JP4203908B2 - ベーンポンプ - Google Patents
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Description
本発明の目的は、ポンプ流量の調整時間を短縮するベーンポンプを提供することにある。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のベーンポンプを備える燃料蒸気漏れ検査モジュールである。このモジュールは、ポンプ流量の調整時間が短いベーンポンプを備えているので、短時間での製造が可能となる。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による燃料蒸気漏れ検査モジュール(以下、単に「検査モジュール」という。)を適用した燃料蒸気漏れ検査システム(以下、単に「検査システム」という。)を図2に示す。
図3に示すように検査モジュール100は、ハウジング110、ベーンポンプ200、切換弁300及び圧力センサ400を具備している。
ポンプ部202は、ケーシング203、ロータ204及びチェックバルブ230を有している。ケーシング203はポンプ収容部120内に設置されている。図4に示すようにケーシング203は、カムリング205、並びに蓋体としてのプレート206及び保護部材240を組み合わせて構成されている。カムリング205は一端に開口212を有する有底筒状に樹脂で形成され、その内側に円筒穴状のポンプ室207を形成している。プレート206は樹脂で厚肉平板状に形成されており、その板厚方向の端面206aがカムリング205の開口212側の端面205aに平面接触することで開口212を覆蓋している。保護部材240は金属で薄肉平板状に形成され、その板厚方向の端面240aがプレート206の反カムリング側の端面206bに平面接触する形態で配置されている。ケーシング203をなすカムリング205、プレート206及び保護部材240は、ボルト250により共締めされてモータ部220の取付部材226に取り付けられている。
チェックバルブ230は吸入口210の端面206b側に嵌合し、吸入口210から突出した端部をポンプ通路162に接続されている。チェックバルブ230はロータ204が回転駆動されるとき開弁し、また一方、ロータ204が駆動されないとき閉弁する。
弁ボディ310は切換弁収容部130に保持されている。開閉バルブ340は、弁ボディ310に一体に形成されている第一弁座341、並びに弁軸部材320の中間部に装着されているワッシャ342から構成されている。リファレンスバルブ350は、切換弁収容部130に一体に形成されている第二弁座351、並びに弁軸部材320のキャニスタ側の端部に装着されているバルブキャップ352から構成されている。弁軸部材320は、電磁駆動部330により駆動される。電磁駆動部330は、スプリング331、コイル332、固定コア333及び可動コア334を有している。スプリング331は弁軸部材320を第二弁座351側へ付勢している。コイル332はECU50に接続されている。コイル332への通電はECU50によって断続的に実施される。固定コア333と可動コア334とは磁性材で形成され、弁軸部材320の軸方向において互いに向き合っている。可動コア334は弁軸部材320の反キャニスタ側の端部に装着されている。
車両に搭載されたエンジンの運転が停止されてから所定期間が経過するまでは、検査モジュール100による検査は実施されない。そのため切換弁300のコイル332は通電されず、キャニスタポート140と大気ポート150とが連通している。これにより、燃料タンク20で発生した燃料蒸気を含む空気は、キャニスタ30を通過して燃料蒸気を除去された後、大気通路151の開放端153から大気へ放出される。
図1,4,6及び7に示すようにケーシング203には、ボルト250の軸部610が通される三つの長穴600が形成されている。三つの長穴600はロータ軸208の周方向において等間隔に配設されており、いずれもケーシング203をなす三部材205,206,240を貫いている。ケーシング203において各長穴600は、ポンプ室207の外周側をロータ軸208の中心軸線Oに平行に貫通している。各長穴600の長径方向は互いに一致し、またポンプ室207に対するロータ204の偏心方向と一致している。尚、図1,6及び7において、一点鎖線Lは各長穴600の長径方向の軸線を示し、一点鎖線Mはポンプ室207に対するロータ204の偏心方向の軸線を示している。各長穴600の短径φSは、ボルト250の軸部610の外径dより僅かに大きく設定されている。これによりケーシング203は、長穴600に通された軸部610を長穴600の短径方向両側から挟持している。上述の如く短径設定された各長穴600の長径φLは、軸部610の外径dより十分に大きい。これにより、ボルト250を緩めたときには、その軸部610に対してケーシング203を各長穴600の長径方向へ相対摺動させることが可能となる。尚、図1及び4に示すように第一実施形態では、回転軸224が貫通するカムリング205の底壁205bの穴205dを円筒穴状のルーズホールとすることで、軸部610に対するケーシング203の相対摺動が妨げられないようにしている。
(i)まず、要素222〜226,280が一体化されたモータ部220、ロータ204、カムリング205、プレート206、保護部材240、三本のボルト250及びチェックバルブ230を、それぞれ個別に準備する。
(iii)次に、回転軸224にロータ204のロータ軸208を嵌合連結し、当該ロータ204をカムリング205の内側のポンプ室207に挿入する。これにより、ロータ204が図9に示す如くポンプ室207内に保持される。
(v)次に、ケーシング203の各長穴600にボルト250の軸部610を通し、各軸部610の先端部をモータ部220の取付部材226の対応するめねじ穴640に螺着する。ここでは、ボルト250を緩めた仮留め状態としておく。
(vi)次に、ケーシング203の吸入口210にチェックバルブ230を嵌合して組付ける。
このように第一実施形態によれば、ケーシング203の形成とポンプ流量の調整とを短時間で実施できるので、ベーンポンプ200の総組立時間ひいては検査モジュール100の製造時間が短縮される。
本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第一実施形態と実質的に同一の構成部分については同一の符号を付すことで説明を省略し、主に第一実施形態と異なる点について説明する。図11は、第二実施形態のベーンポンプ750を示している。
ベーンポンプ750のポンプ部800のケーシング801は、カムリング802、第一蓋体としてのプレート803、並びに第二蓋体としてのプレート206及び保護部材240を組み合わせて構成されている。カムリング802は両端に開口804,805を有する筒状に樹脂で形成され、その内側にポンプ室207を形成している。カムリング802の開口804は、プレート206の反保護部材側の端面206aがカムリング802の開口804側の端面802aに平面接触することで覆蓋されている。プレート803は樹脂で厚肉平板状に形成されており、その板厚方向の端面803aがカムリング802の開口805側の端面802bに平面接触することで開口805を覆蓋している。
(I)まず、モータ部220、ロータ204、カムリング802、プレート803、プレート206、保護部材240、三本のボルト250及びチェックバルブ230を、それぞれ個別に準備する。
(III)次に、図12に白抜矢印で示す如く、回転軸224が下側から貫通するようにセットしたプレート803の端面803aにカムリング802の端面802bを重ね合わせる。これにより、図13(A)に示す如く、カムリング802が第一蓋体としてのプレート803上に載置されてカムリング802の一方の開口805が覆蓋されると共に、カムリング802の他方の開口804が上に向けられる。
(IV)次に、回転軸224にロータ204のロータ軸208を嵌合連結し、当該ロータ204をカムリング802の内側のポンプ室207に挿入する。これにより、ロータ204が図13に示す如くポンプ室207内に保持される。
(VI)次に、第一実施形態の(v),(vi),(vii),(viii)と同様な工程が実施されることで、ベーンポンプ750が組み上がる。
さらに、上述した複数の実施形態では、減圧に用いるベーンポンプ200の吸入流量をポンプ流量として調整したが、例えばベーンポンプ200を加圧に用いる場合には、その吐出流量をポンプ流量として調整してもよい。
Claims (7)
- 回転軸、並びに前記回転軸を回転自在に支持する支持体を有するモータと、
複数のベーンを有し、前記回転軸に連結されるロータと、
前記ロータを偏心させて収容するポンプ室を有するケーシングと、
前記ケーシングに通されると共に前記支持体に螺着して前記ケーシングを前記支持体に取り付けるおねじ部材と、
を備え、
前記ケーシングは、前記ポンプ室に対する前記ロータの偏心方向に長径となる長穴を有し、前記長穴に通された前記おねじ部材を前記長穴の短径方向両側から挟持することを特徴とするベーンポンプ。 - 前記ケーシングは、長径方向が互いに一致する複数の前記長穴を有することを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
- 前記ケーシングは、前記長穴の長径方向の軸線に垂直な平坦面部を外周面に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のベーンポンプ。
- 前記ケーシングは、一端に開口を有し前記ポンプ室を内側に形成する有底筒状のカムリング、並びに前記カムリングの開口を覆蓋する蓋体を組み合わせて構成されており、
前記回転軸は前記カムリングの底壁を貫通し、前記ポンプ室内の前記ロータに連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のベーンポンプ。 - 前記ケーシングは、両端に開口を有し前記ポンプ室を内側に形成する筒状のカムリング、前記カムリングの一端の開口を覆蓋する第一蓋体、並びに前記カムリングの他端の開口を覆蓋する第二蓋体を組み合わせて構成されており、
前記回転軸は前記第一蓋体を貫通し、前記ポンプ室内の前記ロータに連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のベーンポンプ。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のベーンポンプのポンプ流量を調整する方法であって、
前記おねじ部材を緩めた状態で、前記ポンプ流量を監視しつつ前記ケーシングを前記支持体に対して相対移動させる段階と、
前記ポンプ流量の監視結果に基づき前記支持体に対する前記ケーシングの相対位置を決定する段階と、
を含むことを特徴とするポンプ流量調整方法。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のベーンポンプを備え、
前記ベーンポンプにより燃料タンクの内部を減圧又は加圧して前記燃料タンクからの燃料蒸気の漏れを検査することを特徴とする燃料蒸気漏れ検査モジュール。
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