JP4205021B2 - ファイバホルダ用スペーサ - Google Patents

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Description

本発明は、光通信分野等で用いられる光ファイバの被覆除去や切断を行う加工機器において、光ファイバの加工寸法に合わせた位置決めを行う光ファイバ加工機器用スペーサに関する。
光通信等に使用される光ファイバ先端のコネクタの組み立て等にあたっては、コネクタ側の仕様に応じた寸法による光ファイバの被覆の除去や切断加工が必要になる。この際、光ファイバを把持したファイバホルダを、被覆除去器やファイバカッタといった光ファイバ加工機器に設けられているホルダ収納溝に収納し、必要に応じて、前記ホルダ収納溝にファイバホルダ用スペーサ(以下、スペーサと略すことがある)を収納して、このスペーサを、光ファイバ加工機器においてファイバホルダのファイバ加工部方向への移動を規制するホルダ当接壁とファイバホルダの間に挟みこむことで、光ファイバの被覆除去開始位置や切断位置等の寸法調整を行っている(例えば、特許文献1)。
特開平11−326646号公報
しかしながら、光ファイバ加工機器におけるホルダ収納溝は、その寸法が機器によって異なっているが、従来のスペーサは単純な板状であるため、光ファイバ加工を行う作業現場においてホルダ収納溝の幅にあった複数のスペーサを使い分ける等して作業を行う必要があり、必要とするスペーサが多くなる等、管理の難しさと煩雑さがあった。
本発明は上述の問題に鑑みて、光ファイバ加工機器におけるホルダ収納溝の幅が異なる多くの光ファイバ加工機器のホルダ収納溝に対応できるとともに、ホルダ収納溝内での固定を簡単に短時間で行うことのできるファイバホルダ用スペーサを提供する。
前記目的を達成するため、本発明は、光ファイバを固定したファイバホルダが挿入されるホルダ収納溝と、前記ファイバホルダに保持された光ファイバの前記ファイバホルダから突出した先端部を加工するファイバ加工部とを有する光ファイバ加工機器の前記ホルダ収納溝内に、前記ファイバホルダの前記ファイバ加工部方向への移動を規制するホルダ当接壁と前記ファイバホルダとの間に介在させて配置されるファイバホルダ用スペーサであって、前記ホルダ当接壁に当接された基準当接面及び該基準当接面とは反対側に位置してファイバホルダが当接されるホルダ当接面を有するスペーサ本体と、前記ホルダ収納溝の両側のホルダ溝側壁に押圧力を作用させることで、前記スペーサ本体を前記ホルダ収納溝内に固定する固定機構とを有し、前記固定機構は、前記スペーサ本体の上面からの操作によって、前記スペーサ本体に内蔵されているスライダを前記スペーサ本体の側部に押し出すように移動させる構造となっており、前記ホルダ収納溝の底面に2本平行に形成されたガイド溝に挿入され、前記固定機構によるスライダの移動方向がホルダ収納溝の溝幅方向となるように前記スペーサ本体を位置決めする位置決め突起として、前記スペーサ本体下部に形成されたガイド片と、前記スライダのスペーサ本体からの突出先端から下方に延びるガイド片とを有することを特徴とするファイバホルダ用スペーサを提供する。
また本発明は、前記固定機構は、前記スペーサ本体の側面に開口させて前記スペーサ本体内部に形成されたスライダ収納穴に収納された前記スライダと、前記スペーサ本体の上面に設けられたねじ穴からスペーサ本体の下面方向にねじ込まれることで前記スライダを押圧し、前記スライダを前記スペーサ本体の側方に押し出すように移動させる押圧ねじとを有することを特徴とするファイバホルダ用スペーサを提供する。
また本発明は、前記ねじ穴が、前記スペーサ本体上面からスペーサ本体下面側に行くに従って、前記スライダ収納穴が開口されているスペーサ本体の側面に近づくように傾斜して形成されていることを特徴とするファイバホルダ用スペーサを提供する。
また本発明は、前記スペーサ本体には前記押圧ねじがねじ込まれる突起部が、前記スライダ収納穴が開口されている側とは逆側の側部の上に突出して形成されていることを特徴とするファイバホルダ用スペーサを提供する。
また本発明は、光ファイバを固定したファイバホルダが挿入されるホルダ収納溝と、前記ファイバホルダに保持された光ファイバの前記ファイバホルダから突出した先端部を加工するファイバ加工部とを有する光ファイバ加工機器の前記ホルダ収納溝内に、前記ファイバホルダの前記ファイバ加工部方向への移動を規制するホルダ当接壁と前記ファイバホルダとの間に介在させて配置されるファイバホルダ用スペーサであって、前記ホルダ収納溝の底面と対向するベース下面及び該ベース下面の反対の面であるベース上面とを有するスペーサベースと、前記スペーサベースの両側部から突出する弾性押圧片とを有し、前記スペーサベース及び/又は前記弾性押圧片には前記ホルダ収納溝への収納時に前記ホルダ当接壁に当接する基準当接面及び該基準当接面とは反対側に位置してファイバホルダが当接されるホルダ当接面が形成されており、ホルダ収納溝への収納時に、前記スペーサベースの両側の前記弾性押圧片を互いに接近させるようにして弾性変形させて前記ホルダ収納溝に収納され、前記弾性押圧片が前記ホルダ収納溝の両側のホルダ溝側壁を弾性付勢するようにしており、前記弾性押圧片の前記スペーサベースからの突出先端は、前記スペーサベースのベース下面よりも下方に突出して形成されるとともに前記ホルダ収納溝の底面に2本平行に形成されたガイド溝に挿入され、前記基準当接面が前記ホルダ当接壁に形成されているホルダ当接面と平行になるように位置決めするガイド片として機能し、前記弾性押圧片は、スペーサベースの両側部からスペーサベースよりも上に突出する立上り部と、前記立上り部の前記スペーサベースからの突出先端に形成された屈曲部と、該屈曲部から下方に延出する押圧部とを有し、前記押圧部の前記スペーサベースよりも下に突出した部分が前記ガイド片として機能することを特徴とするファイバホルダ用スペーサを提供する。
また本発明は、光ファイバを固定したファイバホルダが挿入されるホルダ収納溝と、前記ファイバホルダに保持された光ファイバの前記ファイバホルダから突出した先端部を加工するファイバ加工部とを有する光ファイバ加工機器であって、本発明のファイバホルダ用スペーサを、前記ホルダ収納溝内に収納したことを特徴とする光ファイバ加工機器を提供する。
請求項1に記載の発明のファイバホルダ用スペーサによれば、スペーサ本体の側部にスライダを押し出していくことでホルダ収納溝の両側の側壁に押圧力を作用させてスペーサ固定する固定機構を設けたため、ホルダ収納溝の溝幅寸法の違いに対応して、各種溝幅のホルダ収納溝への固定を実現できる。また、スペーサをホルダ収納溝内において内壁に押圧することによって強固な固定が可能となるため、ホルダ収納溝内におけるズレ等が防止でき、光ファイバ加工部に収納された光ファイバの加工寸法精度を高めることができる。
さらに、スペーサ本体の上面からの押圧ねじのねじ込みによって、スペーサ本体の側部にスライダを押し出していくことで、ホルダ収納溝内でのスペーサの固定を実現する構成であるため、固定作業を、ホルダ収納溝の両側の側壁との干渉を避けつつ押圧ねじを操作でき、良好な作業性を確保できる。
また、請求項5に記載の発明のファイバホルダ用スペーサによれば、スペーサベースの両側の弾性押圧片がホルダ収納溝の両側壁に弾性付勢されることで、ホルダ収納溝内にて固定される構造であり、弾性押圧片の弾性変形によってホルダ収納溝の種々の溝幅に対応して、ホルダ収納溝内での固定を実現できる。しかも、スペーサベースの両側の弾性押圧片を互いに接近させた状態でホルダ収納溝に該ホルダ収納溝上から押し込むだけで、ホルダ収納溝への収納、固定を極めて簡単に実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1〜図2は、本発明に係るファイバホルダ用スペーサ(以下、スペーサと略称する場合がある)を示す図であり、図1は前記スペーサ1を示す全体斜視図、図2(a)、(b)はスペーサ1に設けられた固定機構10を示す図である。
図3〜図6は、前記スペーサ1が適用される光ファイバ加工機器の一例としての光ファイバ被覆除去器2(以下、被覆除去器と略称する場合がある)を示す図であり、図3は全体斜視図、図4は被覆除去器2のホルダ収納溝(符号25)にファイバホルダ3を収納した状態を示す斜視図、図5は被覆除去器2のホルダ収納溝25にファイバホルダ3及びスペーサ1を収納した状態を示す斜視図、図6は被覆除去器2のホルダ収納溝25にスペーサ1のみを収納した状態を示す斜視図である。
まず、本発明に係るスペーサ1の第1の実施の形態について説明する。
図1、図2に示すように、スペーサ1は、スペーサ本体11と、このスペーサ本体11に形成されたスライダ収納穴12に収納されたスライダ13と、前記スペーサ本体11に形成されたねじ穴14に収納された押圧ねじ15とを有して構成されている。
スペーサ本体11は、角筒部11aと、この角筒部11aの長手方向一端側(図2(a)、(b)右側)の端部(以下、端面11dとも言う)に突設された突起部11bとを有している。前記角筒部11aには、前記スライダ収納穴12が該角筒部11aの長手方向に貫通させて形成されている。前記突起部11bには、前記角筒部11aの端部11dにおいて前記スライダ収納穴12から該スライダ収納穴12とは交差する方向に延びる前記ねじ穴14が形成されている。前記ねじ穴14は、スライダ収納穴12から突起部11bを貫通して、突起部11bの前記角筒部11aからの突出方向先端部に開口されており、突起部11b上部より、スペーサ本体11の下面11iに向けてスペーサ本体11の長手方向に形成された一端部11cの側に斜めに傾いた向きで形成されている。
前記スライダ13は、ピン状のスライダ軸部13aと、このスライダ軸部13aの長手方向一端に形成された押圧部13bと、スライダ軸部13aの側部に突出された回り止め突起13cとを有しており、前記押圧部13bが前記角筒部11aの長手方向他端側に配置されるようにして前記スライダ軸部13aを前記スライダ収納穴12に収納した状態で前記スペーサ本体11に設けられている。また、スライダ13は、前記スライダ軸部13aが角筒部11aにガイドされつつ前記スライダ収納穴12の軸方向に沿って移動することで、前記角筒部11aの長手方向他端側の一端部11cからの突出寸法Lが変更される。
なお、図2(a)、(b)、図11の符号11kは、回り止め突起13cが挿入されるキー溝である。このキー溝11kは、スライダ収納穴12から角筒部11aに切り込んだ形状であり、角筒部11aの長手方向に沿って延在しており、回り止め突起13cの角筒部11aの長手方向への移動を拘束しない。
前記押圧ねじ15は、前記突起部11b上面に開口したねじ穴14に収納され、略斜め上方からねじ込まれることで、スライダ収納穴12に突出してゆく。前記スライダ13は前記スライダ収納穴12内で摺動自在となっているから、例えば前記押圧部13bが前記一端部11cに当接する位置まで前記スライダ13を前記スライダ収納穴12へ押し込み収納しておけば、押圧ねじ15を突起部11b先端部に開口したねじ穴14から操作してスライダ収納穴12に入り込むように(図2(a)、(b)でP方向)ねじ込んでゆくことで、前記押圧ねじ15のねじ先端部15aがスライダ13の長手方向において押圧部13bとは逆の側の端部に形成された傾斜面である後端面13dを押圧して、押圧ねじ15からの押圧力が後端面13dの傾斜角度によってスライダ13をスライダ収納穴12に沿ってスペーサ本体11の他端側に押し出すように移動させる力に変換されて、前記スライダ13aが前記スライダ収納穴12内を軸方向に沿って押圧部13bが端面11dから離れる方向(突出寸法Lが大きくなる方向)へ移動する。これにより、スペーサ本体11の一端側の端面11dとスライダ13のスペーサ本体11からの突出先端の端面(つまり押圧部13bの端面13f)との間の距離(以下、伸長寸法)が増大し、スペーサ1が伸長される(以下、伸長される方向を伸長方向と言う)。
このスペーサ1は、下面11iが下側となるようにし(ホルダ収納溝25の底面に対面するようにし)、かつスライダ13のスペーサ本体11に対する移動方向(伸長方向)、換言すればスライダ収納穴12の軸方向を溝幅方向(図7のW方向)に揃えた向きでホルダ収納溝25に収納されるようになっている。また、このスペーサ1をホルダ収納溝25に収納する際には、ホルダ収納溝25の底部に2本平行に形成されているガイド溝25d、25eの一方に、ガイド片11fを収納し、ガイド溝25d、25eの他方に前記押圧部13bのうち、角筒部11aの下面11iよりも下方に突出した部分である下端部13eを収納する。ここで、ガイド片11fと押圧部13bとは、それぞれガイド溝25d、25eに収納してスペーサ1の伸長によってホルダ収納溝の側壁に当接することでスペーサ1の前記伸長方向をホルダ収納溝25の溝幅方向に揃えるようにスペーサ1を位置決めする位置決め突起として機能する。
次に、本発明のスペーサ1が使用される光ファイバ加工機器として、光ファイバ被覆除去器2を例に説明する。
図3、図10に示すように、被覆除去器2は、光ファイバ4の被覆層を除去する一対のカッタ26a、26bを備えたカッタユニット2Aと、光ファイバ4を把持したファイバホルダ3をカッタユニット2Aに対して接近・離間させるファイバホルダ保持体2Bとを備えて構成されている。
カッタユニット2Aは、被覆除去器本体21と、この被覆除去器本体21に対して開閉自在のカッタホルダ22とで概略構成されている。ファイバホルダ保持体2Bは、スペーサ1及びファイバホルダ3を収納するホルダ収納溝25が形成された保持体下部23と、該保持体下部23と閉じ合わされることで前記ホルダ収納溝25を覆う保持体上部24とで概略構成されている。
カッタユニット2Aの被覆除去器本体21には、前記カッタホルダ22がカッタホルダヒンジ機構29によって開閉自在として取り付けられている。
カッタユニット2Aの一対のカッタ26a、26bのうち、一方は被覆除去器本体21に取り付けられ、他方はカッタホルダ22に取り付けられており、被覆除去器本体21上にカッタホルダ22を重ねるようにして閉じると、被覆除去器本体21とカッタホルダ22との間に位置決めして配置された光ファイバ4の被覆にカッタ26a、26bが両側から切り込むようになっている。この一対のカッタ26a、26bは、光ファイバ4の被覆を除去するための光ファイバ加工部26として機能する。また、被覆除去器本体21及びカッタホルダ22の一方又は両方には、被覆除去器本体21にカッタホルダ22を閉じ合わせた時に、被覆除去器本体21とカッタホルダ22の間に挟み込まれる光ファイバ4の被覆を加熱軟化させるためのヒータ26cが設けられている。なお、図示例の被覆除去器2はヒータとして電熱ヒータを採用しており、図中符号211は電熱ヒータの電源スイッチである。
ファイバホルダ保持体2Bの保持体下部23上面には、スペーサ1及びファイバホルダ3を収納するホルダ収納溝25が形成されている。このホルダ収納溝25のカッタユニット2A側の端部には、スペーサ1及びファイバホルダ3の前記光ファイバ加工部26方向への移動を規制するホルダ当接壁25aが形成されている。また、ホルダ収納溝25の両側のホルダ溝側壁25b、25cの間のホルダ溝底面25fには、長溝形状のガイド溝25d、25eが2本平行に形成されている。両ガイド溝25d、25eは、ホルダ溝底面25fにおいてホルダ収納溝25の溝幅方向Wの両端部に形成されており、それぞれ、溝の片側(溝幅方向片側)の壁がホルダ溝側壁(25b又は25c)によって形成されている。
図9に示すように、ファイバホルダ3は、プレート状のベース31と、このベース31にホルダヒンジ機構32によって枢着された蓋33とを有し、ベース31の上に形成された光ファイバ収納溝31aに収納した光ファイバ4を、ベース31上に重ね合わせた蓋33によってベース31に押さえ込むようにして把持固定する構造になっている。
このファイバホルダ3は、ベース31のホルダ下面31bの幅方向両側(図9の左右両側)から突設された一対の位置決め突起31c、31dをホルダ収納溝25両側のガイド溝25d、25eに入れることで、ホルダ収納溝25の溝幅方向に高精度に位置決めされる。なお、図示例では、光ファイバとして多心または単心の光ファイバテープ心線を例示しているが、本発明に係る光ファイバとしては、例えば、単心のファイバ心線、光ファイバ素線等も採用可能である。
図8に示すように、前記被覆除去器本体21には、該被覆除去器本体21に一端が固定されて前記保持体下部23及び保持体上部24方向へ延びてなるシャフト27a、27bが設けられている。このシャフト27a、27bは、保持体下部23に形成されたシャフト穴28a、28bに摺動自在に挿入支持される。
この被覆除去器2を用いて光ファイバ4の先端の被覆を除去するには、カッタユニット2Aにファイバホルダ保持体2Bを突き合わせた状態としておき、まず光ファイバ4を把持固定したファイバホルダ3をホルダ収納溝25に収納し、前記光ファイバ4のファイバホルダ3から突出させておいた先端部を、カッタユニット2Aの一対のカッタ26a、26bの間に配置する。次いで、被覆除去器本体21にカッタホルダ22を閉じ合わせるとともに、ファイバホルダ保持体2Bの保持体上部24を保持体下部23に閉じ合わせてファイバホルダ3を固定し、カッタユニット2Aのヒータ26cによって光ファイバ4を所定時間加熱した後、被覆除去器本体21にカッタホルダ22を閉じ合わせた状態を維持しつつ、シャフト27a、27bに沿ってファイバホルダ保持体2Bを、保持体下部23と保持体上部24との間にファイバホルダ3を固定したままスライダ移動させて、カッタユニット2Aから離隔させればよい。これにより、カッタユニット2Aとファイバホルダ保持体2Bとの間が離隔してゆくに伴って、カッタユニット2Aの一対のカッタ26a、26bによって、光ファイバ4の被覆が除去される。
ここで、光ファイバ9先端部の被覆除去位置や被覆除去長についてはファイバホルダ3の位置と一対のカッタ26a、26bの挟み込み位置によって決定される。このため、ホルダ収納溝25に収納したスペーサ1を前記ファイバホルダ3と前記ホルダ当接壁25aの間に挟んで収納して光ファイバ4の被覆除去加工を行えば、ホルダ収納溝25にスペーサ1を収納しない場合(ファイバホルダ3のベース31をホルダ当接壁25aのホルダ収納溝25に臨むホルダ当接面25gに突き当てる)に比べて光ファイバ4の長さ方向の被覆除去長が短くなる。
次に、本発明に係るスペーサ1を、被覆除去器2に使用し、光ファイバ4の被覆除去寸法を短く変更する場合について以下に説明する。
図6に示すように、まずホルダ収納溝25にスペーサ1を収納する。ここで、スペーサ1は、伸長方向がホルダ収納溝25の溝幅方向となる向きでホルダ収納溝25に収納し、
スペーサ本体11の前記ガイド片11fをホルダ収納溝25内の前記ガイド溝25dに収納し、またスライダ13のガイド片13eを前記ガイド溝25eに収納し、スペーサ本体11及び押圧部13bをホルダ当接壁25aに押し当てる。ここで、スペーサ本体11の前後方向(ホルダ収納溝25の長手方向。図10の左右)両側の側面11g、11h(以下、前後方向側面とも言う)は互いに平行に延在する平坦面であり、押圧部13bの前後方向側面13g、13hも、スペーサ本体11の前後方向側面11g、11hの延長上に位置して互いに平行に延在する平坦面であり、スペーサ本体11及び押圧部13bの前後方向両側の側面13g、13hをホルダ当接壁25aに押し当てる。スペーサ本体11の前後方向側面11g、11h及び押圧部13bの前後方向側面13g、13hは、スペーサ1をホルダ収納溝25に収納した時に、ホルダ収納溝25の底面25fに垂直であり、ホルダ当接壁25aのホルダ収納溝25内空間に臨む壁面(ホルダ収納溝25の底面25fに垂直のホルダ当接面25g)に突き合わせられることで、スペーサ1をホルダ収納溝25の長手方向(図10左右方向)に位置決めする基準当接面として機能する。図示例のスペーサ1では、スペーサ本体11の前後方向側面11gと該前後方向側面11gの延長上に位置する押圧部13bの前後方向側面13gとの組である第1当接面1a、及び、スペーサ1においてこの第1当接面1aとは反対の側に位置するスペーサ本体11の前後方向側面11hと、該前後方向側面11hの延長上に位置する押圧部13bの前後方向側面13hとの組である第2当接面1bの何れも基準当接面として機能することが可能であり、また、第1、第2当接面1a、1bの内、基準当接面とした面とは反対側の面は、ファイバホルダ3のベース31(詳細にはベース31の長手方向の何れか一方の端面)が当接されるホルダ当接面として機能させることができる。スペーサ本体11のガイド片11f及びスライダ13のガイド片13eを2本のガイド溝25d、25eに挿入すると、ガイド片11f、13eの平坦な底面がガイド溝25d、25eの平滑な底面上に設置されることで、第1、第2当接面1a、1bがホルダ収納溝25の底面25fに対して垂直となる向きで、ホルダ収納溝25内でのスペーサ1の安定収納が実現される。
但し、スペーサ本体11の下面11iは、ガイド溝25d、25e間のホルダ収納溝25の底面25fと接触しないことが位置決め性の点で好ましい。
なお、本発明では第1、第2当接面1a、1bの内の一方のみが基準当接面として機能し、他方のみがホルダ当接面として機能するようにした構成であっても良い。
またスペーサ本体11の両側の前後方向側面11g、11hが充分に大きく、これら前後方向側面によって基準当接面及びホルダ当接面としての機能が満たされる場合は、押圧部13bの前後方向側面を基準当接面及びホルダ当接面として機能させる必要は無く、押圧部13bを、ホルダ当接壁25aとファイバホルダ3との間にスペーサ1を挟み込んでも、ホルダ当接壁25aやファイバホルダ3と接しない大きさ、形状に形成することも可能であるが、押圧部13bの両側或いは片側の前後方向側面を基準当接面やホルダ当接面を構成する面として機能させれば、このスペーサ1をホルダ当接壁25aとの間に挟み込むようにして位置決めされるファイバホルダ3の位置決め精度の安定確保、ファイバホルダ3を押し付けた時のスペーサ1の位置ずれ防止の点で好ましい。
ホルダ収納溝25にスペーサ1を収納したら、前記押圧ねじ15を操作して前記スライダ13をスライダ収納穴12から押し出し移動させ、前記押圧部13bをホルダ溝側壁25cに押圧し、固定する。スペーサ1をホルダ収納溝25に固定した後、ファイバホルダ3の長さ方向前面をスペーサ本体11に形成されたホルダ当接面11hに当接させる。この状態で前記保持体上部24を保持体下部23に閉じ合わせ、スペーサ1及びファイバホルダ3を固定するとともに、被覆除去器本体21のカッタホルダ22を閉じ合わせる。この後の光ファイバ被覆除去の作業については前述の通りであり、省略する。
これにより、光ファイバ4先端部の長さ方向の被覆除去寸法は、スペーサ1をホルダ収納溝25に収納していることから、前記光ファイバ加工部26への光ファイバ4の突出寸法が、スペーサ1をホルダ収納溝25に収納していない場合に比べて、スペーサ1前後方向の寸法分だけ短くなる。なお、ホルダ収納溝25にスペーサ1を収納した場合、ホルダ収納溝25の底面25fから、スペーサ本体11の上面11jに突設された突起部11b上端までの高さ寸法Hは、ホルダ収納溝25に収納したファイバホルダ3よりも上に突起部11bが突出しない大きさであるため、このスペーサ1は、ファイバホルダ保持体2Bの保持体下部23と保持体上部24とによるファイバホルダ3の挟持の障害にはならない。また、スペーサ本体11の上面11jは、ファイバホルダ3のベース31の上面よりも低い位置となるため、ファイバホルダ3から突出した光ファイバ4は、スペーサ本体11と干渉することなく、ファイバホルダ保持体2Bとカッタユニット2Aとにわたって引き通すようにして配置できる。
以上、説明したように、本発明に係るファイバホルダ用スペーサの第1の実施形態によれば、ファイバホルダ用スペーサに押圧ねじ15とスライダ13を使用した押圧による固定機構を設けたため、光ファイバ加工機器によってホルダ収納溝の幅寸法が異なる多くの光ファイバ加工機器に対応することができる。また、スペーサをホルダ収納溝内において内壁に押圧することによって確実な固定が可能となるため、ホルダ収納溝内におけるズレ等が防止でき、光ファイバ加工部に収納された光ファイバの加工寸法精度を高めることができる。さらに、スペーサのホルダ収納溝への固定及び取り外しを、押圧ねじの操作によって行うものとしたため、前述の如く高い加工寸法精度を持ちながらも簡単にスペーサの脱着を行うことが可能となる。
なお、本例においては、押圧発生及び操作手段として押圧ねじを用いた形態を説明しているが、ねじ以外の手段、例えば係止機構の付いた棒等を用いても良いし、ばねを用いた押圧機構を用いても良い。
また、本例においては、ねじ穴14に傾斜を持たせて押圧ねじ15を上方から略斜め下に向かってねじ込んでいるが、垂直直下にねじ込んでも良い。さらに、押圧ねじ15が当接するスライダ13の後端面について傾斜面を例に説明したが、スライダ13を移動させることが出来る他の形状(例えば垂直平面や球状等)であっても良い。
次に、本発明に係るファイバホルダ用スペーサの第2の実施の形態について、図12(a)〜(c)、図13及び図14を参照して説明する。
図12(a)に示すように、この実施の形態のスペーサ111は、樹脂一体成形品であり、スペーサベース112と、このスペーサベース112の両側に突設された弾性押圧片113a、113bとからなる。
スペーサベース112は、プレート状であり、ホルダ収納溝25に収納したときにホルダ収納溝25の底面25fと対向するベース下面112cと、ベース下面112cの反対の面であるベース上面112dとを有する。
前記弾性押圧片113a、113bは、スペーサベース112から延出する板状の突片であり、スペーサベース112の両側部からスペーサベース112よりも上に突出する立上り部113e、113fと、前記立上り部113e、113fの前記スペーサベース112からの突出先端に形成された屈曲部113g、113hと、該屈曲部113g、113hから下方に延出する押圧部113i、113jとを有している。この弾性押圧片113a、113bのスペーサベース112からの突出先端、すなわち、屈曲部113g、113hから延びる前記押圧部113i、113jの先端は、スペーサベース112の下面 よりも下に突出している。両弾性押圧片113a、113bの押圧部113i、113jは、スペーサベース112との間に若干のクリアランスCを介して、スペーサベース112を介して該スペーサベース112の両側に対向配置されている。
前記押圧部113i、113jの前記スペーサベース112よりも下に突出した部分は、ホルダ収納溝25の底部25fの2本のガイド溝25d、25eに挿入されるガイド片113c、113dとして機能する。
前記スペーサ111は、一対の弾性押圧片113a、113bを互いに接近させるように弾性変形させてホルダ収納溝25に収納し、収納後に弾性押圧片113a、113bがホルダ収納溝25の両側のホルダ溝側壁25b、25cを弾性付勢するようにしている。
図12(c)に示すように、このスペーサ111を被覆除去器2等の光ファイバ加工機器のホルダ収納溝25に収納して取り付けるには、一対の弾性押圧片113a,113bがホルダ収納溝25の溝幅方向両側となる向きで収納する。この際、一対の弾性押圧片113a、113bを指またはこれに適した治具等で把持して互いに接近させてスペーサベース112を挟み込むような形で弾性変形させ、図12(c)における横幅方向(図12(c)の左右方向)を狭くする形で保持する。そして、この横幅方向が狭くなっている状態でスペーサ111をホルダ収納溝25に収納し、一対の弾性押圧片113a,113bを接近させる力を解除し、ガイド溝25d、25eに弾性押圧片113a、113b下端のガイド片113c、113fを収納する。ガイド溝25d、25eにガイド片113c、113fが収納されると、ガイド片113c、113fの平坦な底面とガイド溝25d、25eの平坦な底面との当接と、板状の押圧部113i、113jのホルダ収納溝25の両側のホルダ当接壁25aへの弾性付勢とによって、スペーサ111が所望の向きで安定に位置決めされる。このとき、スペーサ111は、板状の押圧部113i、113jがホルダ収納溝25の両側のホルダ当接壁25aに弾性付勢されて、ホルダ当接壁25aに線接触又は面接触することによって、容易には位置ずれしないように固定され、向きも安定する。但し、スペーサベース12が、一対の弾性押圧片113a、113bによって、2本のガイド溝25d、25eの間のホルダ収納溝25の底面25fに接触しない位置に支持されることが、位置決め精度の確保の点で好ましい。
なお、符号114a、114bは、スペーサベース112の両側から突設されたストッパであり、弾性押圧片113a、113bのスペーサベース112に近づく方向の弾性変形限界を設定して、無理な弾性変形によって弾性押圧片を傷めないようにするためのものである。
また、符号112eは、スペーサベースに穿設された孔であり、樹脂製のスペーサベースの成形精度を確保するためのものであり、スペーサベースのサイズや形状等によっては、省略することが可能である。
スペーサ111をホルダ収納溝25から取り外す際は、再度、弾性押圧片113a、113bを把持して互いに接近させてスペーサベース112を挟み込むような形で弾性変形させてホルダ収納溝25から取り出す。
スペーサ111の前後方向(ホルダ収納溝25に収納したときにホルダ収納溝25の長手方向に沿った方向)の両側には、ホルダ収納溝25の両側のホルダ当接壁25aと当接する基準当接面112aと、該基準当接面112aと反対の側に位置してファイバホルダ3が当接されるホルダ当接面112bとが形成されている。図示例のスペーサ111では、図14において該スペーサ111の前後方向前側に、スペーサベース112の前後方向前側の端面112aと一対の弾性押圧片113a,113bの前後方向前側の端面113k、113pとが連続して形成された端面111aを有し(図12(b)参照)、スペーサ111の前後方向後側に、スペーサベース112の前後方向後側の端面112bと一対の弾性押圧片113a,113bの前後方向後側の端面113m、113nとが連続して形成された端面111bを有している。そして、スペーサ111の前後方向前側及び後側の端面111a、111bは、いずれも、基準当接面、ホルダ当接面として機能させることができ、ホルダ収納溝25に対するスペーサ111の収納向きによって、スペーサ111の前後方向前後の端面111a、111bの内の一方を基準当接面、他方をホルダ当接面として使用すれば良い。
但し、本発明では、スペーサ111の前後方向前後の端面111a、111bの両方が基準当接面、ホルダ当接面として機能させることができる構成に限定されず、スペーサ111の前後方向前後の端面111a、111bの内の一方が基準当接面、他方がホルダ当接面として、機能が固定されている構成も採用可能である。また、スペーサベース112の前後両側の端面112a、112bのみを基準当接面、ホルダ当接面として機能させるようになっている構成や、弾性押圧片の前後両側の端面(113kと113p、113mと113n)のみを基準当接面、ホルダ当接面として機能させるようになっている構成も採用可能である。
図13に示すように、被覆除去器2においてスペーサ111を使用する際は、ホルダ収納溝25内においてスペーサ111をホルダ当接壁25a(図13には図示されない)とファイバホルダ3の間に挟みこむ形で収納して使用する。被覆除去器2等の光ファイバ加工機器においてスペーサ111を使用する場合の詳細については前述した説明と同様であり、省略する。
なお、ホルダ収納溝25にスペーサ111を収納した場合、ホルダ収納溝25の底面25fから、スペーサベース112からの突出先端に形成された屈曲部113g、113h上端までの高さ寸法H(図12(c)参照)は、ホルダ収納溝25に収納したファイバホルダ3よりも上に屈曲部113g、113h突出しない大きさであるため、このスペーサ111は、ファイバホルダ保持体2Bの保持体下部23と保持体上部24とによるファイバホルダ3の挟持の障害にはならない。また、スペーサベース112の上面112dは、ファイバホルダ3のベース31の上面よりも低い位置となるため、ファイバホルダ3から突出した光ファイバ4は、スペーサベース112と干渉することなく、ファイバホルダ保持体2Bとカッタユニット2Aとにわたって引き通すようにして配置できる。
以上、説明したように、本発明に係るファイバホルダ用スペーサの第2の実施形態によれば、スペーサベースの両側の弾性押圧片がホルダ収納溝の両側壁に弾性付勢されることで、ホルダ収納溝内にて固定される構造であり、弾性押圧片の弾性変形によってホルダ収納溝の種々の溝幅に対応して、ホルダ収納溝内での固定を実現できる。しかも、スペーサベースの両側の弾性押圧片を互いに接近させた状態でホルダ収納溝に該ホルダ収納溝上から押し込むだけで、ホルダ収納溝への収納、固定を極めて簡単に実現できる。
なお、本例においては、スペーサ111を樹脂による一体成形品で説明したが、これに限定されるものではなく、複数の部品で構成しても良い。
また、材質は金属性であっても良い。
また、本例においては、スペーサベース12の形状をプレート状として説明しているが、この形状には限定されない。
なお、本発明の各実施の形態においては、スペーサ1を1つだけ使用する例を説明したが、必要に応じて複数使用しても良い。
また、本発明の各実施の形態においては、ファイバホルダ用スペーサを使用する機器として、光ファイバの被覆を除去する光ファイバ被覆除去器を用いて説明したが、ホルダ収納溝を有するものであれば、例えばファイバカッタ等のその他の光ファイバ加工機器においても使用できる。
本発明における第1の実施形態のファイバホルダ用スペーサを示す斜視図である。 本発明における第1の実施形態のファイバホルダ用スペーサの固定機構を示す図である。 本発明における第1の実施形態のファイバホルダ用スペーサが収納される光ファイバ被覆除去器の斜視図である(スペーサ取付前)。 本発明におけるファイバホルダ用スペーサを収納せずにファイバホルダのみを収納した光ファイバ被覆除去器の斜視図である。 本発明における第1の実施形態のファイバホルダ用スペーサを光ファイバ被覆除去器のホルダ収納溝内に収納した状態を示す斜視図である。 本発明における第1の実施形態のファイバホルダ用スペーサを収納し、ファイバホルダは未収納の光ファイバ被覆除去器の状態を示す斜視図である。 本発明における第1の実施形態のファイバホルダ用スペーサを、光ファイバ被覆除去器のホルダ収納溝のガイド溝に収納して固定した状態を示す図である。 本発明におけるファイバホルダ用スペーサを使用した光ファイバ被覆除去器に設けられたシャフト機構により、ファイバホルダ保持体とカットユニットを切り離した状態を示す斜視図である。 ファイバホルダのホルダ収納溝への収納状態を示す断面図である。 本発明における第1の実施形態のファイバホルダ用スペーサを収納した光ファイバ被覆除去器の断面図である。 本発明における第1の実施形態のファイバホルダの上面図である。 本発明における第2の実施形態のファイバホルダ用スペーサを示す図である。 本発明における第2の実施形態のファイバホルダ用スペーサを収納した光ファイバ被覆除去器の斜視図である。 本発明における第2の実施形態のファイバホルダ用スペーサを収納した光ファイバ被覆除去器の断面図である。
符号の説明
1…ファイバホルダ用スペーサ(スペーサ=第1の実施形態)、11…スペーサ本体、11a…角筒部、11b…突起部、11c…一端部、11d…端面、11f…ガイド片、11g…基準当接面、11h…ホルダ当接面、11i…下面、11j…上面、12…スライダ収納穴、13…スライダ、13a…スライダ軸部、13b…押圧部、13c…回り止め突起、13d…後端面、13e…押圧部ガイド片、13g…基準当接面(第1の実施形態)、13h…ホルダ当接面(第1の実施形態)、14…ねじ穴、15…押圧ねじ、2…被覆除去器、2A…カッタユニット、2B…ファイバホルダ保持体、21…除去器本体、211…電源スイッチ、22…カッタホルダ、23…保持体下部、24…保持体上部、25…ホルダ収納溝、25a…ホルダ当接壁、25b、25c…ホルダ溝側壁、25d、25e…ガイド溝、25f…ホルダ溝底面、25g…ホルダ当接面、26…ファイバ加工部、3…ファイバホルダ、4…光ファイバ、4a…裸光ファイバ、111…ファイバホルダ用スペーサ(スペーサ=第2の実施形態)、112…スペーサベース、112a…基準当接面(第2の実施形態)、112b…ホルダ当接面(第2の実施形態)、112c…ベース下面、112d…ベース上面、113a、113b…弾性押圧片、113c、113d…ガイド片(第2の実施形態)、113e、113f…立上げ部、113g、113h…屈曲部、113i、113j…押圧部、

Claims (6)

  1. 光ファイバ(4)を固定したファイバホルダ(3)が挿入されるホルダ収納溝(25)と、前記ファイバホルダに保持された光ファイバの前記ファイバホルダから突出した先端部を加工するファイバ加工部(26)とを有する光ファイバ加工機器(2)の前記ホルダ収納溝内に、前記ファイバホルダの前記ファイバ加工部方向への移動を規制するホルダ当接壁(25a)と前記ファイバホルダとの間に介在させて配置されるファイバホルダ用スペーサであって、
    前記ホルダ当接壁に当接された基準当接面(11g)及び該基準当接面とは反対側に位置してファイバホルダが当接されるホルダ当接面(11h)を有するスペーサ本体(11)と、前記ホルダ収納溝の両側のホルダ溝側壁(25b、25c)に押圧力を作用させることで、前記スペーサ本体を前記ホルダ収納溝内に固定する固定機構(10)とを有し、
    前記固定機構は、前記スペーサ本体の上面からの操作によって、前記スペーサ本体に内蔵されているスライダ(13)を前記スペーサ本体の側部に押し出すように移動させる構造となっており、
    前記ホルダ収納溝の底面に2本平行に形成されたガイド溝(25d、25e)に挿入され、前記固定機構によるスライダの移動方向がホルダ収納溝の溝幅方向となるように前記スペーサ本体を位置決めする位置決め突起として、前記スペーサ本体下部に形成されたガイド片(11f)と、前記スライダのスペーサ本体からの突出先端から下方に延びるガイド片(13e)とを有することを特徴とするファイバホルダ用スペーサ(1)。
  2. 前記固定機構は、前記スペーサ本体の側面に開口させて前記スペーサ本体内部に形成されたスライダ収納穴(12)に収納された前記スライダと、
    前記スペーサ本体の上面(11j)に設けられたねじ穴(14)からスペーサ本体の下面(11i)方向にねじ込まれることで前記スライダを押圧し、前記スライダを前記スペーサ本体の側方に押し出すように移動させる押圧ねじ(15)とを有することを特徴とする請求項1記載のファイバホルダ用スペーサ。
  3. 前記ねじ穴が、前記スペーサ本体上面からスペーサ本体下面側に行くに従って、前記スライダ収納穴が開口されているスペーサ本体の側面(11c)に近づくように傾斜して形成されていることを特徴とする請求項2記載のファイバホルダ用スペーサ。
  4. 前記スペーサ本体には前記押圧ねじがねじ込まれる突起部(11b)が、前記スライダ収納穴(12)が開口されている側とは逆側の側部の上に突出して形成されていることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のファイバホルダ用スペーサ。
  5. 光ファイバを固定したファイバホルダが挿入されるホルダ収納溝と、前記ファイバホルダに保持された光ファイバの前記ファイバホルダから突出した先端部を加工するファイバ加工部とを有する光ファイバ加工機器の前記ホルダ収納溝内に、前記ファイバホルダの前記ファイバ加工部方向への移動を規制するホルダ当接壁と前記ファイバホルダとの間に介在させて配置されるファイバホルダ用スペーサであって、
    前記ホルダ収納溝の底面と対向するベース下面(112c)及び該ベース下面の反対の面であるベース上面(112d)とを有するスペーサベース(112)と、
    前記スペーサベースの両側部から突出する弾性押圧片(113a、113b)とを有し、
    前記スペーサベース及び/又は前記弾性押圧片には前記ホルダ収納溝への収納時に前記ホルダ当接壁に当接する基準当接面(112a)及び該基準当接面とは反対側に位置してファイバホルダが当接されるホルダ当接面(112b)が形成されており、
    ホルダ収納溝への収納時に、前記スペーサベースの両側の前記弾性押圧片を互いに接近させるようにして弾性変形させて前記ホルダ収納溝に収納され、前記弾性押圧片が前記ホルダ収納溝の両側のホルダ溝側壁を弾性付勢するようにしており、
    前記弾性押圧片の前記スペーサベースからの突出先端は、前記スペーサベースのベース下面よりも下方に突出して形成されるとともに前記ホルダ収納溝の底面に2本平行に形成されたガイド溝に挿入され、前記基準当接面が前記ホルダ当接壁に形成されているホルダ当接面(25g)と平行になるように位置決めするガイド片(113c、113d)として機能し、
    前記弾性押圧片は、スペーサベースの両側部からスペーサベースよりも上に突出する立上り部(113e、113f)と、前記立上り部の前記スペーサベースからの突出先端に形成された屈曲部(113g、113h)と、該屈曲部から下方に延出する押圧部(113i、113j)とを有し、前記押圧部の前記スペーサベースよりも下に突出した部分が前記ガイド片として機能することを特徴とするファイバホルダ用スペーサ。
  6. 光ファイバを固定したファイバホルダが挿入されるホルダ収納溝と、前記ファイバホルダに保持された光ファイバの前記ファイバホルダから突出した先端部を加工するファイバ加工部とを有する光ファイバ加工機器であって、
    請求項1〜5の何れかに記載のファイバホルダ用スペーサを、前記ホルダ収納溝内に収納したことを特徴とする光ファイバ加工機器。
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