbr変異のいずれかを持つCPSaseは「変異型CPSase」と称する。また、変異型CPSaseをコードするDNAは、態様に応じて「変異型carB遺伝子」、又は「変異型carAB遺伝子」と称する。また、変異のないCPSaseは「野生型CPSase」と称する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
<1>変異型CPSase及び変異型carB遺伝子
発現ベクター中にcarABオペロンとしてクローニングされた種々の変異型carB遺伝子を持つ組換えクローンの選択及びスクリーニングにより、様々のレベルの生物学的活性を持つ変異型CPSaseのfbr変異体を選択することができる。
S. Delannay et al.により得られたデータによれば、エシェリヒア・コリのカルバモイルリン酸シンセターゼの変異体(S948F)はUMPに非感受性である(Delannay S., et al., J. Mol. Biol., v.286, 1217-1228, 1999)。これらのデータをもとに、CPSaseの948位を含む範囲が改変のターゲットとして選択された。
【0014】
変異型CPSase及び変異型carB遺伝子は、ランダム化断片による突然変異誘発により得られた。carBにおける多くの変異を得るために、配列番号20のアミノ酸配列のロイシン947からグルタミン酸951残基の領域をコードするcarB遺伝子の15−ヌクレオチド断片のランダム化が行われた(以下を参照)。ランダム化された15ヌクレオチドの断片は、412すなわち1.5×107近くの異なるDNA配列をもたらし、これは5merのペプチド中で4×105の異なるアミノ酸残基をコードし得る。これらの配列中にインフレームでストップコドンが導入されない可能性は、およそ0.95、すなわち95%である。したがって、947位〜951位のアミノ酸残基のペプチドをコードするcarB遺伝子断片のランダム化は、CPSase構造におけるこのペプチド断片において、多様性を有するおよそ4×105の異なるアミノ酸配列をもたらすはずである。発現ベクター中にクローニングされた変異型carB遺伝子を持つリ組換えクローンの選択とスクリーニングにより、様々のレベルの生物学的活性を持つ変異型CPSaseのfbr変異体を選択することができる。
【0015】
CPSaseのfbr表現形に適した変異型CPSaseのアミノ酸配列は、本発明により明確にされる。したがって、変異型CPSaseは、その配列に基づいて、通常の手法を用いて野生型carB遺伝子に突然変異を導入することにより得られる。野生型carBとして、エシェリヒア・コリのcarB遺伝子が挙げられる(GenBank Accession AE000113 U00096中、ヌクレオチド番号10158から13379:配列番号19の配列)。尚、carA遺伝子は、前記GenBank Accession AE000113 U00096の塩基配列において、ヌクレオチド番号8992〜10140に相当する。
【0016】
変異型CPSaseをコードするDNAを取得する材料としてcarB遺伝子を用いれば、変異型CPSaseの大サブユニットをコードする変異型carB遺伝子が得られる。また、前記材料としてcarAB遺伝子を用いれば、変異型CPSaseの大サブユニットとともに及び小サブユニットをコードする変異型carAB遺伝子が得られる。
【0017】
本発明の変異型CPSaseにおける947位から951位のアミノ酸配列は、配列番号1〜9の配列のいずれかである。948位のセリンがフェニルアラニンで置換された既知のfbr CPSase、及びエシェリヒア・コリの野生型CPSaseの対応するアミノ酸配列を、表1に示す。
【0018】
【表1】
Figure 0004207484
【0019】
変異型CPSaseは、CPSase活性が損なわれない限り、947位〜951位以外の一または複数の位置で、一または複数のアミノ酸の欠失、置換、挿入、もしくは付加を含んでいてもよい。「複数」のアミノ酸の数は、タンパク質の三次元構造中のアミノ酸残基の位置またはタイプにより異なる。これは以下の理由による。すなわち、いくつかのアミノ酸は互いに高い相同性を有し、そのようなアミノ酸の相違はタンパク質の三次元構造に大きな影響を与えない。したがって、本発明の変異型CPSaseは、CPSaseを構成する全アミノ酸残基に関して30〜50%以上、好ましくは50〜70%の相同性を有し、かつ、fbr CPSase活性を有するものものであってもよい。
尚、変異型CPSaseは、ウリジン5’−一リン酸非存在下での酵素活性が、野生型CPSaseの活性の25%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上の活性を保持していることが好ましい。
【0020】
本発明において、「947位〜951位の配列に相当するアミノ酸配列」とは、配列番号20のアミノ酸配列における947位〜951位のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を意味する。アミノ酸残基の位置は、変化し得る。例えば、あるアミノ酸残基がN−末端位に挿入されると、947位に本来位置していたアミノ酸残基は948位になる。その様な場合、最初の947位に相当するアミノ酸残基は、本発明において947位のアミノ酸残基として示される。
【0021】
用語「ウリジン5’−一リン酸によるフィードバック阻害が脱感作された」とは、フィードバック阻害の程度が低下したことを意味する。フィードバック阻害の程度の低下は、ウリジン5’−一リン酸存在下でのCPSase活性の低下を測定し、配列番号20のアミノ酸配列を有するタンパク質のそれと比較することで決定することができる。さらに、用語「ウリジン5’−一リン酸によるフィードバック阻害が脱感作された」は、実質的に阻害が脱感作されていればよく、完全に脱感作されることは必須ではない。
【0022】
具体的には、変異型CPSaseは、5mMのグルタミンを基質としたときに、ウリジン5’−一リン酸非存在下の活性に対する、10mMのウリジン5’−一リン酸存在下での活性の割合が、50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上であることが好ましい。
【0023】
上記の変異型CPSaseと実質的に同一のタンパクをコードするDNAは、例えばヌクレオチド配列を改変すること、例えば、ある特定の部位で一または複数のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入、または付加されるように部位特異的突然変異誘発法により、取得することができる。上記のように改変されたDNAは、通常知られる突然変異処理法で取得され得る。突然変異処理法としては、例えば、変異型carB遺伝子を含むDNAを、インビトロでヒドロキシルアミンで処理する方法、及び、例えば変異型carB遺伝子を保持するエシェリヒア属細菌を、紫外線照射、またはその様な処理に通常使われるN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)及び亜硝酸のような突然変異誘発物質で処理する方法が挙げられる。
【0024】
上記のようなヌクレオチドの置換、欠失、挿入、または付加はまた、自然に起こる変異(mutant又はvariant)、例えば、CPSaseを持つ個体の違いまたは種もしくは属の違いによる変異を含む。変異型CPSaseと実質的に同一のタンパク質をコードするDNAは、突然変異処理された変異型CPSaseを保持する細胞から、プローブとして既知のcarB遺伝子配列またはその一部を持つDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、CPSase活性を有するタンパク質をコードするDNAを単離することにより得られる。
【0025】
ここでいう用語「ストリンジェントな条件」は、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異なハイブリッドが形成されない条件を意味する。この条件を、正確に数値を用いて表すことは困難であるが、例えばストリンジェントな条件は、高いホモロジーを有するDNA、例えば互いに50%以上のホモロジーを有するDNA同士がハイブリダイズし、それよりも低いホモロジーを有するDNAは互いにハイブリダイズしないような条件が挙げられる。あるいは、ストリンジェントな条件としては、サザンハイブリダイゼーションにおける通常の洗いの条件に相当する塩濃度でDNA同士が互いにハイブリダイズする条件、例えば60℃、1×SSC、0.1% SDS、好ましくは0.1×SSC、0.1% SDSが挙げられる。
【0026】
上記の条件下でハイブリダイズし得る遺伝子の中には、遺伝子のコード領域内に終止コドンを有するもの、及び、活性中心の変異により活性を持たないものが含まれる。しかし、そのような不都合は、市販の発現ベクターに遺伝子を連結し、発現したタンパク質のCPSase活性を調べることで、簡単に除くことができる。
【0027】
本発明のCPSaseが、変異型の大サブユニットと小サブユニットからなるヘテロダイマーである場合、小サブユニットとしては、エシェリヒア・コリの野生型CPSaseの小サブユニットが挙げられる。報告されている小サブユニット遺伝子(carA)の塩基配列及びCarAのアミノ酸配列(GenBank Accession AE000113 U00096)を、配列番号32及び33に示す。
本発明においては、大サブユニットとともにCPSase活性を有している限り、小サブユニットは、一または複数の位置で、一または複数のアミノ酸の欠失、置換、挿入、もしくは付加を含んでいてもよい。「複数」の意味は、前記大サブユニットと同様である。
上記のような小サブユニットと実質的に同一のポリペプチドをコードするDNAとして具体的には、carAまたはその一部を持つDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAが挙げられる。「ストリンジェントな条件」の意味は、前記と同様である。
【0028】
<2>本発明のエシェリヒア属細菌
本発明のエシェリヒア属細菌は、上記の変異型carB遺伝子が導入されたエシェリヒア属細菌である。エシェリヒア属細菌としては、エシェリヒア・コリが挙げられる。変異型carB遺伝子は、例えば、エシェリヒア属細菌で機能するベクター及び変異型carB遺伝子を含む組換えDNAでエシェリヒア属細菌を形質転換することで得られる。変異型carB遺伝子は、染色体上のcarB遺伝子を変異型carB遺伝子と置換することによっても得ることができる。
【0029】
変異型carB遺伝子の導入に使われるベクターとしては、pBR322、pMW118、pUC19等のようなプラスミドベクター、l1059、lBF101、M13mp9等のようなファージベクター、及びMu、Tn10、Tn5等のようなトランスポゾンが挙げられる。
【0030】
エシェリヒア属細菌へのDNAの導入は、例えば、D. A. Morrisonの方法(Methods in Enzymology, 68, 326(1979))、または受容菌を塩化カルシウムで処理してDNAの透過性を増す方法(Mandel, M., and Higa, A., J. Mol. Biol., 53, 159, (1970))等により行うことができる。
【0031】
L−アルギニン、シトルリン及びピリミジン誘導体のようなカルバモイルリン酸から誘導される化合物の生産量は、上記のようなエシェリヒア属に属する生産菌に変異型carBを導入することで上昇させることができる。また、L−アルギニン、シトルリン及びピリミジン誘導体のような化合物の生産能は、あらかじめ変異型carB遺伝子が導入された細菌に付与してもよい。上記ピリミジン誘導体としては、オロト酸、ウリジン、UNP、シチジン及びCMPが挙げられる。
【0032】
L−アルギニン生産能を有するエシェリヒア属細菌としては、エシェリヒア・コリAJ11531及びAF11538(特開昭56-106598号)、AJ11593(FERM P-5616)及びAJ11594(FERM P-5617)(特開昭57-5693号)、VKPM B-7925(ロシア特許出願第2000117677号)が挙げられる。VKPM B-7925は、2000年4月10日より、ルシアン・ナショナル・コレクション・フォー・インダストリアル・マイクロオーガニズムス(VKPM)に寄託されている。
【0033】
エシェリヒア属に属するL−シトルリン生産菌、エシェリヒア属に属するオロト酸生産菌、及びエシェリヒア属に属する5’−一リン酸(UMP)生産菌は現在知られていない。
【0034】
L−シトルリン生産能を有するバチルス属細菌としては、バチルス・ズブチリス(B. subtilis)K-X-1 A-1株(ATCC No 15561)及びK-1 A-9株(ATCC No 15562)(米国特許第3,282,794号)、バチルス sp. cit-70株(特開平08-089269号)が例示される。L−シトルリン生産能を有するブレビバクテリウム(Brevibacteria)属細菌としては、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)AJ3408株(FERM P-1645)(米国特許第5,164,307号)、及びAJ11677株(特開昭57-163488号)が挙げられる。L−シトルリン生産能を持つコリネバクテリウム属細菌としては、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)AJ11588株(FERM P-5643)(米国特許第5,164,307号)が挙げられる。
【0035】
オロト酸生産能を有するバチルス属細菌としては、オロト酸フォスフォリボシルトランスフェラーゼを欠損したバチルス・ズブチリスFERM P11402(特開平04-004891号)が挙げられる。UMP生産能を持つコリネバクテリウム属細菌としては、5−フルオロウラシル耐性のコリネバクテリウム・グルタミカム T-26株(FERM BP-1487)、5−フルオロウラシル及びトリメトプリムに耐性なT-29株(FERM BP-1487)、ならびに5−フルオロウラシル及びスルファグアニジンに耐性なT-30株(FERM BP-1489)(欧州特許EP0312912)が挙げられる。
【0036】
UMP生産能を有するコリネバクテリアとしては、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)LK 40-2株(VKPM B-7811)、LK 75-15(VKPM B-7812)、及びLK 75-66(VKPM B-7813)(ロシア特許出願第99122774号)が挙げられる。
【0037】
<3>L−アルギニン、シトルリン及びピリミジン誘導体の製造方法
L−アルギニン、シトルリン及びピリミジン誘導体のような化合物は、変異型carB遺伝子が導入され、同化合物を生産する能力を有する細菌を培地で培養し、同化合物を培地中に生成、蓄積させ、それらを培地から回収することにより、効率よく生産することができる。上記ピリミジン誘導体としては、オロト酸、ウリジン、UMP、シチジン及びCMPが挙げられる。
【0038】
本発明の方法において、エシェリヒア属細菌の培養、液体培地からの化合物の回収と精製は、細菌を用いた発酵によるL−アルギニン生産のための通常の方法と同様にして行うことができる。培養に使用される培地は、炭素源及び窒素、無機質ならびに、必要に応じて、細菌の成長に必要な適量の栄養分を含む限り、合成培地または天然培地のいずれでもよい。炭素源としては、使用する細菌の資化能によって、グルコース及びスクロースのような種々の炭水化物、及び種々の有機酸が挙げられる。エタノール及びグリセロールのようなアルコールも使用することができる。窒素源としては、アンモニア、種々のアンモニウム塩、アミンのよう他の窒素化合物、ペプトンのような天然の窒素源、ダイズ水解物及び醗酵性微生物の消化物が使用される。無機質としては、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸鉄、硫酸マンガン、炭酸カルシウムが使用される。
【0039】
培養は、好ましくは振盪、通気及び撹拌培養のような好気的な状態下で行われる。培養は、通常20℃〜40℃、好ましくは30℃〜38℃の間で行われる。培養は、通常5〜9、好ましくは6.5〜7.2の間のpHで行われる。培養液のpHは、アンモニア、炭酸カルシウム、種々の酸、種々の塩基、及び緩衝液で調整することができる。通常、1日〜3日の培養で、培養液中に化合物が蓄積する。
【0040】
化合物の単離は、培養の後に遠心分離や濾過により細胞のような固形物を培養液から取り除き、続いてイオン交換、濃縮及び結晶分画法により化合物を回収及び精製することで、行うことができる。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
【0042】
【実施例1】
エシェリヒア・コリの野生型carAB遺伝子を持つプラスミドpBScarAB-13を、あらかじめBamHI及びPstIで消化したpBluescript II SK(+)ベクター(Fermentas, Lithuania)に、エシェリヒア・コリ染色体からのAvaIII-BglIIDNA断片(4911bp)をクローニングすることにより構築した。
【0043】
プラスミドpET22-b(+)(Novagen, USA)は、T7プロモーターをlacプロモーターで置換するように改変した。lacプロモーターは、pUC18プラスミドをテンプレートとして、オリゴヌクレオチド
5'-accagatctgcggcagtgagcgcaacgc-3'(配列番号21)、及び
5'-gtttctagatcctgtgtgaaattgttatccgc-3'(配列番号22)
をプライマーとして用いて、PCR増幅により取得した。得られたlacプロモーターを含む断片(0.14kb)は、制限酵素BglII及びXbaIで消化し、同じ酵素で処理したpET21-b(+)ベクター中にクローニングした。得られたプラスミドpET-Placは、プラスミドpBScarAB-13からプロモーターを持たないcarAB遺伝子をクローニングするのに用いた。
【0044】
carA遺伝子の5’末端(1.18kb)は、pBScarAB-13をテンプレートとして、オリゴヌクレオチド
5'-cctctagaaataaagtgagtgaatattc-3'(配列番号23)、及び
5'-cttagcggttttacggtactgc-3'(配列番号24)
をプライマーとして用いて、PCR増幅により取得した。得られた断片はXbaI及びDraIIIで消化し、carA遺伝子の5’−末端配列を含むXbaI-DraIII断片(0.61kb)をアガロース電気泳動により精製した。この断片、pBScarAB-13プラスミドより得たDraIII-SacI断片(carA遺伝子及びcarB遺伝子の3’−末端配列を含んでいる)及びpET-Plac/XbaI-SacIベクターの混合物を連結し、エシェリヒア・コリTG1細胞を形質転換した。得られた組換えプラスミドpEL-carAB-wtは、lacプロモーターの制御下で、野生型carABオペロンの配列を持っている。
【0045】
PCR増幅に用いたTaKaRa La DNA Polymeraseは、宝酒造(株)(日本)より入手し、推奨される条件で使用した。
【0046】
<1>ランダム化断片による突然変異誘発
プラスミドpBScarAB-13をテンプレートとして用い、センスプライマーP1:5'-ggtcgtgcgctgNN(T/C)N(T/C)CNN(T/C)NNN(G/A)NNggcgataaagaacgcgtggtg-3'(配列番号25)(48塩基)をcarB遺伝子のヌクレオチド配列に基づいてデザインし、標準M13ダイレクトシークエンスプライマーを、アンチセンスプライマーとして用いた。プライマーP1の固定された5’末端12ヌクレオチド、及び固定された3’末端21ヌクレオチドは、carB遺伝子のGlu951コドンの下流、及びLeu947コドンの上流の配列にそれぞれ相同性を有する。
【0047】
0.75kbp DNA断片(carB遺伝子の3’末端)が、ランダム化された15ヌクレオチドとP1プライマーを用いて、1段目のPCRで増幅された。
1段目のPCRは以下のようにして行った。100ngのpBScarAB-13を、10pmol濃度の2つのプライマーそれぞれを含むPCR溶液に、テンプレートとして加えた。2400 DNAサーマルサイクラー(Perkin-Elmer Co., Foster City, Calif.)を用いて15PCRサイクル(94℃で15秒、52℃で20秒、72℃で1分)を行った。
【0048】
二回目の増幅として、次の15サイクル(94℃で1分、35℃で1分、72℃で2分)を行った。その際、増幅断片の(−)鎖が遺伝子全長を得るためにそれを伸長させるための「プライマー」として機能させた。
【0049】
三段目の増幅として、反応混合液の10μl分を、100pmolのセンスプライマー:M13ダイレクトシークエンスプライマー、及びアンチセンスとしてプライマーP2:5'-ccacttcctcgatgacgcgg-3'(配列番号26)を含む新鮮な90μlの反応混合液に添加し、さらに15サイクル(94℃で0.5分、55℃で20秒、72℃で2分)を行った。
【0050】
carB遺伝子の3’末端断片の様々な変異体のプールをコードする1.32kbのDNA断片を、アガロースゲル電気泳動で精製し、次いでAflII及びSacIで消化した後、あらかじめ同じ制限酵素で消化したpEL-carAB-wtベクターに連結し、pEL-carAB-NNを得た。
【0051】
後の実験で、約150ngの連結されたDNAを、エシェリヒア・コリTG1(supE hsdΔ5 thiΔ(lac-proAB)F'[traD36 proAB+ lacq lacZΔM15])(J. Sambrook et al., Molecular Cloning, 1989)受容細胞の形質転換に用い、約2000の組換えクローンが得られた。組換えプラスミド(pEL-carAB-NN)のプールを精製し、活性CarAB酵素を持つ組換えプラスミドpEL-carAB-NNを選択するために用いたエシェリヒア・コリVKPM B-6969(car:Tn10)を形質転換した。
【0052】
<2>部位特異的突然変異誘発
単一変異Ser948Pheを導入するために、プラスミドpBScarAB-13をテンプレートとして、carB遺伝子のヌクレオチド配列に基づいて設計したセンスプライマー5'-cgtgcgctgcttttcgtgcgcgaaggcgataaag-3'(34塩基)(配列番号27)、及び、アンチセンスプライマーとして標準M13ダイレクトシークエンスプライマーを用いて、PCRを行った。PCR増幅及び断片のクローニングは、上記のようにして行った。
【0053】
単一変異を持つcarB遺伝子の3’末端断片をコードする1.32kbpのDNA断片をアガロースゲル電気泳動で精製し、AflII及びSacIで消化し、次いで同じ制限酵素であらかじめ消化したpEL-carAB-wtベクターに連結した。およそ100ngの得られたDNAプラスミドを、エシェリヒア・コリVKPM B-6969の形質転換に用い、単一置換Ser948Pheを有する活性CarAB酵素をコードするcarAB遺伝子を保持するリコンビナントプラスミドpEL-carAB-6を選択した。
【0054】
【実施例2】
新規carB変異体の単離及び触媒特性に対するCPSaseのアミノ酸配列置換の効果
初めに、40株の組換えB-6969(pEL-carAB-NN)クローンで、CarAB活性及びそのUMPに対するフィードバック耐性を、CarAB及びArgI(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)酵素により触媒される、オルニチンからのシトルリン生合成の反応において評価した。
反応の概要は以下の通りである。
【0055】
【化1】
Figure 0004207484
【0056】
この反応中、カルバモイルリン酸シンセターゼは、遊離のNH4 +を基質として用いる。
【0057】
40株のB-6969(pEL-carAB-NN)及びTG1(pUC18-argI)の細胞のタンパク質抽出物を、(NH4)2SO4(75%飽和)を用いた沈殿により、超音波処理を行った粗細胞抽出液から調製した。タンパク質の沈殿物は、以下の組成の緩衝液に溶解された。Tris-HCl(50mM), pH7.5、2-メルカプトエタノール(2mM)。
【0058】
テスト系は、B-6969(pEL-carAB-NN)株及びTG1(pUC18-argI)のタンパク抽出物、及び、以下の試薬を含む。ATP(8mM)、MgSO4(8mM)、(NH4)2SO4(200mM)、Na2CO3(8mM)及びオルニチン(1mM)、(pH7.5)。
【0059】
反応混合液中のオルニチン及びシトルリン含有量は、以下の組成の液相を用いてTLCで解析した。イソプロパノール/酢酸エチル/水酸化アンモニウム/H2O=40/20/13/27(v/v)。
【0060】
活性を有し、かつUMPに対するフィードバック耐性である変異型CPSaseを発現する9クローン、及び、単一置換Ser948Pheを有するCPSaseを発現する1クローンを、変異酵素活性の計測に用いた。
【0061】
前記10クローンのプラスミドを精製し、ダイデオキシチェーンターミネーション法を用いて、carB遺伝子のランダム化断片の配列を決定した(表1)。
次いで、これら9クローンのB-6969(pEL-carAB-NN)及び1クローンのB-6969(pEL-carAB-6)のタンパク抽出物を、グルタミン及びアンモニアからのカルバモイルリン酸(CP)合成反応における変異型CPSaseの活性及びfbrを評価するために用いた。
【0062】
粗細胞抽出液は、0.5mlのバッファーA(200mM K2HPO4/KH2PO4、pH8.0、1mM EDTA、1mM PMSF、1mM DTT)に懸濁した20mg湿細胞ペレットを超音波処理することで調製し、65%飽和に達する固形硫酸アンモニウムで処理した。10分間4℃でインキュベートした後、懸濁液を13,000rpmで10分間遠心し、沈殿物を1mlのバッファーB(20mM K2HPO4/KH2PO4,pH8.0、50mM KCl、1mM PMSF、1mM DTT)に溶解させた。得られたタンパク質抽出物を、CPSase活性の評価に用いた。反応の概要は、以下のとおりである:
【0063】
【化2】
I. Gln + CO2 + 2MgATP + H2O → NH2COOPO3 2- + 2MgADP + Glu + Pi
II. NH3 + CO2 + 2MgATP + H2O → NH2COOPO3 2- + 2MgADP + Pi
【0064】
50μlの各反応混合液は、以下のものを含む。
反応I:20mM tris-HCl、pH8.0、100mM KCl、5mM Na2CO3、10mM ATP、10mM MgCl2、5mMグルタミン、10μlタンパク質抽出物、
反応II:20mM tris-HCl、pH8.0、100mM KCl、5mM Na2CO3、10mM ATP、10mM MgCl2、200mM (NH4)2SO4、10μlタンパク質抽出物。
【0065】
また、反応Iの系列を、CPSaseのフィードバック阻害レベルを評価するため、10mM UTP存在下で行った。
10分間37℃でインキュベーションを行った後、等量のEtOHを加えて反応を停止させ、10分間-20℃に冷やし、室温で1分間13,000rpmで遠心を行った。上清は-20℃に冷却した。
【0066】
反応混合液中のCP含有量は、キャピラリーゾーン電気泳動で解析した。分離は、Quanta 4000Eキャピラリー電気泳動システム(「Waters」、USA)上で、254nmのUV非直接検出で行った。インジェクションは。静水圧で25秒間行った。分離は、コートしていない融合シリカキャピラリー(75u I.D.*60cm、有効長53cm)で行い、-25kVの電位で操作した。温度は20℃に維持した。分離緩衝液は、50mM Tris base、25mM安息香酸(非直接検出の場合)pH8.5、0.25mM TTAB(tetradecyl-trimethyl-ammonium bromide)(電気浸透流の逆流用)からなる。CP合成の反応における変異型CPSaseの活性の測定値及びfbrのデータを、表2に示す。
【0067】
【表2】
Figure 0004207484
【0068】
このように、変異型CPSaseは、本質的にUMPに非感受性であるが、単一変異は、酵素活性を顕著に低下させた。これらの結果は、947位〜951位のアミノ酸残基からなるペプチド断片は、UMPによるCPSaseのフィードバック阻害に関与し、変異型CPSaseの触媒効率のレベルにもまた関与していることを示している。野生型CarAB及び変異型CarAB−34をコードする遺伝子を、プラスミドpMW119中にクローニングした。この目的のため、プラスミドpEL-carAB-wt及びpEL-carAB-34を、制限酵素SacI及びXbaIで消化し(これらのプラスミドが2つのXbaIサイトを持つため、部分処理した)、carAB遺伝子をコードする断片を、あらかじめ同じ制限酵素で処理したpMW119ベクター中にクローニングした。その結果、lacプロモーター制御下にあるcarAB遺伝子を持つ、低コピー数のpMW119carAB-wt及びpMW119carAB-34プラスミドが得られた。
【0069】
【実施例3】
変異型carAB遺伝子を持つ株を用いたオロト酸の生産
311株は、argA遺伝子にTn10が挿入されたエシェリヒア・コリK12(VKPM B-3853)から、6−アザウラシル(1mg/ml)耐性変異株として誘導された。311株は、ルシアン・ナショナル・コレクション・フォー・インダストリアル・マイクロオーガニズムス(VKPM)に、2001年3月5日より受託番号VKPM B-8085として寄託され、2002年7月17日にブダペスト条約の規定にしたがって国際寄託に移管されている。
【0070】
311株を、pMW119carAB-wt及びpMW119carAB-34プラスミドで形質転換し、得られた組換え株オロト酸生産を、異なる濃度のウリジン存在下で調べた。
【0071】
以下の条件で試験管発酵を行った。1/20希釈の一夜培養液、60g/Lグルコース、25g/L硫酸アンモニウム、2g/L KH2PO4、1g/L MgSO4、0.1mg/Lチアミン、5g/Lイーストエクストラクト(Difco)、25 g/L炭酸カルシウム、以上1Lの水道水中(pH7.2)。グルコース及び炭酸カルシウムは別個に滅菌した。2mlの培地を試験管に入れ、32℃で3日間振盪しながら培養を行った。オロト酸生産のレベルは、HPLCにより評価した(表3)。
【0072】
【表3】
Figure 0004207484
【0073】
表3に示すように、変異carAB遺伝子を保持する311(pMW119carAB-34)株は、親株311(pMW119)株及び野生型carAB遺伝子を保持する311(pMW119carAB-wt)株に比べ、多くのオロト酸を生産した。
【0074】
【実施例4】
変異carAB遺伝子を保持する株を用いたアルギニン及び/又はシトルリンの生産
アルギニン生産株である333株及び374株は、トランスポゾンTn5がilvA遺伝子に挿入されたエシェリヒア・コリ57株(VKPM B-7386)の誘導体から、6−アザウラシル(1mg/ml)に耐性な変異株として選択された。333株及び374株は、ルシアン・ナショナル・コレクション・フォー・インダストリアル・マイクロオーガニズムスロシア(VKPM)に、2001年3月5日より、それぞれ受託番号VKPM B-8084及びVKPM B-8086として寄託され、各々2002年7月17日にブダペスト条約の規定にしたがって国際寄託に移管されている。
【0075】
333株及び374株を、プラスミドpMWcarAB-wt及びpMWcarAB-34で形質転換し、それらの組換え株のアルギニン及びシトルリンの生産を調べた。試験管発酵は、実施例3と同じ方法で行った。100mg/Lのウリジンを含む合成培地での333(pMWcarAB-wt)株及び333(pMWcarAB-34)株のアルギニン及び/又はシトルリンの生産量を、表4に示す。
【0076】
【表4】
Figure 0004207484
【0077】
100mg/Lのウリジンを含む合成培地での374(pMWcarAB-wt)株及び374(pMWcarAB-34)株によるシトルリン生産レベルを、表5に示す。
【0078】
【表5】
Figure 0004207484
【0079】
表4に示されるように、変異型carAB遺伝子を保持する333(pMWcarAB-34)株は、野生型carAB遺伝子を保持する株に比べて、多くのアルギニン及びシトルリンを生産した。また、表5に示されるように、374(pMWcarAB-34)株は、野生型carAB遺伝子を保持する株よりも多くのシトルリンを生産した。
【0080】
【発明の効果】
本発明により、フィードバック阻害が脱感作され、かつ、高い活性を維持する変異型カルバモイルリン酸シンセターゼが提供される。同酵素を保持するエシェリヒア属細菌は、発酵法によるL−アルギニン、シトルリン及びピリミジン誘導体の効率的な製造に好適に利用することができる。
【0081】
【配列表】
Figure 0004207484
Figure 0004207484
Figure 0004207484
Figure 0004207484
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Figure 0004207484
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Figure 0004207484
Figure 0004207484

【図面の簡単な説明】
【図1】 プラスミドpEL-carAB-wtの構築のスキームを示す。
【図2】 変異型carB遺伝子のプールの構築のスキームを示す。

Claims (9)

  1. エシェリヒア・コリ由来のカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニットであって、配列番号20の947位〜951位に相当するアミノ酸配列が、配列番号1〜9のアミノ酸配列のいずれかと置換され、かつ、ウリジン5'−一リン酸によるフィードバック阻害が脱感作されたカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニット。
  2. 配列番号20の947位〜951位のアミノ酸配列が配列番号1〜9のアミノ酸配列のいずれかと置換され、ウリジン5'−一リン酸によフィードバック阻害が脱感作された、請求項1に記載のカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニット。
  3. 947位〜951位以外の一または複数の位置における、一または複数のアミノ酸の欠失、置換、挿入または付加を有し、かつ、ウリジン5'−一リン酸によるフィードバック阻害が脱感作された、請求項1に記載のカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニット。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニットを含む、カルバモイルリン酸シンセターゼ。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載のウリジン5'−一リン酸によるフィードバック阻害が脱感作されたカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニットをコードするDNA。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のウリジン5'−一リン酸によるフィードバック阻害が脱感作されたカルバモイルリン酸シンセターゼの大サブユニットと、エシェリヒア・コリのカルバモイルリン酸シンセターゼの小サブユニットをコードするDNA。
  7. 請求項又はに記載のDNAを保持するエシェリヒア属細菌。
  8. L−アルギニン、シトルリン及びオロト酸からなる群より選択される化合物を生産する能力を有する請求項に記載の細菌。
  9. 請求項7又は8に記載の細菌を培地で培養し、同培地中にL−アルギニン、シトルリン及びオロト酸からなる群より選択される化合物を生成、蓄積させ、該培養液より前記化合物を回収する、L−アルギニン、シトルリン及びオロト酸からなる群より選択される化合物の製造方法。
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