JP4821321B2 - 腸内細菌科の細菌を用いたl−ヒスチジンの製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオテクノロジーに関し、詳しくは発酵による、L−ヒスチジンなどのL−アミノ酸の製造法に関する。本発明は、さらに、エシェリヒア・コリに由来する遺伝子に関る。同遺伝子は、L−ヒスチジン生産能の改善に有用である。
従来、L−アミノ酸は、自然界から得られた微生物株、またはL−アミノ酸生産能が向上するように改変されたそれらの変異株を利用する発酵法により、工業的に製造されてきた。
L−アミノ酸生産能を向上させる多くの技術(例えば、組換えDNAによる微生物の形質転換による)が開示されてきた(例えば、米国特許第4,278,765号を参照)。これらの技術は、アミノ酸生合成に関与する酵素の活性を増加させること、および/または、産生されたL−アミノ酸によるフィードバック阻害から標的酵素を脱感作させることによる(例えば、特開昭56−18596(1981)、WO95/16042、または米国特許第5,661,012号および第6,040,160号を参照)。
talB遺伝子は、非酸化的ペントースリン酸回路の酵素であるトランスアルドラーゼ(TAL、又は、D−セドヘプツロース−7ホスフェート:D−グリセルアルデヒド−3−ホスフェートジヒドロキシアセトン転位酵素)[EC 2.2.1.2]をコードする(Sprenger G.A.et al,J.Bacteriol.,1995,Oct 177:20,5930−6)。トランスアルドラーゼは、解糖産物からのリボース−5−ホスフェートの生合成における鍵酵素である。同酵素は、フルクトース−6−ホスフェート由来のジヒドロアセトン部分のエリスロース−4−ホスフェートへの可逆的転位を触媒し、セドヘプツロース−7−ホスフェートを生成し、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートを放出する。次いで、セドヘプツロース−7−ホスフェートおよびグリセルアルデヒド−3−ホスフェートは、トランスケトラーゼ活性により2分子のペントース−5−ホスフェートに転換される。
先に、トランスアルドラーゼ活性を増加させることが、芳香族代謝からの物質、特にL−フェニルアラニンのような芳香族アミノ酸の微生物生産に有用であることが報告されている(米国特許第6,316,232)。
最近、talB遺伝子を含む、大きな群の遺伝子の1または複数の遺伝子が弱化、特に除去された腸内細菌科(Enterobacteriaceae)の微生物の発酵によるL−スレオニンの製造がなし遂げられるということが、理論のみによって提案されている(WO03008600A2)。一方、反対に、少なくともtalB遺伝子の発現が強化、特に過剰発現された腸内細菌科の微生物の発酵によるL−スレオニンの製造が開示されている(WO03008611A2)。
しかし、今までに、腸内細菌科の菌株を用いたL−ヒスチジン生産を向上させるためにtalB遺伝子を増幅することを記載した報告はない。
本発明の目的は、L−ヒスチジン生産能が増強されたL−ヒスチジン生産株を開発することである。また、本発明の目的は、それらの株を用いてL−ヒスチジンを生産する方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、トランスアルドラーゼ活性が増強するように改変された、腸内細菌科のL−ヒスチジン生産菌を提供することである。
本発明のさらなる目的は、エシェリヒア属に属する前記細菌を提供することである。
本発明のさらなる目的は、トランスアルドラーゼ活性が、トランスアルドラーゼ遺伝子の発現量の増加により増強した前記細菌を提供することである。
本発明のさらなる目的は、トランスアルドラーゼ活性が、トランスアルドラーゼ遺伝子のコピー数の増加により、または、該遺伝子の発現が増強するように該遺伝子の発現制御配列が改変されたことにより増加した前記細菌を提供することである。
本発明のさらなる目的は、前記細菌をトランスアルドラーゼ遺伝子を有するマルチコピーベクターで形質転換することにより前記コピー数が増加した前記細菌を提供することである。
本発明のさらなる目的は、前記トランスアルドラーゼ遺伝子がエシェリヒア属細菌に由来するものである前記細菌を提供することである。
本発明のさらなる目的は、前記トランスアルドラーゼ遺伝子は、
(A)配列番号2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
(B)配列番号2に示すアミノ酸配列において1または複数のアミノ酸の欠失、置換、挿入、または付加を含むアミノ酸配列を含み、かつ、トランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質、からなる群から選ばれるタンパク質をコードする前記細菌を提供することである。
(8)前記トランスアルドラーゼ遺伝子は、
(a)配列番号1のヌクレオチド1〜954のヌクレオチド配列を含むDNA、及び
(b)配列番号1のヌクレオチド1〜954のヌクレオチド配列または該ヌクレオチド配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、かつ、トランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA、からなる群から選ばれる、前記細菌を提供することである。
本発明のさらなる目的は、前記ストリンジェントな条件は、60℃、かつ1×SSCおよび0.1%SDSに相当する塩濃度で洗浄が行われる条件である、前記細菌を提供することである。
本発明のさらなる目的は、前記細菌を培地に培養し、該培養液中に蓄積したL−ヒスチジンを回収することとを含む、L−ヒスチジンの製造法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、前記細菌は、ヒスチジン生合成遺伝子の発現が増強された、前記方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、トランスアルドラーゼ活性が増強するように改変された腸内細菌科のL−ヒスチジン生産菌であって、同トランスアルドラーゼは、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、及び、配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の相同性を有し、かつトランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質からなる群から選ばれる細菌を提供することである。
本発明のさらなる目的は、前記相同性が90%以上である細菌を提供することである。
本発明のさらなる目的は、トランスアルドラーゼ活性が増強するように改変された腸内細菌科のL−ヒスチジン生産菌であって、同トランスアルドラーゼは、
(a)配列番号1のヌクレオチド1〜954のヌクレオチド配列を含むDNA、及び
(b)配列番号1のヌクレオチド1〜954のヌクレオチド配列または該ヌクレオチド配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができ、かつ、トランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA、からなる群から選ばれるヌクレオチド配列によってコードされる細菌を提供することである。
本発明のさらなる目的は、ヒスチジン生合成遺伝子の発現が増強された前記細菌を提供することである。
前記目的は、トランスアルドラーゼ(TAL、D−セドヘプツロース−7−ホスフェート:D−グリセルアルデヒド−3−ホスフェートジヒドロキシアセトン転位酵素[EC 2.2.1.2])(同酵素は標的L−アミノ酸の生合成経路に関与しないが、追加的コピーがL−ヒスチジン生産株の細胞中に導入されると、L−ヒスチジン生産を向上させ得る)をコードするtalB遺伝子を同定することにより達成された。こうして本発明は完成された。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の細菌は、腸内細菌科のL−ヒスチジン生産菌であり、同細菌中で本発明のタンパク質の活性を増強することによって同細菌のL−ヒスチジン産生が向上している。具体的には、本発明の細菌は、エシェリヒア属に属するL−ヒスチジン生産菌であり、同細菌中で本発明のタンパク質、すなわちトランスアルドラーゼの活性を増強することによって同細菌のL−ヒスチジン産生が向上している。より具体的には、本発明の細菌は、talB遺伝子を含む染色体またはプラスミドDNAを保持し、かつ、talB遺伝子の過剰発現によってL−ヒスチジン生産能が増強されている。
「L−ヒスチジン生産菌」は、本発明の細菌を培地で培養したときに、培地中にL−ヒスチジンを蓄積する能力を有する細菌を意味する。L−ヒスチジン生産能は、育種により付与または増強されてもよい。ここで使用される用語「L−ヒスチジン生産菌」はまた、野生株または親株よりも多い量のL−ヒスチジンを培地中に生成、蓄積し得る細菌を意味し、好ましくは、微生物が、0.5g/L以上、より好ましくは1.0g/L以上の量のL−ヒスチジンを培地中に生成、蓄積し得ることを意味する。
腸内細菌科には、エシェリヒア属、エルヴィニア(Erwinia)属、プロビデンシア(Providencia)属、およびセラチア(Serratia)属に属する細菌が含まれる。エシェリヒア属が好適である。
用語「エシェリヒア属に属する細菌」は、微生物学の当業者に既知の分類に従ってエシェリヒア属として分類される細菌を意味する。本発明で使用されるエシェリヒア属に属する微生物にはエシェリヒア・コリ(E.coli)が含まれるが、これには限定されない。
用語「トランスアルドラーゼ活性」は、フルクトース−6−ホスフェート由来のジヒドロアセトン部分のエリスロース−4−ホスフェートへの可逆的転位の反応を触媒し、セドヘプツロース−7−ホスフェートを形成し、そしてグリセルアルデヒド−3−ホスフェートを放出する活性を意味する。トランスアルドラーゼの活性は、例えば、GA.Sprenger,U.Schorken,G.Sprenger & H.Sahm(エシェリヒア・コリK−12のトランスアルドラーゼB:その遺伝子であるtalBのクローニング、および組換え株からの同酵素の特性決定(TransaldolaseB of Escherichia coli K−12:cloning of its gene,talB,and characterization of the enzyme from recombinant strains).J.Bacteriol.,1995,177:20:5930−6)により記載される方法により測定され得る。
用語「トランスアルドラーゼ活性を増強するように改変された」は、細胞あたりの活性が非改変株、例えば、野生株のものよりも高くなるように改変されていることを意味する。例えば、細胞あたりのトランスアルドラーゼ分子数が増加した細胞、トランスアルドラーゼ分子あたりの比活性が増加した細胞などが含まれる。さらに、比較の対象となる野生株は、例えば、エシェリヒア・コリK−12が含まれる。トランスアルドラーゼの細胞内活性の増強の結果として、培地中のL−ヒスチジン蓄積量が増加する。
細菌細胞内のトランスアルドラーゼ活性の増強は、トランスアルドラーゼをコードする遺伝子の発現の増強により達成され得る。腸内細菌科の細菌由来のトランスアルドラーゼ遺伝子、及び/又はコリネ型細菌等の他の細菌由来の遺伝子が使用され得る。エシェリヒア属に属する細菌由来の遺伝子が好ましい。
エシェリヒア・コリのトランスアルドラーゼをコードする遺伝子(EC番号2.2.1.2)として、talB遺伝子が既に報告されている(GenBank受託番号NC_000913.1,gi:16128002の配列中ヌクレオチド番号8238〜9191)。したがって、talB遺伝子は、同遺伝子のヌクレオチド配列に基づいて調製されたプライマーを利用したPCR(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション;White,T.J.et al.,Trends Genet.,5,185(1989)を参照)により得られ得る。同様にして、他の微生物のトランスアルドラーゼをコードする遺伝子を取得し得る。
エシェリヒア・コリ由来のtalB遺伝子には、以下のタンパク質(A)または(B)をコードするDNAが含まれる。
(A)配列番号2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、
(B)配列番号2に示すアミノ酸配列において1または複数のアミノ酸の欠失、置換、挿入、または付加を含むアミノ酸配列を含み、かつ、トランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質。
本発明のタンパク質をコードするDNAには、それらのタンパク質の活性が失われない限り、タンパク質(A)の1または複数の位置での1または複数のアミノ酸の欠失、置換、挿入、または付加を含む可能性のあるタンパク質をコードするDNAが含まれる。「複数」のアミノ酸の数は、タンパク質の三次元構造中のアミノ酸残基の位置または種類よって異なるが、タンパク質(A)に対して好ましくは2〜30、より好ましくは2〜20、特に好ましくは2〜10である。これは以下の理由による。いくつかのアミノ酸は互いに高い相同性を有し、そしてそのようなアミノ酸における差異はタンパク質の三次元構造およびその活性に大きくは影響しないからである。したがって、タンパク質(B)は、トランスアルドラーゼの全アミノ酸残基に対して30〜50%以上、好ましくは50〜70%以上、より好ましくは70〜90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性を有し、かつトランスアルドラーゼ活性を有するものであり得る。
DNAの相同性の度合いを評価するには、BLAST検索、FASTA検索、およびCrustalW等の公知の計算法が使用され得る。
BLAST(基本局所配列比較検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool))は、blastp、blastn、blastx、megablast、tblastn、およびtblastxプログラムに用いられている発見的(heuristic)検索アルゴリズムである。これらのプログラムは、Karlin.Samuel and Stephen F.Altschulの統計的方法を用いて、有意度をそれらの発見によるものとする(「一般的スコアリングスキームを使用することによる分子配列の特徴の統計的有意度を評価する方法(Methods for assessing the statistical significance of molecular sequence features by using general scoring schemes)」.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1990,87:2264−58;「分子配列における複数のハイスコア断片のための応用および統計(Applications and statistics for multiple high−scoring segments in molecular sequences)」.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1993,90:5873−7)。FASTA検索法は、W.R.Pearsonにより記載される(「FASTPおよびFASTAでの迅速かつ高感度な配列比較(Rapid and Sensitive Sequence Comparison with FASTP and FASTA)」,Methods in Enzymology,1990 183:63−98)。ClustalW法は、Thompson J.D.,Higgins D.G. and Gibson T.J.により記載される(「CLUSTAL W:配列重み付け、位置特異的ギャップペナルティ、および重さマトリクス選択を通じた進化的多重配列比較の感度の改善(CLUSTAL W:improving the sensitivity of progressive multiple sequence alignment through sequence weighting,position−specific gap penalties and weight matrix choice)」,Nucleic Acids Res.1994,22:4673−4680)。
上記のようなトランスアルドラーゼの改変は、トランスアルドラーゼ活性が維持されるような保存的変異である。置換は、アミノ酸配列中の少なくとも1残基が除去され、そこに他の残基が挿入される変化である。トランスアルドラーゼタンパク質の元々のアミノ酸を置換し、かつ、保存的置換とみなされるアミノ酸としては、Alaからser又はthrへの置換、argからgln、his又はlysへの置換、asnからglu、gln、lys、his又はaspへの置換、aspからasn、glu又はglnへの置換、cysからser又はalaへの置換、glnからasn、glu、lys、his、asp又はargへの置換、gluからasn、gln、lys又はaspへの置換、glyからproへの置換、hisからasn、lys、gln、arg又はtyrへの置換、ileからleu、met、val又はpheへの置換、leuからile、met、val又はpheへの置換、lysからasn、glu、gln、his又はargへの置換、metからile、leu、val又はpheへの置換、pheからtrp、tyr、met、ile又はleuへの置換、serからthr又はalaへの置換、thrからser又はalaへの置換、trpからphe又はtyrへの置換、tyrからhis、phe又はtrpへの置換、及び、valからmet、ile又はleuへの置換が挙げられる。
上記のようなトランスアルドラーゼの改変は、公知のトランスアルドラーゼの構造に関する知見(例えば、Methods Enzymol.2002;354:197−201、Eur J Biochem.2001 Apr;268(8):2408−15、FEBS Lett.1998 Dec 18;441(2):247−50、Protein Sci.1997 Jan;6(1):119−24、Structure.1996 Jun 15;4(6):715−24)を参考にすることができる。
(A)に定義されるタンパク質と実質的に同じタンパク質をコードするDNAは、例えば、1または複数のアミノ酸残基が欠失、置換、挿入、または付加されるように部位特異的突然変異法を使用して、(A)に定義されるタンパク質をコードするヌクレオチド配列を改変することにより、得ることができる。そのような改変DNAは、変異を発生させる試薬および条件での処理を用いる従来法により得られ得る。そのような処理として、本発明のタンパク質をコードするDNAのヒドロキシルアミンでの処理、またはDNAを保持する細菌のUV照射、またはN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジンまたは亜硝酸などの試薬での処理が挙げられる。
本発明のタンパク質コードするDNAは、自然の多様性によりエシェリヒア属細菌の他の菌株で見い出される変異体(バリアント)を含む。そのような変異体をコードするDNAは、ストリンジェントな条件下でtalB遺伝子または同遺伝子の一部分とハイブリダイズし、かつトランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを単離することにより得られ得る。用語「ストリンジェントな条件」には、いわゆる特異的ハイブリッドが形成され、かつ、非特異的ハイブリッドが形成されないような条件を含む。例えば、ストリンジェントな条件には、高い相同性を有するDNA、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性を有するDNAが互いにハイブリダイズする条件が含まれる。あるいは、ストリンジェントな条件には、サザンンハイブリダイゼーションでの通常の洗浄の条件、例えば、60℃、1×SSC、0.1%SDS、好ましくは0.1×SSC、0.1%SDS、を含む。変異体をコードし、かつtalB遺伝子とハイブリダイズするDNAのプローブとして、配列番号1のヌクレオチド配列の部分配列もまた使用され得る。そのようなプローブは、プライマーとして配列番号1のヌクレオチド配列に基づくオリゴヌクレオチド、および鋳型として配列番号1のヌクレオチド配列を含むDNAフラグメントを使用するPCRにより調製されてもよい。長さが約300bpのDNAフラグメントをプローブとして使用する場合、ハイブリダイゼーションにおける洗浄条件は、例えば、50℃、2×SSC、および0.1%SDSであり得る。
タンパク質をコードするDNAでの細菌の形質転換は、例えば、本発明のタンパク質をコードする遺伝子の発現を増加させるか、細菌細胞でのタンパク質の活性を向上させる従来法によって、DNAを細菌細胞中に導入することを意味する。
本発明の細菌はまた、(A)または(B)に定義されるタンパク質をコードするDNAでの同細菌の形質転換により、または同細菌の染色体上の上記DNAの発現制御配列の改変により、本発明のタンパク質の活性が向上しているものを含む。
本発明の細菌の改変に使用されるDNAは、トランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードしてもよい。より具体的には、DNAはtalB遺伝子であり得る。talB遺伝子は、例えば、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に基づくプライマーを使用するPCRにより取得され得る。
遺伝子発現を向上させる方法には、遺伝子コピー数の増加が含まれる。エシェリヒア属細菌中で機能し得るベクター中に遺伝子を導入すると、遺伝子のコピー数が増加する。好ましくはマルチコピーベクターが使用され、マルチコピーベクターには、pBR322、pUC19、pBluescriptKS、pACYC177、pACYC184、pAYC32、pMW119、pET22bなどが含まれる。また、遺伝子発現の向上は、例えば、相同組換えなどの方法により、遺伝子の複数コピーを細菌染色体中に導入することにより達成され得る。
あるいは、遺伝子発現の向上は、本来のプロモーターの代わりにより強力なプロモーターの制御下に本発明のDNAを配置することにより達成され得る。プロモーターの強さは、RNA合成開始の作用の頻度により定められる。プロモーターの強さの評価法および強力なプロモーターの例は、Deuschle,U.,Kammerer,W.,Gentz,R.,Bujard,H.により記載される(エシェリヒア・コリのプロモーター:in vivo強度の階層は交代構造を示す(Promoters in Escherichia coli:a hierarchy of in vivo strength indicates alternate structures)。EMBO J.1986,5,2987−2994)。例えば、Pプロモーターは強力な構成型プロモーターとして既知である。他の既知の強力なプロモーターは、λファージの、Pプロモーター、lacプロモーター、trpプロモーター、trcプロモーターなどである。
翻訳の向上は、本来のシャイン−ダルガーノ(Shine−Dalgarno)配列(SD配列)の代わりに、より効果的なSD配列を本発明のDNA中に導入することにより達成され得る。SD配列は、リボソームの16S RNAと相互作用するmRNAの開始コドンの上流領域である(Shine J.and Dalgarno L.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1974,71,4,1342−6)。
強力なプロモーターを使用することは、遺伝子コピーの増加と組合せてもよい。
染色体DNAの調製、ハイブリダイゼーション、PCR、プラスミドDNAの調製、DNAの消化およびライゲーション、形質転換、プライマーとしてのオリゴヌクレオチドの選択などの方法は、当業者に既知の通常の方法であってもよい。それらの方法は、Sambrook,J.,and Russell D.,「分子クローニングの実験室手引き、第三版(Molecular Cloning A Laboratory Manual,Third Edition)」,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)などに記載されている。
本発明の細菌は、上記のDNAを本来的にL−ヒスチジン生産能を有する細菌に導入することにより得られ得る。あるいは、本発明の細菌は、既にDNAを保持する細菌にL−ヒスチジン生産能を付与することにより得られ得る。
本発明のタンパク質の活性を向上させる親株には、L−ヒスチジン生産能を有するエシェリヒア属細菌、例えばエシェリヒア・コリ24株(VKPM B−5945、ロシア特許第2003677号)、エシェリヒア・コリ80株(VKPM、ロシア特許第2119536号)、エシェリヒア・コリNRRL B−12116〜B12121株(米国特許第4388405号)、エシェリヒア・コリH−9342株(FERM BP−6675)およびH−9343株(FERM BP−6676)(米国特許第6344347号)、エシェリヒア・コリH−9341株(FERM BP−6674)(欧州特許出願第1085087A2号)、エシェリヒア・コリAI80/pFM201株(米国特許第6258554号)などのエシェリヒア属に属するL−ヒスチジン生産株が含まれる。
L−ヒスチジン生産菌は、L−ヒスチジン生合成遺伝子の発現が増強するようにさらに改変されていることが望ましい。L−ヒスチジン生合成に有効な遺伝子には、hisG遺伝子およびhisBHAFIオペロンの遺伝子が挙げられる。L−ヒスチジンによるフィードバック阻害が解除されたATPホスホリボシルトランスフェラーゼをコードするhisG遺伝子が好ましい(ロシア特許第2003677号および第2119536号)。
本発明の方法は、本発明の細菌を培地に培養して培地中にL−ヒスチジンを産生させ、同培地からL−ヒスチジンを回収する工程を含む、L−ヒスチジンの製造法を含む。
本発明において、培養、培地からのL−ヒスチジンの回収および精製等は、従来の微生物を用いたアミノ酸の発酵生産法によって行ってもよい。
培養に使用される培地は、培地が、炭素源および窒素源およびミネラル類、及び必要に応じて微生物が生育に必要とする適当量の栄養を含む限り、合成培地であっても天然培地であってもよい。
炭素源には、グルコースおよびスクロースのような種々の炭水化物、および種々の有機酸が含まれる。使用する微生物の同化の様式によっては、エタノールおよびグリセロール等のアルコールを使用してもよい。
窒素源としては、アンモニアおよび硫酸アンモニウムのような種々のアンモニウム塩、アミンのような他の窒素化合物、ペプトン、大豆加水分解物、および発酵微生物の消化物のような天然の窒素源が使用される。
ミネラル類としては、リン酸2カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化カルシウムなどが使用される。必要に応じて、さらなる栄養が培地に添加され得る。例えば、微生物が生育にプロリンを必要とする場合(プロリン栄養要求性)、培養のため十分量のプロリンが培地に添加され得る。
培養は、好ましくは、振盪培養、通気を伴う撹拌培養のような好気的条件下、20℃〜42℃、好ましくは37℃〜40℃の温度で行われる。培養のpHは、通常5〜9の間であり、好ましくは6.5〜7.2の間である。培養のpHは、アンモニア、炭酸カルシウム、種々の酸、種々の塩基、および緩衝液で調節され得る。通常、1日〜5日間の培養で、培地に目的のL−アミノ酸が蓄積する。
培養後、細胞のような固体は、遠心分離または膜濾過により培養液から除去することができ、次いで目的のL−アミノ酸がイオン交換、濃縮、および結晶法により回収および精製され得る。
以下、本発明を、実施例を参照してより具体的に説明する。本実施例においては、特記しない限り、アミノ酸はL−体である。
〔実施例1〕エシェリヒア・コリからのtalB遺伝子のクローニング
エシェリヒア・コリK−12株の全ヌクレオチド配列は、既に決定されている(Science,277,1453−1474,1997)。報告されたヌクレオチド配列に基づいて、配列番号3(プライマー1)および配列番号4(プライマー2)に示すプライマーを合成した。プライマー1は、talB遺伝子の開始コドンの74〜54bp上流の配列であり、5’末端に導入された制限酵素BglII認識部位を持つ。プライマー2は、talB遺伝子の終止コドンの82〜104bp下流の配列と相補的な配列であり、5’末端に導入された制限酵素Xbal認識部位を持つ。
PCR用の鋳型として使用するエシェリヒア・コリK12の染色体DNAを、常法により調製した。PCRを、以下の条件下で、アプライドバイオシステムズGeneAmp PCRシステム2400を用いて行った。95℃で5分間の初期DNA変性、次いで95℃で30秒間の変性、56℃で60秒のアニーリング、および72℃で120秒の伸長を30サイクル、最後にTaqポリメラーゼ(Fermentas,Lithuania)を使用して72℃で7分間の重合化。得られた、プロモーターを持たないtalB遺伝子を含むPCRフラグメントを、BglIIおよびXbaIで処理し、予め同じ酵素で処理したベクターpMW119−P中のPプロモーター下に挿入した。ベクターpMW119−Pは、ファージλからのPプロモーターを市販のベクターpMW119に挿入することにより構築した。このようにして、プラスミドpMW−P−talBを得た。
〔実施例2〕ヒスチジン産生におけるtalB遺伝子の発現の向上の効果
ヒスチジン産生エシェリヒア・コリ80株を、プラスミドpMW−P−talBによる形質転換の親株として使用した。80株は、ロシア特許第2119536号に記載されており、1999年10月15日に、ルシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズム(Russia,117545,Moscow,1 Dorozhny proezd,1)に、VKPM B−7270の受託番号で寄託され、2004年7月12日にブダペスト条約に基づき国際寄託に移管されている。
80株および80/pMW−P−talB株の両方の株を、1g/Lのストレプトマイシンを含むL−ブロス中で、29℃で6時間培養した。次いで、得られた培養物0.1mlを、20×200mmの試験管中の発酵培地2mlに接種し、ロータリーシェーカーを用いて29℃で65時間培養した(350rpm)。培養後、培地に蓄積したヒスチジンの量を、ペーパークロマトグラフィーで決定した。ペーパーは、n−ブタノール:酢酸:水=4:1:1(v/v)の移動相で展開した。ニンヒドリン(0.5%)のアセトン溶液を可視化試薬として使用した。
〔発酵培地の成分(pH6.0)(g/L)〕
グルコース 100.0
豆濃 0.2(TNとして)
(大豆加水分解物)
L−プロリン 1.0
(NHSO 25.0
KHPO 2.0
MgSOx7HO 1.0
FeSOx7HO 0.01
MnSO 0.01
チアミン 0.001
ベタイン 2.0
CaCO 60.0
ストレプトマイシン 1.0
得られたデータを表1に示す。
Figure 0004821321
talB遺伝子の発現の向上によって、エシェリヒア・コリ80株のヒスチジン生産能が改善されたことが、表1からわかる
本発明により、発酵法によるL−ヒスチジンの生産性を向上させることができる。

Claims (10)

  1. トランスアルドラーゼ活性が増強するように改変された、腸内細菌科のL−ヒスチジン生産菌を培地に培養し、該培養液中に蓄積したL−ヒスチジンを回収する工程を含む、L−ヒスチジンを製造する方法。
  2. 前記L−ヒスチジン生産菌が、エシェリヒア属に属する細菌である、請求項1に記載の方法。
  3. トランスアルドラーゼ活性が、トランスアルドラーゼ遺伝子の発現量の増加により増強した請求項1に記載の方法。
  4. トランスアルドラーゼ活性が、トランスアルドラーゼ遺伝子のコピー数の増加により、または、該遺伝子の発現が増強するように該遺伝子の発現制御配列が改変されたことにより増加した、請求項3に記載の方法。
  5. 前記L−ヒスチジン生産菌が、トランスアルドラーゼ遺伝子を有するマルチコピーベクターで形質転換することにより前記コピー数が増加した細菌である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記トランスアルドラーゼ遺伝子が、エシェリヒア属細菌に由来するものである、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記トランスアルドラーゼ遺伝子が、
    (A)配列番号2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、及び
    (B)配列番号2に示すアミノ酸配列において1または複数のアミノ酸の欠失、置換、挿入、または付加を含むアミノ酸配列を含み、かつ、トランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質、からなる群から選ばれるタンパク質をコードする請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記トランスアルドラーゼ遺伝子が、
    (a)配列番号1のヌクレオチド1〜954のヌクレオチド配列を含むDNA、及び
    (b)配列番号1のヌクレオチド1〜954のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列と60℃、0.1×SSC、0.1%SDSの条件下でハイブリダイズすることができ、かつ、トランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA、からなる群から選ばれる、請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記トランスアルドラーゼ遺伝子が、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、及び、配列番号2のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有し、かつトランスアルドラーゼ活性を有するタンパク質からなる群から選ばれるタンパク質をコードする請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記L−ヒスチジン生産菌が、さらにヒスチジン生合成遺伝子の発現が増強された細菌である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法であって、該ヒスチジン生合成遺伝子がhisG遺伝子及びhisBHAFIオペロンの遺伝子からなる群から選ばれる1以上の遺伝子である、方法。
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