JP4205216B2 - 熱転写記録用樹脂組成物および受像体 - Google Patents

熱転写記録用樹脂組成物および受像体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱転写記録用樹脂組成物に関し、さらに詳しくは熱転写において、昇華性染料を含有する熱転写シートとの剥離性に優れ、かつ発色濃度が高く、鮮明性に優れた記録画像を形成できる感熱転写記録用受像体の染料受容層として有用な樹脂組成物、並びにこの樹脂組成物を用いた感熱転写記録用受像体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱転写方法は、従来、種々の方法が知られており、例えば、昇華性染料などの記録剤を基材シート(例えばポリエステルフィルムなど)に担持させた熱転写シートと、被転写材(例えば、紙やプラスチックフィルムなど)に昇華性染料で染着可能な染料受容層を形成した受像シートとを接触させて、加熱により受像シート上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この方法では、加熱手段としてプリンターのサーマルヘッドを使用し、極めて短時間の加熱によって3色又は4色の多数の色ドットを受像シートに転移させ、多数の色ドットにより原稿のフルカラー画像を再現している。このようにして形成された画像は、使用する色材が染料であるため非常に鮮明であり、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、フルカラー写真画像に匹敵する高品質の画像が形成可能である。
【0003】
熱転写方法では、熱転写シートの構成のみならず、画像を形成する受像シートの構成も重要である。感熱転写記録受像シートとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのハロゲン含有ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂などを用いて染科受容層を形成したシートが知られている。このような感熱転写記録受像シートにおいて、転写される昇華性染料の染着性を改善する手段としては、染着性の良好な樹脂を用いて染料受容層を形成する方法などがある。
【0004】
例えば、特開昭62−211195号公報には、ポリエステル、ポリスチレンなどの易可染性樹脂と顔料とを含む混合物で、表面平滑性の高い受像層を形成した感熱転写記録用受像シートが提案されている。この方法において、易可染性樹脂は、水溶型、エマルジョン型であってもよいことが記載されている。しかし、染料染着性の良好な樹脂は、軟化点が低く、このような樹脂で熱転写記録受像シートの染料受容層を形成すると、画像形成時におけるサーマルヘッドの熱によって、染料受容層と熱転写シートとが融着し、剥離時に大きな剥離音が発生したり、熱転写シートの染料層ごと受像シートへ転写する問題(いわゆる異常転写)が生じる。また、染料の染着性を改善する方法として、染料受容層中に可塑剤を含有させる方法、熱転写時の染料の拡散性を良好にする方法などがある。しかし、形成された画像が保存中に滲み、画像の保存性が低い。
【0005】
特開昭62−222895号公報には、昇華型感熱記録用受像体の染着層が、アクリル系ポリマーと、フッ素系又はシリコーン系グラフト又はブロック構造を有する表面改質剤とを含有する受像体が開示されている。特開平2−81674号公報には、昇華性染料受容層が、染着性樹脂(例えば、ポリエステル、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂及びナイロン系樹脂などの主染着剤)と、常温硬化型のアクリルウレタンシリコン樹脂(離型助剤)とで構成され、少なくとも表層部にアクリルウレタンシリコン樹脂を含有している受像媒体が開示されている。特開平6−24152号公報には、昇華転写記録受像体の染料受容層を、極性基を1種以上有するポリエステル樹脂および重合性不飽和化合物の重合体によってコア・シェル構造を形成した複合高分子水系ディスパージョンで形成することが提案されている。これらの受像体は、熱転写シートとの剥離性が高いものの、画像の滲みを抑制しつつ、剥離性を高いレベルに維持し、発色濃度や鮮明性を改善することは困難である。また、常温硬化型のアクリルウレタンシリコン樹脂は、常温で硬化するため、取扱い性を低下させる。
【0006】
このように、染料の染着性を改善すると、剥離性が低下し、また、染着した染料が染料受容層で移行しにくい樹脂で受容層を形成する方法などにより剥離性や保存性を改善すると、染料の染着性が低下し、高濃度で、しかも高い鮮明性の画像を形成することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、昇華性染料を使用する熱転写方法において、画像形成過程又は熱転写における熱転写シートに対する剥離性(離型性)に優れ、かつ高品質の記録画像を形成できる感熱転写記録用樹脂組成物、およびこの樹脂組成物を用いた感熱転写記録用受像体とその製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、熱転写シートとの剥離性を高いレベルに維持しつつ、発色濃度が高く、鮮明性に優れた記録画像を形成できる感熱転写記録用樹脂組成物、およびこの樹脂組成物を用いた感熱転写記録用受像体とその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、感熱転写記録用受像体の染料受容層を、ウレタン樹脂と特定の重合体とで構成された樹脂組成物で形成すると、受像体は、熱転写過程において熱転写シートに対して高い剥離性を示すとともに、発色濃度が高く、鮮明性に優れた記録画像を形成できることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明の感熱転写記録用受像体は、ウレタン樹脂(1)と、下記式(a)
【化3】
(式中、R は水素原子又はメチル基、R はC 2−4 アルキレン基、R は同一又は異なってアルキル基又はアリール基、nは1以上の整数を示す)で表されるシリコーン系マクロモノマーと(メタ)アクリル系単量体との共重合体(2)とで構成された樹脂組成物で形成された染料受容層を有する感熱転写記録用受像体であって、前記樹脂組成物が、前記ウレタン樹脂(1)中に前記共重合体(2)が粒子状に分散し、かつコア・シェル構造又はミクロドメイン構造を有するポリマー粒子を含む水系エマルジョンである。また、本発明には、前記樹脂組成物を、基材の少なくとも一方の面に塗布し、染料受容層を形成する感熱転写記録用受像体の製造方法も含まれる。
【0011】
なお、本明細書において、昇華性染料とは、熱により昇華する染料をいう。また、「感熱転写記録用受像体」を単に「受像体」、「染料受容層」を単に「受容層」と称する場合がある。「アクリル系」単量体と「メタクリル系」単量体とを「(メタ)アクリル系」単量体として総称する。
【0012】
【発明の実施の形態】
[ ウレタン樹脂(1)]
ウレタン樹脂(1)には、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分との反応により得られる種々のウレタン樹脂が含まれ、ポリアミン成分を鎖伸長剤とするウレタン樹脂も含まれる。ウレタン樹脂(1)は、単独で又は二種以上組合わせて使用できる。
【0013】
ポリイソシアネート成分には、例えば、芳香族ポリイソシアネート(例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどのジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネートなど)、芳香脂肪族ポリイソシアネート(例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼンなどのポリイソシアネートなど)、脂環式ポリイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートなどのジイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサンなどのポリイソシアネートなど)、脂肪族ポリイソシアネート(例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネートなど)などが含まれる。ポリイソシアネート成分は、単独で又は二種以上組合わせて使用できる。ポリイソシアネート成分としては、ジイソシアネート成分を用いる場合が多い。
【0014】
また、ポリイソシアネート成分は、多価アルコールにポリイソシアネート化合物が付加し、末端にイソシアネート基を有するアダクト体、ビュレット反応により生成したシアヌレート体、二量体、三量体であってもよい。
【0015】
ポリオール成分としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのオキシ−C2-4 アルキレン単位を有するポリエーテルジオールなど)、ポリカーボネートポリオール(例えば、ポリカーボネートジオールなど)などが挙げられる。ポリエステルポリオールは、多価アルコールと、多価カルボン酸又はその低級アルキルエステルもしくは酸無水物との反応により得られ、ヒドロキシル基を有するポリエステルであり、ラクトンから誘導されたポリエステルであってもよい。ポリオール成分は、単独で又は二種以上組合わせて使用できる。ポリオール成分としては、ジオール成分(例えば、ポリエステルジオールなど)を用いる場合が多い。
【0016】
ポリエステルポリオールを調製するための多価アルコールには、例えば、脂肪族多価アルコール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのC2-10アルキレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどポリオキシ−C2-4 アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオールなど)、脂環式多価アルコール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメチロール、水素化ビスフェノールAなどの脂環式ジオールなど)、芳香族多価アルコール(例えば、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチルフェニル)プロパン又はそのC2 4 アルキレンオキサイド付加体などの芳香族ジオールなど)が含まれる。多価アルコールは、通常、脂肪族ジオールである。
【0017】
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族多価カルボン酸(例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの飽和C4 20脂肪族ジカルボン酸、マレイン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸など)、脂環族多価カルボン酸(例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸など)、芳香族多価カルボン酸(例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、トリメリット酸などの芳香族多価カルボン酸など)などが例示される。多価カルボン酸は、単独で又は二種以上組合わせて使用できる。ラクトンには、例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンなどのC4 12ラクトンが挙げられる。
【0018】
ウレタン樹脂(1)の分子量は特に制限されず、例えば、5,000 〜50×104 、好ましくは1 ×104 〜20×104 程度である。ウレタン樹脂(1)はカルボキシル基、スルホン酸基やアミノ基(3級アミノ基など)などのイオン性官能基を有していてもよい。
【0019】
[シリコーン系マクロモノマー]
本発明の樹脂組成物は、シリコーン系マクロモノマーと、このマクロモノマーに対して共重合性のビニル系単量体との共重合体を含んでいる。前記シリコーン系マクロモノマーとしては、重合性不飽和結合(ビニル基,アリル基、(メタ)アクリロイル基など)を有するとともに、シリコーン単位(ジメチルポリシロキサン単位などのオルガノシロキサン単位)又はオルガノポリシロキサンフラグメント(ジメチルポリシロキサンフラグメントなど)を有する種々の化合物が使用できる。シリコーン系マクロモノマーの分子量は、例えば、数平均分子量500〜50000(好ましくは700〜40000、特に1000〜30000)程度である。代表的なシリコーン系マクロモノマーは、例えば、下記式(a)又は(b)で表すことができる。
【0020】
【化2】
【0021】
(式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 はC2 4 アルキレン基、R3 は同一又は異なってアルキル基又はアリール基、nは1以上、特に10〜150の整数を示す)
式(a)及び(b)において、R2 のC2 4 アルキレン基には、エチレン、プロピレン,トリメチレン,テトラメチレン基などが含まれる。R2 は、通常、C2 3 アルキレン基である。R3 で表されるアルキル基には、メチル,エチル基などのC1 4 アルキル基(特にメチル基)が含まれ、アリール基にはフェニル基などが含まれる。
【0022】
このようなシリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体との共重合体を用いると、熱転写シートに対する高い剥離性が発現する。また、発色濃度よおび鮮明性の高い画像を形成でき、滲みのない高品質画像を長期間に亘り維持できる。
【0023】
[ビニル系単量体]
ビニル系単量体には、例えば、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル類、不飽和カルボン酸類、ビニルエステル類、ハロゲン含有ビニル類、ビニルエーテル類(例えば、ビニルエチルエーテル,ビニルイソブチルエーテルなど)、ビニルケトン類(例えば、メチルビニルケトンなど)、ビニル複素環化合物(例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾールなどのN−ビニル化合物、ビニルピリジンなど)、オレフィン系単量体(例えば、エチレン、プロピレンなど)、アリル化合物(例えば、アリルアルコール,アリルエーテル,酢酸アリルなどのアリルエステルなど)、加水分解性シリル基を有する単量体などが含まれる。ビニル系単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0024】
(メタ)アクリル系単量体には、例えば、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリロニトリルなどが含まれる。
【0025】
(メタ)アクリレートには、例えば、アルキル(メタ)アクリレート[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどのC1-18アルキル(メタ)アクリレートなど]、シクロアルキル(メタ)アクリレート[例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど]、アリール(メタ)アクリレート[例えば、フェニル(メタ)アクリレートなど]、アラルキル(メタ)アクリレート[例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなど]、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ−C2-4 アルキル(メタ)アクリレートなど]、グリシジル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノ−アルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレートなどのジC1-4 アルキルアミノ−C2-4 アルキル(メタ)アクリレートなど]などが含まれる。
【0026】
(メタ)アクリルアミド類には、例えば、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド[例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのN−ヒドロキシ−C1-4 アルキル(メタ)アクリルアミドなど]、アルコキアルキル(メタ)アクリルアミド[例えば、N−メトキメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−C1-4 アルコキシ−C1-4 アルキル(メタ)アクリルアミドなど]、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。
【0027】
好ましい(メタ)アクリル系単量体には、例えば、(メタ)アクリレート[例えば、C1-18アルキル(メタ)アクリレート(特にC2-10アルキルアクリレート、C1-6 アルキルメタクリレート)、ヒドロキシ−C2-4 アルキル(メタ)アクリレート(ヒドロキシ−C2-3 アルキル(メタ)アクリレート)、グリシジル(メタ)アクリレート、ジC1-4 アルキルアミノ−C2-4 アルキル(メタ)アクリレート(ジC1-3 アルキルアミノ−C2-3 アルキル(メタ)アクリレート)など]、(メタ)アクリルアミド類などが含まれる。
【0028】
加水分解性シリル基を有する単量体には、(メタ)アクリル系単量体、ビニル基などのアルケニル基を有する単量体などが含まれる。
【0029】
加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリロキシエチルトリクロロシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルメチルジクロロシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルジメチルクロロシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなどが例示できる。
【0030】
加水分解性シリル基とビニル基などのアルケニル基とを有する単量体としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、イソプロペニルトリクロロシラン、イソプロペニルジメチルクロロシランなど;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジエトキシメチルシラン、イソプロペニルトリメトキシシラン、イソプロペニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなど;アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシランなど;アリルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン、イソプロペニルフェニルトリメトキシシランなど;3−[2−(アリルオキシカルボニル)フェニルカルボニルオキシ]プロピルトリメトキシシラン、3−[2−(イソプロペニルメチルオキシカルボニル)フェニルカルボニルオキシ]プロピルトリメトキシシランなど;3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシランなど;3−[2−(N−ビニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトシキシラン、3−[2−(N−イソプロペニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリエトキシシランなど;2−(ビニルオキシ)エチルトリメトキシシラン、3−(ビニルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、4−(ビニルオキシ)ブチルトリエトキシシラン、2−(イソプロペニルオキシ)エチルトリメトキシシランなど;3−(アリルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、10−(アリルオキシカルボニル)デシルトリメトキシシラン、3−(イソプロペニルメトキシ)プロピルトリメトキシシランなど;3−[(メタ)アクリロキシエトキシ]プロピルトリメトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシエトキシ]プロピルジメトキシメチルシランなど]など;ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジ(β−メトキシエトキシ)シランなどが例示できる。
【0031】
不飽和カルボン酸類には、例えば、不飽和モノカルボン酸[例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸などのエチレン系不飽和モノカルボン酸など]、不飽和多価カルボン酸[例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのエチレン系不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物(無水マレイン酸など)若しくはエステル類(例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルなどの2価カルボン酸のモノアルキルエステルなど)など]などが含まれる。好ましい不飽和カルボン酸には、例えば、(メタ)アクリル酸などのモノカルボン酸、マレイン酸などの多価カルボン酸又はその酸無水物若しくはエステル類などが含まれる。
【0032】
芳香族ビニル類には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−ハロスチレン、アルキル置換スチレン類(ビニルトルエン,p−エチルスチレンなど)、ハロゲン置換スチレン類(クロロスチレンなど)などが含まれる。好ましい芳香族ビニル類には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン(特にスチレン)が含まれる。
【0033】
ビニルエステル類には、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル(VeoVaなど)などが含まれる。ハロゲン含有ビニル類には、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどが含まれる。
【0034】
好ましいビニル系単量体には、(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸エステルなど)、芳香族ビニル類(スチレンなど)、不飽和カルボン酸類((メタ)アクリル酸,マレイン酸など)、ビニルエステル類(酢酸ビニルなど)、ハロゲン含有ビニル類(塩化ビニルなど)、加水分解性シリル基を有する単量体から選択された少なくとも一種の単量体が含まれる。特に、ビニル系単量体としては、(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸,(メタ)アクリル酸C1 10アルキルエステル,(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル,(メタ)アクリル酸グリシジルエステルなど)、芳香族ビニル類(スチレンなど)が好ましい。
【0035】
シリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体との割合は、熱転写シートに対する剥離性、画像の発色濃度や鮮明性を損なわない範囲、例えば、前者/後者=0.1/99.9〜99.9/0.1(重量比)、好ましくは1/99〜99/1(重量比)、さらに好ましくは2/98〜98/2(重量比)程度の範囲から選択でき、通常、1/99〜20/80(重量比)[例えば、1/99〜10/90(重量比)]、特に2/98〜10/90(重量比)[例えば、2/98〜5/95(重量比)]程度である。
【0036】
シリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体との共重合体(2)は、慣用の重合法、例えば、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法などにより得ることができる。
【0037】
ウレタン樹脂(1)と前記共重合体(2)との割合は、剥離性、発色濃度、鮮明性を損なわない範囲、例えば、前者/後者=0.5/99.5〜99.5/0.5(重量比)、好ましくは20/80〜80/20(重量比)程度、より好ましくは30/70〜80/20(重量比)[例えば、50/50〜80/20(重量比)]程度の範囲から選択でき、通常、30/70〜70/30(重量比)程度である。
【0038】
樹脂組成物は、ウレタン樹脂(1)と共重合体(2)との均質又は非均質の混合物であってもよい。ウレタン樹脂(1)及び共重合体(2)のいずれか一方、特にマトリックスとしてのウレタン樹脂(1)中に共重合体(2)が粒子状に分散している形態を有するのが好ましい。粒子状重合体(2)の平均粒子径は、例えば、0.001〜5μm(例えば0.005〜2μm)、好ましくは0.01〜2μm(例えば、0.01〜1.5μm)、さらに好ましくは0.01〜1.4μm程度の範囲から選択できる。
【0039】
前記共重合体(2)が粒子状に分散した樹脂組成物は、共重合体(2)の粒子状の形態を保持しつつ、ウレタン樹脂(1)と混合して調製してもよい。好ましい調製方法としては、例えば、ウレタン樹脂(1)のエマルジョンと、共重合体(2)のエマルジョンとを混合する方法、ウレタン樹脂(1)の存在下(特にウレタン樹脂(1)をポリマー粒子とする水性エマルジョンの存在下)、重合性不飽和化合物[シリコーン系マクロモノマーおよびビニル系単量体]を乳化重合する方法などが例示できる。この乳化重合は、前記ウレタン樹脂(1)を含むポリマー粒子をシードとするシード重合であってもよい。また、シリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体との共重合体(2)を含むポリマー粒子は、シリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体との共重合体(2)単独のみならず、ウレタン樹脂(1)と重合性不飽和化合物[シリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体から選択された少なくとも一方の成分]との共重合などにより、ウレタン樹脂を含んでいてもよい。
【0040】
乳化重合は、慣用の乳化重合法に準じて行うことができる。乳化重合は、例えば、(a)ウレタン樹脂(1)と重合性不飽和化合物[シリコーン系マクロモノマーおよびビニル系単量体]との混合液を乳化重合する方法、(b)ウレタン樹脂(1)と前記重合性不飽和化合物のうち一方の成分との混合液と、他方の成分とを用いて乳化重合する方法、(c)ウレタン樹脂(1)で構成されたポリマー粒子の存在下、シリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体とを乳化重合系に添加して重合する方法などにより行うことができる。ウレタン樹脂(1)と重合性不飽和化合物との混合液や、シリコーン系マクロモノマーおよびビニル系単量体のうち少なくとも一方の成分は、予め乳化したプレエマルジョンとして用いてもよい。前記混合液や、前記重合性不飽和化合物は、一括して仕込んで重合してもよく、一部を仕込み、残部を添加して重合してもよい。シリコーン系マクロモノマー,ビニル系単量体やこれらの混合液は、乳化重合系に、滴下などにより、連続的に添加してもよく、間欠的に添加してもよい。また、乳化重合では、これらの方法を組み合わせた方法を採用してもよい。
【0041】
また、乳化重合においては、多段重合法などの慣用の方法も採用できる。多段重合は、例えば、少なくともウレタン樹脂(1)を含むポリマー粒子、またはウレタン樹脂(1)と一方の成分(シリコーン系マクロモノマーおよびビニル系単量体のうち一方の成分)との混合液を乳化重合して生成したポリマー粒子、又は他方の成分を乳化重合して生成したポリマー粒子の存在下、連続的に又は間欠的に、残りのシリコーン系マクロモノマーおよびビニル系単量体を添加して乳化重合する方法により行うことができる。この方法では、重合性不飽和化合物(シリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体)又は混合液の組成は、乳化重合工程の初期と後期とで異なっていてもよい。添加する混合液は、初期よりも後期の方が、シリコーン系マクロモノマーおよびビニル系単量体のうち少なくとも一方の成分(特に双方の成分)の割合は多く、通常、後期にはシリコーン系マクロモノマーおよびビニル系単量体のうち少なくとも一方の成分が用いられる。なお、重合性不飽和化合物として、不飽和カルボン酸、ヒドロキシル基又はアミノ基を有する化合物を用いて、多段重合する場合、ウレタン樹脂(1)を含む粒子の存在下、不飽和カルボン酸、ヒドロキシル基又はアミノ基を有する化合物を含む重合性不飽和化合物を、乳化重合の後期に重合させる場合が多い。
【0042】
乳化重合は、重合開始剤を用いて行うことができる。重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素などの水溶性重合開始剤が挙げられ、水溶性のレゾックス型重合開始剤系を構成してもよい。また、共重合体(2)の分子量を調整するために、連鎖移動剤、例えば、カテコールなどのアルコール類、チオール類、メルカプタン類などを用いてもよい。重合温度は、重合開始剤の種類に応じて、例えば、40〜100℃、好ましくは50〜90℃、さらに好ましくは60〜85℃程度である。
【0043】
乳化重合により得られた樹脂組成物(高分子水系エマルジョン)におけるポリマー粒子は、均質構造、非均質構造であってもよく、異相構造(例えば、コア・シェル構造、ミクロドメイン構造など)であってもよい。コア・シェル構造としては、コア層がシリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体との共重合体(2)、シェル層がウレタン樹脂(1)であってもよい。
【0044】
ポリマー粒子の平均粒子径は、分散安定性、密着性などを損なわない範囲、例えば、0.01〜5μm(例えば、0.01〜1μm)、好ましくは0.01〜2μm、さらに好ましくは0.01〜1μm程度の範囲から選択できる。
【0045】
エマルジョン(例えば、ウレタン樹脂(1)のエマルジョンなど)の調製や乳化重合に際して、乳化剤、例えば、アニオン系界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなど)、ノニオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマーなど)などの界面活性剤、ポリビニルアルコールや水溶性ポリマーなどの保護コロイドを用いることができる。乳化剤の使用量は、例えば、ウレタン樹脂(1)、シリコーン系マクロモノマーおよびビニル系単量体の総量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%。さらに好ましくは1〜8重量%程度である。
【0046】
なお、エマルジョンはpH調整してもよく、pHは、例えば、5以上(例えば、5〜10)、好ましくは6〜9程度の中性〜弱アルカリ性領域であってもよい。
【0047】
樹脂組成物には、熱転写時の離型性や記録画像の耐侯性の向上などのために、例えば、滑性物質(フッ素樹脂、シリコン樹脂、有機スルホン酸塩化合物、有機リン酸塩化合物、有機カルボン酸塩化合物など)、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、ラジカル捕捉剤、消光剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、消泡剤などの添加剤を添加してもよい。
【0048】
本発明の樹脂組成物は、汎用のウレタン樹脂(1)と、シリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体との共重合体(2)という簡単な組成であっても、受像体の受容層に適用すると、熱転写時の剥離性に優れ、高品質の画像を形成できる。
【0049】
[感熱転写記録用受像体]
受像体の基材としては、例えば、天然紙、合成紙(例えば、ポリプロピレン系、ポリスチレン系、ポリエステル系合成紙など)、プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルフィルムなど)、またはこれらの積層体などを用いることができる。好ましい基材には、合成紙、プラスチックフィルムが含まれる。基材の厚みは、用途に応じて、例えば、5〜500μm、好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは50〜200μm程度の範囲から選択できる。基材、特に合成紙やプラスチックフィルムには、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などの安定剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、顔料などの添加剤を添加してもよい。
【0050】
受像体は、基材の少なくとも一方の面に、前記樹脂組成物を含む受容層を有している。この受容層は、樹脂組成物を含む塗布液を基材に塗布し、乾燥して形成できる。この塗布液は、樹脂組成物を、適当な溶媒(例えば、水、水性あるいは非水性の有機溶媒、またはこれらの混合溶媒など)を用いて調製できる。なお、樹脂組成物が水性エマルジョンの場合、塗布液は水性である。
【0051】
塗布液の塗布方法としては、慣用の方法、例えば、グラビアやリバースなどのロールコーティング法、ドクターナイフ法、ナイフコーティング法、ノズルコーティング法などを採用できる。
【0052】
受像体の受容層は、単層体、積層体のいずれであってもよく、通常、単層体である。
【0053】
受容層の厚みは、基材や使用目的に応じて、例えば、0.1μm以上(例えば、0.1〜50μm)、好ましくは0.5μm以上(例えば、0.5〜40μm)、さらに好ましくは1〜30μm程度の範囲から選択できる。
【0054】
本発明の受像体は、昇華性染料を含有する熱転写シートと組み合わせて用いられる。本発明の受像体は、熱転写方法、例えば、受像体と、昇華性染料を含有する熱転写シートとを接触させ、サーマルヘッドなどを用いて加熱することにより、熱転写シートの染料を受像体に移行させ、受像体に画像を形成するのに有用である。
【0055】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、ウレタン樹脂(1)およびシリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体との共重合体(2)で構成されているため、この樹脂組成物により形成された感熱転写記録用受像体は、画像形成過程又は熱転写における熱転写シートとの剥離性に優れ、かつ画像品質を向上できる。さらに、受像体は、熱転写シートとの剥離性を高いレベルに維持しつつ、発色濃度が高く、鮮明性に優れた記録画像を形成できる。
【0056】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0057】
実施例1
攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、ウレタンエマルジョン(商品名:ユーコートUWS−145、固形分濃度35重量%、三洋化成(株)製)286gおよびイオン交換水32gを仕込み攪拌し、75℃に加温した。メチルメタクリレート73g、ブチルアクリレート24g、シリコーン系マクロモノマー(商品名:サイラプレーン FM−0711、チッソ(株)製)3g、界面活性剤(商品名:ニューコール707SF、日本乳化剤社製)5gおよびイオン交換水60gの混合物と、触媒水溶液(過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水16.5gに溶解させた水溶液)とを2時間かけて反応容器に滴下した。さらに1時間反応を保持した後、室温に冷却して、反応容器内の反応混合物(高分子エマルジョン)を取り出した。高分子エマルジョンの性状は、固形分濃度44重量%、pH7.7、粘度380cps(30℃)であった。
【0058】
実施例2
攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、ウレタンエマルジョン(商品名:ユーコートUWS−145、固形分濃度35重量%、三洋化成(株)製)286gおよびイオン交換水32gを仕込み攪拌し、75℃に加温した。メチルメタクリレート70g、ブチルアクリレート23g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)製、A−174)4g、シリコーン系マクロモノマー(商品名:サイラプレーンFM−0711、チッソ(株)製)3g、界面活性剤(商品名:ニューコール707SF、日本乳化剤社製)5gおよびイオン交換水60gの混合物と、触媒水溶液(過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水16.5gに溶解させた水溶液)とを2時間かけて反応容器に滴下した。さらに1時間反応を保持したのち、室温に冷却して、反応容器内の反応混合物(高分子エマルジョン)を取り出した。高分子エマルジョンの性状は、固形分濃度43重量%、pH7.6、粘度102cps (30℃)であった。
実施例3
攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、ウレタンエマルジョン(商品名:NeoRezR−960、固形分濃度33重量%、ゼネカ(株)製)303gおよびイオン交換水15gを仕込み攪拌し、75℃に加温した。メチルメタクリレート70g、ブチルアクリレート23g、ジエチルアミノエチルメタクリレート4g、シリコーン系マクロモノマー(商品名:サイラプレーンFM−0711、チッソ(株)製)3g、界面活性剤(商品名:ニューコール707SF、日本乳化剤社製)5gおよびイオン交換水60gの混合物と、触媒水溶液(過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水16.5gに溶解させた水溶液)とを2時間かけて反応容器に滴下した。さらに1時間反応を保持したのち、室温に冷却して、反応容器内の反応混合物(高分子エマルジョン)を取り出した。高分子エマルジョンの性状は、固形分濃度44重量%、pH7.6、粘度235cps (30℃)であった。
【0059】
比較例1
攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、ウレタンエマルジョン(商品名:ユーコートUWS−145、固形分濃度35重量%、三洋化成(株)製)286gおよびイオン交換水32gを仕込み攪拌し、75℃に加温した。メチルメタクリレート76g 、ブチルアクリレート24g、界面活性剤(商品名:ニューコール707SF、日本乳化剤社製)5gおよびイオン交換水60gの混合物と、触媒水溶液(過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水16.5gに溶解させた水溶液)とを2時間かけて反応容器に滴下した。さらに1時間反応を保持したのち、室温に冷却して、反応容器内の反応混合物(高分子エマルジョン)を取り出した。高分子エマルジョンの性状は、固形分濃度44重量%、pH7.7、粘度330cps (30℃)であった。
【0060】
比較例2
攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、ウレタンエマルジョン(商品名:ユーコートUWS−145、固形分濃度35重量%、三洋化成(株)製)286gおよびイオン交換水32gを仕込み攪拌し、75℃に加温した。メチルメタクリレート73g、ブチルアクリレート23g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)製、A−174)4g界面活性剤(商品名:ニューコール707SF、日本乳化剤社製)5gおよびイオン交換水60gの混合物と、触媒水溶液(過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水16.5gに溶解させた水溶液)とを2時間かけて反応容器に滴下した。さらに1時間反応を保持したのち、室温に冷却して、反応容器内の反応混合物(高分子エマルジョン)を取り出した。高分子エマルジョンの性状は、固形分濃度43重量%、pH7.6、粘度92cps (30℃)であった。
【0061】
比較例3
攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、ウレタンエマルジョン(商品名:NeoRezR−960、固形分濃度33重量%、ゼネカ(株)製)303gおよびイオン交換水15gを仕込み攪拌し、75℃に加温した。メチルメタクリレート73g、ブチルアクリレート23g、ジエチルアミノエチルメタクリレート4g、界面活性剤(商品名:ニューコール707SF、日本乳化剤社製)5gおよびイオン交換水60gの混合物と、触媒水溶液(過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水16.5gに溶解させた水溶液)とを2時間かけて反応容器に滴下した。さらに1時間反応を保持したのち、室温に冷却して、反応容器内の反応混合物(高分子エマルジョン)を取り出した。高分子エマルジョンの性状は、固形分濃度44重量%、pH7.6、および粘度235cps (30℃)であった。
【0062】
比較例4
攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、界面活性剤(商品名:エマルゲン935、花王(株)製)4g、およびイオン交換水234gを仕込み攪拌し、75℃に加温した。スチレン120g、2−エチルヘキシルアクリレート30g、界面活性剤(商品名:エマルゲン935、花王(株)製)4g、およびイオン交換水90gの混合物と、触媒水溶液(過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水16.5gに溶解させた水溶液)とを2時間かけて反応容器に滴下した。さらに1時間反応を保持したのち、室温に冷却して、アンモニアで中和し、反応容器内の反応混合物(アクリルエマルジョン)を取り出した。アクリルエマルジョンの性状は、固形分濃度30重量%、pH7.0、粘度6cps (30℃)であった。
【0063】
比較例5
実施例1で用いたウレタンエマルジョンを用いた。
(感熱転写記録受像体の作製)
前記実施例および比較例のエマルジョンを、厚さ150μmのポリプロピレン系合成紙(王子油化合成紙社製:ユポFPG−150)上に、ワイヤーバーを用いて、10μmの乾燥塗膜が得られるように塗布し、110℃で10分間乾燥を行うことにより、染料受容層を有する熱転写記録用受像体を得た。
【0064】
(印字画像濃度の評価)
受像体(受像シート)に、昇華型デジタルカラープリンタCNP−1(キャラベルデータシステム社製)を用いて印画し、発色濃度を反射型マクベス濃度計RD−1255(サカタインクス(株)製)で測定した。なお、インクリボンはCNP−1専用のプリントセットP−PS100を用いた。また、印刷条件はマッキントッシュ(アップル社製)用のプリンタドライバの標準設定とした。
【0065】
そして、発色濃度を、シアン、マゼンタ、黄、黒の各色の反射濃度の最大値の総和として評価した。
【0066】
(剥離性の評価)
印刷時のインクリボンと受像シートの剥離性を、目視で観察し、下記の基準で評価した。
【0067】
○:熱融着などの異常転写がなく、円滑に印字できる
△:剥離音が大きい
×:異常転写が発生する
評価結果を表に示す。
【0068】
【表1】

Claims (3)

  1. ウレタン樹脂(1)と、下記式(a)
    (式中、R は水素原子又はメチル基、R はC 2−4 アルキレン基、R は同一又は異なってアルキル基又はアリール基、nは1以上の整数を示す)で表されるシリコーン系マクロモノマーと(メタ)アクリル系単量体との共重合体(2)とで構成された樹脂組成物で形成された染料受容層を有する感熱転写記録用受像体であって、前記樹脂組成物が、前記ウレタン樹脂(1)中に前記共重合体(2)が粒子状に分散し、かつコア・シェル構造又はミクロドメイン構造を有するポリマー粒子を含む水系エマルジョンである感熱転写記録用受像体。
  2. 式(a)で表されるシリコーン系マクロモノマーと(メタ)アクリル系単量体との割合が、前者/後者=0.1/99.9〜99.9/0.1(重量比)である請求項1記載の感熱転写記録用受像体。
  3. ウレタン樹脂(1)中に式(a)で表されるシリコーン系マクロモノマーと(メタ)アクリル系単量体との共重合体(2)が粒子状に分散し、かつコア・シェル構造又はミクロドメイン構造を有するポリマー粒子を含む水系エマルジョンを、基材の少なくとも一方の面に塗布して染料受容層を形成する請求項1記載の感熱転写記録用受像体の製造方法。
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