JP4204161B2 - 開閉体のヒンジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機の原稿圧着板などの開閉体を任意の開き角度で停止保持させることのできるフリーストップ機能を備え、かつ厚物原稿の複写等にも適用できる開閉体のヒンジの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の開閉体のヒンジとして、例えば、特公平3−74372号公報や特公平3−74811号公報などに開示されているようなものがある。そこでは、複写機本体などのベースに取り付けられる固定側ヒンジ体と、この固定側ヒンジ体にヒンジピン回りに上下方向に回動自在に枢支連結され、前記ベースに対し上下方向に開閉回動自在に設置される開閉体の回動基端側に取り付けられる可動側ヒンジ体とを備えている。そして、固定側ヒンジ体と可動側ヒンジ体との間にカム機構と圧縮コイルばねを設け、これらカム機構と圧縮コイルばねとの協同作用により開閉体の重量による閉方向のモーメントとのバランスを保つことにより開閉体を任意の開き角度で停止保持させることができ、また可動側ヒンジ体を互いに屈折自在に枢支連結された第1支持部材と第2支持部材で構成することにより厚物原稿の複写にも対応できるものとしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記開閉体のヒンジでは圧縮コイルばね以外に、カム機構を必要とするが、カム機構を併用することにより組付けの部材点数及び工数を多く要し、構造の複雑化、大型化を招き、コスト高にもなっていた。
【0004】
本発明の目的は、このような問題を解消するためになされたものであり、フリーストップ機能及び厚物原稿の複写等に対応できる機能を確保し得ながら上記カム機構の省略化を図ることにより組み付けの部材点数及び工数を減少でき、構造の簡素化、小形化を図れる開閉体のヒンジを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図1ないし図4に例示するように、複写機本体などのベース1に対し開閉体2を上下方向に開閉回動自在に取り付けるヒンジであって、ベース1に取り付けられる固定側ヒンジ体4と、この固定側ヒンジ体4に、その回動基端側が第1ヒンジピン5回りに上下方向に回動自在に枢支連結された第1可動側ヒンジ体6と、この第1可動側ヒンジ体6の回動先端側に、回動先端部が開閉体2の回動半径方向内方に向くように第2ヒンジピン7回りに上下方向に回動自在に枢支連結され、開閉体2の回動基端側に取り付けられる第2可動側ヒンジ体8と、を備えていること、
固定側ヒンジ体4の前記第1ヒンジピン5よりも下方でかつ開閉体2の回動半径方向外方に偏した位置に、第1ストッパーピン13が前記第1ヒンジピン5と平行に固定されており、第2可動側ヒンジ体8の前記第2ヒンジピン7よりも下方でかつ回動先端側に偏した位置に、第2ストッパーピン24が前記第2ヒンジピン7と平行に固定されていること、
第1可動側ヒンジ体6に第1ヒンジスライダー16と第2ヒンジスライダー17がそれぞれ開閉体の回動半径方向に並べてその回動半径方向に移動自在に備えられていること、
第1ヒンジスライダー16は開閉体2の回動半径方向と平行に横長に形成された第1横長溝18と、この第1横長溝18に対し直交するよう縦長に形成された第1縦長溝19とを有し、第1横長溝18に前記第1ヒンジピン5が、第1縦長溝19に前記第1ストッパーピン13がそれぞれ摺動自在に挿通されていること、
第2ヒンジスライダー17は開閉体2の回動半径方向と平行に横長に形成された第2横長溝21と、この第2横長溝21に対し直交するよう縦長に形成された第2縦長溝22とを有し、第2横長溝21に前記第2ヒンジピン7が、第2縦長溝22に前記第2ストッパーピン24がそれぞれ摺動自在に挿通されていること、
第1ヒンジスライダー16と第2ヒンジスライダー17との対向面間に、常に、第1ヒンジスライダー16を開閉体2の回動半径方向内方に、第2ヒンジスライダー17を開閉体の回動半径方向外方にそれぞれ向けて押圧付勢して第1可動側ヒンジ体16に開方向のモーメントを与える圧縮コイルばね25が装着されていること、に特徴を有するものである。
【0006】
【作用】
第1,2可動側ヒンジ体に作用する閉方向のモーメントは第2可動側ヒンジ体に取り付けられる開閉体の重量によって生じ、第1,2可動側ヒンジ体の開き角度が大きくなるとそのモーメントが小さくなり、逆に前記開き角度が小さくなるとそのモーメントが大きくなる。
いま、開閉体がこれの重量による閉方向のモーメントによって水平姿勢に閉じた状態においては、圧縮コイルばねは最も短く圧縮した状態にあり、第1ヒンジピンは第1ヒンジスライダーの第1横長溝内の開閉体回動半径方向の内方側端部に、第1ストッパーピンは第1縦長溝内の上端部にそれぞれ位置し、第2ヒンジピンは第2ヒンジスライダーの第2横長溝内の開閉体回動半径方向の内方側端部に、第2ストッパーピンは第2縦長溝内の下端部にそれぞれ位置している。
【0007】
この状態から開閉体の重量による閉方向のモーメント及び第1ヒンジスライダーの第1縦長溝と第1ストッパーピンとの摺動面間で生じる摩擦力に抗して開閉体を開いてゆくと、圧縮コイルばねが次第に伸びてゆき、第1ヒンジスライダーは第1横長溝内の開閉体回動半径方向の内方側端部を第1ヒンジピンから、第1縦長溝内の上端部を第1ストッパーピンからそれぞれ次第に離して第1可動側ヒンジ体から開閉体回動半径方向内方へ移動して行く。このとき、圧縮コイルばねの付勢力による開方向のモーメントと、開閉体の重量による閉方向のモーメント及び第1ヒンジスライダーの第1縦長溝と第1ストッパーピンとの摺動による摩擦力とが釣り合うことによって開閉体を任意開き角度に停止保持させるフリーストップ機能が発揮される。
【0008】
また、開閉体が大きく開くに従い第1ストッパーピンに対し摺動する第1縦長溝を介してモーメントの回転半径が大きくなるので、圧縮コイルばねは小さいばね力で足りることになる。
第1ヒンジスライダーの第1縦長溝が第1ストッパーピンに対し摺動することによりこの摺動面間での摩擦力を大きくとることができるので、フリーストップ効果、および開閉体の重量により生じる閉方向のモーメントによる急激な落下現象を防止するダンパー効果を高めることできる。
【0009】
このように開閉体が或る角度に開かれ、ベース上に置かれる原稿等が厚物である場合には、開閉体を厚物原稿に対して押さえ付けると第2可動側ヒンジ体が第2ヒンジピン回りにその回動先端側を第1可動側ヒンジ体から上方へ離間する上向き方向に回動し、第2ストッパーピンが第2縦長溝内の下端部から上端部に向かって摺動し、第2ヒンジスライダーが圧縮コイルばねを少し圧縮させながら第1可動側ヒンジ体内を開閉体回動半径方向内方へ移動して行き、開閉体がこれの回動基端側をリフトアップされて厚物原稿に対して平行となり、開閉体が厚物原稿全体をベース上に均等な圧力分布で圧着する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る開閉体の全閉時におけるヒンジの縦断側面図、図2は開閉体の半開き時におけるヒンジの縦断側面図、図3は厚物原稿である場合の使用状態を示す縦断側面図、図4はヒンジの分解斜視図である。
【0011】
図1において、1は複写機本体等のベース、2は原稿圧着板等の開閉体、3は本発明に係るヒンジで、ベース1に対して開閉体2を上下方向に開閉回動自在に取り付けている。ヒンジ3は、ベース1に図外のビスなどで取り付けられる固定側ヒンジ体4と、この固定側ヒンジ体4に、その回動基端側が第1ヒンジピン5まわりに上下方向に回動自在に枢支連結される第1可動側ヒンジ体6と、この第1可動側ヒンジ体6の回動先端側に、その回動先端部が開閉体2の回動半径方向内方に向くように第2ヒンジピン7まわりに上下方向に回動自在に枢支連結され、開閉体2の回動基端側に図外のビスなどで取り付けられる第2可動側ヒンジ体8と、を備えている。
【0012】
図4に示すように、固定側ヒンジ体4は、ベース1に図外のビスなどで取り付けられる底板4aと、この底板4aの両端から立ち上げた側板4b,4bとを有する形に形成され、側板4b,4bの上端側に第1ヒンジピン枢支孔9,9を設けている。さらに、側板4b,4bの、第1ヒンジピン枢支孔9,9よりも下方でかつ開閉体2の回動半径方向外方に偏した位置には、第1ストッパーピン支持孔10,10を設けている。
【0013】
一方、第1可動側ヒンジ体6は、底板6aと、この底板6aの両側端から立ち上げた側板6b,6b、及びこの側板6b,6bから内向きに底板6aと平行に折曲したリップ6c,6cとを有するリップ付き溝形断面に形成され、側板6b,6bの回動基端側の一端に第1ヒンジピン枢支孔11,11を設け、側板6b,6bの回動先端側の他端に第2ヒンジピン枢支孔12,12を設けている。この第1可動側ヒンジ体6は、側板6b,6bの第1ヒンジピン枢支孔11,11を固定側ヒンジ体4の第1ヒンジピン枢支孔9,9に合わせてこれら枢支孔11,9に第1ヒンジピン5を挿通することによって固定側ヒンジ体4に対し第1ヒンジピン5まわりに上下方向に回動自在に枢支連結される。固定側ヒンジ体4の側板4b,4bの第1ストッパーピン支持孔10,10には、第1ストッパーピン13が第1ヒンジピン5と平行に挿通固定される。
【0014】
第2可動側ヒンジ体8は、開閉体2の回動基端側に図外のビスなどで取り付けられる上板8aと、この上板8aの両端から下方に折曲した側板8b,8bとを有する溝形断面に形成され、側板8b,8bの回動基端側に第2ヒンジピン枢支孔14,14を設けている。この第2可動側ヒンジ体8は、第1可動側ヒンジ体6に対して上板8aが第1可動側ヒンジ体6のリップ6c,6cの上側に、側板8b,8bが第1可動側ヒンジ体6の側板6b,6bの外側にそれぞれ重なり合うとともに、回動先端部が開閉体2の回動半径方向内方に向くように、互いに合致する第2ヒンジピン枢支孔14,12に第2ヒンジピン7を挿通することによって第1可動側ヒンジ体6に対し第2ヒンジピン7まわりに上下方向に回動自在に枢支連結される。さらに、側板8b,8bの、第2ヒンジピン枢支孔14,14よりも下方でかつ回動先端側に偏した位置には、第2ストッパーピン支持孔15,15を設け、この第2ストッパーピン支持孔15,15に第2ストッパーピン24が挿通固定される。
【0015】
第1可動側ヒンジ体6には第1ヒンジスライダー16と第2ヒンジスライダー17がそれぞれ開閉体2の回動半径方向に並べてその回動半径方向に移動自在に備え付けられる。
第1ヒンジスライダー16は耐摩耗性に優れるポリアセタール系樹脂やポリアミド系樹脂などで成形され、開閉体2の回動半径方向と平行に横長に形成された第1横長溝18と、この第1横長溝18の下方でかつ開閉体2の回動半径方向外方に偏した位置に第1横長溝18に対し直交するよう縦長に形成された第1縦長溝19とを有するとともに、ばね受け筒部20を開閉体2の回動半径方向外方に向けて形成している。
【0016】
第2ヒンジスライダー17は第1ヒンジスライダー16と同様に耐摩耗性に優れるポリアセタール系樹脂やポリアミド系樹脂などで成形され、開閉体2の回動半径方向と平行に横長に形成された第2横長溝21と、この第2横長溝21の下方でかつ開閉体2の回動半径方向内方に偏した位置に第2横長溝21に対し直交するよう縦長に形成された第2縦長溝22とを有するとともに、ばね受け壁部23を開閉体2の回動半径方向内方に向けて形成している。
【0017】
第1ヒンジスライダー16は第1可動側ヒンジ体6の回動基端側の底板6aとリップ6cとの間に開閉体2の回動半径方向に摺動自在に嵌合するとともに、第1横長溝18に前記第1ヒンジピン5が、第1縦長溝19に前記第1ストッパーピン13がそれぞれ摺動自在に挿通される。第1可動側ヒンジ体6に対し第1ヒンジスライダー16を開閉体2の回動半径方向に真直ぐに摺動案内させる手段としては、第1ヒンジスライダー16の上面に凸部16aを設け、この凸部16aを第1可動側ヒンジ体6のリップ6c,6cの対向端縁同士間の間隙に摺動自在に嵌合させる。
【0018】
第2ヒンジスライダー17は第1可動側ヒンジ体6の回動先端側の底板6aとリップ6cとの間に開閉体2の回動半径方向に摺動自在に嵌合するとともに、第2横長溝21に前記第2ヒンジピン7が、第2縦長溝22に前記第2ストッパーピン24がそれぞれ摺動自在に挿通される。第1可動側ヒンジ体6に対し第2ヒンジスライダー17を開閉体2の回動半径方向に真直ぐに摺動案内させる手段としては、第2ヒンジスライダー17の上面に凸部17aを設け、この凸部17aを第1可動側ヒンジ体6のリップ6c,6cの対向端縁の切欠部6d,6d同士間の間隙に摺動自在に嵌合させる。
【0019】
第1ヒンジスライダー16のばね受け筒部20と第2ヒンジスライダー17のばね受け壁部23との間に圧縮コイルばね25を介在させる。この圧縮コイルばね25は、常時、第1ヒンジスライダー16を開閉体2の回動半径方向内方に向けて押圧付勢することによって第1可動側ヒンジ体6に開方向のモーメントを付与する。
【0020】
次に、固定側ヒンジ体4をベース1に、第2可動側ヒンジ体8を開閉体2の回動基端側にそれぞれ取り付けた上記構成のヒンジ3の作動について説明する。
図1は開閉体2が水平姿勢に全閉した状態図を示している。この状態では、圧縮コイルばね25は圧縮した状態にあり、第1ヒンジピン5は第1ヒンジスライダー16の第1横長溝18内の開閉体回動半径方向の内方側端部18aに、第1ストッパーピン13は第1縦長溝19内の上端部19aにそれぞれ位置している。一方、第2ヒンジピン7は第2ヒンジスライダー17の第2横長溝21内の開閉体回動半径方向の内方側端部21aに、第2ストッパーピン24は第2縦長溝22内の下端部22aにそれぞれ位置している。
この開閉体2の水平姿勢に全閉した状態は、開閉体2の重量によって生じる閉方向のモーメントの大きさと、圧縮コイルばね25の付勢力によって生じる開方向のモーメントの大きさとが均衡を保つことにより保持される。
【0021】
この全閉状態から開閉体2の重量による閉方向のモーメント及び第1ヒンジスライダー16の第1縦長溝19と第1ストッパーピン13との摺動面間で生じる摩擦力に抗して開閉体2を、図2に示すごとく第1ヒンジピン5まわりに上方(a矢視方向)へ開いてゆくと、圧縮コイルばね25が次第に伸びてゆき、第1ヒンジスライダー16は第1横長溝18内の開閉体回動半径方向の内方側端部18aを第1ヒンジピン5から、第1縦長溝19内の上端部19aを第1ストッパーピン13からそれぞれ次第に離して第1可動側ヒンジ体6から開閉体回動半径方向内方(b矢視方向)へ移動して行く。このとき、圧縮コイルばね25の付勢力による開方向のモーメントと、開閉体2の重量による閉方向のモーメント及び第1ヒンジスライダー16の第1縦長溝19と第1ストッパーピン13との摺動面間で生じる摩擦力とが釣り合うことによって開閉体2を或る開き角度の範囲、例えば20゜〜60゜の開き角度の範囲内で任意に停止保持させることができ、つまりフリーストップ機能を発揮することができる。
【0022】
このように開閉体2が大きく開くに従い第1ストッパーピン13に対し摺動する第1縦長溝19を介してモーメントの回転半径r2 が大きくなる(図2参照)。したがって、圧縮コイルばね25は小さいばね力で足り、それだけヒンジ3全体の小形化に寄与できる。
【0023】
第1ヒンジスライダー16の第1縦長溝19が第1ストッパーピン13に対し摺動することによりこの摺動面間で摩擦力を大きくとることができる。したがって、この摩擦力により前記フリーストップ効果を高めるとともに、開閉体2を閉じるときはその開閉体2が重い場合も落下速度を落してゆっくり閉じて行き、開閉体2の重量により生じる閉方向のモーメントによる急激な落下は防止され、その開閉体2とベース1との間で手をはさむなどの事故を防ぐことができる。
【0024】
このように開閉体2が或る角度に開かれ、ベース1上に置かれる原稿等が厚物である場合には、図3に示すように、開閉体2を厚物原稿Pに対して押さえ付けると第2可動側ヒンジ体8が第2ヒンジピン7回りにその回動先端側を第1可動側ヒンジ体6から上方へ離間する上向き方向(c矢視方向)に回動し、第2ストッパーピン24が第2縦長溝22内の下端部22aから上端部に向かって摺動し、第2ヒンジスライダー17が圧縮コイルばね25を少し圧縮させながら第1可動側ヒンジ体6内を開閉体回動半径方向内方(d矢視方向)へ移動して行き、開閉体2がこれの回動基端側をリフトアップされて厚物原稿Pに対して平行となり、開閉体2が厚物原稿P全体をベース1上に均等な圧力で圧着することができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、開閉体の開閉に伴い固定側ヒンジ体の第1ストッパーピンに対し第1可動側ヒンジ体側の第1ヒンジスライダーの第1縦長溝を摺動させる機構を採用することにより、従来のヒンジのごときカム機構を省略することができ、それだけフリーストップ機能を有するヒンジの組み付け部材点数及び組み付け工数の減少、およびヒンジ全体の小形化を図ることができる。また、第1ヒンジスライダーの第1縦長溝と第1ストッパーピンとの組み合わせによれば、カム機構のような加工精度がさほど要求されず、簡単に組み立て加工することができて有利である。
【0026】
さらに本発明では、厚物原稿の複写などにもよく対応できるように、開閉体の回動基端側に取り付けられる第2可動側ヒンジ体の回動基端側を第1可動側ヒンジ体の回動先端側に第2ヒンジピン回りに上下方向に回動自在に枢支連結する一方、第1可動側ヒンジ体に互いに直交する第2縦横長溝を有する第2ヒンジスライダーを第1ヒンジスライダーに前記圧縮コイルばねを介して並べて備えるとともに、第2横長溝を第2ヒンジピンに、第2縦長溝を第2可動側ヒンジ体上の第2ストッパーピンにそれぞれ摺動自在に挿通させる、という開閉体のリフトアップ機構を備えており、この機構は従来のヒンジのごときカム機構を利用するものに比べて簡単に組み立てることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】開閉体の全閉時におけるヒンジの縦断側面図である。
【図2】開閉体の半開き時におけるヒンジの縦断側面図である。
【図3】厚物原稿である場合の使用状態を示す縦断側面図である。
【図4】ヒンジの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ベース
2 開閉体
3 ヒンジ
4 固定側ヒンジ体
5 第1ヒンジピン
6 第1可動側ヒンジ体
7 第2ヒンジピン
8 第2可動側ヒンジ体
13 第1ストッパーピン
16 第1ヒンジスライダー
17 第2ヒンジスライダー
18 第1横長溝
19 第1縦長溝
21 第2横長溝
22 第2縦長溝
24 第2ストッパーピン
25 圧縮コイルばね
Claims (1)
- 複写機本体などのベースに対し開閉体を上下方向に開閉回動
自在に取り付けるヒンジであって、
前記ベースに取り付けられる固定側ヒンジ体と、この固定側ヒンジ体に、その回動基端側が第1ヒンジピン回りに上下方向に回動自在に枢支連結された第1可動側ヒンジ体と、この第1可動側ヒンジ体の回動先端側に、回動先端部が開閉体の回動半径方向内方に向くように第2ヒンジピン回りに上下方向に回動自在に枢支連結され、前記開閉体の回動基端側に取り付けられる第2可動側ヒンジ体と、を備えており、
固定側ヒンジ体の前記第1ヒンジピンよりも下方でかつ開閉体の回動半径方向外方に偏した位置に、第1ストッパーピンが前記第1ヒンジピンと平行に固定されており、
第2可動側ヒンジ体の前記第2ヒンジピンよりも下方でかつ回動先端側に偏した位置に、第2ストッパーピンが前記第2ヒンジピンと平行に固定されており、
第1可動側ヒンジ体に第1ヒンジスライダーと第2ヒンジスライダーがそれぞれ開閉体の回動半径方向に並べてその回動半径方向に移動自在に備えられており、
第1ヒンジスライダーは開閉体の回動半径方向と平行に横長に形成された第1横長溝と、この第1横長溝に対し直交するよう縦長に形成された第1縦長溝とを有し、第1横長溝に前記第1ヒンジピンが、第1縦長溝に前記第1ストッパーピンがそれぞれ摺動自在に挿通されており、
第2ヒンジスライダーは開閉体の回動半径方向と平行に横長に形成された第2横長溝と、この第2横長溝に対し直交するよう縦長に形成された第2縦長溝とを有し、第2横長溝に前記第2ヒンジピンが、第2縦長溝に前記第2ストッパーピンがそれぞれ摺動自在に挿通されており、
第1ヒンジスライダーと第2ヒンジスライダーとの対向面間に、常に、第1ヒンジスライダーを開閉体の回動半径方向内方に、第2ヒンジスライダーを開閉体の回動半径方向外方にそれぞれ向けて押圧付勢して第1可動側ヒンジ体に開方向のモーメントを与える圧縮コイルばねが装着されていることを特徴とする開閉体のヒンジ。
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