JPH06101214A - 路面の凍結防止法 - Google Patents

路面の凍結防止法

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JPH06101214A
JPH06101214A JP29361892A JP29361892A JPH06101214A JP H06101214 A JPH06101214 A JP H06101214A JP 29361892 A JP29361892 A JP 29361892A JP 29361892 A JP29361892 A JP 29361892A JP H06101214 A JPH06101214 A JP H06101214A
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JP
Japan
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road surface
road
pavement
antifreezing
antifreezing agent
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JP29361892A
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Kazuyuki Kawamura
和幸 川村
Iwao Sato
巌 佐藤
Akinori Ogiwara
明則 荻原
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PATEINE SHOKAI KK
PATINE CORP
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PATEINE SHOKAI KK
PATINE CORP
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 凍結防止剤を長期間保持でき、また適宜補給
することもでき、凍結防止効果の持続性を図ることがで
きる路面の凍結防止法を提供することにある。 【構成】 少なくとも路面を含む道路の表層部5を、粗
骨材6…相互間に多数の空隙部8を有する舗装体で形成
し、前記路表面に酢酸カルシウム・マグネシウムおよび
(又は)酢酸カリウムを主成分として含む凍結防止剤9
を散布し、この凍結防止剤9を前記空隙部8に保留する
ことにより、路面の凍結を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として積雪寒冷地
の舗装道路の路面の凍結防止法に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷地において、アスファルト舗装やコ
ンクリート舗装された道路の路面や路肩に積雪した雪
は、日中の暖気や降雨あるいは圧雪によって融解し、こ
の融解水が路面に流れ、夜間等の気温の低下によって路
面で凍結する。その結果、路面にアイスバーンができ、
車両の走行時にスリップの原因となり、また歩行者の歩
行にも危険を生ずる。
【0003】積雪寒冷地における舗装道路において、路
面への積雪や路面の凍結を防止する方策としては、次の
ような方法が知られている。 (a)路面下に電熱線を埋設して路面を加温したり、パ
イプを埋設してこのパイプ中に温水や不凍液等の熱媒を
流通させ、熱媒によって路面を加温する路面加熱システ
ムを施工する。 (b)スプリンクラーを設置し、路面に散水して積雪の
融解を促進させる。 (c)あらかじめ融雪剤を路面に散布し、積雪の融解を
促進させる。 (d)舗装材料中に凍結抑止効果のある成分を含む凍結
防止剤を混入して舗装する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記(a)
の方法は、大掛かりな工事となり、工事期間も長く、施
工に膨大な費用がかかるとともに、ランニングコストも
嵩むという問題がある。(b)の方法は、多くの場合、
地下水を汲み上げていることから、長期的の使用により
地下水位の低下を招き、また目詰まりを生じやすく、管
理が繁雑となる。(c)の方法は、降雪直前か、又は積
雪後は機械除雪後に散布しないと、十分な効果が期待で
きないため、気象情報を十分に注意したり、短時間に広
範囲に散布しなければならず、作業が煩雑である。
【0005】(d)の方法は、凍結防止剤の主成分とし
てナトリウム、カルシウム、マグネシウムの塩化物を含
むパウダー状または粒状の凍結抑止剤を、予めアスファ
ルト混合物に添加混合して舗装し、前記塩化物を経時的
に溶出させて水の氷点を低下させ、あるいは反応熱を利
用して路面の雪の融解、凍結の遅延を図ろうとするもの
である。
【0006】したがって、この(d)の方法では、路面
の凍結防止剤は凍結の恐れのない時期、例えば夏期にも
大気中に曝され、路面摩耗により消耗することになるの
で不経済である。しかも、この方法は、舗装の摩耗によ
り深部に混入されている凍結防止剤を順次路面に表出さ
せ凍結防止効果の維持を図っているので、舗装の摩耗が
早いと共に、舗装摩耗が進み舗装中に混入された凍結防
止剤がなくなると、以後その補給ができず、舗装自体を
施工し直す必要がある。
【0007】このため、(d)の方法は有効期間が約3
年程度と短く、また塩化物を溶出させることで金属腐蝕
等を生じ易く、さらに溶出が早く路面の表層部に混入さ
れている凍結防止剤が流出すると、舗装摩耗により深部
にある凍結防止剤が表層部に出るまでは効果が急減少す
るなどの問題がある。
【0008】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、その目的とするところは、散布した凍結防止剤
を保留して長期間に亘って凍結防止効果を維持すること
ができると共に、その補給も可能であり、環境破壊の恐
れがなく、また施工も簡単で経済的な路面の凍結防止方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】この発明は、前
述した目的を達成するために、少なくとも路面を含む道
路の表層部に、舗装体を形成する粗骨材相互間に、ある
いは路面に設けた多数の溝によって、多数の空隙部を有
する舗装体を形成し、この路面に酢酸カルシウム・マグ
ネシウム及び酢酸カリウムのうちの1種又は2種を主成
分として含む凍結防止剤を散布し、この凍結防止剤を前
記空隙部に保留することにある。
【0010】舗装体に、粗骨材や多数の溝等によって多
数の空隙部を形成することによって排水性が向上する。
したがって、前記融解水が路面に滞留して夜間等に凍結
する恐れが減少する。しかも、空隙部には凍結防止剤が
保留されているので、その作用により、大量の積雪があ
っても路面の凍結は防止される。
【0011】舗装体に多数の空隙部を設けるには、アス
ファルト舗装の場合、開粒度アスコンを用いる。この場
合、用いる粗骨材はできるだけ6号砕石(5〜13m
m)以上の粒度範囲のものを用い、バインダは舗装の安
定性や耐久性を確保するために高粘度改質アスファルト
をアスファルト混合物全量に対し4〜6重量%用いるの
が好ましい。そして、このようなアスファルト混合物を
路床上に公知の施工方法で舗装することにより、前記粗
骨材相互間に空隙部を形成する。舗装体の空隙率はノギ
ス法で12%以上、特に15%以上であることが望まし
い。
【0012】コンクリート舗装の場合には、セメントコ
ンクリート混合物1m当り、たとえばポルトランドセ
メント:250〜400Kg、バインダ:セメントの
0.01〜0.05重量%、水:セメントの0.35〜
0.45重量%、残部は骨材の混合比とし、骨材は7号
砕石、特に分級して1.2mmふるいの通過重量百分率
が0%、2.5mmふるいの通過重量百分率が8〜15
%、5mmふるいの通過重量百分率が50〜100%の
粒度分布としたセメントコンクリート混合物を用いる。
そして、この混合物を十分に混練し、注型して硬化させ
前記粗骨材相互間に空隙部を有するコンクリート舗装体
を形成する。
【0013】また、空隙部を形成する手段としては、舗
装体の路面に多数の溝を形成したものであってもよい。
すなわち、道路の幅方向に幅4〜10mm、深さ4〜1
0mmの溝を15〜40mm間隔で多数設けたもの、ま
た道路の幅方向に限定されず、道路の幅方向と長さ方向
の両方に亘って格子状に上記と同様の溝を形成したもの
であってもよい。
【0014】この溝の形成方法は特に限定されるもので
はなく、例えば1本又は所定間隔をおいて並列的に複数
本の刃を持った路面切削機で舗装終了後に溝を前記間隔
で路面に形成することができる。
【0015】この発明では、前述のように空隙部が形成
された舗装体の表面に機械又は人力によって凍結防止剤
を散布する。散布すると、この凍結防止剤は自ずと空隙
部に入り込み、この空隙部に保留される。上記散布の時
期は限定されない。
【0016】前記凍結防止剤は、酢酸カルシウム・マグ
ネシウム及び(又は)酢酸カリウムを主成分として含
み、雪を融解し、水の氷点を降下させる作用のある凍結
防止剤を用いる。酢酸カルシウム・マグネシウム及び酢
酸カリウムは吸湿性を有し、雪を融解し、その固結を防
止し、水と接触して水の氷点を降下させる。
【0017】凍結防止剤は、酢酸カルシウム・マグネシ
ウム及び(又は)酢酸カリウムが少なくとも15重量%
含まれる限り、そのほかにナトリウム、マグネシウム、
カルシウム、カリウムの塩化物、水酸化ナトリウム等を
一部含んでいてもよい。
【0018】酢酸カルシウム・マグネシウム、酢酸カリ
ウムは、塩化カルシウム等が水に溶解して直ちに流出す
るのに対し、空隙や溝の側面に付着して保留するので持
続効果がある。
【0019】散布により空隙または溝に保留された凍結
防止剤は、前述のような性質を有するので路面に降雪が
あると、雪やその融解水は保留された凍結防止剤と接触
し、凍結防止剤の作用で水の氷点が降下することにな
り、路面の凍結が防止される。
【0020】
【実施例】以下、この発明の各実施例を図面に基づいて
説明する。 [実施例1]図1および図2はアスファルト舗装された
道路を示すもので、1は路床である。この路床1の上に
は舗装体2として路盤3、上面を防水処理した基層4お
よび表層部5が設けられている。路盤3、基層4は公知
の施工方法によって施工されるものであり、路盤3は表
層部5から伝播された交通荷重を分散して路床1へ伝播
する役割をしている。基層4は表層部5からの荷重を均
一に路盤3に伝達する役割をしている。
【0021】表層部5は、165℃に加熱した6号砕石
からなる粗骨材79重量%および細骨材としての砂11
重量%と、180℃に加熱したバインダ(タフファルト
スーパー)5重量%と、フィラー(石粉)5重量%とを
ミキサーで混合して得たアスファルト混合物を常法(社
団法人日本道路協会「アスファルト舗装要綱」参照)に
従って敷き均し、十分に転圧、締固めを行うことによっ
て形成されている。
【0022】このように形成された表層部5には多量の
粗骨材6…が路表面7にわたって存在し、粗骨材6…相
互は密接せずに相互間に多数の空隙部8…が形成され
る。これは個々の粗骨材6…が不定形の形状であるため
粗骨材6…相互間が必然的に隙間となり、高い空隙率
(18%)のアスファルト舗装体が形成される。
【0023】舗装体を形成後、降雪時期に予め下記組成
の融雪および水の氷点を降下させる作用のある凍結防止
剤9を路表面7に1m当たり50g程度を散布する
と、この凍結防止剤9は前記空隙部8…に入り込み、空
隙部8…に保留される。
【0024】凍結防止剤の組成: 酢酸カルシウム・マグネシウム ……37.0重量% 塩化ナトリウム ……60.0重量% 防錆剤 …… 1.5重量% 補助剤(凝固防止剤、緩衝剤等)…… 1.5重量%
【0025】前述した実施例1の道路の舗装体につい
て、その凍結防止効果を調査したところ、次の通りであ
った。 a.凍結防止剤散布2日後の第1回目降雪時には、周辺
の通常の舗装道路は約1cm積雪したが、実施例1の道
路の路表面には積雪しなかった。 b.凍結防止剤散布10日後の第2回目降雪時には、周
辺の通常の舗装道路は約10.5cm積雪したが、実施
例1の道路の路表面の積雪量は約4cmで、積雪の下層
が路表面に氷結することなく、容易に除雪でき、また除
雪後に路表面が凍結することはなかった。 c.凍結防止剤散布56日後の降雪時には、周辺の通常
の舗装道路は約30cm積雪したが、実施例1の道路の
路表面の積雪量は約18cmに過ぎないうえ、積雪の下
層が路表面に氷結することなく、容易に除雪でき、また
除雪後に路表面が凍結することはなかった。
【0026】[実施例2]セメントコンクリート混合物
1m当たり、7号砕石からなる粗骨材1550kg、
セメント(ポルトランドセメント)280kg、バイン
ダ6kg、水114kgをコンクリートプラントで混練
し、公知の方法で注型後、硬化させて、前記粗骨材相互
間に多数の空隙部を有した、高い空隙率(20%)のコ
ンクリート舗装体からなる表層部を形成する。
【0027】前記舗装体を形成後、その路表面に、実施
例1と同様に、凍結防止剤を1m当たり50g程度散
布すると、この凍結防止剤は前記空隙部に入り込み、空
隙部に保留される。
【0028】[実施例3]図3および図4はコンクリー
ト舗装された道路を示すもので、10は表層部をなす舗
装体、10aは路側部である。この舗装体10は、セメ
ントコンクリート混合物1m当たり、粗骨材(砕石)
1220kg,細骨材(砂)672kg、セメント(ポ
ルトランドセメント)340kg、水136kgからな
るセメントコンクリート混合物をコンクリートプラント
で混練し、公知の方法で注型後硬化させた、動的安定度
が高く空隙率の低いコンクリート舗装体からなってい
る。
【0029】コンクリート舗装体を施工後、約1ヵ月間
一般交通に開放した後、例えば1本または所定間隔をお
いて並列的に複数本の刃を持った路面切削機で前記表層
部10の路表面11に道路の幅方向および長さ方向の両
方に延びる空隙部としての格子状の溝12…を形成す
る。
【0030】この溝12の幅は6mm、深さは6mm、
また溝12の間隔は20mmで、平行に切削したもので
あり、この溝12を形成した後、降雪時期に予め下記組
成の融雪および水の氷点を降下させる作用のある凍結防
止剤13を1m当たり70g程度散布すると、この凍
結防止剤13は前記溝12…に入り込み、溝12…に保
留される。
【0031】なお、前述のように形成された多数の溝1
2…は、溝12の幅が4〜10mm、溝12…の間隔が
15〜40mmである限り、運転者に異物感を感じさせ
ることがなく、走行中に車両に振動を与えることもな
い。また、溝12…の縁が潰れたり、目詰りが生ずるお
それがない。
【0032】凍結防止剤の組成: 酢酸カルシウム・マグネシウム …… 18.0重量% 酢酸カリウム …… 18.0重量% 塩化ナトリウム …… 61.0重量% 防錆剤 …… 1.5重量% 補助剤(凝固防止剤、緩衝剤等)…… 1.5重量%
【0033】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、道路
の表層部に多数の空隙部を有する舗装体を形成し、この
路面に凍結防止剤を散布してこの凍結防止剤を前記空隙
部に保留させているので、路面に単に凍結防止剤を散布
したり、舗装材料中に凍結防止剤を予め混入して舗装す
る従来の方法に比べ、凍結防止剤を長期間保持でき、ま
た適宜補給することもでき、凍結防止効果の持続性を図
ることができる。また、気象情報を早く察知して降雪直
前または直後に凍結防止剤を散布するという従来の煩雑
さから解放できると共に、降雪時季に適宜散布して保留
しているので、路面の凍結防止に要する人力および薬剤
を大幅に低減でき、経済的である。さらに、凍結防止剤
は、酢酸カルシウム・マグネシウム、酢酸カリウムを主
成分としているため、金属腐蝕等の問題を生ずる恐れが
なく、走行車両に悪影響を与えることがなく、環境的に
も問題が生ずることがないなどの種々の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す道路の表層部の断面
図。
【図2】同実施例の道路の断面図。
【図3】この発明の実施例3を示す道路の平面図。
【図4】同実施例の道路の表層部の断面図。
【符号の説明】
2 舗装体 5 表層部 8 空隙部 9 凍結防止剤 12 溝 13 凍結防止剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも路面を含む道路の表層部に多
    数の空隙部を有する舗装体を形成し、前記路面に酢酸カ
    ルシウム・マグネシウムおよび(又は)酢酸カリウムを
    主成分として含む凍結防止剤を散布し、この凍結防止剤
    を前記空隙部に保留することを特徴とする路面の凍結防
    止法。
  2. 【請求項2】 空隙部は、舗装体を構成する粗骨材相互
    の隙間で形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の路面の凍結防止法。
  3. 【請求項3】 空隙部は、路面に設けた多数の溝によっ
    て形成されていることを特徴とする請求項1記載の路面
    の凍結防止法。
JP29361892A 1992-09-18 1992-09-18 路面の凍結防止法 Pending JPH06101214A (ja)

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