JPH10338750A - 熱転写記録用樹脂組成物および受像体 - Google Patents

熱転写記録用樹脂組成物および受像体

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JPH10338750A
JPH10338750A JP9149668A JP14966897A JPH10338750A JP H10338750 A JPH10338750 A JP H10338750A JP 9149668 A JP9149668 A JP 9149668A JP 14966897 A JP14966897 A JP 14966897A JP H10338750 A JPH10338750 A JP H10338750A
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Japan
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resin
resin composition
thermal transfer
meth
plasticizer
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JP9149668A
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Takaaki Fujiwa
高明 藤輪
Kazuya Kataoka
一也 片岡
Shin Takemoto
伸 竹本
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱転写記録用受像体の染料受容層により、発
色濃度が高く、滲みのない鮮明な記録画像を形成する。 【解決手段】 染料受容層を、常温で固体の可塑剤を含
む樹脂組成物(ウレタン樹脂(1)とビニル系重合体
(2)とを樹脂成分とする樹脂組成物)で形成する。常
温で固体の可塑剤には、フタル酸ジシクロヘキシルなど
が含まれ、固体可塑剤の含有量は、樹脂組成物の樹脂成
分100重量部に対して0.1〜50重量部程度であ
る。樹脂組成物の樹脂成分は、ウレタン樹脂(1)と、
このウレタン樹脂中に粒子状に分散した重合体(2)と
で構成してもよく、ウレタン樹脂(1)と、ビニル系重
合体(2)とで構成されたコア・シェル構造またはミク
ロドメイン構造を有するポリマー粒子を含む高分子水系
エマルジョンであってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写により染料
受容層に鮮明な記録画像を形成するのに有用な熱転写記
録用樹脂組成物、およびこの樹脂組成物を用いた熱転写
記録用受像体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写方法として、従来、種々の方法、
例えば、基材シート(例えば、ポリエステルフイルムな
ど)に昇華性染料などの記録剤を担持した熱転写シート
と、被転写材(例えば、紙やプラスチックフイルムな
ど)に昇華性染料で染着可能な染料受容層を形成した受
像シートとを接触させて、加熱により受像シート上に各
種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。
この方法では、加熱手段としてプリンターのサーマルヘ
ッドを使用し、極めて短時間の加熱によって3色又は4
色の多数の色ドットを受像シートに転移させ、原稿に対
応するフルカラー画像を再現している。このようにして
形成された画像は、色材が染料であるため非常に鮮明で
あり、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中
間色の再現性や階調性に優れ、フルカラー写真画像に匹
敵する高品質の画像が形成可能である。
【0003】熱転写方法では、熱転写シートの構成のみ
ならず、画像を形成する受像シートの構成も重要であ
る。熱転写記録受像シートとして、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などのハロゲン含有ビニ
ル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルブチラ
ール系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、オレ
フイン系樹脂、スチレン系樹脂などを用いて染科受容層
を形成したシートが知られている。このような熱転写記
録受像シートにおいて、転写される昇華性染料の染着性
を良好にするため、染着性の良好な樹脂を用いて染料受
容層を形成している。また、染着性を改善するには、染
料受容層を軟化させるため、樹脂に可塑剤を添加するの
が有効である。しかし、染料受容層の染着性を高めて画
像を形成すると、室温で保存中に画像が滲み、画像の鮮
明性および保存性が低下する。特開昭62−21119
5号公報には、ポリエステル、ポリスチレンなどの易可
染性樹脂と顔料とを含む混合物で、表面平滑性の高い受
像層を形成した熱転写記録用受像シートが提案されてい
る。この文献には、易可染性樹脂は、水溶型、エマルジ
ョン型であってもよいことが記載されている。特開昭6
2−189195号公報には、基材に担持された受像層
が、スチレン系樹脂で形成された被熱転写シートが開示
されている。しかし、染料染着性の高い樹脂は、軟化点
が低く、このような樹脂で熱転写記録受像シートの染料
受容層を形成して画像を形成すると、室温で保存中に画
像が滲み、画像のシャープ性および保存性が低下する。
しかも、画像形成時におけるサーマルヘッドの熱によっ
て、染料受容層と熱転写シートとが融着し、剥離時に大
きな剥離音が発生したり、熱転写シートの染料層ごと受
像シートへ転写する問題(いわゆる異常転写)が生じ
る。なお、画像の滲みを抑制するため、高軟化点の樹脂
で染料受容層を形成すると、熱転写シートに耐する剥離
性が向上するものの、染料受容層の発色濃度および画像
の鮮明性が低下する。
【0004】特開平6−24152号公報には、昇華転
写記録受像体の染料受容層を、極性基を1種以上有する
ポリエステル樹脂および重合性不飽和化合物の重合体に
よってコア・シェル構造を形成した複合高分子水系ディ
スパージョンで形成することが提案されている。これら
の受像体は、熱転写シートとの剥離性が高いものの、画
像の滲みを抑制しつつ、剥離性を高いレベルに維持し、
発色濃度や鮮明性を改善することは困難である。このよ
うに、染料の染着性を改善すると、画像の滲みが大きく
なるとともに剥離性が低下し、剥離性や保存性を改善す
ると、染料の染着性が低下し、高濃度で、しかも高い鮮
明性の画像を形成することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、画像の滲みを抑制できるとともに、発色濃度が高
く、鮮明性に優れた画像を形成できる熱転写記録用樹脂
組成物、およびこの樹脂組成物を用いた熱転写記録用受
像体とその製造方法を提供することにある。本発明の他
の目的は、昇華性染料を使用する熱転写方法において、
画像形成過程又は熱転写における熱転写シートとの剥離
性(離型性)に優れ、かつ高い品質の記録画像を形成で
きる熱転写記録用樹脂組成物、およびこの樹脂組成物を
用いた熱転写記録用受像体とその製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、熱転写記録用受像体
の染料受容層を、常温で固体の可塑剤を含む樹脂組成物
で形成すると、(1)熱転写過程では加熱に伴って可塑
剤が溶融・軟化して高い染着性を確保できること、
(2)発色濃度が高く、鮮明性に優れた記録画像を形成
できるとともに、熱転写における熱転写シートとの剥離
性を高いレベルに維持できること、(3)さらには、保
存過程では、可塑剤を含んでいても画像の滲みを長期間
に亘り抑制できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、熱転写記録用受像体
の染料受容層を形成するために利用され、常温で固体の
可塑剤を含んでいる。前記可塑剤には、フタル酸系可塑
剤などが含まれ、可塑剤の含有量は、例えば、樹脂組成
物の樹脂成分100重量部に対して0.1〜50重量部
程度である。前記樹脂組成物の樹脂成分は、ウレタン樹
脂(1)およびビニル系重合体(2)で構成でき、ウレタ
ン樹脂(1)中に重合体(2)が粒子状に分散していても
よい。さらに、樹脂組成物は、常温で固体の可塑剤とウ
レタン樹脂(1)とビニル系重合体(2)とで構成され、
かつコア・シェル構造又はミクロドメイン構造を有する
ポリマー粒子を含む水性エマルジョンであってもよい。
本発明には、染料受容層が、常温で固体の可塑剤を含む
樹脂組成物で構成されている熱転写記録用受像体も含ま
れる。また、本発明には、前記樹脂組成物を、基材の少
なくとも一方の面に塗布し、染料受容層を形成する熱転
写記録用受像体の製造方法も含まれる。なお、本明細書
において、「常温」とは、特に言及しない限り、10〜
30℃の温度を意味し、「固体」とは半固体状物質も含
む意味に用いる。「常温で固体の可塑剤」を単に「固体
可塑剤」と称する場合がある。昇華性染料とは、熱によ
り昇華する染料をいう。「熱転写記録用受像体」を単に
「受像体」、「染料受容層」を単に「受容層」と称する
場合がある。「アクリル系」単量体と「メタクリル系」
単量体とを「(メタ)アクリル系」単量体として総称す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】
[可塑剤]本発明の特色は、染料受容層を構成する樹脂
組成物が、常温で固体の可塑剤を含んでいる点にある。
このような可塑剤の融点は、例えは、30〜110℃
(例えば、30〜100℃)、好ましくは35〜75℃
程度であり、通常、35〜80℃(例えば、40〜75
℃)程度である。常温で固体の可塑剤としては、例え
ば、フタル酸エステル系可塑剤(フタル酸モノフェニ
ル,フタル酸ジフェニルなどのフタル酸C6-12アリール
エステル、フタル酸ジヘキサデシルなどのフタル酸C
14-20アルキルエステル、フタル酸モノシクロヘキシ
ル,フタル酸ジシクロヘキシルなどのフタル酸C4-10
クロアルキルエステル,フタル酸ジヒドロアビエチル、
フタル酸ジベンジルエステルなどのフタル酸アラルキル
エステルなど)、イソフタル酸系可塑剤(イソフタル酸
ジメチルなどのイソフタル酸ジアルキルエステルな
ど)、安息香酸エステル系可塑剤(安息香酸スクロー
ス,エチレングリコールジ安息香酸エステル,トリメチ
ロールエタントリ安息香酸エステル,トリメチロールプ
ロパントリ安息香酸エステル,グリセリントリ安息香酸
エステル,ペンタエリスリトールテトラ安息香酸エステ
ルなど)、イタコン酸エステル(イタコン酸メチル,イ
タコン酸ブチル,イタコン酸ジメチルなどのイタコン酸
1-10アルキルエステルなど)、脂肪酸多価アルコール
エステル系可塑剤(スクロースオクタアセテート,クエ
ン酸トリシクロヘキシル,ステアリン酸グリセライドな
ど)、スルホンアミド系可塑剤(N−シクロヘキシル−
p−トルエンスルホン酸アミドなど)、リン酸エステル
系可塑剤(トリフェニルホスフェートなど)、低分子量
ポリエチレン,低分子量ポリスチレン,塩素化パラフィ
ンなどが例示できる。これらの可塑剤は単独で又は二種
以上組み合わせて使用できる。なお、常温で液状の可塑
剤であっても、前記固体可塑剤と組み合わせることによ
り常温で固体であるかぎり、常温で固体の可塑剤として
有効に使用できる。好ましい可塑剤には、フタル酸エス
テル系可塑剤、特にフタル酸シクロアルキルエステル
(フタル酸ジシクロヘキシルなど)が含まれる。
【0008】可塑剤の含有量は、例えば、樹脂組成物の
樹脂成分100重量部に対して0.1〜50重量部、好
ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは5〜30重
量部程度の範囲から選択できる。固体可塑剤の使用量が
0.1重量部未満では印字画像の発色濃度が要求レベル
に達せず、50重量部を越えると、インクリボンなどの
熱転写シートとの剥離性が低下する場合がある。
【0009】染料受容層を構成する樹脂組成物の樹脂成
分の種類は特に制限されず、熱可塑性樹脂(アクリル系
樹脂,ポリ酢酸ビニルなどのビニルエステル系樹脂,塩
化ビニル系樹脂,オレフイン系樹脂,スチレン系樹脂,
ポリエステル系樹脂,ポリアミド系樹脂,熱可塑性ウレ
タン系樹脂,ポリカーボネート系樹脂,ポリビニルブチ
ラール系樹脂,セルロース系樹脂など)、熱硬化性樹脂
(エポキシ樹脂,ビニルエステル樹脂,ジアリルフタレ
ート樹脂、ポリウレタン樹脂,シリコーン樹脂など)の
いずれであってもよい。これらの樹脂成分は単独で又は
二種以上組み合わせて使用できる。好ましい樹脂成分に
は、アクリル系樹脂,ビニルエステル系樹脂,塩化ビニ
ル系樹脂,スチレン系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリ
アミド系樹脂,熱可塑性ウレタン系樹脂,セルロース系
樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性
樹脂、およびこれらの組合わせが含まれる。
【0010】なお、固体可塑剤を用いても、前記樹脂成
分(特に水性エマルジョンの形態のポリマー粒子)と組
合わせると、チョーキングを防止できる。
【0011】好ましい樹脂成分は、熱可塑性樹脂、特に
ウレタン樹脂(1)およびビニル系重合体(2)(アクリ
ル系樹脂,ビニルエステル系樹脂,塩化ビニル系樹脂,
オレフイン系樹脂,スチレン系樹脂など)から選択され
た少なくとも一種の組合わせで構成されている。
【0012】[ウレタン樹脂(1)]ウレタン樹脂(1)
には、ポリイソシアネート成分とポリオール成分との反
応により得られる種々のウレタン樹脂が含まれ、ポリア
ミン成分を鎖伸長剤として使用してもよい。前記ウレタ
ン樹脂(1)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用
できる。ポリイソシアネート成分には、例えば、芳香族
ポリイソシアネート(例えば、m−フェニレンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−
トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネ
ート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどのジイ
ソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート
などのポリイソシアネートなど)、芳香脂肪族ポリイソ
シアネート(例えば、1,3−キシリレンジイソシアネ
ート、1,4−キシリレンジイソシアネート、テトラメ
チルキシリレンジイソシアネートなどのジイソシアネー
ト、1,3,5−トリイソシアネートメチルベンゼンな
どのポリイソシアネートなど)、脂環式ポリイソシアネ
ート(例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロ
ヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、シクロ
ヘキサン−1,4−ジイソシアネートなどのジイソシア
ネート、1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサ
ンなどのポリイソシアネートなど)、脂肪族ポリイソシ
アネート(例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイ
ソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシ
アネートなどの脂肪族ポリイソシアネートなど)などが
含まれる。これらのポリイソシアネート成分は単独で又
は二種以上組合わせて使用できる。ポリイソシアネート
成分には、通常、ジイソシアネート成分が使用される。
【0013】なお、ポリイソシアネート成分は、多価ア
ルコールにポリイソシアネート化合物が付加し、末端に
イソシアネート基を有するアダクト体、ビュレット反応
により生成したシアヌレート体、二量体、三量体として
使用してもよい。
【0014】ポリオール成分としては、例えば、ポリエ
ステルポリオール、ポリエーテルポリオール(例えば、
ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,
ポリオキシテトラメチレングリコールなどのオキシ−C
2-4 アルキレン単位を有するポリエーテルジオールな
ど)、ポリエステル−ポリエーテルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオール(例えば、ポリカーボネートジオ
ールなど)、アクリルポリオールなどが挙げられる。ポ
リエステルポリオールは、多価アルコールと、多価カル
ボン酸又はその低級アルキルエステル若しくは酸無水物
との反応により得られるヒドロキシル基含有ポリエステ
ル(特にポリエステルジオール)であり、ラクトンから
誘導されたポリエステルであってもよい。ポリオール成
分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。ポ
リオール成分としては、ジオール成分(例えば、ポリエ
ステルジオールなど)を用いる場合が多い。
【0015】ポリエステルポリオールを調製するための
多価アルコールには、例えば、脂肪族多価アルコール
(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコールなどのC2-10アルキレンジ
オール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリオ
キシ−C2-4 アルキレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオールな
ど)、脂環式多価アルコール(例えば、1,4−シクロ
ヘキサンジメチロール、水素化ビスフェノールAなどの
脂環式ジオールなど)、芳香族多価アルコール[例え
ば、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチルフェニル)プ
ロパンなどの芳香族ジオールなど]などが含まれる。多
価アルコールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用
できる。多価アルコールは、通常、脂肪族ジオールであ
る。
【0016】多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族
多価カルボン酸(例えば、アジピン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの
飽和脂肪族ジカルボン酸、マレイン酸などの不飽和脂肪
族ジカルボン酸など)、脂環族多価カルボン酸(例え
ば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族
ジカルボン酸など)、芳香族多価カルボン酸(例えば、
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフ
タレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、トリメ
リット酸などの芳香族多価カルボン酸など)などが例示
される。多価カルボン酸は、単独で又は二種以上組み合
わせて使用できる。ラクトンには、例えば、ブチロラク
トン、バレロラクトン、カプロラクトンなどが含まれ、
単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
【0017】なお、鎖伸長剤としてのポリアミン成分と
しては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、1,
7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、キ
シリレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、
イソホロンジアミン、フェニレンジアミンなどのジアミ
ン類、トリアミノプロパンなどのポリアミン類などが挙
げられる。
【0018】本発明では、ウレタン樹脂(1)は、有機
溶媒溶液、水溶液、水性エマルジョンとして用いてもよ
い。このような水溶液又は水性エマルジョンは、ウレタ
ン樹脂(1)を、乳化剤を用いて、溶解又は乳化分散さ
せて調製してもよく、ウレタン樹脂の分子内に遊離のカ
ルボキシル基,スルホン酸基や3級アミノ基などのイオ
ン性官能基を導入し、アルカリや酸を用いて、ウレタン
樹脂を溶解又は分散させることにより調製してもよい。
このような分子内に遊離のカルボキシル基,スルホン酸
基や3級アミノ基が導入されたウレタン樹脂は、ポリイ
ソシアネート成分と、遊離のカルボキシル基,スルホン
酸基又は3級アミノを有するジオール(特に高分子ジオ
ール)成分との反応により得られる。なお、前記遊離の
カルボキシル基,スルホン酸基を有するジオール(特に
高分子ジオール)は、例えば、ジオール成分と、3以上
のカルボキシル基を有する多価カルボン酸,スルホン酸
基を有する多価カルボン酸又はその酸無水物(例えば、
無水ピロメリット酸などの4塩基酸無水物など)との反
応、または開始剤としてジヒドロキシカルボン酸(ジメ
チロールプロピオン酸など)を用い、ラクトンを開環重
合する方法などにより得られる。また、3級アミノ基を
有するジオール(特に高分子ジオール)は、開始剤とし
てN−アルキルジアルカノールアミン(N−メチルジエ
タノールアミンなど)を用い、アルキレンオキサイドや
ラクトンを開環重合して得られる。
【0019】このようなウレタン樹脂は、通常、加水分
解縮合性のシリル基などを含んでおらず、非反応性であ
る。そのため、常温で硬化することなく、取り扱い性が
高い。特に、エマルジョンなどの水系であっても安定性
が高い。
【0020】[重合体(2)]本発明の樹脂組成物の樹
脂成分は、前記ウレタン樹脂(1)単独で構成してもよ
いが、前記ウレタン樹脂(1)をビニル系重合体(2)と
組み合わせて使用するのが有用である。ビニル系重合体
(2)を形成するためのビニル系単量体には、例えば、
(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル類、不飽和カ
ルボン酸類、ビニルエステル類、ハロゲン含有ビニル
類、ビニルエーテル類(例えば、ビニルエチルエーテ
ル,ビニルイソブチルエーテルなど)、ビニルケトン類
(例えば、メチルビニルケトンなど)、ビニル複素環化
合物(例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミ
ダゾールなどのN−ビニル化合物、ビニルピリジンな
ど)、オレフィン系単量体(例えば、エチレン、プロピ
レンなど)、アリル化合物(例えば、アリルアルコー
ル,アリルエーテル,酢酸アリルなどのアリルエステル
など)、加水分解性シリル基を有する単量体などが含ま
れる。ビニル系単量体は、単独で又は二種以上組み合わ
せて使用できる。
【0021】(メタ)アクリル系単量体には、例えば、
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド類、
(メタ)アクリロニトリルなどが含まれる。(メタ)ア
クリレートには、例えば、アルキル(メタ)アクリレー
ト[例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イ
ソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
トなどのC1-18アルキル(メタ)アクリレートなど]、
シクロアルキル(メタ)アクリレート[例えば、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレートなど]、アリール(メ
タ)アクリレート[例えば、フェニル(メタ)アクリレ
ートなど]、アラルキル(メタ)アクリレート[例え
ば、ベンジル(メタ)アクリレートなど]、ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート[例えば、2−ヒドロキ
シエチル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
トなどのヒドロキシ−C2-4 アルキル(メタ)アクリレ
ートなど]、グリシジル(メタ)アクリレート、ジアル
キルアミノ−アルキル(メタ)アクリレート[例えば、
2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、
2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレートな
どのジC1-4 アルキルアミノ−C2-4 アルキル(メタ)
アクリレートなど]などが含まれる。
【0022】(メタ)アクリルアミド類には、例えば、
(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリルアミド[例えば、N−メチロール(メタ)アク
リルアミドなどのN−ヒドロキシ−C1-4 アルキル(メ
タ)アクリルアミドなど]、アルコキシアルキル(メ
タ)アクリルアミド[例えば、N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミドなどのN−C1-4 アルコキシ−C
1-4 アルキル(メタ)アクリルアミドなど]、ジアセト
ン(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。好ましい
(メタ)アクリル系単量体には、例えば、(メタ)アク
リレート[例えば、C1-18アルキル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシ−C2-4 アルキル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、ジC1-4 アルキ
ルアミノ−C2-4 アルキル(メタ)アクリレートな
ど]、(メタ)アクリルアミド類などが含まれる。さら
に好ましくはC2-10アルキルアクリレート、C1-6 アル
キルメタクリレート、ヒドロキシ−C2-3 アルキル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
ジC1-3 アルキルアミノ−C2-3 アルキル(メタ)アク
リレートが含まれる。
【0023】加水分解性シリル基を有する単量体には、
(メタ)アクリル系単量体、ビニル基やアルケニル基を
有する単量体などが含まれる。加水分解性シリル基を有
する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、2−
(メタ)アクリロキシエチルトリクロロシラン、3−
(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、2−
(メタ)アクリロキシエチルメチルジクロロシラン、2
−(メタ)アクリロキシエチルジメチルクロロシラン、
2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、
2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、
3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(2−
メトキシエトキシ)シランなどが例示できる。
【0024】加水分解性シリル基とビニル基やアルケニ
ル基を有する単量体としては、例えば、ビニルトリクロ
ロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、イソプロペニ
ルトリクロロシラン、イソプロペニルジメチルクロロシ
ランなど;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジ
エトキシメチルシラン、イソプロペニルトリメトキシシ
ラン、イソプロペニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス(2−メトキシエトキシ)シランなど;アリルトリク
ロロシラン、アリルメチルジクロロシランなど;アリル
トリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラ
ン、イソプロペニルフェニルトリメトキシシランなど;
3−[2−(アリルオキシカルボニル)フェニルカルボ
ニルオキシ]プロピルトリメトキシシラン、3−[2−
(イソプロペニルメチルオキシカルボニル)フェニルカ
ルボニルオキシ]プロピルトリメトキシシランなど;3
−(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラ
ン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリエトキ
シシランなど;3−[2−(N−ビニルフェニルメチル
アミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトシキシラン、
3−[2−(N−イソプロペニルフェニルメチルアミ
ノ)エチルアミノ]プロピルトリエトキシシランなど;
2−(ビニルオキシ)エチルトリメトキシシラン、3−
(ビニルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、4−
(ビニルオキシ)ブチルトリエトキシシラン、2−(イ
ソプロペニルオキシ)エチルトリメトキシシランなど;
3−(アリルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、1
0−(アリルオキシカルボニル)デシルトリメトキシシ
ラン、3−(イソプロペニルメトキシ)プロピルトリメ
トキシシランなど;3−[(メタ)アクリロキシエトキ
シ]プロピルトリメトキシシラン、3−[(メタ)アク
リロキシエトキシ]プロピルジメトキシメチルシランな
ど]など;ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエト
キシシラン、ジビニルジ(β−メトキシエトキシ)シラ
ンなどが例示できる。
【0025】不飽和カルボン酸類には、例えば、不飽和
モノカルボン酸[例えば、(メタ)アクリル酸、クロト
ン酸などのエチレン系不飽和モノカルボン酸など]、不
飽和多価カルボン酸[例えば、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸などのエチレン系不飽和多価カルボン酸又は
その酸無水物(無水マレイン酸など)若しくはエステル
類(例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブ
チルなどの2価カルボン酸のモノアルキルエステルな
ど)など]などが含まれる。好ましい不飽和カルボン酸
には、例えば、(メタ)アクリル酸などのモノカルボン
酸、マレイン酸などの多価カルボン酸又はその酸無水物
若しくはエステル類などが含まれる。
【0026】芳香族ビニル類には、例えば、スチレン、
α−メチルスチレン、α−ハロスチレン、アルキル置換
スチレン類(ビニルトルエン,p−エチルスチレンな
ど)、ハロゲン置換スチレン類(クロロスチレンなど)
などが含まれる。好ましい芳香族ビニル類には、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン(特にスチレ
ン)が含まれる。ビニルエステル類には、例えば、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル
(VeoVaなど)などが含まれる。ハロゲン含有ビニ
ル類には、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどが
含まれる。
【0027】好ましいビニル系重合体(2)には、(メ
タ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸エステルな
ど)、芳香族ビニル類(スチレンなど)、不飽和カルボ
ン酸類((メタ)アクリル酸,マレイン酸など)、ビニ
ルエステル類(酢酸ビニルなど)、ハロゲン含有ビニル
類(塩化ビニルなど)、加水分解性シリル基を有する単
量体から選択された少なくとも一種の単量体の単独又は
共重合体が含まれる。特に、ビニル系重合体(2)とし
ては、(メタ)アクリル系単量体を用いたアクリル系樹
脂((メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体)、
芳香族ビニル類を用いたスチレン系樹脂(スチレンと
(メタ)アクリル系単量体との共重合体など)が好まし
い。
【0028】ウレタン樹脂(1)と重合体(2)との割合
は、剥離性、発色濃度、鮮明性を損なわない範囲、例え
ば、前者/後者=99.5/0.5〜20/80(重量
%)[例えば、99.5/0.5〜40/60(重量
%)]程度の範囲から選択でき、前者/後者=99/1
〜50/50(重量%)、特に98/2〜60/40
(重量%)程度であってもよい。
【0029】樹脂組成物は、ウレタン樹脂(1)と重合
体(2)との混合物(特に、塗布可能な有機溶媒溶液又
は分散液)として使用できる。有機溶媒としては、コー
ティング剤として一般に使用される溶媒、例えば、脂肪
族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環族炭化水素類(シ
クロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン,キ
シレンなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロエタン
など)、アルコール類(エタノール,イソプロパノール
など)、エステル類(酢酸エチルなど)、ケトン類(ア
セトン,メチルエチルケトンなど)、エーテル類(ジエ
チルエーテル,テトラヒドロフランなど)、セロソルブ
類(エチルセロソルブなど)、又はこれらの混合溶媒が
例示できる。
【0030】樹脂組成物は、ウレタン樹脂(1)および
重合体(2)のいずれか一方の成分がマトリックスを構
成し、他方の成分がマトリックス中に粒子状に分散した
形態、特にマトリックスとしてのウレタン樹脂(1)中
に重合体(2)が粒子状に分散している形態を有するの
が好ましい。分散粒子(重合体(2)など)の平均粒子
径は、例えば、0.001〜5μm(例えば、0.00
5〜2μm)、好ましくは0.01〜2μm(例えば、
0.01〜1.5μm)、さらに好ましくは0.01〜
1μm程度の範囲から選択できる。一方の成分(例え
ば、重合体(2))が粒子状に分散した樹脂組成物は、
一方の成分(例えば、重合体(2))を粒子状の形態を
保持しつつ、他方の成分(例えば、ウレタン樹脂
(1))と混合して調製してもよい。好ましい調製方法
としては、例えば、ウレタン樹脂(1)のエマルジョン
と、重合体(2)のエマルジョンとを混合する方法、ウ
レタン樹脂(1)で構成されたポリマー粒子を含むエマ
ルジョンの存在下、ビニル系単量体を乳化重合する方法
などが例示できる。この乳化重合は、前記ウレタン樹脂
(1)を含むポリマー粒子をシードとするシード重合で
あってもよい。また、重合体(2)を含むポリマー粒子
は、重合体(2)単独のみならず、ウレタン樹脂(1)と
重合体(2)とで構成してもよい。
【0031】乳化重合は、慣用の乳化重合法、例えば、
(a)ウレタン樹脂(1)及びビニル系単量体の混合溶液
を乳化重合する方法、(b)ウレタン樹脂(1)で構成さ
れたポリマー粒子の存在下で、ビニル系単量体単独、ま
たはビニル系単量体とウレタン樹脂(1)との混合溶液
を乳化重合する方法などにより行うことができる。ウレ
タン樹脂(1)及びビニル系単量体の混合溶液やビニル
系単量体は、予め乳化したプレエマルジョンとして用い
てもよい。前記混合溶液やビニル系単量体は、一括して
仕込んで重合してもよく、一部を仕込み、残部を添加し
て重合してもよい。混合溶液やビニル系単量体は、乳化
重合系に、滴下などにより、連続的に添加してもよく、
間欠的に添加してもよい。また、乳化重合では、これら
の方法を組み合わせた方法を採用してもよい。
【0032】乳化重合においては、多段重合法などの慣
用の方法も採用できる。多段重合は、例えば、少なくと
もウレタン樹脂(1)を含むポリマー粒子、またはウレ
タン樹脂(1)とビニル系単量体との混合溶液の乳化重
合により生成したポリマー粒子の存在下、連続的に又は
間欠的に、ビニル系単量体、またはウレタン樹脂(1)
とビニル系単量体との混合溶液を多段に添加して乳化重
合する方法により行うことができる。この方法では、添
加するビニル系単量体又は混合溶液の組成は、乳化重合
工程の初期と後期とで異なっていてもよい。例えば、初
期よりも後期の段階で、添加する混合溶液中のビニル系
単量体の割合を多くし、後期にはビニル系単量体を用い
てもよい。
【0033】乳化重合は、重合開始剤、例えば、過硫酸
カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなど
の過硫酸塩、過酸化水素などの水溶性重合開始剤を用い
て行うことができ、重合開始剤は、水溶性のレゾックス
型重合開始剤系を構成してもよい。重合体(2)の分子
量を調整するために、連鎖移動剤、例えば、カテコール
などのアルコール類、チオール類、メルカプタン類など
を用いてもよい。重合温度は、重合開始剤の種類に応じ
て、例えば、30〜100℃程度の範囲から選択でき
る。
【0034】乳化重合により得られる固体可塑剤含有樹
脂組成物(高分子水系エマルジョン)におけるポリマー
粒子は、均質構造であってもよく、異相構造(例えば、
コア・シェル構造、ミクロドメイン構造など)であって
もよい。コア・シェル構造において、コア層はウレタン
樹脂(1)又は重合体(2)、シェル層は重合体(2)又
はウレタン樹脂(1)で構成してもよい。
【0035】ポリマー粒子の平均粒子径は、分散安定
性、密着性などを損なわない範囲、例えば、0.01〜
5μm(例えば、0.01〜1μm)、好ましくは0.
01〜2μm、さらに好ましくは0.01〜1μm程度
の範囲から選択できる。
【0036】エマルジョン(例えば、ウレタン樹脂
(1)のエマルジョンなど)の調製や乳化重合には、乳
化剤を使用でき、乳化剤には、例えば、アニオン系界面
活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリ
ル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸
ナトリウムなど)、ノニオン系界面活性剤(例えば、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレ
ンブロックコポリマーなど)などの界面活性剤、ポリビ
ニルアルコールや水溶性ポリマーなどの保護コロイドを
用いることができる。乳化剤の使用量は、例えば、固体
可塑剤、ウレタン樹脂(1)およびビニル系単量体の総
量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜8
重量%。さらに好ましくは1〜8重量%程度である。
【0037】なお、エマルジョンはpH調整してもよ
く、エマルジョンのpHは、例えば、5以上(例えば、
5〜10)、好ましくは6〜9程度の中性〜弱アルカリ
性領域であってもよい。ビニル系重合体のガラス転移温
度(Tg)は、例えば、−20℃〜50℃、好ましくは
−10℃〜40℃程度である。また、水性エマルジョン
の最低成膜温度(MFT)は、例えば、0〜40℃、好
ましくは0〜35℃程度である。
【0038】固体可塑剤は、予め、ウレタン樹脂
(1)、ビニル系単量体、又はウレタン樹脂(1)とビニ
ル系単量体との混合溶液に含有させて前記乳化重合に用
いてもよい。なお、ウレタン樹脂やビニル系単量体の種
類によっては、固体可塑剤の種類や含有量が制限された
り、固体可塑剤の種類によってはエマルジョンの安定性
を損なう場合がある。このような場合、分散剤と水とを
用いて固体可塑剤を分散させた水分散液を調製し、乳化
重合などにより調製した水性エマルジョンと混合するの
が有用である。
【0039】樹脂組成物には、熱転写時の離型性や記録
画像の耐候性などを向上させるため、例えば、フッ素樹
脂、シリコーン樹脂、有機スルホン酸塩化合物、有機リ
ン酸塩化合物、有機カルボン酸塩化合物などの滑性物
質、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などの安定
剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、帯電防止剤、増粘剤、消
泡剤などの添加剤を添加してもよい。
【0040】本発明の樹脂組成物は、アクリルウレタン
シリコン樹脂などの特殊な樹脂を用いることなく、受像
体の受容層に適用すると、発色濃度が高く、しかも画像
の滲みを抑制でき、鮮明性に優れる高品質画像を長期間
に亘り維持できる。また、熱転写時の剥離性にも優れ、
高品質の画像を円滑に形成できる。
【0041】[熱転写記録用受像体]受像体の基材とし
ては、例えば、天然紙、合成紙(例えば、ポリプロピレ
ン系、ポリスチレン系、ポリエステル系合成紙など)、
プラスチックフィルム(例えば、ポリアルキレンテレフ
タレート(ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレン
テレフタレートなど)などのポリエステルフィルム,ポ
リプロピレンなどのオレフィン系フィルム、ナイロンな
どのポリアミドフィルムなど)、またはこれらの積層体
などを用いることができる。好ましい基材には、耐熱性
基材、例えば、合成紙、プラスチックフィルムが含まれ
る。基材の厚みは、用途に応じて、例えば、5〜500
μm、好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは
50〜200μm程度の範囲から選択できる。基材に
は、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、熱安定剤などの安定剤、滑剤、帯電防止剤、充填
剤、顔料などの添加剤を添加してもよい。
【0042】本発明の受像体は、基材の少なくとも一方
の面に、前記樹脂組成物で構成された受容層を有してい
る。この受容層は、樹脂組成物を含む塗布液を基材に塗
布し、乾燥することにより形成できる。この塗布液は、
樹脂組成物を、適当な溶媒(例えば、水、水性あるいは
非水性の有機溶媒、またはこれらの混合溶媒など)を用
いて調製できる。なお、樹脂組成物が水性エマルジョン
の場合、塗布液は水性である。塗布液の塗布方法として
は、慣用の方法、例えば、グラビアやリバースなどのロ
ールコーティング法、ドクターナイフ法、ナイフコーテ
ィング法、ノズルコーティング法などを採用できる。
【0043】受像体の受容層の層構造は、単層、複数層
のいずれであってもよく、通常、単層である。受容層の
厚みは、基材や使用目的に応じて、例えば、0.1μm
以上(例えば、0.1〜50μm)、好ましくは0.5
μm以上(例えば、0.5〜40μm)、さらに好まし
くは1〜30μm程度の範囲から選択できる。
【0044】本発明の受像体は、昇華性染料を含有する
熱転写シートと組み合わせて用いられる。本発明の受像
体は、熱転写方法、例えば、受像体の染料受容層と、昇
華性染料を含有する熱転写シートとを接触させ、サーマ
ルヘッドなどを用いて加熱することにより、熱転写シー
トの染料を受像体に移行させ、受像体に画像を形成する
のに有用である。
【0045】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、固体可塑剤を含
むため、熱転写記録用受像体に適用すると、発色濃度が
高く、鮮明性に優れる高品質の画像を形成できるととも
に、画像の滲みを抑制できる。また、画像形成過程又は
熱転写における熱転写シートとの剥離性が高い。そのた
め、熱転写シートとの剥離性を高いレベルに維持しつ
つ、高品質の画像を長期間に亘り維持できる。
【0046】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこの実施例により限定されるも
のではない。 [固体可塑剤の水分散液の調製]乳鉢で細かくすり潰し
たフタル酸ジシクロヘキシル63.6重量部、イオン交
換水24.1重量部、分散剤12.1重量部、シリコー
ン系消泡剤0.2重量部を混合し、これらの混合物と同
重量のセラミックスビーズを容器に入れ、デゾルバを用
いて回転速度1200rpmで1時間撹拌し、固体可塑
剤の水分散液を調製した。
【0047】実施例1 攪拌機、窒素導入管を備えた1リットル反応容器に、ウ
レタンエマルジョン(商品名:NeoRez R-960,固形分濃
度33重量%,ゼネカ(株)製)303gおよびイオン
交換水15gを仕込み、撹拌しながら、75℃に加温し
た。メチルメタクリレート73.3g、ブチルアクリレ
ート23.4g、3−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン日本ユニカー(株)製,A−174)3.3
g、界面活性剤(日本乳化剤社製,ニューコール707
SF)5gおよびイオン交換水60gを予め撹拌して乳
化させた乳化物と、触媒水溶液(過硫酸カリウム0.5
gとイオン交換水16.5gとの水溶液)とを2時間か
けて反応容器に滴下した。さらに1時間反応した後、室
温に冷却して、水性樹脂エマルジョン(固形分濃度44
重量%、pH7.5、粘度64cps(30℃))を得
た。
【0048】この水性樹脂エマルジョン100重量部
(樹脂成分換算44重量部)に対して固体可塑剤の水分
散液3.5重量部(固体可塑剤換算2.2重量部)を添
加して混合し、水性樹脂組成物を調製した。
【0049】実施例2 実施例1で得られた水性樹脂エマルジョン100重量部
(樹脂成分換算44重量部)に対して固体可塑剤の水分
散液7重量部(固体可塑剤換算4.5重量部)を添加す
る以外、実施例1と同様にして水性樹脂組成物を調製し
た。
【0050】比較例1 実施例1で得られた水性樹脂エマルジョンに固体可塑剤
を添加することなく、実施例1と同様にして水性樹脂組
成物を調製した。
【0051】(熱転写記録受像体の作製)前記実施例お
よび比較例のエマルジョンを、厚さ150μmのポリプ
ロピレン系合成紙(王子油化合成紙社製:ユポFPG−
150)上に、ワイヤーバーを用いて、10μmの乾燥
塗膜が得られるように塗布し、110℃で10分間乾燥
を行うことにより、染料受容層を有する熱転写記録用受
像体を得た。
【0052】(印字画像濃度の評価)受像体(受像シー
ト)に、昇華型デジタルカラープリンタDPP−M1
(ソニー社製)を用いて印画し、発色濃度を反射型マク
ベス濃度計RD−1255(サカタインクス社製)で測
定した。なお、インクリボンはDPP−M1専用のプリ
ントパックVPM−P50STAを用いた。また、印刷
条件はマッキントッシュ(アップル社製)用のプリンタ
ドライバ(ソニー社製)の標準設定とした。そして、発
色濃度を、シアン、マゼンタ、黄、黒の各色の反射濃度
の最大値の総和として評価した。
【0053】(剥離性の評価)印刷時のインクリボンと
受像シートの剥離性を、目視で観察し、下記の基準で評
価した。 ○:熱融着などの異常転写がなく、円滑に印字できる △:剥離音が大きい ×:異常転写が発生する 評価結果を表に示す。
【0054】
【表1】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱転写記録用受像体の染料受容層を形成
    するための樹脂組成物であって、常温で固体の可塑剤を
    含む熱転写記録用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 可塑剤がフタル酸エステル系可塑剤であ
    る請求項1記載の熱転写記録用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 可塑剤の含有量が、樹脂組成物の樹脂成
    分100重量部に対して0.1〜50重量部である請求
    項1記載の熱転写記録用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 樹脂組成物の樹脂成分が、ウレタン樹脂
    (1)およびビニル系重合体(2)で構成されている請求
    項1記載の熱転写記録用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ウレタン樹脂(1)中に重合体(2)が粒
    子状に分散している請求項4記載の熱転写記録用樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 樹脂組成物が、常温で固体の可塑剤とウ
    レタン樹脂(1)とビニル系重合体(2)とで構成され、
    かつコア・シェル構造又はミクロドメイン構造を有する
    ポリマー粒子を含む水性エマルジョンである請求項1記
    載の熱転写記録用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 染料受容層が、常温で固体の可塑剤を含
    む樹脂組成物で構成されている熱転写記録用受像体。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の樹脂組成物を基材の少な
    くとも一方の面に塗布し、染料受容層を形成する熱転写
    記録用受像体の製造方法。
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