JP4205419B2 - 道路面で冬季に発生する凍結を阻止する方法およびそのための剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、融解剤を含有する剤よりなる路面層を塗布することによって道路面で冬季に発生する凍結を阻止する改善された方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドイツ特許出願公開(A)第2426200号明細書から、氷の発生を阻止しそして雪を溶かす道路舗装路面を造るための混合物が公知である。この混合物はアスファルトあるいは歴青を含む混合材料が融解性物質および水透過性外部被覆物よりなる部材を含有している。この混合材料を使用する場合にはこれらの部材は舗装路の厚さ全体中の舗装路面に組み込まれている。これは摩擦によって露出され、被覆が破壊されそして融解性物質が放出される。従って融解性物質は暖かい季節にも放出されそして洗い流されてしまう。生じる中空に水が貯留され、この水が寒冷期に道路舗装路面を著しくひび割れさせる。それ故にこの発明の相応する混合材料は環境に適合していないだけでなく、道路舗装路面を強固にするという要求にも対応していない。
【0003】
ヨーロッパ特許出願公開(A)第153,269号明細書およびドイツ特許出願公開(A)第4,129,621号明細書からは、歴青に結合した道路被覆用混合物を粒化するために水の氷結点を低下させる1種類以上の物質ならびに疎水性成分、例えばポリウレタンまたは疎水性の非晶質二酸化珪素を混入しそしてこの道路被覆用混合物を後からの薄い被覆層として道路面に塗布する方法が公知である。
【0004】
先願のドイツ特許出願第10117437.3によれば、凍結期より以前に既成の道路面に融解剤を含有する歴青エマルジョンを噴霧し、その融解剤が歴青エマルジョンの乾燥後に歴青乾燥物中に埋め込まれそして温度低下のもとでの歴青の脆化のためにおよびその際に生じる微細なひび割れのためにおよび摩擦の助けで徐々に放出される。
【0005】
これらの全ての方法の欠点は、疎水化物質の場合も歴青の場合も融解剤の放出に関して遅効性が非常に僅かである点である。使用される融解剤は既に数週間の内に被覆から溶け出し、その結果氷の発生を抑制する効果が著しく低下しそして凍結期に使用する際にしばしば既にもはや効果がなくなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
それ故に本発明の課題は、使用する際に公知の方法と同様に簡単であるが、融解剤が非常にゆっくりかつできるだけ要求される時期にだけ放出され、その結果所望の効果ができるだけ長く維持される、道路面で冬季に発生する凍結を阻止する改善された方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題は、請求項1および2に従う方法並びにこの方法を実施するための請求項3〜15に従う剤によって解決される。
【0008】
本発明者は、路面に塗布される剤が一時的な不透水性の固体被覆で覆われた融解剤を含有する場合に、道路に塗布される薄い道路表面層から非常にゆっくりかつ特に道路への荷重次第でこの融解剤の放出が制御的に行なわれることが判った。
【0009】
特に有利な実施態様においては一時的な不透水性の固体被覆は1℃以上の温度で閉じられており、かつ僅かな程度までの柔軟性がある。この被覆は融解剤を雨水から保護する。更に存在するその柔軟性が不透水性の固体被覆の磨耗を低減させ、従って本発明の有効期間を増加させる。低下する温度のもとでは不透水性固体被覆が徐々に脆弱になる。該被覆はひび割れそして圧力および摩擦によって容易に崩壊する。被覆されて融解剤はゆっくり、長期間にわたり、特に道路への荷重次第で制御的に放出されあるいは水分の攻撃に曝されそして凍結点を低下させる効果を発揮しそしてそれ故に路面で冬季に発生する凍結を阻止する。融解剤の放出が非常にゆっくりかつ路面への交通荷重次第で制御的に行なわれることによって、本発明の剤の効果が長期間にわたって、一般に全凍結期間にわたって維持される。
【0010】
それ故に本発明によれば凍結期の前に並びに場合によっては凍結期の間に掃除した路面に薄い層の状態で、道路の舗装路面と親和性のある結合剤であって、一時的な不透水性の固体被覆で覆われた融解剤並びに場合によっては他の充填剤および添加物を含有する乳化剤よりなる剤を塗布する。塗布すべき剤は、そのままで路面に塗布される予め混合された完成混合物であってもよい。しかしながら同時に路面に塗布されそして路面の上で初めて混合された状態で存在する複数の成分より成っても良い。
【0011】
道路の舗装路面と親和性のある結合剤は最も簡単な場合には歴青、しかも熱い歴青並びに歴青エマルジョンである。しかしながら使用直前に製造されたセメントスラッジの状態で塗布されるセメントであってもまたは硬化性または非硬化性合成樹脂エマルジョンであってもよい。合成樹脂で変性した歴青または合成樹脂で変性したセメントスラッジ、特に例えば轍の修理のために使用することができる様な、乳化されたエポキシ樹脂−硬化剤−混合物を含有するセメントスラッジも考えられる。
【0012】
剤が既に予め混合された完全混合物である場合には、簡単に塗装用ブレードまたは刷毛塗りによって路面に塗布することができる。塗布するための特に有利な方法はもちろんスプレー塗装である。
【0013】
剤が複数の別々に収容される成分よりなる場合には、別々のノズルから同時に路面に噴霧される。この場合これら成分は完全に混合される。
【0014】
これの例は、一方においては歴青エマルジョンがそしてもう一方ではそれ自体別の分散物の状態で存在していてもよい、一時的に不透水性の固体被覆で覆われた融解剤が同時にしかし別々に噴霧される。しかしセメントスラッジ、エポキシ樹脂エマルジョンおよびこれとは別の硬化剤成分を同時にしかし別々に噴霧することも考えられる。
【0015】
融解剤は、明らかに0℃以下にある共融温度に達した際に初めて氷結する液状の寒剤を氷と生成し得る水溶性物質である。これの例には水溶性塩、特にアルカリ金属−またはアルカリ土類金属塩、またポリアルコール、特にグリコールまたはグリセリンがある。これらの融解剤は単独でまたは互いの混合物の状態でまたは他の充填剤および添加剤との混合状態で使用される。特に有利な融解剤は塩化ナトリウムまたは塩化カルシウムである。固体の融解剤は最大1mm、特に好ましくは最大0.3mmの粒度で存在する。
【0016】
融解剤は一時的に不透水性の固体被覆で覆われている。本発明によれば、固体被覆物は、機械的に、例えば磨耗によって損傷されない場合に、不透水性であることおよび温度に左右される密度を有していることが重要である。約1℃以上の温度では不透水性であることが特に有利である。
【0017】
それより下に下がった温度では固体被覆がしだいに脆化しそしてヒビ割れる。この場合および機械的損傷の後に、湿気がもはや密閉されていない固体被覆に浸透しそして融解剤を溶かし出し。
【0018】
この性質は、一時的に不透水性の固体被覆が冷間脆化する合成樹脂、特に冷間脆化性の硬化した熱硬化性合成樹脂よりなる場合に達成される。
【0019】
この種の冷間脆化性の熱硬化性樹脂の例にはメラミン樹脂、尿素樹脂またはフェノール樹脂がある。一時的に不透水性の固体被覆が架橋したフェノール樹脂よりなるのが好ましく、特に架橋した低分子量フェノール樹脂および中でも、フェノール化合物とホルムアルデヒドとの酸性縮合反応によって製造される架橋したフェノール樹脂よりなるのが好ましい。ただし上記縮合反応の際にフェノール化合物とホルムアルデヒドとのモル比は1:0.2〜1:0.4の範囲内にある。この種のフェノール樹脂はヨーロッパ特許(B)第0,248,980号明細書から公知であり、高温度安定性成形体の製造に使用される。このものは、溶剤を使用せずにおよび穏やかな温度で固体物質を被覆するのに適し、一方においては高い反応性を有し、すなわち容易に架橋して安定した不透水性層となりそして融解剤の被覆材料として所望の温度依存性の密度を有する室温で半固体ないし固体の生成物である。
【0020】
被覆された融解剤を製造するために、場合によっては僅かな量の液状融解剤で湿潤されていてもよく、かつ最大1mmの粒度、特に最大0.3mmの粒度で存在する固体融解剤をその重量の約2〜10%、特に好ましくは最大2〜5%の冷間脆化性合成樹脂で自体公知の様に被覆する。融解剤を冷間脆化性の熱硬化性合成樹脂と混合しそしてその際に熱硬化性樹脂の融点以上に加熱するのが特に有利である。その際に融解剤が被覆される。次いで熱硬化性樹脂のための硬化剤を添加しそしてその混合物を熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に加熱しそしてこの混合工程を、熱硬化性樹脂が硬化するまでの間、更に実施する。冷ました後に、被覆されたこの融解剤を粉末状生成物として得る。これを更に疎水性化するためにおよびより良好にバラバラにするために本発明の剤中に追加的にその重量の0.5〜5%の疎水性分離剤、例えばオレイン酸またはステアリン酸、ステアレートまたは脂肪酸アミドで処理する。被覆された融解剤を疎水性化分離剤、例えばステアレートで処理したアルカリ土類金属塩、特に好ましくはステアリン酸マグネシウムで処理した酸化カルシウムで処理した場合には、水の侵入を特に良好に遅延させることが達成される。
【0021】
本発明の剤は、道路の舗装路面と親和性のある結合剤と被覆された融解剤並びに場合によってば他の充填剤および添加物とを混合することによって簡単に得られる。結合剤と被覆すべき融解剤との重量比は200:20〜100:200の範囲から選択することができ、その際に結合剤の割合の増加に比例して剤の摩擦強度の向上が得られる。

Claims (10)

  1. 冬季に道路に負荷が掛かると全凍結期間にわたってゆっくり放出される融解剤を含有する剤よりなる道路表面層を塗布することによって、道路面で冬季に発生する凍結を阻止する方法において、この剤が、道路の舗装路面と親和性がありそして架橋したフェノール樹脂で覆われた融解剤を含有する結合剤よりなること、該フェノール樹脂がフェノール性化合物とホルムアルデヒドとの酸性縮合反応によって製造され、その際のフェノール性化合物とホルムアルデヒドとのモル比が1:0.2〜1:0.4の範囲内にあることを特徴とする、上記方法。
  2. 道路の舗装路面と親和性のある結合剤および架橋したフェノール樹脂で覆われた融解剤よりなる剤を路面に適用する際に両方の成分を同時に塗布することによって製造する、請求項1に記載の方法。
  3. 架橋したフェノール樹脂で覆われた融解剤を含有する、道路の舗装路面と親和性のある結合剤よりなる、請求項1または2に記載の方法を実施するための剤。
  4. 道路の舗装路面と親和性のある結合剤が歴青である、請求項3に記載の剤。
  5. 道路の舗装路面と親和性のある結合剤が歴青であり、該歴青が歴青エマルジョンの状態で存在しておりそして路面に適用する際に初めて該歴青が架橋したフェノール樹脂で覆われた融解剤と混合される、請求項3に記載の剤。
  6. 道路の舗装路面と親和性のある結合剤がセメントである、請求項3に記載の剤。
  7. 融解剤の架橋したフェノール樹脂被覆が温度依存性の密度を有する、請求項3〜6のいずれか一つに記載の剤。
  8. 融解剤の架橋したフェノール樹脂被覆が架橋した低分子量フェノール樹脂よりなる、請求項〜7のいずれか一つに記載の剤。
  9. 融解剤が最大0.3mmの粒度で存在する、請求項に記載の剤。
  10. 被覆された融解剤が追加的に疎水性または疎水性化分離剤で処理されている、請求項3〜9のいずれか一つに記載の剤。
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