JP6186421B2 - 光ファイバホルダ用アダプタ - Google Patents
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Description
そのため、光ファイバを先端処理した後に、その光ファイバの特性を測定する場合には、光ファイバを光ファイバホルダから外し、測定装置に適合する専用治具に付け替えることが必要となる。
前記対板部の少なくとも一部は、磁力により前記光ファイバホルダを吸着させる材料からなることが好ましい。
前記ガイド部は、前記光ファイバホルダに設けられた被係合部に凹凸により係合した状態で前記光ファイバホルダが前記一方向に移動可能となる構造を有することが好ましい。
前記位置決め凸部は、球体と、前記球体を前記対板部に向けて付勢する付勢体とを有し、前記球体は、前記付勢体の弾性力によって、前記一方向への移動が規制された状態の前記光ファイバホルダを前記対板部に向けて押圧するように形成されていることが好ましい。
前記基板部の少なくとも一部は磁石からなることが好ましい。
本発明の一態様の光ファイバホルダ用アダプタは、少なくとも一部が磁性材料からなることが好ましい。
また、光ファイバホルダをそのまま使用できるため、光ファイバの延出長さが変わることなどにより測定装置における測定に問題が生じるのを回避できる。よって、測定精度を高くすることができる。
本発明の一態様の光ファイバホルダ用アダプタは、一対の板体を基本構成とする簡単な構造であるため、安価であり、耐久性を高めることができる。よって、高価かつ低耐久性の専用治具を用いる場合に比べ、低コスト化を図ることができる。また、前述の付け替え作業が不要となるため、工程数を少なくできることから、ランニングコストも削減できる。
まず、図5を参照しつつ、本発明の実施形態の光ファイバホルダ用アダプタに保持される光ファイバホルダの一例である光ファイバホルダ80について説明する。
以下の説明では、XYZ直交座標系を設定する。図5において、X方向はホルダ本体50の長さ方向である。Y方向は第1面51を含む面内においてX方向に直交する幅方向である。Z方向はX方向およびY方向に直交する厚さ方向である。
Y方向の一方(ホルダ本体50の一側部50aから他側部50bに向かう方向)を+Y方向といい、+Y方向の反対の方向を−Y方向という。Z方向の一方(ホルダ本体50の第2面52に対して第1面51の方向。図5において上方)を+Z方向といい、+Z方向の反対の方向を−Z方向という。
図5以外の図では、X方向の一方および他方のうち矢印で示す方向がプラス方向(+X方向)である。Y方向およびZ方向についても、矢印で示す方向がプラス方向(+Y方向、+Z方向)である。
図5は、本発明の一実施形態に係る光ファイバホルダ用アダプタに保持される光ファイバホルダの一例である光ファイバホルダ80を示す。
光ファイバホルダ80は、板状のホルダ本体50と、ホルダ本体50に回動自在に連結された蓋部材60とを有する。
光ファイバ溝54は、例えば断面V字形の溝である。光ファイバ溝54は、光ファイバ70を位置決め可能なものであればよく、例えば、断面半円状のU溝等であってもよい。
案内壁部53,53の内側面は、光ファイバホルダ80の係合凸部38が溝部56に係合した状態で係合凸部38の側面(図6および図7参照)に対面し、光ファイバホルダ80の幅方向の移動を規制できる。
案内壁部53,53の内側面とスライド面52aとで形成される溝状構造は、対板部30(主板部33)の一部である係合凸部38が入り込む溝部56(被係合部)である。案内壁部53,53間の幅方向(Y方向)の距離を幅W1という。
蓋基部61は、ホルダ本体50の一側部50aの前部に、X方向に沿う回転軸65により回動可能に取り付けられている。
蓋主板部62は、蓋基部61に比べて長さ方向(X方向)の寸法が大きい。そのため、蓋基部61に対して、蓋基部61の長さ方向(X方向)に張り出して形成されている。詳しくは、蓋主板部62は、蓋基部61に対して、X方向の両方向(図5における+X方向および−X方向)に張り出して形成されている。この張り出した部分を張出し部分63,63という。蓋基部61の前縁61aはY方向に沿って形成され、張出し部分63の側縁63aはX方向に沿って形成されている。
蓋基部61の前縁61aと張出し部分63の側縁63aによって形成される凹所を切欠き凹所64という。
図1〜図4は、本発明の一実施形態に係る光ファイバホルダ用アダプタ10(以下、単にアダプタ10という)を示す。
アダプタ10は、基板部20と、基板部20に対して少なくとも一部が対面配置された対板部30と、基板部20と対板部30とを連結する連結部40とを備えている。
図1〜図4および図6において、X方向は基板部20および対板部30の長さ方向であり、Y方向は基板部20の内面21を含む面内においてX方向に直交する幅方向であり、Z方向はX方向およびY方向に直交する厚さ方向である。
基板部20の内面21は、対板部30に対向する側の面であり、外面22は内面21とは反対の面である。
通過凹部24は、後縁20fから前方(+X方向)に向かう凹状とされている。通過凹部24の幅は、光ファイバ70が通過可能となるように定められる。通過凹部24の幅は長さ方向(X方向)にほぼ一定であることが好ましい。
通過凹部24は、光ファイバホルダ80から厚さ方向に離れて延出する光ファイバ70が通過可能であるため、対板部30の長さが短い場合でも、光ファイバホルダ80をアダプタ10内の所定の位置(図6参照)に配置する操作が容易となる。対板部30を短くできるため、アダプタ10は、基板部20を下にして水平な載置面に載置したときの安定性が高くなる。
磁石25は磁性材料からなる。磁石25としては、永久磁石または電磁石を用いることができる。永久磁石としては、例えばフェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石などを使用できる。
磁石25は、平面視において基板部20の他方の側縁20dを含む位置に、基板部20の前部から後部にかけて、基板部20の長さ方向(X方向)に延在して設けられている。
図8に示すように、位置決め凸部26は、球体27と、球体27を付勢するスプリング28(付勢体)と、スプリング28を収容する収容空間29aを有するハウジング29とを備えている。
図4に示すように、位置決め凸部26は、基板部20の内面21から、基板部20の厚さ方向(−Z方向)に突出して形成されている。
スプリング28としては、コイルスプリングが好適である。スプリング28は、中心軸が収容空間29aの中心軸に沿うように収容空間29aに収容される。スプリング28は、球体27を、ハウジング29から離れる方向(−Z方向)に付勢可能である。
球体27は、一部がハウジング29の開口端部29bから突出し、他部が収容空間29aに収容されている。球体27は、基板部20の厚さ方向(Z方向)に移動可能である。
球体27が収容空間29aの深さ方向(+Z方向)に移動すると、スプリング28は圧縮に伴って球体27に対する付勢力を高める。球体27が深さ方向とは反対の方向(−Z方向)に移動すると、スプリング28は伸長に伴って球体27に対する付勢力を低くする。
そのため、図7に示すように、位置決め凸部26は、圧縮状態のスプリング28の弾性力によって付勢された球体27により、前進規制位置(後述)にある光ファイバホルダ80の第1面51を対板部30に向けて押圧することができる。これによって、光ファイバホルダ80を、対板部30に隙間なく当接した状態で位置決めすることができる。
主板部33は、長さ方向が基板部20の長さ方向(X方向)に一致していることが好ましい。
図7に示すように、主板部33の幅W2(Y方向の寸法)は、光ファイバホルダ80の案内壁部53,53間の幅W1とほぼ同じか、または幅W1よりやや小さいことが好ましい。
後部延出部36の、主板部33からの側方への延出寸法は、主延出部35の側方への延出寸法より小さい。
係合凸部38の幅W3(Y方向の寸法)は、光ファイバホルダ80の案内壁部53,53間の幅W1とほぼ同じか、または幅W1よりやや小さいことが好ましい。
主板部33の外面と延出板部34の外面は面一とすることができる。
図7に示すように、基板部20と対板部30との間隔S1は、光ファイバホルダ80の厚さ寸法T1より大きいことが好ましい。これによって、光ファイバホルダ80を保持空間39に配置するのが容易になる。
なお、間隔S1は、保持空間39のZ方向寸法であり、基板部20の内面21と、対板部30の主板部33のスライド面33cとのZ方向の距離である。光ファイバホルダ80の厚さ寸法T1は、ホルダ本体50の第2面52(スライド面52a)と、蓋部材60の外面66とのZ方向の距離である。
基板部20と対板部30とは、連結部40によって、相対的に位置決めされる。
次に、アダプタ10の使用方法の一例を説明する。以下、図13に示すように、先端処理装置である光ファイバカッター130を用いて光ファイバ70を切断した後、図10に示す測定装置100を用いて光ファイバ70の特性を測定する方法を説明する。
図5に示すように、光ファイバ70を光ファイバ溝54に配置し、蓋部材60によってホルダ本体50に押さえ込むことによって光ファイバホルダ80に保持する。
なお、先端処理装置は、光ファイバカッターに限らず、光ファイバ融着機などであってもよい。
図6および図7に示すように、光ファイバホルダ80を、アダプタ10の保持空間39に配置する。この際、光ファイバホルダ80は、ホルダ本体50の第1面51を基板部20側に向け、第2面52を対板部30に向けた姿勢とする。
アダプタ10の係合凸部38が溝部56に入り込んでいるため、案内壁部53,53によって、光ファイバホルダ80の幅方向(Y方向)の移動は規制される。
図10は、光ファイバ70の特性を測定可能な測定装置100の一部を示す斜視図である。測定装置100で測定される特性とは、例えば偏心度、モードフィールド、減衰などである。図11は、測定装置100の一部を示す後面図である。
側壁111,112と前壁113とで区画される空間は、光ファイバホルダユニット90を収容する収容空間114となっている。
前壁113には、光ファイバホルダ80から前方に延出する光ファイバ70(前方延出部70a)が通過可能な通過口115が形成されている。
図11では、基台110の上面110aの、磁石25に対面する領域に、磁石121が設けられている。
ボビン等への巻き付けによる巻きくせなどにより光ファイバ70に曲がりが生じると、測定装置100における測定精度に影響が及ぶおそれがあるが、前述の吸引力により光ファイバ70の弛みをなくすことによって、測定精度の低下を回避することができる。
主壁部116は、収容空間114内に光ファイバホルダユニット90があるときに、内側面116bが、基板部20の一方の側縁20cおよび対板部30の一方の側面30a(延出板部34の延出縁34aの側面)に近接する位置に形成されている。そのため、側壁111によって、光ファイバホルダユニット90の側方移動は規制される。
上壁119は、収容空間114内に光ファイバホルダユニット90があるときに、内側面119aが対板部30の他方の側面30bに近接する位置に形成されている。上壁119の内側面119aは、基台110の上面110aに対して垂直とされている。上壁119によって、光ファイバホルダユニット90の側方移動は規制される。
主壁部118は、収容空間114内に光ファイバホルダユニット90があるときに、内側面118bが、蓋部材60の先端に近接することが好ましい。
このように、側壁111,112によって、光ファイバホルダユニット90の変位が規制されるため、光ファイバホルダユニット90は安定に位置決めされる。
上述のように、前方延出部70aは光ファイバホルダ80からの延出長さが適正化されているため、測定装置100における測定を精度よく行うことができる。
この力によって、光ファイバホルダユニット90を基台110から浮上させることができる。この際、光ファイバホルダユニット90は、側壁111,112によって側方変位が規制されるため傾動せず、基板部20および対板部30が上面110aに対して平行な姿勢を維持したまま浮上する。
従来、前方延出部が振動を起こすと前方延出部の先端の位置が変動するため正確な測定が難しくなることから、測定にあたっては、前方延出部が静止するのを待つ必要があった。そのため、作業効率を高めるのは難しかった。また、前方延出部の振動は、測定を自動化するシステムを構築する上でも障害となっていた。
また、光ファイバホルダ80をそのまま使用できるため、前方延出部70aの長さが変わることなどにより測定装置100における測定に問題が生じるのを回避できる。よって、測定精度を高くすることができる。
また、対板部30に形成された係合凸部38は、凹凸係合により光ファイバホルダ80の溝部56に係合するため、光ファイバホルダ80を対板部30に対してスライド移動させる際に位置ずれを防ぎ、精度よく位置決めすることができる。よって、測定装置100における測定の精度を高めることができる。
図11では、測定装置100に設けられた磁石121がアダプタ10の磁石25に対して斥力を作用させる場合を例示したが、磁石121としては、収容空間114内の光ファイバホルダユニット90のアダプタ10の磁石25に対して吸引力を作用させる磁石を用いてもよい。
なお、図11および図12では、磁石121が、基板部20に設けられた磁石25に対して斥力または吸引力を作用させる例を挙げたが、磁石は、アダプタの他の部位に設けられていてもよい。
走行路140は、例えば、X方向に延在する底壁部141と、底壁部141の両側縁に立設された案内壁部142,142とを有し、底壁部141の底面141a(上面)の、少なくとも光ファイバホルダユニット90の磁石25に対面する領域に、磁石25に対して斥力を作用させる磁石(図示略)を設けた構成とすることができる。
Claims (7)
- 光ファイバホルダを保持するための光ファイバホルダ用アダプタであって、
基板部と、前記基板部との間に前記光ファイバホルダが配置される保持空間が確保された対板部とを備え、
前記対板部には、前記光ファイバホルダを一方向に案内するためのガイド部が形成され、
前記基板部には、前記光ファイバホルダの前記一方向への移動を規制することによって前記光ファイバホルダを位置決めする位置決め凸部が形成され、
前記基板部の前記一方向の前端と、前記対板部の前記一方向の前端とは、前記一方向における位置が異なる、光ファイバホルダ用アダプタ。 - 前記対板部の少なくとも一部は、前記保持空間に配置された前記光ファイバホルダを磁力により吸着させる材料からなる請求項1に記載の光ファイバホルダ用アダプタ。
- 前記ガイド部は、前記光ファイバホルダに設けられた被係合部に凹凸により係合した状態で前記光ファイバホルダが前記一方向に移動可能となる構造を有する、請求項1または2に記載の光ファイバホルダ用アダプタ。
- 前記位置決め凸部は、球体と、前記球体を前記対板部に向けて付勢する付勢体とを有し、
前記球体は、前記付勢体の弾性力によって、前記一方向への移動が規制された状態の前記光ファイバホルダを前記対板部に向けて押圧するように形成されている、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光ファイバホルダ用アダプタ。 - 前記基板部は、前記対板部と対向する面と反対の面の少なくとも一部が磁石からなる、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光ファイバホルダ用アダプタ。
- 少なくとも一部は磁性材料からなる、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の光ファイバホルダ用アダプタ。
- 光ファイバホルダを保持するための光ファイバホルダ用アダプタであって、
基板部と、前記基板部との間に前記光ファイバホルダが配置される保持空間が確保された対板部とを備え、
前記対板部には、前記光ファイバホルダを一方向に案内するためのガイド部が形成され、
前記基板部には、前記光ファイバホルダの前記一方向への移動を規制することによって前記光ファイバホルダを位置決めする位置決め凸部が形成され、
前記位置決め凸部は、球体と、前記球体を前記対板部に向けて付勢する付勢体とを有し、
前記球体は、前記付勢体の弾性力によって、前記一方向への移動が規制された状態の前記光ファイバホルダを前記対板部に向けて押圧するように形成されている、光ファイバホルダ用アダプタ。
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