JP4207303B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、詳しくは0.25μm世代以降のデバイスプロセスに用いられる多層配線構造を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の微細化にともなって、配線の微細化、配線ピッチの縮小化が必要となっている。また、同時に、低消費電力化および高速化などの要求にともない、層間絶縁膜の低誘電率化および配線の低抵抗化が必要になってきた。特にロジック系のデバイスでは、微細配線による抵抗の上昇、配線容量の増加がデバイスの速度劣化につながるため、低誘電率膜を層間絶縁膜に用いた多層配線が必要となっている。
【0003】
配線幅の微細化、配線ピッチの縮小化は、配線自体の縦横比を大きくするだけでなく、配線間のスペース(空いている部分)のアスペクト比を大きくし、結果として、縦に細長い配線を形成する技術、微細な配線間を層間絶縁膜で埋め込む技術などに負担がかかり、プロセスを複雑にすると同時に、プロセス数の増大を招いている。
【0004】
またリフロースパッタリングによって、アルミニウム系金属または銅系金属で接続孔と配線溝とを同時に埋め込んだ後、化学的機械研磨(以下、CMPという、CMPはChemical Mechanical Polishing の略)法によって、接続孔および配線溝が形成されている層間絶縁膜上の余分な金属を除去するダマシンプロセスでは、高アスペクト比の金属配線をエッチングで形成することも、配線間の狭隙を層間絶縁膜で埋め込む必要もなく、大幅にプロセス数を減らすことが可能である。このプロセスは、配線アスペクト比が高くなるほど、また配線総数が増大するほど、総コストの削減に大きく寄与する。
【0005】
一方、層間絶縁膜の低誘電率化は、配線間の容量を低減するが、0.18μmルール以下のデバイスに適用される、比誘電率が2.5以下の膜は、従来のデバイスに用いられている、酸化シリコン膜と膜質が大きく異なり、それらの低誘電率膜に対応したプロセス技術が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
層間絶縁膜の材料として、比誘電率が2.0以下が期待できるキセロゲルを採用することが注目されている。このキセロゲルはシリカゲルという名称で乾燥剤に使われるなど、一般に広く知られた材料である。このキセロゲルを半導体装置へ応用するには、様々な信頼性に対する要求のため、現状では半導体装置に適用することは困難である。すなわち、キセロゲルはその体積の50%〜90%が気泡であり、比誘電率が2.5以上の有機ポリマーと比較して、機械的強度、耐湿性、密着性などに問題があり、配線構造の信頼性を確保することが困難であった。
【0007】
また、キセロゲルのような酸化シリコン系の材料で層間絶縁膜を形成し、その層間絶縁膜にデュアルダマシン構造を形成するには、層間絶縁膜の中間層として、従来は酸化シリコンに対してエッチングマスクとなる窒化シリコン膜を設けていた。ところが、窒化シリコン膜は比誘電率の高い材料であるため、層間絶縁膜の実効的な比誘電率を高めることになっていた。その結果、配線層間容量の増大を招いていた。
【0008】
また層間絶縁膜上に形成した有機膜上に、配線溝を形成するための配線溝パターンを形成したエッチングマスクを形成する場合、接続孔を形成するための接続孔パターンを形成したエッチングマスクとを形成する場合に、それぞれのエッチングマスクをレジストで形成すると、下地の有機膜を損傷することなくレジストの再生処理を行うことが困難となる。すなわち、有機膜とレジストのエッチング特性が類似しているために、レジスト膜を再生処理する際にレジスト膜を除去すると、同時に有機膜も除去されてしまう。そのため、パターニングに失敗したレジストマスクを除去して新たなるレジストマスクを形成しなおすというレジストの再生処理を行うことが困難であった。また、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜とで上記エッチングマスクを形成すると、キセロゲルからなる層間絶縁膜をエッチングする際に、エッチングマスクも同時にエッチングされてエッチングマスクとしての機能を果たさなくなる可能性があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされた半導体装置およびその製造方法である。
【0010】
半導体装置は、キセロゲル膜を含む層間絶縁膜を備えたもので、その層間絶縁膜は、キセロゲル膜からなる第1の絶縁膜と、この第1の絶縁膜上に形成した第1の有機絶縁膜と、この第1の有機絶縁膜上に形成したものでキセロゲルからなる第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜上に形成した第2の有機絶縁膜と、前記第2の有機絶縁膜上に形成した無機膜からなり、前記無機膜から第2の絶縁膜にわたって形成された配線溝と、この配線溝の底部に少なくとも接続するもので第1の有機絶縁膜から第1の絶縁膜にわたって形成された接続孔とを備えたものである。
【0011】
上記半導体装置では、層間絶縁膜がキセロゲルからなる第1の絶縁膜と第1の有機絶縁膜とキセロゲルからなる第2の絶縁膜とから形成されていることから、第1の有機絶縁膜、第2の有機絶縁膜によりキセロゲルからなる第1の絶縁膜、第2の絶縁膜の機械的強度を補強している。また第1の絶縁膜の上部より侵入しようとする水分を第1の有機絶縁膜に防ぎ、また第2の絶縁膜の上部および下部より侵入しようとする水分を第1の有機絶縁膜、第2の有機絶縁膜により防ぐことが可能になる。さらに第1の有機絶縁膜により、キセロゲルからなる第2の絶縁膜の下地に対する密着性が向上する。
【0012】
また、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との間に第1の有機絶縁膜を形成したことから、この第1の有機絶縁膜は第1の絶縁膜に接続孔を形成する際にエッチングマスクとして機能する。このようにエッチングマスクとして機能する膜を有機絶縁膜で形成しているので、従来の窒化シリコン膜よりなるエッチングマスクよりも比誘電率を低減することが可能となり、層間絶縁膜全体の実効的な比誘電率の上昇が小さくなる。したがって、層間絶縁膜にキセロゲルを用いて比誘電率を低減するようにした効果が十分に引き出される。
【0013】
半導体装置の製造方法は、基体上にキセロゲルからなる第1の絶縁膜を形成する工程と、第1の絶縁膜上に第1の有機絶縁膜を形成する工程と、第1の有機絶縁膜上にキセロゲルからなる第2の絶縁膜を形成する工程と、第2の絶縁膜上に第2の有機絶縁膜を形成する工程と、第2の有機絶縁膜上に、上層に配線溝パターンを形成するとともに下層に接続孔パターンを形成する無機膜を設ける工程と、無機膜をマスクにしたエッチングにより第2の有機絶縁膜と第2の絶縁膜とに接続孔パターンを転写して開口部を形成する工程と、無機膜をマスクにして第2の有機絶縁膜をエッチングし配線溝パターンを転写して配線溝の上部を形成するとともに、第2の絶縁膜をマスクにして第1の有機絶縁膜をエッチングし接続孔パターンを転写して接続孔の上部を形成する工程と、第2の有機絶縁膜をマスクにして第2の絶縁膜をエッチングし配線溝を形成するとともに、第1の有機絶縁膜をマスクにして第1の絶縁膜をエッチングし接続孔を形成する工程とを備えている。
【0014】
上記半導体装置の製造方法では、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜との間に第1の有機絶縁膜を形成して、第1の絶縁膜に接続孔を形成する際のエッチングマスクとしてその第1の有機絶縁膜を用いていることから、従来のような窒化シリコン膜からなるエッチングマスクよりも比誘電率を低くすることができる。したがって、従来の製造方法よりもエッチングマスクによる層間絶縁膜全体の実効的な比誘電率の上昇が抑制される。
【0015】
また第2の有機絶縁膜上に無機膜を形成する際に、無機膜に配線溝パターンを形成した後、接続孔パターンを形成することにより、配線溝パターン、接続孔パターンを形成する際に用いるレジストプロセスにおいて、レジストの再生処理を行うことが可能になる。すなわち、配線溝パターンを形成する際には、無機膜の下層が残っていて下地の第2の有機絶縁膜を覆っているために、また接続孔パターンを形成する際には、少なくとも下層の無機膜が残っているために、第2の有機絶縁膜を無機膜で覆った状態で、無機膜上に配線溝パターンおよび接続孔パターンを形成するためのマスクとなるレジスト膜を形成することが可能になる。そのため、たとえレジストパターニングを失敗しても、無機膜の下地である第2の有機絶縁膜を損傷することなく、パターニングに失敗したレジスト膜を除去して新たなレジスト膜を成膜し、そのレジスト膜をパターニングして再度レジストマスクを形成することが可能になる。
【0016】
さらに無機膜をマスクにして第2の有機絶縁膜と第2の絶縁膜とをエッチングして接続孔パターンを転写する工程を備えていることから、第1の有機絶縁膜上まで接続孔パターンが転写されて開口されている。そのため、無機膜に形成されている配線溝パターンを第2の有機絶縁膜に転写するエッチングの際に、同時に第2の絶縁膜をマスクにして第1の有機絶縁膜に接続孔パターンを転写することが可能になる。
【0017】
無機膜をマスクにして第2の有機絶縁膜をエッチングし配線溝パターンを転写して配線溝の上部を形成するとともに、第2の絶縁膜をマスクにして第1の有機絶縁膜をエッチングし接続孔パターンを転写して接続孔の上部を形成する工程とを備えていることから、第2の絶縁膜に配線溝を形成する際のエッチングマスクとして第2の有機絶縁膜を用いることが可能になり、また第1の有機絶縁膜を第1の絶縁膜に接続孔を形成する際のエッチングマスクに用いることが可能となる。それによって、第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とを第1の有機絶縁膜と第2の有機絶縁膜とをエッチングマスクに用いて同時にエッチングすることが可能となる。また、第2の有機絶縁膜の下地はキセロゲルの第2の絶縁膜であり、第1の有機絶縁膜の下地はキセロゲルの第1の絶縁膜となっていることから、第2,第1有機絶縁膜のエッチングでは、第2,第1の絶縁膜がエッチングストッパとなって、そのエッチングを停止させている。
【0018】
また第2の有機絶縁膜をマスクに用いて第2の絶縁膜をエッチングし、配線溝を形成するとともに、第1の有機絶縁膜をマスクにして第1の絶縁膜をエッチングし、接続孔を形成する工程とを備えていることから、このエッチングでは、配線溝と接続孔とが同時に形成される。また第2の絶縁膜の下地が第1の有機絶縁膜となっているため、第1の有機絶縁膜がエッチングストッパとなって、配線溝を形成するためのエッチングは第1の有機絶縁膜上で停止される。
【0019】
キセロゲルからなる第1の絶縁膜とキセロゲルからなる第2の絶縁膜との間に第1の有機絶縁膜を形成し、第2の絶縁膜上に第2の有機絶縁膜を形成することから、第1の絶縁膜および第2の絶縁膜の機械的強度が第1の有機絶縁膜および第2の有機絶縁膜によって補強される。また第1の絶縁膜上に第1の有機絶縁膜を形成することから、第1の絶縁膜の上部より侵入しようとする水分が阻止され、第1の有機絶縁膜上に第2の絶縁膜を形成し、その上に第2の有機絶縁膜を形成することから、第1の有機絶縁膜、第2の有機絶縁膜により第2の絶縁膜の上下より侵入しようとする水分が阻止される。さらに第1の有機絶縁膜上にキセロゲルからなる第2の絶縁膜を形成することから、第2の絶縁膜の下地に対する密着性が高められる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置に係わる実施の形態の一例を、図1の概略構成図によって説明する。
【0021】
図1に示すように、一例として、基板51上に半導体素子(図示省略)が形成され、それを覆う層間絶縁膜52中に配線53、プラグ(図示省略)等が形成された基体11を用いる。なお、基体11は上記構成に限定されることはなく他の構成であってもよい。
【0022】
上記基体11上には、層間絶縁膜12の下層部分となる第1の絶縁膜13が形成されている。この第1の絶縁膜13は、例えば300nm〜800nmの厚さのキセロゲルからなる。上記キセロゲルは、一例として、ナノグラス社が開発したNanoporous Silica を用いている。このNanoporous Silica は、ポーラスシリカの1種であり、上記Nanoporous Silica に使用は限定されない。すなわち、芳香族などの比較的高分子のアルキル基を有するシラノール樹脂をウエハ上に塗布し、それをゲル化させ、シランカップリング剤もしくは水素化処理により疎水化処理を行って形成したものであれば、どのようなキセロゲルであってもよい。
【0023】
なお、必要に応じて、配線53と第1の絶縁膜13との間には、拡散防止層(図示省略)が形成されている。この拡散防止層は、例えば20nm〜100nm程度の厚さの窒化シリコン膜もしくは炭化シリコン膜で形成されていて、特に、配線53が銅もしくは銅合金で形成されている場合に必要となる。
【0024】
上記第1の絶縁膜13上には第1の有機絶縁膜14が形成されている。この第1の有機絶縁膜14は、一例として、ポリアリールエーテルと総称される有機ポリマーで形成されている。このポリアリールエーテルには、例えばアライドシグナル社製のFLARE、ダウケミカル社製のSiLK、シューマッカー社製のVELOX等がある。
【0025】
上記第1の有機絶縁膜14上には層間絶縁膜12の上層部分となる第2の絶縁膜15が形成されている。この第2の絶縁膜15は、例えば300nm〜800nmの厚さのキセロゲルで形成されている。
【0026】
上記第2の絶縁膜15上には、第2の有機絶縁膜16が形成されている。この第2の有機絶縁膜16は、例えば上記第1の有機絶縁膜と同様なる材料で形成されている。
【0027】
なお、上記第1、第2の有機絶縁膜14、16は、フッ素樹脂、BCB膜、ポリイミド膜、アモルファスカーボン膜などで形成されていてもよい。フッ素樹脂の一例としては、フルオロカーボン膜(環状フッ素樹脂、テフロン(PTFE)、アモルファステフロン〔例えば、デュポン社製:テフロンAF(商品名)〕、フッ化アリールエーテルもしくはフッ化ポリイミドを用いることができる。なお、上記アモルファステフロンはテフロンAFに限定されることはなく、下記の化学式(1)に示す構造を有するものであれば何でもよい。
【0028】
【化1】
Figure 0004207303
【0029】
またシクロポリマライズドフロリネーテッドポリマー系樹脂〔例えばサイトップ(商品名)〕を用いることも可能である。シクロポリマライズドフロリネーテッドポリマー系樹脂は上記サイトップに限定されることはなく、下記の化学式(2)に示す構造を有するものであれば何でもよい。
【0030】
【化2】
Figure 0004207303
【0031】
また上記フッ化ポリアリルエーテル系樹脂は上記FLAREに限定されることはなく、下記の化学式(3)に示す構造を有するものであれば何でもよい。
【0032】
【化3】
Figure 0004207303
【0033】
そして上記第2の有機絶縁膜16から第2の絶縁膜15にかけて配線溝31が形成され、第1の有機絶縁膜14から第1の絶縁膜13にかけて接続孔32が形成されている。
【0034】
上記配線溝31および上記接続孔32の各内壁には、窒化タンタル等のバリアメタル層33が形成されている。さらに配線溝31内にバリアメタル層33を介して金属からなる配線34が形成され、接続孔32内にバリアメタル層33を介して金属からなるプラグ35が形成されている。当然のことながら、上記配線34とプラグ35とは例えば銅からなり一体に形成されている。
【0035】
上記説明では、第2の有機絶縁膜16を設けた構成としたが、この第2の有機絶縁膜16を除去した構成としてもよく、また第2の有機絶縁膜16上にエッチングマスクおよび研磨ストッパとして用いた無機膜(図示省略)を残した構成としてもよい。その構成では、配線溝31は無機膜から第2の絶縁膜15にかけて形成され、その配線溝31に配線34が形成される構成となる。
【0036】
なお、図示はしないが、上記構成の配線構造を多層に形成して多層配線を構成することも可能である。
【0037】
上記半導体装置では、第1の絶縁膜13および第2の絶縁膜15がキセロゲルからなり、第1の絶縁膜13と第2の絶縁膜15との間に第1の有機絶縁膜14が形成され、第2の絶縁膜15上に第2の有機絶縁膜16が形成されていることから、第1の有機絶縁膜14、第2の有機絶縁膜16によりキセロゲルからなる第1の絶縁膜13、第2の絶縁膜15の機械的強度を補強している。また第1の絶縁膜13の上部より侵入しようとする水分を第1の有機絶縁膜14に防ぎ、また第2の絶縁膜15の上部および下部より侵入しようとする水分を第1の有機絶縁膜14、第2の有機絶縁膜16により防ぐことが可能になる。さらに第1の有機絶縁膜14により、キセロゲルからなる第2の絶縁膜15の下地に対する密着性が向上する。
【0038】
また、第1の絶縁膜13と第2の絶縁膜15との間に第1の有機絶縁膜14を形成したことから、この第1の有機絶縁膜14は第1の絶縁膜13に接続孔32を形成する際にエッチングマスクとして機能する。このようにエッチングマスクとして機能する膜を有機絶縁膜で形成しているので、従来の窒化シリコン膜からなるエッチングマスクよりも比誘電率を低減することが可能となり、層間絶縁膜12の全体の実効的な比誘電率の上昇が小さくなる。したがって、低誘電率(比誘電率≒2.0)を有するキセロゲルを層間絶縁膜12に用いる効果を十分に引き出すことが可能になる。
【0039】
次に、本発明の半導体装置の製造方法に係わる実施の形態を、図2の製造工程図によって説明する。
【0040】
図2の(1)に示すように、基体11は、一例として、基板51上に半導体素子(図示省略)が形成され、それを覆う層間絶縁膜52中に配線53、プラグ(図示省略)等が形成されたものである。このような基体11上に層間絶縁膜12の下層部分となる第1の絶縁膜13を、例えばキセロゲルを300nm〜800nmの厚さに成膜して形成する。上記キセロゲルは、一例として、ナノグラス社が開発したNanoporous Silica を用い、同社が開発したスピンコーターで成膜を行った。Nanoporous Silica は、ポーラスシリカの1種であり、上記ポーラスシリカに使用は限定されない。すなわち、芳香族などの比較的高分子のアルキル基を有するシラノール樹脂をウエハ上に塗布し、それをゲル化させ、シランカップリング剤もしくは水素化処理により疎水化処理を行って形成したものであれば、どのようなキセロゲルであってもよい。
【0041】
なお、必要に応じて、配線53と第1の絶縁膜13との間に拡散防止層(図示省略)を、例えば窒化シリコン膜もしくは炭化シリコン膜を例えば20nm〜100nm程度の厚さに形成する。特に、配線53が銅もしくは銅合金で形成されている場合には、銅の拡散を防止するために、上記拡散防止層は必要となる。
【0042】
次いで上記第1の絶縁膜13上に第1の有機絶縁膜14を形成する。この第1の有機絶縁膜14には、一例として、ポリアリールエーテルと総称される有機ポリマーを用いた。このポリアリールエーテルには、例えばアライドシグナル社製のFLARE、ダウケミカル社製のSiLK、シューマッカー社製のVELOX等がある。
【0043】
上記有機ポリマーを形成するには、例えば、前駆体を回転塗布により第1の絶縁膜13上に成膜し、その後300℃〜450℃でキュア(焼成)を行えばよい。
【0044】
次いで上記第1の有機絶縁膜14上に層間絶縁膜12の上層部分となる第2の絶縁膜15を、上記第1の絶縁膜13と同様にキセロゲルを300nm〜800nmの厚さに成膜して形成する。ここで用いたキセロゲルは、上記説明したものと同様のものであり、その成膜方法も上記説明した成膜方法と同等である。
【0045】
次いで上記第2の絶縁膜15上に第2の有機絶縁膜16を、上記説明した第1の有機絶縁膜と同様に、一例として、ポリアリールエーテルと総称される有機ポリマーで形成する。このポリアリールエーテルには、上記説明したのと同様に、例えばアライドシグナル社製のフッ化ポリアリルエーテル系樹脂〔例えばFLARE(商品名)〕、ダウケミカル社製のSiLK、シューマッカー社製のVELOX等がある。
【0046】
上記第1、第2の有機絶縁膜14、16は、フッ素樹脂、BCB膜、ポリイミド膜、アモルファスカーボン膜などで形成することも可能である。フッ素樹脂の一例としては、フルオロカーボン膜(環状フッ素樹脂、テフロン(PTFE)、アモルファステフロン〔例えば、デュポン社製:テフロンAF(商品名)〕、フッ化アリールエーテルもしくはフッ化ポリイミドを用いることができる。上記フッ素樹脂を成膜するには、回転塗布装置によりフッ素樹脂の前駆体を塗布し、その後、300℃〜450℃でキュアする。なお、フッ素化アモルファスカーボン等の材料はアセチレン(C2 2 )、フルオロカーボンガス〔例えばオクタフルオロブテン(C4 8 )〕をプロセスガスに用いたプラズマCVD法により成膜することが可能である。この場合も成膜後に300℃〜450℃でキュアする。なお、上記アモルファステフロンはテフロンAFに限定されることはなく、前記示した化学式(1)に示す構造を有するものであれば何でもよい。
【0047】
またシクロポリマライズドフロリネーテッドポリマー系樹脂〔例えばサイトップ(商品名)〕を用いることも可能である。シクロポリマライズドフロリネーテッドポリマー系樹脂は上記サイトップに限定されることはなく、前記示した化学式(2)に示す構造を有するものであれば何でもよい。
【0048】
また上記フッ化ポリアリルエーテル系樹脂は上記FLAREに限定されることはなく、前記示した化学式(3)に示す構造を有するものであれば何でもよい。
【0049】
続いて、第2の有機絶縁膜16上に無機膜17を異なる材料で2層に形成する。例えば第1の無機膜18を、例えば酸化シリコン膜を50nm〜300nmの厚さに成膜して形成し、さらにその上に第2の無機膜19を、例えば窒化シリコン膜を50nm〜150nmの厚さに成膜して形成する。もしくは、酸化シリコン膜のみを80nm〜500nmの厚さに成膜して上記無機膜17を1層の膜で形成してもよい。
【0050】
上記酸化シリコン膜は、例えば、回転塗布法を用い、市販の無機SOG(シラノールを主成分とするSOGもしくはシラノールを含むポリマーを主成分とするSOG)を、例えば30nm〜100nmの厚さに形成する。この際、回転塗布後は、150℃〜200℃で1分間程度のベーキングを行い、さらに350℃〜450℃で30分〜1時間程度のキュアを行う。
【0051】
なお、上記酸化シリコン膜は、市販のプラズマCVD装置を用いて、プラズマCVD法によって形成してもよい。一例として、酸化剤として一酸化二窒素(N2 O)ガスを用い、シリコン源としてシラン系ガス〔モノシラン(SiH4 )、ジシラン(Si2 6 )もしくはトリシラン(Si3 8 )〕を用い、基板温度を300℃〜400℃に設定し、プラズマパワーを350W、成膜雰囲気の圧力を1kPa程度に設定して成膜する。
【0052】
上記窒化シリコン膜は、プラズマCVD法を用いて成膜を行う。その際に使用するガスとしては、一例として、シリコン源には、シラン系ガス〔モノシラン(SiH4 )、ジシラン(Si2 6 )、トリシラン(Si3 8 )等〕を用い、窒化剤にはアンモニア、ヒドラジン等を用い、酸化剤としては、一酸化二窒素(N2 O)を用い、キャリアガスには、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性なガスを用いる。また、成膜条件は、一例として、基板温度を300℃〜400℃に設定し、プラズマパワーを350W、成膜雰囲気の圧力を1kPa程度に設定する。
【0053】
また第1の無機膜18を形成する前には、必要に応じて、特に第2の有機絶縁膜16の酸化が問題となる場合には、窒化シリコン膜、アモルファスシリコン膜、窒化酸化シリコン膜もしくは化学量論よりシリコンが多い酸化シリコン膜を形成することが好ましい。その際、還元性雰囲気のCVD法により成膜を行うことが望ましい。そしてその膜厚はできるだけ薄いほうが好ましく、例えば10nm程度の厚さとする。
【0054】
なお、上記無機膜17としては、上記記載した膜の他に、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタルなどの金属膜もしくは金属化合物膜を用いることができる。その膜厚は、例えば50nm〜150nmが好ましい。また、成膜方法は、一例として、金属膜や金属化合物膜の成膜で一般的なスパッタリングを用いることが可能である。
【0055】
次に、図2の(2)に示すように、上記第2の無機膜19上に通常のレジスト塗布技術(例えば回転塗布法)を用いてレジスト膜21を成膜する。その後、リソグラフィー技術により、レジスト膜21をパターニングして、配線溝を形成するための開口部22を形成する。
【0056】
続いて、上記レジスト膜21をエッチングマスクに用いて、上記第2の無機膜19のみをエッチングし、配線溝を形成するための配線溝パターン23を形成する。このエッチングは、例えば一般的なマグネトロン方式のエッチング装置を用いて、第2の無機膜19のみを選択的にエッチングする。第2の無機膜19が窒化シリコン膜で形成されている場合のエッチング条件としては、一例として、エッチングガスに、トリフルオロメタン(CHF3 )(5sccm)と酸素(O2 )(5sccm)とアルゴン(Ar)(20sccm)とを用い、RFプラズマを600Wに設定する。第2の無機膜19が金属化合物膜で形成されている場合には、エッチングガスに、一例として、塩化ホウ素(BCl)、塩素(Cl2 )等の塩素系のエッチングガスを用いる。その後、レジスト膜21をアッシングにより除去する。なお、図2の(2)では、レジスト膜21を除去する前の状態を示した。
【0057】
図示はしないが、上記無機膜17〔前記図2の(1)参照〕を酸化シリコン膜の1層で形成した場合には、エッチングを途中で停止して、酸化シリコン膜を50nm〜300nmの厚さだけ残し、無機膜17の上層に配線溝を形成するための配線溝パターン23を形成する。この場合も、配線溝パターン23を形成した後、レジスト膜21をアッシングにより除去する。
【0058】
次に図2の(3)に示すように、上記第2の無機膜19および第1の無機膜18上に通常のレジスト塗布技術(例えば回転塗布法)を用いてレジスト膜24を成膜する。その後、リソグラフィー技術により、レジスト膜24をパターニングして、接続孔を形成するための開口部25を、レイアウト上、上記配線溝パターン23に接続するように形成する。
【0059】
続いて、上記レジスト膜24をエッチングマスクに用いて、上記第1の無機膜18のみをエッチングし、接続孔パターン26を形成する。このエッチングは、例えば一般的なエッチング装置を用いて第1の無機膜18のみを選択的にエッチングする。第1の無機膜18が酸化シリコン膜で形成されている場合のエッチング条件としては、一例として、エッチングガスに、ヘキサフルオロエタン(C2 6 )(14sccm)と一酸化炭素(CO)(180sccm)とアルゴン(Ar)(240sccm)とを用い、RFプラズマを1.5kWに設定する。
【0060】
また、上記第1の無機膜18が金属化合物膜で形成されている場合には、第2の無機膜19が金属化合物膜で形成されている場合と同様に、一例として、塩化ホウ素(BCl)、塩素(Cl2 )等の塩素系のエッチングガスを用いてエッチングを行えばよい。
【0061】
続いて、一般的なエッチング装置を用いて、第1の無機膜18をエッチングマスクに用いて第2の有機絶縁膜16を、エッチングする。このエッチング条件の一例としては、エッチングガスに、窒素(N2 )(50sccm)とアルゴン(250sccm)とを用い、もしくはそれらのエッチングガスに水素(H2 )(〜100sccm)を加えて用いる。したがって、このエッチングは第2の絶縁膜15上で停止される。このとき、レジスト膜24もエッチングされて膜厚が減少する。
【0062】
続いて第1の無機膜18および第2の有機絶縁膜16をエッチングマスクに用い、一般的なエッチング装置を用いて、第2の絶縁膜15をエッチングし、接続孔パターン26を転写した開口部28を形成する。このエッチングでは、上記酸化シリコン膜のエッチング条件と同様なる条件を用いる。そのため、第2の絶縁膜15をエッチングしている間に第1の無機膜18の露出している部分もエッチングされるが、その場合には第2の有機絶縁膜16がエッチングマスクとなるため、開口部28は接続孔パターン26を転写した断面形状となる。またこのエッチングは、第1の有機絶縁膜14がエッチングストッパとして機能して、第1の有機絶縁膜14上で停止される。
【0063】
その後、第2の無機膜19をマスクにして第1の無機膜18をエッチングし、第1の無機膜18に配線溝パターン23を転写する。さらに図2の(4)に示すように、第2の有機絶縁膜16をエッチングし、配線溝パターン23を転写して配線溝31の上部を形成するとともに、第2の絶縁膜15をマスクにして第1の有機絶縁膜14をエッチングし開口部28〔前記図2の(3)参照〕を転写して接続孔32の上部を形成する。このエッチングは、一例として、一般的なエッチング装置を用い、エッチングガスに窒素を用いる、もしくは窒素に酸素、アンモニアおよび水素のうちの少なくとも1種を添加したガスを用いて行う。なお、上記エッチングによって、レジスト膜24〔前記図2の(3)参照〕は完全に除去される。このため、レジストアッシングを行う必要はない。
【0064】
さらに、配線溝31の上部を形成した第2の有機絶縁膜16をマスクにして第2の絶縁膜15をエッチングし配線溝31を完成させるとともに、接続孔32の上部を形成した第1の有機絶縁膜14をマスクにして第1の絶縁膜13をエッチングし接続孔32を完成させる。このエッチングにおけるエッチングガスには、上記酸化シリコン膜のエッチング条件と同様なる条件を用いた。なお、このエッチングでは、第2の無機膜19がエッチングされて除去されても差し支えはない。なお、図2の(4)の図面では、第2の無機膜19が除去された状態を示した。
【0065】
次に、ダマシン法で配線およびプラグを形成する。まず図3の(1)に示すように、スパッタリングもしくはCVD法によって、配線溝31および接続孔32の各内壁に窒化タンタル等のバリアメタル層33を形成する。その際、バリアメタル層33は、第1の無機膜18上にも成膜される。次いで、スパッタリングもしくはCVD法もしくは電解メッキ法によって、配線材料(金属)36、例えば銅を堆積する。なお、電解メッキ法で金属を堆積する場合には、予め、堆積する金属と同種の金属でシード層(図示省略)を形成しておく。
【0066】
その後、例えばCMPによって、第1の無機膜18上の余分な金属およびバリアメタル層33を研磨して除去し、図3の(2)に示すように、配線溝31内にバリアメタル層33を介して配線材料36からなる配線34を形成し、接続孔32内にバリアメタル層33を介して配線材料36からなるプラグ35を形成する。その際に、第1の無機膜18が研磨ストッパとなるが、第1の無機膜18の厚さによっては、第1の無機膜18は完全に除去されることがある。このCMPでは、一例として、スラリーにアルミナスラリーを用いた。
【0067】
図示はしないが、さらに上記層間絶縁膜12の形成工程から配線34およびプラグ35の形成工程までを繰り返し行うことによって、多層配線を形成することが可能になる。また、上記配線53間の層間絶縁膜52の部分も、上記同様のプロセスによって、キセロゲル膜で形成することが可能である。
【0068】
上記説明では、基体11に半導体素子を設けたものを用いたが、その他の構成を有する基体を用いて、上記説明したような製造方法によりデュアルダマシン構造を形成することは可能である。
【0069】
上記半導体装置の製造方法では、第1の絶縁膜13と第2の絶縁膜15との間に第1の有機絶縁膜14を形成して、第1の絶縁膜13に接続孔32を形成する際のエッチングマスクとしてその第1の有機絶縁膜14を用いていることから、従来のような窒化シリコン膜からなるエッチングマスクよりも比誘電率を低くすることができる。したがって、従来の製造方法よりもエッチングマスクによる層間絶縁膜12全体の実効的な比誘電率の上昇が抑制される。したがって、低誘電率(比誘電率≒2.0)を有するキセロゲルを層間絶縁膜12に用いる効果を十分に引き出すことが可能になる。
【0070】
また第2の有機絶縁膜16上に無機膜17を形成する際に、無機膜17に配線溝パターン23を形成した後、接続孔パターン26を形成することにより、配線溝パターン23、接続孔パターン26を形成する際に用いるレジストプロセスにおいて、レジストの再生処理を行うことが可能になる。すなわち、配線溝パターン23を形成する際には、無機膜17の下層(第1の無機膜18)が残っていて下地の第2の有機絶縁膜16を覆っているために、また接続孔パターン26を形成する際には、少なくとも無機膜17の下層(第1の無機膜18)が残っているために、第2の有機絶縁膜16を無機膜17で覆った状態で、無機膜17上に配線溝パターン23を形成するためのマスクとなるレジスト膜21および接続孔パターン26を形成するためのマスクとなるレジスト膜24を形成することが可能になる。そのため、たとえレジストパターニングを失敗しても、無機膜17の下地である第2の有機絶縁膜16を損傷することなく、パターニングに失敗したレジスト膜を除去して新たなレジスト膜を成膜し、そのレジスト膜をパターニングして再度レジストマスクを形成することが可能になる。
【0071】
さらに無機膜17をマスクにして第2の有機絶縁膜16と第2の絶縁膜15とをエッチングして接続孔パターン26を転写する工程を備えていることから、第1の有機絶縁膜14上まで接続孔パターン26が転写されて開口される。そのため、無機膜17に形成されている配線溝パターン23を第2の有機絶縁膜16に転写するエッチングの際に、同時に第2の絶縁膜15をマスクにして第1の有機絶縁膜14に接続孔パターン26を転写することが可能になる。
【0072】
無機膜17(第1の無機膜18)をマスクにして第2の有機絶縁膜16をエッチングし第1の無機膜18に転写された配線溝パターン23をさらに転写して配線溝31の上部を形成するとともに、第2の絶縁膜15をマスクにして第1の有機絶縁膜14をエッチングし第2の絶縁膜15に転写された接続孔パターン26をさらに転写して接続孔32の上部を形成する工程とを備えていることから、第2の絶縁膜15に配線溝31を形成する際のエッチングマスクとして第2の有機絶縁膜16を用いることが可能になり、また第1の有機絶縁膜14を第1の絶縁膜13に接続孔32を形成する際のエッチングマスクに用いることが可能となる。それによって、第1の絶縁膜13と第2の絶縁膜15とを第1の有機絶縁膜14と第2の有機絶縁膜16とをエッチングマスクに用いて同時にエッチングすることが可能となる。すなわち、配線溝と接続孔とを同時のエッチングで形成することが可能になる。
【0073】
また第2の有機絶縁膜16の下地はキセロゲルの第2の絶縁膜15であり、第1の有機絶縁膜14の下地はキセロゲルの第1の絶縁膜13となっていることから、第2,第1の有機絶縁膜16、14のエッチングでは、第2,第1の絶縁膜15、13がエッチングストッパとなって、エッチングが停止される。
【0074】
また第2の絶縁膜の下地が第1の有機絶縁膜となっているため、第1の有機絶縁膜がエッチングストッパとなって、配線溝を形成するためのエッチングは第1の有機絶縁膜上で停止される。
【0075】
またキセロゲルからなる第1の絶縁膜13とキセロゲルからなる第2の絶縁膜15との間に第1の有機絶縁膜14を形成し、第2の絶縁膜15上に第2の有機絶縁膜16を形成することから、第1の絶縁膜13および第2の絶縁膜15の機械的強度が第1の有機絶縁膜14および第2の有機絶縁膜16によって補強することが可能になる。また第1の絶縁膜13上に第1の有機絶縁膜14を形成することから、第1の有機絶縁膜14が第1の絶縁膜13の上部より侵入しようとする水分が阻止され、第1の有機絶縁膜14上に第2の絶縁膜15を形成し、その上に第2の有機絶縁膜16を形成することから、第1の有機絶縁膜14、第2の有機絶縁膜16により第2の絶縁膜15の上下より侵入しようとする水分が阻止される。さらに第1の有機絶縁膜14上にキセロゲルからなる第2の絶縁膜15を形成することから、第2の絶縁膜15の下地に対する密着性が高められる。
【0076】
上記製造方法では、無機膜17を第1の無機膜18と第2の無機膜19との2層にして形成したが、1層の無機膜を形成するだけでもよい。その場合には、無機膜17を例えば酸化シリコン膜で形成し、その無機膜17の上層に配線溝を形成するための配線溝パターン23を形成し、その無機膜17の下層に接続孔を形成するための接続孔パターン26を形成する。
【0077】
そして、上記説明したのと同様にして無機膜17をマスクに用いてエッチングを行う。その際、第2の絶縁膜16に説明孔パターンを形成すると同時に無機膜も異方性エッチングされて、無機膜17の上層に形成した配線溝パターン23をこの無機膜17の下層に転写して、無機膜17に配線溝パターン23のみを形成するようにする。このエッチングでは、無機膜17の上層部分はエッチングされて除去される。
【0078】
次いで、配線溝パターン23を形成した無機膜17をマスクにして第2の有機絶縁膜16に配線溝31の上部を形成するとともに。第2の絶縁膜15をマスクにして第1の有機絶縁膜14に接続孔32の上部を形成する。その後、上記説明したのと同様にして、配線溝31および接続孔32を形成する。
【0079】
上記製造方法では、無機膜の成膜工程を1回にすることが可能になり、成膜工程が削減される。よって、製造コストの低減、スループットの向上が図れる。
【0080】
なお、上記実施の形態中で説明した各種エッチング条件は、上記した条件に限定されることはなく、エッチング対象物が選択的にエッチングされるようなエッチング条件であれば、どのような条件であってもよい。
【0081】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の半導体装置によれば、キセロゲルからなる第1の絶縁膜、第1の有機絶縁膜、キセロゲルからなる第2の絶縁膜、第2の有機絶縁膜が順に積層されているので、第1、第2の有機絶縁膜によりキセロゲルからなる第1、第2の絶縁膜の機械的強度を補強することができる。また第1の絶縁膜の上部より侵入しようとする水分を第1の有機絶縁膜が防ぎ、また第2の絶縁膜の上部および下部より侵入しようとする水分を第1、第2の有機絶縁膜が防ぐので耐湿性を高めることができる。さらに第1の有機絶縁膜上にキセロゲルからなる第2の絶縁膜が形成されているので、第2の絶縁膜の下地に対する密着性は高いものとなる。よって、キセロゲルを用いた層間絶縁膜の信頼性の向上が図れる。
【0082】
また、第1、第2の絶縁膜間にエッチングマスクとして機能する膜を第1の有機絶縁膜で形成したので、従来の窒化シリコン膜よりなるエッチングマスクよりも比誘電率を低減することが可能となり、層間絶縁膜全体の実効的な比誘電率の上昇が小さくすることができる。したがって、層間絶縁膜にキセロゲルを用いて比誘電率を低減するようにした効果を損なうことがない。
【0083】
よって、比誘電率が2.0程度のキセロゲルで層間絶縁膜を形成することができるので、配線層間容量、配線間容量を低減し、動作速度の向上、微細化の向上が図れ、半導体装置の性能を向上させることができる。
【0084】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、第1の絶縁膜に接続孔を形成する際のエッチングマスクに第1の有機絶縁膜を用いているので、従来のような窒化シリコン膜からなるエッチングマスクよりも比誘電率を低くすることができる。したがって、従来の製造方法よりもエッチングマスクによる層間絶縁膜全体の実効的な比誘電率の上昇が抑制できる。
【0085】
また第2の有機絶縁膜上に無機膜を形成する際に、無機膜に配線溝パターンを形成した後、接続孔パターンを形成するので、配線溝パターン、接続孔パターンを形成する際に用いるレジストプロセスでは、下地の第2の有機絶縁膜が露出することはなく、そのため、レジストの再生処理を行うことができる。よって、製造歩留りの向上が図れる。
【0086】
また第2の有機絶縁膜のエッチングと第1の有機絶縁膜のエッチングとを同時に行うことができ、その際に有機絶縁膜とエッチング特性が類似しているレジスト膜もエッチング除去できるので、接続孔パターンを形成する際に用いたレジスト膜の除去工程を省略することができる。また第2の絶縁膜に配線溝を形成するエッチングと第1の絶縁膜に接続孔を形成するエッチングとを同時に行うことができる。よって、工程を簡素化できる。
【0087】
本発明の製造方法では、キセロゲルからなる第1の絶縁膜、第1の有機絶縁膜、キセロゲルからなる第2の絶縁膜、第2の有機絶縁膜を順に積層しているので、第1、第2の有機絶縁膜によって第1、第2の絶縁膜の機械的強度を補強することができる。また第1、第2の絶縁膜に侵入しようとする水分を第1、第2の有機絶膜で阻止することができる。さらに第1の有機絶縁膜上にキセロゲルからなる第2の絶縁膜を形成するので、第2の絶縁膜の下地に対する密着性を高めることができる。
【0088】
よって、層間絶縁膜をキセロゲルで形成しても、信頼性の高い層間絶縁膜構造を備えた半導体装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置に係わる実施の形態を示す概略構成断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法に係わる実施の形態を示す製造工程図である。
【図3】本発明の半導体装置の製造方法に係わる実施の形態を示す製造工程図である。
【符号の説明】
12…層間絶縁膜、13…第1の絶縁膜、14…第1の有機絶縁膜、15…第2の絶縁膜、31…配線溝、32…接続孔

Claims (5)

  1. キセロゲル膜からなる第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜上に形成した第1の有機絶縁膜と、
    前記第1の有機絶縁膜上に形成したものでキセロゲルからなる第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜上に形成した第2の有機絶縁膜と、
    前記第2の有機絶縁膜上に形成した無機膜を備え、
    前記無機膜から第2の絶縁膜にわたって配線溝が形成され
    前記配線溝の底部に少なくとも接続するもので前記第1の有機絶縁膜から前記第1の絶縁膜にわたって形成された接続孔を備え
    半導体装置。
  2. 前記接続孔を埋め込む状態に形成された導電性を有するプラグと、
    前記配線溝を埋め込むとともに前記プラグに接続する状態に形成された溝配線と
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 基体上にキセロゲルからなる第1の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜上に第1の有機絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の有機絶縁膜上にキセロゲルからなる第2の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2の絶縁膜上に第2の有機絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2の有機絶縁膜上に、上層に配線溝パターンを形成するとともに下層に接続孔パターンを形成する無機膜を設ける工程と、
    前記無機膜をマスクにしたエッチングにより前記第2の有機絶縁膜と前記第2の絶縁膜とに前記接続孔パターンを転写して開口部を形成する工程と、
    前記無機膜をマスクにして前記第2の有機絶縁膜をエッチングし前記配線溝パターンを転写して配線溝の上部を形成するとともに、前記第2の絶縁膜をマスクにして前記第1の有機絶縁膜をエッチングし前記接続孔パターンを転写して接続孔の上部を形成する工程と、
    前記第2の有機絶縁膜をマスクにして前記第2の絶縁膜をエッチングし配線溝を形成するとともに、前記第1の有機絶縁膜をマスクにして前記第1の絶縁膜をエッチングし接続孔を形成する工程と
    を備えた半導体装置の製造方法。
  4. 前記無機膜を設ける工程では、
    前記配線溝パターンを前記無機膜の上層に形成した後、前記接続孔パターンを前記無機膜の下層に形成する
    ことを特徴とする請求項記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記接続孔を埋め込む状態に導電性を有するプラグを形成するとともに、前記配線溝を埋め込む状態に前記プラグに接続する溝配線を形成する工程
    を備えたことを特徴とする請求項記載の半導体装置の製造方法。
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