JP4204491B2 - パラジウム含有担持触媒及びその製造方法、並びに、α,β−不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents

パラジウム含有担持触媒及びその製造方法、並びに、α,β−不飽和カルボン酸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィンまたはα、β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのパラジウム含有担持触媒及びその製造方法、並びに、その触媒を用いたα,β−不飽和カルボン酸の製造方法に関する。
オレフィンまたはα、β−不飽和アルデヒドを分子状酸素によって液相酸化してα,β−不飽和カルボン酸を得るための触媒としては、パラジウム含有触媒が広く用いられている。例えば特許文献1〜3には、パラジウムを活性炭などの担体に担持させたパラジウム含有担持触媒が記載されているが、その中に含まれるパラジウムの粒子径に関する記載は一切ない。
特開昭56−59722号公報 特開昭60−155148号公報 特開昭60−139341号公報
本発明者が特許文献1〜3の実施例に記載された方法に準じて製造したパラジウム含有担持触媒を用いてプロピレンからアクリル酸を製造したところ、特許文献1〜3で記載されている副生成物(アセトアルデヒド、アセトン、アクロレイン、酢酸、二酸化炭素)以外に多様なポリマーやオリゴマーが多く副生することを見出した。特許文献1〜3ではこれらのポリマーやオリゴマーを捕捉しておらず、これらの副生成物を含めた実際のアクリル酸の選択率は特許文献1〜3の実施例に記載されたものより低くなることが判明した。そのため、特許文献1〜3記載の触媒を用いたα,β−不飽和カルボン酸の製造方法におけるα,β−不飽和カルボン酸の収率は未だ十分ではなく、より高収率でα,β−不飽和カルボン酸を製造できる触媒が望まれている。
したがって本発明の目的は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を高収率で製造するためのパラジウム含有担持触媒及びその製造方法、並びに、α,β−不飽和カルボン酸を高収率で製造する方法を提供することにある。
本発明は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素によって液相中で酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造するための触媒であって、平均粒子径が1〜8nmの範囲にあるパラジウムが担体に担持されているパラジウム含有担持触媒である。
また本発明は、前記のパラジウム含有担持触媒の製造方法であって、担体の存在下でパラジウム化合物を還元剤によって還元するパラジウム含有担持触媒の製造方法である。
さらに本発明は、前記のパラジウム含有担持触媒の存在下で、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素によって液相中で酸化するα,β−不飽和カルボン酸の製造方法である。
本発明によれば、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を製造した場合に、副生成物であるポリマーおよびオリゴマーの生成量が少なく、α,β−不飽和カルボン酸を高収率で製造できるパラジウム含有担持触媒及びその製造方法を提供でき、その触媒を用いることでα,β−不飽和カルボン酸を高収率で製造できる。
本発明の触媒は、α,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素によって液相中で酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造するための触媒であって、平均粒子径が1〜8nmの範囲にあるパラジウムが担体に担持されているパラジウム含有担持触媒である。パラジウムの平均粒子径を上記範囲にすることにより、α,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を高収率で製造可能なパラジウム含有担持触媒となる。
本発明におけるパラジウムの平均粒子径とは、パラジウム含有担持触媒中のパラジウムについて透過型電子顕微鏡によって測定したものであり、具体的には以下のようにして算出を行なった値である。透過型電子顕微鏡の観察画像を等倍でプリントアウトし、視野内のパラジウムの領域50点を無作為にピックアップしてそれぞれの粒子径を計測した。パラジウムの領域の形状はほぼ円形であったので、全て円形であると近似して計測した。この操作を3視野について実施し、計測値の平均をとり平均粒子径とした。なお、透過型電子顕微鏡の観察はパラジウムの粒子径の計測が可能な観察倍率で行なうものとする。
上記のようにして算出したパラジウムの平均粒子径の下限値は1nm以上であり、1.2nm以上が好ましく、1.4nm以上がより好ましい、また、パラジウムの平均粒子径の上限値は8nm以下であり、7nm以下が好ましく、6nm以下がより好ましいことがわかった。パラジウムの平均粒子径が所定の範囲外にある場合、それを含むパラジウム含有担持触媒の活性が低下する傾向にあり、α,β−不飽和カルボン酸の収率が低下する傾向にある。
本発明のパラジウム含有担持触媒の製造方法は特に限定されないが、担体の存在下でパラジウム化合物を還元剤によって還元する方法をとることができる。具体的には、例えば、担体を分散させたパラジウム化合物の溶液に還元剤を加えて還元する液相還元法、パラジウム化合物の溶液を担体に含浸させたものを乾燥し、還元雰囲気で還元する気相還元法等により製造することができる。なかでも、液相還元法が好ましい。以下、液相還元法によるパラジウム含有担持触媒の製造方法について説明する。
なお、パラジウム含有担持触媒中のパラジウムの平均粒子径は、用いる活性炭の種類及び比表面積、パラジウム含有担持触媒の調製に用いる溶媒の種類及び混合溶媒の場合の混合比、パラジウム含有担持触媒の原料であるパラジウム化合物の種類及び濃度、パラジウム化合物を還元する温度及び時間等の様々な条件により変化する。本発明においては、それらの条件を適宜選択して設定し、得られるパラジウム含有担持触媒中のパラジウムの平均粒子径を上記の範囲とする必要がある。
液相還元法によるパラジウム含有担持触媒の製造に使用するパラジウム化合物は特に限定されないが、例えば、パラジウムの塩化物、酸化物、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、テトラアンミン錯体、又はアセチルアセトナト錯体等が好ましく、パラジウムの塩化物、酸化物、酢酸塩、硝酸塩、又は硫酸塩がより好ましく、パラジウムの塩化物、酢酸塩、又は硝酸塩が特に好ましい。これらは単独で使用することもでき、複数を組み合わせて使用することもできる。
パラジウム化合物を溶解する溶媒としては、水、アルコール、ケトン、有機酸、炭化水素、またはこれらの群から選ばれる2種以上の混合溶媒を用いることができる。溶媒は、パラジウム化合物及び還元剤の溶解性並びに担体の分散性等によって適宜選択されるが、中でも有機酸から選ばれる1種または2種以上の溶媒と水との混合溶媒が好ましい。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸およびiso−吉草酸からなる群から選ばれる少なくとも1つが好ましい。中でもn−吉草酸が特に好ましい。その際の水の量は特に限定されないが、混合溶媒の質量に対して通常5質量%以上、好ましくは8質量%以上である。また、通常60質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。混合溶媒の場合、均一な状態であることが望ましいが、不均一な状態であっても差し支えない。
また、目的とするパラジウム含有担持触媒にパラジウム以外の金属を含有させる場合は、パラジウム化合物溶液にその金属の金属化合物を溶解させておく方法が利用できる。触媒活性の観点から、パラジウム含有担持触媒におけるパラジウム以外の金属が50原子%以下となる量であることが好ましい。
本発明で用いられる担体としては、例えば、活性炭、シリカ、アルミナ、チタニア、およびジルコニア等を挙げることができる。中でも活性炭が好ましい。活性炭の原料は特に限定されず、例えば、木材、ヤシ殻、石炭、合成樹脂等が挙げられる。活性炭の形状は特に限定されず、例えば、粉末状、破砕状、粒状、タブレット状、繊維状等が挙げられる。活性炭の賦活方法は特に限定されず、例えば、水蒸気賦活、二酸化炭素賦活、塩化亜鉛賦活、リン酸塩賦活、アルカリ賦活等が挙げられる。活性炭の比表面積は、300m2/g以上が好ましく、600m2/g以上が特に好ましい。また、4000m2/g以下が好ましく、2500m2/g以下が特に好ましい。
担体とパラジウム化合物は、所望の順序または同時に溶媒に加えて、担体が分散したパラジウム化合物溶液を調製する。パラジウム化合物の濃度は、通常0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上である。また、通常20質量%以下、好ましくは10質量%以下、特に好ましくは7質量%以下である。次いで、この担体が分散したパラジウム化合物溶液に還元剤を加えてパラジウムを還元し、還元したパラジウムが担体に担持されたパラジウム含有担持触媒が得られる。
用いる還元剤は特に限定されないが、例えば、ヒドラジン、ホルマリン、水素化ホウ素ナトリウム、水素、蟻酸、蟻酸の塩、エチレン、プロピレン、イソブチレン等が挙げられる。中でも、プロピレン、イソブチレンが好ましい。
還元剤が気体の場合、パラジウムの還元はオートクレーブ等の加圧装置中で行うことが好ましい。その際、加圧装置の内部は還元剤で加圧する。その圧力は通常0.1〜1.0MPa(ゲージ圧;以下、圧力の表記は全てゲージ圧表記とする)である。
また、還元剤が液体又は固体の場合は、パラジウム化合物溶液中に還元剤を添加することで還元処理を行うことができる。このときの還元剤の使用量は、通常、パラジウム化合物1モルに対して1〜50モル程度である。
還元時の系の温度および還元時間は、還元方法、用いるパラジウム化合物、溶媒および還元剤等により異なるので一概に言えないが、液相還元法の場合、通常、還元温度は0〜100℃、還元時間は0.5〜24時間である。
還元後、分散液からパラジウムが担持された担体(以下、「パラジウム含有担持触媒」又は単に「触媒」と言う。)を分離する。この方法は特に限定されないが、例えば、ろ過、遠心分離等の方法を用いることができる。分離された触媒は適宜乾燥される。乾燥方法は特に限定されず、種々の方法を用いることができる。
なお、還元後に触媒と分離された溶液に含まれるパラジウムの濃度は10mg/l以下にすることが好ましい。この量は還元前のパラジウム化合物濃度や還元条件等により調節できる。溶液中のパラジウムの有無はヒドラジン等の還元剤を添加することにより簡便に確認でき、また、溶液中のパラジウムの量はICP等の元素分析で定量することができる。
触媒のパラジウムの担持率は、担体に対して通常0.1〜40質量%である。担持率の下限は、1質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましい。また担持率の上限は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が特に好ましい。担持率は、触媒調製に用いた担体質量、パラジウム化合物中のパラジウム質量、還元後に触媒と分離された溶液に含まれるパラジウム質量から求めることができる。
以上のようにして、本発明のパラジウム含有担持触媒を製造することができる。
触媒は、液相酸化に供する前に、活性化してもよい。活性化の方法は特に限定されず、種々の方法を用いることができる。活性化の方法としては水素気流中の還元雰囲気下で加熱する方法が一般的である。
次に、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素によって液相中で酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造する方法について説明する。
液相酸化の原料のオレフィンとしては、例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、2−ブテン等が挙げられる。また、原料のα,β−不飽和アルデヒドとしては、例えば、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド(β−メチルアクロレイン)、シンナムアルデヒド(β−フェニルアクロレイン)等が挙げられる。
液相酸化で製造されるα,β−不飽和カルボン酸は、原料がオレフィンの場合、オレフィンと同一炭素骨格を有するα,β−不飽和カルボン酸である。また、原料がα,β−不飽和アルデヒドの場合、α,β−不飽和アルデヒドのアルデヒド基がカルボキシル基に変化したα,β−不飽和カルボン酸である。
本発明の触媒は、プロピレンまたはアクロレインからアクリル酸、イソブチレンまたはメタクロレインからメタクリル酸を製造する液相酸化に好適である。
原料のオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドには、不純物として飽和炭化水素および低級飽和アルデヒド等が少々含まれていてもよい。
反応に用いる分子状酸素源には、空気が経済的であるが、純酸素または純酸素と空気の混合ガスを用いることもでき、必要であれば、空気または純酸素を窒素、二酸化炭素、水蒸気等で希釈した混合ガスを用いることもできる。
液相酸化に用いる溶媒は特に限定されないが、例えば、水;ターシャリーブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸等の有機酸;酢酸エチル、プロピオン酸メチル等の有機酸エステル;ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素、またはこれらの群から選ばれる2種以上の混合溶媒を用いることができる。なかでも、アルコール、ケトン、有機酸および有機酸エステルからなる群から選ばれる1種または2種以上の溶媒と水との混合溶媒が好ましい。その際の水の量は特に限定されないが、混合溶媒の質量に対して通常2質量%以上、好ましくは5質量%以上である。また、通常70質量%以下、好ましくは50質量%以下である。溶媒は均一であることが望ましいが、不均一な状態で用いても差し支えない。
液相酸化反応は連続式、バッチ式の何れの形式で行ってもよいが、生産性を考慮すると工業的には連続式が好ましい。
原料であるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの使用量は、溶媒100質量部に対して、通常0.1質量部以上であり、好ましくは0.5質量部以上である。また、通常20質量部以下であり、好ましくは10質量部以下である。
分子状酸素の使用量は、原料であるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド1モルに対して、通常0.1モル以上であり、好ましくは0.3モル以上、特に好ましくは0.5モル以上である。また、通常20モル以下であり、好ましくは15モル以下、特に好ましくは10モル以下である。
通常、触媒は反応液に懸濁させた状態で使用されるが、固定床で使用してもよい。触媒の使用量は、反応器内に存在する溶液100質量部に対して、反応器内に存在する触媒として通常0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上、特に好ましくは1質量部以上である。また、通常30質量部以下、好ましくは20質量部以下、特に好ましくは15質量部以下である。
反応温度および反応圧力は、用いる溶媒および反応原料によって適宜選択される。反応温度は一般的に30〜200℃であり、好ましくは50℃以上であり、好ましくは150℃以下である。また、反応圧力は一般的に大気圧(0MPa)〜10MPaであり、好ましくは0.5MPa以上であり、好ましくは5MPa以下である。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。下記の実施例および比較例中の「部」は「質量部」を意味する。
(原料および生成物の分析)
原料および生成物の分析はガスクロマトグラフィーを用いて行った。なお、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの反応率、生成するα,β−不飽和アルデヒドの選択率、生成するポリマー・オリゴマーの選択率、生成するα,β−不飽和カルボン酸の選択率および収率は以下のように定義される。
オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの反応率(%)
=(B/A)×100
α,β−不飽和アルデヒドの選択率(%)=(C/B)×100
α,β−不飽和カルボン酸の選択率(%)=(D/B)×100
ポリマー・オリゴマーの選択率(%) =(E/B)×100
α,β−不飽和カルボン酸の収率 (%)=(D/A)×100
ここで、Aは供給したオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドのモル数、Bは反応したオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドのモル数、Cは生成したα,β−不飽和アルデヒドのモル数、Dは生成したα,β−不飽和カルボン酸のモル数、Eはポリマーおよびオリゴマーの総質量(単位:g)を供給したオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの分子量で除して算出したオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド換算のポリマーおよびオリゴマーのモル数である。ここで、α,β−不飽和アルデヒド酸化反応の場合には、C/B=0である。
(パラジウム含有担持触媒中のパラジウムの平均粒子径)
パラジウム含有担持触媒中のパラジウムの平均粒子径は透過型電子顕微鏡によって測定した。具体的には以下のようにして算出を行なった。透過型電子顕微鏡の観察画像を等倍でプリントアウトし、視野内のパラジウム粒子50点をピックアップしてそれぞれの粒子径を計測した。パラジウム粒子の形状はほぼ円形であったので、全て円形であると近似して計測した。この操作を3視野について実施し、計測値の平均をとり平均粒子径とした。
<実施例1>
(パラジウム含有担持触媒調製)
酢酸パラジウム1.16部を88質量%n−吉草酸水溶液60部に添加し、80℃において1時間加熱および攪拌を行い溶解させた。得られた溶液をオートクレーブに移し、石炭原料から製造された活性炭(比表面積840m2/g)5.4部を加えて回転数を400rpmに合わせて攪拌を開始し、窒素ガスの導入と放出を数回繰り返して装置内部を窒素置換した。プロピレンガスを0.5MPaまで導入した後、50℃(還元温度)まで昇温し1時間(還元時間)保持した。反応終了後、20℃まで冷却し、内部のガスを放出した後、オートクレーブを開放した。懸濁液をろ過して担持率10質量%(担体の質量に対するパラジウム質量)のパラジウム含有担持触媒を得た。
得られたパラジウム含有担持触媒中のパラジウムの平均粒子径は1.5nm(透過型電子顕微鏡の観察倍率:100万倍)であった。
(触媒性能評価)
攪拌装置を備えたオートクレーブに、p−メトキシフェノールを200ppm含有する88質量%酢酸水溶液69部、及び上記のパラジウム含有担持触媒3部を仕込んだ。さらにメタクロレイン2.5部を添加した。オートクレーブを密閉した後、攪拌回転数820rpmで攪拌を開始し、ヒーターにより90℃まで昇温した。90℃に達した時点で3.2MPaまで空気を導入し、そのまま20分間(反応時間)保持した。反応終了後、20℃まで冷却した。また、オートクレーブのガス出口には冷水を入れた吸収管とガス捕集袋をこの順に取り付けた。ガス出口を開き、ガスを回収しながら反応器内の圧力を開放した。反応液を遠沈管に移液し、遠心分離により触媒を沈降させた。上澄み液をPTFE製のメンブレンフィルター(孔径:0.5μm)に通して回収した。
この結果、メタクロレイン反応率93.6%、メタクリル酸選択率79.9%、ポリマー・オリゴマー選択率8.5%、およびメタクリル酸収率74.8%であった。
<実施例2>
比表面積988m2/gのヤシ殻原料から製造された活性炭を担体として用いた以外は、実施例1と同様に触媒を調製した。得られたパラジウム含有担持触媒(担持率10質量%)中のパラジウムの平均粒子径は2.6nm(透過型電子顕微鏡の観察倍率:30万倍)であった。
実施例1と同様に触媒性能評価を行なった結果、メタクロレイン反応率89.7%、メタクリル酸選択率84.7%、ポリマー・オリゴマー選択率4.3%、およびメタクリル酸収率76.0%であった。
<比較例1>
触媒調製溶媒として96質量%酢酸水溶液を用いた以外は実施例1と同様に触媒を調製した。得られたパラジウム含有担持触媒(担持率10質量%)中のパラジウムの平均粒子径は8.4nm(透過型電子顕微鏡の観察倍率:30万倍)であった。
実施例1と同様に触媒性能評価を行なった結果、メタクロレイン反応率46.4%、メタクリル酸選択率71.5%、ポリマー・オリゴマー選択率15.4%、およびメタクリル酸収率33.2%であった。
<比較例2>
触媒調製溶媒としてn−吉草酸を用いた以外は実施例1と同様に触媒を調製した。得られたパラジウム含有担持触媒(担持率10質量%)中のパラジウムの平均粒子径は10.1nm(透過型電子顕微鏡の観察倍率:30万倍)であった。
実施例1と同様に触媒性能評価を行なった結果、メタクロレイン反応率45.4%、メタクリル酸選択率65.2%、ポリマー・オリゴマー選択率21.3%、およびメタクリル酸収率30.0%であった。
<比較例3>
酢酸パラジウム量を0.11部、還元温度を25℃、還元時間を18時間とした以外は実施例1と同様に触媒を調製した。得られたパラジウム含有担持触媒(担持率10質量%)中のパラジウムの平均粒子径は0.8nm(透過型電子顕微鏡の観察倍率:100万倍)であった。
メタクロレイン反応時間を3時間とした以外は実施例1と同様に触媒性能評価を行なった結果、メタクロレイン反応率42.5%、メタクリル酸選択率59.8%、ポリマー・オリゴマー選択率29.6%、およびメタクリル酸収率25.4%であった。
以上の結果を表1にまとめて示す。このように、本発明のパラジウム含有担持触媒を用いることで、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドからα,β−不飽和カルボン酸を高収率で製造できることが分かった。
Figure 0004204491

Claims (3)

  1. オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素によって液相中で酸化してα,β−不飽和カルボン酸を製造するための触媒であって、平均粒子径が1〜8nmの範囲にあるパラジウムが担体に担持されているパラジウム含有担持触媒。
  2. 請求項1記載のパラジウム含有担持触媒の製造方法であって、担体の存在下でパラジウム化合物を還元剤によって還元するパラジウム含有担持触媒の製造方法。
  3. 請求項1記載のパラジウム含有担持触媒の存在下で、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素によって液相中で酸化するα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
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