JP2007239639A - 蒸発燃料漏れ検査モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】高価なセンサを必要とせず、ポンプの性能の変化にかかわらず蒸発燃料の漏れ検査精度が向上する蒸発燃料漏れ検査モジュールを提供する。
【解決手段】ポンプ200は、移動可能なポンプケーシング250を有している。燃料タンクに生じている開口の大きさは、ポンプケーシング250とロータ251との偏心量から判断している。そのため、わずかな圧力の変化から開口の大きさを判断する場合と比較して、圧力センサの性能を抑えることができる。また、オリフィスを経由して圧力を検出するとき、ポンプケーシング250とロータ251との偏心量を調整することにより、圧力を一定値に補正することができる。その結果、例えば高度や気圧などの周囲の環境あるいは長期的な使用による劣化などによって、ポンプ性能が変化する場合でも、オリフィスを通過しポンプ200に吸入される空気の圧力が一定となり、蒸発燃料漏れの検出精度を高めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料タンクで発生した蒸発燃料の燃料タンク外部への漏れを検査する蒸発燃料漏れ検査モジュールに関する。
従来、広く用いられている蒸発燃料漏れ検査モジュールでは、ポンプを用いて燃料タンクの内部と外部との間に圧力差を形成している。燃料タンクの内部と外部との間に圧力差を形成することにより、燃料タンクから蒸発燃料を含む空気が漏れている場合、燃料タンクに連通する通路の圧力は変化する。この圧力変化を検出することにより、燃料タンクからの蒸発燃料の漏れを検査する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2005−069104号公報
特許文献1に開示されている蒸発燃料漏れ検査モジュールを用いて蒸発燃料の漏れを検査する場合、圧力センサを用いて蒸発燃料の漏れを検出している。具体的には、漏れ量の基準となる細孔を有するオリフィスを経由して燃料タンクの内部を加圧または減圧したときの圧力と、燃料タンクの内部を直接加圧または減圧したときの圧力とを比較することにより、燃料タンクからの蒸発燃料の漏れが検出される。
しかしながら、燃料タンクに許容される開口、すなわちオリフィスの細孔は直径約0.5mm程度である。そのため、燃料タンクからの蒸発燃料の漏れを検査する場合、直径約0.5mm程度の小さな細孔を通過する空気のわずかな圧力変化を検出する必要がある。その結果、圧力センサには高い精度が要求され、高価なセンサを必要とする。また、燃料タンクの内部を加圧または減圧するポンプの性能は、周囲の環境や使用にともなう劣化などによって経時的に変化するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、高価なセンサを必要とせず、ポンプの性能の変化にかかわらず蒸発燃料の漏れ検査精度が向上する蒸発燃料漏れ検査モジュールを提供することにある。
請求項1記載の発明では、制御手段は補正手段によってポンプの性能を補正している。制御手段は、ポンプの性能を補正することによって、オリフィス通路を経由して基準圧力を検出するときのポンプの性能すなわち基準性能と、ポンプ通路を経由して燃料タンクの内部を加圧または減圧するときにポンプの性能とを同一に制御する。ここで、ポンプの性能とは、例えばポンプから吐出される空気の流量や圧力、ポンプを駆動する駆動手段の消費電力、あるいはポンプの回転数などである。これにより、燃料タンクの内部の圧力の変化は、オリフィス通路を経由するときのポンプ性能とポンプ通路を経由するときのポンプ性能との差から検出される。したがって、わずかな圧力差を精密に検出する必要がなく、高価な圧力センサを必要としない。
また、請求項1記載の発明では、ポンプの性能を比較することにより、精密な圧力の検出が不要となる。そのため、例えば高度や気候などの周囲の環境によって圧力が変化したり、長期間の使用によりポンプの性能が変化する場合でも、燃料タンクからの蒸発燃料の漏れを検出するときのポンプ性能は同一となる。したがって、ポンプの性能の変化にかかわらず蒸発燃料の漏れ検査精度を向上することができる。
請求項2記載の発明では、ポンプはベーンポンプである。そして、補正手段は、ベーンポンプのケーシングとロータとの偏心量を調整する。ベーンポンプのケーシングとロータとの間には、円環状のポンプ室が形成される。ポンプ室では、ポンプに吸入された空気が加圧される。そこで、ベーンポンプのケーシングとロータとの偏心量を調整することにより、ケーシングとロータとの間に形成されるポンプ室の断面積は、ロータの径方向の大きさが変化する。これにより、ポンプ性能は変化する。したがって、簡単な構造でポンプの性能を変化させることができる。
請求項3記載の発明では、ポンプはベーンポンプである。そして、補正手段は、ベーンポンプのケーシングとカバーとの間の距離を調整する。ベーンポンプのケーシングとロータとの間には、円環状のポンプ室が形成される。ポンプ室では、ポンプに吸入された空気が加圧される。そこで、ベーンポンプのケーシングとカバーとの間の距離を調整することにより、ケーシングとロータとの間に形成されるポンプ室の断面積は、ロータの軸方向の大きさが変化する。これにより、ポンプの性能は変化する。したがって、簡単な構造でポンプの性能を変化させることができる。
請求項4記載の発明では、補正手段はロータとカバーとの間の距離を可変する圧電素子を有している。これにより、ケーシングとロータとの間に形成されるポンプ室の断面積は、圧電素子への通電量を変更することにより、ロータの軸方向の大きさが変化する。そのため、ポンプの性能は圧電素子への通電量により容易かつ精密に変化する。また、したがって、簡単な構造でポンプの性能を精密に変化させることができる。
請求項5記載の発明では、ロック検出手段によりポンプのロックが検出されると、補正手段によりロータとカバーとの間の距離は拡大される。例えば、空気に含まれている異物がロータとカバーとの間に噛み込むと、ポンプではロータの回転が妨げられ、ポンプのロックが生じる。そこで、ポンプのロックが検出されると、ロータとカバーとの間を拡大することにより、噛み込んだ異物は除去される。したがって、ポンプの作動の停止を招くことがなく、ポンプの作動安定性を高めることができる。
請求項6記載の発明では、制御手段は、ポンプ通路を経由して燃料タンクの内部を加圧または減圧するとき、燃料タンクの内部の圧力に応じて、ポンプの性能を変更する。すなわち、制御手段は、燃料タンクの内部が基準圧力に達するまで、ロータとカバーとの間の距離を拡大するとともに、ロータの回転数を増大する。これにより、ポンプからの空気の吐出量を増大し、燃料タンクの内部を迅速に加圧または減速する。したがって、燃料タンクからの蒸発燃料漏れの検査に必要な期間を短縮することができる。また、燃料タンクの内部と外部との圧力差が小さくなるので、燃料タンクの破壊を防止することができる。
請求項7記載の発明では、制御手段は、燃料タンクの内部が基準圧力に達すると、ロータとカバーとの間の距離を縮小するとともに、ロータの回転数を低減する。これにより、オリフィスを経由するときと、燃料タンクを直接減圧するときとの間で圧力差が大きくなる。したがって、燃料タンクからのわずかな蒸発燃料漏れが検出され、検出精度を高めることができる。
本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態による燃料蒸気漏れ検査モジュール(以下、単に「検査モジュール」という。)を適用した燃料蒸気漏れ検査システム(以下、単に「検査システム」という。)を図2に示す。
検査システム10は、検査モジュール100、燃料タンク20、キャニスタ30、吸気装置40およびECU50から構成されている。検査モジュール100は、図3に示すように主にハウジング110、ポンプ200、モータ210、切換弁300および圧力センサ400を備えている。
ハウジング110は、ハウジング本体111とハウジングカバー112とを有している。ハウジング110には、ポンプ200、モータ210および切換弁300が収容されている。ハウジング110は、ポンプ200およびモータ210を収容するポンプ収容部120ならびに切換弁300を収容する切換弁収容部130を有している。ハウジング110は、キャニスタポート140および大気ポート150を有している。キャニスタポート140および大気ポート150は、ハウジング本体111に形成されている。キャニスタポート140は、キャニスタ通路141を経由してキャニスタ30に接続されている。大気ポート150は、図2に示すように大気通路151に接続されている。大気通路151は、検査モジュール100とは反対側の端部にエアフィルタ152が設置されている開放端153を有している。これにより、大気通路151は、検査モジュール100とは反対側の端部において大気に開放されている。
ハウジング110は、図3に示すようにさらに接続通路161、接続通路162、排出通路163、圧力導入通路164およびセンサ室170を有している。接続通路161は、キャニスタポート140と大気ポート150とを接続している。接続通路162は、接続通路161とポンプ200の吸入口201とを接続している。排出通路163は、ポンプ200の排出口202と大気ポート150とを接続している。圧力導入通路164は、接続通路162から分岐しており、接続通路162とセンサ室170とを接続している。センサ室170には、圧力センサ400が設置されている。センサ室170は、圧力導入通路164に接続されているため、内部が接続通路162と概ね同一の圧力となる。
排出通路163は、ポンプ収容部120においてポンプ200およびモータ210とハウジング110との間に形成され、切換弁収容部130において切換弁300とハウジング110との間に形成されている。そのため、ポンプ200の排出口202から排出された空気は、ポンプ200とハウジング110との間に形成されている隙間203、ならびにモータ210とハウジング110との間に形成されている隙間204を経由して切換弁300とハウジング110との間に形成される図示しない隙間に流入する。そして、切換弁300とハウジング110との間に流入した空気は、切換弁300とハウジング110との間に沿って流れ、大気ポート150へ排出される。
ハウジング110は、キャニスタポート140側にオリフィス部500を有している。オリフィス部500は、キャニスタポート140から分岐するオリフィス通路510を有している。オリフィス通路510は、キャニスタポート140と接続通路162とを接続している。オリフィス通路510にはオリフィス520が配置されている。オリフィス520は、燃料タンク20からの燃料蒸気を含む空気漏れが許容される開口の大きさに対応している。例えば、CARBおよびEPAの基準では、燃料タンク20からの燃料蒸気を含む空気漏れの検出精度として、φ0.5mm相当の開口からの空気漏れの検出を要求している。そのため、本実施形態の場合、例えばφ0.5mm以下の開口を有するオリフィス520がオリフィス通路510に配置されている。オリフィス通路510は、キャニスタポート140の内周側に設置されている。これにより、ハウジング110は、外側に接続通路161ならびに内側にオリフィス通路510を有する二重環状に形成されている。
ポンプ200は、ポンプ収容部120に収容されており、吸入口201および排出口202を有している。吸入口201は接続通路162に開口し、排出口202は排出通路163に開口している。ポンプ200の吸入口201側には、チェックバルブ220が設置されている。チェックバルブ220は、ポンプ200が駆動されると開弁する。ポンプ200が駆動していないときチェックバルブ220が閉弁することにより、燃料蒸気を含む空気がポンプ200へ流入するのを防止する。
ポンプ200は、ポンプケーシング250、ポンプカバー260およびポンプカバー270を有している。また、ポンプ200は、ポンプケーシング250の内部に回転駆動されるロータ251を有している。ロータ251が回転することにより吸入口201から吸入された空気は排出口202へ排出される。本実施形態の場合、ポンプ200はキャニスタ30を経由して燃料タンク20の内部を減圧する減圧ポンプとして機能する。
ポンプ200にはモータ210が取り付けられている。モータ210のシャフト211にはポンプ200のロータ251が固定されている。すなわち、モータ210はポンプ200を駆動する。モータ210は、例えば図示しないコイルへの通電位置を変更することにより、図示しない可動子を回転駆動する電気的に無接点の直流モータである。モータ210は、制御回路部280に接続されている。制御回路部280は、モータ210を一定の回転数に制御する。制御回路部280は、排出通路163を構成する隙間204に設置されている。
切換弁300は、弁ボディ310、弁軸部材320および電磁駆動部330から構成されている。弁ボディ310は、ハウジング110の切換弁収容部130に収容されている。切換弁300は、開閉バルブ340およびリファレンスバルブ350を有している。開閉バルブ340は、弁ボディ310に形成されている第一弁座341、ならびに弁軸部材320に装着されているワッシャ342から構成されている。また、リファレンスバルブ350は、ハウジング110に形成されている第二弁座351、ならびに弁軸部材320のキャニスタ30側の端部に装着されているバルブキャップ352から構成されている。
弁軸部材320は、電磁駆動部330により駆動される。弁軸部材320は、軸方向の途中にワッシャ342が装着され、軸方向の端部にバルブキャップ352が装着されている。電磁駆動部330は、弁軸部材320を第二弁座351方向へ付勢する例えばスプリング331などの付勢手段を有している。電磁駆動部330はコイル332を有しており、コイル332は図2に示すECU50に接続されている。ECU50は、コイル332への通電を断続する。コイル332に通電されていないとき、電磁駆動部330の固定コア333と可動コア334との間には磁気吸引力が発生していない。そのため、可動コア334と一体に接続されている弁軸部材320は、スプリング331の付勢力により図3の下方へ移動している。
コイル332へ通電していないとき弁軸部材320は図3の下方へ移動しているため、バルブキャップ352は第二弁座351に着座している。これにより、接続通路161と接続通路162との間は遮断されている。一方、ワッシャ342は第一弁座341から離座している。これにより、キャニスタポート140と大気ポート150とは接続通路161を経由して連通する。したがって、コイル332への通電が停止されているとき、キャニスタポート140と接続通路162との間の空気の流れは遮断され、キャニスタポート140と大気ポート150との間の空気の流れは許容される。
ECU50からの指令によりコイル332に通電されると、固定コア333と可動コア334との間には磁気吸引力が発生する。そのため、可動コア334と一体に接続されている弁軸部材320は、スプリング331の付勢力に抗して図3の上方へ移動する。この結果、バルブキャップ352は第二弁座351から離座するとともに、ワッシャ342は第一弁座341に着座する。これにより、接続通路161と接続通路162とは連通する。一方、キャニスタポート140と大気ポート150との間は遮断される。したがって、コイル332へ通電されているとき、キャニスタポート140と接続通路162との間の空気の流れは許容され、キャニスタポート140と大気ポート150との間の空気の流れは遮断される。なお、オリフィス通路510と接続通路162とは、コイル332への通電または非通電にかかわらず、常に接続されている。
図2に示すように、キャニスタ30は吸着剤31を有している。吸着剤31は、例えば活性炭などであり、燃料タンク20で発生した燃料蒸気を吸着する。キャニスタ30は、検査モジュール100と燃料タンク20との間に設置されている。キャニスタ30は、キャニスタ通路141により検査モジュール100と接続され、タンク接続通路32により燃料タンク20に接続されている。また、キャニスタ30には、吸気装置40の吸気管41へ連通するパージ通路33が接続されている。燃料タンク20で発生した燃料蒸気は、キャニスタ30を通過することにより吸着剤31に吸着される。これにより、キャニスタ30から流出する空気に含まれる燃料蒸気は所定の濃度以下となる。吸気装置40は、エンジンの吸気系に接続される吸気管41を有している。吸気管41には内部を流れる吸気の流量を調整するスロットルバルブ42が設置されている。キャニスタ30と吸気管41とを接続するパージ通路33には、パージバルブ34が設置されている。パージバルブ34は、ECU50からの指令によりパージ通路33を開閉する。タンク接続通路32、キャニスタ30、キャニスタ通路141、キャニスタポート140、接続通路161および接続通路162は、特許請求の範囲のポンプ通路を構成している。
圧力センサ400は、図3に示すようにハウジング110に形成されているセンサ室170に設置されている。圧力センサ400は、センサ室170の圧力を検出し、ECU50に圧力に応じた信号を出力する。センサ室170は、圧力導入通路164を経由して接続通路162に連通している。そのため、センサ室170に設置されている圧力センサ400で検出される圧力は、接続通路162の圧力とほぼ同一となる。
ECU50は、図示しないCPU、ROMおよびRAMなどを有するマイクロコンピュータから構成されている。ECU50は、検査モジュール100をはじめ検査モジュール100が搭載される車両の各部を制御する。ECU50には、圧力センサ400をはじめとして車両の各部に設置されている種々のセンサから出力された信号が入力される。ECU50は、これら入力された種々の信号からROMに記録されている所定の制御プログラムにしたがって各部を制御する。モータ210および切換弁300なども、ECU50により制御される。
図2に示すように、検査モジュール100はポンプ200の性能を可変する補正手段としての能力変更部290を有している。能力変更部290は、ECU50からの指令によりポンプ200の性能を変更する。本実施形態の場合、ポンプ200は、上述のようにポンプケーシング250、およびロータ251を有している。ポンプ200は、軸方向の端部がポンプカバー260によって覆われている。図1に示すように、ポンプ200のロータ251は、周方向の四個所に溝252を有している。溝252には、径方向へ往復移動可能なベーン253が収容されている。ベーン253は、径方向外側の端部がポンプケーシング250の内周面に接している。ベーン253は、ポンプケーシング250の内周面とは反対側の端部が溝252に収容されている。
モータ210のシャフト211は、ロータ251の中心部を貫いている。ロータ251はシャフト211に固定されており、ロータ251はシャフト211とともに回転する。ロータ251とポンプケーシング250との間には、円環状のポンプ室254が形成される。ロータ251とポンプケーシング250とは、偏心して配置されている。そのため、ポンプ室254は、ロータ251の周方向へ断面積が変化している。ロータ251が回転すると、溝252に収容されているベーン253はロータ251とともに回転する。ベーン253は、ロータ251の径方向へ移動可能である。そのため、ポンプ室254を形成するロータ251とポンプケーシング250との間の距離が変化しても、ベーン253の外周側の端部は常にポンプケーシング250の内周面に接している。これにより、ポンプ室254の空気は、ベーン253の回転によって加圧され、排出口202から吐出される。
能力変更部290は、ポンプケーシング250を径方向へ移動する。本実施形態の場合、能力変更部290は、ポンプケーシング250を径方向へ駆動するアクチュエータ291と、ポンプケーシング250をハウジング本体111に移動可能に支持する弾性部材292とを有している。アクチュエータ291は、ECU50からの指令によりポンプケーシング250を径方向へ移動する。アクチュエータ291によってポンプケーシング250が径方向へ移動することにより、ロータ251とポンプケーシング250との偏心量が変化する。その結果、ロータ251とポンプケーシング250とポンプカバー260との間に形成されるポンプ室254の断面積は変化する。
通常、ポンプケーシング250は、ロータ251と所定の大きさ偏心している基準位置にある。このとき、モータ210に通電すると、ポンプ200からは所定の圧力および所定の流量の空気が吐出される。ポンプケーシング250が基準位置にあるとき、図4に示すようにポンプ200から吐出またはポンプ200に吸入される空気の圧力および流量をそれぞれ基準となる圧力および基準となる流量とする。
アクチュエータ291に通電し、ロータ251とポンプケーシング250との偏心量が基準位置よりも小さくなると、ロータ251とポンプケーシング250との間に形成されるポンプ室254は周方向への断面積の変化が小さくなる。そのため、接続通路162からポンプ200へ吸入される空気の量は低減し、ポンプ室254における空気の圧力変化は小さくなる。その結果、図4に示すようにポンプ200から吐出またはポンプ200へ吸入される空気の流量は小さくなるとともに、ポンプ200から吐出またはポンプ200へ吸入される空気の圧力も小さくなる。
一方、ロータ251とポンプケーシング250との偏心量が基準位置よりも大きくなると、ロータ251とポンプケーシング250との間に形成されるポンプ室254は周方向への断面積の変化が大きくなる。そのため、接続通路162からポンプ200へ吸入される空気の量は増大し、ポンプ室254における空気の圧力変化は大きくなる。その結果、図4に示すようにポンプ200から吐出またはポンプ200へ吸入される空気の流量は大きくなるとともに、ポンプ200から吐出またはポンプ200へ吸入される空気の圧力も大きくなる。
上述のように、能力変更部290によってポンプケーシング250を駆動し、ロータ251とポンプケーシング250との偏心量を調整することにより、ポンプ200から吐出またはポンプ200へ吸入される空気の流量および圧力すなわちポンプ性能は変化する。ECU50は、能力変更部290によるポンプケーシング250の駆動量に基づいて、ポンプ200の性能を検出する。
次に、上記の構成による検査システム10による蒸発燃料の漏れ検出について説明する。
燃料タンク20からの蒸発燃料の漏れ検出は、基準となるオリフィス520を経由してポンプ200を作動するときのポンプ性能と、ポンプ通路を経由して燃料タンク20を直接減圧するときのポンプ性能とを比較することにより行われる。燃料タンク20の蒸発燃料漏れ検出は、車両に搭載されたエンジンの運転が停止され、車両の温度が十分に安定した後に行われる。
(1)ECU50は、車両のエンジンが停止してから所定期間が経過すると、モータ210に通電し、ポンプ200を駆動する。このとき、ECU50はコイル332に通電しない。コイル332への通電が停止されることにより、可動コア334および弁軸部材320はスプリング331の押し付け力により図3の下方へ移動している。そのため、ワッシャ342は第一弁座341から離座するとともに、バルブキャップ352は第二弁座351に着座している。これにより、接続通路162は、オリフィス通路510を経由してキャニスタポート140および大気ポート150と連通する。
ポンプ200が駆動されることにより、接続通路162は減圧される。そのため、ポンプ200はオリフィス通路510を経由して空気を吸入する。接続通路162へ流入する空気の流れはオリフィス通路510に設置されているオリフィス520により絞られる。そのため、接続通路162の圧力は低下する。このとき、接続通路162の圧力は、圧力センサ400によって検出され、ECU50に記憶される。ここで、ECU50に記憶された接続通路162の圧力は基準圧力P1とする。オリフィス通路510を経由して空気を吸入するとき、ECU50はポンプ200のポンプケーシング250の位置を基準位置に設定している。そのため、ポンプ200の性能すなわち接続通路162における圧力と流量との関係は、図5の線L1として示す通りである。
図5は、ポンプ性能すなわち接続通路162における圧力と流量との関係を示す図である。図1に示すように、ポンプ200のポンプケーシング250が基準位置にあるとき、接続通路162の圧力と流量との関係、すなわちポンプ性能は図5の線L1に示す通りである。一方、偏心量が大きくなると、図4を用いて説明した通り、接続通路162の圧力および流量は大きくなる。そして、偏心量が最大となると、ポンプ200の性能は図5の線L2に示す通りとなる。また、偏心量が小さくなると、接続通路162の圧力および流量は小さくなる。そして、偏心量が最小となると、ポンプ性能は図5の線L3に示す通りとなる。
ところで、図5では、燃料タンク20に生じる開口の大きさによって空気の流量係数がどのように変化するかも示している。すなわち、燃料タンク20に生じる開口の大きさが基準開口すなわちオリフィス520の開口面積と同一のとき、流量係数は図5の実線L4に示すような変化を生じる。また、燃料タンク20に生じる開口の大きさがオリフィス520の開口面積よりも小さいとき、例えば図5の一点鎖線L5に示すように、流量係数は図5の実線L4よりも変化が小さくなる。さらに、燃料タンク20に生じる開口の大きさがオリフィス520の開口面積よりも大きいとき、例えば図5の破線L6に示すように、流量係数は実線L4よりも変化が大きくなる。なお、燃料タンク20に生じた開口の大きさによって流量係数の種々の変化をともなう。ここでは、オリフィス520の開口面積よりも小さな開口および大きな開口が生じたときの流量係数の一例を示している。
以上の点から、ポンプ200が基準性能でオリフィス通路510を経由して吸入するとき、接続通路162はある一定の圧力すなわち図5のP1で一定となる。一方、燃料タンク20に生じている開口の大きさがオリフィス520の開口よりも小さいまたは大きい場合、接続通路162の圧力をP1にするためにはポンプ性能を変更する必要がある。
(2)ECU50は、オリフィス通路510を経由した圧力の検出が完了すると、モータ210を停止し、コイル332へ通電する。コイル332に通電することにより、ワッシャ342は第一弁座341に着座するとともに、バルブキャップ352は第二弁座351から離座する。これにより、大気ポート150と接続通路162との間が遮断されるとともに、キャニスタポート140と接続通路162とが連通する。
ここで、モータ210に通電すると、ポンプ200が作動し、チェックバルブ220は開弁する。そして、ポンプ200の作動により、燃料タンク20の内部は接続通路162を経由して時間の経過とともに減圧される。このとき、接続通路162は燃料タンク20に連通しているため、接続通路162に連通するセンサ室170に設置されている圧力センサ400が検出する圧力は燃料タンク20の内部の圧力とほぼ同一となる。
そして、ECU50は、能力変更部290によってポンプ200の性能を制御し、接続通路162の圧力をP1に設定する。すなわち、ECU50は、能力変更部290のアクチュエータ291に供給する電力を制御し、ポンプケーシング250とロータ251との偏心量を調整する。そして、ECU50は、接続通路162の圧力が、記憶した圧力P1となるようにポンプケーシング250とロータ251との偏心量を調整する。ECU50は、アクチュエータ291へ供給した電力からポンプケーシング250とロータ251との偏心量を検出する。そして、ポンプケーシング250とロータ251との偏心量に基づいて、燃料タンク20に生じる開口の大きさを判定する。すなわち、ポンプケーシング250とロータ251との偏心量が基準値よりも小さいとき、燃料タンク20に生じる開口の大きさはオリフィス520の開口よりも小さいことになる。したがって、ECU50は、燃料タンク20からの蒸発燃料の漏れは基準値以下であり、検査が合格であると判断する。一方、ポンプケーシング250とロータ251との偏心量が基準値よりも大きいとき、燃料タンク20に生じる開口の大きさはオリフィス520の開口よりも大きいことになる。したがって、ECU50は、燃料タンク20からの蒸発燃料の漏れは基準値を超えるものであり、検査が不合格であると判断する。ECU50は、検査が不合格だった場合、車両の運転者に燃料タンク20からの蒸発燃料の漏れが生じている旨を警告する。
以上、説明したように、第1実施形態では、ポンプケーシング250とロータ251との偏心量から燃料タンク20に生じている開口の大きさを判断している。そのため、わずかな圧力の変化から開口の大きさを判断する場合と比較して、圧力センサ400の性能を抑えることができる。また、オリフィス通路510を経由して圧力P1を検出するとき、ポンプケーシング250とロータ251との偏心量を調整することにより、圧力P1を常に一定値に補正することができる。その結果、例えば高度や気圧などの周囲の環境あるいは長期的な使用による劣化などによって、ポンプ性能が変化する場合でも、圧力P1が一定となり、蒸発燃料漏れの検出精度を高めることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による検査装置を図6に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態では、図6に示すようにポンプ600の構成が第1実施形態と異なる。第2実施形態では、ポンプ600のポンプケーシング610は、リング611とキャップ612とに分離されている。リング611は、ロータ251を収容する略円筒状に形成されており、ポンプ室620の側壁を形成している。一方、キャップ612は、リング611の軸方向においてポンプカバー260とは反対側の端部を覆っている。すなわち、キャップ612は、特許請求の範囲におけるポンプケーシングに対応するとともにカバーにも対応する。
リング611は、例えばPZT素子などの圧電材料を含む材料で形成されている。これにより、ポンプケーシング610のリング611は、ECU50から通電することにより、軸方向の長さすなわちポンプ室620のスラストクリアランスが変化する。すなわち、第2実施形態の場合、ポンプケーシング610のリング611は、ポンプ600を構成するとともに、能力変更部290を構成している。リング611の長さの変化によるポンプ室620のスラストクリアランスの変化によって、ポンプケーシング610のリング611およびキャップ612とロータ251とポンプカバー260との間に形成されるポンプ室620の断面積は変化する。このとき、第2実施形態の場合、ポンプ室620のスラストクリアランスは変化するだけであるため、ポンプ室620の周方向における断面積の変化量は小さい。
通常、ポンプケーシング610のリング611は、所定の全長すなわち所定のスラストクリアランスを形成している基準位置にある。このとき、モータ210に通電すると、ポンプ200からは所定の圧力および所定の流量の空気が吐出される。ポンプケーシング610が基準位置にあるとき、図7に示すようにポンプ600から吐出またはポンプ600に吸入される空気の圧力および流量はそれぞれ基準圧力および基準流量とする。
リング611に通電し、スラストクリアランスが基準位置よりも小さくなると、ポンプ室620は軸方向へ縮小する。そのため、接続通路162からポンプ600に吸入される空気の量はあまり変化しないものの、ポンプ室620における空気の圧力変化は大きくなる。その結果、図7に示すようにポンプ600から吐出または吸入される空気の流量はおおきく変化しないものの、ポンプ600から吐出される空気の圧力の変化は大きくなる。
一方、スラストクリアランスが基準位置よりも大きくなると、ポンプ室620は軸方向へ拡大する。そのため、接続通路162からポンプ600に吸入される空気の量はあまり変化しないものの、ポンプ室620における空気の圧力変化は小さくなる。その結果、図7に示すようにポンプ600から吐出または吸入される空気の流量は大きく変化しないものの、ポンプ600から吐出される空気の圧力の変化は小さくなる。
上述のように、能力変更部290であるリング611の全長を調整することにより、ポンプ室620のスラストクリアランスが調整され、ポンプ600から吐出またはポンプ600へ吸入される空気の流量および圧力すなわちポンプ性能は変化する。ECU50は、リング611への通電量に基づいて、ポンプ性能を検出する。
次に、第2実施形態の検査システム10による蒸発燃料の漏れ検出について説明する。
第2実施形態の場合、ポンプ600が駆動されることにより、第1実施形態と同様に接続通路162は減圧される。そのため、コイル332に通電していないとき、ポンプ600はオリフィス通路510を経由して空気を吸入する。このとき、接続通路162の圧力は、圧力センサ400によって検出され、ECU50に記憶される。ここで、ECU50に記憶された接続通路162の圧力はP2とする。オリフィス通路510を経由して空気を吸入するとき、ECU50はポンプ室620のスラストクリアランスを基準位置に設定している。そのため、ポンプ性能すなわち接続通路162における圧力と流量との関係は、図8の線L1として示す通りである。
図8は、第2実施形態におけるポンプ性能すなわち接続通路162における圧力と流量との関係を示す図である。図8に示すように、ポンプ室620のスラストクリアランスが基準位置にあるとき、接続通路162の圧力と流量との関係、すなわちポンプ性能は線L1に示す通りである。一方、スラストクリアランスが大きくなると、図7を用いて説明した通り、流量はほとんど変化しないものの圧力の変化は小さくなる。そして、スラストクリアランスが最大となると、ポンプ性能は図8の線L2に示す通りとなる。また、スラストクリアランスが小さくなると、流量はほとんど変化しないものの圧力の変化は大きくなる。そして、スラストクリアランスが最小となると、ポンプ性能は図8の線L3に示す通りとなる。
ところで、図8では、燃料タンク20に生じる開口の大きさによって空気の流量係数がどのように変化するかも示している。この点は、第1実施形態において図5を用いた説明と同一であるので簡単に説明する。すなわち、燃料タンク20に生じる開口の大きさがオリフィス520の開口面積と同一であれば、流量係数は図8の実線L4に示すような変化となる。また、燃料タンク20に生じる開口の大きさがオリフィス520の開口面積よりも小さいとき、流量係数は図8の一点鎖線L5に示すように変化し、オリフィス520の開口面積よりも大きいとき、流量係数は図8の破線L6に示すように変化する。
以上の点から、第2実施形態でも、ポンプ600が基準性能でオリフィス通路510を経由して吸入するとき、接続通路162はある一定の圧力すなわち図8の基準圧力P1で一定となる。一方、燃料タンク20に生じている開口の大きさがオリフィス520の開口よりも小さいまたは大きい場合、接続通路162の圧力をP1にするためにはポンプ性能を変更する必要がある。
そこで、第2実施形態の場合、ECU50は、ポンプケーシング610のリング611へ供給する電力によってポンプ600の性能を制御し、接続通路162の圧力をP1に設定する。すなわち、ECU50は、リング611へ供給する電力を制御し、ポンプ室620のスラストクリアランスを調整する。そして、ECU50は、接続通路162の圧力が、記憶した圧力P1となるようにポンプ室620のスラストクリアランスすなわちリング611の全長を調整する。ECU50は、ポンプ室620のスラストクリアランスをリング611に供給した通電量から検出する。そして、ECU50は、リング611に供給した通電量に基づいて、燃料タンク20に生じる開口の大きさを判定する。すなわち、リング611への通電量が小さくなり、スラストクリアランスが基準値よりも小さいとき、燃料タンク20に生じる開口の大きさはオリフィス520の開口よりも大きいことになる。したがって、ECU50は、燃料タンク20からの蒸発燃料の漏れは基準値を超えており、検査が不合格であると判断する。一方、リング611への通電量が大きくなり、スラストクリアランスが基準値よりも大きいとき、燃料タンク20に生じる開口の大きさはオリフィス520の開口よりも小さいことになる。したがって、ECU50は、燃料タンク20からの蒸発燃料の漏れは基準値以下であり、検査が合格であると判断する。ECU50は、検査が不合格だった場合、車両の運転者に燃料タンク20からの蒸発燃料の漏れが生じている旨を警告する。
第2実施形態では、ポンプ室620のスラストクリアランス、すなわちリング611を形成する圧電素子への通電量から燃料タンク20に生じている開口の大きさを判断している。そのため、わずかな圧力の変化から開口の大きさを判断する場合と比較して、圧力センサ400の性能を抑えることができる。また、オリフィス通路510を経由して圧力P1を検出するとき、リング611への通電量を調整することにより、圧力P1を常に一定値に補正することができる。その結果、例えば高度や気圧などの周囲の環境あるいは長期的な使用による劣化などによって、ポンプ性能が変化する場合でも、圧力P1が一定となり、蒸発燃料漏れの検出精度を高めることができる。
また、第2実施形態では、ECU50はロータ251のロックを検出する検出手段として機能する。例えばロータ251とキャップ612との間の距離が小さいとき、ポンプ600に吸入した空気に含まれる異物がロータ251とキャップ612との間に噛み込むおそれがある。ロータ251とキャップ612との間に異物が噛み込むと、ロータ251の回転が制限され、ロータ251がロックする。そこで、ECU50は、ロータ251のロックを検出する。ECU50は、モータ210に通電しているにもかかわらず、モータ210が回転しない、あるいは圧力の変化が生じていないことを検出すると、ロータ251がロックしていると判断する。
ECU50は、ロータ251がロックしていると判断すると、リング611を形成する圧電素子に通電する。これにより、圧電素子は伸長し、ポンプ室620のスラストクリアランスが増大する。そのため、ロータ251とキャップ612との間の距離は拡大する。このとき、モータ210へ通電すると、ロータ251とキャップ612との間に噛み込んでいる異物の除去が容易に行われる。したがって、ロータ251のロックを防止することができ、ポンプ600の安定性を高めることができる。
(変形例)
第2実施形態によるポンプの変形例を図9に示す。
図9(A)に示すポンプ700では、リング611とキャップ612との間に圧電素子部701を有している。このポンプ700の場合、リング611は例えば樹脂などにより形成されている。リング611とキャップ612との間に設置される圧電素子部701は、通電することによりポンプ700の軸方向への全長が変化する。これにより、ロータ251とキャップ612との間の距離が変化し、ポンプ室620のスラストクリアランスが変化する。したがって、圧電素子部701への通電量を変化させることにより、ポンプ室620のスラストクリアランスが変化し、燃料タンク20に生じている開口の大きさを判断することができる。
図9(B)に示すポンプ710では、ポンプケーシング610を構成するリング611およびキャップ612は固定部材613によってポンプカバー260に固定されている。固定部材613は、例えばボルトやタッピングスクリュなどによって構成されている。固定部材613とキャップ612との間には、圧電素子部711が設けられている。圧電素子部711は、通電することによりポンプ710の軸方向への全長が変化する。ポンプ710の軸方向へ圧電素子部711が伸びると、キャップ612はポンプカバー260側へ移動する。リング611は、例えば樹脂などの弾性変形可能な材料で形成されている。そのため、キャップ612がポンプカバー260側へ移動すると、リング611は軸方向の全長が短くなる。すなわち、圧電素子部711の伸縮によって、ポンプ室620のスラストクリアランスは変化する。したがって、圧電素子部711への通電量を変化させることにより、ポンプ室620のスラストクリアランスが変化し、燃料タンク20に生じている開口の大きさを判断することができる。
図9(C)に示すポンプ720では、ポンプ720とモータ210との間に設置されるポンプカバー270と、キャップ612との間に圧電素子部721を有している。圧電素子部721は、通電することによりポンプ720の軸方向への全長が変化する。ポンプ720の軸方向へ圧電素子部721が伸びると、キャップ612はポンプカバー260側へ移動する。リング611は、例えば樹脂などの弾性変形可能な材料で形成されている。そのため、キャップ612がポンプカバー260側へ移動すると、リング611は軸方向の全長が短くなる。すなわち、圧電素子部721の伸縮によってポンプ室620のスラストクリアランスは変化する。したがって、圧電素子部721への通電量を変化させることにより、ポンプ室620のスラストクリアランスが変化し、燃料タンク20に生じている開口の大きさを判断することができる。
図9(D)に示すポンプ730では、キャップ612の内側すなわちキャップ612のリング611側の端部に圧電素子部731を有している。圧電素子部731は、通電することによりポンプ730の軸方向へ全長が変化する。ポンプ730の軸方向へ圧電素子部731が伸びると、圧電素子部731はロータ251側へ突出する。そのため、圧電素子部731の伸縮によってポンプ室620のスラストクリアランスは変化する。したがって、圧電素子部731への通電量を変化させることにより、ポンプ室620のスラストクリアランスが変化し、燃料タンク20に生じている開口の大きさを判断することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による検査装置を用いた検査方法について図10を用いて説明する。第3実施形態では、第2実施形態によるポンプ600を用いて検査を行う。
ポンプ600は、回転数を変更することによって、ポンプ性能が変化する。回転数を増大した場合、ポンプ室620のスラストクリアランスが一定であればポンプ600に吸入またはポンプ600から吐出される空気の流量は増大する。このとき、スラストクリアランスを大きくすることにより、ポンプ室620の断面積が増大する。そのため、ポンプ600へ吸入またはポンプ600から吐出される空気の流量はやや増大する。一方、ロータ251の回転数を増大し、スラストクリアランスを増大しても、ロータ251の周方向におけるポンプ室620の断面積の変化量はほぼ一定であるため、ポンプ室620における圧力の変化は小さい。その結果、ポンプ600は、回転数を増大し、スラストクリアランスを増大することにより、ポンプ600が吸入または吐出する空気の流量は増大する一方、圧力の変化は小さくなる。したがって、このときのポンプ600の性能を示す圧力と流量との関係は、図10の線Lxに示す通りとなる。
このとき、ポンプ600は、スラストクリアランスが大きいため、燃料タンク20の内部を必要以上に減圧または加圧することがない。したがって、ポンプ600の回転数を増大し、スラストクリアランスを大きくすることにより、過大な圧力変化にともなう燃料タンク20の破壊を防止しつつ、燃料タンク20の内部の減圧または加圧を迅速に実施することができる。
逆に、ポンプ600は、回転数を低減し、スラストクリアランスを小さくすることにより、吸入または吐出する空気の流量は低減する。また、ポンプ600へ吸入またはポンプ600から吐出される空気の圧力の変化も小さくなる。したがって、このときのポンプ600の性能を示す圧力と流量との関係は、図10の線Lyに示す通りとなる。
以上の点から、燃料タンク20の内部を減圧または加圧する場合、ECU50はポンプ600の回転数を増大し、スラストクリアランスを増大する。そのため、燃料タンク20の内部は、図10の線Lxに示すように迅速に減圧または加圧され、燃料タンク20の破壊は招かない。そして、燃料タンク20の内部の圧力が燃料タンク20に生じる開口部の検出時の値に近づくと、ECU50はポンプ600の回転数を低下させるとともに、スラストクリアランスを減少させる。これにより、圧力の変化が小さくなり、スラストクリアランスの変化によって微小な圧力の変化が検出される。したがって、燃料タンク20の開口からの燃料漏れの検出精度を高めることができる。
以上のように、第3実施形態では、検査の途中でポンプ特性を変更することにより、燃料タンク20からの燃料蒸気の漏れを検出するとき、燃料タンク20の破壊を防止しつつ、燃料タンク20の内部を迅速に減圧または加圧し、圧力変化の検出精度を高めることができる。したがって、検査の精度を低下させることなく、ポンプ600の作動時間を短縮することができる。
以上説明した本発明の複数の実施形態では、ポンプ200、600で燃料タンク20の内部を減圧する場合について説明した。しかし、燃料タンク20は、ポンプ200、600で加圧してもよい。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本発明の第1実施形態による検査システムのポンプを示す断面図。 本発明の第1実施形態による検査システムを示す概略図。 本発明の第1実施形態による検査システムの検査装置の概略を示す断面図。 本発明の第1実施形態による検査システムにおいて、ロータの偏心量とポンプ性能との関係を表に示す図。 本発明の第1実施形態による検査システムにおいて、ポンプ性能を示す概略図。 本発明の第2実施形態による検査システムのポンプを示し、(A)はモータ側から見た概略図、(B)は(A)のB−B線における断面図。 本発明の第2実施形態による検査システムにおいて、ロータの偏心量とポンプ性能との関係を表に示す図。 本発明の第2実施形態による検査システムにおいて、ポンプ性能を示す概略図。 本発明の第2実施形態による検査システムにおいて、ポンプの変形例の概略を示す断面図。 本発明の第3実施形態による検査システムにおいて、ポンプ性能を示す概略図。
符号の説明
10:検査システム、20:燃料タンク、30:キャニスタ(ポンプ通路)、32:タンク接続通路(ポンプ通路)、50:ECU(補正手段、制御手段、ロック検出部)、100:検査モジュール、110:ハウジング、140:キャニスタポート(ポンプ通路)、141:キャニスタ通路(ポンプ通路)、161:接続通路(ポンプ通路)、162:接続通路(ポンプ通路)、200、600、700、710、720、730:ポンプ、250、610:ポンプケーシング、251:ロータ、253:ベーン、260:ポンプカバー(カバー)、270:ポンプカバー(カバー)、290:能力変更部(補正手段)、300:切換弁、510:オリフィス通路、520:オリフィス、611:リング、612:キャップ(カバー)、701、711、721、731:圧電素子部

Claims (7)

  1. 燃料タンクの内部を加圧または減圧し、前記燃料タンクからの蒸発燃料の漏れをチェックする蒸発燃料の漏れ検査モジュールであって、
    前記燃料タンクの内部を加圧または減圧するポンプと、
    前記ポンプの性能を可変する補正手段と、
    前記燃料タンクと前記ポンプとを接続するポンプ通路、および前記ポンプ通路と並列のオリフィス通路を形成するハウジングと、
    前記オリフィス通路に設けられ、前記燃料タンクに許容される開口と同一面積の基準開口を形成するオリフィスと、
    前記燃料タンクと前記ポンプとの間を連通する前記ポンプ通路と前記オリフィス通路とを切り換える切換弁と、
    前記補正手段により、前記ポンプ通路を経由して前記燃料タンクを加圧または減圧するときの前記ポンプの性能を、前記オリフィス通路を経由して基準圧力を検出するときの前記ポンプの性能である基準性能と同一に制御する制御手段と、
    を備える蒸発燃料の漏れ検査モジュール。
  2. 前記ポンプは、円環状のケーシングと、前記ケーシングの内周側で前記ケーシングの周方向へ回転するロータと、前記ケーシングの軸方向の端部を覆うカバーと、前記ケーシングの径方向へ往復移動可能に前記ロータに収容されるベーンとを有するベーンロータであって、
    前記補正手段は、前記ケーシングと前記ロータとの偏心量を調整する請求項1記載の蒸発燃料漏れ検査モジュール。
  3. 前記ポンプは、円環状のケーシングと、前記ケーシングの内周側で前記ケーシングの周方向へ回転するロータと、前記ケーシングの径方向へ往復移動可能に前記ロータに収容されるベーンと、前記ケーシングの端部を覆うカバーとを有するベーンポンプであって、
    前記補正手段は、前記ロータと前記カバーとの間の距離を調整する請求項1記載の蒸発燃料漏れ検査モジュール。
  4. 前記補正手段は、前記ロータと前記カバーとの間の距離を可変する圧電素子を有する請求項3記載の蒸発燃料漏れ検査モジュール。
  5. 前記制御手段は、前記ポンプのロックを検出するロック検出部を有し、
    前記ロック検出部によって前記ポンプのロックが検出されると、前記制御手段は前記ロータと前記カバーとの間の距離を拡大する請求項3または4記載の蒸発燃料漏れ検査モジュール。
  6. 前記制御手段は、前記ポンプ通路を経由して前記燃料タンクを加圧または減圧するとき、前記基準圧力に達するまで前記補正手段により前記ロータと前記カバーとの間に形成される隙間を拡大するとともに前記ロータの回転数を増大する請求項3、4または5記載の蒸発燃料漏れ検査モジュール。
  7. 前記制御手段は、前記基準圧力に達すると、前記ロータと前記カバーとの間に形成される隙間を縮小するとともに前記ロータの回転数を低減する請求項6記載の蒸発燃料漏れ検査モジュール。



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